JP3837269B2 - 磁気ヘッドスライダー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録再生分離型の磁気ヘッドに関し、特に基板上に下部磁極、磁気ギャップ層、コイルおよび上部磁極層を形成してなる磁気抵抗効果型磁気ヘッドの、特に記録ヘッド部の構造およびその製造方法で、寄生イレーズを防ぐ機能を有する磁気ヘッドスライダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクドライブの磁気ヘッドとしては、誘導磁気ヘッドと磁気抵抗ヘッドを複合したものが用いられており、誘導磁気ヘッドで情報を磁気ディスクドライブの磁気記録媒体に記録し、磁気記録媒体に記録されている磁気情報を磁気抵抗ヘッドで読み出すようになっている。磁気抵抗ヘッドとしては、Ni-Co などの磁気抵抗効果素子層と導電性のあるSAL(soft adjacent layer) 層とを、電気抵抗の比較的大きいTaなどの層を介して積層したものが用いられている。これら3層を積層したものの長手方向に静磁界を印加するなどして、磁気抵抗効果素子内の長手方向を向いた磁化を生じさせておく。この3層の長手方向にセンス電流を流すと、SAL層に分流した電流によってSAL層の軸の周囲に磁界が生じるので、この磁界によって磁気抵抗効果素子層内の磁化がその長手方向から約45度の方向になる。この磁気抵抗効果素子層を磁気記録媒体に対向させると、磁気記録媒体の磁気情報によって、磁気抵抗効果素子内の磁化角度が変動する。この変動に応じて、磁気抵抗効果素子層のセンス電流に対する抵抗が変わるので、磁気記録媒体の磁気情報を読み出すことができる。
【0003】
磁気抵抗ヘッドとしてはスピンバルブのものもある。スピンバルブ磁気抵抗ヘッドでは、2枚の強磁性体薄膜を銅などの非磁性薄膜を介して積層しておき、一方の強磁性体薄膜は反強磁性体薄膜と隣接させておいて、その強磁性体薄膜内の磁化の方向を固定(ピン)しておく。他方の強磁性体薄膜内の磁化方向を自由状態にしておいて、この磁気抵抗ヘッドを磁気記録媒体に対向させると、磁気記録媒体の磁気情報に応じて、自由状態になっている強磁性体薄膜内の磁化が変動する。この磁化の方向が、もう一方の強磁性体薄膜内の固定された磁化に対して相対的に変化する。非磁性薄膜の両面にある強磁性体薄膜内の相対的な磁化方向が変わるので、非磁性薄膜を流れるセンス電流に対する抵抗が変わり、磁気記録媒体の磁気情報を読み出すことができる。
【0004】
このように情報を読み出すのに用いられる磁気抵抗ヘッドの代表的なものは磁気抵抗効果素子を用いているもの、スピンバルブを用いているものであり、これら以外の構造のヘッドも磁気記録媒体から磁気情報を読み出すのに用いられている。
【0005】
磁気ディスクドライブなどの磁気記録媒体に用いられる磁気ヘッドとしては、上に述べたような磁気抵抗ヘッドと誘導磁気ヘッドとを積層した複合磁気ヘッドをヘッドスライダー上に形成したものが用いられている。非磁性絶縁性セラミックスで出来たヘッドスライダー上に、絶縁薄膜を介して下部及び上部シールドの間に磁気抵抗ヘッドが設けられている。この上部シールドは誘導磁気ヘッドの下部磁極を兼ねて、その上に磁気ギャップ層を介して上部磁極が設けられていて、これら下部磁極と上部磁極が誘導磁気ヘッドの磁極となっている。誘導磁気ヘッドの磁極と磁気抵抗ヘッドはヘッドスライダーのエアベアリング面すなわち媒体対向面に向いて設けられている。また、誘導磁気ヘッドの上部および下部磁極でもって磁路が形成されており、この磁路を取り巻くように励磁コイルが巻かれている。
【0006】
誘導磁気ヘッドの下部磁極はほぼ平坦な構造をしていて、その上にほぼ全面に亘ってアルミナなどの絶縁薄膜からなる磁気ギャップ層が形成されている。磁気ギャップ層上には、絶縁樹脂層やコイル及びコイルを囲み込んでいる絶縁層が形成され、その上に上部磁極が形成されている。上部磁極は、媒体対向面側では磁気ギャップ層上に直接に、下部磁極との接続部では下部磁極上に直接に設けられていて、磁極と接続部の間にある背の部分ではコイルとコイル絶縁層を積層した上に設けられている。このように磁気ギャップ層上の部分と背の部分のように段差が6〜20μmもあるところに上部磁極を形成するためにレジストマスクを形成すると、パターニング誤差が大きくなって、高密度記録に対応した狭トラックの磁極を形成するには適当でない。
