JPWO2018088264A1 - インダクタンス素子およびその製造方法 - Google Patents

インダクタンス素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018088264A1
JPWO2018088264A1 JP2018550148A JP2018550148A JPWO2018088264A1 JP WO2018088264 A1 JPWO2018088264 A1 JP WO2018088264A1 JP 2018550148 A JP2018550148 A JP 2018550148A JP 2018550148 A JP2018550148 A JP 2018550148A JP WO2018088264 A1 JPWO2018088264 A1 JP WO2018088264A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
inductance element
winding
thickness
inter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018550148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6813588B2 (ja
Inventor
小島 章伸
章伸 小島
誠作 今井
誠作 今井
佐藤 昭
昭 佐藤
佐藤 桂一郎
桂一郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Alps Alpine Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Publication of JPWO2018088264A1 publication Critical patent/JPWO2018088264A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6813588B2 publication Critical patent/JP6813588B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/04Fixed inductances of the signal type  with magnetic core
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2823Wires
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/24Magnetic cores
    • H01F27/255Magnetic cores made from particles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/04Fixed inductances of the signal type  with magnetic core
    • H01F17/045Fixed inductances of the signal type  with magnetic core with core of cylindric geometry and coil wound along its longitudinal axis, i.e. rod or drum core
    • H01F2017/046Fixed inductances of the signal type  with magnetic core with core of cylindric geometry and coil wound along its longitudinal axis, i.e. rod or drum core helical coil made of flat wire, e.g. with smaller extension of wire cross section in the direction of the longitudinal axis
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/04Fixed inductances of the signal type  with magnetic core
    • H01F2017/048Fixed inductances of the signal type  with magnetic core with encapsulating core, e.g. made of resin and magnetic powder
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2847Sheets; Strips
    • H01F27/2852Construction of conductive connections, of leads
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/32Insulating of coils, windings, or parts thereof
    • H01F27/323Insulation between winding turns, between winding layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

磁性粉末20Pを含む成形体からなる磁性コア20の内部にコイル10の一部が埋め込まれているインダクタンス素子1であって、コイル10の磁性コア20の内部に埋め込まれている部分は、線状の導電材11Mと導電材11Mの表面を被覆する絶縁被膜(被覆樹脂層12)とを備えるコイル用線材(導電性帯体11)が巻回してなる巻回部10Cを備え、巻回部10Cの絶縁被覆(被覆樹脂層12)のうち、磁性粉末20Pに接触しうる領域に位置する絶縁被膜12は、磁性粉末20Pとの接触によってその厚さが薄肉化した薄肉部分12tを有し、下記式(I)で定義される食い込み比率Rは0.4以上0.85以下であることを特徴とするインダクタンス素子が提供される:
R=ds/B (I)
B:コイル間絶縁被膜12iの平均厚さ(単位:μm)
ds:最大食い込み量(単位:μm)。

Description

本発明は、磁性コアにコイルが埋め込まれたインダクタンス素子に関する。
特許文献1には、絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる圧粉体と、前記圧粉体中に埋め込まれた、周囲が絶縁被覆された扁平状の導体が巻回されたコイルと、を備えたことを特徴とするコイル封入圧粉磁芯が開示されている。そして、このようなコイル封入圧粉磁芯は、絶縁処理した圧粉磁芯用強磁性粉末に潤滑剤を混合した混合粉末とコイルとを用いて加圧成形することにより製造されることが記載されている(特許文献1図9から図11)。
特開2002−324714号公報
特許文献1に開示されるようなコイル封入圧粉磁心を備えるインダクタンス素子は、スマートフォンなどの携帯通信端末の表示部を駆動するための部品として多数使用されている。携帯通信端末には薄型化や小型化などの要請が継続的に存在し、最大表示輝度を高めるなど表示部の能力を高めることへの要請も継続的に存在する。こうした要請の存在を背景として、インダクタンス素子は、素子としての基本特性(例えばL/DCR値)を適切に確保しつつ、さらに、小型化(低背化を含む。)と絶縁耐圧の向上(駆動電圧の高電圧化への対応)という、基本的には二律背反の要請に応えることが求められている。
