JP2002092818A - 薄膜磁気ヘッド、及びその薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、及びその薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2002092818A
JP2002092818A JP2000281740A JP2000281740A JP2002092818A JP 2002092818 A JP2002092818 A JP 2002092818A JP 2000281740 A JP2000281740 A JP 2000281740A JP 2000281740 A JP2000281740 A JP 2000281740A JP 2002092818 A JP2002092818 A JP 2002092818A
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Mitsuhiro Nagano
光浩 長野
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライトフリンジングを抑制して、高記録密度
化に対応できる薄膜磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 下部コア層6のギャップ形成面6sを、
上部コア層11のギャップ形成面11sと磁気ギャップ
Gを介して対向する面、上部コア層11のギャップ形成
面11sを、磁気ギャップGを介して、下部コア層6の
ギャップ形成面6sの全面と非磁性層12に対向する面
として、下部コア層6のギャップ形成面6sのトラック
幅方向寸法を、上部コア層11のギャップ形成面11s
のトラック幅方向の寸法よりも小さくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浮上式磁気
ヘッドなどに用いられるインダクティブ型の薄膜磁気ヘ
ッドに係わり、特にライトフリンジングを抑制して、高
記録密度化に対応できる薄膜磁気ヘッド、及びこの薄膜
磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の薄膜磁気ヘッドを示す
説明図である。従来の薄膜磁気ヘッドの記録用ヘッド部
h52は、Cu薄膜等から成るコイル層(図示せず)
と、軟磁性材料薄膜からなる上部、下部コア層54、5
5とを有し、コイル層は、互いに対向する上部、下部コ
ア層54、55間に介在して、上部コア層54の先端部
54aは幅狭となって、下部コア層55の先端部55a
と磁気ギャップGを介して対向している。上部、下部コ
ア層54、55には、コイル層を流れる電流により記録
磁界が誘導されて、記録磁界は、磁気ギャップGにおい
て洩れ磁界となって磁気ディスクに付与される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薄膜磁気ヘッドでは、下部コア層55の先端部55aが
上部コア層54の先端部54aの幅寸法と同等以上に形
成されているので、洩れ磁界の幅寸法が、上部コア層5
4の先端部54aの幅(トラック幅)の範囲内に収まら
ず、磁気ディスクに付与される記録磁界の幅は、トラッ
ク幅よりも広がる。このようなトラック幅から外れた記
録磁界(ライトフリンジング)の影響は、トラック幅が
狭くなるほど増大して、高記録密度化に対応して狭トラ
ック幅となると、トラック位置の検出エラーの原因とな
る。本発明は、ライトフリンジングを抑制することによ
り、高記録密度化に対応できる薄膜磁気ヘッドを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、軟磁性材料薄膜からなる下部コア層と、該下部コア
層上に形成された良導電材料薄膜からなるコイル層と、
該コイル層を介して前記下部コア層と対向する軟磁性材
料薄膜からなる上部コア層とを有し、互いに対向する前
記上部コア層のギャップ形成面と前記下部コア層のギャ
ップ形成面との間には、絶縁材料薄膜からなるギャップ
層が挟持されて、磁気ギャップが設けられ、前記下部コ
ア層における前記ギャップ形成面のトラック幅寸法は、
前記上部コア層における前記ギャップ形成面のトラック
幅寸法よりも小さい。このような薄膜磁気ヘッドでは、
コイル層を流れる電流により上部、下部コア層に記録磁
界が誘導されて、記録磁界は、磁気ギャップにおいて洩
れ磁界となり、磁気ディスクに付与される。このとき、
上部コア層のギャップ形成面におけるトラック幅方向の
側部位置では、洩れ磁界が発生しにくいので、上部コア
