JPH0830405B2 - エンジンのブリ−ザ装置 - Google Patents

エンジンのブリ−ザ装置

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JPH0830405B2
JPH0830405B2 JP61082543A JP8254386A JPH0830405B2 JP H0830405 B2 JPH0830405 B2 JP H0830405B2 JP 61082543 A JP61082543 A JP 61082543A JP 8254386 A JP8254386 A JP 8254386A JP H0830405 B2 JPH0830405 B2 JP H0830405B2
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chamber
breather
partition wall
opening
oil
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伸夫 牧田
晴策 太田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、クランク室内の圧力を逃がすブリーザ装置
に関する。
〔従来の技術〕
エンジンのクランクケースには、ピストンの往復運動
によってクランク室内の圧力が高まった際に、この圧力
をエアクリーナ側に逃がすブリーザ装置が設けられてい
る。
このエンジンのクランク室からエアクリーナに戻され
るガス中には、ミスト状となったオイル分が含まれてい
る。そのため、従来のブリーザ装置では、クランク室に
連なるブリーザ室内に、ブリーザプレートを配置してガ
スの流れ方向を反転させたり、このガスの流れ経路にエ
レメントを設け、ガス中に含まれるオイル分をブリーザ
室内で分離させることが行われている。
ところが、ブリーザ室はクランク室に連なっているた
め、クランク室で攪拌されたオイルが飛沫となってブリ
ーザ室へ直接入り込むことが多い。このオイルは、ブリ
ーザ室内のガスと混じり合うため、従来の如きオイルの
分離手段では、ガス中からオイルを充分に分離させるこ
とが甚だ困難であった。
このため、オイルがエアクリーナ側に導かれてオイル
の消費が多くなるとともに、エレメントを汚損する等の
不具合があった。
そこで、ブリーザ室の下流流出口に、クランク室内の
圧力変化に基づいてクランク室側からのガスの流通のみ
を許容するリード弁を設け、クランク室の内圧がある値
を上回るまではブリーザ室とエアクリーナとの連通を遮
断して、エアクリーナ側へのオイルの流出を抑えるよう
にしたブリーザ装置が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、ブリーザ室の壁面には、ガス中に含ま
れたオイルが付着するために、クランク室の内圧が増し
てリード弁が開かれると、ブリーザ室の壁面を伝ったオ
イルがリード弁の弁孔を通じてエアクリーナ側に吹き出
すことがある。このため、オイルの消費やエアクリーナ
の汚損を少なく抑える点においていま一歩改善の余地が
残されている。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、エンジンが前後左右のいかなる方向に傾斜されよう
とも、第1の室の壁面を伝わるオイルが連通孔の開口部
分に導かれるのを防止でき、オイルの消費やエアクリー
ナの汚損を防止できるとともに、リード弁の下流側の第
2の室に入り込んだオイルを、ブリーザ口を介してクラ
ンク室に確実かつ速やかに戻すことができるエンジンの
ブリーザ装置の提供を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、潤滑オイルが
蓄えられたクランク室と、このクランク室の上部から上