本発明は、かかる現状を背景として、インダクタンス素子が小型化した場合であっても、絶縁耐圧および素子機能を適切に確保することが可能なインダクタンス素子を提供することを目的とする。本発明は、かかるインダクタンス素子の製造方法を提供することをも目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、磁性粉末を含む成形体からなる磁性コアの内部にコイルの一部が埋め込まれているインダクタンス素子であって、前記コイルの前記磁性コアの内部に埋め込まれている部分は、線状の導電材と前記導電材の表面を被覆する絶縁被膜とを備えるコイル用線材が巻回してなる巻回部を備え、前記巻回部の前記絶縁被覆のうち、前記磁性粉末に接触しうる領域に位置する前記絶縁被膜は、前記磁性粉末との接触によってその厚さが薄肉化した薄肉部分を有し、下記式(I)で定義される食い込み比率Rは0.4以上0.85以下であることを特徴とするインダクタンス素子である:
R=ds/B (I)
B:前記巻回部において並置される任意の2つの前記導電材の間に位置する前記絶縁被膜であるコイル間絶縁被膜の厚さを100点以上測定して、得られた測定結果の算術平均値であるコイル間絶縁被膜の平均厚さ(単位:μm)
ds:前記薄肉部分のうち前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBよりも薄い部分の厚さを、前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBから引いた値である食い込み量d(単位:μm)を、一つのインダクタンス素子について15点以上測定し、得られた測定結果の度数分布を正規分布で近似したときに、この正規分布の平均daと標準偏差σの3.99倍の値との和(da+3.99σ)である最大食い込み量(単位:μm)
かかるインダクタンス素子では、コイルの巻回部における絶縁被膜の一部の厚さを適切に薄くすること(換言すれば、適切な厚さの薄肉部分を有すること)が実現されている。このような構成を備えることにより、インダクタンス素子が小型化、低背化された場合であっても、絶縁耐圧が過度に低下しない程度の厚さの絶縁被膜を有するコイルを用いながら、インダクタンス素子の基本特性、特に、L/DCRの低下を抑制することができる。
上記のインダクタンス素子において、前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBは1μm以上5μm以下であってもよい。コイル間絶縁被膜の平均厚さBがこの程度の場合には、絶縁被膜にピンホールが生じることを適切に抑制しつつ、インダクタンス素子の形状を小型化、低背化することが可能である。
上記のインダクタンス素子において、前記磁性粉末は少なくとも一部がアモルファス合金材料からなってもよい。アモルファス合金材料からなる磁性粉末は一般的に硬質であるため、インダクタンス素子を製造する際に、外部から加えられる圧力、あるいは熱膨張により生じる圧力によって変形しにくい。このため、磁性粉末がコイルの絶縁被膜に食い込みやすく、前述の薄肉部分が形成されやすい。
上記のインダクタンス素子において、前記磁性粉末のメジアン径D50が1μm以上15μm以下であることが、薄肉部分の形成しやすさの観点から好ましい場合がある。
上記のインダクタンス素子において、前記絶縁被覆はポリイミド系材料を含有することが好ましい。特に、インダクタンス素子を製造する際に、コイルの巻回部が磁性コア内に埋め込まれた状態で加熱して、巻回部の熱膨張率と磁性コアの熱膨張率との差を利用して磁性粉末を絶縁被膜に食い込ませて薄肉部を形成する場合には、この加熱された状態において絶縁被膜が過度に塑性変形する材料であると、薄肉部分の厚さが過度に薄くなりやすく、絶縁破壊を生じる可能性が高くなってしまう。したがって、上記のような方法により薄肉部分を形成する場合には、絶縁被膜はポリイミドなど軟化点が高い材料を含有することが好ましい。
上記のインダクタンス素子において、前記導電材は帯状であって、前記コイル用線材は前記巻回部においてエッジワイズ巻きされていてもよい。
上記のインダクタンス素子において、前記薄肉部分の厚さの測定は、前記巻回部における巻き中心線に沿った方向の端部に位置する前記コイル用線材の前記絶縁被膜を対象とすることが好ましい場合がある。
上記のインダクタンス素子において、前記巻回部の巻き中心線に沿った方向における前記コイル用線材の前記磁性コア内への埋め込み深さが0.25mm以下である部分を有していてもよい。インダクタンス素子の低背化を、基本特性を維持しつつ達成しようとすれば、上記の領域におけるコイル用線材の埋め込み深さが薄くなる傾向がある。しかしながら、本発明に係るインダクタンス素子では、前述のとおり、低背化しても絶縁耐圧および基本特性(特にL/DCR)を適切に確保することが可能であるから、上記の埋め込み深さが0.25mm以下となる部分を有していてもよい。
本発明は、別の一態様として、上記の本発明に係るインダクタンス素子の製造方法を提供する。かかる製造方法は、磁性コアを形成するための原料部材と、絶縁被膜および導電材を備えるコイル用線材の巻回部を有するコイルとを金型内に配置して加圧成形することにより、前記巻回部が磁性コアの内部に埋め込まれた成形製造物を得る成形ステップと、前記成形製造物を加熱して前記巻回部の前記導電材を熱膨張させることにより、前記巻回部の前記絶縁被膜に前記磁性粉末を押し込んで、前記絶縁被膜の厚さが薄肉化した薄肉部分を形成する熱処理ステップとを備えることを特徴とする。
上記の製造方法によれば、薄肉部分を有するインダクタンス素子を効率的かつ安定的に形成することができる。また、熱処理ステップにおける熱処理条件を適切に設定すれば、成形ステップにおいて磁性コアの構成材料(特に磁性粉末)に生じた歪を緩和することも可能である。
前記成形ステップにおける加圧方向は、前記巻回部の巻き中心線に沿った方向であることが好ましい場合がある。
前記熱処理ステップにおける加熱温度は、前記絶縁被膜を構成する材料の軟化温度の2倍以下であることが好ましい。熱処理ステップにおいて磁性粉末が絶縁被膜に過度に食い込むことが、より安定的に抑制される。
本発明によれば、インダクタンス素子が小型化した場合であっても、絶縁耐圧および素子機能を適切に確保することが可能なインダクタンス素子が提供される。また、本発明によれば、かかるインダクタンス素子の製造方法も提供される。
本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子に使用されるコイルが巻き成形された直後の状態を示す斜視図である。 コイルに端子部が曲げ成形された状態を示す斜視図である。 コイルの断面図であり、図1のIII−III線の断面図である。 インダクタンス素子の断面図であり、図2のIV−IV線の断面図である。 図4の一部を拡大した部分拡大断面図に相当する観察画像である。 巻回部の巻き中心線に沿った方向の端部を含む領域の拡大観察画像である。 巻回部の巻き中心線に沿った方向の端部における磁性粉末の食い込みを概念的に説明する図である。 成形ステップにおいて金型のキャビティ内に配置されるコイルの形状を概念的に示す斜視図である。 成形ステップにおいて金型内に配置される原料部材の一方の構造を概念的に示す斜視図である。 成形ステップにおいて金型内に配置される原料部材の他方の構造を概念的に示す斜視図である。 成形ステップを説明するための図であって、金型および金型内に配置した部材を概念的に示す断面図である。 コイルの絶縁耐圧(単位:V)と食い込み比率Rとの関係を示すグラフである。 L/DCR(単位:mH/Ω)と食い込み比率Rとの関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1は、圧粉成形体である磁性コア20にコイル10が埋め込まれている。図2では、磁性コア20内に埋設されるコイル10を実線で示し、磁性コア20の外面を点線で示した。