層のギャップ形成面から外れた記録磁界(ライトフリン
ジング)が磁気ディスクに付与されることを抑制するこ
とができる。よって、上部コア層の先端部の大きさを、
十分な記録磁界強度が得られるように保持したまま、磁
気ディスクに付与される記録磁界の幅寸法を狭くして、
高記録密度化に対応した薄膜磁気ヘッドとすることがで
きる。
【0005】本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記下部コア
層の基部に、前記上部コア層の前記ギャップ形成面に向
けて突出する凸部が設けられており、該凸部の上面は、
前記下部コア層の前記ギャップ形成面である。このよう
な薄膜磁気ヘッドでは、上部コア層のギャップ形成面と
下部コア層のギャップ形成面との間に洩れ磁界が発生し
易いので、磁気ディスクに付与される記録磁界強度が向
上して、記録情報の信頼性が高い薄膜磁気ヘッドとする
ことができる。
【0006】本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記下部コア
層の前記凸部の上面全面が、前記ギャップ形成面であ
る。このような磁気ヘッドでは、上部コア層のギャップ
形成面におけるトラック幅方向の両側部で、洩れ磁界が
発生しにくいので、ライトフリンジングを抑制する効果
が向上して、さらに、高記録密度化に対応した薄膜磁気
ヘッドとすることができる。
【0007】本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記基部の上
面が、前記凸部の根元部からトラック幅方向に離れるに
したがって漸次膜厚が薄くなる。このような薄膜磁気ヘ
ッドでは、上部コア層のギャップ形成面位置から離れる
と、下部コア層の基部と上部コア層のギャップ形成面と
の間隔が大きくなるので、洩れ磁界が発生しにくくな
る。よって、ライトフリンジングを抑制する効果がさら
に向上して、より高記録密度化に対応した薄膜磁気ヘッ
ドとすることができる。
【0008】また、このような下部コア層の形状では、
イオンミリング工程により上部コア層と下部コア層の形
状を形成するとき、下部コア層の凸部を適切な突出寸法
に形成することができるので、上部コア層のギャップ形
成面と下部コア層のギャップ形成面との間に洩れ磁界が
発生し易く、磁気ディスクに付与される記録磁界強度が
向上して、記録情報の信頼性が高い薄膜磁気ヘッドとす
ることができる。
【0009】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、下
部コア層となる第1の軟磁性材料薄膜と非磁性材料薄膜
を、基板上に互いに隣接するように形成して、前記第1
の軟磁性材料薄膜と前記非磁性材料薄膜の表面が、同一
平面となるように加工する工程と、前記第1の軟磁性材
料薄膜と前記非磁性材料薄膜の表面に、ギャップ層とな
る絶縁材料薄膜を形成した後、該絶縁材料薄膜の表面に
第2の軟磁性材料薄膜を形成して、該第2の軟磁性材料
薄膜を、前記第1の軟磁性薄膜と前記非磁性材料薄膜と
に跨る上部コア層に形成する工程とを有する。このよう
な薄膜磁気ヘッドの製造方法では、ギャップ層を挟持し
て、互いに対向する上部コア層のギャップ形成面と下部
コア層のギャップ形成面とを、下部コア層におけるギャ
ップ形成面のトラック幅寸法が、上部コア層におけるギ
ャップ形成面のトラック幅寸法よりも小さくなるように
形成することができる。
【0010】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、前
記第2の軟磁性材料薄膜と前記絶縁材料薄膜をトラック
幅方向に削って、前記上部コア層と前記ギャップ層を形
成すると共に、前記第1の軟磁性薄膜を削って、前記下
部コア層の基部から前記上部コア層側に突出する凸部、
及び、前記下部コア層の前記凸部からトラック幅方向に
離れるにしたがって漸次膜厚が薄くなる傾斜面を形成す
る工程は、θ1>θ2である関係で、前記第1、第2の軟
磁性材料薄膜の膜厚方向に対するイオン照射角度が、そ
れぞれ、θ1、θ2である第1、第2、第3のイオンミリ
ング工程を順次行う。このような薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、第1のイオンミリング工程では、下部コア層
の凸部からトラック幅方向に離れるにしたがって漸次膜
厚が薄くなる傾斜面を形成して、第2のイオンミリング
工程では、下部コア層の凸部を形成すると共に、上部コ
ア層を所定寸法とすることができる。このような第1、
第2のイオンミリング工程では、軟磁性材料と絶縁材料