向きに延びるシリンダとを有するケースを備えており、 このケースに、上記シリンダの側方に位置して、ポペ
ット形のバルブを縦置きに配置するとともに、このバル
ブのステムが貫通されるブリーザ室を形成し、 このブリーザ室は、上記ケースの外側方に向けて開口
された開口部を有し、この開口部を閉塞するブリーザカ
バーに、エアクリーナに連なるブリーザホースを接続す
るとともに、 このブリーザカバーと上記ブリーザ室の開口部との間
に、上記ブリーザ室の内部を第1の室と第2の室とに区
画する隔壁を介在させ、 また、上記ケースは、上記第1の室とその下方のクラ
ンク室との間を仕切り、かつ上記開口部に連なる仕切り
壁を有し、この仕切り壁に上記第1の室とクランク室と
を連通させるブリーザ口を形成するとともに、 上記隔壁には、上記第1の室と第2の室とを連通させ
る連通孔を形成し、この連通孔の第2の室への開口部分
に、上記クランク室内の圧力変化にもとづいて上記第1
の室から第2の室に向うガスの流通のみを許容するリー
ド弁を配置したエンジンのブリーザ装置を前提としてい
る。
そして、上記バルブは、そのステムを下方に進むに従
い上記隔壁に近づく方向に傾斜させた姿勢で配置すると
ともに、 上記隔壁に、上記連通孔の第1の室への開口部分を覆
った状態で上記第1の室に向って延びるブリーザパイプ
を接続し、 このブリーザパイプは、上記第1の室に開口される先
端開口部を有し、この先端開口部は、上記第1の室内に
おいて上記隔壁を含む第1の室の壁面から離れた空間に
開口されるとともに、上記バルブのステムよりも上記隔
壁とは反対側に向けて延長され、 また、上記仕切り壁は、上記隔壁に近づくに従い下向
きに傾斜され、この仕切り壁における上記隔壁に隣接し
た端部に上記ブリーザ口を配置し、 このブリーザ口は、上記隔壁に向けて開口された側部
開口を有し、この側部開口と向い合う上記隔壁の下部
に、上記第2の室の底部に溜まるオイルを上記側部開口
に戻すためのオイル戻し孔を形成し、このオイル戻し孔
は、上記ブリーザ口の側部開口の開口下縁よりも上方に
位置されていることを特徴としている。
〔作用〕
この構成によれば、オイルを含むクランク室内のガス
がブリーザ室の第1の室に流入すると、このオイルの多
くは、隔壁を含む第1の室の壁面に付着しようとする。
しかるに、連通孔の第1の室への開口部分は、ブリー
ザパイプによって覆われるとともに、この連通孔に連な
るブリーザパイプの先端開口部は、第1の室の壁面から
離れた空間に開口され、液状となったオイルがほとんど
存在しない箇所からガスを吸入するので、第1の室の壁
面を伝わるオイルが直接連通孔の開口部分に導かれずに
済む。特にエンジンを傾斜面に設置した場合に、壁面に
付着したオイルが連通孔に向けて流れることがあって
も、このオイルはブリーザパイプによって遮られ、連通
孔に流れ込むことはない。
しかも、上記構成によると、ブリーザ口とブリーザパ
イプの先端開口部とが第1の室内において遠ざかるとと
もに、この第1の室を貫通するバルブのステムがブリー
ザ口とブリーザパイプの先端開口部との間に位置されて
いるので、オイル分を含むガスが流入しようとするブリ
ーザパイプの先端開口部よりも流れの上流側に上記ステ
ムが位置される。そのため、ステムがオイル分を含むガ
スの流れを邪魔する一種の遮蔽壁として機能するので、
第1の室内でのガスの流速が低下し、このガス中からオ
イルが分離し易くなる。
そして、上記バルブのステムは、下方に進むに従い隔
壁に近づく方向に傾斜されているので、ブリーザパイプ
の先端開口部を隔壁とは反対側に延長しても、この先端
開口部と第1の室の壁面との間の距離をある程度確保す
ることができる。
したがって、クランク室内の圧力上昇に伴ってリード
弁が開かれた場合でも、連通孔にオイルが流入し難くな
り、このリード弁の下流側に吹き出すオイル量が確実に
少なくなる。
また、第1の室内でガス中から分離されたオイルは、
