JP3823064B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば磁気記録媒体に対向するスライダのトレーリング端部に設けられる薄膜磁気ヘッドに係り、特に、記録ヘッド部のコイルの発熱による熱膨張を抑えた薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄膜磁気ヘッドは、図11に示すように、スライダ81のトレーリング側端面81aに、記録ヘッド部h85が設けられている。この記録ヘッド部h85は、下部コア層82、上部コア層83の間に第1のコイル84と第2のコイル86を備えたインダクティブヘッドである。下部コア層82と上部コア層83の間には、接続部87が形成されており、下部コア層82と上部コア層83は、接続部87により磁気的に接続されている。
【0003】
第1のコイル84は、下部コア層82と上部コア層83とを磁気的に接続する接続部87の周囲に巻回されるように形成された導電層で形成されている。また、第1のコイル84の外側には、記録部85が形成されており、記録部85は、上部コア層83と磁気的に接続されている磁極部85a、および前記下部コア層82と磁極部85aとの間に挟まれた絶縁材料の磁気ギャップ層85bを有している。
【0004】
第1のコイル84を形成する導電層の間は、レジストからなる有機絶縁層88により埋められている。さらに、前記有機絶縁層88は、Al23からなる無機絶縁膜89により覆われている。
【0005】
無機絶縁膜89の上面は、研磨により平坦に加工されており、無機絶縁膜89の上に、前記第2のコイル86が形成されている。第2のコイル86は、第1のコイル84と電気的に接続されている。
【0006】
ハード磁気ディスクが搭載される磁気記録装置において、記録ヘッド部h85が磁気媒体である磁気ディスクに磁気記録を付与するとき、スライダ81は、磁気ディスクから微小間隔をもって浮上する。
【0007】
そして、第1のコイル84と第2のコイル86に記録電流が印加されて、記録電流により下部、上部コア層82、83に誘導された磁界が記録部85の磁気ギャップ層85bを挟んで洩れ磁界として磁気ディスクに与えられ、磁気ディスクに情報が記録される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の薄膜磁気ヘッドでは、第1のコイル84の発熱により有機絶縁層88が膨張して、有機絶縁層88の部分で記録ヘッド部h85がスライダ81の記録媒体との対向面81bから突出する。
【0009】
特に、高記録密度を可能とした薄膜磁気ヘッドでは、第1のコイル84に与えられる記録電流の周波数が高いため、第1のコイル84の発熱量が多くなる。第1のコイル84の発熱の増大に伴って、有機絶縁層88の熱膨張が顕著になり、記録ヘッド部h85の突出量が増大する。
【0010】
また、高密度および高速記録が可能な磁気記録装置では、磁気媒体とスライダ81の対向面81bとの対向間隔が狭くなっているため、記録ヘッド部h85が突出すると、記録ヘッド部h85が磁気媒体に当たる頻度が高くなり、記録媒体を損傷させたり、記録ヘッド部h85を損傷する可能性が高くなる。
【0011】
本発明は、信頼性を保持して、且つ、スライダからの記録ヘッド部の突出を抑制して、磁気記録装置の高記録密度化、高周波化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、下部コア層と、前記下部コア層よりも上に位置する上部コア層と、前記下部コア層と前記上部コア層とを磁気的に接続する接続部と、前記接続部の周りを複数条となるように周回する導電層で形成されたコイルと、前記下部コア層と前記上部コア層との間に位置して磁気ギャップを形成する記録部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との間、の少なくとも一方は、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く設定され、
前記コイルを覆う絶縁層は、有機材料と、無機材料とからなり、前記の互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く設定された間隔の部分は有機絶縁材料で絶縁されており、前記有機材料以外の部分に、前記絶縁層の主要部として前記無機材料が充填され、前記導体層の間が前記無機絶縁材料で絶縁されている。
【0013】
ここで「互いに隣接する導電層の間」とは、導電層の下部コア層側の底部(導電層の根元部)において、導電層のN周目の巻回からN+1周目の巻回の間に形成される間隔である。
【0014】
このような薄膜磁気ヘッドでは、導電層と接続部の間、導電層と記録部の間を有機材料で埋めることにより、導電層と接続部、導電層と記録部の間の絶縁を確実にすることができる。また、無機材料は、有機材料よりも熱膨張率が低いので、記録部の膨張を抑えることができる。
【0015】
無機材料は、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。有機材料は、ポリイミド樹脂などのレジスト材料を挙げることができる。
