JP2001052310A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2001052310A
JP2001052310A JP11223821A JP22382199A JP2001052310A JP 2001052310 A JP2001052310 A JP 2001052310A JP 11223821 A JP11223821 A JP 11223821A JP 22382199 A JP22382199 A JP 22382199A JP 2001052310 A JP2001052310 A JP 2001052310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来における薄膜磁気ヘッドでは、狭トラッ
ク化を実現できても、磁路長を短くしてインダクタンス
のより適切な低減を図ることができなかった。 【解決手段】 第1層目となるコイル層17を、トラッ
ク幅規制部14の後方であって、前記トラック幅規制部
14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたと
きに、前記基準平面Aと同一面上に前記コイル層17の
上面17bを位置せしめることで、コイル層を2層構造
にして、コイル層17の幅を小さくできると同時に、下
部コア層10上から第2のコイル層23を覆う第2コイ
ル絶縁層24までの高さを小さくできる。また本発明で
はコイル層17の厚さを大きくできるから、よりコイル
層17の幅寸法T4を小さくできる。よって本発明で
は、短磁路化を図り、インダクタンスを低減させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浮上式磁気
ヘッドなどに使用される記録用の薄膜磁気ヘッドに係
り、特にインダクタンスの低減を図り、高記録周波数化
に対応可能な薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図18は、従来における薄膜磁気ヘッド
(インダクティブヘッド)の構造を示す部分正面図、図
19は、図18に示す19−19線から切断された薄膜
磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図である。
【0003】図18及び図19に示す符号1は、パーマ
ロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であり、こ
の下部コア層1の上に、絶縁層9が形成されている。
【0004】前記絶縁層9には、記録媒体との対向面
(以下、ABS面と呼ぶ)からハイト方向(図示Y方
向)にかけて、内幅寸法がトラック幅Twで形成された
溝部9aが形成されている。
【0005】この溝部9a内には、下から順に、下部コ
ア層1に磁気的に接続する下部磁極層3、ギャップ層
4、及び上部コア層6に磁気的に接続する上部磁極層5
がメッキ形成されている。
【0006】また図19に示すように、絶縁層9に形成
された溝部9aよりもハイト方向(図示Y方向)におけ
る前記絶縁層9の上には、螺旋状にパターン形成された
コイル層7が設けられている。
【0007】そして前記コイル層7は、レジストなどの
コイル絶縁層8により覆われており、前記コイル絶縁層
8の上に、上部コア層6が形成されている。前記上部コ
ア層6は、その先端部6aにて上部磁極層5と、また基
端部6bにて下部コア層1と磁気的に接続された状態に
なっている。
【0008】図18および図19に示すインダクティブ
ヘッドでは、コイル層7に記録電流が与えられると、下
部コア層1及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下
部コア層1と磁気的に接続する下部磁極層3及び上部コ
ア層6と磁気的に接続する上部磁極層5間からの洩れ磁
界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が
記録される。
【0009】図18および図19に示すインダクティブ
ヘッドでは、ABS面(記録媒体との対向面)付近に、
局部的にトラック幅Twで形成された下部磁極層3、ギ
ャップ層4、および上部磁極層5を形成しており、この
タイプのインダクティブヘッドは、狭トラック化に対応
可能となっている。
【0010】図18および図19に示すインダクティブ
ヘッドの製造方法について説明すると、まず下部コア層
1上に絶縁層9を形成し、前記絶縁層9に、トラック幅
Twの溝部9aをABS面からハイト方向に所定の長さ
で形成する。
【0011】次に前記溝部9a内に、下部磁極層3、ギ
ャップ層4および上部磁極層5を連続メッキして形成
し、その後、絶縁層9に形成された溝部9aよりも後方
(ハイト方向)の絶縁層9上に、コイル層7をパターン
形成する。
【0012】さらに前記コイル層7上を、コイル絶縁層
8によって覆い、上部磁極層5上から前記コイル絶縁層
8上にかけて上部コア層6を、フレームメッキ法で形成
すると、図18および図19に示すインダクティブヘッ
ドが完成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今後の高記
録密度化・高記録周波数化に伴い、狭トラック化ととも
に、インダクティブヘッドのインダクタンスを低減させ
る必要性がある。
【0014】インダクタンスの低減を図るためには、下
部コア層1から上部コア層6を経て形成される磁路長を
短くしなければならず、そのために、上部コア層6の先
端部6aから基端部6bまでの間に形成されるコイル層
7の幅寸法T1を小さくする必要性がある。コイル層7
の幅寸法T1を小さくすれば、上部コア層6の長さを短
くでき、短磁路化を実現できる。
【0015】前記コイル層7のターン数を変えずに、前
記コイル層7の幅寸法T1を小さくするには、前記コイ
ル層7を2層の積層構造にする方法が考えられる。
【0016】しかしながら、図18および図19に示す
薄膜磁気ヘッドの構造では、コイル層7を単純に2層の
積層構造にしても、磁路長を今後の高記録周波数化に対
応できるほど、磁路長を短くできず、インダクタンスの
より適切な低減を図ることは難しい。
【0017】その理由は、前記コイル層7が、膜厚の厚
い絶縁層9の上に形成されるからである。図18に示す
ように、前記絶縁層9はその膜厚がH5で形成され、前
記膜厚H5は下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁
極層5の総合膜厚であるH6よりも大きい。このため図
19に示すように、前記絶縁層9上に形成されるコイル
層7は、上部磁極層5と上部コア層6との接合面を基準
平面としたときに、この基準平面よりも上部コア層6側
に形成されることになる。
【0018】従って単純にコイル層7を2層の積層構造
にすると、前記コイル層7の幅寸法T1を小さくできて
も、下部コア層1上からコイル層7を覆うコイル絶縁層
8上までの高さは非常に大きくなってしまい、結局磁路
長をそれほど短くすることはできず、インダクタンスの
適切な低減を図ることはできない。
【0019】また図19に示す構造のインダクティブヘ
ッドにて、単純にコイル層7を2層の積層構造にしたの
では、前記コイル層7を覆うコイル絶縁層8の厚さ寸法
H1は大きくなり、上部磁極層5の表面を基準平面とし
た場合における前記コイル絶縁層8の盛り上がりは非常
に大きくなってしまう。
【0020】このため、前記上部磁極層5上からコイル
絶縁層8上にかけて形成される上部コア層6をフレーム
メッキ法でパターン形成しずらくなり、前記上部コア層
6の、特に先端部6a付近の形状を所定形状に形成でき
ないといった問題が発生する。
【0021】またコイル層7の各導体部の幅寸法T2を
小さくして、各導体部の高さ寸法H2を厚くすれば、コ
イル層の体積に変化がないことから、コイル抵抗値の増
大を招くことはなく、しかもこの場合、前記各導体部の
幅寸法T2を小さくできるから、コイル層7全体の幅寸
法T1を小さくでき、さらなる短磁路化によりインダク
タンスの低減を図ることが可能になる。
【0022】しかしながら、各導体部の高さH2は高く
なるので、益々前記コイル層7を覆うコイル絶縁層8の
盛り上がりは大きくなってしまい、上記したパターン精
度良く上部コア層6を形成できないという問題が顕著に
表れる。
【0023】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、特に狭トラック化と共に、磁路長を短くし
てインダクタンスの低減を図ることが可能な薄膜磁気ヘ
ッド及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明における薄膜磁気
ヘッドは、下部コア層と、上部コア層と、記録媒体との
対向面で前記下部コア層と上部コア層との間に位置し且
つトラック幅方向の寸法が規制されたトラック幅規制部
とを有し、前記トラック幅規制部は、下部コア層と連続
する下部磁極層と上部コア層と連続する上部磁極層との
少なくとも一方と、前記各磁性層の間またはいずれか一
方の前記コア層と前記いずれかの磁極層とを磁気的に絶
縁するギャップ層とを有し、前記トラック幅規制部と上
部コア層との接合面を基準平面としたときに、前記下部
コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層が、
前記トラック幅規制部のハイト方向の後方に位置し、且
つ前記コイル層の上面が前記基準平面と同一面上に位置
し、前記コイル層を構成する各導体部のピッチ間が、下
部コイル絶縁層によって埋められ、さらに前記コイル層
上には上部コイル絶縁層が形成されており、前記上部コ
ア層は、トラック幅規制部上から前記上部コイル絶縁層
上にかけて形成され、さらに前記上部コア層の基端部が
下部コア層上に磁気的に接続されていることを特徴とす
るものである。
【0025】本発明では、今後の高記録密度化・高記録
周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造すべく、特
にコイル層の形成位置を従来と異ならしめ、短磁路化を
実現できインダクタンスの低減を図ることを本発明の目
的としている。
【0026】上記のように本発明におけるコイル層は、
下部コア層および上部コア層間に形成されたトラック幅
規制部のハイト側後方であって、前記トラック幅規制部
と上部コア層との接合面を基準平面としたときに前記基
準平面と同一平面上に、前記コイル層の表面が表れるよ
うに形成されている。
【0027】すなわち本発明では図19に示す薄膜磁気
ヘッドに比べ、コイル層の形成位置を、より下部コア層
