JP2004285831A - ブローバイガス導入構造及びブリーザ室構造 - Google Patents

ブローバイガス導入構造及びブリーザ室構造 Download PDF

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Abstract

【課題】カム室からブリーザ室へのブローバイガス吸引時におけるオイル吸い上げ量の低減を図る。
【解決手段】本発明のブリーザ室構造は、内燃機関のカム室(30)の上方に配設されたバッフルプレート(20)とシリンダヘッドカバー(10)との間の室内空間に画成されたブリーザ室(40)と、カム室(30)からブリーザ室(40)へブローバイガスを導入するためにブリーザ室(40)の底面からカム室(30)へ向けて略鉛直下方に垂設されたガス導入管(21)とを備える。ガス導入管(21)はカムシャフト(33)の回転中心(36)よりも鉛直下方に延設される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のブリーザ室構造に関し、特に、シリンダヘッドカバー内に画成されたブリーザ室へのブローバイガス導入に好適な改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5はブリーザ室を中心とする従来のシリンダヘッドカバーの断面図である。シリンダヘッド71の上部にはガスケット72を介してシリンダヘッドカバー50が締結されている。シリンダヘッド71の内壁で画成されるカム室70には吸排気バルブを開閉駆動するためのカムシャフト73等の動弁機構と、図示しないローラ・ロッカーアームに潤滑油を供給するためのシャワー管74が設けられている。カム室70にはオイルミストを多量に含んだブローバイガスが充満している。シリンダヘッドカバー50とバッフルプレート60との間に画成される室内空間にはブローバイガスを気液分離してインテークマニホールドに還流させるためのブリーザ室80が形成されている。
【0003】
ブリーザ室80の底部にはカム室70からブローバイガスを導入するためのガス入口部81が開口しており、カムシャフト73等の動弁機構から飛翔するオイルがブリーザ室80内に侵入しないようにその開口端82がシリンダヘッドカバー側壁を向くように傾斜案内壁61がやや傾きをもたせて配設されている。ブリーザ室構造の従来例としてこの他にも、例えば、特許第3283687号(特許文献1)には、ブローバイガスをオイルミストセパレータに導入するためのガス入口部として底壁から斜め下方に傾倒する傾斜案内壁を設け、その開放端をロッカカバ側壁に向けることで、オイルが分離室内に侵入しないように構成した技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3283687号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カムシャフト73等の動弁機構やシャワー管74からは全方向にオイル飛沫が勢いよく飛散するため、シリンダヘッドカバー50の側壁51に衝突した油滴75が向きを変えて開口端82からガス入口部81を通過してブリーザ室80内に侵入する場合がある。ブリーザ室80内に油滴が侵入すると、内燃機関のオイル消費が増加するだけでなく、PCV(positive crankcase ventilation)バルブやインテークマニホールドに付着したオイル分がブローバイガスと反応してスラッジを生成し、沈積物を蓄積するとともに、排気マニホールドから白煙が放出されるなどの不具合が生じる。
【0006】
さらに、傾斜案内壁61の傾斜角αを小さく設定し、開口端82の開口面積を少なくすると、ブリーザ室80内へのブローバイガスの流入速度が大きくなり、動弁機構から飛翔する油滴を吸い上げる割合が増加する。ブローバイガスによる油滴の吸い上げをできるだけ少なくするには、傾斜案内壁61の傾斜角αを大きく設定し、開口端82の開口面積を大きくする必要があるが、傾斜角αを大きくしつつカムシャフト73等の動弁機構と干渉しないように傾斜案内壁61をカム室70へ向けて斜め下方に傾倒させるには困難が伴う。このため、従来では傾斜案内壁61の面積、傾斜角度αの大きさ、ガス入口部81の位置選定にはかなりの制限が生じており、開口端82の開口面積を必要かつ十分に確保することができなかった。
【0007】