第1の室の壁面を伝わって仕切り壁に導かれ、この仕切
り壁の傾斜に基づいてブリーザ口に集まる。そのため、
第1の室内にオイルが滞留することはなく、このオイル
をブリーザ口を通じて速やかにクランク室に戻すことが
できる。
その上、リード弁の下流側の第2の室にオイル分が入
り込んだとしても、この第2の室の底部に溜まろうとす
るオイルは、隔壁のオイル戻し孔を通じて第1の室に流
れ込む。この場合、第1の室に連なるブリーザ口は、隔
壁に隣接するとともに、オイル戻し孔と向い合うような
側部開口を有しており、この側部開口の開口下縁よりも
上方にオイル戻し孔が位置されているので、オイル戻し
孔から流出するオイルは、ブリーザ口の側部開口に直接
流れ込み、そのままブリーザ口を介して速やかにクラン
ク室に戻される。
したがって、第2の室からクランク室へのオイルの戻
りが妨げられることはなく、上記第1の室の仕切り壁が
傾斜されていることと合わせて、ブリーザ室にオイルが
滞留し難くなる。
〔発明の実施例〕
以下本発明の一実施例を、除雪機用の4サイクルエン
ジンに適用した図面にもとづいて説明する。
第1図中符号1は上下二分割形のクランクケースであ
り、そのクランク室3の底部には、潤滑オイルが蓄えら
れている。クランクケース1の上ケース2には、シリン
ダ4が形成されている。シリンダ4は、上下方向に沿っ
て縦置きに配置されており、このシリンダ4はクランク
室3の上部に連なっている。
クランク室3には、クランク軸6と、このクランク軸
6からの動力伝達によって回転駆動されるカム軸7とが
収容されている。これらクランク軸6とカム軸7とは、
これら両軸6,7に固定したスプロケット8,8の間にチェー
ン9を掛け渡すことで互いに連動されており、本実施例
のカム軸7は、エンジン動力を取り出す出力軸を兼ねて
いる。
なお、クランク軸6は、シリンダ4内のピストン5に
コネクティングロッド12を介して連結されている。
上ケース2の内部には、吸気バルブ10と排気バルブ
(図示せず)が支持されている。吸気バルブ10は、第1
図に示すように、棒状のステム10aと、このステム10aの
一端に連なる傘部10bとを有するポペットバルブであ
り、この吸気バルブ10は、上記傘部10bを上向きにした
姿勢で上記シリンダ4の側方に縦置きに配置されてい
る。そして、吸気バルブ10のステム10aは、下方に進む
に従いシリンダ4から遠ざかる方向に傾斜されており、
このステム10aの下端部は、タペット11を介してカム軸
7のカム面7aに接している。
また、上記コネクティングロッド12には、スプラッシ
ャ13が取り付けられている。このスプラッシャ13は、ク
ランク室3の底部に蓄えられた潤滑オイルを攪拌すると
ともに、上記カム軸7に向けて跳ね飛ばすためのもの
で、この跳ね飛ばされた潤滑オイルによって上記カム軸
7とタペット11との接触部分を始めとする動弁機構回り
の潤滑がなされるようになっている。
ところで、上ケース2の内部には、ブリーザ室15が形
成されている。ブリーザ室15は、シリンダ4の側方であ
り、かつカム軸7の真上に位置されており、このブリー
ザ室15は、上ケース2の側面に開口された開口部15aを
有している。そして、このブリーザ室15の内部を上記吸
気バルブ10のステム10bが上下方向に沿って貫通されて
いる。
上ケース2は、ブリーザ室15とクランク室4との間に
介在される仕切り壁16を有している。仕切り壁16は、ブ
リーザ室15とクランク室4とを仕切っており、この仕切
り壁16は、第1図に示すように、開口部15aの方向に進
むに従い下向きに傾斜されている。
上ケース2の側面には、板金製のブリーザカバー18が
ボルト締めされている。ブリーザカバー18は、ブリーザ
室15の開口部15aを気密に覆っている。このブリーザカ
バー18の中央部には、接続パイプ19を介してブリーザホ
ース20が接続されている。接続パイプ19およびブリーザ
