JPH07153026A - 薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置

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JPH07153026A
JPH07153026A JP29512193A JP29512193A JPH07153026A JP H07153026 A JPH07153026 A JP H07153026A JP 29512193 A JP29512193 A JP 29512193A JP 29512193 A JP29512193 A JP 29512193A JP H07153026 A JPH07153026 A JP H07153026A
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JP
Japan
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coil pattern
core
insulating layer
pattern
magnetic head
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JP29512193A
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Yoshio Takahashi
良夫 高橋
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁性材のコアの上下に形成した縞状コイルパタ
ーンの両端を接続して螺旋状のコイルを形成してなる薄
膜磁気ヘッド及び磁気ディスク装置に関し、めっきベー
スからの反射光でフォトレジストのマスクが形状不良と
なるのを防止し、コイルパターン間ショートの恐れのな
い薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置を実現するこ
とを目的とする。 【構成】磁性材のコア4の上下に絶縁層を挟んで該コア
4と交差する下部コイルパターン51と上部コイルパタ
ーン52との両端を接続して螺旋状のコイル5を構成し
てなり、下部コイルパターン、下部絶縁層、コア、上部
絶縁層、上部コイルパターンの順に形成されてなる薄膜
磁気ヘッドであって、前記の上下の絶縁層22、23の
斜面部22S、23Sの少なくとも片方の上において、上部
コイルパターン52が、コア両側縁4eに対し垂直に交差す
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材のコアの下側に
形成した縞状のコイルパターンと、上側に形成した縞状
のコイルパターンとの両端を接続して螺旋状のコイルを
形成してなる薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディスク装置に
関する。
【0002】情報処理システムにおける外部記憶装置と
して使用される磁気ディスク装置においては、情報の記
録密度の高密度化の要請から、情報を記録/再生する磁
気ヘッドは、在来のモノリシック型に代わって、薄膜型
のものが普及している。
【0003】また、薄膜型の磁気ヘッドにおいても、小
型化が急速に進んでいる。例えば、特開平5−197924号
公報などに記載されているように、磁性材のコアに薄膜
技術によって螺旋状のコイルを巻いた構造とし、このコ
アと直角に磁極を形成して、磁極先端を垂直記録型の磁
気記録媒体に圧接する薄膜磁気ヘッドが開発されてい
る。しかしながら、この超小型の薄膜磁気ヘッドは未だ
に製造方法が確立されていない。
【0004】
【従来の技術】図8は特開平5−197924号公報に掲載さ
れている薄膜磁気ヘッドであり、磁気ヘッド素子部2
は、磁性体からなるコア4に、薄膜技術でコイル5を巻
回し、該コイル5のリードパターン6を、スプリングア
ーム部1の根元(取り付け部)7のボンディングパッド
8に接続した構造になっている。
【0005】コア4の先端には、磁気ディスクD側に延
びる磁極9が接続され、後端には、同じく磁気ディスク
D側に延びる後端ヨーク10が形成されている。そし
て、後端ヨーク10に、コア4と平行にリターンヨーク
11が接続されている。なお、以上の各部は薄膜技術に