とのイオンミリングレートの差違を緩和して、ギャップ
層がトラック幅方向にオーバーエッチングされることな
く、磁気ギャップが安定した信頼性の高い薄膜磁気ヘッ
ドを製造することができる。さらに、第1、第2のイオ
ンミリング工程では、下部コア層の凸部におけるトラッ
ク幅方向の片側部直上に、上部コア層のトラック幅方向
の側部を設けることができるので、下部コア層の凸部
が、上部コア層からトラック幅方向に突出することがな
く、ライトフリンジングが抑制された薄膜磁気ヘッドを
製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜磁気ヘッドを、図1
から図11を用いて説明する。まず、本発明の薄膜磁気
ヘッドの一実施の形態を、図1から図4を用いて説明す
る。
【0012】本発明の一実施の形態とする薄膜磁気ヘッ
ドは、セラミック等の非磁性材料からなる略矩形状のス
ライダ61上に形成されており、記録データを再生する
再生ヘッド部h1と、磁気ディスクにデータを記録する
記録ヘッド部h2とから構成される複合型薄膜磁気ヘッ
ドである。
【0013】図1に示すように、スライダ61は、ヘッ
ド形成面61aが、磁気ディスク対向面61bと隣り合
う面であるとともに、磁気ディスク対向面61bと略垂
直である。
【0014】図2、図3、図4に示すように、スライダ
61のヘッド形成面61aには、再生ヘッド部h1と記
録ヘッド部h2が、順次積層されて形成されている。再
生ヘッド部h1は、磁気ディスクの磁気記録を再生する
ためのAMR素子やGMR素子等の磁気抵抗効果素子1
が、パーマロイ等の軟磁性材料薄膜からなり互いに対向
する上部、下部シールド層2、3間に、Al23等の絶
縁材料薄膜からなる絶縁層4を介して挟持されており、
磁気抵抗効果素子1の先端部、及び、上部、下部シール
ド層2、3の先端部は、スライダ61の磁気ディスク対
向面61bに露出している。
【0015】図4に示すように、トラック幅方向は、ス
ライダ61の磁気ディスク対向面61bに露出した磁気
抵抗効果素子1の先端部の幅方向である。
【0016】再生ヘッド部h1の上部シールド層2は、
Al23等の絶縁材料からなる分離層5により覆われて
おり、記録ヘッド部h2は、分離層5を介して再生ヘッ
ド部h1上に積層されている。
【0017】記録ヘッド部h2は、下部コア層6と、下
部コア層6の表面に形成されたギャップ層8と、ギャッ
プ層8上に形成されたコイル層9と、コイル層9を介し
て下部コア層6と対向する上部コア層11とを有してい
る。
【0018】下部コア層6は、パーマロイ等の軟磁性材
料薄膜からなり、分離層5の表面に形成されている。下
部コア層6は、先端部6aが細幅となり、スライダ61
の磁気ディスク対向面61bまで延出されている。
【0019】下部コア層6の先端部6aは、基部6fの
トラック幅方向の片側部において、基部6fから下部コ
ア層6の厚さ方向に突出した矩形状の凸部6bが形成さ
れている。凸部6bの上面は、トラック幅方向に所定寸
法を有する平坦面であり、全面をギャップ形成面6sと
する。また、基部6fの上面は、凸部6bからトラック
幅方向に離れるにしたがって、下部コア層6の膜厚が漸
次薄くなる傾斜面6cとなっている。
【0020】下部コア層6は、凸部6bの突出寸法がギ
ャップ層8厚さの1〜3倍であり、傾斜面6cの傾斜角
度φが、2°以上であることが好ましい。このような下
部コア層6の形状では、ライトフリンジングの抑制効果
がさらに向上する。
【0021】下部コア層6周囲の分離層5表面には、A
23等の非磁性材料薄膜からなる非磁性層12が形成
されている。非磁性層12には、非磁性層12の膜厚方
向に突出した矩形状の凸部12aが形成されており、非
磁性層12の凸部12aと下部コア層6の凸部6bは、
互いのトラック幅方向に隣接して、非磁性層12の凸部
12aの上面と、下部コア層6のギャップ形成面6s
(凸部6bの上面)は、同一平面に形成されている。ま
た、非磁性層12は、凸部12aからトラック幅方向に
離れるにしたがって、非磁性層12の膜厚が薄くなるよ
うな傾斜面12bを有している。
【0022】SiO2やTa23等の絶縁材料薄膜から
なるギャップ層8は、下部コア層6と非磁性層12の表
面に形成されており、スライダ61の磁気ディスク対向
面61b側において、下部コア層6のギャップ形成面6
s(凸部6bの上面)と非磁性層12の凸部12aの上
面の全面に形成されている。また、ギャップ層8から
は、下部コア層6の上部コア層11との接続部分6dが
露出している。
【0023】ギャップ層8の表面には、レジスト等の有