側に位置せしめ、よって本発明では、図19の薄膜磁気
ヘッドに比べて、下部コア層上から前記コイル層を覆う
絶縁層(上部コイル絶縁層)上までの高さ寸法を小さく
できるから、従来に比べ上部コア層の長さを小さくで
き、よって、より適切な短磁路化を実現でき、インダク
タンスの低減を図ることが可能になっている。
【0028】特に本発明では前記コイル層をその上面
が、前記基準平面と同一面上となるように形成すること
で、前記コイル層の厚さ寸法を最大限に大きく形成する
ことができる。従って前記コイル層の各導体部の幅寸法
を小さくしても、断面積に比例するコイル抵抗値の増大
を招くことはなく、従って上部コア層の先端部から基端
部までの前記コイル層全体の幅寸法を小さくすることが
でき、さらなる短磁路長化を実現できてインダクタンス
の低下を図ることが可能である。
【0029】また本発明では前記コイル層は、導電性材
料層とその上に積層された保護層とで構成され、前記保
護層が、前記基準平面と同一面上に現れていることが好
ましい。
【0030】これにより、前記コイル層を構成する導電
性材料層を酸化から保護でき、しかも前記コイル層のコ
イル抵抗値を所定数値内に設定することが可能になる。
【0031】また本発明では、前記導電性材料層は、C
u、Auのうちのいずれか一方または両方の元素を含む
単層構造または多層構造の非磁性導電層であり、前記保
護層は、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから
選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造また
は多層構造の耐酸化性に優れた導電層であることが好ま
しい。
【0032】また本発明では、コイル層を構成する各導
体部のピッチ間に埋められる下部コイル絶縁層は、無機
材料で形成された無機絶縁層であることが好ましい。
【0033】また本発明では、前記上部コイル絶縁層上
には、前記コイル層と電気的に接続された第2のコイル
層が形成されており、前記第2のコイル層を覆う第2コ
イル絶縁層上に、トラック幅規制部上から延びる上部コ
ア層が形成されていることが好ましい。これによりさら
にコイル層の幅寸法を小さくでき、さらなる短磁路化の
実現によりインダクタンスの低減を図ることが可能にな
る。
【0034】また本発明では、前記コイル層の巻き中心
部の上面は、前記基準平面と同一面上に位置し、前記巻
き中心部上に、第2のコイル層の巻き中心部が電気的に
接続されていることが好ましい。
【0035】さらに本発明では、前記ギャップ層は、メ
ッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されていることが
好ましく、この場合、前記非磁性金属材料は、NiP、
NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、P
d、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択され
たものであることが好ましい。
【0036】また本発明における薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、(a)前記下部コア層の上に、下部磁極層と非
磁性のギャップ層と上部磁極層から成るトラック幅規制
部、または前記下部磁極層と非磁性のギャップ層から成
るトラック幅規制部、あるいは非磁性のギャップ層と上
部磁極層からなるトラック幅規制部を、所定の幅寸法で
且つ記録媒体との対向面からハイト方向へ向けて所定の
長さに形成する工程と、(b)前記いずれかのトラック
幅規制部のハイト側後方で、前記下部コア層上に、絶縁
下地層を形成し、この絶縁下地層の上にコイル層を形成
する工程と、(c)前記トラック幅規制部および前記コ
イル層を覆うようにして下部コイル絶縁層を形成する工
程と、(d)前記下部コイル絶縁層の上面を平坦化する
とともに、トラック幅規制部の上面と前記コイル層の上
面とを互いに同一面とし、且つトラック幅規制部の上面
と前記コイル層の上面とを前記下部コイル絶縁層の表面
に露出させる工程と、(e)前記露出したコイル層上
に、上部コイル絶縁層を形成する工程と、(f)前記ト
ラック幅規制部の上から前記上部コイル絶縁層の上にか
けて上部コア層を形成する工程と、を有することを特徴
とするものである。
【0037】このように本発明では、まず最初に下部コ
ア層上に、磁極層およびギャップ層から成るトラック幅
規制部を、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の
長さ寸法にて形成しているので、前記トラック幅規制部
の後方には、図18および図19に示す絶縁層9は存在
せず、従ってコイル層を、前記トラック幅規制部の後方
の下部コア層上に、膜厚の薄い絶縁下地層を介して形成
することができる。
【0038】よって本発明では、下部コア層上から前記
コイル層上を覆う上部コイル絶縁層上までの高さ寸法を
小さくすることができ、短磁路化の実現によりインダク
タンスの低減を図ることが可能である。
【0039】また本発明における製造方法では、(d)
工程後における前記トラック幅規制部の上面よりも高い
位置まで、コイル層を絶縁下地層上にパターン形成し、
その後前記トラック幅規制部上からコイル層上にかけて
形成された下部コイル絶縁層を、CMP技術などを用い
て削り、この際前記トラック幅規制部と前記コイル層の
上面を露出させている。
【0040】すなわち本発明の製造方法のように、下部
コア層上に絶縁下地層を介してコイル層を形成する工程
と、CMP技術などにより前記コイル層を覆う下部コイ
ル絶縁層を研磨して、前記下部コイル絶縁層の上面を、
トラック幅規制部の上面と同一面上に位置せしめる工程
と、を含む場合に、本発明によれば、下部コア層上に絶
縁下地層を介して形成されるコイル層の膜厚を最大限に
大きくして形成することが可能である。このようにコイ
ル層の膜厚を大きくできれば、コイル層の各導体部の幅
寸法を小さくしても、コイル抵抗値の増大を招かないか
ら、前記コイル層の幅寸法を小さくしてさらなる短磁路
化を図ることが可能である。
【0041】また本発明では、前記コイル層を導電性材
料層とその上に積層された保護層とで構成し、前記
(d)工程で、前記保護層を下部コイル絶縁層の表面に
露出させることが好ましい。
【0042】また前記導電性材料層を、Cu、Auのう
ちのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造また
は多層構造で形成し、前記保護層を、Ni、P、Pd、
Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以
上の元素を含む単層構造または多層構造で形成すること
が好ましい。
【0043】さらに本発明では、前記(c)工程での絶
縁層として無機絶縁層を形成し、前記(d)工程で、前
記トラック幅規制部と前記コイル層および前記無機絶縁
層が同一面となるように研磨することが好ましい。
【0044】また本発明では、前記(e)工程の後に、
前記上部コイル絶縁層の上に、前記コイル層と磁気的に
接続される第2のコイル層を形成する工程を含み、前記
(f)工程で、前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶
縁層上に、上部コア層を形成することが好ましい。これ
によりさらにコイル層の幅寸法を小さくできて、さらな
る短磁路化によりインダクタンスの低減を図ることが可
能である。
【0045】また前記(d)工程では、前記コイル層の
巻き中心部を露出させ、前記巻き中心部上に、第2のコ
イル層の巻き中心部を積層することが好ましい。これに
より製造方法の簡略化を実現することができる。
【0046】また本発明では、前記(a)工程では、前
記ギャップ層を磁極層と共にメッキ形成することが好ま
しく、この場合、前記ギャップ層を形成するメッキ形成
可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、N
iW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Cr
のうち1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0047】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における薄膜磁気
ヘッドの構造を示す部分正面図、図2は図1に示す2−
2線から切断した薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部
分断面図である。
【0048】図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のイ
ンダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダ
クティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用
ヘッド(MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0049】図1及び図2に示す符号10は、例えばパ
ーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であ
る。なお、前記下部コア層10の下側に再生用ヘッドが
積層される場合、前記下部コア層10とは別個に、磁気
抵抗効果素子をノイズから保護するシールド層を設けて
もよいし、あるいは、前記シールド層を設けず、前記下
部コア層10を、前記再生用ヘッドの上部シールド層と
して機能させてもよい。
【0050】また図1に示すように、後述する下部磁極
層11の基端から延びる下部コア層10の上面10aは
トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に延びて形
成されていてもよく、あるいは、前記上部コア層16か
ら離れる方向に傾斜する傾斜面10b,10bが形成さ
れていてもよい。前記下部コア層10の上面に傾斜面1
0b,10bが形成されることで、よりいっそうライト
フリンジングを適切に防止することができる。
【0051】図1に示すように、下部コア層10の上に
は、トラック幅Twで形成されたトラック幅規制部14
が形成されている。前記トラック幅Twは、0.7μm
以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.