【0007】
そこで上部磁極を磁極部、磁極柱と、背の部分のヨーク部とに分けて形成し、磁極部は磁気ギャップ層上に直接設け、磁極柱は下部磁極上に直接設け、ヨーク部は磁極部上からコイル及びコイルを覆うコイル絶縁層の上に亘って設け磁極柱に接続する構造が提案されている。この構造においては磁極部ではその先端のところすなわち媒体対向面ではトラック幅になるように絞られた狭さを持っていて、媒体対向面から離れるに従って広くなった扇形をしたものとするのが普通である。また、ギャップ深さを正しく出すために磁極先端に近い部分のギャップ対向面にエイペックスを付けて、磁極部のギャップ対向面の媒体対向面からエイペックスまでの部分は磁気ギャップ層上に設けられて、エイペックスよりも奥の部分は磁気ギャップ層上に重なったエイペックス規定用絶縁部の上に形成されている。このような構造にすることで、磁極部のエイペックスよりも奥の部分では漏れ磁界が小さくなるようにしている。
【0008】
また、ヨーク部は、その先端では磁極部の上に接続されて設けられているが、媒体対向面からできるだけ離れたところに形成して、ヨーク部の先端からの漏れ磁界を防いで寄生イレーズの発生を防いでいる。
【0009】
磁気ヘッドの製造工程において、ヘッドスライダー上に積層形成した複合磁気ヘッドのエアーベアリング面を研磨して、磁気ギャップ深さを出している。上部磁気コア先端部全体を上記のように扇形にしていると、エアベアリング面を研磨する際の研磨深さによってトラック幅が変わってくる。このように先端部が扇形になっていると、トラック幅を正しく管理することが困難なので、先端部の先端を矩形にして、エアーベアリング面の加工深さに関係なくトラック幅を管理できるようにすることも行われている。
【0010】
スライダー面は、周速やヨー角に関係なく浮上量がほぼ一定になるように負圧を発生させる約1から3μm深さの深溝が形成されている。しかし、近年、外気圧に対する浮上量変化を抑えることや、スライダーの浮上時間を短縮するため前記浮上面の周囲に約0.2から0.5μm深さの浅溝を形成することが行われるようになってきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
磁極部のエイペックスから媒体対向面までの寸法は2 μm程度と小さく、ヨーク先端部が媒体対向面より離れている寸法は0.15から0.5μm程度である。エイペックスとヨーク先端部の位置が重要であり、ヨーク先端部の位置が媒体対向面から遠ざかる方向にずれると磁極部の磁気飽和が生じ磁気抵抗が大きくなり、そのために磁気漏洩が生じるという問題が発生する。また、ヨーク先端部の位置が媒体対向面に近づく方向にずれると、寄生イレーズの抑制効果が薄れると言う問題がある。このことからヨーク先端部とエイペックスの位置を正確に製造する必要があることが判るが、製造する上では難しかった。
【0012】
そこで本発明では、エイペックス位置とヨーク先端部の位置が高精度に制御された、磁気ヘッドスライダーを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ヘッドスライダーは、媒体対向面にFEAB浅溝とFEAB深溝とが形成されているスライダーと、少なくとも磁気記録面側においてギャップ層を挟んで対峙させて磁気回路を構成する下部磁極と上部磁極を備えた記録再生分離型磁気ヘッドであって、前記上部磁極は磁極部と磁極柱とヨーク部を備え、前記磁極部にはエイペックス規定用絶縁部を備えており、
前記磁極部は媒体対向面の近くではトラック幅方向の幅が小さくなっておりそのトラック幅方向の両端面が平行部を有しているとともに、前記エイペッ クス規定用絶縁部の上でトラック幅方向の幅が広くなっている扇形部を有しているとともに、前記ヨーク部は前記磁極部上に重なっており、そのヨーク先端部の下部は前記媒体対向面からほぼFEAB浅溝の深さだけ後ろ位置するとともに、前記エイペックスよりも前記媒体対向面に近い位置に形成され、さらに前記ヨーク先端部の上部は、前記媒体対向面から、ほぼFEAB深溝の深さだけ後ろに位置することを特徴とする。