そこで、本発明はカム室からブリーザ室へのオイル吸い上げ量の低減を可能とするブローバイガス導入構造及びブリーザ室構造を提案することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のブローバイガス導入構造は、内燃機関のカム室上方に形成されたブリーザ室にブローバイガスを導入するための構造であって、前記ブリーザ室の底面から前記カム室へ向けて略鉛直下方に垂設されたガス導入管を備え、前記ガス導入管は前記カム室内に配設されたオイル飛散源よりも鉛直下方に延設されている。
【0009】
カム室からブリーザ室へブローバイガスを導入するためのガス導入管をオイル飛散源よりも鉛直下方に垂設することにより、オイル飛散源からガス導入管へ向けて飛翔する油滴の大部分はガス導入管の外壁に衝突し、カム室下方へ向けて跳ね返るか、若しくは当該外壁に付着して鉛直下方に滴下するため、ブリーザ室へのオイル吸い上げ量を大幅に低減できる。さらに、ブリーザ室底面からオイル飛散源下方までガス導入管を延設することでガス導入管の管路を長くできるため、ガス導入管に吸い上げられたブローバイガスに含まれるオイルミスト、油滴などをガス導入管の管路内壁に付着させ、カム室下方へ自重滴下する機会を増やすことでブリーザ室へのオイル吸い上げ量を低減することができる。さらに、ブリーザ室の底面からカム室へ向けてガス導入管を垂下することで、ブローバイガス導入構造をコンパクトなものにすることができ、カム室内の動弁機構と干渉することなく無理なくブローバイガス導入構造を実現できる。
【0010】
好ましくは、前記ガス導入管のガス流入口は、面方向が鉛直線に対して斜向する向きに開口された開口面を含む。かかる構成により、ガス流入口の開口面積を大きくすることでブローバイガス流入速度を適度に低下させることができ、カム室内を飛翔する油滴やオイルミストの吸い上げ量を低下させることができる。
【0011】
好ましくは、前記ガス導入管は前記カム室の側面を画成する何れか一つの側壁と前記オイル飛散源との間に垂下されており、前記ガス流入口は前記何れか一つの側壁側に向けて開口されている。ガス流入口をオイル飛散源と対面しないようにカム室の側壁側に向けることで、ガス導入管へのオイル吸い上げ量を低減できる。
【0012】
好ましくは、前記ガス導入管は前記ブリーザ室内部に連通されており、前記ガス導入管の天井部が閉口されるとともに前記ガス導入管の側壁にガス流出口を備える。カム室からガス導入管に吸引されたブローバイガスは略鉛直上方に向かって上昇し、ガス通路内部の最上位に位置する天井部に衝突することでオイルミストなどを凝縮し液化することでブローバイガスの気液分離を促すことができる。
【0013】
好ましくは、前記オイル飛散源は前記カム室内に配設されるカムシャフトである。高速回転するカムシャフトはカム室内でのオイル飛散量が多いため、ガス導入管をカムシャフトよりも鉛直下方に垂下させることでブリーザ室へのオイル吸い上げ量を低減できる。
【0014】
好ましくは、前記ガス導入管は前記カムシャフトの回転中心よりも鉛直下方に延設されている。ガス導入管をカムシャフトの回転中心よりも鉛直下方に垂下させることでブリーザ室へのオイル吸い上げ量をより低減できる。
【0015】
本発明のブリーザ室構造は、内燃機関のカム室上方に配設されたバッフルプレートとシリンダヘッドカバーとの間の室内空間に画成されたブリーザ室と、前記カム室から前記ブリーザ室へブローバイガスを導入するために前記ブリーザ室の底面から前記カム室へ向けて略鉛直下方に垂設されたガス導入管とを備え、前記ガス導入管は前記カム室内に配設されたカムシャフトよりも鉛直下方に延設されている。
【0016】
カム室からブリーザ室へブローバイガスを導入するためのガス導入管をカムシャフトよりも鉛直下方に垂設することにより、カムシャフトからガス導入管へ向けて飛翔する油滴の大部分はガス導入管の外壁に衝突し、カム室下方へ向けて跳ね返るか、若しくは当該外壁に付着して鉛直下方に滴下するため、ブリーザ室へのオイル吸い上げ量を大幅に低減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[発明の実施形態1]
以下、各図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