5μm以下である。これにより狭トラック化に対応可能
な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0052】図1および図2に示す実施例では、前記ト
ラック幅規制部14は、下部磁極層11、ギャップ層1
2、および上部磁極層13の3層膜の積層構造で構成さ
れている。以下、前記磁極層11、13およびギャップ
層12について説明する。
【0053】図1および図2に示すように、前記下部コ
ア層10上には、トラック幅規制部14の最下層となる
下部磁極層11がメッキ形成されている。前記下部磁極
層11は、下部コア層10と磁気的に接続されており、
前記下部磁極層11は、前記下部コア層10と同じ材質
でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。ま
た単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよ
い。
【0054】また図1及び図2に示すように、前記下部
磁極層11上には、非磁性のギャップ層12が積層され
ている。
【0055】本発明では、前記ギャップ層12は、非磁
性金属材料で形成されて、下部磁極層11上にメッキ形
成されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性
金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiM
o、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crの
うち1種または2種以上を選択することが好ましく、前
記ギャップ層12は、単層膜で形成されていても多層膜
で形成されていてもどちらであってもよい。
【0056】次に前記ギャップ層12上には、後述する
上部コア層16と磁気的に接続する上部磁極層13がメ
ッキ形成されている。なお前記上部磁極層13は、上部
コア層16と同じ材質で形成されていてもよいし、異な
る材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜
で形成されていてもどちらでもよい。
【0057】上記したようにギャップ層12が、非磁性
金属材料で形成されていれば、下部磁極層11、ギャッ
プ層12および上部磁極層13を連続してメッキ形成す
ることが可能になる。
【0058】なお本発明では、前記トラック幅規制部1
4は、上記3層膜の積層構造に限られない。すなわち、
前記トラック幅規制部14は、下部コア層10と連続す
る下部磁極層11と上部コア層と連続する上部磁極層1
3との少なくとも一方と、前記各磁極層の間を磁気的に
絶縁しまたはいずれか一方の前記コア層と前記いずれか
の磁極層とを磁気的に絶縁するギャップ層12とで構成
されれば、どのような膜構成であってもかまわない。
【0059】また上記したように、トラック幅規制部1
4を構成する下部磁極層11および上部磁極層13は、
それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層と同じ材
質でも異なる材質で形成されてもどちらでもよいが、記
録密度を向上させるためには、ギャップ層12に対向す
る下部磁極層11および上部磁極層13は、それぞれの
磁極層が磁気的に接続されるコア層の飽和磁束密度より
も高い飽和磁束密度を有していることが好ましい。この
ように下部磁極層11および上部磁極層13が高い飽和
磁束密度を有していることにより、ギャップ近傍に記録
磁界を集中させ、記録密度を向上させることが可能にな
る。
【0060】また図1に示すように、前記トラック幅規
制部14の厚さ寸法はH4で形成されている。例えば一
例として、下部磁極層11の膜厚は0.4μm程度、ギ
ャップ層12の膜厚は0.2μm程度、上部磁極層13
の膜厚は2μm程度である。
【0061】また前記トラック幅規制部14は、図2に
示すように、記録媒体との対向面(ABS面)からハイ
ト方向(図示Y方向)にかけて長さ寸法L1で形成され
ている。
【0062】前記長さ寸法L1は、ギャップデプスGd
として規制されており、前記ギャップデプスGdは、薄
膜磁気ヘッドの電気特性に多大な影響を与えることか
ら、予め所定の長さに設定される。
【0063】ところで本発明では、図1に示すように下
部コア層10上であって、トラック幅規制部14の両側
には、下部コイル絶縁層15が記録媒体との対向面(A
BS面)に露出している。この下部コイル絶縁層15
は、トラック幅規制部14のハイト方向後方(図示Y方
向)に形成されたコイル層17を構成する各導体部のピ
ッチ間を埋めるために用いられるものであり、図18に
示す薄膜磁気ヘッドの絶縁層9とは、異なる役割(機
能)を有していることに留意すべきである。
【0064】すなわち図18に示す記録媒体との対向面
に露出する絶縁層9は、狭トラック化に対応するために
用いられるものであり、前記絶縁層9には、記録媒体と
の対向面に、内幅寸法をトラック幅Twとして規定する
溝部9aが形成されている。そして前記溝部9a内に、
下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁極層5がメッ
キ形成され、さらに図19に示すように、前記絶縁層9
上にコイル層7がパターン形成されている。
【0065】本発明では、図2に示すように前記コイル
層17は、トラック幅規制部14のハイト側後方(図示
Y方向)であって、前記トラック幅規制部14と上部コ
ア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記基
準平面Aと同一面上に前記コイル層17の上面17bが
位置している。
【0066】本発明では図2に示すように、前記下部コ
ア層10とコイル層17との間には、下部コア層・コイ
ル層間の絶縁確保のための絶縁下地層18が形成されて
おり、この絶縁下地層18は、例えば、AlO、Al2
3、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSi
N、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、W
3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種か
らなる絶縁材料で形成されていることが好ましい。
【0067】そして図2に示すように、前記下地絶縁層
18上には、巻き中心部17aを中心として螺旋状にパ
ターン形成された、例えばCuなどのコイル層17が形
成されている。また図2に示すように前記コイル層17
の各導体部のピッチ間は、下部コイル絶縁層15によっ
て埋められ、この下部コイル絶縁層15は、前述したよ
うに記録媒体との対向面(ABS面)にまで露出して形
成されている(図1参照)。
【0068】また前記下部コイル絶縁層15の上面もま
た、前記コイル層17の上面17bと同様に、トラック
幅規制部14と上部コア層16との接合面(基準平面
A)と同一面上で形成されており、前記下部コイル絶縁
層15上面とコイル層17の上面17bとが連続した平
坦化面となっている。
【0069】また図1および図2に示す実施例の前記下
部コイル絶縁層15は、無機材料で形成された無機絶縁
層であり、前記無機材料には、Al23、SiO2、S
iNから1種または2種以上が選択されることが好まし
い。
【0070】また他の形態としては、前記コイル層17
の各導体部のピッチ間に、下部コア層10上から所定の
高さまで有機材料で形成された有機絶縁層(図示しな
い)が充填され、前記有機絶縁層の上から、コイル層1
7の上面17bと同一面上まで無機材料製の下部コイル
絶縁層15が形成されていてもよい。
【0071】前記のように有機絶縁層を充填する理由
は、図2に示すように、前記無機材料製の下部コイル絶
縁層15のみで前記コイル層17の各導体部のピッチ間
を埋めようとしても、スパッタの際にシャドー効果等に
より、前記コイル層17のピッチ間を下部コイル絶縁層
15で適切に埋めることができず、前記下部コイル絶縁
層15に空洞部が形成されやすいからである。
【0072】このように前記下部コイル絶縁層15に空
洞部が形成されると、前記空洞部に溜まったガスが、磁
気ヘッド駆動の際の発熱により膨張するなどして、薄膜
磁気ヘッドの形状を変形させるなどの悪影響を及ぼす可
能性がある。
【0073】よって、まずレジストなどの有機材料によ
ってコイル層17の各導体部のピッチ間をある程度埋め
てから、前記有機絶縁層上にスパッタ等により下部コイ
ル絶縁層15を形成することが好ましい。
【0074】図2に示すように、前記コイル層17上に
は、レジストやポリイミドなどの有機材料で形成された
上部コイル絶縁層22が形成されており、前記上部コイ
ル絶縁層22上に第2のコイル層23が螺旋状にパター
ン形成されている。前記第2のコイル層23の巻き中心
部23aは、トラック幅規制部14と上部コア層16と
の接合面(基準平面A)と同一面上に形成されたコイル
層17の巻き中心部17a上に直接磁気的に接続された
状態になっている。
【0075】図2に示すように、前記第2のコイル層2
3は、レジストやポリイミドなどの有機材料で形成され
た第2コイル絶縁層24によって覆われ、前記第2コイ
ル絶縁層24上には、パーマロイなどの磁性材料で形成
された上部コア層16がフレームメッキ法などにより形
成されている。
【0076】図2に示すように前記上部コア層16は、
その先端部16aが、トラック幅規制部14上に接して
形成されており、また基端部16bは、下部コア層10
上に形成された磁性材料製の持ち上げ層(バックギャッ
プ層)25上に磁気的に接続された状態となっている。
なお前記持ち上げ層25は形成されていなくてもよく、
この場合、前記上部コア層16の基端部16bが、下部
コア層10上にまで延びて、下部コア層10上に直接磁
気的に接続された状態となる。また図1に示すように前
記上部コア層16の先端部16aの幅寸法T3は、トラ
ック幅Twよりも大きく形成される。
【0077】ところで本発明におけるインダクティブヘ
ッドでは、コイルが2層の積層構造となっているが、コ
イルを2層の積層構造とした理由は、コイル層17の幅
寸法T4を小さくして、上部コア層16の先端部16a
から基端部16bまでの長さを短くすることで、下部コ
ア層10から上部コア層16を経て形成される磁路長を
短くし、インダクタンスの低減を図り、今後のさらなる
高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造する
ことにある。例えば図2に示すように第1層目となるコ
イル層17を5ターンで形成し、第2のコイル層23を
4ターンで形成した場合、前記コイル層17の幅寸法T
4を20μm程度にまで小さくできることが確認されて
いる。