【0015】
前記本発明の磁気ヘッドスライダーは、前記磁極部の前記媒体対向面で、前記磁極部がその上部にほぼFEAB浅溝の深さだけ後ろになっている面を持つことができる。
【0016】
本発明の磁気ヘッドスライダーは、前記磁極部の前記扇形部はエイペックスよりも後ろにあることが好ましい。
【0017】
本発明の磁気ヘッドスライダーは、前記ヨーク部の前記磁極部に重なっている前記ヨーク先端部は、前記磁極部の扇形部の幅よりも大で、厚さも大であることが好ましい。
【0018】
本発明の磁気ヘッドスライダーは、非磁性セラミックス基板からなるスライダーの上に、下部磁極と、前記下部磁極上に形成された磁気ギャップ層と、前記ギャップ層上に形成されたエイペックス規定用絶縁部と、前記エイペックス規定用絶縁部から続いた絶縁層上に形成されたコイルと、前記コイルを覆うコイル絶縁層と、媒体対向面から前記ギャップ層及び前記エイペックス規定用絶縁部の上に延びた磁極部と、この磁極部上にその先端部を重ねてその先端部から始まってコイル絶縁層上に延びているヨーク部とを順次形成する磁気ヘッドスライダーの製造において、
前記磁極部と前記コイル絶縁層の上に亘って、前記ヨーク部となる磁性体膜を少なくとも前記エイペックス規定用絶縁部よりも磁気ヘッド媒体対向面近くまで突出して形成し、前記スライダーの前記媒体対向面にFEAB浅溝をドライエッチング形成するときに、前記ヨーク部となる磁性体膜のヨーク先端部を前記媒体対向面からほぼFEAB浅溝の深さまで前記媒体対向面側からドライエッチングし、
さらに、ほぼFEAB浅溝の深さで、しかも前記エイペックスよりも前記媒体対向面に近い位置にある前記ヨーク先端部の上部を、FEAB深溝の深さまで前記媒体対向面からドライエッチングすることを特徴とするものである。
【0019】
FEAB浅溝及びFEAB深溝を形成するフォトレジストマスクに、FEAB浅溝パターン及びFEAB深溝パターンとヨーク先端部を削るパターンを入れることで、工程数を増やすことなくヨーク先端部を加工することができる。
【0021】
前記ヨーク先端部の上部を、前記FEAB深溝の深さまで前記媒体対向面からドライエッチングした後、ダイヤモンドライクカーボン等の媒体対向面保護膜をスライダー媒体対向面全面に形成することが好ましいものである。ヨーク先端部をFEAB浅溝もしくは深溝加工と同時に加工することで、媒体対向面より奥まった個所にヨーク先端部が露出することになるが、全面を媒体対向面保護膜で覆うことにより、外気から遮断されるため腐食等の問題もなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気ヘッドを図1,2,3に示す実施例を参照しながら詳細に説明する。ここで図1は本発明による磁気ヘッドスライダー100の実施例の斜視図であり、図2は素子近傍部の断面図であり、図3はそれを上部磁極側から見た平面図である。
【0023】
図1において、1はヘッドスライダーを構成しているアルミナチタンカーバイドなどの非磁性セラミックス基板であり、このスライダーの尾端面上に磁気抵抗ヘッド2と誘導磁気ヘッド3が積層して形成されている。媒体対向面には、正圧を発生させる浮上面40と負圧を発生させる浅溝42と深溝41が形成されている。誘導磁気ヘッド3のヨーク先端部を取り囲むように浅溝42が形成されている。本明細書では誘導磁気ヘッド3を単に磁気ヘッドと呼ぶ。また、磁気抵抗ヘッド2と誘導磁気ヘッド3とを積層した複合磁気ヘッドを全体として磁気ヘッドと呼ぶこともある。
【0024】