図1はブリーザ室を中心とするシリンダヘッドカバーの断面図である。同図に示すように、アルミ合金製のシリンダヘッド31の内壁面で画成されるカム室30には吸排気バルブを開閉駆動するためのカムシャフト33などの動弁機構と、図示しないローラ・ロッカーアームに潤滑油を供給するためのシャワー管34が設けられている。シャワー管34はローラ・ロッカーアームに潤滑油を供給する必要上、カムシャフト33よりも上方に配設されている。シリンダヘッド31の上面には耐熱性に優れたアクリル性ゴムから成るガスケット32を介してシリンダヘッドカバー10が締結されている。シリンダヘッドカバー10とシリンダヘッド31とのシール性を確保するため、シリンダヘッドカバー10は外周部定寸締により締め付け荷重が均等に配分されるように締結されている。シリンダヘッドカバー10の材質としては、軽量かつ高剛性のマグネシウム合金などが好ましい。
【0019】
シリンダヘッドカバー10の天井部分はカムシャフト33の上方に位置する部分においてその一部が鉛直上方に向けて断面凸状に膨出しており、当該膨出部の内壁とバッフルプレート20との間で画成される空間にブリーザ室40を形成している。バッフルプレート20とシリンダヘッドカバー10との間は液体ガスケットが封止されており、ブリーザ室10内のシール性及び気密性が確保されている。ブリーザ室40は図示しないPCVバルブを介してインテークマニホールドに連通しており、室内は負圧に維持されている。ブリーザ室40の底面を形成するバッフルプレート20の所定位置には、カムシャフト33などの各種の動弁機構と干渉しないように、カム室30へ向けて中空筒状のガス連通部材であるガス導入管21が垂設されている。ガス導入管21はさらにバッフルプレート20を貫通してブリーザ室40へ向けて鉛直上方に立設されており、ブリーザ室40とカム室30を連通している。
【0020】
内燃機関を車両等に搭載する関係上、場合によってはバッフルプレート20が水平方向に対してやや傾斜する場合もあるが、このような場合であっても、車両搭載時の内燃機関の傾きなどを考慮してガス導入管21を略鉛直下方向きに垂設すればよく、ガス導入管21とバッフルプレート20とのなす角は必ずしも直角である必要はない。また、ガス導入管21の断面形状は特に限られるものではなく、方形管に限らず円管であってもよい。
【0021】
ガス導入管21はその下端部をガス流入口41で開放した無蓋構造とし、その上端部を閉塞面(閉口面)21aで閉口した有蓋構造としている。ブリーザ室40内に立設するガス導入管21の側壁にはガス流出口42が略水平方向を向けて開口しており、ガス導入管21を経て略鉛直上方に上昇してきたブローバイガスの流向を略水平方向に転換させてブリーザ室40へ供給する構成となっている。逆L字状のガス導入管21を経てブリーザ室40へ吸入されたブローバイガスは図示しないPCVバルブを介して換気できるように構成されている。ガス導入管21の下端部に形成されたガス流入口41はガス導入管21の最下端を鉛直線に対してθの傾斜角で切欠した開放端であり、その開口面がカムシャフト33と対面しないようにシリンダヘッド31の側壁側を向くようにやや斜め下向きの角度で開口している。
【0022】
傾斜角θを90度未満の適度な角度に調整することで、ガス流入口41の開口面積を所望の面積に確保することができ、ブローバイガスの流入速度を適度に低下させることができる。これにより、ガス導入管21の内径を大きくしなくてもガス流入口41では所望の開口面積が得られるため、ガス導入管21の小径化、全体サイズのコンパクト化が可能となり、カム室30内に配設された各種の動弁機構との干渉を無理なく回避できる。
【0023】
もとより、ガス流入口21の形状は同図に示す形状に限られるものではなく、後述する第2実施形態のようにガス導入管21の一部を鉛直線に対してθの傾斜角で切欠した開放端とし、他の一部を鉛直線に対して略直交する向きに切欠した開放端としてもよい。また、カム室30の側面を画成する何れか一つの側壁(ここでは、図中の31)とカムシャフト33との間にガス導入管21を垂下させた場合、ガス流入口41は上記何れか一つの側壁(ここでは、図中の31)側を向くように調整する。これにより、ガス流入口41へのオイル侵入をできるだけ抑制できる。
【0024】