【0078】さらに本発明では図2に示すように、第1
層目となるコイル層17が、トラック幅規制部14のハ
イト側後方であって、前記トラック幅規制部14と上部
コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記
コイル層17の上面17bを、前記基準平面Aと同一面
上に位置せしめているので、下部コア層10上から第2
のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24上までの高
さを、従来の薄膜磁気ヘッド(図19参照)のコイル層
を2層の積層構造にした場合に比べて小さくすることが
できる。
【0079】従って本発明では、コイル層の幅寸法を小
さくできると同時に、下部コア層10上から図示Z方向
における高さ寸法をも小さくできるから、前記上部コア
層16の先端部16aから基端部16bまでの長さを適
切に小さくできて、さらなる短磁路化を実現でき、イン
ダクタンスは低減され、今後の高記録周波数化に対応可
能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0080】しかも本発明では、上記のようにコイル層
17の上面17bが、前記基準平面Aと同一面上に位置
するようにしているが、これにより前記コイル層17を
構成する各導体部の厚さ寸法H5を大きくすることがで
きる。
【0081】図2に示す構造の薄膜磁気ヘッドであれ
ば、前記コイル層17の上面17bを、前記基準平面A
よりも下部コア層10側に位置せしめることも可能であ
るが、本発明では、あえて前記上部コア層17の上面1
7bを、前記基準平面Aと同一面上にまで延ばして形成
し、前記コイル層17の厚さ寸法H5を大きくしている
のである。
【0082】コイル抵抗値の増大を防止するには、前記
コイル層の断面積をある一定値に保つことが必要である
が、本発明では上記のようにコイル層17の厚さ寸法H
5を大きくできるから、その分だけ前記コイル層17を
構成する各導体部の幅寸法T5を小さくすることがで
き、前記上部コア層16の先端部16aから基端部16
b間の前記コイル層17の幅寸法T4をさらに小さくす
ることができ、さらなる短磁路化によりインダクタンス
の低減をより適切に図ることが可能である。
【0083】しかも本発明における薄膜磁気ヘッドは、
狭トラック化に対応することもできる。トラック幅規制
部14のトラック幅Twの調整方法については、後の製
造方法で詳述することとするが、本発明では、前述した
ように前記トラック幅規制部14のトラック幅Twを
0.7μm以下、好ましくは0.5μm以下に形成する
ことができ、この寸法は、レジストを露光現像した際の
分解能の限界値以下の数値である。
【0084】また本発明では、コイル層17の上面17
bが、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合
面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上
に位置し、しかも前記コイル層17を構成する各導体部
のピッチ間を埋める下部コイル絶縁層15の上面もまた
前記基準平面Aと同一面上に形成されるので、前記基準
平面Aからハイト方向にかけては、平坦化面が広がって
おり、従って前記平坦化面上に上部コイル絶縁層22を
平坦化して形成しやすい。
【0085】よって平坦化された前記上部コイル絶縁層
22上に第2のコイル層23をパターン精度良く形成す
ることが可能である。
【0086】しかも図2に示すように基準平面Aからコ
イル層を覆う絶縁層の盛り上がりは、上部コイル絶縁層
22と前記第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層
24の厚み分しかないので、基準平面Aと第2コイル絶
縁層24との間の段差は小さく、よってトラック幅規制
部14上から第2コイル絶縁層24上にかけて形成され
る上部コア層16を、パターン精度良く形成することが
可能である。
【0087】なお図2に示す実施例では、コイルを2層
構造で形成しているが前記コイルを1層構造で形成して
もよい。すなわち図2では、第1層目となるコイル層1
7のターン数と第2層目となる第2のコイル層23のタ
ーン数を合わせたターン数は9であるが、このターン数
をコイル層17の1層で形成してもよい。
【0088】なお1層のコイル層17のみとする場合に
は、前記コイル層17を覆う上部コイル絶縁層22上に
上部コア層16がパターン形成されることになる。
【0089】1層のコイル層17のみが形成される場
合、上部コア層16の先端部16aから基端部16b間
に形成されるコイル層17の幅寸法T4は長くなるの
で、コイルを2層の積層構造にした場合に比べて、磁路
長が長くなり従ってインダクタンスは増大するが、図1
9に示すコイル層が1層で形成されたインダクティブヘ
ッドの場合に比べれば、インダクタンスは低減される。
【0090】すなわち本発明では前述したように、トラ
ック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平
面Aとしたときに前記基準平面Aよりも上部コア層16
の先端部16aが前記基準平面Aと同一面上に位置する
ようにしているのに対し、図19に示すインダクティブ
ヘッドの場合では、コイル層7が、絶縁層9の上に形成
され、上部磁極層5と上部コア層6との接合面を基準平
面としたときに前記基準平面よりも前記コイル層7は上
部コア層6側に形成されている。
【0091】従って本発明の方が、図19に示すインダ
クティブヘッドの場合よりも下部コア層10上からコイ
ル層17を覆う上部コイル絶縁層22上までの高さを小
さくでき、よって上部コア層16の長さを短くできて短
磁路化を実現でき、インダクタンスをより適切に低減さ
せることが可能である。
【0092】ところで本発明では、図2に示すように、
コイル層17は、Cuなどから成る導電性材料層26
と、その上に積層されたNiなどから成る導電性保護層
27とで構成されることが好ましい。
【0093】前記導電性材料層26がCuで形成されれ
ば、コイル抵抗値を低くでき、また許容電流を大きくす
ることができる。なお前記導電性材料層26は、Cuに
限らず、Cu、Auのうちのいずれか一方または両方の
元素を含む単層構造または多層構造であってもよい。
【0094】また前記導電性保護層27は、Niに限ら
ず、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ば
れる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多
層構造の耐酸化性に優れた導電層であることが好まし
い。
【0095】そして本発明では図2に示すように、コイ
ル層17を構成する導電性材料層26の上面を、トラッ
ク幅規制部14と上部コア層16との接合面(基準平面
A)の高さ位置よりも若干低く形成し、前記基準平面A
と同一面上に、導電性保護層27を露出させている。そ
の理由は、前記導電性材料層26を酸化から未然に防止
することと、コイル層17の許容電流やコイル抵抗値を
一定にすることにある。
【0096】図2に示すように、前記コイル層17上に
は上部コイル絶縁層22が形成されるが、この上部コイ
ル絶縁層22が形成されるまでの間に、トラック幅規制
部14と上部コア層16との接合面と同一面上に形成さ
れたコイル層17の上面17bは大気中に曝されること
があり、この際、前記コイル層17がCuなどの導電性
材料層26単層で形成されていると、前記導電性材料層
26の表面は酸化され、例えば図2に示す上部コイル絶
縁層22との密着性や、あるいはコイル層17の巻き中
心部17aと第2のコイル層23の巻き中心部23aと
の密着性が悪化し、膜剥れなどが生じる。
【0097】また上記した酸化層の形成は、インダクテ
ィブヘッドのコイル抵抗値を不安定化させ、記録特性を
低下させる原因となる。
【0098】このため本発明では、Cuなどで形成され
た導電性材料層26の上に、前記導電性材料層26を酸
化から防止する例えばNiから成る導電性保護層27を
設け、上部コイル絶縁層22を形成する際に露出するコ
イル層17を、前記導電性保護層27とすることで、前
記導電性材料層26の酸化を適切に防止することが可能
になっている。
【0099】なお前記導電性保護層27の膜厚は0.1
〜0.5μm程度であることが好ましい。なおNiなど
で形成された導電性保護層27も大気に曝されると、酸
化する虞があるが、前記導電性保護層27が、例えばN
iで形成されている場合、前記導電性保護層27に形成
される酸化層は、3.0nm程度であるので、上記のよ
うに導電性保護層27を0.1〜0.5μm程度の膜厚
で形成すれば、前記酸化層をイオンミリング等で除去し
ても、直接前記イオンミリングの影響を導電性材料層2
6が受けることはなく、よって前記導電性材料層26の
断面積の変化を防ぐことが可能である。
【0100】なおコイル層が、導電性材料層と導電性保
護層との積層構造となる構成は、第2のコイル層23に
も適用可能である。
【0101】また前記導電性材料層26と導電性保護層
27は、連続してメッキ形成されることが好ましい。
【0102】次に図3に示す薄膜磁気ヘッドは他の実施
形態を示す部分断面図であり、図3に示す薄膜磁気ヘッ
ドでは、Gd決め絶縁層28を設けている点で、図1に
示す薄膜磁気ヘッドと異なるだけで、その他の構成は、
図1に示す薄膜磁気ヘッドの構成と同じである。
【0103】図3に示す薄膜磁気ヘッドにおいても、下
部コア層10上の記録媒体との対向面(ABS面)から
ハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法にて、トラ
ック幅Twで形成されたトラック幅規制部14が形成さ
れている。
【0104】前記トラック幅規制部14には、下部コア
層10と連続する下部磁極層11と上部コア層16と連
続する上部磁極層13との少なくとも一方と、前記各磁
性層の間を絶縁しまたはいずれか一方の前記コア層と前
記いずれかの磁極層とを絶縁するギャップ層12とを有
していれば、どのような膜構成であってもかまわない。
また各磁極層11,13及びギャップ層12は、単層で
形成されていてもよいし、多層で形成されていてもよ
い。なお図3に示す実施例では、上部磁極層13が2層
構造で形成されている。
【0105】図3に示すように、トラック幅規制部14
の後方には絶縁材料製のGd決め絶縁層28が形成され
ている。
【0106】この実施例では前記Gd決め絶縁層28の
前端面から記録媒体との対向面(ABS面)までのギャ
ップ層12の長さ寸法L2で、ギャップデプスGdが規
制される。
【0107】図3に示すようにGd決め絶縁層28は、
その上面が丸みを帯びて形成され、下部コア層10から
図示Z方向に向かうにつれて、前記Gd決め絶縁層28
