JP2004253233A - 無機粉体含有樹脂被覆電線、二層被覆電線、無機粉体含有樹脂被覆コイル、二層被覆電線コイル、無機物質被覆絶縁コイルおよびその製造方法、ならびに無機物質被覆絶縁コイルを有する電気機器およびその製造方法 - Google Patents
無機粉体含有樹脂被覆電線、二層被覆電線、無機粉体含有樹脂被覆コイル、二層被覆電線コイル、無機物質被覆絶縁コイルおよびその製造方法、ならびに無機物質被覆絶縁コイルを有する電気機器およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004253233A JP2004253233A JP2003042085A JP2003042085A JP2004253233A JP 2004253233 A JP2004253233 A JP 2004253233A JP 2003042085 A JP2003042085 A JP 2003042085A JP 2003042085 A JP2003042085 A JP 2003042085A JP 2004253233 A JP2004253233 A JP 2004253233A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- electric wire
- resin
- coated
- inorganic powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】耐熱性および絶縁性を兼ね備えた無機粉体を、比較的高価なシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどのケイ素を含む樹脂以外の樹脂溶液に分散させ、その無機粉体分散樹脂溶液を導体上に塗布して焼き付けることによって無機粉体含有樹脂被覆電線21を作製する。そして、この電線21を巻回してコイルを作製した後、そのコイルを、樹脂が分解し且つ分解物が気化するような温度にさらすと、導体上に残存する無機粉体が耐熱絶縁層14を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性絶縁被覆層を有する電線からなるコイルおよびその製造方法、そのコイルを作製するための電線およびコイル、ならびにそのコイルを用いた電気機器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線の絶縁は、合成樹脂を導体に被覆することにより行われてきた。ところで、この合成樹脂として、いわゆる耐熱性樹脂と呼ばれるポリアミドイミドやポリイミドなどが知られている。これらの合成樹脂の耐熱温度は国際電気標準会議(IEC)や米国NEMA規格などにより摂氏220度および摂氏240度と規定されており、これらの合成樹脂を被覆した耐熱性絶縁電線はその信頼性から比較的過酷な環境を生み出す電気機器(電動機など。)などに採用されている。しかし、極めて過酷な環境下ではこれらの合成樹脂の寿命は比較的短くなり、その電気機器について比較的頻繁に部品交換などを行う必要がある。この問題を解決するために合成樹脂よりもさらに耐熱性に優れる無機物質(セラミックなどの絶縁性を有する物質。)を被覆した電線が開発されている(特許文献1参照。)。周知のとおり、無機物質は非常に堅く可撓性に乏しいため、電線に無機物質を被覆してからコイルを作製するのは、極めて困難である。そこで、この電線に、加熱処理することによって無機質化するシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどのケイ素を含む樹脂を被覆しておいて、コイルを作製した後にこの電線を高温にさらしてセラミック電線コイルを作製することが行われている。なお、このとき、膜厚などを考慮してあらかじめ無機粉体が混入されることもある。また、上記に示した絶縁電線は全て、当業者に既知の方法(以下、この方法を常法という。)によって作製することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−11768号公報(第2−3項、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シリコーン樹脂、変性シリコーン、あるいはポリカルボシランなどは比較的高価であるため、コスト的に民生用機器へ適用が難しい。
本発明の課題は、コスト的に民生機器にも適用可能な耐熱性絶縁性コイルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線は、導体が、無機粉体が分散されている樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)によって被覆される電線である。なお、ここにいう「樹脂」は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリアルファ−メチルスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなど)、ポリアミド(ナイロン(登録商標)など)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、FEPあるいはPFAなど)、ポリオレフィン、ポリビニルホルマール、ポリウレタン、あるいはこれらの樹脂の骨格を任意に組み合わせた共重合体(ランダム、ブロック、グラフト、あるいは交互共重合体など)などである。また、これらの樹脂に、熱によってこれらの樹脂の分解を促進する添加剤をあらかじめ添加しておいてもよい。ここに例示列挙した樹脂の中にはシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどよりも高価な樹脂も含まれるが、将来的に価格が下がれば使用可能である。また、ここにいう「導体」は、銅線、アルミニウム線、銀線、ニッケル線、クロム線、ステンレス線、銀めっき線、銀クラッド線、ニッケルめっき銅線、あるいはニッケルクラッド銅線などである。また、「ケイ素を骨格の一部に含む樹脂」とは、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどである。また、ここにいう「無機粉体」は、窒化ケイ素などから構成される粉体である。窒化ケイ素などのセラミック原料は、絶縁性に優れており、樹脂の熱分解温度で変質することがない。
【0006】
この電線を、樹脂が分解し且つ分解物が気化するような温度にさらすと、導体上に残存する無機粉体が皮膜を形成する。また、この電線はその樹脂により適度な可撓性を有するためコイルを作製しやすい。このため、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどの比較的高価な樹脂を使用しなくても、セラミック電線コイルを得ることができる。したがって、コスト的に民生機器にも適用可能な耐熱性絶縁性コイルを作製することができる。また、この電線は、従来の絶縁電線製造装置を用いて製造することができる。このため、新たな製造装置を導入する必要がない。したがって、製造コストを低く維持することが可能である。