図1と図2に示すように、コイル10は、コイル用線材の一種である導電性帯体11を巻いて形成される巻回部10Cを備える。この巻回部10Cは、磁性コア20内に埋め込まれている部分である。図1および図2に示すように、導電性帯体11は、対向する板面11a,11aと、対向する側端面11b,11bとを有する。図3に示すように、導電性帯体11は、断面が長方形の形状を有する線状の導電材11Mと、導電材11Mの表面を被覆する絶縁被膜の一種である被覆樹脂層12とを備える。
導電性帯体11の導電材11Mは銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性材料から形成されており、被覆樹脂層12はポリイミド系材料、エポキシ系材料、ポリイミドアミド系材料などから形成されている。後述するように、本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1を効率的に製造する観点から、被覆樹脂層12を構成する材料は耐熱性に優れること、特に軟化温度が高いことが好ましい。したがって、耐熱性に優れるポリイミド系材料は、被覆樹脂層12の構成材料として好適である。
図1、図2にコイル10の巻き中心線Oが示されている。コイル10は、導電性帯体11の板面11aが巻き中心線Oとほぼ垂直となり、厚さ方向を決めている側端面11bが巻き中心線Oと平行となる向きで、板面11aどうしが巻き中心線Oに沿って重なるように巻かれている。図1および図2に示すように、コイル10は、導電性帯体11が楕円形となるように巻かれている。なお、図1および図2では、コイル10は楕円形となっているが、真円形でも良く、当業者において適宜選択することができる。
図1に示すように、コイル10が楕円状に巻かれた状態で、コイル10から導電性帯体11の第1の端部13と第2の端部16とが突出している。ここで、端部13,16とは、導電性帯体11のうちのコイル10として巻かれていない両端部分を意味している。
図2に示すように、第1の端部13は、第1の折れ線14aによって谷折り方向へほぼ直角に曲げられ、第2の折れ線14bによって山折り方向へほぼ直角に曲げられ、第3の折れ線14cと第4の折れ線14dのそれぞれにおいて谷折り方向へほぼ直角に折り曲げられる。第2の端部16は、第1の折れ線17aにおいて山折れ方向へほぼ直角に折り曲げられ、第2の折れ線17bと第3の折れ線17cおよび第4の折れ線17dにおいて、谷折り方向へほぼ直角に折り曲げられている。
第1の端部13は、第4の折れ線14dよりも先の部分が第1の端子部15であり、第2の端部16は、第4の折れ線17dよりも先の部分が第2の端子部18である。
なお、インダクタンス素子1を図示しないプリント基板上に設置する場合、第1の端子部15および第2の端子部18を下側に向けるため、図2の上側に向く面は、プリント基板上での設置状態では、下面(裏面)に該当する面である。
図2に示すように、圧粉成形体である磁性コア20は、上面21と下面(裏面)22を有しさらに4つの側面を有する立方体形状である。図2に示すように、コイル10から延びる導電性帯体11の第1の端部13および第2の端部16のそれぞれにより形成された第1の端子部15と第2の端子部18は、それぞれの外側の面が、磁性コア20の下面22に露出し、第1の端子部15と第2の端子部18のそれぞれの外側の面が磁性コア20の下面22とほぼ同一面となる。
また、図2に示すように、導電性帯体11の第1の端部13の折れ線14cと折れ線14dとの間の部分の板面11aが、磁性コア20の1つの側面23に現れる。また、第2の端部16の折れ線17cと折れ線17dとの間の部分の板面11aも、磁性コア20の側面23に現れる。それぞれの板面11aと側面23とがほぼ同一面である。
図4は、インダクタンス素子の断面図であり、図2のIV−IV線の断面図である。図5は、図4の一部を拡大した部分拡大断面図に相当する観察画像である。
図4に示されるように、巻回部10Cでは、導電材11Mが長方形の形状の断面の短軸に沿った方向に重なるように巻回されている。図5に示されるように、重なる導電材11Mの間、およびその周囲を覆うように、被覆樹脂層12が位置している。図5において、方向Hは、コイル10の巻き中心線Oに沿った方向である。
近年、インダクタンス素子1を小型化、特に低背化することへの要請が高まっている。この要請に応える一つの方法が、被覆樹脂層12の厚さを薄くすることである。実際、従来、被覆樹脂層12の厚さは10μm程度またはそれ以上であったが、近年は、5μmまたはそれ以下の厚さとなってきている。インダクタンス素子1の低背化を実現する観点のみからは、被覆樹脂層12の厚さを薄くすることが好ましいが、この厚さが過度に薄くなると、厚さのばらつきの影響が顕著となって、絶縁耐圧の著しい低下をもたらす。このため、現実的には、1μm程度が下限となる。
また、インダクタンス素子1の低背化を実現する観点から、巻回部10Cの周囲に位置する磁性コア20のうち、図4に示される、巻き中心線Oに沿った方向の端部に位置する領域20A,20Bの体積が少なくなってきている。この領域はコイル10から発生した磁束の密度が特に高い領域であるため、この領域の体積が少なくなると、コイル特性、特にL/DCRが低下する傾向がみられる場合がある。
さらに、後述する実施例において示されるように、絶縁耐圧を高めるべく、被覆樹脂層12の厚さを厚くすると、L/DCRが低下する傾向がみられる。
上記のように、インダクタンス素子1の低背化を実現すべく、被覆樹脂層12の厚さを単に薄くするだけでは、コイル特性の劣化、特に絶縁耐圧の低下が懸念される。特に被覆樹脂層12の厚さを1μm未満にすると、被覆樹脂層12の厚さがばらつき、被覆樹脂層12が導電材11Mを適切に覆いきれない部分(ピンホールなど)が生じる可能性が高くなる。このようなインダクタンス素子1では、コイル10において導電材11Mが露出する部分を有することになるため、絶縁耐圧が0Vとなることが発生する。
一方、絶縁耐圧の低下を抑えるために、被覆樹脂層12の厚さを厚くすると、L/DCRが低下することが懸念され、絶縁耐圧を維持したままL/DCRを高めることは困難であった。
この問題を解決するために検討したところ、図6および図7を用いて説明するように、被覆樹脂層12に対する磁性粉末の食い込み量を制御することによって、一定以上の絶縁耐圧を維持したままコイル特性、特にL/DCRを高めることができることが確認された。
図6は、巻回部の巻き中心線に沿った方向の端部を含む領域の拡大観察画像である。図7は、巻回部の巻き中心線に沿った方向の端部における磁性粉末の食い込みを概念的に説明する図である。
図6に示されるように、巻回部10Cの巻き中心線Oに沿った方向の端部(以下、「巻回軸端部」ともいう。なお、図5では巻回軸端部が符号10cおよび10dで示されている。)では、磁性粉末20Pに接触しうる領域(巻回軸端部)に位置する被覆樹脂層(以下、「端部絶縁被膜」ともいう。)12oは、磁性粉末20Pとの接触によってその厚さが薄肉化した薄肉部分12tを有する。図6は、図5において符号10dで示される巻回軸端部の拡大図であって、端部絶縁被膜12oに接する磁性粉末20Pcおよび端部絶縁被膜12oに食い込んだ状態にある磁性粉末20Pdが図6に示されている。端部絶縁被膜12oに磁性粉末20Pdが食い込むと、端部絶縁被膜12oの厚さは薄くなって、その部分は薄肉部分12tとなる。薄肉部分12tの厚さは、巻回部10Cにおいて並置される導電材11Mの間に位置する被覆樹脂層(以下、「コイル間絶縁被膜」ともいう。)12iの厚さよりも薄い。