の前端面はハイト方向(図示Y方向)に傾いて形成され
ている。すなわち図示Z方向に向かうほど、前記Gd決
め絶縁層28の前端面からABS面までの長さは長くな
っている。
【0108】本発明では図3に示すように、上部磁極層
13が、ちょうど前記Gd決め絶縁層28の中腹付近か
ら上面にかけて形成されており前記上部磁極層13の長
さ寸法は、ギャップ層12や下部磁極層11に比べて長
く形成されている。
【0109】このように縦断面における上部磁極層13
の長さを長く形成することで、前記上部磁極層13の体
積をかせぐことができ磁気飽和を防止でき、磁気効率の
向上を図ることが可能になる。
【0110】また図3に示すように、前記トラック幅規
制部14のハイト側後方(図示Y方向)であって、トラ
ック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平
面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に、コイル
層17の上面17bが位置している。
【0111】前記コイル層17は、下部コア層10上
に、下部コア層・コイル層間の絶縁確保のための絶縁下
地層18を介して形成されており、前記コイル層17を
構成する各導体部のピッチ間は、下部コイル絶縁層15
で埋められている。前記絶縁層15は、無機材料で形成
されることが好ましく、前記無機材料には、前述したよ
うに、Al23、SiO2、SiNから1種または2種
以上が選択される。
【0112】なお下部コイル絶縁層15を構成する各導
体部のピッチ間は、まずレジストなどの有機材料からな
る絶縁層によってある程度埋められ、その上に無機材料
からなる下部コイル絶縁層15が埋められていてもかま
わない。
【0113】図3に示す実施例においても前記下部コイ
ル絶縁層15上に、上部コイル絶縁層22を介して第2
のコイル層23が螺旋状にパターン形成されている。な
おトラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を
基準平面Aとしたときに、前記基準平面Aと同一面上
に、コイル層17および下部コイル絶縁層15の上面が
位置し、前記基準平面Aからハイト方向(図示Y方向)
には、平坦化面が広がっているので、前記平坦化面上
に、上部コイル絶縁層22を介して第2のコイル層23
をパターン精度良く形成することができる。
【0114】図3に示すように前記第2のコイル層23
は、レジストやポリイミドなどの有機材料製の第2コイ
ル絶縁層24で覆われ、前記第2コイル絶縁層24上に
は、上部コア層16がパターン形成されている。前記上
部コア層16の先端部16aは、トラック幅規制部14
上に接して形成され、さらに基端部16bは、下部コア
層10上に形成された磁性材料製の持ち上げ層25上に
接して形成されている。
【0115】また前記コイル層17の巻き中心部17a
の上面もまた、トラック幅規制部14と上部コア層16
との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと
同一面上に位置し、前記巻き中心部17a上に、第2の
コイル層23の巻き中心部23aが電気的に接続された
状態になっている。
【0116】この実施例においても、コイルが2層の積
層構造で形成され、しかも前記2層のうち第1層目とな
るコイル層17が、トラック幅規制部14のハイト側後
方であって、前記トラック幅規制部14と上部コア層1
6との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面A
と同一平面上にコイル層17の上面17bが位置するよ
うになっている。
【0117】このため前記コイル層17の幅寸法T4を
小さくできると同時に、下部コア層10上から第2のコ
イル層23を覆う第2コイル絶縁層24上までの高さを
小さくできる。従って、上部コア層16の先端部16a
から基端部16bまでの長さ寸法を小さくでき、短磁路
化によってインダクタンスの低減を図ることができる。
【0118】特にコイル層17の上面17bを、基準平
面Aと同一面上で形成することで、前記コイル層17の
厚さ寸法を最大限に大きくすることができるから、その
分だけ前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法を
小さくでき、よって前記コイル層17の全体の幅寸法T
4を小さくすることができる。
【0119】このためさらに、下部コア層10から上部
コア層16を経て形成される磁路長を短くすることがで
き、より適切にインダクタンスの低減を図ることができ
る。
【0120】またこの実施例においても図2に示す薄膜
磁気ヘッドと同様に狭トラック化に対応可能なものとな
っている。
【0121】さらに、トラック幅規制部14と上部コア
層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記基準
平面Aから突出するコイル層を覆う絶縁層は、上部コイ
ル絶縁層22と第2のコイル層23を覆う第2コイル絶
縁層24の厚さ分しかないので、前記基準平面Aと第2
コイル絶縁層24上面との間の段差を小さくでき、よっ
て上部コア層16をパターン精度良く形成することがで
きる。
【0122】また前記コイル層17をCuなどからなる
導電性材料層26とその上に積層された導電性保護層2
7とで構成し、前記導電性保護層27を、前記基準平面
Aと同一面上で形成することで、前記導電性材料層26
を酸化から防止し、前記コイル層の許容電流やコイル抵
抗値を一定値に保つことが可能である。
【0123】図4から図11は、図2に示す本発明にお
ける薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一連の製造工程図
である。なおこの製造工程は、上部コア層16の先端部
16aから基端部16bまでの製造方法を示し、前記基
端部16bよりもハイト側における部分の製造方法を示
していない。それについては次の図3に示す薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法の際に説明することとする。
【0124】まず図4では、下部コア層10上に、パー
マロイなどの磁性材料からなる磁性下地膜30を形成
し、その上にレジスト層31を塗布形成している。前記
レジスト層31の厚さ寸法H7は、少なくとも図1に示
す完成した薄膜磁気ヘッドにおけるトラック幅規制部1
4の厚さ寸法H4よりも厚く形成されていなければなら
ない。
【0125】次に前記レジスト層31に露光現像によっ
て、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)
に所定の長さ寸法であって、且つトラック幅方向(図示
X方向)に所定の幅寸法で形成される溝31aを形成
し、前記溝31a内に、トラック幅規制部14を形成す
る。
【0126】図4に示すように前記トラック幅規制部1
4は、下から下部磁極層11、ギャップ層12、および
上部磁極層13で構成され、これら各層は、連続してメ
ッキ形成されている。
【0127】なお前記溝31a内に形成されるトラック
幅規制部14の膜構成は、上記3層の構成に限られな
い。すなわち、前記トラック幅規制部14は、下部磁極
層11と非磁性のギャップ層12から成り、あるいは非
磁性のギャップ層12と上部磁極層13とから成ってい
てもよい。また各磁極層11,13およびギャップ層1
2は単層で形成されていてもよいし、多層で形成されて
いてもよい。
【0128】また前記ギャップ層12を、前記磁極層1
1,13と共にメッキ形成することが好ましく、前記ギ
ャップ層12を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金
属材料には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、A
u、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2
種以上を選択することが好ましい。
【0129】また前記レジスト層31のハイト方向(図
示Y方向)後端には、露光現像によって穴部31bを形
成し、この穴部31b内に、磁性材料製の持ち上げ層2
5をメッキ形成する。
【0130】図5に示す工程では前記レジスト層31を
除去した状態を示しており、前記下部コア層10上に
は、ABS面付近にトラック幅規制部14が形成され、
前記トラック幅規制部14からハイト方向に離れた位置
に持ち上げ層25が形成されている。
【0131】なお図5に示すトラック幅規制部14の両
側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向
(図示X方向)からイオンミリングで削り、前記トラッ
ク幅規制部14の幅寸法を小さくすることも可能であ
る。このイオンミリングによって削られたトラック幅規
制部14の幅寸法がトラック幅Twとして規定される。
【0132】なお前記イオンミリングによって、下部磁
極層11の基端から延びるトラック幅方向(図示X方
向)の下部コア層10の上面も削れていき、図1に示す
ような傾斜面10b,10bが前記下部コア層10上面
に形成される。
【0133】次に図6に示す工程では、トラック幅規制
部14上から下部コア層10上、さらには持ち上げ層2
5上からハイト方向にかけて、絶縁材料で形成された絶
縁下地層18をスパッタ形成する。
【0134】そして図6に示すように、前記絶縁下地層
18上にコイル層17を螺旋状にパターン形成する。
【0135】なおこのパターン形成の際、予め前記コイ
ル層17の上面17bが、後の図8に示す工程の際にお
けるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置
に形成しておく必要性がある。
【0136】また本発明では図6に示すように、前記コ
イル層17を、Cu、Auのうちのいずれか一方または
両方の元素を含む単層構造または多層構造で形成された
導電性材料層26と前記導電性材料層26の上に積層さ
れたNi、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ば
れる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多
層構造で形成される導電性保護層27とで構成すること
が好ましい。
【0137】この場合本発明では、前記導電性材料層2
6を絶縁下地層18上に形成する際に前記導電性材料層
26の上面が、後の図8工程におけるトラック幅規制部
14の上面14aよりも低い位置となるように形成し、
さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上に形
成する際に、前記導電性保護層27の上面(上面17