【0007】
請求項2に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線は、請求項1に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線であって、樹脂は、摂氏400度以下、好ましくは摂氏300度以下、より好ましくは摂氏200度以下で分解する。なお、樹脂の分解は、解重合であっても、酸化分解であっても、解重合と酸化分解とが混じったかたちであっても、その他の分解であってもよい。
【0008】
一般に、このような電線は、電気機器などに用いられることが多い。電気機器によっては、その製造工程の中で、摂氏200度程度の温度でその電気機器の一部を処理する工程が設けられる場合がある。このため、このような工程においてコイルにされた無機粉体含有樹脂被覆電線の樹脂を分解して無機物質で被覆された電線からなるコイルを作製すると、電線の樹脂を熱分解させる工程を別に設ける必要をなくすことができる。また、電気機器の一部を損傷させることがなければ、そのような工程において電気機器の一部を摂氏300度あるいは摂氏400度で処理しても同様の効果を得ることができる。しかし、省エネルギーを考慮すると、低温である方が好ましい。
【0009】
請求項3に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線は、請求項1または2に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線であって、無機粉体の形状は、鱗片形状である。なお、無機粉体が鱗片形状をとる場合は、樹脂溶液への分散性に優れているとともに、配向性に優れている。このような無機粉体として、例えば、窒化ケイ素または二硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0010】
鱗片形状の粉体は、層状に重なりやすい、このため、球状の粉体よりも粒子間の接着面積が大きくなり、被膜化しやすいと推察される。したがって、ピンホールなどの欠陥のない皮膜を容易に形成することができる。
請求項4に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線は、請求項1から3のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線であって、無機粉体は、窒化ケイ素を成分として含む。
【0011】
窒化ケイ素は、摂氏2000度以上の融点を有する。このため、窒化ケイ素を主成分とする耐熱絶縁層を形成することができれば、極めて過酷な環境下でも、その電線の寿命は、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂などを被覆した電線の寿命よりも長くなるはずである。このため、電気機器の部品交換などの回数を低減できる。
【0012】
請求項5に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線は、請求項1から4のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線であって、無機粉体の平均粒子径は、0.01マイクロメートルから1.5マイクロメートル、好ましくは0.1マイクロメートルから1.5マイクロメートルである。なお、この無機粉体の平均粒子径の測定は、「堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置、LA−300」を用いて行った。また、測定は、添付のマニュアルに従って行われた。
【0013】
無機粉体の平均粒子径は、無機粉体被膜の成膜性、樹脂溶液への分散性および無機粉体の取り扱いなどに大きな影響を及ぼす。無機粉体の平均粒子径が0.01マイクロメートルから1.5マイクロメートルである場合、良好な無機粉体被膜が形成される。これは、おそらく無機粉体間の接着面積が十分に確保されるためであると推測される。しかし、平均粒子系が0.01マイクロメートル付近である場合は、樹脂溶液への分散性が比較的悪くなり、また、無機粉体の取り扱いも難しくなる。したがって、無機粉体の平均粒子径は、0.1マイクロメートルから1.5マイクロメートルであることが好ましい。このようにすれば、樹脂溶液への分散性および無機粉体の取り扱いが改善される。
【0014】
請求項6に記載の二層被覆電線は、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線が、無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)で被覆される電線である。なお、ここにいう「樹脂」は、請求項1から5の樹脂と同じであっても異なっていてもよい。
無機粉体含有樹脂被覆電線の表面には、無機粉体の一部が突出していることがある。このため、この電線は滑走性に問題があることが多い。これは、コイルを高速で作製するときに大きな問題になる。このため、ここでは、無機粉体含有樹脂被覆電線をさらに樹脂で被覆して電線の滑走性を確保した。したがって、コイルを高速で作製することができる。
【0015】
請求項7に記載の二層被覆電線は、請求項6に記載の二層被覆電線であって、無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)は、滑性剤を含有する。ここにいう「滑性剤」は、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、ワックス、あるいはフッ素樹脂微粉末などである。
ここでは、樹脂が滑性剤を含有する。このため、電線の滑走性をさらに向上させることができる。したがって、コイルをさらに高速で作製することができる。
【0016】
請求項8に記載の二層被覆電線は、請求項6に記載の二層被覆電線であって、無機粉体が分散されている樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)の熱分解温度は、無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)の熱分解温度よりも高い。
ここでは、無機粉体が分散されている樹脂の熱分解温度が、無機粉体を含まない樹脂の熱分解温度よりも高い。このため、電線を高温にさらしたとき、最外層の樹脂が先に分解する。したがって、分解物の気化が速やかに行われ、無機粉体で被覆される電線の形状を良好に保つことができる。
【0017】
請求項9に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線コイルは、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線から作製される。