理由は明確でないものの、このような薄肉部分12tが存在することにより、インダクタンス素子1のコイル特性、特にL/DCRが高くなる。この点に関しては、磁性粉末をインダクタンス素子1により多く充填することが可能となることが影響している可能性がある。一方、このような薄肉部分12tを形成しない場合、インダクタンス素子1の小型化・低背化に対応すべく巻回部10Cにおける被覆樹脂層12の厚さを製造上可能な薄さ(2〜5μm)としても、L/DCRの更なる向上は期待できない。しかし、上記のような薄肉部分12tを適切に設けることによって、コイル特性、L/DCRの更なる向上が可能である。
具体的には、次に定義するコイル間絶縁被膜12iの平均厚さBおよび食い込み量dに基づき設定される食い込み比率Rを適切に設定することによって、小型化・低背化したインダクタンス素子であっても、絶縁耐圧の低下とコイル特性の劣化とを適切に抑制することができる。
本明細書において、「コイル間絶縁被膜12iの平均厚さB」とは、巻回部10Cにおいて並置される任意の2つの導電材11M,11Mの間に位置する絶縁被膜(被覆樹脂層12)であるコイル間絶縁被膜12iの厚さを100点以上測定して、得られた測定結果の算術平均値(単位:μm)を意味する。ここで、並置される任意の2つの導電材11M,11M間には、通常、それぞれの導電材11M上に位置する2つのコイル間絶縁被膜12iが近接配置されている(図6参照)。コイル間絶縁被膜12iの厚さを測定する際に、これらの2つのコイル間絶縁被膜12iが識別可能である場合には、それぞれのコイル間絶縁被膜12iの厚さを測定する。図6の左下には、このような方法で測定可能なコイル間絶縁被膜12iが示されている。一方、近接配置される2つのコイル間絶縁被膜12iの境界が融着などにより実質的に識別可能でない場合には、それらのコイル間絶縁被膜12iが付着する2つの導電材11M,11M間の距離を測定し、その距離の1/2を、その位置におけるコイル間絶縁被膜12iの厚さとする。図6の右下には、このような方法で測定するべきコイル間絶縁被膜12iが示されている。
本明細書において、「食い込み量d」とは、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBから、薄肉部分12tのうちコイル間絶縁被膜12iの平均厚さBよりも薄い部分の厚さaを引いた値(単位:μm)を意味する。
本明細書において、「食い込み上限値ds」は、一つのインダクタンス素子について、15点以上の食い込み量dを測定し、得られた測定結果の度数分布を正規分布で近似したときに、この正規分布の平均da(単位:μm)と、正規分布の標準偏差σ(単位:μm)の3.99倍の値との和(da+3.99σ)からなる値(単位:μm)である。この場合には、工程能力指数Cpkが1.33となる。食い込み上限値dsは、食い込み量dの統計的に推測される実質的な上限値である。正規分布を求めるために測定される食い込み量dの数は、20以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。この数の上限は設定されないが、食い込み上限値dsの精度を特に高める観点からは、100程度あれば十分である。
本明細書において、「食い込み比率R」とは、上記のコイル間絶縁被膜12iの平均厚さBおよび食い込み上限値dsから下記式により定義される。
R=ds/B (I)
本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1では、上記の食い込み比率Rが0.4以上0.85以下である。
食い込み比率Rが0.4以上であることにより、コイル特性の劣化、特にL/DCRの低下を適切に抑制することができる。L/DCRの低下をより安定的に抑制する観点から、食い込み比率Rは0.45以上であることが好ましい場合がある。一方、食い込み比率Rが0.85以下であることにより、絶縁耐圧の低下を適切に抑制することができる。絶縁耐圧の低下をより安定的に抑制する観点から、食い込み比率Rは0.8以下であることが好ましい場合がある。
食い込み比率Rを用いてインダクタンス素子1の特性を適切に制御することを容易にする観点から、インダクタンス素子1の構成要素は次の条件を満たすことが好ましい。
コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBは、1μm以上5μm以下であることが好ましい。コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBが1μm以上であることにより、インダクタンス素子1の絶縁耐圧の低下をより安定的に抑制することができる。この観点から、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBは、1.5μm以上であることが好ましい場合があり、2μm以上であることがより好ましい場合がある。
磁性粉末20Pは少なくとも一部がアモルファス合金材料からなることが好ましい。アモルファス合金材料は、結晶質合金材料に比べて一般的に硬質であり、薄肉部分12tが生じやすい。磁性粉末20Pは質量割合で50質量%以上がアモルファス合金材料からなることが、薄肉部分12tを適切に生じさせる観点から好ましい場合がある。アモルファス合金材料の具体的な組成は限定されない。具体例として、Fe−Si−B系合金、Fe−P−C系合金およびCo−Fe−Si−B系合金が挙げられる。アモルファス合金材料は1種類の材料から構成されていてもよいし複数種類の材料から構成されていてもよい。
アモルファス合金材料の一例であるFe−P−C系合金について組成の例を具体的に示せば、組成式が、Fe100原子%-a-b-c-x-y-z-tNiSnCr
Siで示され、0原子%≦a≦10原子%、0原子%≦b≦3原子%、0原子%≦c≦6原子%、6.8原子%≦x≦13原子%、2.2原子%≦y≦13原子%、0原子%≦z≦9原子%、0原子%≦t≦7原子%であるFe基非晶質合金が挙げられる。上記の組成式において、Ni,Sn,Cr,BおよびSiは任意添加元素である。
磁性粉末のメジアン径(体積基準の粒径分布において、小径側からの累積体積が50体積%になる粒径であり、粒度分布は、典型的には、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定により求められる。)D50が1μm以上15μm以下であることが好ましい。
導電材11Mは帯状であって、コイル用線材11は巻回部10Cにおいてエッジワイズ巻きされていることが好ましい。エッジワイズ巻きは巻回部10Cにおける導電材11Mの密度を高めることができる巻き方であり、コイル特性を向上させやすい。この場合において、薄肉部分12tの厚さの測定は、巻回部10Cにおける巻き中心線Oに沿った方向の端部(巻回軸側端部10c,10d)に位置するコイル用線材11の絶縁被膜(端部絶縁被膜12o)を対象とすることが好ましい。巻回軸側端部10c,10dは磁束密度が高まりやすい領域であり、この領域の薄肉部分12tの厚さがコイル特性、特にL/DCRに影響を与えやすい。
巻回部10の巻き中心線Oに沿った方向におけるコイル用線材11の磁性コア20内への埋め込み深さが0.25mm以下である部分を有するような低背型のインダクタンス素子1であっても、上記式(I)を満たすことにより、絶縁耐圧の低下およびコイル特性の低下を適切に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1の製造方法は限定されない。次に説明する製造方法を採用すれば、インダクタンス素子1を効率的に製造することが可能である。