磁気抵抗ヘッド2は、セラミックス基板1の上に付けられた絶縁層11の上に形成されており、下部シールド21と上部シールド22の間に磁気抵抗素子23が絶縁層24を介して挟まれている。この磁気抵抗素子23は既に述べた磁気抵抗効果素子タイプのもの、スピンバルブタイプ、トンネル効果タイプのもの等であり、ここでセンス電流を供給するためのリードは省略している。磁気抵抗素子23はエアベアリング面すなわち媒体対向面4に接して設けられている。上部シールド22の上には絶縁層25を挟んで下部磁極5が形成される。本実施例では上部シールド22と下部磁極5が個別に形成されたピギーバックタイプであるが、上部シールド22が下部磁極5を兼ねたマージタイプでも同様である。下部磁極の上には磁極柱62が下部磁極5と接続される部分を除き、磁気ギャップ層51が形成される。
【0025】
磁気ギャップ層51にはエイペックス66を決めるエイペックス規定用絶縁部65と磁極部61、磁極柱62、絶縁層26が形成される。絶縁層26の上にはコイル7が形成され絶縁樹脂などからなるコイル絶縁層27で覆われている。コイル絶縁層27を覆うように、磁極部61と磁極柱62を磁気的に接続するヨーク部63が形成される。磁極部61とヨーク部63、磁極柱62で上部磁極6を構成することとなる。コイル7と磁気抵抗素子23の外部引き出し端子(図示せず)等を形成した後、アルミナ等の絶縁材で構成される保護層12で上部磁極6等を全面覆い素子を保護することで基本的な磁気ヘッド素子の形成が終了する。ヨーク部63のヨーク先端部64は、後で詳しく述べるFEAB加工によって、FEAB浅溝42の深さだけ媒体対向面4より後退している。本実施例では後退量を0.3μmとした。FEAB加工時にヨーク先端部だけでなく、ヨーク先端部を取り囲む保護層12もFEAB浅溝深さだけ後退している。後退している保護層12の除去した幅寸法はヨーク部寸法から5μmとした。
【0026】
磁極部61はトラック幅Twをなすトラック部55とそこから奥方向に延びた磁極扇形部56から形成されている。トラック部55に近い部分では、磁気ギャップ層51を介して下部磁極5と対向していて、その間が磁気ギャップとなっている。この磁気ギャップ層51との対向面で、媒体対向面4から奥まった位置からエイペックス規定用絶縁部65が始まって延びているので、磁極部61はその上に続いて形成されていて、磁気ギャップ層51とエイペックス規定用絶縁部65との境界すなわちエイペックス規定用絶縁部65の媒体対向面4に最も近い先端のところにエイペックス66を持つ。磁極部61は、エイペックス66よりも奥のところでは磁気ギャップよりも大きな間隙を下部磁極5との間に持って、媒体対向面4からエイペックス66までの間がギャップ深さとなっている。ギャップ深さはほぼ1.0μmであり、磁極部61のエイペックス66よりも後ろの部分は、ギャップ深さよりも通常長く延びているものであるが、エイペックス66よりも後ろの部分では下部磁極5との間に磁気ギャップよりも大きな間隙を持つので、その部分での磁気漏洩はほとんど生じないようになっている。
【0027】
磁極部61の平面形状は、図3に示すように、媒体対向面4のところではトラック幅Twになったトラック部55を持っており、媒体対向面4から遠いところで、磁極部61は磁極扇形部56を持っている。ヨーク部63がトラック部55の後部と磁極扇形部56の上に片側2μm位大きく覆うようにして取り付けられているので、磁極扇形部56とヨーク部63との接触面積が大きくなりその間の磁気抵抗が小さくなる。
【0028】
ヨーク先端部64はエイペックス66よりも媒体対向面4に近いところにあるとともに、ヨーク先端部64は、ほぼFEAB浅溝の深さだけ媒体対向面4から後退すなわち奥まった位置にある。FEAB浅溝の深さは通常0.1〜0.5μmなので、ヨーク先端部64が媒体対向面4から0.1〜0.5μm離れて設けられている。これだけの距離離れていることによって、この部分から媒体への磁気漏洩を防ぐことが出来て、寄生イレーズを防ぐことができる。
【0029】
図4に示すようにヨーク部63が厚い場合には、FEAB浅溝深さ分後退したヨーク先端部64の上の部分にFEAB深溝深さ分である約1.0〜2.5μm後退した部分を設けることもできる。FEAB深溝の深さは約1.0〜2.5μmなので、その程度離されていると、ヨーク部63から媒体への磁気的な干渉が全くなくなる。あるいは図5に示しているように、ヨーク部63と磁極部61の上部にかかるようにして、FEAB浅溝の深さ程度に段差を付けることもできる。