よって順次積層形成される。
【0006】この薄膜磁気ヘッドは、先端の摺動面3
が、矢印方向に回転している磁気ディスクDに当接して
いる状態で、コイル5に情報信号を通電すると、磁極9
とリターンヨーク11との間の磁束12が、磁気ディス
クD中を透過するため、垂直磁極記録が可能となる。ま
た、単一の磁極9で記録/再生を行なうので、単磁極型
の薄膜磁気ヘッドとも呼ばれる。
【0007】図13はこの薄膜磁気ヘッドを実装した小
型磁気ディスク装置の内部を示す斜視図であり、スプリ
ングアーム1の根元部7が、キャリッジの回転軸A1に
固定された駆動アームA2に取り付けられている。した
がって、キャリッジ回転軸A1が往復回転することで、
スプリングアーム1の先端のヘッド素子部2が、磁気デ
ィスクDの半径方向に往復移動し、シーク動作が行なわ
れる。
【0008】図9は前記の薄膜磁気ヘッドの先端部を拡
大して示す断面図であり、摺動凸部13やリターンヨー
ク11、下部コイルパターン51、下部絶縁層、コア4の
層、上部絶縁層、上部コイルパターン52、絶縁保護層1
4の順に形成した後、先端を平らに研摩して、コア4の
先端を露出させた状態で、主磁極91、補助磁極92の
順にパターニングした後、保護膜15を形成する。最後
に、摺動凸部13の摺動面を研摩し、主磁極91の先端
を露出させる。
【0009】薄膜技術によって、コア4にコイル5を巻
回するには、図10に示すように、成膜とパターニングが
繰り返し行なわれる。図10は磁性材のコア4およびコイ
ルパターン51、52の形成方法を工程順に示す平面図と縦
断面図である。まず(1)に示すように、Al2O3 などか
らなる絶縁ベース21上に、めっきベースを形成した
後、フォトレジストのマスクを形成して、めっきによっ
てCu導電膜を成膜し、フォトレジストのマスクを除去す
ると共に、コイル部以外のめっきベースを除去すること
で、下側のコイルパターン51…を縞状に形成する。な
お、10は予め形成されている後端ヨークである。
【0010】次に(2)に示すように、下側のコイルパ
ターン51…とコア4間を絶縁するために、下側のコイル
パターン51…上に交差する方向に第一の絶縁層22を形
成し、その上にパーマロイなどの磁性体を一面に成膜し
た後、マスクの上からイオンミーリングすることで、コ
ア4を形成する。なお、コア4の後端は、後端ヨーク1
0上に積層される。
【0011】(3)のように、コア4と上側のコイルパ
ターン間を絶縁するために、コア4を絶縁物23で覆
う。このとき、下側の各コイルパターン51…の両端e1
は露出させておく。次に、(4)のように、第二の絶縁
層23の上に、下側のコイルパターン51と同じ要領で、
上側のコイルパターン52を縞状にパターニングする。
【0012】このとき、上側のコイルパターン52の右端
2rが、下側のコイルパターン51の右端1rと重なり、
上側のコイルパターン52の左端2Lが、1ピッチ次の下
側コイルパターン51の左端1Lと重なるように、上下の
コイルパターン51、52が交差する方向にパターニングさ
れる。その結果、下側の各コイルパターン51と上側の各
コイルパターン52とによって、螺旋状に連続したコイル
5が形成され、中にコア4が挿通された構成となる。最
後に、図9のように、コア4の先端が露出するまでラッ
プ研摩して、コア4先端上に磁極91、92を成膜す
る。
【0013】図10は模式的に図示されているが、実際の
断面形状は図11のようになる。図11の(a)は平面図で
あるが、絶縁ベース21は省いた図になっている。
(b)は(a)図におけるB−B断面図、(c)は
(a)図におけるC−C断面図である。(b)図に示す
ように、下部絶縁層22や上部絶縁層23の両側の縁部
22S、23Sは傾斜面となり、(c)図に示すように、コ
ア4の長手方向の両端も絶縁層22、23が傾斜面となって
いる。
【0014】また、図8、図9においては、コア4に対
し直角に磁極9が形成されているのに対し、図11の
(a)(c)図に示すように、コイルパターン51、52や
コア4などとほぼ同じ面内に主磁極91や補助磁極92
を形成することもできる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、下側の
コイルパターン51や上側のコイルパターン52を形成する
には、0.1μm以下の薄いめっきベース上にフォトレジ