一般的に、無機物質で被覆された電線は可撓性に乏しい。このため、無機物質で被覆された電線を巻回してコイルを作製するのは困難である。一方、無機粉体含有樹脂被覆電線は、ある程度の可撓性を有する。したがって、容易にコイルを作製することができる。そして、コイル作製後に樹脂を熱分解して除去すると、無機物質で被覆されたコイルを作製することができる。
【0018】
請求項10に記載の二層被覆電線コイルは、請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線から作製される。
一般的に、無機物質で被覆された電線は可撓性に乏しい。このため、無機物質で被覆された電線を巻回してコイルを作製するのは困難である。一方、二層被覆電線は、ある程度の可撓性を有する。したがって、容易にコイルを作製することができる。そして、コイル作製後に樹脂を熱分解して除去すると、無機物質で被覆されたコイルを作製することができる。
【0019】
請求項11に記載の無機物質被覆絶縁コイルの製造方法は、コイル作製工程と無機物質被覆絶縁コイル作製工程とを備える。コイル作製工程では、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線が巻回されてコイルが作製される。無機物質被覆絶縁コイル作製工程では、無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは二層被覆電線に含有される樹脂が熱分解されて無機物質被覆絶縁コイルが作製される。
【0020】
ここでは、この製造方法が実施されると、コイル作製工程で、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線が巻回されてコイルが作製される。そして、無機物質被覆絶縁コイル作製工程で、無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは二層被覆電線に含有される樹脂が熱分解されて無機物質被覆絶縁コイルが作製される。このため、この製造方法によれば、無機物質で被覆された電線から構成されるコイルを容易に作製することができる。
【0021】
請求項12に記載の無機物質被覆絶縁コイルは、請求項11に記載の製造方法により得られるコイルである。
このコイルは、無機物質で被覆される電線から構成される。無機物質、例えばセラミックスなどは、樹脂なみの優れた絶縁性を有する。また、このセラミックスなどは樹脂よりも優れた耐熱性を有することが多い。このため、極めて過酷な環境下でも、その電線の寿命は、従来のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂などで被覆される電線の寿命よりも長くなるはずである。このため、電気機器の部品交換などの回数を低減できる。
【0022】
請求項13に記載の電気機器は、請求項12に記載の無機物質被覆絶縁コイルを用いた電気機器である。なお、ここにいう「電気機器」とは、変圧器、電動機あるいは発電機などである。
この無機物質被覆絶縁コイルを、変圧器、電動機または発電機などの電気機器に用いれば、その電気機器に関して損失を低減させることができる。
【0023】
請求項14に記載の電気機器の製造方法は、導入工程と圧粉鉄心作製工程とを備える。導入工程では、請求項9に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線コイル、あるいは請求項10に記載の二層被覆電線コイルに対して圧粉鉄心の原料粉体が導入される。圧粉鉄心作製工程では、圧粉鉄心の原料粉体が圧縮され、さらに焼結されることによって圧粉鉄心が作製される。なお、ここにいう「焼結」は、圧粉鉄心のバインダを分解し、鉄心をさらに強固にする工程をいい、通常摂氏200から400度の間で行われる。そして、圧粉鉄心作製工程では、コイルに含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する。
【0024】
ここでは、この製造方法が実施されると、導入工程で、請求項9に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線コイル、あるいは請求項10に記載の二層被覆電線コイルに対して圧粉鉄心の原料粉体が導入される。次に、圧粉鉄心作製工程で、圧粉鉄心の原料粉体が圧縮され、さらに焼結されることによって圧粉鉄心が作製される。そして、圧粉鉄心作製工程で、コイルに含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する。このため、圧粉鉄心をコイル内に形成すると同時にコイルに絶縁層を形成することができる。したがって、生産工程を増加させることなく、無機物質被覆絶縁コイルに鉄心を導入することができる。また、このようにしてコイルに圧粉鉄心を形成すれば、コイル内およびコイルを構成する電線間に生じる内表面の凹部に原料粉体が入り込むため、コイルの導体の占積率を向上することができる。
【0025】
請求項15に記載の電気機器の製造方法は、鉄心入りコイル作製工程と熱処理工程とを備える。鉄心入りコイル作製工程では、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線が鉄心に巻回されて鉄心入りコイルが作製される。熱処理工程では、鉄心入りコイルが熱処理される。なお、ここにいう「熱処理」には、鉄心の焼結の他、鉄心の磁気特性向上を図るもの、鉄心の酸化被膜を生成するものも含まれる。そして、熱処理工程で、鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する。なお、ここにいう「鉄心」は、積層鉄心、圧粉鉄心あるいはアモルファス鉄心などである。
【0026】
ここでは、この製造方法を実施すると、鉄心入りコイル作製工程で、請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線が鉄心に巻回されて鉄心入りコイルが作製される。次に、熱処理工程で、鉄心入りコイルが熱処理される。そして、熱処理工程で、鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する。このため、未焼結の鉄心を用いると、鉄心を焼結すると同時にコイルに絶縁層を形成することができる。したがって、生産工程を増加させることなく、無機物質被覆絶縁コイルを作製することができる。
【0027】
請求項16に記載の電気機器の製造方法は、請求項15に記載の電気機器の製造方法であって、熱処理工程では、鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂の熱分解による無機物質被覆絶縁コイルの生成と、鉄心の酸被および焼鈍の少なくとも一方とが行われる。なお、ここにいう「電気機器」として、特に高温環境下で使用される場合に好適である電動機、例えば高速で回転するターボ圧縮機、あるいは高圧環境下で使用される全密閉圧縮機に用いられる電動機などが挙げられる。