【0016】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記接続部は、前記下部コア層の上に設けた磁性材料で形成され、前記記録部は、前記下部コア層の上に設けた磁性材料と非磁性の磁気ギャップ層で形成されており、前記接続部の上面と前記記録部の上面および前記無機材料の層の上面が同一面とされており、前記導電層の上面は、前記同一面と同一位置またはそれよりも下に位置している。
【0017】
このような薄膜磁気ヘッドでは、接続部の上面や記録部の上面が高いので、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との隙間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との隙間が深くなるが、有機材料を用いることにより、完全に埋めることができる。
【0018】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記接続部と前記記録部との間の領域で、互いに隣接している前記導電層の間隔が、前記導電層の高さ寸法と同じかまたはそれよりも長いものにおいて有効である。
【0019】
このような薄膜磁気ヘッドでは、導電層の間隔が導電層の高さ寸法に対して広いので、無機絶縁材料によって、導電層の間隔を隙間なく埋めることができる。ここで「導電層の高さ寸法」とは、導電層のN周目の巻回からN+1周目の巻回の間で、前記導電層の間隔を挟んで互いに対向する側壁面が根元での間隔を保持したまま延出される高さである。
【0021】
このような薄膜磁気ヘッドでは、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間隔、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある導電層との間隔を狭くすることにより、互いに隣接する導電層の間隔を広げることができるので、導電層の間隔を、無機材料により隙間無く埋め易い。
【0022】
本発明の薄膜磁気ヘッドでは、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間隔、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある導電層との間隔の少なくとも一方は、前記導電層の高さ寸法よりも狭く設定されており、この狭い間隔の部分に前記有機材料が充填されているものとして構成できる。
【0023】
このような薄膜磁気ヘッドでは、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との隙間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との隙間が狭いが、有機材料では、完全に埋めることができる。
【0024】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間隔は、前記接続部と前記記録部との間で最も狭く、それ以外の領域で広がっており、前記接続部と前記導電層との間が、前記有機材料で絶縁されている。
【0025】
このような薄膜磁気ヘッドは、前記接続部と前記記録部層に挟まれる領域の外において、前記接続部と前記導電層との間を無機材料で埋めることができる。
【0026】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記コイルを形成する導電層の間隔が前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で最も狭く、それ以外の領域で広がっている。
【0027】
このような薄膜磁気ヘッドは、前記接続部と前記記録部層に挟まれる領域の外において、導電層の間隔を無機材料で隙間無く埋めることができる。
【0028】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記導電層の幅寸法が前記接続部と前記記録部層に挟まれる領域で最も細く、それ以外の領域で広がっている。
【0029】
このような薄膜磁気ヘッドでは、磁路長を延ばすことなく、コイルの直流抵抗を減少させることができる。
【0030】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、以下の工程を有する。
(1)下部コア層をメッキで形成する工程、
(2)前記下部コア層の上に、磁性材料の層と磁気ギャップとなる非磁性層とを有する記録部を形成する工程、
(3)前記(2)の工程と同時にまたは(2)の工程の前または後に、前記下部コア層の上に、磁性材料で接続部を形成する工程、
(4)前記接続部の回りに位置し、且つ前記記録部と前記接続部とで挟まれた領域を通過する複数条の導電層で形成されたコイルを、前記下部コア層との間を絶縁させて形成し、このとき、前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との間、の少なくとも一方を、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く形成する工程、