本発明の好ましい態様において、ガス導入管21の最下端がカム室30内のオイル飛散源よりも鉛直下方に延在するように構成する。「オイル飛散源」とは、カム室30内に油滴を飛散、飛翔させる各種の機構をいい、例えば、カムシャフト33などの動弁機構や、シャワー管34などが該当する。カムシャフト33は特にオイルの飛散量が多いため、同図に示すように、ガス導入管21の最下端がカムシャフト33よりも鉛直下方に延在するようにガス導入管21を垂設するのが望ましい。より詳細には、カムシャフト33の回転中心の水平位置36よりも鉛直下方に延在するようにガス導入管21を垂設することがより望ましい。ガス導入管21の管路長をこのように調整すると、カムシャフト33の回転運動によって全方向に飛翔する油滴はガス導入管21の外壁に衝突し、カム室下方に向って飛翔するか、若しくは当該外壁に付着して自重滴下するため、ブリーザ室40へのオイル吸い込み量を著しく低減することができる。
【0025】
さらに、上述の構成により、ガス導入管21の管路長をある程度長く確保できるため、ブローバイガスとともにガス導入管21内に侵入したオイルミストはガス導入管21の内壁と衝突することで凝縮又は液化し、油滴となって自重滴下する。これにより、ガス導入管21内部でのブローバイガスの気液分離がある程度可能になり、ブリーザ室40へのオイル吸い込み量をさらに低減することができる。
【0026】
図2はガス導入管21の斜視図である。同図に示すように、ガス流入口41の鉛直上方は閉塞面21aによって閉塞されている。ガス導入管21内部を鉛直上方に向って流れるブローバイガスは閉塞面21aに衝突することで霧状に浮遊するオイルミストを凝縮して液化し、さらに略水平方向に流向を転換してブリーザ室40内部へと向う。このように、閉塞面21aはオイルセパレータとして機能し、ブリーザ室40へ導入されるオイル量の低減を図っている。閉塞面21aは仰角がほぼ0度となるようにできるだけ水平方向に張り出すように形成するのが望ましい。閉塞面21aに付着した油滴の一部は鉛直下方に向って自重滴下し、さらに他の一部はガス導入管21の内壁を滑動してカム室30へ滴下する。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、カム室30からブリーザ室40へブローバイガスを導入するためのガス導入管21をカムシャフト33よりも鉛直下方に垂設することにより、カムシャフト33からガス導入管21へ向けて飛翔する油滴の大部分はガス導入管21の外壁に衝突し、カム室下方へ向けて跳ね返るか、若しくは当該外壁に付着して鉛直下方に滴下するため、ブリーザ室40へのオイル吸い上げ量を大幅に低減できる。
【0028】
また、ブリーザ室40の底面からカムシャフト33下方までガス導入管21を延設することでガス導入管21の管路を長くできるため、ガス導入管21に吸い上げられたブローバイガスに含まれるオイルミスト、油滴などをガス導入管21の管路内壁に付着させ、カム室下方へ自重滴下する機会を増やすことでブリーザ室40へのオイル吸い上げ量を低減することができる。
【0029】
また、ブリーザ室40の底面からカム室30へ向けてガス導入管を垂下することで、ブローバイガス導入構造をコンパクトなものにすることができ、カム室内の動弁機構と干渉することなく無理なくブローバイガス導入構造を実現できる。
【0030】
また、ガス流入口41は鉛直線に対して斜向する向きに開口しているため、ガス流入口41の開口面積を大きくすることができる。これにより、ブローバイガス流入速度を適度に低下させることができ、カム室内を飛翔する油滴やオイルミストの吸い上げ量を低下させることができる。
【0031】
また、ガス導入管21の天井部が閉塞面21aで閉塞されているため、カム室30からガス導入管21に吸引されたブローバイガスは略鉛直上方に向かって上昇し、ガス通路内部の最上位に位置する閉塞面21aに衝突することでオイルミストなどを凝縮し液化することでブローバイガスの気液分離を促すことができる。
【0032】
尚、閉塞面21aは必ずしもガス導入管21と一体的に構成されている必要はなく、閉塞面21aを省略してローバイガス導入管21の上方を開放してその開放端をシリンダヘッドカバー10の天井壁で閉塞するように構成してもよい。もとより、ガス流出口42の高さを必要以上に大きくすると、閉塞面21aとの衝突によるブローバイガスの気液分離が不十分となるため、シリンダヘッドカバー10の天井壁で上記開放端を閉塞するには、上記天井壁を鉛直下方に陥没させる等の工夫をすると都合がよい。さらに、シリンダヘッドカバー10の天井部を陥没させる替わりにシリンダヘッドカバー10の内壁から略水平方向に延出する壁面で上記開放端を閉塞するように構成してもよい。