ストのマスクを形成した状態で、めっきによってコイル
パターンを数μm程度成膜し、次いでフォトレジストの
マスクを除去すると共に、コイル部以外のめっきベース
をイオンミールなどで除去する。
【0016】図12は上部コイルパターン52をパターニ
ングするための露光工程であり、(a)は平面図、
(b)は(a)図におけるB−B断面図、(c)は露光
時の反射光の進路を示す平面図である。下部絶縁層22
上にコア4と上部絶縁層23を積層した状態で、全面に
Cuなどの蒸着などによってめっきベース24を形成
し、その上にフォトレジスト25を塗布してある。そし
て、このフォトレジストの膜25を露光するためのマス
クmを配置して、マスクm上から光を照射し、露光を行
なう。
【0017】この露光の際に、フォトレジストの膜25
の露光領域25eを通過した後、下部絶縁層22や上部絶
縁層23の両側の斜面部22S、23Sにおいて、めっきベ
ース24で反射された光26が、平面図(c)に示すよ
うに斜めに進行して、露光領域以外の領域のフォトレジ
スト膜25に照射される。その結果、(d)に示すよう
に現像後のフォトレジストマスク25mは、斜面部22S、
23Sの上側でマスク孔31のパターン幅が拡がり、このマ
スク25mを利用してめっき形成した上部コイルパターン
52も斜面部22S、23S上でパターン幅が広くなり、隣接
するコイルパターンとの間でショートする恐れがある。
【0018】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、めっきベースからの反射光でフォトレジストの
マスクが形状不良となるのを防止し、コイルパターン間
ショートの恐れのない薄膜磁気ヘッドおよび磁気ディス
ク装置を実現することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1〜5は薄膜磁気
ヘッドの発明であり、請求項6はこれらの薄膜磁気ヘッ
ドを用いた磁気ディスク装置の発明である。請求項1
は、図1に例示するように、磁性材のコア4の下側に下
部絶縁層を挟んで該コア4と交差する下部コイルパター
ン51と、該コア4の上側に上部絶縁層を挟んで該コア
4と交差する上部コイルパターン52との両端を接続し
て螺旋状のコイル5を構成してなり、下部コイルパター
ン51、下部絶縁層22、コア4、上部絶縁層23、上
部コイルパターン52の順に形成されてなる薄膜磁気ヘ
ッドを対象とする。
【0020】そして、上下の絶縁層22、23の両側の
斜面部22S、23Sの少なくとも片方の上において、上部
コイルパターン52が、コア両側縁4eに対し垂直に交差す
るように形成されている。
【0021】請求項2は、請求項1における上部コイル
パターン52が、図1(a)に例示するように、一直線状
になっており、しかも斜面部22S、23Sの上側だけでな
く、全長にわたって、コア両側縁4eに対し垂直に交差す
るように形成されている。
【0022】請求項3は、図2に例示するように、磁性
材のコア4の下側に下部絶縁層を挟んで該コア4と交差
する下部コイルパターン51と、該コア4の上側に上部
絶縁層を挟んで該コア4と交差する上部コイルパターン
52との両端を接続して螺旋状のコイル5を構成してな
り、下部コイルパターン51、下部絶縁層22、コア
4、上部絶縁層23、上部コイルパターン52の順に形
成されてなる薄膜磁気ヘッドを対象とする。
【0023】そして、上下の絶縁層22、23の少なくとも
片方が下部コイルパターン51の両端まで形成されてお
り、下部コイルパターン51上において絶縁層の斜面部22
S、23Sの少なくとも片方とコア両側縁4eとの間に形成
した窓孔の中で、下部コイルパターン51の両端に上部コ
イルパターン52の両端が接続されている。
【0024】請求項4は、請求項1のように、上下の絶
縁層22、23の斜面部22S、23Sの少なくとも片方の
上において、上部コイルパターン52が、コア両側縁4eに
対し垂直に交差するように形成されており、しかも請求
項3のように、下部コイルパターン51上において上下の
絶縁層22、23の斜面部22S、23Sとコア両側縁4eと
の間に窓孔を形成して、下部コイルパターン51の両端に
上部コイルパターン52の両端が接続されている。
【0025】請求項5は、請求項2のように、上部絶縁
層23上に形成された上側のコイルパターン52が、全長