【0030】
磁極部61にFEAB浅溝、ヨーク先端部64にFEAB浅溝と深溝を施した形状とすることもできる。すなわち図4と図5のものを組み合わせたようにすることもできる。
【0031】
「FEAB浅溝」および「FEAB深溝」なる用語を本明細書で用いているが、これらの意味は以下に述べる製造方法の説明の中で明らかになるであろう。FEABとは、フリーエッチングエアベアリングの略語で、媒体対向面をフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いて形成することをさしている。
【0032】
本発明の対象になっている磁気ヘッドは、通常4〜6インチの直径をした円板状の非磁性セラミックス基板上に並べて形成される。1枚の非磁性セラミックス基板の上に数千から数万個の磁気ヘッドが形成される。その製造方法は一般に知られているものに準じたもので、構成は前述しているので省略する。磁気ヘッドが形成されている非磁性セラミックス円板をローバー(基板のバーを短冊状に切断したもので、その上に磁気ヘッドが一列に並んでいる)に切断し、媒体対向面をギャップ深さを制御しながら鏡面に加工した後媒体対向面にFEAB加工を施す。図6にFEAB加工工程を磁気ヘッド素子部近傍のスライダー断面形状を使って示す。図6a)は、ギャップ深さが所定の寸法に仕上げられ媒体対向面が鏡面に仕上げられた状態である。FEAB浅溝深さの約3〜5倍の厚みのフォトレジスト30を媒体対向面に塗布し、約90度の温度でベーキングした状態を図6b)に示す。フォトレジスト30をFEAB浅溝深さより厚く塗布するのは、フォトレジストのイオンミリングによるエッチングレートが大きいためである。次に、図6c)に示すようにフォトマスク31を所定の位置に設け光を当ててフォトレジスト30を感光する。図6c)の濃いフォトレジスト部が感光部32である。フォトレジスト現像液を用い感光部32を除去することで、図6d)に示すようにフォトレジスト開口部33が形成される。イオンミリング装置を用いアルゴンイオンを衝突させることで、FEAB浅溝分の段差34が図6e)に示すように形成される。FEAB浅溝深さはイオンミリングを行う時間で制御することが出来る。残ったフォトレジストを有機溶剤等で除去することで、図6f)に示す様に媒体対向面にFEAB浅溝42を形成することが出来る。図6a)〜図6b)の工程を繰り返すことでFEAB深溝41(図1参照)も形成できるものである。本実施例では、0.3μmのFEAB浅溝を形成した後、1.5μmのFEAB深溝を形成したが、逆にFEAB深溝から形成することも可能である。
【0033】
媒体対向面をFEAB加工おこなった後, 媒体対抗面全面にダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護膜(図示せず)を数nmの厚みに形成することで、ヨーク先端部も外気から遮断されるので水分や腐食性ガスからヨーク先端部を保護する事ができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明の磁気ヘッドスライダーでは製作の際に、エアベアリング面の加工の際にFEAB浅溝深さだけ上部磁気コア後部の最先端をドライエッチングして、ほぼFEAB浅溝深さだけ媒体対向面からそのヨーク先端部を深くしているので、その深さを容易に管理することが出来、その結果磁気漏洩を防ぐことができるとともに、記録効率の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドスライダーの斜視図である。
【図2】本発明の磁気ヘッドスライダーの磁気ヘッド素子近傍部の断面図である。
【図3】本発明の磁気ヘッドを上部磁極側から見た平面図である。
【図4】他の実施例による磁気ヘッド素子近傍部の断面図である。
【図5】更に他の実施例による磁気ヘッド素子近傍部の断面図である。
【図6】FEAB加工工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1 (非磁性)セラミックス基板
100 (複合)磁気ヘッドスライダー
