JP2004230969A - 車両用フィニッシャ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体側パネルに形成した係合孔11に対して、フィニッシャ本体12に形成した係合爪13を係合することにより、車体側パネルにフィニッシャ本体12を取付けるよう構成した車両用フィニッシャ構造であって、フィニッシャ本体12に、係合爪13の挿入方向21へ係合爪13よりも長く延びる挿入ガイド22を設けると共に、車体側パネルに挿入ガイド22を収容するガイド孔23を設け、更に、挿入ガイド22の先端部に、ガイド孔23に対する離脱防止部25を設けるようにしている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用フィニッシャ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられる。このようなインストルメントパネルなどに対し、装飾部品としてフィニッシャが取付けられることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記フィニッシャには、車体側のインストルメントパネルに形成した係合孔に対して、係合爪を係合することにより、インストルメントパネルなどに取付けるように構成したものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−40765号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用フィニッシャ構造では、インストルメントパネルなどに衝撃荷重が作用した際に、係合爪の係合孔に対する係合状態が全て解除されてしまうと、インストルメントパネルなどからフィニッシャが離脱してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、簡単確実にフィニッシャの離脱を防止することのできる車両用フィニッシャ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、車体側パネルに形成した係合孔に対して、フィニッシャ本体に形成した係合爪を係合することにより、車体側パネルにフィニッシャ本体を取付けるよう構成した車両用フィニッシャ構造において、前記フィニッシャ本体に、係合爪の挿入方向へ係合爪よりも長く延びる挿入ガイドを設けると共に、車体側パネルに挿入ガイドを収容するガイド孔を設け、更に、挿入ガイドの先端部に、ガイド孔に対する離脱防止部を設けた車両用フィニッシャ構造を特徴としている。
【0008】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、車体側パネルに形成した係合孔に対して、フィニッシャ本体に形成した係合爪を係合することにより、車体側パネルに対してフィニッシャ本体が取付けられる。この係合爪と係合孔との嵌合に先立って、フィニッシャ本体設けた係合爪よりも長い挿入ガイドを、車体側パネルのガイド孔へ先に挿入して係合爪の挿入方向へのガイドを行わせることにより、簡単にフィニッシャ本体を車体側パネルへ取付けることができる。そして、係合爪よりも長い挿入ガイドの先端部に、ガイド孔に対する離脱防止部を設けたことにより、車体側パネルに衝撃荷重が作用して係合爪が係合孔から全て係合解除されたような場合であっても、挿入ガイド先端に設けた離脱防止部がガイド孔に係止されて抜けずに残ることにより、フィニッシャ本体が車体側パネルから離脱されるのを簡単確実に防止することができる。更に、挿入ガイドの先端部に離脱防止部を設けているので、離脱防止部を別に設定する必要をなくすことができる。
【0009】
請求項2に記載された発明では、前記離脱防止部が、前記挿入方向へ位置をずらせて二段に設けられたストッパ部を有し、両ストッパ部のガイド孔に対する係合方向が、それぞれ異なる請求項1記載の車両用フィニッシャ構造を特徴としている。
【0010】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、離脱防止部に、前記挿入方向へ位置をずらせて二段にストッパ部を設けることにより、フィニッシャ本体の離脱を二段階で阻止することができ、離脱防止効果を倍増することができる。また、両ストッパ部のガイド孔に対する係合方向を、それぞれ異なるようにしたことにより、フィニッシャ本体が衝撃荷重の反力でどのような方向へ離脱したとしても、これを確実に阻止することができる。
【0011】
請求項3に記載された発明では、一方のストッパ部が、挿入ガイドの上部に設けられて、ガイド孔の上辺に係止される請求項2記載の車両用フィニッシャ構造を特徴としている。
【0012】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、一方のストッパ部を、挿入ガイドの上部に設けて、ストッパ部をガイド孔の上辺に係止させるようにしたことにより、フィニッシャ本体が衝撃荷重の反力で最も離脱し易い方向を狙って規制をかけることができるので、離脱防止機能の確実性を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0014】
図1〜図6は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0015】
まず、構成を説明すると、自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネル1などの車体側パネルが設けられている。また、インストルメントパネル1の車幅方向中央部には、センターコンソール2などの車体側パネルが設けらていれる。このようなインストルメントパネル1やセンターコンソール2などの車体側パネルに対し、必要に応じ、装飾部品としてフィニッシャ3が取付けられる。