機絶縁材料薄膜からなる第1の絶縁層13が形成されて
おり、第1の絶縁層13からは、下部コア層6のギャッ
プ形成面6s(凸部6bの上面)、及び非磁性層12の
凸部12aの上面に形成されたギャップ層8の全面が露
出している。
【0024】Cu等の良導電材料薄膜からなるコイル層
9は、スパイラル状であり、絶縁層12の表面に形成さ
れている。
【0025】第2の絶縁層7は、レジスト等の有機絶縁
材料薄膜からなり、第1の絶縁層13の表面に形成され
て、コイル層9を覆っている。
【0026】パーマロイ等の軟磁性材料薄膜からなる上
部コア層11は、第2の絶縁層7を介してコイル層9を
覆うと共に、コイル層9を挟んで下部コア層6と対向し
ており、後端部11bが、第1、第2の絶縁層13、7
及びギャップ層8から露出した下部コア層6の接続部6
dに接続されている。
【0027】スライダ61の磁気ディスク対向面61b
まで延出された上部コア層11の先端部11aは、略矩
形状であり、第1の絶縁層13から露出したギャップ層
8の表面の全面に形成されている。上部コア層11の先
端部11aにおけるトラック幅方向の寸法は、上部コア
層11の先端部11a直下に形成されたギャップ層8の
トラック幅方向寸法と同等である。
【0028】また、上部コア層11の先端部11aは、
ギャップ層8を介して、下部コア層6のギャップ形成面
6s(凸部6bの上面)の全面と非磁性層12の凸部1
2aの上面全面に対向していると共に、下部コア層6の
ギャップ形成面6s(凸部6bの上面)と非磁性層12
の凸部12aの上面とは、上部コア層11の先端部11
aの全面と対向している。このとき、上部コア層11の
先端部11aにおけるトラック幅方向の片側部は、下部
コア層6のギャップ形成面(凸部6bの上面)6sにお
けるトラック幅方向の片側部の直上に設けられている。
【0029】このような上部コア層11のギャップ形成
面11sは、ギャップ層8を介して、下部コア層6のギ
ャップ形成面6sの全面と非磁性層12に対向する面で
ある。また、下部コア層6のギャップ形成面6sとは、
上部コア層11のギャップ形成面11sと対向して、且
つ、上部コア層11のギャップ形成面11sとギャップ
層8を挟持する下部コア層6の面であり、下部コア層6
のギャップ形成面6sと上部コア層11のギャップ形成
面11sとの間には、ギャップ層8により磁気ギャップ
Gが形成されている。
【0030】このような下部コア層6のギャップ形成面
6sのトラック幅方向寸法は、上部コア層11のギャッ
プ形成面11sのトラック幅方向の寸法よりも小さくな
っている。
【0031】次に、本発明の一実施の形態である上記薄
膜磁気ヘッドの製造方法、特に記録ヘッド部h2の下部
コア層6の製造方法を、図5から図10を用いて説明す
る。
【0032】まず、再生ヘッド部h1と記録ヘッド部h
2を隔てる分離層5上に、めっき法により、下部コア層
6となる第1の軟磁性材料薄膜(以後、第1のパーマロ
イ膜)22を成膜した後、フォトリソ・エッチングによ
り、第1のパーマロイ膜22を所定形状とする。
【0033】次に、スパッタ法により、非磁性層12と
なる非磁性材料薄膜(以後、Al23膜)21を、第1
のパーマロイ膜22を覆うように形成する。そして、図
5に示すように、CMP(Chemical-Mechanical-Polish
ing)加工により、Al23膜21の表面から第1のパー
マロイ膜22の表面を露出させるとともに、Al23
21の表面と第1のパーマロイ膜22の表面を同一平面
とする。
【0034】そして、第1のパーマロイ膜22とAl2
3膜21の表面に、ギャップ層8となる絶縁材料薄膜
23をスパッタ法により成膜する。
【0035】続いて、絶縁材料薄膜23上に、第1の絶
縁層13、コイル層9、第2の絶縁層7を順次形成す
る。そして、第2の絶縁層7の表面に、上部コア層11
と同様のパーマロイからなる下地層(図示せず)をスパ
ッタ成膜して、下地層の表面に、上部コア層11の形状
に対応するレジストフレーム(図示せず)を形成する。
【0036】そして、レジストフレームが形成された下
地層の表面に、上部コア層11となる第2の軟磁性材料
薄膜(以後、第2のパーマロイ膜)24をめっき法によ
り形成して、その後、レジストフレームと、余分な第2
のパーマロイ膜24、及び下地膜を除去して、第2のパ
ーマロイ膜24を、図6に示すような、第1のパーマロ
イ膜22とAl2321に跨るパターンにする。
【0037】次に、CF4系ガスを用いたRIE(React
ive Ion Etching)により、絶縁材料薄膜23を、第2の