本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1の製造方法は、次に説明する成形ステップおよび熱処理ステップを備える。
図8は、成形ステップにおいて金型のキャビティ内に配置されるコイルの形状を概念的に示す斜視図である。図9は成形ステップにおいて金型内に配置される原料部材の一方の構造を概念的に示す斜視図である。図10は成形ステップにおいて金型内に配置される原料部材の他方の構造を概念的に示す斜視図である。図11は、成形ステップを説明するための図であって、金型および金型内に配置した部材を概念的に示す断面図である。
成形ステップでは、磁性コア20を形成するための原料部材と、絶縁被膜(被覆樹脂層12)および導電材11Mを備え、コイル用線材11の巻回部10Cを有するコイル10とを金型30内に配置して加圧成形する。図11に示されるように、金型30は金型本体31、上型32および下型33からなり、金型本体31、上型32および下型33によりキャビティが画成される。図8に示されるように、コイル10の第1の端部13および第2の端部16は折り曲げられた状態とされる。図9に示される第1原料部材201がまず金型30のキャビティ内に配置される。次に、第1原料部材201の第1空隙部HP1内に巻回部10Cが載置されるように、図8に示される形状のコイル10が金型30のキャビティ内に配置される。続いて、第2空隙部HP2に巻回部10Cを収容するように、図10に示される第2原料部材202が金型30のキャビティ内に載置される。
こうして、第1原料部材201、コイル10および第2原料部材202からなる部材1Pが金型30のキャビティ内に配置されると、上型32および下型33が図11に示されるようにコイル10の巻き中心線Oに沿った方向に近接する。その結果、第1原料部材201、コイル10および第2原料部材202からなる部材には、コイル10の巻き中心線Oに沿った方向Pの圧力が加わり、成形加工が行われる。図11は、この加圧が行われている状態を示している。加圧により、第1原料部材201および第2原料部材202は変形して一体化し、磁性コア20が形成される。また、この際、コイル10の巻回部10Cの周囲に位置する磁性粉末20Pは、巻回部10Cの表面に位置する樹脂被覆層12が近接するように移動する。このため、コイル10の巻回部10Cの加圧方向Pに沿った方向を法線とする面などに位置する樹脂被覆層12では、磁性粉末20Pの樹脂被覆層12への食い込みが生じる場合がある。
成形条件は限定されない。第1原料部材201および第2原料部材202に含まれる材料(磁性粉末20P、樹脂成分など)、変形量などを考慮して、加圧力および加熱温度を設定すればよい。加熱しながら加圧する場合には、加圧力は低めに設定される場合がある。磁性粉末20Pがアモルファス合金からなる粉末を含む場合には、加圧力を高めることが好ましい場合がある。加圧力について限定されない例示を行えば、0.01GPa〜5GPaであり、磁性粉末20Pがアモルファス合金からなる粉末を含む場合には、0.5GPa〜3GPa程度が好ましいことがある。
こうして、成形ステップにより、コイル10の巻回部10Cが磁性コア20の内部に埋め込まれた成形製造物が得られる。
成形ステップに引き続いて行われる熱処理ステップでは、成形製造物を加熱して、コイル10の巻回部10Cの導電材11Mを熱膨張させる。この熱膨張を適切に生じさせる観点から、導電材11Mの熱膨張率は磁性コア20の熱膨張よりも大きいことが好ましい。この観点から、導電材11Mは、銅系材料やアルミニウム系材料であることが好ましい。加熱によって導電材11Mが磁性コア20の熱膨張よりも大きい熱膨張率で膨張することにより、コイル10の巻回部10Cの樹脂被覆層12が磁性粉末20Pに押し込まれる。その結果、一部の磁性粉末20Pは樹脂被覆層12に食い込んで、樹脂被覆層12の厚さが薄肉化した薄肉部分12tが形成される。
熱処理条件は、薄肉部分12tが適切に形成される限り、限定されない。熱処理条件について限定されない例示をすれば、最高到達温度は300℃〜600℃であり、加熱時間は10分〜10時間である。熱処理ステップにおいて行われる熱処理を用いて、成形製造物が有する加工歪を緩和してもよい。
このように、熱処理ステップでは、形成製造物に対して加熱が行われる。このため、コイル10の巻回部10Cにおける樹脂被覆層12が軟化点の低い融着層を有している場合には、この融着層を構成する材料(一般的には樹脂材料)は加熱によって融解、さらには分解し、導電材11Mの絶縁被膜としては機能しなくなる。したがって、本発明の一実施形態に係る製造方法によりインダクタンス素子1を製造する場合には、樹脂被覆層12は、熱処理ステップ後においても絶縁被膜として機能しうる程度の高い軟化点を有する材料を含む層を備える。かかる材料の軟化点の具体例として400℃〜500℃が挙げられ、軟化点の高い材料の具体例として、ポリイミドが挙げられる。
こうして熱処理ステップを経た成形製造物に対して、必要に応じて外装コーティングを行い、さらに印刷・めっきなどの方法を用いて電極を形成することにより、本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子1が得られる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、インダクタンス素子1が備えるコイル10の巻回部10Cでは、断面形状が長方形であるコイル用線材11は、その断面の短軸が巻き中心線Oに沿った方向に位置するように巻かれているが、これに限定されない。長方形の断面形状を有するコイル用線材11の断面の長軸が巻き中心線Oに沿った方向に位置するように巻かれていてもよい。そのような巻き方の具体例として、いわゆるα巻が挙げられる。また、コイル用線材11の断面は長方形でなくてもよく、正方形であってもよいし、円形であってもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
上記の本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子を上記の方法にて製造した。形状、製造条件は次のとおりであった。用いるコイル用線材を複数種類(特に絶縁被膜の厚さが異なる。)とすることにより、異なる種類のインダクタンス素子とした。
形状 素子の外形:2.5mm2.0mm×1.0mm(厚さ)
コイル用線材の断面形状:0.2〜0.25mm×0.02〜0.03mmの長方形
磁性コアの構成材料:Fe−P−C系アモルファス合金材料からなり、メジアン径D50が5〜8μmの磁性粉末を主成分とする。
絶縁被膜の構成材料:ポリイミド系材料
融着層の構成材料:ナイロン系材料
導電材の構成材料:銅系材料
巻回部形状:巻き数16〜18、総厚0.4〜0.5mm
成形ステップ
温度:常温(25℃)
圧力:0.6〜1.2GPa
熱処理ステップ
最高到達温度:350〜500℃
加熱時間:0.1〜1時間
得られた11種類のインダクタンス素子について、絶縁耐圧(単位:V)およびL/DCR(単位:mH/Ω)を測定した。測定結果を表1に示す。
絶縁耐圧は、Chroma社製「PROGRAMABLE HF AC TESTER MODEL 11802」を用いて、部分放電開始電圧(PDIV)を測定し、その結果から換算した。実施例に用いたコイル用線材を複数本用意し、それぞれについて周波数20kHzおよび180kHzの二条件で部分放電開始電圧(PDIV)を測定し、これらの結果の算術平均値を、そのコイル用線材の部分放電開始電圧Vr(単位:V)とした。