ホース20は、上ケース2の外側方に向けて略水平に延び
ており、このブリーザホース20の先端は、エアクリーナ
21の外周壁22に設けた取り入れ口23に接続されている。
ブリーザカバー18と上ケース2との間には、板金製の
隔壁26が介在されている。隔壁26は、上記ブリーザ室15
を第1の室24と第2の室25との二室に仕切っている。第
1の室15の底壁は、上記仕切り壁16にて構成されてお
り、この仕切り壁16には、ブリーザ口17が形成されてい
る。ブリーザ口17は、上記クランク室3と第1の室24と
を互いに連通させるためのもので、上記仕切り壁16にお
ける隔壁26側に偏った端部に位置されている。
また、第2図に示すように、ブリーザ口17は、隔壁26
の下端部と向かい合う側部開口17aを有している。この
側部開口17aと隔壁26との間には、僅かながらもオイル
流出用の隙間17bが形成されている。
なお、上記第2の室25は、接続パイプ19およびブリー
ザホース20を介してエアクリーナ21に連なっている。
隔壁26の中央部には、連通孔27が開口されている。こ
の連通孔27は、第1の室24と第2の室25とを連通させる
もので、上記接続パイプ19と対向されている。隔壁26の
第2の室25に面する部分には、連通孔27を開閉するリー
ド弁28が設置されている。
リード弁28は、既に知られているように、クランク室
3および第1の室24の内圧変化に基づいて隔壁26に接離
する方向に弾性変形される弁板29と、この弁板29の変形
量を規制するストッパ30とを備えており、これら弁板29
およびストッパ30の一端部がねじ31を介して隔壁26に締
め付け固定されている。
また、第2図に示すように、上記隔壁26の第1の室24
に臨む面には、ブリーザパイプ32の一端が溶接されてい
る。ブリーザパイプ32の一端は、連通孔27の開口部分に
突き合わされて、この開口部分を全周に亘って覆ってお
り、このブリーザパイプ32は、第1の室24に向かって略
水平に延びている。そのため、ブリーザパイプ32と上記
接続パイプ19およびブリーザホース20は、水平方向に沿
って略一直線状に配置されている。
ブリーザパイプ32は、第1の室24内に開口される先端
開口部32aを有している。この先端開口部32aは、第1図
に示すように、上記第1の室24内において、上記吸気バ
ルブ10のステム10aよりも隔壁26とは反対側に向けて延
長されており、この先端開口部32aと上記ブリーザ口17
との間に上記ステム10aが位置されている。
先端開口部32aは、ブリーザパイプ32内のブリーザ管
路33を通じて上記連通孔27に連なっている。そして、ブ
リーザパイプ32の先端開口部32aは、隔壁26から遠ざか
った位置において、第1の室24の壁面24aから離れた空
間に開口されており、液状となったオイルがほとんど存
在しない箇所から第1の室24のガスを吸入するようにな
っている。
第2図に示すように、隔壁26の下部には、小径なオイ
ル戻し孔34が形成されている。オイル戻し孔34は、第2
の室25の底部に溜まったオイルを第1の室24に戻すため
のもので、上記連通孔27やリード弁28の下方に位置され
ている。そして、このオイル戻し孔34は、上記オイル流
出用の隙間17bを介してブリーザ口17の側部開口17aと向
かい合っており、この側部開口17aの開口下縁は、オイ
ル戻し孔34よりも下方に位置されている。
なお、第1図中符号35は気化器を示している。
このような構成において、ピストン5の往復運動に伴
ってクランク室3の内圧が高められると、クランク室3
内のガスは、第2図中実線の矢印で示すように、ブロー
バイガスやミスト状となったオイルと共にブリーザ口17
から第1の室24に流入する。そして、クランク室3の内
圧がある一定値を上回ると、リード弁28の弁板29が弾性
変形されて連通孔27を開くので、第1の室24内に導入さ
れたオイルを含むガスは、ブリーザ管路33および連通孔
