JP2018010961A - コイル封入圧粉磁芯 - Google Patents
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Abstract
【課題】封入コイルの潰れを抑制した圧粉磁芯を提供すること【解決手段】磁性粉からなる圧粉体と、前記圧粉体中に埋め込まれた、周囲が絶縁被覆された平角導体の断面の四隅に形成される角部に面取りがなされており、前記平角導線断面の短軸方向の面取りの長さは、前記平角導線断面の短軸長さの半分以下であり、かつ、面取りの曲率半径が前記短軸方向の面取りの長さの2倍以上であることを特徴とするコイル封入圧粉磁芯を用いることにより、成形工程を追加することなく、封入コイルの潰れを抑制する【選択図】図1
Description
本発明は、磁芯を一体化したインダクタ、その他の電子機器に用いるコイル封入圧粉磁芯に関する。
近年、電気、電子機器の小型化が進み、小型(低背)で大電流に対応した圧粉磁芯が要求されている。
圧粉磁芯の材料としては、フェライト粉末や強磁性金属粉末が用いられているが、強磁性金属粉末はフェライト粉末に比較して飽和磁束密度が大きく、直流重畳特性が高磁界まで保たれる。よって、大電流に対応した圧粉磁芯を作製する際には、圧粉磁芯の材料として強磁性金属粉末を用いることが主流となってきている。
また、コアの小型化(低背化)をさらに推進するため、コイルと磁性粉が一体になったコイル部品が提案されている。この構造のインダクタを本明細書では、「コイル封入圧粉磁芯」と呼ぶこととする。
圧粉磁芯の材料としては、フェライト粉末や強磁性金属粉末が用いられているが、強磁性金属粉末はフェライト粉末に比較して飽和磁束密度が大きく、直流重畳特性が高磁界まで保たれる。よって、大電流に対応した圧粉磁芯を作製する際には、圧粉磁芯の材料として強磁性金属粉末を用いることが主流となってきている。
また、コアの小型化(低背化)をさらに推進するため、コイルと磁性粉が一体になったコイル部品が提案されている。この構造のインダクタを本明細書では、「コイル封入圧粉磁芯」と呼ぶこととする。
小型化や大電流への対応として、例えば、特許文献1では平角導線の使用が提案されており、断面が円形の導体を用いる場合よりも巻線の各層間を極めて密に接触させることができ、体積当たりの電気容量を向上させることができる。しかしながら、より大きなインダクタンスを得るために高圧力で成形すると、金属粉末を経由した導線間のショート不具合は回避できるがコイル本体が潰れてしまい、本来の形状を正確に保持できなくなるおそれがある。
コイルが潰れることによりインダクタンス値がばらつくという問題は、例えば、特許文献2のように周知である。
これに対して、特許文献3では結合剤入り磁性粉末を加圧予備成形することでコイルの潰れを低減し、信頼性を高める方策が提案されている。この場合、コイルの潰れは低減できるが加圧予備成形という工程を追加する必要があり、製造の負担が増えてしまう。
これに対して、特許文献3では結合剤入り磁性粉末を加圧予備成形することでコイルの潰れを低減し、信頼性を高める方策が提案されている。この場合、コイルの潰れは低減できるが加圧予備成形という工程を追加する必要があり、製造の負担が増えてしまう。
本発明の目的は上記の点に鑑み、矩形断面における角部が特定の曲率半径で面取りされた平角導線を用いることにより、成形工程を追加することなく、封入コイルの潰れを抑制した圧粉磁芯を提供することにある。
請求項1に係るコイル封入圧粉磁芯は、磁性粉からなる圧粉体と、前記圧粉体中に埋め込まれた、周囲が絶縁被覆された平角導体の断面の四隅に形成される角部に面取りがなされており、前記平角導線断面の短軸方向の面取りの長さは、前記平角導線断面の短軸長さの半分以下であり、かつ、面取りの曲率半径が前記短軸方向の面取りの長さの2倍以上であることを特徴とする。
こうすることで封入コイルの潰れを抑制できることを、発明者の鋭意努力により見出した。成形により平角導線にかかる短軸方向への圧縮応力は、導線内部を伝播して幅方向への応力となりコイル潰れを起こすが、面取り形状によってこの応力伝播に変化が生じることで抑制できているものと考えられる。
本発明によれば、平角導線を使用した封入コイルの潰れを抑制した圧粉磁芯を提供することができる。
以下、本発明に係るコイル封入圧粉磁芯の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明に係るコイル封入圧粉磁芯の第1の実施の形態であって、図1(A)はコイル上側の圧粉磁芯部を省略した平面図、(B)は正断面図である。図において、1はコイル、20は圧粉磁芯部であり、圧粉磁芯部20はコイル1に継線された電極端子5の外部導出部分を除き当該コイル1及び電極端子5の周囲を覆っている。
前記コイル1は、絶縁被覆された平角導線2(平角銅線)をエッジワイズ状に数ターン巻線したもの、すなわち、厚さ方向に積層しかつ幅方向に湾曲状に曲げて筒状に数ターン巻回したものである。コイル1の両端部にはそれぞれ電極端子5が電気的に接続されている。コイル1の端部と電極端子5との継線部分及び電極端子5の圧粉磁芯部20内に埋設される部分は、絶縁被覆されている。なお、コイル1の端部を圧粉磁芯部20の外部に導出して直接電極端子として用いる継線レス構造としても差し支えない。
前記圧粉磁芯部20に用いる軟磁性金属粒子としては、強磁性金属粒子を用いることが好ましく、強磁性金属粒子としては、Fe、Fe−Al合金、Fe−Al−Si合金、Fe−Ni合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Co合金等があり、これらから適宜選択すればよい。