パーマロイめっき膜24の直下部分のみを残して、剥離
する。CF4系ガスを用いたRIEでは、絶縁材料薄膜
23のみを選択的に除去して、第2のパーマロイめっき
膜24等には影響を与えない。
【0038】続いて、上部、下部コア層11、6及びギ
ャップ層8の形状を形成するイオンミリング工程を、図
8から図10に示す。
【0039】第1のイオンミリング工程は、図8に示す
ように、第1、第2のパーマロイ膜22、24の膜厚方
向とθ1(θ1=約70°)の角度を成す方向にArイオ
ンを照射して、第1のパーマロイ膜22に下部コア層6
の傾斜面6cを形成する。また、Al23膜21には、
非磁性層12の傾斜面12bが形成される。
【0040】第2のイオンミリング工程は、図9に示す
ように、第1、第2のパーマロイ膜22、24の膜厚方
向とθ2(θ2=約20°)の角度を成す方向にArイオ
ンを照射して、第1のパーマロイ膜22に、下部コア層
6の凸部6bを形成する。このとき、第2のパーマロイ
膜24と絶縁材料薄膜23は、トラック幅方向に削られ
て、さらに細幅となる。また、Al23膜21には、非
磁性層12の凸部12aが形成される。
【0041】このような第1、第2のイオンミリング工
程により、上部コア層11の先端部11aにおけるトラ
ック幅方向の片側部を、下部コア層11の凸部11bに
おけるトラック幅方向の片側部直上に設けることができ
る。また、パーマロイとAl23とのイオンミリングレ
ートの差違が緩和されて、ギャップ層8がトラック幅方
向にオーバーエッチングされることなく、磁気ギャップ
Gが安定して形成される。また、下部コア層6の凸部6
bが、上部コア層11の先端部11aからトラック幅方
向に突出することがなく、ライトフリンジングを抑制す
ることができる。
【0042】第3のイオンミリング工程は、図10に示
すように、第1、第2のパーマロイめっき膜22、24
の膜厚方向とθ3(θ3=約55°)の角度を成す方向に
Arイオンを照射する。このような第3のイオンミリン
グ工程では、第1、第2のイオンミリング工程によって
形成した上部、下部コア層11、6の形状を損なうこと
なく、第1、第2のイオンミリング工程中にギャップ層
8に付着した磁性粉を取り除いて、上部、下部コア層1
1、6間の磁気的短絡を防ぐことができる。このように
して、記録ヘッド部h2の製造を終了する。
【0043】なお、第3のイオンミリング工程は、上
部、下部コア層11、6の形状を形成する工程ではない
ので、省略することも可能である。
【0044】次に、本発明の薄膜磁気ヘッドの駆動につ
いて説明する。スライダ61は、可撓性を有するステン
レス薄板からなるジンバル(図示せず)に取り付けられ
て、磁気ディスク対向面61bを磁気ディスク(図示せ
ず)側に向けて、磁気ディスク面上を、磁気ディスク面
と微小間隔を保持して浮上する。そして、薄膜磁気ヘッ
ドにより、磁気ディスクへの磁気記録の付与、磁気ディ
スクの磁気記録の再生を行う。
【0045】記録ヘッドh2が磁気ディスクに磁気記録
を付与するとき、コイル層9を流れる電流により、上
部、下部コア層11、6には、記録磁界が誘導される。
【0046】上部、下部コア層11、6に誘導された記
録磁界は、上部コア層11のギャップ形成面11sと下
部コア層6のギャップ形成面6sの間に設けられた磁気
ギャップGにおいて洩れ磁界となり、磁気ディスクに付
与される。
【0047】このとき、下部コア層6のギャップ形成面
6sは、下部コア層6の基部6fから上部コア層11の
ギャップ形成面11s側に向けて突出した凸部6bの上
面なので、上部コア層11のギャップ形成面11sと下
部コア層6のギャップ形成面6sとの間には、洩れ磁界
が発生し易い。
【0048】一方、上部コア層11のギャップ形成面1
1sは、トラック幅方向の側部11cが、下部コア層6
のギャップ形成面6sの直上位置から外れている。よっ
て、上部コア層11の側部11c位置では、洩れ磁界が
発生しにくい。
【0049】また、下部コア層6の基部6fには、上部
コア層11のギャップ形成面11sの直下から離れるに
したがって、下部コア層6と上部コア層11との距離が
広がるような傾斜面6cが設けられているので、上部コ
ア層11のギャップ形成面11sの直下から離れた位置
には、洩れ磁界が発生しにくい。
【0050】このように、上部コア層11のギャップ形
成面11sにおけるトラック幅方向の両側部、及び、上
部コア層11のギャップ形成面11sから外れた位置で
は、洩れ磁界が発生しにくいので、ライトフリンジング
を抑制して、磁気ディスクに付与される記録磁界の幅
(トラック幅)が狭く、高記録密度化に対応した薄膜磁