一方、各コイル用線材について断面観察を行い、観察画像における絶縁被膜の厚さを30点以上測定した。得られた絶縁被膜の厚さの測定結果の度数分布を正規分布と近似して、絶縁被膜の厚さの平均値darおよび標準偏差σrを求めた。そして、dar−3σrにより得られた値を、絶縁被膜の最も薄い部分(最薄部)の厚さdtr(単位:μm)とした。
こうして求めたコイル用線材の部分放電開始電圧Vrおよび最薄部の厚さdtrとから、下記式により、単位厚さ当たりの絶縁耐圧Vn(単位:V/μm)を求めた。
Vn=Vr/dtr
以上の方法により求められた絶縁耐圧Vnは86V/μmであった。
後述する方法により、各実施例における食い込み上限値ds(単位:μm)を求め(値は表1に示した。)、Vn×dsにより得られた値を、その実施例に係る絶縁耐圧(単位:V)とした。
L/DCRは、インダクタンスL(単位:μH)をAgilent Technologies社製のインピーダンス・アナライザ4294Aで測定し、直流抵抗DCR(単位:mΩ)を日置電機社製「ミリオームハイテスタ3540」で測定し、これら測定したLおよびDCRからL/DCR(単位:mH/Ω)を算出した。
各実施例により製造したインダクタンス素子を巻き中心線を含む面で切断し、得られた断面を走査電子顕微鏡により観察した。
図5および図6に示される画像は、実施例4に係るインダクタンス素子の断面画像である。この断面画像において、18枚の導電材11Mの間に位置するコイル間絶縁被膜12iから任意の225点を選び出し、これらのコイル間絶縁被膜12iの厚さを測定して、それらの測定値の算術平均値をコイル間絶縁被膜12iの平均厚さB(単位:μm)として求めた(表2参照)。
巻回部10Cにおける巻き中心線Oに沿った方向を向いた面10c,10dに位置する絶縁被膜(被覆樹脂層12o)から任意の66点を選び出し、絶縁被膜の厚さ(単位:μm)を測定した。これらの測定結果のうち、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さB以下の厚さを有する薄肉部分32点を選び出した。これらの選び出された薄肉部分の厚さのそれぞれについて、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBから引いて、食い込み量d(単位:μm)を求めた。表2に32点の食い込み量dを示す。
この食い込み量dの測定結果の度数分布を正規分布で近似すると、その正規分布は、平均daが0.469μmであって、標準偏差σが0.334μmとなった。したがって、工程能力指数Cpkが1.33となる食い込み上限値ds(=da+3.99σ)は1.80μmとなり、食い込み比率R(=ds/B)は、0.59となった(表1参照)。
他の実施例に係るインダクタンス素子についても、実施例5と同様の観察、測定、算出を行った。いずれの実施例においても、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBを求めるために100点以上のコイル間絶縁被膜12iを測定した。また、いずれの実施例においても、食い込み量dを算出するために測定されたコイル間絶縁被膜12iの平均厚さB以下の厚さを有する薄肉部分は15点以上であった。その結果を表1に示した。図12は、コイルの絶縁耐圧(単位:V)と食い込み比率Rとの関係を示すグラフである。図13は、L/DCR(単位:mH/Ω)と食い込み比率Rとの関係を示すグラフである。図12および図13の凡例は、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さB(単位:μm)を意味している。すなわち、「●」の「1.8−3.3」は、コイル間絶縁被膜12iの平均厚さBが1.8μm以上3.3以下の範囲にあった結果であることを意味している。他の記号(「○」、「▲」および「△」)も同様である。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えたインダクタンス素子は、スマートフォン、ノートパソコンなど携帯電子機器における表示部の電源回路の構成要素として好適に使用されうる。
1 インダクタンス素子
10 コイル
10C 巻回部
11 導電性帯体(コイル用線材)
11a 板面
11b 側端面
11M 導電材
12 被覆樹脂層(絶縁被膜)
O 巻き中心線
13 第1の端部
16 第2の端部
14a,17a 第1の折れ線
14b,17b 第2の折れ線
17c 第3の折れ線
14d,17d 第4の折れ線
15 第1の端子部
18 第2の端子部
20 磁性コア
20A,20B 磁性コア20のうち、巻き中心線Oに沿った方向側に位置する領域
21 上面
22 下面(裏面)
23 側面
10c,10d 巻回軸側端部
H 巻き中心線Oに沿った方向
20P 磁性粉末
12o 端部絶縁被膜
12t 薄肉部分
20Pc 端部絶縁被膜12oに接する磁性粉末
20Pd 端部絶縁被膜12oに食い込んだ状態にある磁性粉末
12i コイル間絶縁被膜
B コイル間絶縁被膜12iの平均厚さ
d 食い込み量
a 薄肉部分12tのうちコイル間絶縁被膜12iの平均厚さBよりも薄い部分の厚さ
30 金型
31 金型本体
32 上型
33 下型
201 第1原料部材
HP1 第1空隙部
202 第2原料部材
HP2 第2空隙部
1P 第1原料部材201、コイル10および第2原料部材202からなる部材
P 方向

Claims (11)

  1. 磁性粉末を含む成形体からなる磁性コアの内部にコイルの一部が埋め込まれているインダクタンス素子であって、
    前記コイルの前記磁性コアの内部に埋め込まれている部分は、線状の導電材と前記導電材の表面を被覆する絶縁被膜とを備えるコイル用線材が巻回してなる巻回部を備え、
    前記巻回部の前記絶縁被覆のうち、前記磁性粉末に接触しうる領域に位置する前記絶縁被膜は、前記磁性粉末との接触によってその厚さが薄肉化した薄肉部分を有し、
    下記式(I)で定義される食い込み比率Rは0.4以上0.85以下であることを特徴とするインダクタンス素子:
    R=ds/B (I)
    B:前記巻回部において並置される任意の2つの前記導電材の間に位置する前記絶縁被膜であるコイル間絶縁被膜の厚さを100点以上測定して、得られた測定結果の算術平均値であるコイル間絶縁被膜の平均厚さ(単位:μm)
    ds:前記薄肉部分のうち前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBよりも薄い部分の厚さを、前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBから引いた値である食い込み量d(単位:μm)を、一つのインダクタンス素子について15点以上測定し、得られた測定結果の度数分布を正規分布で近似したときに、この正規分布の平均daと標準偏差σの3.99倍の値との和(da+3.99σ)である最大食い込み量(単位:μm)
  2. 前記コイル間絶縁被膜の平均厚さBが1μm以上5μm以下である、請求項1に記載のインダクタンス素子。
  3. 前記磁性粉末は少なくとも一部がアモルファス合金材料からなる、請求項1または2に記載のインダクタンス素子。
  4. 前記磁性粉末のメジアン径D50が1μm以上15μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のインダクタンス素子。