27を通じて第2の室25に流れ込むとともに、ここからブ
リーザホース20を経てエアクリーナ21に還流される。
ところで、オイルを含むクランク室3内のガスが第1
の室24に流入すると、このオイルの多くは、隔壁26を含
む第1の室24の壁面24aに付着しようとする。この場
合、上記第1の室24に臨む連通孔27の開口部分には、第
1の室24に向って延びるブリーザパイプ32が溶接され、
この連通孔27の開口部分が全周に亘ってブリーザパイプ
32により覆われているので、連通孔27は、実質的にブリ
ーザパイプ32の先端開口部32aを通じて第1の室24に開
口されていることになる。
そのため、例えばエンジンが傾斜された時のように、
第1の室24の壁面24aや隔壁26に付着したオイルが連通
孔27に向けて流れるような状態となっても、この壁面24
aや隔壁26に沿って流れるオイルは、ブリーザパイプ32
の周面を伝わって第1の室24の底部に至り、ここから第
2図中破線の矢印で示すように、ブリーザ口17を経てク
ランク室3に戻される。
しかも、ブリーザパイプ32の先端開口部32aは、隔壁2
6から遠ざかった位置において、第1の室24の壁面24aか
ら離れた空間内に開口されている。このため、ブリーザ
パイプ32は、液状となったオイルがほとんど存在しない
箇所から第1の室24のガスを吸入するので、この第1の
室24の壁面24aや隔壁26に付着したオイルが直接ブリー
ザパイプ32に流れ込むことはなく、たとえエンジンの姿
勢が前後左右に大きく変化しようとも、第1の室24に導
かれたオイルが連通孔27に流れ込み難くなる。
その上、ブリーザパイプ32の先端開口部32aは、第1
の室24内において、吸気バルブ10のステム10aよりも隔
壁26とは反対側に延長されているので、このブリーザパ
イプ32の先端開口部32aとブリーザ口17とが互いに遠ざ
かる。そのため、ブリーザ口17を通じて第1の室24にオ
イルが入り込んだ場合でも、このオイルがブリーザパイ
プ32の先端開口部32aに流入し難くなる。
それとともに、吸気バルブ10のステム10aがブリーザ
口17とブリーザパイプ32の先端開口部32aとの間に位置
されているので、ミスト状のオイルを含むガスがブリー
ザ口17から第1の室24に流入した場合、ブリーザ口17か
ら先端開口部32aに向うガスの流れがステム10aによって
遮られる。
すなわち、ステム10aは、オイル分を含むガスが流入
しようとする先端開口部32aよりも流れの上流側に位置
されるので、このステム10aがオイル分を含むガスの流
れを邪魔する一種の遮蔽壁として機能することになり、
その分、第1の室24内でのガスの流速が低下し、このガ
ス中からオイルが分離し易くなる。
そして、吸気バルブ10のステム10aは、下方に進むに
従い隔壁26に近づく方向に傾斜されているので、このス
テム10aを鉛直方向に配置した場合に比べてステム10a自
体が隔壁26に近づく。このため、ブリーザパイプ32の先
端開口部32aを上記ステム10aに対し隔壁26とは反対側に
延長するにしても、この先端開口部32aと第1の室24の
壁面との間の距離をある程度確保することができ、上記
ブリーザパイプ32が壁面に付着したオイルを直接吸い込
み難くなる。
したがって、クランク室3の内圧上昇に伴ってリード
弁28が開かれても、第2の室25に向って吹き出すオイル
量は確実に減少し、クランク室3の内圧がある値に達す
るまではリード弁28が閉じていることと相まって、オイ
ルの消費やエアクリーナ21の内部汚損を防止することが
できる。
また、第1の室24の底となる仕切り壁16は、隔壁26に
近づくに従い下向きに傾斜され、この仕切り壁16におけ
る隔壁26に隣接した端部にブリーザ口17が開口されてい
るので、第1の室24内でガス中から分離されたオイル
は、第1の室24の壁面を伝わって仕切り壁16に導かれ、
