JP2004260769A - 移動ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】移動ロボットが電波の届かないところに移動して操作不能になることを防ぐととともに、電波が届くところまで復帰して操作再開を可能にすること。
【解決手段】移動ロボット1には、無線LANカードや携帯電話、BlueTooth等の無線デバイスが接続されており、ユーザはパソコンや携帯電話などの端末2で、遠隔からネットワーク経由で移動ロボット1を操作したり、移動ロボット1の状態を知ることができる。移動ロボットには、電波状態を監視し、移動中に無線の電波が届かなくなったとき、移動ロボットを、無線接続の可能な地点に復帰する手段が設けられている。これにより、電波が届かないところに移動した後でも、動作を再開することができる。また、移動ロボット1に電波強度マップを作成する手段を設け、このマップを用いて移動ロボットを電波が届くところまで復帰させるようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話や無線LANなどを用いて無線で遠隔操作を行う移動ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から無線により移動ロボットを遠隔制御する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ロボットの状態を表示する機能を備えた操作装置と移動ロボットを、通信回線ネットワーク、電話回線を介して接続し、移動ロボットの近くに操作者が居なくても移動ロボットを操作可能とした移動ロボットの制御システムが開示されている。
また、特許文献2には、LAN上に制御端末と無線接続端末を接続し、ロボット(被制御端末)に無線通信手段を設け、無線接続端末が無線区間でロボット(被制御端末)と通信することにより、制御端末がロボット(被制御端末)をリモートコントロールするようにしたネットワークリモートコントロールシステムが開示されている。
上記した従来の遠隔操作で動作する移動ロボットでは、電波の届かない場所にロボットが移動してしまった場合には遠隔操作が不可能になり、人が手を出す他なかった。特に、家庭やオフィスなどの環境において、常に電波状態が優良でなければ使用できない移動ロボットは現実的ではない。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−91556号公報
【特許文献2】
特開2000−49800号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の遠隔操作で動作する移動ロボットでは、電波の届かないところにロボットが移動すると、遠隔操作が不可能となるといった問題があった。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、移動ロボットが電波の届かないところに移動して操作不能になることを防ぎ、また、電波が届かないところに移動した後でも、電波が届くところまで復帰して操作再開を可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、無線にて遠隔操作を行う移動ロボットにおいて、移動ロボットが電波状態を監視し、その情報を保存しながら移動し、移動中に無線の電波が届かなくなったとき、ロボットの移動を停止させ、無線接続の可能な地点に復帰する手段を設ける。
上記構成とすることにより、通信が不可能になった時点で可能であった地点までの復帰することができ、これにより無線移動ロボットは常に遠隔操作可能な状態でいることができる。
また、以下のように構成することもできる。
(1)無線通信不可能地点に移動した後、無線接続の可能な地点に復帰したとき、無線接続可能な地点に復帰したことを通知する手段を設ける。これにより、ユーザは、電波の届かない所に移動ロボットが一時移動して復帰したことを知ることができる。
(2)移動しながら、ロボット内に保存した地図や屋内間取図に電波通信の可否情報を保存する手段を設ける。
これにより、電波強度マップを作成することができる。この電波強度マップを用いれば、通信可能な移動経路を選定することが可能となる。
また、移動ロボットが電波の届かない所に移動した場合でも、通信可能な一番近い近い位置に迅速に移動することができる。
(3)通信不可能な地点まで移動して、与えられた指令を実行し、上記保存した内部地図情報を元に最も近い電波通信可能地点まで復帰する手段を設ける。
これにより、通信不可能な地点まで移動した場合でも、与えられた指令を完了することができ、また、通信可能な最も近い地点まで迅速に移動することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例のシステムの概要図である。同図に示すように、本実施例の移動ロボット1には、無線LANカードや携帯電話、BlueTooth等の無線デバイスが接続されており、情報処理機器上のソフトからネットワーク接続が可能なように構成されている。
ユーザはパソコンや携帯電話などの端末2により、移動ロボット1にネットワーク3に接続可能な環境にいる。ユーザのパソコンや携帯電話等の端末2には、遠隔からネットワーク経由で移動ロボット1を操作したり、移動ロボット1の状態を知ることができるソフトがインストールされている。
移動ロボット1が、携帯電話によるダイアルアップ接続によりネットワークに接続する場合は、プロバイダからもらうIPアドレスはダイアルアップの度に異なるので、ロボット上のソフトが、Dynamic−DNSサーバにもらったIPアドレスを通知することによって、IPアドレスをユーザに通知することなしにいつも決まったドメイン名(mycomputer.mydomain.comなど)でアクセスを可能にしている。