(5)前記(4)工程で、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く形成された間隔の部分を有機材料で絶縁する工程、
(6)前記有機材料以外の領域に主要部としての無機材料を充填して、前記導電層をこの無機材料で絶縁する工程、
(7)前記記録部と前記接続部および前記無機材料の層のそれぞれの上面を同一面とする工程、
(8)前記記録部と前記接続部との間に、磁性材料により上部コア層を形成する工程、
このような薄膜磁気ヘッドの製造方法では、(5)の工程において、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との間を有機材料で隙間無く埋めることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1に示す磁気ヘッド装置は、Al23−TiCからなる略直方体のスライダ1を有しており、その対向面1bがハード磁気ディスクである記録媒体に対向する。前記スライダ1のトレーリング側の端面1a上に、薄膜磁気ヘッドHと端子層60,60および端子層61,61、が形成されている。前記薄膜磁気ヘッドHの記録ヘッド部のコイルは前記端子部60,60に接続されている。また、再生ヘッド部の磁気抵抗効果素子が設けられている場合には、前記端子層61,61から前記磁気抵抗効果素子に検出電流が与えられ、且つ前記端子層61,61から再生磁気信号が得られる。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの断面図であるが、図2では記録ヘッド部h1についてのみ説明し、前記記録ヘッド部h1の下に位置している再生ヘッド部の図示は省略している。また、図3には、本発明の実施の形態の薄膜磁気ヘッドのコイル部分のみを示した平面図である。
【0033】
図2に示す薄膜磁気ヘッドの記録ヘッド部h1はインダクティブヘッドである。このインダクティブヘッドでは、下部コア層2がNiFeなどの磁性金属材料でメッキ形成されており、その端部は対向面1bに露出している。前記下部コア層2上には、導電材料からなるメッキ下地層3が積層されている。
【0034】
対向面1b側では、前記メッキ下地層3上に、記録部4がメッキで形成されている。図3に示すように、記録部4は、基部4dと、基部4dから対向面1b側に向けて一定の幅寸法で延出された先端部4eとから構成されている。記録部4の先端部4eは、前記対向面1bに露出している。高記録密度に対応した薄膜磁気ヘッドにおいて、記録部4の先端部4eの幅寸法(トラック幅Tw)は、0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
【0035】
前記記録部4は、メッキ下地層3の上にメッキ成長した磁性金属材料で形成された下部磁極層4aと、前記下部磁極層4aの上にメッキ成長したNiPなどの非磁性金属で形成されたギャップ層4b、および前記ギャップ層4bの上にメッキ成長した磁性金属材料で形成された上部磁極層4cとの三層構造である。
【0036】
前記下部磁極層4aおよび上部磁極層4cは、前記下部コア層2および上部コア層12と同じ磁性材料で形成されていてもよいが、前記下部コア層2および上部コア層12よりも飽和磁束密度の高い磁性材料で形成されていることが好ましい。
【0037】
この実施の形態では、前記対向面1bよりも内方に、有機絶縁材料で形成されたGd決め絶縁層5が形成されている。Gd決め絶縁層5の前記対向面1b側には、記録部4の下部磁極層4aとギャップ層4bの後端が接触しており、前記ギャップ層4bの奥行き寸法は、前記Gd決め絶縁層5により決められている。
【0038】
Gd決め絶縁層5上には、記録部4の上部磁極層4cの後端が乗り上げて形成されている。
【0039】
薄膜磁気ヘッドの内方では、前記メッキ下地層3上に磁性金属材料の接続部6がメッキ形成されて持ち上げ層とされており、この接続部6は下部コア層2と磁気的に接続されている。接続部6の上面は平坦であり、記録部4の上面と同一平面内に形成されている。
【0040】
前記記録部4および前記接続部6を除く領域では、前記メッキ下地層3およびGd決め絶縁層5を覆う絶縁下地層7が形成されており、前記絶縁下地層7の上に、第1のコイル8が設けられている。
【0041】
第1のコイル8は、接続部6の周囲を周回するCuなどの導電層8aにより形成されている。この導電層8aは前記接続部6の周囲で平面螺旋状に巻回されており、よって、前記接続部6と記録部4とで挟まれた領域Aには、前記導電層8aが複数条位置している。第1のコイル8の最内周を周回する導電層8a2と接続部6との間隔は、記録部4と接続部6に挟まれた前記領域Aにおいて最小となり、前記領域A以外の領域で広がっている。
【0042】
第1のコイル8の互いに隣接する導電層8aの間隔は、記録部4と接続部6に挟まれた領域A内で一定の間隔寸法(P)であり、この間隔寸法(P)が最も狭くなっている。前記領域A以外の領域で前記導電層8aの間隔寸法は、前記領域Aでの間隔よりも広がっている。ここで「導電層8aの間隔」とは、導電層8aの下部コア層2側の底部(導電層8aの根元部)において、導電層8aのN周目の巻回からN+1周目の巻回の間に形成される間隔である。
【0043】