にわたって一直線状にしかもコア両側縁4eに対し垂直に
交差するように形成されており、また請求項3のよう
に、下部コイルパターン51上において上下の絶縁層2
2、23の斜面部22S、23Sとコア両側縁4eとの間に窓
孔を形成して、上下のコイルパターン51、52の両端が接
続されている。
【0026】請求項6は、請求項1〜5中のいずれかの
薄膜磁気ヘッドが磁気ディスク装置におけるキャリッジ
に実装され、磁気ディスクに情報を記録/再生する構成
となっている磁気ディスク装置である。
【0027】
【作用】請求項1のように、上下の絶縁層22、23の
両側の斜面部22S、23S上において、上側のコイルパタ
ーン52が、コア両側縁4eに対し垂直に交差するように形
成されていると、該コイルパターン52を形成するための
めっきベースによる反射光は、図1(a)に26aで示す
ように、コア4の縁4eに対し垂直に反射される。その
結果、隣接コイルパターン間の本来露光されるべきでな
い領域が露光されてマスク窓孔が大き過ぎ、めっき形成
されたコイルパターンが、隣接するコイルパターンとシ
ョートするような問題が解消される。
【0028】請求項2のように、斜面部22S、23Sの上
側だけでなく、上側のコイルパターン52の全長にわたっ
て、一直線状にしかもコア両側縁4eに対し垂直に交差し
ていると、隣接コイルパターン間の短絡防止に加えて、
パターン形成も容易になる。
【0029】請求項3によると、上下の絶縁層22、23を
下部コイルパターン51の両端まで形成して、絶縁層斜面
部22S、23Sとコア両側縁4eとの間に窓孔を形成して、
上下のコイルパターン51、52の両端を接続してある。す
なわち、斜め方向(隣接するコイルパターン側)へ反射
光を発生する斜面部22S、23Sより内側において、コイ
ルパターン52が形成されるので、斜面部22S、23Sには
露光用の光が照射されない。その結果、上側コイルパタ
ーン52が太くなることはなく、コイルパターン間のショ
ートなどの問題も生じない。
【0030】請求項4のように、上下の絶縁層22、2
3の斜面部22S、23Sの少なくとも片方の上において、
上側のコイルパターン52が、コア両側縁4eに対し垂直に
交差するように形成されているので、前記のように反射
光の悪影響を受けないように制御することで、フォトレ
ジストのマスクパターンを正確に形成でき、しかも上下
の絶縁層22、23を下部コイルパターン51の両端まで形成
して、その斜面部22S、23Sとコア両側縁4eとの間に窓
孔を形成して、上下のコイルパターン51、52の両端を接
続するので、反射光の影響をより確実に回避できる。
【0031】請求項5のように、上部絶縁層23上に形
成された上側のコイルパターン52が、全長にわたって一
直線状にしかもコア両側縁4eに対し垂直に交差するよう
に形成されているので、隣接コイルパターン間の短絡防
止に加えて、パターン形成も容易になり、しかも上下の
絶縁層22、23を下部コイルパターン51の両端まで形成し
て、その斜面部22S、23Sとコア両側縁4eとの間に窓孔
を形成して、上下のコイルパターン51、52の両端を接続
するので、反射光の影響をより確実に回避できる。
【0032】請求項6のように、請求項1〜5中のいず
れかの薄膜磁気ヘッドが磁気ディスク装置におけるキャ
リッジに実装されている構成によると、薄膜磁気ヘッド
におけるコイルパターン間のショートが発生しないの
で、磁気ディスクに情報を記録/再生する際の信頼性が
向上する。
【0033】
【実施例】次に本発明による薄膜磁気ヘッドおよび磁気
ディスク装置が実際上どのように具体化されるかを実施
例で説明する。図1は本発明による薄膜磁気ヘッドの第
1実施例の平面図とB−B断面図である。この実施例
は、上側のコイルパターン52が、コア両側縁4eに対し垂
直に交差するように形成されている。
【0034】図示例では、上側のコイルパターン52の全
長にわたって一直線状にかつコア4に対し垂直に交差し
ているが、上下の絶縁層22、23の斜面部22S、23S
の上側のみにおいて垂直に交差し、コア4の上側の平坦
な領域では、図11のように斜めに形成してもよい。ま
た、上下の絶縁層22と23の斜面部22S、23Sがずれ
ている場合は、両方の斜面部22S、23Sの上側において
垂直に交差してもよく、あるいはいずれか片方の上側で
交差してもよい。