この仕切り壁16の傾斜に基づいてブリーザ口17の開口部
分に集まる。そのため、第1の室24内にオイルが滞留す
ることはなく、このオイルをブリーザ口17を通じて速や
かにクランク室3に戻すことができる。
一方、リード弁28が開かれた時に、上記第1の室24で
分離しきれなかったオイルが第2の室25に入り込んだ場
合、このオイルは第2の室25の壁面を伝わって第2の室
25の底部に至り、ここに溜まろうとする。
しかるに、第2の室25の壁面を構成する隔壁26の下部
には、第1の室24に連なる小径なオイル戻し孔34が開口
されているので、第2の室25の底部に溜まろうとするオ
イルは、オイル戻し孔34を経て第1の室24に戻される。
この場合、第1の室24に連なる上記ブリーザ口17は、
隔壁26に隣接するとともに、オイル戻し孔34と向い合う
ような側部開口17aを有しており、この側部開口17aの開
口下縁よりも上方にオイル戻し孔34が位置されている。
しかも、側部開口17aとオイル戻し孔34との間には、僅
かながらも隙間17bが存在するので、オイル戻し孔34か
ら流出するオイルは、隙間17bを介して側部開口17aに直
接流れ込み、そのままブリーザ口17から速やかにクラン
ク室3に戻される。
したがって、第2の室25からクランク室3へのオイル
の戻りが妨げられることはなく、上記第1の室24で分離
されたオイルがブリーザ口17に集まることと合わせて、
ブリーザ室15にオイルが滞留し難くなり、この点でもオ
イルの消費やエアクリーナ21の汚損防止を図る上で好都
合となる。
なお、本発明に係るエンジンのブリーザ装置は、除雪
機用に限らず、その他の種々の分野にも適用可能であ
る。
〔発明の効果〕
以上詳述した本発明によれば、連通孔の第1の室への
開口部分は、ブリーザパイプによって覆われるととも
に、このブリーザパイプの先端開口部は、第1の室の壁
面から離れた位置に開口され、液状となったオイルがほ
とんど存在しない箇所から第1の室のガスを吸入するの
で、第1の室の壁面に付着したオイルが直接連通孔に流
れ込むことはない。特に、エンジンの傾斜により第1の
室の壁面に付着したオイルが連通孔に向けて流れるよう
な状態になろうとも、このオイルはブリーザパイプによ
って遮られ、オイルが連通孔に流れ込み難くなる。
その上、第1の室内において、ブリーザパイプの先端
開口部とブリーザ口とが互いに遠ざかるので、ブリーザ
口を通じて第1の室にオイルが入り込んだ場合でも、こ
のオイルが先端開口部に直接に流入し難くなる。それと
ともに、バルブのステムがオイル分を含むガスの流れを
邪魔する一種の遮蔽壁として機能するので、その分、第
1の室内でのガスの流速が低下し、このガス中からオイ
ルが分離し易くなる。そして、上記ステムの傾斜に伴
い、ブリーザパイプの先端開口部をステムよりも隔壁と
は反対側に延長するにしても、この先端開口部と第1の
室の壁面との間の距離をある程度確保することができ、
ブリーザパイプが壁面に付着したオイルを直接吸い込み
難くなる。
したがって、クランク室の内圧上昇に伴ってリード弁
が開かれても、第2の室に向って吹き出すオイル量は確
実に減少し、クランク室の内圧がある値に達するまでは
リード弁が閉じていることと相まって、オイルの消費の
エアクリーナの内部汚損を防止することができる。
また、第1の室内でガス中から分離されたオイルは、
仕切り壁の傾斜に基づいてブリーザ口の開口部分に集ま
るので、第1の室内にオイルが滞留することはなく、こ
のオイルをブリーザ口を通じて速やかにクランク室に戻
すことができる。
さらに、リード弁が開かれた時に、上記第1の室で分
離しきれなかったオイルが第2の室に入り込み、この第
2の室の底部に溜まろうとしても、このオイルは、オイ
ル戻し孔を経て第1の室に戻される。このオイル戻し孔
は、ブリーザ口の側部開口と向い合い、かつ側部開口の
開口下縁よりも上側に位置するので、オイル戻し孔から