  5. 前記絶縁被覆はポリイミド系材料を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタンス素子。
  6. 前記導電材は帯状であって、前記コイル用線材は前記巻回部においてエッジワイズ巻きされている、請求項1から5のいずれか一項に記載のインダクタンス素子。
  7. 前記薄肉部分の厚さの測定は、前記巻回部における巻き中心線に沿った方向の端部に位置する前記コイル用線材の前記絶縁被膜を対象とする、請求項6に記載のインダクタンス素子。
  8. 前記巻回部の巻き中心線に沿った方向における前記コイル用線材の前記磁性コア内への埋め込み深さが0.25mm以下である部分を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のインダクタンス素子。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載されるインダクタンス素子の製造方法であって、
    磁性コアを形成するための原料部材と、絶縁被膜および導電材を備えるコイル用線材の巻回部を有するコイルとを金型内に配置して加圧成形することにより、前記巻回部が磁性コアの内部に埋め込まれた成形製造物を得る成形ステップと、
    前記成形製造物を加熱して前記巻回部の前記導電材を熱膨張させることにより、前記巻回部の前記絶縁被膜に前記磁性粉末を押し込んで、前記絶縁被膜の厚さが薄肉化した薄肉部分を形成する熱処理ステップとを備えることを特徴とする、インダクタンス素子の製造方法。
  10. 前記成形ステップにおける加圧方向は、前記巻回部の巻き中心線に沿った方向である、請求項9に記載のインダクタンス素子の製造方法。
  11. 前記熱処理ステップにおける加熱温度は、前記絶縁被膜を構成する材料の軟化温度の2倍以下である、請求項9または10に記載のインダクタンス素子の製造方法。
JP2018550148A 2016-11-08 2017-10-30 インダクタンス素子およびその製造方法 Active JP6813588B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217992 2016-11-08
JP2016217992 2016-11-08
PCT/JP2017/039152 WO2018088264A1 (ja) 2016-11-08 2017-10-30 インダクタンス素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018088264A1 true JPWO2018088264A1 (ja) 2019-07-04
JP6813588B2 JP6813588B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=62109552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018550148A Active JP6813588B2 (ja) 2016-11-08 2017-10-30 インダクタンス素子およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11195651B2 (ja)
JP (1) JP6813588B2 (ja)
CN (1) CN109923627B (ja)
TW (1) TWI624845B (ja)
WO (1) WO2018088264A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7160438B2 (ja) 2016-08-31 2022-10-25 ヴィシェイ デール エレクトロニクス エルエルシー 低い直流抵抗を有す高電流コイルを備えた誘導子
CN207250270U (zh) * 2017-10-17 2018-04-17 台达电子企业管理(上海)有限公司 一种多线圈电感
JP6866456B2 (ja) * 2018-11-15 2021-04-28 マルホ発條工業株式会社 非円形コイル製造装置および非円形コイル製造方法
WO2020261939A1 (ja) * 2019-06-28 2020-12-30 株式会社村田製作所 インダクタ
US20210098184A1 (en) * 2019-09-26 2021-04-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor and method for manufacturing the same
CN113130188A (zh) * 2020-01-15 2021-07-16 株式会社村田制作所 电感器
JP7184063B2 (ja) * 2020-03-30 2022-12-06 株式会社村田製作所 コイル部品およびその製造方法
US11948724B2 (en) 2021-06-18 2024-04-02 Vishay Dale Electronics, Llc Method for making a multi-thickness electro-magnetic device
WO2024004495A1 (ja) * 2022-06-29 2024-01-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 インダクタ及びインダクタの製造方法
WO2024004494A1 (ja) * 2022-06-29 2024-01-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 インダクタ及びインダクタの製造方法
CN218004582U (zh) * 2022-08-18 2022-12-09 合肥汉之和新材料科技有限公司 一种绕组器件、变压器以及电感器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004253233A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Daikin Ind Ltd 無機粉体含有樹脂被覆電線、二層被覆電線、無機粉体含有樹脂被覆コイル、二層被覆電線コイル、無機物質被覆絶縁コイルおよびその製造方法、ならびに無機物質被覆絶縁コイルを有する電気機器およびその製造方法
JP2006339525A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Alps Electric Co Ltd コイル封入圧粉磁心
JP2014175531A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Alps Green Devices Co Ltd インダクタンス素子
JP2015115341A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタンス素子及びインダクタンス素子の製造方法
JP2015204337A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 アルプス・グリーンデバイス株式会社 電子部品、電子部品の製造方法および電子機器
JP2016051899A (ja) * 2014-08-30 2016-04-11 太陽誘電株式会社 コイル部品
JP2016076559A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタンス素子および電子機器