【0016】
この実施の形態では、フィニッシャ3は、センターコンソール2の両側部に対しほぼ上下方向に沿って取付けられている。このフィニッシャ3は、金属調或いはメッキ調に仕上げられている。なお、センターコンソール2は、空調吹出口4などを有する上部コンソール5と、スイッチパネルなどを構成する下部コンソール6とに分割されており、フィニッシャ3は、上部コンソール5と下部コンソール6との間に跨がって取付けられている。
【0017】
そして、上記フィニッシャ3は、上部コンソール5や下部コンソール6などの車体側パネルに形成した係合孔11に対して、フィニッシャ本体12に形成した係合爪13を係合することにより、車体側パネルに取付けられるよう構成されている。係合爪13は、フィニッシャ本体12の裏面に、ほぼ上下方向に対しほぼ等しい間隔を有して4箇所設定されている。そして、上2箇所の係合爪13を上部コンソール5に対応させ、下2箇所の係合爪13を下部コンソール6に対応させるようにしている。
【0018】
また、フィニッシャ本体12は、内側の縁部に沿って係止位置決用のフランジ14を有している。そして、上部コンソール5や下部コンソール6などの車体側パネルは、フランジ14と対応する位置に、フランジ14を受ける収容凹溝15を有している。なお、収容凹溝15は連続したものとしても良いが、この実施の形態では、不連続とされている。
【0019】
この実施の形態のものでは、フィニッシャ本体12に、係合爪13の挿入方向21へ係合爪13よりも長く延びる挿入ガイド22を設けると共に、車体側パネルに挿入ガイド22を収容するガイド孔23を設けている。挿入ガイド22は上2箇所の係合爪13の上下方向中間位置に設けられている。そして、挿入ガイド22の先端部に、ガイド孔23に対する離脱防止部25を設けている。
【0020】
上記離脱防止部25は、係合爪13の挿入方向21へ位置をずらせて二段に設けられたストッパ部26,27を有している。そして、両ストッパ部26,27のガイド孔23に対する係合方向が、それぞれ異なるように構成している。例えば、両ストッパ部26,27のガイド孔23に対する係合方向は、相互に直交する方向とされている。
【0021】
即ち、一方のストッパ部26は、挿入ガイド22の上部に設けられて、ガイド孔23の上辺に係止されるように構成している。なお、ガイド孔23の上下方向の寸法は、図6に示すように、一方のストッパ部26を含めた挿入ガイド22の先端部の上下方向の寸法よりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0022】
これに対し、他方のストッパ部27は、挿入ガイド22の側部に設けられて、ガイド孔23の左右方向の一側辺に係合されるように構成している。なお、ガイド孔23の左右方向の寸法は、図6に示すように、挿入ガイド22の基部の左右方向の寸法よりも大きくなり、且つ、他方のストッパ部27を含めた挿入ガイド22の先端部の左右方向の寸法よりも小さくなるように設定されている。
【0023】
更に、挿入ガイド22は、弾性変形可能な先割形状とされ、両ストッパ部26,27は、それぞれ異なる先割片に分離して形成されている。
【0024】
なお、図4、図5中、矢印aは、車体側パネルに作用する衝撃荷重およびその反力の方向である。
【0025】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0026】
車体側パネルに形成した係合孔11に対して、フィニッシャ本体12に形成した係合爪13を係合することにより、車体側パネルに対してフィニッシャ本体12が取付けられる。この際、フィニッシャ本体12の内側の縁部に沿って形成された係止位置決用のフランジ14が上部コンソール5や下部コンソール6などの車体側パネルの対応する位置に形成された収容凹溝15に収容されることにより、フィニッシャ本体12の位置決めが行われる。この係合爪13と係合孔11との嵌合に先立って、フィニッシャ本体12に設けた係合爪13よりも長い挿入ガイド22を、車体側パネルのガイド孔23へ先に挿入して係合爪13の挿入方向21へのガイドを行わせることにより、簡単にフィニッシャ本体12を車体側パネルへ取付けることができる。挿入ガイド22の先端は、弾性変形可能な先割形状とされているので、挿入ガイド22は容易にガイド孔23へ挿入することができる。
【0027】
この実施の形態によれば、係合爪13よりも長い挿入ガイド22の先端部に、ガイド孔23に対する離脱防止部25を設けたことにより、車体側パネルに矢印aで示すような衝撃荷重が作用して係合爪13が係合孔11から全て係合解除されたような場合であっても、挿入ガイド22先端に設けた離脱防止部25がガイド孔23に係止されて抜けずに残ることにより、フィニッシャ本体12が車体側パネルから離脱されるのを簡単確実に防止することができる。更に、挿入ガイド22の先端部に離脱防止部25を設けているので、離脱防止部25を別に設定する必要をなくすことができる。
【0028】
この際、離脱防止部25に、挿入方向21へ位置をずらせて二段にストッパ部26,27を設けることにより、フィニッシャ本体12の離脱を二段階で阻止することができ、離脱防止効果を倍増することができる。また、両ストッパ部26,27のガイド孔23に対する係合方向を、それぞれ異なる(例えば、直交する二方向となる)ようにしたことにより、フィニッシャ本体12が衝撃荷重の反力でどのような方向へ離脱したとしても、これを確実に阻止することができる。
【0029】