流出するオイルは、側部開口に直接流れ込み、そのまま
ブリーザ口を介して速やかにクランク室に戻される。
したがって、第2の室からクランク室へのオイルの戻
りが妨げられることはなく、上記第1の室で分離された
オイルがブリーザ口に集まることと合わせて、ブリーザ
室にオイルが滞留し難くなり、この点でもオイルの消費
やエアクリーナの汚損防止を図る上で好都合となるとい
った利点がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、 第1図は、エンジン全体の断面図、 第2図は、ブリーザ室回りの断面図、 第3図は、隔壁の正面図である。 1…ケース(クランクケース)、3…クランク室、4…
シリンダ、10…バルブ(吸気バルブ)、10a…ステム、1
5…ブリーザ室、16…仕切り壁、17…ブリーザ口、17a…
側部開口、18…ブリーザカバー、20…ブリーザホース、
21…エアクリーナ、24…第1の室、24a…壁面、25…第
2の室、26…隔壁、27…連通孔、28…リード弁、32…ブ
リーザパイプ、32a…先端開口部、34…オイル戻し孔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑オイルが蓄えられたクランク室と、こ
    のクランク室の上部から上向きに延びるシリンダとを有
    するケースを備えており、 このケースに、上記シリンダの側方に位置して、ポペッ
    ト形のバルブを縦置きに配置するとともに、このバルブ
    のステムが貫通されるブリーザ室を形成し、 このブリーザ室は、上記ケースの外側方に向けて開口さ
    れた開口部を有し、この開口部を閉塞するブリーザカバ
    ーに、エアクリーナに連なるブリーザホースを接続する
    とともに、 このブリーザカバーと上記ブリーザ室の開口部との間
    に、上記ブリーザ室の内部を第1の室と第2の室とに区
    画する隔壁を介在させ、 また、上記ケースは、上記第1の室とその下方のクラン
    ク室との間を仕切り、かつ上記開口部に連なる仕切り壁
    を有し、この仕切り壁に上記第1の室とクランク室とを
    連通させるブリーザ口を形成するとともに、 上記隔壁には、上記第1の室と第2の室とを連通させる
    連通孔を形成し、この連通孔の第2の室への開口部分
    に、上記クランク室内の圧力変化にもとづいて上記第1
    の室から第2の室に向うガスの流通のみを許容するリー
    ド弁を配置したエンジンのブリーザ装置において、 上記バルブは、そのステムを下方に進むに従い上記隔壁
    に近づく方向に傾斜させた姿勢で配置するとともに、 上記隔壁に、上記連通孔の第1の室への開口部分を覆っ
    た状態で上記第1の室に向って延びるブリーザパイプを
    接続し、 このブリーザパイプは、上記第1の室に開口される先端
    開口部を有し、この先端開口部は、上記第1の室内にお
    いて上記隔壁を含む第1の室の壁面から離れた空間に開
    口されるとともに、上記バルブのステムよりも上記隔壁
    とは反対側に向けて延長され、 また、上記仕切り壁は、上記隔壁に近づくに従い下向き
    に傾斜され、この仕切り壁における上記隔壁に隣接した
    端部に上記ブリーザ口を配置し、 このブリーザ口は、上記隔壁に向けて開口された側部開
    口を有し、この側部開口と向い合う上記隔壁の下部に、
    上記第2の室の底部に溜まるオイルを上記側部開口に戻
    すためのオイル戻し孔を形成し、このオイル戻し孔は、
    上記ブリーザ口の側部開口の開口下縁よりも上方に位置
    されていることを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
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