また、第1のコイル8の導電層8aの幅寸法は、記録部4と接続部6に挟まれた領域A内において最小のW1であり、領域A以外の領域で前記幅寸法が大きくなっている。
【0044】
前記記録部4と接続部6とで挟まれた領域Aにおいて、第1のコイル8の隣接する導電層8a間の間隔、導電層8aの幅が狭く、且つ最内周に位置する導電層8a2と接続部6との隙間S2が狭く、また記録部4と第1のコイル8の最外周の導電層8a1との隙間S1が狭くなっており、これらの寸法が前記領域A以外の領域で広くなっている。これにより、記録部層4と接続部6との間隔を縮めることができ、記録磁界の磁路長を短くでき、低インダクタンスで、高周波化に対応可能なものとなる。
【0045】
また、領域Aの外で、第1のコイル8の導電層8aの幅を広げることにより、磁路長を延長することなく第1のコイル8の直流抵抗を低下させて、第1のコイル8の導電層8aに発生するジュール熱を抑えることができる。
【0046】
第1のコイル8を構成する導電層8aの絶縁下地層7からの高さ寸法Tは、一定である。ここで、「導電層8aの高さ寸法」とは、導電層8aのN周目の巻回からN+1周目の巻回の間で、前記導電層の間隔を挟んで互いに対向する側壁面が根元部分での間隔を保持したまま延出される高さである。
【0047】
第1のコイル8の互いに隣接する導電層8a間の間隔寸法Pは、記録部4と接続部6に挟まれた領域A内で、第1のコイル8の高さ寸法Tと同じであり、領域Aの外で、第1のコイル8の高さ寸法Tよりも大きく形成されている。
【0048】
第1のコイル8の導電層8aは、接続部6の上面と記録部4の上面よりも下部コア層2側に形成されている。即ち、第1のコイル8の導電層8aの高さ寸法Tは、第1のコイル8が形成された絶縁下地層7から記録部4と接続部6の上面までの高さ寸法T1よりも低い。
【0049】
図2に示す実施の形態では、第1のコイル8の導電層8aの側壁面が下部コア層2に対して垂直であるが、製造工程上、図6のように、第1のコイル8の導電層8aの上面が凸状の曲面に形成される場合がある。このような第1のコイル8では、導電層8aの上端での間隔P'が下部コア層2側の根元での間隔寸法Pよりも広くなることがある。この場合、第1のコイル8の間隔とは、根元での間隔寸法Pを意味する。また、この場合も、第1のコイル8の導電層8aの高さ寸法とは、平面状に上方へ延びる側壁面の高さ寸法Tを意味する。
【0050】
本発明の実施の形態では、図7に示す形状の場合に、記録部4と接続部6に挟まれた領域A内では、第1のコイル8の導電層8aの前記間隔Pと前記高さ寸法Tとが同じであることが好ましい。
【0051】
第1のコイル8を覆う絶縁膜9は、上面が接続部6の上面及び記録部4の上面と同一な平坦面に形成されている。前記絶縁膜9は、レジストなどの有機材料からなる有機材料部9aと、Al23などの無機材料からなる無機材料部9bとから構成されており、主要部が無機材料部9bである。
【0052】
記録部4と接続部6に挟まれた領域Aにおいて、互いに隣接する導電層8a間の間隔寸法Pの隙間部分は、絶縁膜9の無機材料部9bにより隙間なく埋められている。また、領域Aの外においても、第1のコイル8の導電層8aの間は、無機材料部9bにより隙間なく埋められている。
【0053】
このように、第1のコイル8の導電層8a間の隙間が無機材料部9bにより隙間なく埋めるためには、互いに隣接する導電層8aの間隔が、前記のように第1のコイル8の高さ寸法Tと同じであるか、あるいは前記高さ寸法Tよりも広いことが必要である。
【0054】
また、絶縁膜9の無機材料部9bは、第1のコイル8の高さ寸法Tよりも厚く形成されて、第1のコイル8の導電層8a間の隙間を第1のコイル8の根元から上端まで埋めると共に、導電層8aの上にも形成されている。
【0055】
また、前記接続部6と前記記録部4とで挟まれた領域Aでは、第1のコイル8の最内周を周回している導電層8a2と、接続部6との隙間S2での間隔寸法が、前記導電層8aの高さ寸法Tよりも狭く、最外周を周回している導電層8a1と前記記録部4との隙間S1での間隔寸法が、前記高さ寸法Tよりも狭い。
【0056】
そして、図3に示すように、前記接続部6と前記記録部4とで挟まれた領域Aでは、前記隙間S1とS2の部分に有機材料が隙間無く充填されて、前記有機材料部9aが形成されている。この有機材料部9aは、第1のコイル8の導電層8aの高さ寸法Tよりも厚く形成されて、第1のコイル8の最内周の導電層8a2と最外周の導電層8a1の上面の一部を覆っている。
【0057】
前記隙間S1とS2では、記録部4と導電層8a1との間隔、および接続部6と導電層8a2との間隔が狭いため、この部分に前記無機材料をスパッタなどで形成すると、前記隙間内に簾が形成されやすい。したがって、この隙間S1とS2の部分に、流動性のある有機材料を充填することにより、前記隙間S1,S2を確実に埋めることができる。
【0058】
前記隙間S1とS2を隙間なく埋められる限り、有機材料部9aの体積はなるべく小さい方が良い。即ち、第1のコイル8の外周において、図3に示す平面で見たときに、記録部4およびGd決め絶縁層5の後方領域のみに有機材料部9aが設けられていることが好ましい。同様に、第1のコイル8の内側においも、記録部4と接続部6に挟まれた領域Aにおいてのみ、接続部6と第1のコイル8の間との間に有機材料部9aが設けられ、それ以外の領域は無機材料部9bであることが好ましい。