更に、一方のストッパ部26を挿入ガイド22の上部に設けて、ストッパ部26をガイド孔23の上辺に係止させ得るようにしたことにより、フィニッシャ本体12が衝撃荷重の反力で最も離脱し易い方向を狙って規制をかけることができるので、離脱防止機能の確実性を高めることができる。なお、衝撃荷重および反力の方向は予め分かっているので、挿入ガイド22の下部に対して別のストッパ部を設けなくても、上部と下部の両方に設けた場合に比べて遜色なくフィニッシャ本体12を係止することが可能である。
【0030】
例えば、車体パネル側の上部コンソール5に、乗員側から車両前方下方に向かう衝撃荷重(図4,図5の矢印aの方向)が加わると、ガイド孔23は、一時的に下方にずれるが、ストッパ部26を挿入ガイド22の上部に設けているため、確実にガイド孔23の縁部とストッパ部26を係止することができる。
【0031】
そして、他方のストッパ部27を挿入ガイド22の側部に設けて、ガイド孔23の左右方向の一側辺に係止させ得るようにしたことにより、フィニッシャ本体12が一方のストッパ部26で係止された後に、フィニッシャ本体12が自重で下方へ落下しようとした時に、他方のストッパ部27がこれを阻止し、確実にフィニッシャ本体12を係止することができる。なお、ガイド孔23の左右方向の寸法を、図6に示すように、挿入ガイド22の基部の左右方向の寸法よりも大きくなり、且つ、他方のストッパ部27を含めた挿入ガイド22の先端部の左右方向の寸法よりも小さくなるように設定しているので、挿入ガイド22の左右方向の他側部に対して別のストッパ部を設けなくても、左右方向の両側部に設けた場合と比べて遜色無くフィニッシャ本体12を係止することが可能である。
【0032】
更に、挿入ガイド22先端を、弾性変形可能な先割形状とし、両ストッパ部26,27を、それぞれ異なる先割片に分離して形成したことにより、両ストッパ部26,27を独立して機能させることができ、一層、離脱防止機能を高めることができる。そして、両ストッパ部26,27を設けた挿入ガイド22先端を、弾性変形可能な先割形状としたことにより、挿入ガイド22を容易にガイド孔23へ挿入することができる。
【0033】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、車体側パネルに形成した係合孔に対して、フィニッシャ本体に形成した係合爪を係合することにより、車体側パネルに対してフィニッシャ本体が取付けられる。この係合爪と係合孔との嵌合に先立って、フィニッシャ本体設けた係合爪よりも長い挿入ガイドを、車体側パネルのガイド孔へ先に挿入して係合爪の挿入方向へのガイドを行わせることにより、簡単にフィニッシャ本体を車体側パネルへ取付けることができる。そして、係合爪よりも長い挿入ガイドの先端部に、ガイド孔に対する離脱防止部を設けたことにより、車体側パネルに衝撃荷重が作用して係合爪が係合孔から全て係合解除されたような場合であっても、挿入ガイド先端に設けた離脱防止部がガイド孔に係止されて抜けずに残ることにより、フィニッシャ本体が車体側パネルから離脱されるのを簡単確実に防止することができる。更に、挿入ガイドの先端部に離脱防止部を設けているので、離脱防止部を別に設定する必要をなくすことができる。
【0035】
請求項2の発明によれば、離脱防止部に、挿入方向へ位置をずらせて二段にストッパ部を設けることにより、フィニッシャ本体の離脱を二段階で阻止することができ、離脱防止効果を倍増することができる。また、両ストッパ部のガイド孔に対する係合方向を、それぞれ異なるようにしたことにより、フィニッシャ本体が衝撃荷重の反力でどのような方向へ離脱したとしても、これを確実に阻止することができる。
【0036】
請求項3の発明によれば、一方のストッパ部を、挿入ガイドの上部に設けて、ストッパ部をガイド孔の上辺に係止させるようにしたことにより、フィニッシャ本体が衝撃荷重の反力で最も離脱し易い方向を狙って規制をかけることができるので、離脱防止機能の確実性を高めることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体斜視図である。
【図2】図1の部分拡大分解斜視図である。
【図3】図2を背面側から見た組立斜視図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】挿入ガイド部分の拡大側面図である。
【図6】図5の正面図である。
【符号の説明】
1 車体側パネル(インストルメントパネル)
2 車体側パネル(センターコンソール)
5 車体側パネル(上部コンソール)
6 車体側パネル(下部コンソール)
3 フィニッシャ
11 係合孔
12 フィニッシャ本体
13 係合爪
21 挿入方向
22 挿入ガイド
23 ガイド孔
25 離脱防止部
26 ストッパ部
27 ストッパ部
Claims (3)
- 車体側パネルに形成した係合孔に対して、フィニッシャ本体に形成した係合爪を係合することにより、車体側パネルにフィニッシャ本体を取付けるよう構成した車両用フィニッシャ構造において、
前記フィニッシャ本体に、係合爪の挿入方向へ係合爪よりも長く延びる挿入ガイドを設けると共に、車体側パネルに挿入ガイドを収容するガイド孔を設け、
更に、挿入ガイドの先端部に、ガイド孔に対する離脱防止部を設けたことを特徴とする車両用フィニッシャ構造。 - 前記離脱防止部が、前記挿入方向へ位置をずらせて二段に設けられたストッパ部を有し、両ストッパ部のガイド孔に対する係合方向が、それぞれ異なることを特徴とする請求項1記載の車両用フィニッシャ構造。
- 一方のストッパ部が、挿入ガイドの上部に設けられて、ガイド孔の上辺に係止されることを特徴とする請求項2記載の車両用フィニッシャ構造。
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