[発明の実施形態2]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。
【0033】
図3(A)はブローバイガス導入構造を備えたバッフルプレート90の平面図、同図(B)は同プレート90の側面図である。バッフルプレート90の所定位置には、カム室内に配されたカムシャフト等の各種動弁機構と干渉しないように同プレート90の表裏を貫通するガス導入管91が貫設されている。バッフルプレート90には、室内空間を分離画成するための仕切り板96,97,98が立設されている。仕切り板96とバッフルプレート90と図示しないシリンダヘッドカバーで画成される室内空間はブリーザ室となる。符号94はブリーザ室の底面を示している。
【0034】
バッフルプレート90はシリンダヘッドカバー内に装着された状態で必ずしも水平方向に配設されている必要はないが、内燃機関を車両等に搭載したときのバッフルプレート90の傾きを考慮した上でガス導入管91が略鉛直下方に向って垂下するようにガス導入管91の取付け角度を調整するのが望ましい。ガス導入管91は、同図(B)に示すように、カム室側に開口するガス流入口92を備える一方で、ブリーザ室側に開口するガス流出口93を備えており、カム室に充満するブローバイガスをブリーザ室に導入できるように構成されている。
【0035】
図4は本実施形態のブリーザ室を中心とするシリンダヘッドカバーの断面図である。同図のガス導入管91の部分については、図3(B)のA−A線断面図に相当する。シリンダヘッド103の上方はガスケット102を介してシリンダヘッドカバー101が締結されている。バッフルプレート90はシリンダヘッドカバー101内に装着されることにより、ブリーザ室110とカム室120とを分離画成している。シリンダヘッド103内に画成されるカム室120には、カム室120には吸排気バルブを開閉駆動するためのカムシャフト105などの動弁機構と、図示しないローラ・ロッカーアームに潤滑油を供給するためのシャワー管104が設けられている。
【0036】
ガス流入口92は、ガス導入管91の軸線方向(鉛直方向)に対して斜向する向きに切欠した開放端である開口面92aと、上記軸線方向に対して略垂直に切欠した開放端である開口面92bとを含む。このように、ガス流入口92として、開口面92bに加えてさらに開口面92aを設けることで、ガス流入口92の開口面積を大きく確保することができる。これにより、ガス流入口92に吸引されたブローバイガスの流速を適度に低下させることができる。ガス流入口92の形状としては、面方向が鉛直線に対して斜向する向きに開口された開口面を含むものであれば、同図に図示する形状に限られるものではなく、切欠端が曲線状、折れ線状、波型状などの形状であってもよい。ここで、「面方向」とは面に対する法線ベクトルの向きと平行な向きをいうものとする。
【0037】
ガス流入口92はカムシャフト105とシリンダヘッド103との間に垂下しており、シリンダヘッド103側を向くように調整されている。つまり、カム室120の側面を画成する何れか一つの側壁(ここでは、図中の103)とカムシャフト105との間にガス導入管91を垂下させた場合、ガス流入口92は上記何れか一つの側壁(ここでは、図中の103)側を向くように調整する。これにより、ガス流入口92へのオイル侵入をできるだけ抑制できる。
【0038】
また、本発明の望ましい態様において、ガス導入管91の最下端がカム室120内のオイル飛散源よりも鉛直下方に延在するように構成する。カムシャフト105は特にオイルの飛散量が多いため、同図に示すように、ガス導入管91の最下端がカムシャフト105よりも鉛直下方に延在するようにガス導入管21を垂設するのが望ましい。より詳細には、カムシャフト105の回転中心の水平位置106よりも鉛直下方に延在するようにガス導入管91を垂設することがより望ましい。
【0039】
ガス流入口92の鉛直上方は閉塞面91aによって閉塞されている。ガス導入管91内部を鉛直上方に向って流れるブローバイガスは閉塞面91aに衝突することで霧状に浮遊するオイルミストを凝縮して液化し、さらに略水平方向に流向を転換してブリーザ室内部へと向う。このように、閉塞面91aはオイルセパレータとして機能し、ブリーザ室へ導入されるオイル量の低減を図っている。ブリーザ室の底面94はブローバイガスが流出するガス流出口93近傍において、凹陥状に陥没した凹部95が形成されている。ブリーザ室の高さを高く確保できない場合には、このようにガス流出口93近傍に凹部95を形成することで、ガス流出口93の開口面積を必要かつ十分に確保することができる。