【0059】
次に、第2のコイル10もCuなどの導電層が前記接続部6の周囲を螺旋状に巻き回されて形成されている。第2のコイル10は、第1のコイル8上に形成された前記無機材料部9b上に形成されている。第1のコイル8と第2のコイル10は、中心部が絶縁膜9を貫通して互いに接続されている。第1のコイル8と第2のコイル10は、中心部以外の部分が絶縁膜9により互いに絶縁されている。
【0060】
第2のコイル10は、コイル絶縁層11により覆われている。コイル絶縁層11は、レジスト等の有機絶縁材料からなり、第2のコイル10の互いに隣り合う導電層間を埋めると共に、第2のコイル10の上面を覆っている。接続部6の上面は、コイル絶縁層11から露出している。
【0061】
上部コア層12は、コイル絶縁層11上に形成されており、基部12aが接続部6の上面に接続されて、先端部12cが記録部4の上面に接続されている。上部コア層12の先端部12bは、対向面1bに露出することなく形成されている。
【0062】
下部コア層2と上部コア層12の間に第1のコイル8と第2のコイル10が挟まれた記録ヘッド部h1は、保護層14により覆われている。保護層14は、AlSiOやAl23等の絶縁材料からなる。
【0063】
保護層14上に図1に示した端子層60,60および端子層61,61が形成されている。この端子層60,60および端子層61,61は、比抵抗の小さい金属材料であるAu、Ag、Pt、Cuのいずれか、または前記金属材料のいずれか2種以上の合金、あるいは前記金属材料のいずれか2種以上の積層体である。
【0064】
前記記録ヘッド部h1の第1のコイル8の端部(図示せず)と第2のコイル10の端部(図示せず)は、例えば、それぞれ前記端子層60,60のどちらか一方に導通されている。また図2では省略しているが、記録ヘッド部h1の下には磁気抵抗効果素子を有する再生ヘッド部が設けられており、前記磁気抵抗効果素子は、例えば前記端子層61,61と導通されている。
【0065】
前記端子層60,60および前記端子層61,61はいわゆるボンディングパッドとして機能するものであり、前記各端子層に接続されたワイヤー、またはフレキシブルプリント基板のリードが、磁気記録再生装置に設けられた電気回路と導通されている。
【0066】
前記実施の形態での記録ヘッド部h1では、記録部4の後方の前記領域Aにおいて前記第1のコイル8の互いに隣り合う導電層8aの間は、無機材料部9bによって隙間無く埋められている。
【0067】
したがって第1のコイル8から発せられた熱は、無機材料部9bにより、領域A以外の領域に伝わりやすく、よって記録部4およびその周囲が対向面1bから突出する量を少なくできる。しかも、前記領域Aでは、記録部4と導電層8a1との隙間S1および、接続部6と導電層8a2との隙間S2を狭めて、磁路を短くしてインダクタンスを低下させることができ、かつ、前記隙間S1,S2が有機材料部9aで埋められているため、記録部4と第1のコイル8との絶縁、および接続部6と第1のコイル8との絶縁を確実に確保できる。
【0068】
次に、上記記録ヘッド部h1の製造方法を説明する。
下部コア層2上に、記録部4と接続部6をメッキ形成するためのメッキ下地層3をスパッタ成膜した後、メッキ下地層3上に、Gd決め絶縁層5を形成する。Gd決め絶縁層5を形成した後、メッキ下地層3上に記録部4と接続部6の外形をパターニングしたレジストフレームを形成して、フレームメッキ法により記録部4と接続部6を形成する。この時点での記録部4の膜厚と接続部6の高さは、完成した記録ヘッド部h1での記録部4の膜厚と接続部6の高さ(T1)よりも高い。
【0069】
次に、メッキ下地層3、Gd決め絶縁層5、記録部4、接続部6を覆う絶縁下地層7をスパッタ成膜して、絶縁下地層7上に第1のコイル8をメッキ形成するためのメッキ下地20をスパッタ成膜する。
【0070】
メッキ下地20上に第1のコイル8の形状をパターニングしたレジストフレーム(図示せず)を形成して、図4のように、フレームメッキ法により第1のコイル8を形成する。レジストフレームを除去した後、イオンミリング工程において、図5のように、第1のコイル8のパターン外に形成されたメッキ下地20を除去する。
【0071】
イオンミリング工程では、メッキ下地20がイオン照射により削られると共に、第1のコイル8にもイオン照射される。第1のコイル8は、イオン照射により角部が削られて、図6のように上面が曲面となる場合がある。
【0072】
イオンミリング工程が終了した時点で、メッキ下地20を含めた第1のコイル8の高さ(T)と第1のコイル8の間隔寸法(P)とが等しくなる。また、イオンミリング工程が終了した時点では、記録部4の高さと接続部6の高さは、第1のコイル8の高さ(T)に比べて充分高い。
【0073】
イオンミリング工程の後、図7のように、第1のコイル8の全体を覆うレジスト膜21を塗布する。このとき、記録部4と導電層8a1との隙間S1、および接続部6と導電層8a2との隙間S2は、狭く、深いものであるが、レジスト膜21により隙間なく埋められる。
【0074】