【0028】
ここでは、熱処理工程で、鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂の熱分解による無機物質被覆絶縁コイルの生成と、鉄心の酸被および焼鈍の少なくとも一方とが行われる。このため、電気機器の生産工程が簡素化され電気機器の生産性が向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】
[本実施の形態において作製される電線の形態]
図1には、本実施の形態において作製される電線の形態を示した。なお、ここでは、本発明に係る電線の形態を電線の断面図により説明する。図1の(a)には、無機粉体含有樹脂被覆電線21の断面図を示す。この無機粉体含有樹脂被覆電線21は、導体11と、その導体11を被覆する無機粉体含有樹脂層12とからなる。また、図1の(b)には、二層被覆電線22の断面図を示す。この二層被覆電線22は、導体11、その導体11を被覆する無機粉体含有樹脂層12、およびその無機粉体含有樹脂層12をさらに被覆する樹脂層13からなる。なお、この樹脂層13は、潤滑剤を含有していてもかまわない。最後に、図1の(c)には、無機物質被覆絶縁コイルを構成する絶縁電線23の断面図を示す。この絶縁電線23は、導体11と無機物質絶縁層14とからなる。
【0030】
[本実施の形態に使用される素材]
(1)導体11
本実施の形態において使用可能な導体11は、銅線、アルミニウム線、銀線、ニッケル線、クロム線、ステンレス線、銀めっき線、銀クラッド銅線、ニッケルめっき銅線、あるいはニッケルクラッド銅線などである。
【0031】
(2)樹脂
本実施の形態において使用可能な樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリアルファ−メチルスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなど)、ポリアミド(ナイロン(登録商標)など)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、FEPあるいはPFAなど)、ポリオレフィン、ポリビニルホルマール、ポリウレタン、あるいはこれらの樹脂の骨格を任意に組み合わせた共重合体(ランダム、ブロック、グラフト、あるいは交互共重合体など)である。また、これらの樹脂は、ブレンドされてもかまわない。なお、本実施の形態では、樹脂の灰分はできるだけ少ないのが好ましい。また、樹脂を導体に被覆させるとき、その樹脂は溶液の形態をとるのが好ましい。なお、その樹脂溶液は常法に適用できる程度の粘度および樹脂濃度を有するのが好ましい。
【0032】
(3)無機粉体
本実施の形態において使用可能な無機粉体は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、シリカ、マグネシアなどを成分とする粉体である。また、複数の種類の粉体を混合して用いてもかまわない。
(4)潤滑剤
本実施の形態において使用可能な潤滑剤は、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、ワックス、あるいはフッ素樹脂微粉末などである。これらの潤滑剤は、ブレンドされてもかまわない。また、これらの潤滑剤は、任意の割合で樹脂に混合される。
【0033】
[本実施の形態における電線の作製方法]
本実施の形態に係る電線21,22は全て、当業者に既知の方法(常法)によって作製することができる。二層被覆電線22を作製する場合も、常法による。この場合、ディップ層を取り替えて同じ工程を2度繰り返せばよい。
[本実施の形態におけるコイルの作製方法]
本実施の形態に係るコイルも全て、当業者に既知の方法(常法)によって作製することができる。
【0034】
[本実施の形態における無機物質被覆絶縁電線23および無機物質被覆絶縁コイルの作製方法]
本実施の形態に係る無機物質被覆絶縁電線23または無機物質被覆絶縁コイルは、無機粉体含有樹脂被覆電線21もしくは無機粉体含有樹脂被覆コイル、または二層被覆電線22もしくは二層被覆コイルを、対応する樹脂の熱分解温度以上の温度条件下に曝して樹脂を熱分解させ、分解物を気化させることによって作製される。
【0035】
[本実施の形態に示す電線21,22,23およびコイルの特徴]
(1)
本実施の形態に係る無機物質含有樹脂被覆電線21は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシラン樹脂などの高価な樹脂を用いることなく無機材料被覆絶縁電線23に転換させることができる。
【0036】
(2)
本実施の形態に係る二層被覆電線22は、高速巻回によるコイルの作製に対して耐え得り、また、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシラン樹脂などの高価な樹脂を用いることなく無機材料被覆絶縁電線23に転換させることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)窒化ケイ素粉体分散ポリウレタン樹脂溶液の調製
窒化ケイ素粉体40部をポリウレタン樹脂塗料(樹脂濃度20%)100部に加えた後、攪拌機により攪拌して窒化ケイ素粉体をポリウレタン樹脂塗料に分散させた。なお、ここで用いた窒化ケイ素粉体の平均粒子系は、0.75マイクロメートルであった。
【0038】
(2)窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線
窒化ケイ素粉体が分散されたポリウレタン樹脂塗料を常法により導体11に塗布した後、焼成して、窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線を作製した。なお、導体11には、直径0.5mmのニッケルめっき銅線を用いた。作製された窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線の外径は、0.535mmであった。また、窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂層の厚さは、0.0175mmであった。
【0039】
(3)自己潤滑性ポリウレタン樹脂塗料の調製
ワックス3部をポリウレタン樹脂塗料(樹脂濃度20%)100部に加えた後、攪拌機により攪拌してワックスをポリウレタン樹脂塗料に溶解させた。
(4)自己潤滑性二層被覆電線の作製
ワックスを添加したポリウレタン樹脂塗料を常法により窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線に塗布した後、焼成して、二層被覆電線を作製した。
【0040】
(5)窒化ケイ素被覆絶縁電線の作製
窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線を、摂氏400度のオーブン内に所定時間放置した。この結果、ポリウレタン樹脂は熱分解し、分解物は気化し、導体11上に窒化ケイ素からなる絶縁層が形成された。なお、二層被覆電線を用いた場合も同様の結果が得られた。