気ヘッドとすることができる。
【0051】なお、上記実施の形態では、下部コア層6
のギャップ形成面6sを上部コア層11のギャップ形成
面11sのトラック幅方向の片側に形成したが、図11
のように、下部コア層6のギャップ形成面6sを上部コ
ア層11のギャップ形成面11sのトラック幅方向の中
央付近に設けた薄膜磁気ヘッドでも良い。
【0052】このような薄膜磁気ヘッドでは、上部コア
層6のギャップ形成面6sのトラック幅方向の両端部に
おいて、洩れ磁界がさらに発生しにくく、ライトフリン
ジングをさら抑制することができる。
【0053】なお、図4、11では、下部コア層6に凸
部6bと傾斜部6cとを設けたが、下部コア層6の形状
は、上記に限定されず、下部コア層6のギャップ形成面
6sを、上部コア層11のギャップ形成面11sと磁気
ギャップGを介して対向する面、上部コア層11のギャ
ップ形成面11sを、磁気ギャップGを介して、下部コ
ア層6のギャップ形成面6sの全面と非磁性層12に対
向する面として、下部コア層6のギャップ形成面6sの
トラック幅方向寸法が、上部コア層11のギャップ形成
面11sのトラック幅方向の寸法よりも小さい限り、ラ
イトフリンジングを抑制する効果を得ることができる。
【0054】また、上記実施の形態では、非磁性層12
を、スパッタにより成膜したAl23等として説明した
が、非磁性層12は、めっき法により形成されたCu等
の非磁性金属であっても良い。
【0055】
【発明の効果】本発明の薄膜磁気ヘッドは、軟磁性材料
薄膜からなる下部コア層と、該下部コア層上に形成され
た良導電材料薄膜からなるコイル層と、該コイル層を介
して前記下部コア層と対向する軟磁性材料薄膜からなる
上部コア層とを有し、互いに対向する前記上部コア層の
ギャップ形成面と前記下部コア層のギャップ形成面との
間には、絶縁材料薄膜からなるギャップ層が挟持され
て、磁気ギャップが設けられ、前記下部コア層における
前記ギャップ形成面のトラック幅寸法は、前記上部コア
層における前記ギャップ形成面のトラック幅寸法よりも
小さい。このような薄膜磁気ヘッドでは、コイル層を流
れる電流により上部、下部コア層に記録磁界が誘導され
て、記録磁界は、磁気ギャップにおいて洩れ磁界とな
り、磁気ディスクに付与される。このとき、上部コア層
のギャップ形成面におけるトラック幅方向の端部位置に
おいて、洩れ磁界が発生しにくいので、上部コア層のギ
ャップ形成面から外れた記録磁界(ライトフリンジン
グ)が磁気ディスクに付与されることを抑制することが
できる。よって、上部コア層の先端部の大きさを、十分
な記録磁界強度が得られるように保持したまま、磁気デ
ィスクに付与される記録磁界の幅寸法を狭くして、高記
録密度化に対応した薄膜磁気ヘッドとすることができ
る。
【0056】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、下
部コア層となる第1の軟磁性材料薄膜と非磁性材料薄膜
を、基板上に互いに隣接するように形成して、前記第1
の軟磁性材料薄膜と前記非磁性材料薄膜の表面が、同一
平面となるように加工する工程と、前記第1の軟磁性材
料薄膜と前記非磁性材料薄膜の表面に、ギャップ層とな
る絶縁材料薄膜を形成した後、該絶縁材料薄膜の表面に
第2の軟磁性材料薄膜を形成して、該第2の軟磁性材料
薄膜を、前記第1の軟磁性薄膜と前記非磁性材料薄膜と
に跨る上部コア層に形成する工程とを有する。このよう
な薄膜磁気ヘッドの製造方法では、ギャップ層を挟持し
て、互いに対向する上部コア層のギャップ形成面と下部
コア層のギャップ形成面とを、下部コア層におけるギャ
ップ形成面のトラック幅寸法が、上部コア層におけるギ
ャップ形成面のトラック幅寸法よりも小さくなるように
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドと、薄膜磁気ヘッドが
形成されたスライダを示す
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドを示す説明図。
【図3】図2の矢印3方向から見た断面図。
【図4】図2の矢印4方向から見た図。
【図5】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明図。
【図6】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明図。
【図7】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明図。