次に、図8のように、レジスト膜21を隙間S1と隙間S2を埋めている部分のみ残して除去する。但し、このとき、記録部4上と接続部6上には、レジスト膜21が残っていても良い。前記隙間S1と隙間S2に残されたレジスト膜21は、絶縁膜9の有機材料部9aとなる。
【0075】
ここで、前記実施の形態と異なり、前記隙間S1と隙間S2にAl23などの無機絶縁材料をスパッタ成膜すると、隙間S1とS2内のスパッタ膜は、スパッタ成膜時において記録部4および接続部6の影となった部分に簾を生じ、絶縁不良が心配になる。また、隙間S1とS2を無機材料で隙間なく埋めるためには、前記隙間S1とS2を少なくとも記録部4および接続部6の高さ寸法以上とすることが必要である。しかし、このように構成すると、記録部4と接続部6との間隔が広くなりすぎて、磁路が長くなってインダクタンスが増大する。しかし、前記実施の形態では、前記隙間S1とS2を有機材料で埋めているので、隙間S1とS2の間隔を導電層8aの高さ寸法Tよりも狭くして、記録部4と接続部6との間隔を狭くしても、前記隙間S1,S2内を確実に埋めることができる。
【0076】
絶縁膜9の有機材料部9aを形成した後、図9のように、絶縁膜9の無機材料部9bとなるアルミナ膜22を、第1のコイル8上にスパッタ成膜する。記録部4と接続部6の間の領域Aにおいて、第1のコイル8の隣接する導電層8a間の間隔寸法Pは、第1のコイル8の高さ寸法Tと等しいので、スパッタ成膜されたアルミナ膜22で第1のコイル8の導電層の間を隙間なく埋めることができる。
【0077】
また前記領域Aの外では、第1のコイル8の導電層8a間の間隔は、第1のコイル8の高さ寸法T以上であるから、スパッタ成膜されたアルミナ膜22は、前記領域A以外においても第1のコイル8の間隔を隙間なく埋めることができる。
【0078】
図10は前記実施の形態に対する比較例を示している。この比較例のように、コイル18を形成する導電層18aの間隔が第1のコイル18の高さ寸法よりも狭い場合、アルミナ膜22膜は、スパッタ成膜時において第1のコイル18の側壁面の影となった部分に簾23を形成してしまうため好ましくない。
【0079】
第1のコイル8を覆う絶縁膜9を形成した後、絶縁膜9と記録部4と接続部6をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨して、絶縁膜9の上面と記録部4の上面と接続部6の上面を同一な平坦面(図9に示すM−M)にする。
【0080】
この研磨工程において、絶縁膜9と記録部4と接続部6の上面をより平滑な面とするためには、絶縁膜9と記録部4と接続部6をある程度の深さまで削り取ることが必要である。また、第1のコイル8と第2のコイル10の絶縁を保持するために、第1のコイル8上に絶縁膜9を残しておくことが必要である。
【0081】
研磨工程前において、記録部4と接続部6の高さを高くして、第1のコイル8上の絶縁膜9を厚くすることにより、研磨工程において、第1のコイル8を絶縁膜9から露出させることなく、絶縁膜9と記録部4と接続部6の上面を平滑にすることができる。
【0082】
また、研磨工程前において、記録部4と接続部6の高さを高くして、第1のコイル8上の絶縁膜9を厚くすることにより、研磨工程において、制御バラツキにより絶縁膜9を設定深さよりも深く削った場合にも、絶縁膜9から第1のコイル8が露出したり、第1のコイル8まで削ってしまうことを防ぐことができる。第1のコイル8が削られると、第1のコイル8の直流抵抗にバラツキが生じるので好ましくない。
【0083】
この研磨工程において、絶縁膜9に図10に示すような簾23が生じていると、研磨により絶縁膜9が簾の部分まで削られたとき、研磨に用いた薬品や水などが簾の部分に入り込む。絶縁膜9の簾の部分に薬品等が残留すると、第1のコイル8が腐食したり、記録ヘッド部h1の磁気特性に悪影響を及ぼす原因となる。
【0084】
研磨工程の後、平坦面となった絶縁膜9の上面に第2のコイル10を第1のコイル8と同様なフレームメッキ法により形成する。絶縁膜9の上面が平滑に研磨されているので、第2のコイル10を精度良く形成することができる。そして、第2のコイル10をコイル絶縁層11で覆った後、コイル絶縁層11上に上部コア層12をフレームメッキ法により形成して、記録ヘッド部h1の製造を終了する。
【0085】
図1に示す磁気ヘッド装置は、ハード磁気ディスク装置等の磁気記録再生装置に搭載される。この磁気ヘッド装置は、スライダ1が薄い板ばねで形成された弾性支持部材に支持されて、スライダ1の対向面1bが磁気ディスク(図示せず)等の磁気記録媒体に対向する。そして前記磁気記録媒体が回転すると、その表面の空気流によりスライダ1が磁気記録媒体から微小間隔を空けて浮上し、またはスライダが磁気記録媒体に摺動する。
【0086】
記録ヘッド部h1の第1のコイル8と第2のコイル10に、記録電流が印加されると、第1のコイル8と第2のコイル10に記録電流が流れる。記録電流により下部コア層2および上部コア層12に誘導された磁界は、ギャップ層4bにおいて洩れ磁界となり、この洩れ磁界により磁気記録媒体が磁化される。
【0087】
このとき、記録電流により第1のコイル8と第2のコイル10には、ジュール熱が発生する。絶縁膜9とコイル絶縁層11は、第1のコイル8と第2のコイル10に発生したジュール熱により加熱されて膨張する。