移動ロボット1は、例えば、ユーザの自宅等に置かれており、ユーザは端末2からの指令により移動ロボット1を移動させたり、移動ロボット1に搭載された赤外線受信/発信器により家電機器等を操作したり、また、移動ロボット1に設けられたカメラ等で自宅の状況等を監視する。
【0007】
図2は、上記移動ロボットの構成例を示す図である。
移動ロボット1は、同図に示すようにCPUを搭載した基板1a、移動用モータ1b、プログラムやデータを記憶するROM1c、移動用モータ1d、家電機器等を操作するための赤外線発信/受信器1e、前記した無線LAN、携帯電話、BlueTooth等の無線デバイス1f、移動距離や地図情報などを保存する記憶デバイス(ハードディスクやコンパクトフラッシュなど)1g等から構成される。
また、遠隔操作等のために周囲の状況を撮影するカメラ1h、距離等を計測するセンサ1iといったデバイスが接続されていてもよく、また、マイク1j、スピーカ1kや、液晶ディスプレイ1m、状態等を表示するためのLED1n、移動ロボット1を動作を開始させたり、各種設定を行うための押しボタンスイッチ1oやポインティングデバイス1p、電池1q等が搭載されていてもよい。
移動ロボット1は、ユーザがネットワーク3を介して送出する指令を上記無線デバイス1fで受信して、受信した指令に応じて移動し、前記したように家電機器等の操作を行ったり、周囲の状況等を監視する等の作業を行う。
移動ロボット1に携帯電話が搭載されていてダイアルアップで公衆回線を用いてネットワークに接続する場合には、前記したようにネットワーク上にはダイナミックDNSサーバがあって、そのサーバにプロバイダから割り振られたIPアドレスとそれにあてるドメイン名を登録、更新することができる。また、ロボットに携帯電話が搭載されている場合には、ロボットは電話をかけることが可能である。
上記移動ロボット1の制御は、前記ROM1c等に記憶された制御プログラムをCPU基板1aの搭載されたCPUが実行することにより行われ、移動ロボット1の移動経路情報や電波状況、各種ログ情報等のデータは上記記憶デバイス1gに記憶される。なお、上記CPU等から構成される移動ロボットの制御を行う部分を以下では、制御部と言う。
【0008】
図3は本実施例の移動ロボットの機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、移動ロボットの制御部11は、無線デバイス1fに接続される送受信部12と、送受信部12で受信した指令を、移動ロボット1の動作指令に変換して動作指令を出力する動作指令部13と、動作指令部13が出力する動作指令に基づき、赤外線発信/受信機1e等の操作機器や移動用モータ1dを駆動するための駆動制御部14を備えている。
また、送受信部12で受信される電波状況を判定する電波状況判定部15、電波状況等を移動経路と対応させて記憶する記憶部16、移動ロボット1が電波の届かない場所に移動してしまった場合に電波の届くところまで移動ロボット1を移動させるための動作パターンを作成する動作パターン作成部17、復帰動作を完了したことを確認する復帰動作確認部18を備えている。
そして、移動ロボットは、初期位置と前記センサ1iで計測した距離等に基づき、移動しながら自己の位置を認識するとともに、移動経路情報、電波状況等を上記記憶部16に記憶する。
【0009】
図4は、本実施例の移動ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
移動ロボットの電波状況判定部15は、常に電波状態を監視している。遠隔のユーザから指示があった、あるいはあらかじめ指定された時間になったなどのイベントがあると(図4のステップS1)、移動ロボットは移動を開始する(ステップS2)。
そして、移動しながら、一定時間毎に現在までの移動距離と方向を電波状態とともに移動ロボット1の記憶部16に蓄積保存していく(ステップS3)。電波状態が良好のまま全ての移動を終了すれば、指示が成功となる(ステップS4〜6)。
【0010】
また、移動中に電波状態が悪化した場合、ステップS4からステップS7に行き、そこで停止し、前の位置に復帰するべく、記憶部16から前の移動距離/方向を取得する(ステップS8)。そして、動作パターン作成部17で動作パターンを作成して移動を実行する(ステップS9,S10)。ここで、動作パターンとは、例えば前動作が前進50cmであった場合、後進50cmまたは180度反転と前進50cmなど、移動ロボットの移動パターンに相当する。
前の位置に復帰したら、電波状況を確認する(ステップS11)。なお、移動ロボットが携帯電話を搭載している場合には、その位置でダイアルアップによりネットワークの再接続を試みる。そして、成功すればその場所で停止する(ステップS12)。
なお、上記の移動手順の最後にネットワークの再接続が成功した後に、メール等のメッセージを送付し、一旦電波圏外に出たが再び遠隔操作可能なったことを通知したり、携帯電話が接続されたロボットの場合は指定電話番号に電話をかけて復帰したことを通知してもよい。
【0011】
なお、ロボットが間取り図などの地図情報を持ち、撮影した周りの画像からランドマークを照合して自己位置を割り出して、それを元に地図上の座標で指示された目標位置への移動方向と距離を割り出して自律移動するようにしてもよい。