2 磁気抵抗ヘッド
3 誘導磁気ヘッド
4 媒体対抗面
5 下部磁極
6 上部磁極
7 コイル
11 絶縁層
12 保護層
21 下部シールド
22 上部シールド
23 磁気抵抗素子
24,25,26 絶縁層
27 コイル絶縁層
30 フォトレジスト
31 フォトマスク
32 感光部
33 フォトレジスト開口部
34 段差
40 浮上面
41 (FEAB)深溝
42 (FEAB)浅溝
51 磁気ギャップ層
55 トラック部
56 磁極扇形部
61 磁極部
62 磁極柱
63 ヨーク部
64 ヨーク先端部
65 エイペックス規定用絶縁部
66 エイペックス

Claims (6)

  1. 媒体対向面にFEAB浅溝とFEAB深溝とが形成されているスライダーと、少なくとも磁気記録面側においてギャップ層を挟んで対峙させて磁気回路を構成する下部磁極と上部磁極を備えた記録再生分離型磁気ヘッドであって、前記上部磁極は磁極部と磁極柱とヨーク部を備え、前記磁極部にはエイペックス規定用絶縁部を備えており、
    前記磁極部は媒体対向面の近くではトラック幅方向の幅が小さくなっておりそのトラック幅方向の両端面が平行部を有しているとともに、前記エイペックス規定用絶縁部の上でトラック幅方向の幅が広くなっている扇形部を有しているとともに、前記ヨーク部は前記磁極部上に重なっており、そのヨーク先端部の下部は前記媒体対向面からほぼFEAB浅溝の深さだけ後ろ位置するとともに、前記エイペックスよりも前記媒体対向面に近い位置に形成され、さらに前記ヨーク先端部の上部は、前記媒体対向面から、ほぼFEAB深溝の深さだけ後ろに位置することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダー。
  2. 前記磁極部の前記媒体対向面で、前記磁極部がその上部にほぼFEAB浅溝の深さだけ後ろになっている面を持つことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダー。
  3. 前記磁極部の前記扇形部はエイペックスよりも後ろにあることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッドスライダー。
  4. 前記ヨーク部の前記磁極部に重なっている前記ヨーク先端部は、前記磁極部の扇形部の幅よりも大で、厚さも大であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の磁気ヘッドスライダー。
  5. 非磁性セラミックス基板からなるスライダーの上に、下部磁極と、前記下部磁極上に形成された磁気ギャップ層と、前記ギャップ層上に形成されたエイペックス規定用絶縁部と、前記エイペックス規定用絶縁部から続いた絶縁層上に形成されたコイルと、前記コイルを覆うコイル絶縁層と、媒体対向面から前記ギャップ層及び前記エイペックス規定用絶縁部の上に延びた磁極部と、この磁極部上にその先端部を重ねてその先端部から始まってコイル絶縁層上に延びているヨーク部とを順次形成する磁気ヘッドスライダーの製造において、
    前記磁極部と前記コイル絶縁層の上に亘って、前記ヨーク部となる磁性体膜を少なくとも前記エイペックス規定用絶縁部よりも磁気ヘッド媒体対向面近くまで突出して形成し、前記スライダーの前記媒体対向面にFEAB浅溝をドライエッチング形成するときに、前記ヨーク部となる磁性体膜のヨーク先端部を前記媒体対向面からほぼFEAB浅溝の深さまで前記媒体対向面側からドライエッチングし、
    さらに、ほぼFEAB浅溝の深さで、しかも前記エイペックスよりも前記媒体対向面に近い位置にある前記ヨーク先端部の上部を、FEAB深溝の深さまで前記媒体対向面からドライエッチングすることを特徴とする磁気ヘッドスライダーの製造方法。
  6. 前記ヨーク先端部の上部を、前記FEAB深溝の深さまで前記媒体対向面からドライエッチングした後、保護膜をスライダー媒体対向面に形成することを特徴とする請求項記載の磁気ヘッドスライダーの製造方法。
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