【0088】
第1のコイル8を覆う絶縁膜9は、熱膨張し難い無機材料部9bが主要部であり、熱膨張し易い有機材料部9aにより占められる割合を最小限に抑えているので、絶縁膜9は、第1のコイル8と第2のコイル10の発熱によっても著しく膨張することがない。
【0089】
絶縁膜9が熱膨張し難いので、第1のコイル8と第2のコイル10を流れる電流の増大に伴って第1のコイル8と第2のコイル10の温度が上昇した場合にも、記録ヘッド部h1が対向面1bから突出することを抑えることができる。
【0090】
第2のコイル10を覆うコイル絶縁層11は、熱膨張率の高いレジストであるが、コイル絶縁層11の膨張は、保護層14側に吸収されやすいので、コイル絶縁層11の膨張による記録ヘッド部h1の対向面1bからの突出量は少ない。
【0091】
記録ヘッド部h1の対向面1bからの突出をさらに抑えるためには、第2のコイル10を覆うコイル絶縁層11も無機材料であることが好ましい。
【0092】
コイル絶縁層11を無機材料とする場合、第2のコイル10の間隔を第2のコイル10の高さ寸法と等しくして、コイル絶縁層11が第2のコイル10の間隔を隙間なく埋められるようにすることが好ましい。
【0093】
第2のコイル10を覆うコイル絶縁層11を成膜するとき、接続部6の上面と記録部4の上面と絶縁膜9の上面からなる平坦面(以後、コイル形成面)上には、第2のコイル10が形成されており、コイル絶縁層11となる無機絶縁材料は、前記コイル形成面の全面にスパッタ成膜されて、第2のコイル10を覆う。
【0094】
コイル絶縁層11のスパッタ成膜時において、第2のコイル10の外周と内側には、何も形成されておらず、スパッタされたコイル絶縁層11は、第2のコイル10の外周と内側のどの部分においても簾を生じることがない。よって、コイル絶縁層11には、有機材料部を設ける必要がない。
【0095】
コイル絶縁層11をスパッタ成膜した後、コイル絶縁層11は、第2のコイル10を覆う部分のみを残してエッチングにより除去されて、接続部6の上面と記録部4の上面がコイル絶縁層11から露出した状態になる。
【0096】
なお、上記実施の形態では、第1のコイル8とGd決め絶縁層5との間に間隔を設けたが、Gd決め絶縁層5上に第1のコイル8の外周縁部が乗り上げて形成されていても良い。また、Gd決め絶縁層5がなくても良い。
【0097】
また、上記実施の形態では、第1のコイル8と第2のコイル10とを設けたが、第2のコイル10を設けることなく、第1のコイル8のみであっても良い。
【0098】
このようにして、第1のコイル8を覆う絶縁層9は、第1のコイル8と第2のコイル10の発熱により加熱された場合にも膨張し難く、その結果、記録ヘッド部h1の熱膨張量が少なくなって、記録ヘッド部h1が対向面1bから突出することが抑制される。よって、高記録密度化、高周波数化に伴いスライダ1の磁気ディスク対向面1bと磁気記録媒体(磁気ディスク)との間隔が狭いハード磁気ディスク装置であっても、記録ヘッド部h1が磁気記録媒体に直接に当たるのを防止できるようになる。
【0099】
【発明の効果】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、接続部と記録部とで挟まれた領域で、接続部とこの接続部に最も近い位置にある導電層との間、および記録部とこの記録部に最も近い位置にある導電層との間、の少なくとも一方を有機材料で絶縁して、前記有機材料以外の部分に無機材料を充填して、互いに隣接する前記導電層の間が前記無機材料で絶縁した。
【0100】
このような薄膜磁気ヘッドでは、接続部とこの接続部に最も近い位置にある導電層との間、および記録部とこの記録部に最も近い位置にある導電層の間を確実に埋めることができる。また、無機材料は、熱膨張し難いので、記録ヘッド部が熱膨張してスライダの対向面から突出することを防いで、記録ヘッド部が磁気記録媒体に直接に当たるのを防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドが形成されたスライダの全体斜視図、
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドの実施の形態の断面図、
【図3】本発明の薄膜磁気ヘッドの実施の形態の上側部分を除いた平面図、
【図4】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を示す説明図、
【図5】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を示す説明図、
【図6】本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル断面の一例を示す説明図、
【図7】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を示す説明図、
【図8】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を示す説明図、
【図9】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を示す説明図、