【図8】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明図。
【図9】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明図。
【図10】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の説明
図。
【図11】本発明の薄膜磁気ヘッドの他の実施の形態を
示す説明図。
【図12】従来の薄膜磁気ヘッドを示す説明図。
【符号の説明】
G 磁気ギャップ 1 磁気抵抗効果素子 2 上部コア層 3 下部コア層 5 分離層 6 下部コア層 6a 先端部 6b 凸部 6c 傾斜面 6d 接続部 6f 基部 6s ギャップ形成面 8 ギャップ層 9 コイル層 11 上部コア層 11a 先端部 11f 側部 11s ギャップ形成面 12 非磁性層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟磁性材料薄膜からなる下部コア層と、該
    下部コア層上に形成された良導電材料薄膜からなるコイ
    ル層と、該コイル層を介して前記下部コア層と対向する
    軟磁性材料薄膜からなる上部コア層とを有し、互いに対
    向する前記上部コア層のギャップ形成面と前記下部コア
    層のギャップ形成面との間には、絶縁材料薄膜からなる
    ギャップ層が挟持されて、磁気ギャップが設けられ、前
    記下部コア層における前記ギャップ形成面のトラック幅
    寸法は、前記上部コア層における前記ギャップ形成面の
    トラック幅寸法よりも小さいことを特徴とする薄膜磁気
    ヘッド。
  2. 【請求項2】前記下部コア層の基部には、前記上部コア
    層の前記ギャップ形成面に向けて突出する凸部が設けら
    れており、該凸部の上面は、前記下部コア層の前記ギャ
    ップ形成面であることを特徴とする請求項1記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記下部コア層の前記凸部は、上面の全面
    が前記ギャップ形成面であることを特徴とする請求項2
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記基部の上面は、前記凸部の根元部から
    トラック幅方向に離れるにしたがって漸次膜厚が薄くな
    る傾斜面となること特徴とする請求項3記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  5. 【請求項5】下部コア層となる第1の軟磁性材料薄膜と
    非磁性材料薄膜を、基板上に互いに隣接するように形成
    して、前記第1の軟磁性材料薄膜と前記非磁性材料薄膜
    の表面が、同一平面となるように加工する工程と、前記
    第1の軟磁性材料薄膜と前記非磁性材料薄膜の表面に、
    ギャップ層となる絶縁材料薄膜を形成した後、該絶縁材
    料薄膜の表面に第2の軟磁性材料薄膜を形成して、該第
    2の軟磁性材料薄膜を、前記第1の軟磁性薄膜と前記非
    磁性材料薄膜とに跨る上部コア層に形成する工程とを有
    することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2の軟磁性材料薄膜と前記絶縁材料
    薄膜をトラック幅方向に削って、前記上部コア層と前記
    ギャップ層を形成すると共に、前記第1の軟磁性薄膜を
    削って、前記下部コア層の基部から前記上部コア層側に
    突出する凸部、及び、前記下部コア層の前記凸部からト
    ラック幅方向に離れるにしたがって漸次膜厚が薄くなる
    傾斜面を形成する工程は、θ1>θ2である関係で、前記
    第1、第2の軟磁性材料薄膜の膜厚方向に対するイオン
    照射角度が、それぞれ、θ1、θ2である第1、第2のイ
    オンミリング工程を順次行うことを特徴とする請求項5
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7215512B2 (en) 2003-08-13 2007-05-08 Alps Electric Co., Ltd. Thin-film magnetic head, magnetic device including the same, and method for manufacturing the same

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