【0040】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、高さの低いブリーザ室へのブローバイガス導入構造に好適である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、カム室からブリーザ室へのオイル吸い込み量を低減できるとともに、ブローバイガス導入構造のコンパクト化が可能となり、動弁機構などが密集するカム室の上方に形成されたブリーザ室のブローバイガス導入に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1施形態のブリーザ室を中心とするシリンダヘッドカバーの断面図である。
【図2】第1施形態のガス導入管の斜視図である。
【図3】第2実施形態のバッフルプレートの平面図である。
【図4】第2施形態のブリーザ室を中心とするシリンダヘッドカバーの断面図である。
【図5】従来のブリーザ室を中心とするシリンダヘッドカバーの断面図である。
【符号の説明】
10,101…シリンダヘッドカバー 20,90…バッフルプレート 21,91…ガス導入管 30,120…カム室 31,103…シリンダヘッド 33,105…カムシャフト 40,110…ブリーザ室 41,92…ガス流入口 42,93…ガス流出口

Claims (11)

  1. 内燃機関のカム室上方に形成されたブリーザ室にブローバイガスを導入するための構造であって、前記ブリーザ室の底面から前記カム室へ向けて略鉛直下方に垂設されたガス導入管を備え、前記ガス導入管は前記カム室内に配設されたオイル飛散源よりも鉛直下方に延設されている、ブローバイガス導入構造。
  2. 前記ガス導入管のガス流入口は、面方向が鉛直線に対して斜向する向きに開口された開口面を含む、請求項1に記載のブローバイガス導入構造。
  3. 前記ガス導入管は前記カム室の側面を画成する何れか一つの側壁と前記オイル飛散源との間に垂下されており、前記ガス流入口は前記何れか一つの側壁側に向けて開口されている、請求項2に記載のブローバイガス導入構造。
  4. 前記ガス導入管は前記ブリーザ室内部に連通されており、前記ガス導入管の天井部が閉口されるとともに前記ガス導入管の側壁にガス流出口を備える、請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載のブローバイガス導入構造。
  5. 前記オイル飛散源は前記カム室内に配設されるカムシャフトである、請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載のブローバイガス導入構造。
  6. 前記ガス導入管は前記カムシャフトの回転中心よりも鉛直下方に延設されている、請求項5に記載のブローバイガス導入構造。
  7. 内燃機関のカム室上方に配設されたバッフルプレートとシリンダヘッドカバーとの間の室内空間に画成されたブリーザ室と、前記カム室から前記ブリーザ室へブローバイガスを導入するために前記ブリーザ室の底面から前記カム室へ向けて略鉛直下方に垂設されたガス導入管とを備え、前記ガス導入管は前記カム室内に配設されたカムシャフトよりも鉛直下方に延設されている、ブリーザ室構造。
  8. 前記ガス導入管は前記カムシャフトの回転中心よりも鉛直下方に延設されている、請求項7に記載のブリーザ室構造。
  9. 前記ガス導入管のガス流入口は、面方向が鉛直線に対して斜向する向きに開口された開口面を含む、請求項7又は請求項8に記載のブリーザ室構造。
  10. 前記ガス導入管は前記カム室の側面を画成する何れか一つの側壁と前記オイル飛散源との間に垂下されており、前記ガス流入口は前記何れか一つの側壁側に向けて開口されている、請求項7乃至請求項9のうち何れか1項に記載のブリーザ室構造。
  11. 前記ガス導入管は前記ブリーザ室内部に連通されており、前記ガス導入管の天井部が閉口されるとともに前記ガス導入管の側壁にガス流出口を備える、請求項7乃至請求項10のうち何れか1項に記載のブリーザ室構造。
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