強磁性金属粒子をコーティングする絶縁材としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等があり、これらの絶縁材を用いて前記強磁性金属粒子はコーティングされている。前記絶縁材の混合割合は、当該絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる磁性粉末に対する質量比率で1〜8%とする。なお、コーティングに使用する絶縁材の質量比を8%より多くすると、成形して得た圧粉磁芯部20の透磁率が低下して大きなインダクタンスを得ることができず、また、絶縁材の重量比を1%未満にすると各強磁性金属粒子相互間の絶縁が不充分となり磁芯としての特性が大幅に低下するため、コーティングに使用する絶縁材の質量比は1〜8%が適している。
そして、上記のように質量比率で1〜8%の絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる磁性粉末中に、前記コイル1を設けた状態で粉末成形機にて400〜700MPa程度の成形圧力をかけて圧粉磁芯部20を成形一体化する。圧粉磁芯部20の成形方法としては、例えば、前記磁性粉末を成形金型内に充填して圧縮成形することで、図1(A)のように圧粉磁芯部20の下部磁芯部20aを成形金型内に作製しておき、その上にコイル1を載置した後、コイル1が埋まるように再度磁性粉末を成形金型内に充填して、下部磁芯部20a及びコイル1が積層された方向に加圧して圧縮成形(コイルを磁性粉末でインサート成形)する方法(特開2001−267160号公報に開示された方法)等を採用できる。
本発明者等は以下の表1のように、平角導線の矩形断面における角部の面取り形状を変化させてコイル封入圧粉磁芯のサンプルを作製し、マイクロスコープ(倍率:200倍)を用いた成形後の磁芯の断面観察から、導線断面の幅方向の長さW、短軸方向の長さTを測定した。ここで、平角導線の矩形断面における角部の面取り形状は、図2に示す面取り長さC、曲率半径Rで表す。銅線断面四隅の面取りにより短軸方向に上下2か所が面取りされるため、面取り長さCの最大は短軸方向の長さTの半分となる。面取り長さCは、幅方向の角部長さC1と短軸方向の角部長さC2をそれぞれ測定し、(C1+C2)/2とした。曲率半径Rは、面取りされた輪郭上の3点を通る真円を画像解析から算出し、その半径の値とした。また導線断面の輪郭で囲まれた面積を画像処理から算出し、導線断面積として導出した。
但し、コイル1に使用した平角導線2は、面取り形状によらず断面の短軸長さが0.30mm、幅が0.85mmの平角銅線で、その絶縁被膜はポリエステルである。コーティングされた強磁性金属粒子(つまり磁性粉末)はFe−Si合金であり、その平均粒子径はレーザー回折式乾式粒度測定装置(HELOSシステム、Sympatec社製)により測定し30μmであった。成形圧力は600MPaである。
次に、得られた圧粉磁芯20の断面を鏡面研磨して、平角導線2の観察を行った。平角導線2の導線断面の幅は顕微鏡画像を測定し、幅1.0mm以上である場合を×と判定した。
次に、得られた圧粉磁芯20の断面を鏡面研磨して、平角導線2の観察を行った。平角導線2の導線断面の幅は顕微鏡画像を測定し、幅1.0mm以上である場合を×と判定した。
前記表1の面取り形状と判定結果(○:良好、×:不良)より明らかなように、平角導線20の、断面における角部の面取り形状が面取り長さよりも大きな曲率半径である方が、平角導線2の導線断面の幅方向の伸びを抑制できている。
次に、面取り形状によらず断面の短軸長さが0.31mm、幅が0.85mmの平角銅線を平角導線2に用いて、表1と同様に、平角導線の矩形断面における角部の面取り形状を変化させてコイル封入圧粉磁芯のサンプルを作製し、測定を行った。結果を表2に示す。
断面の短軸長さが0.30mmでの表1の結果と同様に、断面の短軸長さが0.31mmでの表2の結果も、断面における角部の面取り形状が面取り長さよりも大きな曲率半径である方が、平角導線2の導線断面の幅方向の伸びを抑制できている。面取り長さと曲率半径が共に大きい、例えば表1の実施例11は銅線断面積が小さくなるが、断面の短軸長さを変更することで、同等の面取り形状でも銅線断面積を小さくせずに、導線断面の幅方向の伸びを抑制できていることが表2からわかる。
以上のように、本発明に係るコイル封入圧粉磁芯は、封入コイルの潰れを抑制する点において有用である。また、封入コイルの潰れが抑制されることで、コイル封入圧粉磁芯のインダクタンス値のばらつきが低減できる。
1,1A コイル
2,2A 平角導線
5 電極端子
20 圧粉磁芯部
20a 下部磁芯部
2,2A 平角導線
5 電極端子
20 圧粉磁芯部
20a 下部磁芯部
Claims (1)
- 磁性粉からなる圧粉体と、前記圧粉体中に埋め込まれた、周囲が絶縁被覆された平角導体の断面の四隅に形成される角部に面取りがなされており、
前記平角導線断面の短軸方向の面取りの長さは、前記平角導線断面の短軸長さの半分以下であり、
かつ、面取りの曲率半径が前記短軸方向の面取りの長さの2倍以上であることを特徴とするコイル封入圧粉磁芯。
Priority Applications (1)
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JP2016138459A JP2018010961A (ja) | 2016-07-13 | 2016-07-13 | コイル封入圧粉磁芯 |
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2016
- 2016-07-13 JP JP2016138459A patent/JP2018010961A/ja active Pending
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