【図10】本発明とは異なる薄膜磁気ヘッドの断面図、
【図11】従来の薄膜磁気ヘッドの断面図、
【符号の説明】
P 間隔寸法
T 高さ寸法
A 領域
S1 隙間
S2 隙間
1 スライダ
1a 端面
1b 対向面
2 下部コア層
4 記録部
4a 下部磁極層
4b ギャップ層
4c 上部磁極層
8 第1のコイル
9 絶縁膜
9a 有機材料部
9b 無機材料部
10 第2のコイル
11 コイル絶縁層
12 上部コア層
14 保護層

Claims (8)

  1. 下部コア層と、前記下部コア層よりも上に位置する上部コア層と、前記下部コア層と前記上部コア層とを磁気的に接続する接続部と、前記接続部の周りを複数条となるように周回する導電層で形成されたコイルと、前記下部コア層と前記上部コア層との間に位置して磁気ギャップを形成する記録部とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との間、の少なくとも一方は、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く設定され、
    前記コイルを覆う絶縁層は、有機材料と、無機材料とからなり、前記の互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く設定された間隔の部分は有機絶縁材料で絶縁されており、前記有機材料以外の部分に、前記絶縁層の主要部として前記無機材料が充填され、前記導体層の間が前記無機絶縁材料で絶縁されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記接続部は、前記下部コア層の上に設けた磁性材料で形成され、前記記録部は、前記下部コア層の上に設けた磁性材料と非磁性の磁気ギャップ層で形成されており、前記接続部の上面と前記記録部の上面および前記無機材料の層の上面が同一面とされており、前記導電層の上面は、前記同一面と同一位置またはそれよりも下に位置している請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記接続部と前記記録部との間の領域では、互いに隣接している前記導電層の間隔が、前記導電層の高さ寸法と同じかまたはそれよりも長い請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間隔、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある導電層との間隔の少なくとも一方は、前記導電層の高さ寸法よりも狭く設定されており、この狭い間隔の部分に前記有機材料が充填されている請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間隔は、前記接続部と前記記録部との間で最も狭く、それ以外の領域で広がっており、前記接続部と前記導電層との間が、前記有機材料で絶縁されている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記コイルを形成する導電層の間隔は、前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で最も狭く、それ以外の領域で広がっている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記導電層の幅寸法は、前記接続部と前記記録部層に挟まれる領域で最も細く、それ以外の領域で広がっている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 以下の工程を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
    (1)下部コア層をメッキで形成する工程、
    (2)前記下部コア層の上に、磁性材料の層と磁気ギャップとなる非磁性層とを有する記録部を形成する工程、
    (3)前記(2)の工程と同時にまたは(2)の工程の前または後に、前記下部コア層の上に、磁性材料で接続部を形成する工程、
    (4)前記接続部の回りに位置し、且つ前記記録部と前記接続部とで挟まれた領域を通過する複数条の導電層で形成されたコイルを、前記下部コア層との間を絶縁させて形成し、このとき、前記接続部と前記記録部とで挟まれた領域で、前記接続部とこの接続部に最も近い位置にある前記導電層との間、および前記記録部とこの記録部に最も近い位置にある前記導電層との間、の少なくとも一方を、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く形成する工程、
    (5)前記(4)工程で、互いに隣接する導電層の間隔よりも狭く形成された間隔の部分を有機材料で絶縁する工程、
    (6)前記有機材料以外の領域に主要部としての無機材料を充填して、前記導電層をこの無機材料で絶縁する工程、
    (7)前記記録部と前記接続部および前記無機材料の層のそれぞれの上面を同一面とする工程、
    (8)前記記録部と前記接続部との間に、磁性材料により上部コア層を形成する工程、
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