【0041】
(6)窒化ケイ素被覆絶縁コイルの作製
窒化ケイ素粉体含有ポリウレタン樹脂被覆電線をコイル状に巻線した後、コイル形状を保持した状態で摂氏400度のオーブン内に所定時間放置した。この結果、ポリウレタン樹脂は熱分解し、分解物は気化し、窒化ケイ素からなる絶縁層を有するコイルが得られた。なお、二層被覆電線を用いた場合は、コイルの作製を高速で行うことができた。また、二層被覆電線を先と同様に処理しても、窒化ケイ素からなる絶縁層を有するコイルが得られた。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る無機粉体含有樹脂被覆電線を、樹脂が分解し且つ分解物が気化するような温度にさらすと、導体上に残存する無機粉体が皮膜を形成する。また、この電線はその樹脂により適度な可撓性を有するためコイルを作製しやすい。このため、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、あるいはポリカルボシランなどの比較的高価な樹脂を使用しなくても、セラミック電線コイルを得ることができる。したがって、コスト的に民生機器にも適用可能な耐熱性絶縁性コイルを作製することができる。また、この電線は、従来の絶縁電線製造装置を用いて製造することができる。このため、新たな製造装置を導入する必要がない。したがって、製造コストを低く維持することが可能である。
【0043】
請求項2に係る無機粉体含有樹脂被覆電線のような電線は、電気機器などに用いられることが多い。電気機器によっては、その製造工程の中で、摂氏200度程度の温度でその電気機器の一部を処理する工程が設けられる場合がある。このため、このような工程においてコイルにされた無機粉体含有樹脂被覆電線の樹脂を分解して無機物質で被覆された電線からなるコイルを作製すると、電線の樹脂を熱分解させる工程を別に設ける必要をなくすことができる。また、電気機器の一部を損傷させることがなければ、そのような工程において電気機器の一部を摂氏300度あるいは摂氏400度で処理しても同様の効果を得ることができる。しかし、省エネルギーを考慮すると、低温である方が好ましい。
【0044】
請求項3に係る無機粉体含有樹脂被覆電線の被覆層に含まれる無機粉体の形状は、鱗片形状である。鱗片形状の粉体は、層状に重なりやすい、このため、球状の粉体よりも粒子間の接着面積が大きくなり、被膜化しやすいと推察される。したがって、ピンホールなどの欠陥のない皮膜を容易に形成することができる。
請求項4に係る無機粉体含有樹脂被覆電線の被覆層に含まれる無機粉体は、窒化ケイ素を成分として含む。窒化ケイ素は、摂氏2000度以上の融点を有する。このため、窒化ケイ素を主成分とする耐熱絶縁層を形成することができれば、極めて過酷な環境下でも、その電線の寿命は、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂などを被覆した電線の寿命よりも長くなるはずである。このため、電気機器の部品交換などの回数を低減できる。
【0045】
請求項5に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線に含まれる無機粉体の平均粒子径が0.01マイクロメートルから1.5マイクロメートルである場合、良好な無機粉体被膜が形成される。しかし、平均粒子系が0.01マイクロメートル付近である場合は、樹脂溶液への分散性が比較的悪くなり、また、無機粉体の取り扱いも難しくなる。したがって、無機粉体の平均粒子系は、0.1マイクロメートルから1.5マイクロメートルであることが好ましい。このようにすれば、樹脂溶液への分散性および無機粉体の取り扱いが改善される。
【0046】
請求項6に係る二層被覆電線は、無機粉体含有樹脂被覆電線をさらに樹脂で被覆した電線である。このため、無機粉体含有樹脂被覆電線よりも速くコイルを作製することができる。
請求項7に係る二層被覆電線の最外層の樹脂は、滑性剤を含有する。このため、電線の滑走性をさらに向上させることができる。したがって、コイルをさらに高速で作製することができる。
【0047】
請求項8に係る二層被覆電線を高温にさらしたとき、最外層の樹脂が優先的に分解する。したがって、分解物の気化が速やかに行われ、無機粉体で被覆される電線の形状を良好に保つことができる。
請求項9に係る無機粉体含有樹脂被覆電線コイルは、無機粉体含有樹脂被覆電線から容易に作製することができる。そして、コイル作製後に樹脂を熱分解して除去すると、無機物質で被覆されたコイルを作製することができる。
【0048】
請求項10に係る二層被覆電線コイルは、二層被覆電線から容易に作製することができる。そして、コイル作製後に樹脂を熱分解して除去すると、無機物質で被覆されたコイルを作製することができる。
請求項11に係る無機物質被覆絶縁コイルの製造方法では、無機物質で被覆された電線から構成されるコイルを容易に作製することができる。
【0049】
請求項12に係る無機物質被覆絶縁コイルは、無機物質で被覆される電線から構成される。無機物質、例えばセラミックスなどは、樹脂なみの優れた絶縁性を有する。また、このセラミックスなどは樹脂よりも優れた耐熱性を有することが多い。このため、極めて過酷な環境下でも、その電線の寿命は、従来のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂などで被覆される電線の寿命よりも長くなるはずである。このため、電気機器の部品交換などの回数を低減できる。
【0050】
請求項13に係る電気機器に、無機物質被覆絶縁コイルを用いれば、その電気機器に関して損失を低減させることができる。
請求項14に係る電気機器の製造方法では、圧粉鉄心をコイル内に形成すると同時にコイルに絶縁層を形成することができる。したがって、生産工程を増加させることなく、無機物質被覆絶縁コイルに鉄心を導入することができる。また、このようにしてコイルに圧粉鉄心を形成すれば、コイル内およびコイルを構成する電線間に生じる内表面の凹部に原料粉体が入り込むため、コイルの導体の占積率を向上することができる。
【0051】
請求項15に係る電気機器の製造方法では、未焼結の鉄心を用いると、鉄心を焼結すると同時にコイルに絶縁層を形成することができる。したがって、生産工程を増加させることなく、無機物質被覆絶縁コイルを作製することができる。
請求項16に係る電気機器の製造方法では、電気機器の生産工程が簡素化され電気機器の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る(a)無機粉体含有樹脂被覆電線21、(b)二層被覆電線22および(c)無機物質被覆絶縁コイルを構成する無機物質被覆絶縁電線23の断面図。
【符号の説明】
11 導体
12 無機粉体含有樹脂層
13 樹脂層
14 無機物質絶縁層
21 無機粉体含有樹脂被覆電線