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3980828B2 (ja) 2000-12-18 2007-09-26 アルプス電気株式会社 圧粉磁心
JP2002324714A (ja) 2001-02-21 2002-11-08 Tdk Corp コイル封入圧粉磁芯およびその製造方法
JP3960090B2 (ja) 2002-03-19 2007-08-15 Tdk株式会社 コイル封入圧粉磁芯の製造方法
JP4048360B2 (ja) * 2002-07-03 2008-02-20 三菱マテリアル株式会社 リーダ/ライタ用アンテナ及び該アンテナを備えたリーダ/ライタ
JP2010272604A (ja) 2009-05-20 2010-12-02 Nec Tokin Corp 軟磁性粉末及びそれを用いた圧粉磁芯、インダクタ並びにその製造方法
JP3181451U (ja) 2012-11-27 2013-02-07 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタ
JP5874133B2 (ja) * 2013-03-08 2016-03-02 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタンス素子の製造方法
JP6502627B2 (ja) * 2014-07-29 2019-04-17 太陽誘電株式会社 コイル部品及び電子機器
JP6179491B2 (ja) * 2014-09-05 2017-08-16 株式会社村田製作所 表面実装インダクタ及びその製造方法
KR102047564B1 (ko) * 2014-09-18 2019-11-21 삼성전기주식회사 칩 전자부품 및 그 제조방법
JP2016157751A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 スミダコーポレーション株式会社 電子部品
JP6672756B2 (ja) * 2015-12-04 2020-03-25 株式会社村田製作所 電子部品および電子部品の製造方法
JP6668723B2 (ja) * 2015-12-09 2020-03-18 株式会社村田製作所 インダクタ部品
JP6451654B2 (ja) * 2016-01-07 2019-01-16 株式会社村田製作所 コイル部品
WO2017135058A1 (ja) * 2016-02-01 2017-08-10 株式会社村田製作所 電子部品およびその製造方法
JP2017152634A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 アルプス電気株式会社 インダクタンス素子
JP6828420B2 (ja) * 2016-12-22 2021-02-10 株式会社村田製作所 表面実装インダクタ
KR102279305B1 (ko) * 2019-04-16 2021-07-21 삼성전기주식회사 코일 부품

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004253233A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Daikin Ind Ltd 無機粉体含有樹脂被覆電線、二層被覆電線、無機粉体含有樹脂被覆コイル、二層被覆電線コイル、無機物質被覆絶縁コイルおよびその製造方法、ならびに無機物質被覆絶縁コイルを有する電気機器およびその製造方法
JP2006339525A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Alps Electric Co Ltd コイル封入圧粉磁心
JP2014175531A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Alps Green Devices Co Ltd インダクタンス素子
JP2015115341A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタンス素子及びインダクタンス素子の製造方法
JP2015204337A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 アルプス・グリーンデバイス株式会社 電子部品、電子部品の製造方法および電子機器
JP2016051899A (ja) * 2014-08-30 2016-04-11 太陽誘電株式会社 コイル部品
JP2016076559A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 アルプス・グリーンデバイス株式会社 インダクタンス素子および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
TWI624845B (zh) 2018-05-21
CN109923627B (zh) 2021-03-30
US11195651B2 (en) 2021-12-07
JP6813588B2 (ja) 2021-01-13
CN109923627A (zh) 2019-06-21
US20190244745A1 (en) 2019-08-08
WO2018088264A1 (ja) 2018-05-17
TW201818433A (zh) 2018-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2018088264A1 (ja) インダクタンス素子およびその製造方法
CN105321685B (zh) 线圈部件及其制造方法、电子设备
JP6159512B2 (ja) インダクタ
JP4049246B2 (ja) コイル封入型磁性部品及びその製造方法
TWI700321B (zh) 複合磁性材料及使用其之線圈零件
JP2003229311A (ja) コイル封入圧粉磁芯およびその製造方法、コイルおよびその製造方法
JP6522297B2 (ja) コイル部品
CN107452466B (zh) 电子零件
JP6316136B2 (ja) コイル部品およびそれを備える電子機器
JP2017069460A (ja) コイル部品及びその製造方法
US20190311841A1 (en) Surface mount inductor
TWI663610B (zh) Inductive components and electrical and electronic equipment
JP7132745B2 (ja) 表面実装インダクタ
JP2004197218A (ja) 複合磁性材料とそれを用いたコア及び磁性素子
JP6760500B2 (ja) コイル部品
JP2017152634A (ja) インダクタンス素子
JP6663138B2 (ja) 端子付き圧粉磁心およびその製造方法
JP7221583B2 (ja) コイル部品
WO2017115603A1 (ja) 表面実装インダクタ及びその製造方法
JP2004297023A (ja) 表面実装型電子部品
US20240120139A1 (en) Inductor
JP7477263B2 (ja) インダクタおよびその製造方法
CN117121133A (zh) 压粉磁心及压粉磁心的制造方法
JP2018010961A (ja) コイル封入圧粉磁芯

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6813588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150