【0035】図1のように、上側のコイルパターン52の
全長がコア4に対し垂直に交差している場合は、下側の
コイルパターン51が斜めにパターニングされ、上下のコ
イルパターン51、52の左端同士が接続され、下側のコイ
ルパターン51の右端が隣接する上側のコイルパターン52
の右端に接続されることで、コア4の周りに螺旋状に連
続したコイル5が形成される。
【0036】図示実施例の薄膜磁気ヘッドにおける各部
の最適寸法は、コア4の膜厚:3〜4μm、幅:50〜
60μm、長さ:約500μmであり、上下のコイルパ
ターン51、52は、膜厚:2〜3μm、パターン幅:5μ
m、長さ:約100μm、ターン数:40〜60ターン
であり、また上下の絶縁層22、23は膜厚:2〜3μm、
幅:70〜80μm、長さ:約400μmである。
【0037】なお、上下のコイルパターン51、52や、上
下の絶縁層22、23の形成、コア4の形成などは、図11に
示す従来構造の薄膜磁気ヘッドの製造方法と同じであ
る。
【0038】この実施例の薄膜磁気ヘッドを製造するに
は、上下の絶縁層22、23の斜面部22S、23Sの少なくと
も片方の上において、上側のコイルパターン52を形成す
るためのフォトレジストマスクの窓孔を、コア両側縁4e
に対し垂直に交差するように形成し、該窓孔の領域に導
体によって上側のコイルパターン52を形成する。
【0039】また、上側のコイルパターン52の全長がコ
ア4と垂直に交差する構造にする場合は、上側のコイル
パターン52を形成するためのフォトレジストマスクの窓
孔を全長にわたって、コア両側縁4eに対し垂直に交差す
るように形成し、該窓孔の領域に導体によって上側のコ
イルパターン52を形成する。
【0040】図2は本発明による薄膜磁気ヘッドの別の
実施例を示す平面図と断面図である。この実施例は、上
下の絶縁層22、23の斜面部22S、23Sとコア両側縁
4eとの間において、上下の絶縁層22、23に窓孔をあけ
て、上下のコイルパターン51、52の両端を接続した構造
になっている。
【0041】この実施例における各部の最適寸法は、コ
ア4の膜厚:3〜4μm、幅:50〜60μm、長さ:
約500μmであり、上下のコイルパターン51、52は、
膜厚:2〜3μm、パターン幅:5μm、長さ:100
μm、ターン数:40〜60ターンであり、また上下の
絶縁層22、23は図1の実施例と違って、膜厚:2〜3μ
m、幅:110〜120μm、長さ:約400μmであ
る。
【0042】次にこの実施例の薄膜磁気ヘッドの製造方
法を、図3ないし図7において工程順に説明する。ま
ず、図3に示すように、絶縁ベース21上に、縞状の下
側コイルパターン51やリードパターン6を銅の選択めっ
きでパターニングし、その上に下部絶縁層22を形成す
るために樹脂などをスピンコートした後、露光/現像し
て下部絶縁層22をパターニングする。
【0043】このとき、下部絶縁層22を下部コイルパ
ターン51の両端より外側まで拡げて形成し、上下のコイ
ルパターン51、52の両端を接続するための窓孔27、2
8を、下部コイルパターン51の両端の上に開けておく。
したがって、下部絶縁層22の両側縁の斜面部22S、23
Sより内側に開けることになる。そして下部絶縁層22
上に、パーマロイ等の磁性材からなるコア4を、各下部
コイルパターン51と交差する方向にパターニングする。
【0044】次いで図4に示すように、全面に上部絶縁
層23を形成するための樹脂23pをスピンコートした
後、露光/現像して、図5に示すように、上部絶縁層2
3をパターニングする。このときも、上下のコイルパタ
ーン51、52の両端を接続するための窓孔29、30を、
図3で形成した下部絶縁層22の窓孔27、28上に形
成する。すなわち、上下の絶縁層22、23の斜面部22
S、23Sより内側に窓孔29、30を形成する。
【0045】この上部絶縁層23の上から全面に銅など
の導電材料を蒸着やスパッタし、図6(1)に示すよう
にめっきベース24を成膜した状態で、(2)のように
全面にフォトレジスト25をスピンコートして、ガラス
マスクmで露光/現像し、図7のようにフォトレジスト
のマスク25mを形成する。
【0046】このマスク25mは、上側のコイルパターン
52をパターニングするためのマスクなため、マスク窓孔
31は、上部コイルパターン52と同じ形状をしている。こ
のマスク25mの上から電気めっきを行なうと、マスク窓