22 二層被覆電線
23 無機物質被覆絶縁コイルを構成する無機物質被覆絶縁電線
Claims (16)
- 導体(11)が、無機粉体が分散されている樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)(12)によって被覆される、無機粉体含有樹脂被覆電線(21)。
- 前記樹脂は、摂氏400度以下、好ましくは摂氏300度以下、より好ましくは摂氏200度以下で分解する、
請求項1に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)。 - 前記無機粉体の形状は、鱗片形状である、
請求項1または2に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)。 - 前記無機粉体は、窒化ケイ素を成分として含む、
請求項1から3のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)。 - 前記無機粉体の平均粒子径は、0.01マイクロメートルから1.5マイクロメートル、好ましくは0.1マイクロメートルから1.5マイクロメートルである、請求項1から4のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)。
- 請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)が、無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)(13)で被覆される、
二層被覆電線(22)。 - 前記無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)(13)は、滑性剤を含有する、
請求項6に記載の二層被覆電線(22)。 - 前記無機粉体が分散されている樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)(12)の熱分解温度は、前記無機粉体を含まない樹脂(ケイ素を骨格の一部に含む樹脂を除く。)(13)の熱分解温度よりも高い、
請求項6に記載の二層被覆電線(22)。 - 請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)から作製される、無機粉体含有樹脂被覆電線コイル。
- 請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線(22)から作製される、二層被覆電線コイル。
- 請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線(22)を巻回してコイルを作製するコイル作製工程と、
前記無機粉体含有樹脂被覆電線(21)、あるいは前記二層被覆電線(22)に含有される樹脂を熱分解させて無機物質被覆絶縁コイルを作製する無機物質被覆絶縁コイル作製工程と、
を備える、無機物質被覆絶縁コイルの製造方法。 - 請求項11に記載の製造方法により得られる、無機物質被覆絶縁コイル。
- 請求項12に記載の無機物質被覆絶縁コイルを用いた、電気機器。
- 請求項9に記載の無機粉体含有樹脂被覆電線コイル(21)、あるいは請求項10に記載の二層被覆電線コイル(22)に対して圧粉鉄心の原料粉体を導入する導入工程と、
前記圧粉鉄心の原料粉体を圧縮して、さらに焼結することによって圧粉鉄心を作製する圧粉鉄心作製工程と、
を備え、
前記圧粉鉄心作製工程において、前記コイルに含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する、電気機器の製造方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂被覆電線(21)、あるいは請求項6から8のいずれかに記載の二層被覆電線(22)を鉄心に巻回して鉄心入りコイルを作製する鉄心入りコイル作製工程と、
前記鉄心入りコイルを熱処理する熱処理工程と、
を備え、
前記熱処理工程において、前記鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂が熱分解されることによって無機物質被覆絶縁コイルが生成する、電気機器の製造方法。 - 前記熱処理工程において、前記鉄心入りコイルのコイル部分に含有される樹脂の熱分解による無機物質被覆絶縁コイルの生成と、鉄心の酸被および焼鈍の少なくとも一方とを行う、
請求項15に記載の電気機器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042085A JP4617634B2 (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 電気機器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042085A JP4617634B2 (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 電気機器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004253233A true JP2004253233A (ja) | 2004-09-09 |
JP4617634B2 JP4617634B2 (ja) | 2011-01-26 |
Family
ID=33025459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003042085A Expired - Fee Related JP4617634B2 (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 電気機器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4617634B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013054738A1 (ja) * | 2011-10-11 | 2013-04-18 | 東特塗料株式会社 | 重層コ-トの電気絶縁電線 |
WO2018088264A1 (ja) * | 2016-11-08 | 2018-05-17 | アルプス電気株式会社 | インダクタンス素子およびその製造方法 |
CN111863409A (zh) * | 2020-09-03 | 2020-10-30 | 长兴索菲特电子股份有限公司 | 一种降噪型工字电感及其制造方法 |
CN114551075A (zh) * | 2022-01-05 | 2022-05-27 | 深圳市信维通信股份有限公司 | 一种电感制作方法 |
Citations (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5641608A (en) * | 1979-09-08 | 1981-04-18 | Fujikura Ltd | Heat resistant insulating wire |