この際、移動中の各座標点における電波強度を取得し、保存していく。これにより、図5に示すように、移動ロボット1が移動するにつれ、各位置における電波強度マップが作成される。なお、最初の自己位置は遠隔からユーザが教示してもよいし、また、移動ロボット1がカメラ1hにより周囲の状況を観察し、自己位置を割り出すようにしてもよい。
上記のように電波強度マップを作成しておけば、作成した電波強度マップを用いて、移動ロボット1が指示された動作を終了した後に電波強度が弱い位置にいた場合は、最も近い電波強度の強い位置に自動的に移動し、ネットワーク接続を復元することが可能となる。
【0012】
図6は上記のように、電波強度マップを用いて、最も近い電波強度の強い位置に自動的に移動する場合の移動ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
遠隔のユーザから指示があった、あるいはあらかじめ指定された時間になったなどのイベントがあると(ステップS1)、移動ロボットはカメラ1hにより周囲画像を取得して(ステップS2)、地図情報との照合を行い自己位置を割り出す(ステップS3)。なお、その際、ユーザがカメラから取得した画像に基づき、移動ロボットの位置を教示するようにしてもよい。
ついで、移動ロボットは、目標位置と自己位置から移動パターンを算出し、移動を開始する(ステップS5)。
そして、移動しながら、一定時間毎に現在までの移動距離と方向を電波状態とともに移動ロボット1の記憶部16に蓄積保存していく(ステップS6)。全ての移動を終了すれば(ステップS7)、前記したように家電機器等の操作を行い(ステップS8)、電波強度が良好であるかを判定する(ステップS9)。電波状況が良好であれば、移動成功となり処理を終了する(ステップS10)。
また、電波状態が良好でない場合には、ステップS9からステップS11に行き、x=11に設定し、自己位置から地図座標上で周囲xの電波強度をチェックする(ステップS12)。そして感度良好の座標があるかを調べ、良好でなければパラメータxを+1して(ステップS16)、ステップS12に戻る。以上のようにパラメータを+1しながら地図座標上で、感度良好な場所を求め、感度が良好な座標があれば、ステップS13からステップS14に行き、地図座標から目標位置を設定し移動を開始する(ステップS14)。そして、移動成功したら、処理を終了する。
なお、上記において、前記実施例と同様、メール等のメッセージを送付し、一旦電波圏外に出たが再び遠隔操作可能なったことを通知したり、携帯電話が接続されたロボットの場合は指定電話番号に電話をかけて復帰したことを通知するようにしてもよい。
以上のようにすることにより、目標地点まで移動して家電操作などの作業をした後、その地点が電波が届かない場所であっても遠隔操作不能状態に陥らずにすむことが可能となる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、無線にて遠隔操作を行う移動ロボットにおいて、移動ロボッが電波状態を監視し、移動中に無線の電波が届かなくなったとき、移動ロボットを無線接続の可能な地点に復帰させるようにしたので、無線移動ロボットを常に遠隔操作可能な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のシステムの概要図である。
【図2】本発明の実施例の移動ロボットの構成例を示す図である。
【図3】本実施例の移動ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例の移動ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【図5】電波強度マップの一例を示す図である。
【図6】最も近い電波強度の強い位置に自動的に移動する場合の移動ロボットにおける処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 移動ロボット
2 端末
3 ネットワーク
11 制御部
12 送受信部
13 動作指令部
14 駆動制御部
15 電波状況判定部
16 記憶部
17 動作パターン作成部

Claims (5)

  1. 携帯電話や無線LANなどを用いて無線にて遠隔操作を行う移動ロボットであって、
    移動中に無線の電波が届かなくなったことを検知して、ロボットの移動を停止し、無線接続の可能な地点に復帰する手段を備えた
    ことを特徴とする移動ロボット。
  2. 無線通信不可能地点に移動した後、無線接続の可能な地点に復帰したとき、無線接続可能な地点に復帰したことを通知する手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1の移動ロボット。
  3. 移動しながら、ロボット内に保存した地図や屋内間取図に電波通信の可否情報を保存する手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2の移動ロボット。
  4. 通信不可能な地点まで移動して、与えられた指令を実行し、上記保存した内部地図情報を元に最も近い電波通信可能地点まで復帰する手段を備えた
    ことを特徴とする請求項3の移動ロボット。
  5. 携帯電話や無線LANなどを用いて無線にて遠隔操作を行う移動ロボットの制御プログラムであって、
    上記プログラムは、移動中に無線の電波が届かなくなったとき、ロボットの移動を停止させる処理と、無線接続の可能な地点にロボットを復帰させる処理をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とする移動ロボットの制御プログラム。
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