b)が、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の
上面14aよりも高い位置となるように形成することが
好ましい。
【0138】次に図7に示す工程では、コイル層17上
を下部コイル絶縁層15により覆う。なおこの際、トラ
ック幅規制部14上および持ち上げ層25上も前記下部
コイル絶縁層15によって覆われる。
【0139】なお本発明では前記下部コイル絶縁層15
を無機材料によってスパッタ形成する。前記無機材料に
は、Al23、SiO2、SiNのうちから1種または
2種以上を選択することが好ましい。
【0140】そして図7に示すように、前記下部コイル
絶縁層15の上面をCMP技術などを利用してB−B線
上まで削っていく。その状態を示すのが図8である。
【0141】前記下部コイル絶縁層15がB−B線まで
削られることにより、図8に示すように、トラック幅規
制部14の上面14aが露出し、しかもこの上面14a
と同一面上にコイル層17の上面17bまでもが露出し
た状態になる。
【0142】このようにトラック幅規制部14の上面1
4aと同一面上にコイル層17の上面17bが露出する
理由は、図6に示す工程で、コイル層17の上面17b
を、図8工程後のトラック幅規制部14の上面14aよ
りも高い位置で形成しているからである。
【0143】従って図7に示す工程で、下部コイル絶縁
層15の上面を削っていくと、コイル層17の上面17
bも削れていき、研磨工程を終了すると、前記トラック
幅規制部14の上面14aと同一面上にコイル層17の
上面17bを位置させることができる。
【0144】ところで図6に示す工程で、コイル層17
の高さ位置を、図8工程後のトラック幅規制部14の上
面14aよりも低い位置で形成すれば、研磨工程後にお
ける図8では、前記コイル層17の上面17bは外部に
露出せず、前記コイル層17は、下部コイル絶縁層15
の内部に完全に埋められた状態になる。このようにコイ
ル層17を下部コイル絶縁層15内に完全に埋めてしま
えば、例えば次工程で第2のコイル層23を形成する際
に、前記下部コイル絶縁層15上に直接、前記第2のコ
イル23を形成でき、図9に示すように、コイル層17
と第2のコイル層23との電気的な絶縁を確保するため
に必要な上部コイル絶縁層22の形成が不必要になると
いう利点がある。
【0145】しかしながら本発明ではあえて、前記コイ
ル層17の高さを延ばしてコイル層17の上面17b
を、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位
置せしめるように形成した理由は、前記コイル層17の
厚さ寸法H5を最大限に大きくしようとしたからであ
る。
【0146】すなわち前記コイル層17の上面17b
を、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上まで
延ばして厚さ寸法H5を大きくできれば、その分だけ前
記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さ
くしても、前記コイル層17の断面積は大きくならない
から前記コイル層の断面積に比例するコイル抵抗値が増
大することはない。
【0147】そして本発明では上記のように、前記コイ
ル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さくでき
ることで、トラック幅規制部14から持ち上げ層25間
におけるコイル層17全体の幅寸法をより小さくするこ
とが可能になる。コイル層17の幅寸法を小さくできれ
ば、短磁路化を適切に実現することができる。
【0148】また本発明では前述したように、コイル層
17を、導電性材料層26とその上に積層された導電性
保護層27とで構成し、図6に示す工程では、前記導電
性材料層26を、図8工程におけるトラック幅規制部1
4の上面14aよりも低い位置まで形成し、さらに前記
導電性保護層27を導電性材料層26上に、図8工程に
おけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位
置まで形成している。
【0149】このためCMP法などにより下部コイル絶
縁層15を削った状態における図8では、前記コイル層
17のうち導電性保護層27が露出した状態になってい
る。なお図8の状態における前記導電性保護層27の膜
厚は、0.1〜0.5μm程度であることが好ましい。
【0150】このように前記導電性保護層27を露出さ
せる理由は、前記コイル層17を構成する導電性材料層
26を酸化から防止するためである。なお露出した前記
導電性保護層27は、大気に曝されることによりその表
面は酸化されるが、前記酸化層は3.0nm程度と非常
に薄い。このためイオンミリング法などにより前記導電
性保護層27の酸化層を削っても、前記導電性保護層2
7の膜厚は0.1〜0.5μm程度であることから、前
記イオンミリングの影響を導電性材料層26が受けるこ
とはなく、前記導電性材料層26の体積を変化させるこ
とがない。従って前記コイル層17のコイル抵抗値や許
容電流を一定値に保つことが可能である。
【0151】次に図9に示すように、前記コイル層17
上および下部コイル絶縁層15上に、上部コイル絶縁層
22を形成する。この上部コイル絶縁層22は、例えば
レジストやポリイミドなどの有機材料で形成される。
【0152】本発明では、トラック幅規制部14の上面
14aと同一面上に、コイル層17の上面17bおよび
下部コイル絶縁層15の上面が位置し、前記トラック幅
規制部14の上面14aからハイト方向(図示Y方向)
にかけて、平坦化された面が広がっており、前記平坦化
面上に上部コイル絶縁層22を形成することができるの
で、前記上部コイル絶縁層22の上面を平坦化して形成
することができ、さらに前記上部コイル絶縁層22上に
形成される第2のコイル層23をパターン精度良く形成
することができる。
【0153】なお前記第2のコイル層23をパターン精
度良く形成できることで、前記第2のコイル層23を構
成する各導体部のピッチ間の距離を小さくすることがで
きるから、実質的に前記第2のコイル層23の幅寸法を
小さくすることができる。
【0154】なお前記第2のコイル層23を、コイル層
17と同様に、Cu、Auのうちのいずれか一方または
両方の元素を含む単層構造または多層構造で形成された
導電性材料層26と、前記導電性材料層26上に積層さ
れる、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選
ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または
多層構造で形成された導電性保護層27とで構成しても
よい。
【0155】さらに図11に示す工程では、前記第2コ
イル絶縁層24上に上部コア層16を、フレームメッキ
法などの既存の方法でパターン形成する。図10に示す
ように前記上部コア層16は、その先端部16aにてト
ラック幅規制部14上に接して形成され、また基端部1
6bにて下部コア層10上に形成された持ち上げ層25
上に磁気的に接して形成される。
【0156】次に図12ないし図17に示す一連の工程
図を用いて、図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法につ
いて以下に説明する。
【0157】まず図12では、下部コア層10上に、パ
ーマロイなどの磁性材料で形成された磁性下地層30を
形成し、さらに前記磁性下地層30上の所定部分に、レ
ジストなどで形成されるGd決め絶縁層28を形成す
る。
【0158】例えば前記Gd決め絶縁層28は、レジス
ト層を矩形上に形成した後、ポストベーク(熱処理)す
ることで、前記レジスト層にだれを生じさせ、図12に
示すように、前記レジスト層で形成されたGd決め絶縁
層28の前端面28aに下部コア層10から図示Z方向
に向かうに従って徐々にハイト方向(図示Y方向)に傾
斜する面を形成する。なお前記Gd決め絶縁層28の前
端面28aから記録媒体との対向面(ABS面)までの
ギャップ層12が形成されるべき部分の長さ寸法L2
で、ギャップデプスGdが決定される。
【0159】次に図4に示す工程と同様に、前記下部コ
ア層10上にレジスト層31を塗布形成し、さらに前記
レジスト層31に、露光現像によって、記録媒体との対
向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で
あって、且つトラック幅方向(図示X方向)に所定の幅
寸法で形成される溝31aを形成し、前記溝31a内
に、トラック幅規制部14を形成する。
【0160】前記トラック幅規制部14は、下から下部
磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13で
構成され、これら各層は、連続してメッキ形成されてい
る。
【0161】なお前記溝31a内に形成されるトラック
幅規制部14の膜構成は、上記3層の構成に限られな
い。すなわち、前記トラック幅規制部14は、下部コア
層10と連続する下部磁極層11及び/または上部コア
層と連続する上部磁極層13、ならびに前記一方のコア
層とこれに対向する前記一方の磁極層または両磁極層の
間に位置するギャップ層12で構成されれば、どのよう
な膜構成であってもかまわない。
【0162】その状態を示すのが図13である。図13
では下部コア層10上には、ABS面付近にトラック幅
規制部14が形成され、前記トラック幅規制部14から
ハイト方向に離れた位置に持ち上げ層25が形成されて
いる。
【0163】なお図12に示すトラック幅規制部14の
両側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向
(図示X方向)からイオンミリングで削り、前記トラッ
ク幅規制部14の幅寸法を小さくすることも可能であ
る。このイオンミリングによって削られたトラック幅規
制部14の幅寸法がトラック幅Twとして規定される。
【0164】なお前記イオンミリングによって、下部磁
極層11の基端から延びるトラック幅方向(図示X方
向)の下部コア層10の上面も削れていき、図1に示す
ような傾斜面10b,10bが前記下部コア層10上面
に形成される。
【0165】次に図14に示す工程では、まずトラック
幅規制部14上から下部コア層10上、さらには持ち上
げ層25上からハイト方向にかけて、絶縁材料で形成さ
れた絶縁下地層18をスパッタ形成する。
【0166】そして図14に示すように、コイル層17
の巻き中心部17aを形成し、前記巻き中心部17aを
中心として、コイル層17を螺旋状にパターン形成す
る。
【0167】なお本発明では、前記コイル層17をパタ
ーン形成する際、前記コイル層17をその上面17b
が、後の図15に示す工程の際におけるトラック幅規制
部14の上面14aよりも高く位置するように形成す
る。
【0168】また本発明では図14に示すように、前記
コイル層17を、Cu、Auのうちのいずれか一方また
は両方の元素を含む単層構造または多層構造で形成され
た導電性材料層26と前記導電性材料層26の上に積層
されたNi、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選
ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または
多層構造で形成される導電性保護層27とで構成するこ
とが好ましい。
【0169】この場合本発明では、前記導電性材料層2
6を絶縁下地層18上に、後の図8工程におけるトラッ
ク幅規制部14の上面14aよりも低い位置まで形成
し、さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上
に、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の上面
14aよりも高い位置まで形成することが好ましい。
【0170】次にコイル層17上を下部コイル絶縁層1
5により覆う。なおこの際、トラック幅規制部14上お
よび持ち上げ層25上も前記下部コイル絶縁層15によ
って覆われる。
【0171】なお本発明では前記下部コイル絶縁層15
を無機材料によってスパッタ形成する。前記無機材料に
は、Al23、Al23、SiNのうちから1種または
2種以上を選択することが好ましい。
【0172】そして図14に示すように、前記下部コイ
ル絶縁層15の上面をCMP技術などを利用してB−B
線上まで削っていく。その状態を示すのが図15であ
る。
【0173】前記下部コイル絶縁層15がB−B線まで
削られることにより(図14参照)、図15に示すよう
に、トラック幅規制部14の上面14aが露出し、しか
もこの上面14aと同一面上にコイル層17の上面17
bまでもが露出した状態になる。
【0174】また前記コイル層17の上面17bを、ト
ラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置する
ように形成したことで、前記コイル層17の厚さ寸法H
5を最大限に大きくすることができる。
【0175】また前記コイル層17の厚さ寸法H5を大
きくできることで、その分前記コイル層17を構成する
各導体部の幅寸法T5を小さくしても、コイル抵抗値の
増大を招く虞はなく、よって本発明ではトラック幅規制
部14から持ち上げ層25間に形成される前記コイル層
17全体の幅寸法を小さくすることが可能である。
【0176】また本発明では前述したように、コイル層
17を、導電性材料層26とその上に積層された導電性
保護層27とで構成し、図14に示す工程では、前記導
電性材料層26を、図15工程におけるトラック幅規制
部14の上面14aよりも低い位置まで形成し、さらに
前記導電性保護層27を導電性材料層26上に、図15
工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも
高い位置まで形成している。
【0177】このためCMP法などにより下部コイル絶
縁層15を削った状態における図15では、前記コイル
層17のうち導電性保護層27が露出した状態になって
いる。なお図15の状態における前記導電性保護層27
の膜厚は、0.1〜0.5μm程度であることが好まし
い。
【0178】このように前記導電性保護層27を露出さ
せる理由は、前記コイル層17を構成する導電性材料層
26を酸化から防止するためである。なお露出した前記
導電性保護層27は、大気に曝されることによりその表
面は、酸化されるが前記酸化層は3.0nm程度と非常
に薄い。このためイオンミリング法などにより前記導電
性保護層27の酸化層を削っても、前記導電性保護層2
7の膜厚は0.1〜0.5μm程度であることから、前
記イオンミリングの影響を導電性材料層26が受けるこ
とはなく、前記導電性材料層26の体積を変化させるこ
とがない。従って前記コイル層17のコイル抵抗値や許
容電流を一定値に保つことが可能である。
【0179】また図15に示すように、コイル層17の
巻き中心部17aの上面17bも、トラック幅規制部1
4の上面14aと同一面上に位置し、前記巻き中心部1
7aの上面17bは外部に露出した状態にされる。
【0180】次に図16に示すように、前記コイル層1
7上および下部コイル絶縁層15上に、上部コイル絶縁
層22を形成する。この上部コイル絶縁層22は、例え
ばレジストやポリイミドなどの有機材料で形成される。
【0181】本発明では、トラック幅規制部14の上面
14aと同一面上に、コイル層17の上面17bおよび
下部コイル絶縁層15の上面が位置し、前記トラック幅
規制部14の上面14aからハイト方向(図示Y方向)
にかけて、平坦化された面が広がっており、前記平坦化
面上に上部コイル絶縁層22を形成することができるの
で、前記上部コイル絶縁層22の上面を平坦化して形成
することができ、さらに前記上部コイル絶縁層22上に
形成される第2のコイル層23をパターン精度良く形成
することができる。
【0182】なお前記第2のコイル層23をパターン精
度良く形成できることで、前記第2のコイル層23を構
成する各導体部のピッチ間の距離を小さくすることがで
きるから、実質的に前記第2のコイル層23の幅寸法を
小さくすることができる。
【0183】なお前記第2のコイル層23を、コイル層
17と同様に、Cu、Auのうちのいずれか一方または
両方の元素を含む単層構造または多層構造で形成された
導電性材料層26と、前記導電性材料層26上に積層さ
れる、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選
ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または
多層構造で形成された導電性保護層27とで構成しても
よい。
【0184】また本発明では、第2のコイル層23の巻
き中心部23aを、コイル層17の巻き中心部17a上
に直接、電気的に接続させることが可能である。
【0185】仮に前記巻き中心部17aが、下部コイル
絶縁層15の内部に埋められて形成され、前記巻き中心
部17aが外部に露出しない場合には、前記巻き中心部
17a上を覆う下部コイル絶縁層15をエッチング等に
より削って穴部を形成する必要性がある。
【0186】しかしながら本発明では、前述したように
コイル層17の巻き中心部17aは、その上面17bが
トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置
し、前記巻き中心部17aは外部に露出した状態にされ
るから、前記第2のコイル層23をパターン形成する際
に、前記第2のコイル層23の巻き中心部23aを、コ
イル層17の巻き中心部17a上に直接積層することが
でき、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0187】次に図17に示す工程では、前記第2のコ
イル層23を、例えばレジストやポリイミドなどの有機
絶縁材料から形成された第2コイル絶縁層24で覆い、
さらに前記第2コイル絶縁層24上に上部コア層16
を、フレームメッキ法などの既存の方法でパターン形成
する。図17に示すように前記上部コア層16は、その
先端部16aにてトラック幅規制部14上に接して形成
され、また基端部16bにて下部コア層10上に形成さ
れた持ち上げ層25上に磁気的に接して形成される。
【0188】以上、図2および図3に示す本発明の薄膜
磁気ヘッドの製造方法について説明したが、本発明で
は、上記のようにまず下部コア層10上にレジスト層3
1を用いてトラック幅規制部14を形成しているので、
後の工程でコイル層17を形成する際に、前記コイル層
17を形成すべき下部コア層10上には何も形成されて
いない状態になっている。
【0189】このため本発明では、前記コイル層17を
下部コア層10上に、薄い膜厚の絶縁下地層18を介し
て形成することができ、前記コイル層17の上面17b
を、トラック幅規制部14よりもハイト側後方であっ
て、前記トラック幅規制部14の上面14aを基準平面
Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に位置せしめ
ることができる。
【0190】従って本発明のようにコイルを2層の積層
構造で形成すれば、前記コイル層の幅寸法を小さくでき
ると同時に、下部コア層10上から第2のコイル層23
を覆う第2コイル絶縁層24上までの高さを小さくで
き、適切に短磁路化を図ることができる。
【0191】特に本発明では、コイル層17の上面17
bを、トラック幅規制部14の上面14aと同一の高さ
位置まで形成している。すなわち、図4ないし図11お
よび図12ないし17に示す製造方法を用いた場合に、
本発明では、第1層目となるコイル層17の高さを最大
限に大きく形成し、前記コイル層17の高さをかせぐ代
わりに前記コイル層17の幅寸法を小さくしているので
ある。
【0192】このようにコイル層17の幅寸法をより小
さく形成することで、さらに短磁路化を実現でき、より
適切にインダクタンスの低減を図ることができる。
【0193】また本発明では、コイル層17の巻き中心
部17aをも、トラック幅規制部14の上面14aと同
一の高さ位置まで形成し、前記巻き中心部17aを外部
に露出させているから、第2のコイル層23の巻き中心
部23aを、前記コイル層17の巻き中心部17a上に
直接積層することができ、製造工程を簡略化することが
できる。
【0194】またトラック幅規制部14の上面14aを
基準平面Aとしたときの、前記コイル層の盛り上がりは
それほど大きくは成らず、従って本発明では、磁路長を
短くしてインダクタンスの低減を図ると同時に、上部コ
ア層16をパターン精度良く形成することができる。
【0195】なお本発明では、コイルを1層構造で形成
してもよい。この場合、コイル層17を所定のターン数
で形成した後、図9または図17に示す上部コイル絶縁
層22を形成した次に、上部コア層16を形成すれば、
薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0196】また本発明では、図5および図13に示す
工程で、下部コア層10上に形成されたトラック幅規制
部14のトラック幅方向の両側端面を、イオンミリング
法によって削ることも可能である。従って本発明では、
前記トラック幅規制部14の幅寸法(=トラック幅T
w)を小さく形成して、狭トラック化に対応可能な薄膜
磁気ヘッドを製造することができる。なお前記トラック
幅規制部14のトラック幅Twを、具体的には0.7μ
m以下で形成することが好ましく、より好ましくは0.
5μm以下である。
【0197】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、コイル層
を、トラック幅規制部よりもハイト方向後方であって、
前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平
面としたときに、前記基準平面と同一面上にコイル層の
上面を形成しているので、下部コア層上から前記コイル
層を覆う絶縁層上までの高さ寸法を小さくでき、磁路長
を短くしてインダクタンスの低減を図ると同時に、上部
コア層をパターン精度良く形成することが可能になる。
【0198】また本発明では前記コイル層の上面を前記
基準平面と同一面上にまで形成することにより、前記コ
イル層の厚さを大きくできるので、前記コイル層を構成
する各導体部の幅寸法を小さくすることができ、よって
前記コイル層全体の幅寸法を小さくできる。従って本発
明によれば、より単磁路化を実現でき、さらなるインダ
クタンスの低減を図ることができる。
【0199】また本発明では、前記コイル層を2層の積
層構造とすることが好ましく、2層の積層構造とするこ
とで、さらにコイル層の幅寸法を小さくでき、より磁路
長を短くできてインダクタンスを低減させることができ
る。
【0200】また2層の積層構造にした場合であって
も、1層目のコイル層の上面は、前記のように前記トラ
ック幅規制部の表面を基準平面としたときに、前記基準
平面と同一面上に形成されるので、下部コア層上から第
2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上までの高さ寸法
を小さくでき、より磁路長を短くできると同時に、前記
基準平面からコイル層を覆う絶縁層の盛り上がりはそれ
ほど大きくはならず、上部コア層をパターン精度良く形
成することができる。
【0201】さらに本発明における薄膜磁気ヘッドで
は、トラック幅規制部のトラック幅Twを狭トラック化
に対応可能に形成でき、このように本発明では、高記録
密度化と同時に、インダクタンスの低減によって高記録
周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部
分正面図、
【図2】図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッ
ドの部分断面図、
【図3】本発明における他の薄膜磁気ヘッドの構造を示
す部分断面図、
【図4】本発明の図2に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法
を示す一工程図、
【図5】図4に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図6】図5に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図7】図6に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図8】図7に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図10】図9に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図11】図10に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図12】本発明の図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方
法を示す一工程図、
【図13】図12に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図14】図13に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図15】図14に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図16】図15に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程
図、
【図18】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部
分正面図、
【図19】図18に示す19−19線から切断した薄膜
磁気ヘッドの部分断面図、
【符号の説明】
10 下部コア層 11 下部磁極層 12 ギャップ層 13 上部磁極層 14 トラック幅規制部 15 下部コイル絶縁層 16 上部コア層 17 コイル層 18 絶縁下地層 23 第2のコイル層 24 第2コイル絶縁層 26 導電性材料層 27 導電性保護層 31 レジスト層 A 基準平面(トラック幅規制部14と上部コア層16
との接合面)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部コア層と、上部コア層と、記録媒体
    との対向面で前記下部コア層と上部コア層との間に位置
    し且つトラック幅方向の寸法が規制されたトラック幅規
    制部とを有し、 前記トラック幅規制部は、下部コア層と連続する下部磁
    極層と上部コア層と連続する上部磁極層との少なくとも
    一方と、前記各磁性層の間またはいずれか一方の前記コ
    ア層と前記いずれかの磁極層とを磁気的に絶縁するギャ
    ップ層とを有し、 前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平
    面としたときに、前記下部コア層と上部コア層に記録磁
    界を誘導するコイル層が、前記トラック幅規制部のハイ
    ト方向の後方に位置し、且つ前記コイル層の上面が前記
    基準平面と同一面上に位置し、 前記コイル層を構成する各導体部のピッチ間が、下部コ
    イル絶縁層によって埋められ、さらに前記コイル層上に
    は上部コイル絶縁層が形成されており、 前記上部コア層は、トラック幅規制部上から前記上部コ
    イル絶縁層上にかけて形成され、さらに前記上部コア層
    の基端部が下部コア層上に磁気的に接続されていること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記コイル層は、導電性材料層とその上
    に積層された保護層とで構成され、前記保護層が、前記
    基準平面と同一面上に現れている請求項1記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記導電性材料層は、Cu、Auのうち
    のいずれか一方または両方の元素を含む単層構造または
    多層構造の非磁性導電層であり、前記保護層は、Ni、
    P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種ま
    たは2種以上の元素を含む単層構造または多層構造の非
    磁性導電層である請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 コイル層を構成する各導体部のピッチ間
    に埋められる下部コイル絶縁層は、無機材料で形成され
    た無機絶縁層である請求項1ないし3のいずれかに記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記上部コイル絶縁層上には、前記コイ
    ル層と電気的に接続された第2のコイル層が形成されて
    おり、前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上
    に、トラック幅規制部上から延びる上部コア層が形成さ
    れている請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記コイル層の巻き中心部の上面は、前
    記基準平面と同一面上に位置し、前記巻き中心部上に、
    第2のコイル層の巻き中心部が電気的に接続されている
    請求項5記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ギャップ層は、メッキ形成可能な非
    磁性金属材料で形成されている請求項1ないし6のいず
    れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記非磁性金属材料は、NiP、NiP
    d、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、R
    u、Crのうち1種または2種以上から選択されたもの
    である請求項7記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 (a)前記下部コア層の上に、下部磁極
    層と非磁性のギャップ層と上部磁極層から成るトラック
    幅規制部、または前記下部磁極層と非磁性のギャップ層
    から成るトラック幅規制部、あるいは非磁性のギャップ
    層と上部磁極層からなるトラック幅規制部を、所定の幅
    寸法で且つ記録媒体との対向面からハイト方向へ向けて
    所定の長さに形成する工程と、 (b)前記いずれかのトラック幅規制部のハイト側後方
    で、前記下部コア層上に、絶縁下地層を形成し、この絶
    縁下地層の上にコイル層を形成する工程と、 (c)前記トラック幅規制部および前記コイル層を覆う
    ようにして下部コイル絶縁層を形成する工程と、 (d)前記下部コイル絶縁層の上面を平坦化するととも
    に、トラック幅規制部の上面と前記コイル層の上面とを
    互いに同一面とし、且つトラック幅規制部の上面と前記
    コイル層の上面とを前記下部コイル絶縁層の表面に露出
    させる工程と、 (e)前記露出したコイル層上に、上部コイル絶縁層を
    形成する工程と、 (f)前記トラック幅規制部の上から前記上部コイル絶
    縁層の上にかけて上部コア層を形成する工程と、 を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記コイル層を導電性材料層とその上
    に積層された保護層とで構成し、 前記(d)工程で、前記保護層を下部コイル絶縁層の表
    面に露出させる請求項9記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記導電性材料層を、Cu、Auのう
    ちのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造また
    は多層構造で形成し、前記保護層を、Ni、P、Pd、
    Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以
    上の元素を含む単層構造または多層構造で形成する請求
    項10記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記(c)工程での絶縁層として無機
    絶縁層を形成し、前記(d)工程で、前記トラック幅規
    制部と前記コイル層および前記無機絶縁層が同一面とな
    るように研磨する請求項9ないし11のいずれかに記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記(e)工程の後に、前記上部コイ
    ル絶縁層の上に、前記コイル層と磁気的に接続される第
    2のコイル層を形成する工程を含み、前記(f)工程
    で、前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上に、
    上部コア層を形成する請求項9ないし12のいずれかに
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記(d)工程では、前記コイル層の
    巻き中心部を露出させ、前記巻き中心部上に、第2のコ
    イル層の巻き中心部を積層する請求項13記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記(a)工程では、前記ギャップ層
    を磁極層と共にメッキ形成する請求項9ないし14のい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ギャップ層を形成するメッキ形成
    可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、N
    iW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Cr
    のうち1種または2種以上を選択する請求項15記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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