JPS5711415A (en) * | 1980-06-25 | 1982-01-21 | Fujikura Ltd | Refractory insulated wire |
JPS5916210A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-01-27 | 株式会社フジクラ | 耐熱マグネツトワイヤ− |
JPH03127809A (ja) * | 1989-10-13 | 1991-05-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 耐熱絶縁コイルの製造方法 |
JPH03142806A (ja) * | 1989-10-30 | 1991-06-18 | Shinko Electric Co Ltd | 電気機器用の耐熱巻線の製作方法 |
JPH0439819A (ja) * | 1990-06-06 | 1992-02-10 | Murata Mfg Co Ltd | ケーブル |
JPH0684674A (ja) * | 1992-09-03 | 1994-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐熱コイルの製作方法 |
JPH0948851A (ja) * | 1995-06-02 | 1997-02-18 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ポリアミック酸およびポリイミド |
JPH09204823A (ja) * | 1995-11-24 | 1997-08-05 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 絶縁電線およびこれを用いた電気機器 |
JPH10172354A (ja) * | 1996-12-16 | 1998-06-26 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 絶縁電線およびこれを用いた電気機器 |
JPH11130993A (ja) * | 1997-10-27 | 1999-05-18 | Optec Dai Ichi Denko Co Ltd | 絶縁塗料及び絶縁電線とこれを用いた電気機器 |
JPH11140184A (ja) * | 1997-11-11 | 1999-05-25 | Ube Ind Ltd | 新規なポリイミド前駆体、ポリイミドおよびその製造法 |
JP2001230113A (ja) * | 2000-02-14 | 2001-08-24 | Shinko Electric Co Ltd | 耐熱絶縁コイル |
JP2001307557A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-11-02 | Hitachi Cable Ltd | 耐部分放電性エナメル線用塗料及び耐部分放電性エナメル線 |
JP2001351440A (ja) * | 2000-06-01 | 2001-12-21 | Hitachi Cable Ltd | 高耐熱エナメル線 |
JP2002025344A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-25 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 絶縁塗料及びエナメル線 |
JP2004055185A (ja) * | 2002-07-17 | 2004-02-19 | Toshiba Aitekku Kk | エナメル線 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042085A patent/JP4617634B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5641608A (en) * | 1979-09-08 | 1981-04-18 | Fujikura Ltd | Heat resistant insulating wire |
JPS5711415A (en) * | 1980-06-25 | 1982-01-21 | Fujikura Ltd | Refractory insulated wire |
JPS5916210A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-01-27 | 株式会社フジクラ | 耐熱マグネツトワイヤ− |
JPH03127809A (ja) * | 1989-10-13 | 1991-05-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 耐熱絶縁コイルの製造方法 |
JPH03142806A (ja) * | 1989-10-30 | 1991-06-18 | Shinko Electric Co Ltd | 電気機器用の耐熱巻線の製作方法 |
JPH0439819A (ja) * | 1990-06-06 | 1992-02-10 | Murata Mfg Co Ltd | ケーブル |
JPH0684674A (ja) * | 1992-09-03 | 1994-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐熱コイルの製作方法 |
JPH0948851A (ja) * | 1995-06-02 | 1997-02-18 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ポリアミック酸およびポリイミド |
JPH09204823A (ja) * | 1995-11-24 | 1997-08-05 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 絶縁電線およびこれを用いた電気機器 |
JPH10172354A (ja) * | 1996-12-16 | 1998-06-26 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | 絶縁電線およびこれを用いた電気機器 |
JPH11130993A (ja) * | 1997-10-27 | 1999-05-18 | Optec Dai Ichi Denko Co Ltd | 絶縁塗料及び絶縁電線とこれを用いた電気機器 |
JPH11140184A (ja) * | 1997-11-11 | 1999-05-25 | Ube Ind Ltd | 新規なポリイミド前駆体、ポリイミドおよびその製造法 |