孔31中のみ、底部のめっきベース24上に銅めっきが成長
し、図2の上部コイルパターン52が形成される。
【0047】数μm程度までめっき形成した後、フォト
レジストのマスク25mをエッチングして除去した後、イ
オンミールや逆スパッタなどによって、コイルパターン
52以外の領域のめっきベース24をドライエッチし除去
すると、図2のような薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明の薄膜磁気ヘッドに
よると、上下の絶縁層22、23の端部の斜面部22S、
23S上において、上側のコイルパターン52がコア4に対
し垂直に交差しているため、めっきベースによる反射光
を、マスクパターン形成に悪影響を及ぼさない方向に制
御でき、隣接コイルパターン間のショートを未然に防止
できる。したがって、この薄膜磁気ヘッドを磁気ディス
ク装置のキャリッジに実装すると、磁気ディスクに情報
を記録/再生する際の信頼性が向上する。
【0049】また、上下の絶縁層22、23を下部コイルパ
ターン51の両端まで形成して、その斜面部22S、23Sと
コア4との間に窓孔を形成して、上下のコイルパターン
51、52の両端を接続する発明によると、斜面部22S、23
Sには光が照射されないので、マスクパターン不良は発
生せず、コイルパターン短絡を未然に防止できる。さら
に、前記の両方の発明を併用すると、マスクパターン不
良をより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜磁気ヘッドの第1実施例を示
す平面図と断面図である。
【図2】本発明による薄膜磁気ヘッドの第2実施例を示
す平面図と断面図である。
【図3】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造における下
部絶縁層パターニング工程を例示する平面図と断面図で
ある。
【図4】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造における上
部絶縁層のスピンコート工程を例示する断面図である。
【図5】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造における上
部絶縁層パターニング工程を例示する平面図と断面図で
ある。
【図6】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造におけるめ
っきベース成膜工程とフォトレジスト塗布工程を例示す
る断面図である。
【図7】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造におけるフ
ォトレジストマスクのパターニング工程を例示する平面
図と断面図である。
【図8】薄膜磁気ヘッドの全体構造を例示する模式断面
図である。
【図9】図8の薄膜磁気ヘッドの先端部を拡大して示す
断面図である。
【図10】磁性材のコアおよびコイルパターンの形成方法
を工程順に示す平面図と縦断面図である。
【図11】薄膜磁気ヘッドのコアおよびコイル部の従来構
成を示す平面図と断面図である。
【図12】従来の薄膜磁気ヘッド製造時の問題点を示す図
である。
【図13】薄膜磁気ヘッドを実装した小型磁気ディスク装
置の内部を示す斜視図である。
【符号の説明】
4 コア 5 薄膜コイル 51 下部コイルパターン 52 上部コイルパターン 21 絶縁ベース 22 下部絶縁層 23 上部絶縁層 22S 下部絶縁層の端部の斜面部 23S 上部絶縁層の端部の斜面部 24 めっきベース 25 フォトレジストの膜 25m フォトレジスト製のマスク 26 斜め方向の反射光 26a 垂直方向の反射光 27,28 下部絶縁層に開けられた窓孔 29,30 上部絶縁層に開けられた窓孔 31 フォトレジストマスクのコイルパターンめっき用窓

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材のコア4の下側に下部絶縁層を挟
    んで該コア4と交差する下部コイルパターン51と、該
    コア4の上側に上部絶縁層を挟んで該コア4と交差する
    上部コイルパターン52との両端を接続して螺旋状のコ
    イル5を構成してなり、下部コイルパターン51、下部
    絶縁層22、コア4、上部絶縁層23、上部コイルパタ
    ーン52の順に形成されてなる薄膜磁気ヘッドであっ
    て、 前記の上下の絶縁層22、23の両側の斜面部22S、23
    Sの少なくとも片方の上において、上部コイルパターン
    52が、コア両側縁4eに対し垂直に交差することを特徴と
    する薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記上部コイルパターン52は、全長に
    わたって一直線状であり、かつコア両側縁4eに対し垂直
    に交差することを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 磁性材のコア4の下側に下部絶縁層を挟
    んで該コア4と交差する下部コイルパターン51と、該
    コア4の上側に上部絶縁層を挟んで該コア4と交差する
    上部コイルパターン52との両端を接続して螺旋状のコ
    イル5を構成してなり、下部コイルパターン51、下部
    絶縁層22、コア4、上部絶縁層23、上部コイルパタ
    ーン52の順に形成されてなる薄膜磁気ヘッドであっ
    て、 前記の上下の絶縁層22、23の少なくとも片方は下部コイ
    ルパターン51の両端まで形成されると共に、下部コイル
    パターン51上において上部コイルパターンの両端と下部
    コイルパターンの両端を接続する窓孔を有し、上部コイ
    ルパターンの両端が下部コイルパターンの両端に、前記
    窓孔を通じて接続されることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 磁性材のコア4の下側に下部絶縁層を挟
    んで該コア4と交差する下部コイルパターン51と、該
    コア4の上側に上部絶縁層を挟んで該コア4と交差する
    上部コイルパターン52との両端を接続して螺旋状のコ
    イル5を構成してなり、下部コイルパターン51、下部
    絶縁層22、コア4、上部絶縁層23、上部コイルパタ
    ーン52の順に形成されてなる薄膜磁気ヘッドであっ
    て、 前記の上下の絶縁層22、23の斜面部22S、23Sの少
    なくとも片方の上において、上部コイルパターン52が、
    コア両側縁4eに対し垂直に交差するように形成されてお
    り、 しかも前記の上下の絶縁層22、23の少なくとも片方は下
    部コイルパターン51の両端まで形成されると共に、上部
    コイルパターンの両端と下部コイルパターンの両端を連
    絡する窓孔を有し上部コイルパターンの両端と下部コイ
    ルパターンの両端は、前記窓孔を通じて接続されること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁性材のコア4の下側に下部絶縁層を挟
    んで該コア4と交差する下部コイルパターン51と、該
    コア4の上側に上部絶縁層を挟んで該コア4と交差する
    上部コイルパターン52との両端を接続して螺旋状のコ
    イル5を構成してなり、下部コイルパターン51、下部
    絶縁層22、コア4、上部絶縁層23、上部コイルパタ
    ーン52の順に形成されてなる薄膜磁気ヘッドであっ
    て、 前記上部コイルパターン52は、全長にわたって一直線
    状であり、かつコア両側縁4eに対し垂直に交差してお
    り、 しかも前記の上下の絶縁層22、23の少なくとも片方は、
    下部コイルパターン51の両端まで形成されると共に、上
    部コイルパターンの両端と下部コイルパターンの両端を
    連絡する窓孔を有し、上部コイルパターンの両端と下部
    コイルパターンの両端は、前記窓孔を通じて接続される
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5中のいずれかの薄膜磁気ヘ
    ッドが磁気ディスク装置におけるキャリッジに実装さ
    れ、磁気ディスクに情報を記録/再生する構成となって
    いることを特徴とする磁気ディスク装置。
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Cited By (5)

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