JP2001230113A (ja) * | 2000-02-14 | 2001-08-24 | Shinko Electric Co Ltd | 耐熱絶縁コイル |
JP2001307557A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-11-02 | Hitachi Cable Ltd | 耐部分放電性エナメル線用塗料及び耐部分放電性エナメル線 |
JP2001351440A (ja) * | 2000-06-01 | 2001-12-21 | Hitachi Cable Ltd | 高耐熱エナメル線 |
JP2002025344A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-25 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 絶縁塗料及びエナメル線 |
JP2004055185A (ja) * | 2002-07-17 | 2004-02-19 | Toshiba Aitekku Kk | エナメル線 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013054738A1 (ja) * | 2011-10-11 | 2013-04-18 | 東特塗料株式会社 | 重層コ-トの電気絶縁電線 |
JP2013101917A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-23 | Totoku Toryo Co Ltd | 重層コ−トの電気絶縁電線 |
WO2018088264A1 (ja) * | 2016-11-08 | 2018-05-17 | アルプス電気株式会社 | インダクタンス素子およびその製造方法 |
JPWO2018088264A1 (ja) * | 2016-11-08 | 2019-07-04 | アルプスアルパイン株式会社 | インダクタンス素子およびその製造方法 |
US11195651B2 (en) | 2016-11-08 | 2021-12-07 | Alps Alpine Co., Ltd. | Inductance element |
CN111863409A (zh) * | 2020-09-03 | 2020-10-30 | 长兴索菲特电子股份有限公司 | 一种降噪型工字电感及其制造方法 |
CN111863409B (zh) * | 2020-09-03 | 2021-11-02 | 长兴索菲特电子股份有限公司 | 一种降噪型工字电感及其制造方法 |
CN114551075A (zh) * | 2022-01-05 | 2022-05-27 | 深圳市信维通信股份有限公司 | 一种电感制作方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4617634B2 (ja) | 2011-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108701519B (zh) | 二氧化硅系绝缘包覆压粉磁芯及其制造方法和电磁电路部件 | |
EP2058823B1 (en) | Flexible insulated wires for use in high temperatures and methods of manufacturing | |
US20180130600A1 (en) | Metal matrix composite wire, power inductor, and preparation methods for same | |
JP6504288B1 (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 | |
CA2761374C (en) | High temperature high frequency magnet wire and method of making | |
EP2568476A1 (en) | Insulated electric wire, electric device, and process for production of insulated electric wire | |
JP2827333B2 (ja) | 耐熱絶縁コイルの製造方法 | |
US8680397B2 (en) | Attrition-resistant high temperature insulated wires and methods for the making thereof | |
CA2270390A1 (en) | Anode, process for anodizing, anodized wire and electric device comprising such anodized wire | |
JP2022101918A (ja) | コイル部品及びその製造方法 | |
JP4617634B2 (ja) | 電気機器の製造方法 | |
JP2018186175A (ja) | コイル用巻線 | |
CN111316385A (zh) | 压粉磁芯、用于磁芯的粉末及其制造方法 | |
JP7456234B2 (ja) | 金属磁性粒子、インダクタ、金属磁性粒子の製造方法及び金属磁性体コアの製造方法 | |
JP6556780B2 (ja) | 圧粉磁心、磁心用粉末およびそれらの製造方法 | |
JP2022123530A (ja) | コイル部品の製造方法 | |
JP2007005174A (ja) | 絶縁被覆電線、コイル及びその製造方法 | |
JPH10130882A (ja) | 電子ワイヤー用複合金属線材及びその製造方法 | |
JP3228520B2 (ja) | 真空用電線 | |
JPH0620518A (ja) | 導電性熱硬化型塗料 | |
JP2000011768A (ja) | 無機巻線 | |
JPH09198932A (ja) | 耐熱・耐摩耗性エナメル線 | |
CN117043891A (zh) | 导体与绝缘被膜的层叠体、线圈以及旋转电机 | |
TW202216440A (zh) | 導體與絕緣被膜之積層體、線圈、旋轉電機、絕緣塗料及絕緣膜 | |
JP2020119645A (ja) | 放熱性の高い絶縁電線及びそれを用いたコイル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090529 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20090529 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100928 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101011 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |