JP2004218229A - 建物及びユニット建物 - Google Patents
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- E04B1/34815—Elements not integrated in a skeleton
- E04B1/3483—Elements not integrated in a skeleton the supporting structure consisting of metal
Abstract
【課題】建物の外観意匠上の制約がなく、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにした建物を提供することにある。
【解決手段】外壁14の上端部を天井梁13に取着した建物本体1の上方が屋根2で覆われ、この屋根の水下側に軒樋3が設けられた建物であって、前記軒樋3は外壁14の略直上に配置され、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、天井梁13に支持してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】外壁14の上端部を天井梁13に取着した建物本体1の上方が屋根2で覆われ、この屋根の水下側に軒樋3が設けられた建物であって、前記軒樋3は外壁14の略直上に配置され、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、天井梁13に支持してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物及びユニット建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建物において、例えば、特許文献1に記載されているように、軒樋は、一般的に外壁面より屋外側に突出した屋根の先端に取り付けられている(外樋方式)。このような外樋方式は、軒樋が屋外側に突出するため、建物の外観意匠上の制限を受けたり、軒樋の取付け作業が足場を設けた高所での作業となる。
【0003】
そこで、軒樋が屋外側に露出しないように、内樋方式にした建物の屋根構造が、特許文献2に記載されて知られている。この屋根構造は、建物本体の上部に設置され軒先側に内樋を有する屋根パネルと、この屋根パネルに跨がって配設され各内樋を連結する共通の集合パイプとを有して構成され、軒先側フレームと内樋を前方から化粧材で覆うようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−105197号公報
【特許文献2】
特開平6−073851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のような外樋方式の場合、軒樋が屋外側に突出して建物の外観意匠上の制約を受けるという問題があり、特許文献2に記載のような内樋方式の場合、建物の外観意匠上の制約はないが、屋根を支持する垂木等の支持材と天井梁とが直接接しないため、補助梁やブラケット等を設置する必要があり、屋根構造の納まりが複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、建物の外観意匠上の制約がなく、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにした建物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、建物本体が周囲を外壁で囲い外壁上端部を天井梁に取着したものであり、建物本体の上方が水勾配を形成した屋根で覆われ、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝が設けられた建物であって、
前記排水溝は外壁の略直上に配置され、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、天井梁に支持してなることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の建物において、前記屋根の仕上げ材の裏面側を覆う屋根防水シートが、前記排水溝の裏面側を通って外壁の上端面を覆う状態で延設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の建物において、前記排水溝の屋外側面は、化粧材で覆われていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の建物において、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、複数の箱形に構成された建物ユニットを隣接配置し、最上階に配置した建物ユニットの上面を水勾配が形成された屋根で覆い、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝を設けて構築されたユニット建物であって、
前記最上階に配置した建物ユニットの、屋外側の側面を覆う外壁は、この建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けられ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、箱形に構成された第1の建物ユニットと、箱形に構成された第2または第3の建物ユニットとが、混在した状態で隣接配置されたユニット建物であって、
第1の建物ユニットは、屋外側の側面を覆う外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けたものとし、第2の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体の下端から第1の建物ユニットの外壁上端までの高さの構造体とし、第3の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体と同じ高さの構造体で外壁が上方に突出しないものとしたことを特徴とする。
【0013】
(作用)
請求項1記載の本発明によると、前記排水溝は外壁の略直上に配置されているので、軒樋等の排水溝が外壁の屋外側へ殆ど突出しなくなり、建物の外観意匠上の制約がない。そして、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、天井梁に支持しているので、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0014】
請求項2記載の本発明によると、さらに、前記屋根の仕上げ材の裏面側を覆う屋根防水シートが、前記排水溝の裏面側を通って外壁の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、防水の信頼性も高い。
【0015】
請求項3記載の本発明によると、さらに、前記排水溝の屋外側面は、化粧材で覆われているので、化粧材の形状や材質等によってデザイン変更が容易となる。
【0016】
請求項4記載の本発明によると、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であるから、請求項1〜3の発明と同様の作用がある。
【0017】
請求項5記載の本発明によると、外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されているので、排水溝が外壁の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、庇と外壁が別部品で構成されていた従来のものに比べて継ぎ部がなくなり、防水、防火性能も向上する。
この際、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、建物ユニットの天井梁に支持すれば、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0018】
請求項6記載の本発明によると、第1の建物ユニットと、第2または第3の建物ユニットとが、混在した状態で隣接配置され、第1の建物ユニットは、屋外側の側面を覆う外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けたので、第1と第2の建物ユニットの外壁を同じ仕様にしたり、第1と第3の建物ユニットの構造体を同じ仕様にしたりして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができる。また、第1の建物ユニットは、外壁を上方に突出させたので、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水・防火性能が向上する。
上に屋根ユニットが載る場合は、外壁が上に突出しない建物ユニットにし、隣に外壁が上に突出する平屋根を容易に形成できる。または、上に居室用建物ユニットが載る場合は、外壁が上に突出しない建物ユニットにし、隣に外壁が上に突出する平屋根で下屋となるものを容易に形成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1と図2は、本発明の実施の形態1であって、図1は建物の要部を示す断面図であり、図2は建物ユニットの斜視図である。
【0020】
本実施の形態の建物は、複数の建物ユニット10(図2参照)を上下、左右に隣接配置して建物本体1が構築され、この建物本体1の上方(最上階)が水勾配を形成したフラットな屋根2(陸屋根)で覆われたユニット建物である。
【0021】。
建物ユニット10は、図2に示すように、四隅に配置された4本の柱11と、柱11の下端部間に架け渡された4本の床梁12と、柱11の上端部間に架け渡された4本の天井梁13とから、箱形に組まれた骨組構造体になされている。
上記柱11は、角形鋼管で形成され、床梁12,天井梁13は、いずれも、断面コ字形の形鋼で形成されている。
【0022】
建物本体1の屋外側に面する周囲、すなわち建物ユニット10の屋外側面は、木片セメント板、金属板と石膏ボードの複合板、あるいは外にタイル貼りのALC版等の不燃性の外壁14で囲われており、この外壁14の上端部は、建物ユニット10の天井梁13に取着されている。
また、外壁14の屋内側には、金属製または木製スタッド15を介して内壁面材16が取り付けられている。
【0023】
屋根2は、山部と谷部が交互に連続した金属製折板や両端のみ折曲した平鋼板等でフラット屋根が形成され、水勾配を形成したこの屋根2の水下側には、屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3(排水溝)が設けられている。
【0024】
上記軒樋3は、合成樹脂で形成され、断面コ字形の開口を上方に向け、外壁14の屋外側面よりわずかに突出するようにして、外壁14の略直上に配置されている。
軒樋3に流入した雨水は、軒樋3の水下側の下隅部にたて樋5を接続して排水される。
【0025】
前記屋根2を下方から支持する木製の垂木21(屋根支持部)は、上端を天井梁13より上に突出させて、対向する天井梁13に両端が支持されている。垂木21の先端部は、先端部上面を切り欠いて、天井梁13の高さ範囲に収まる状態にされ、これを軒樋3の下方にまで突出させ、天井面材18を取り付けるための天井野縁17とともに建物ユニット10の天井梁13の上フランジと下フランジとの間に収まるるように構成されている。
【0026】
前記屋根2の仕上げ材の裏面側は、合成樹脂製の屋根防水シート4で覆われている。この屋根防水シート4は、前記軒樋3の裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されている。屋根防水シート4は、工場で建物ユニット10に取り付けるようにすると、施工現場の作業工数が少なくなるだけでなく、施工時の雨等に対しても都合がよくなる。
【0027】
(実施の形態1の作用)
本実施の形態1によると、前記排水溝3は外壁14の略直上に配置されているので、外樋方式のような外壁14の屋外側への突出が略なくなり、建物の外観意匠上の制約がない。
また、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、天井梁13に支持しているので、屋根2の荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0028】
本実施の形態1によると、さらに、前記屋根2の裏面側を覆う屋根防水シート4が、前記軒樋3の裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性も高い。
【0029】
(実施の形態2)
図3と図4は、本発明の別の実施の形態であって、図3は軒樋を化粧材で覆った建物の要部を示す断面図であり、図4は軒樋を別の化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
以下の実施の形態では、前記実施の形態と同じものには同符号を付けて説明を省略し、異なるものだけ別符号を付けて説明する。
【0030】
本実施の形態2においては、図3に示すように、前記軒樋3の外壁外側への突出をなくし、軒樋3の屋外側面を、外壁14と連続する同材質の化粧板6で覆うようにした。化粧板6を固定できるように配置できる位置を確保するため、外壁外面から軒樋外面までを化粧材取付空間とした。
また、図4においては、前記軒樋3の屋外側面を、外壁14の屋外側面より突出する中空の化粧材6Aで覆うようにした。
【0031】
(実施の形態2の作用)
本実施の形態2によると、さらに、前記軒樋3の屋外側面が、化粧材6,または6Aで覆われているので、これら化粧材6,6Aの形状や材質等によってデザイン変更が容易となる。
【0032】
(実施の形態3)
図5は、本発明の他の実施の形態であって、傾斜屋根にした建物の要部を示す断面図である。
【0033】
本実施の形態3では、建物本体1の上方を水勾配を形成した傾斜屋根2Aで覆うようにしたものである。
傾斜屋根2Aは、垂木21Aが屋根2Aと同勾配で傾斜し、垂木21Aの水下側先端が天井梁13の上面に支持されている。垂木21Aの先端下方は、天井梁13のフランジ上面に載置される平坦部を備えるとともに、天井梁13の上フランジ先端と対向する面を備えるように、切欠き部が形成されている。
垂木21Aの上に野地板23が取り付けられ、この野地板23の上に屋根瓦22が葺かれている。
軒樋3Aは、傾斜した底面と、底面の屋外側に立設された高さの高い側壁面と、底面の屋内側に立設された高さの低い側壁面とからなる。軒樋3Aは、傾斜した垂木21Aの水下側先端部の野地板23上に前記底面を当接して載置され、天井梁13の略直上に位置している。
軒樋3Aは、最下端に葺かれている屋根瓦22の裏側に高さの低い側壁面が潜り込むように取り付けられ、軒樋3Aの屋外側の側壁面を化粧材6Bで覆っている。
【0034】
前記傾斜屋根2Aの裏面側を覆う屋根防水シート4は、野地板23の上に張り付けられ、前記軒樋3Aの裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されている。
【0035】
(実施の形態3の作用)
本実施の形態によると、前記軒樋3Aは天井梁13の直上(外壁14の略直上)に配置されているので、前記実施の形態と同様、外壁13の屋外側への突出がなくなり、建物の外観意匠上の制約がない。また、前記傾斜屋根2Aを支持する垂木21Aを、軒樋3Aの下方にまで突出させ、垂木21Aの先端下方の切欠き部を天井梁13のフランジ上面に支持しているので、傾斜屋根2Aの荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0036】
さらに、前記屋根2Aの裏面側を覆う屋根防水シート4が、前記軒樋3Aの裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性も高い。
なお、化粧材6Bについては、実施の形態2と同様の作用を奏する。
【0037】
(実施の形態4)
図6は、本発明の他の実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【0038】
本実施の形態4のユニット建物は、図6にその要部を示すように、複数の箱形に構成された建物ユニット10を隣接配置し、最上階に配置した建物ユニット10の上面を水勾配が形成された屋根2で覆い、この屋根2の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3を内樋方式にて設け、構築されたものである。
【0039】
前記最上階に配置した建物ユニット10の、屋外側の側面を覆う外壁14は、この建物ユニット10の構造体の上面19(天井梁13のフランジ上面)より上方に突出させて設けられている。
上記外壁14の突出部の屋内側に、木スタッド71を介してパラペット立上り合板7を取り付け、前記軒樋3が配置されている。
【0040】
上記屋根2を支持する垂木21は、軒樋3の下方に突出させ、天井野縁17とともに、天井梁13に支持されている。
【0041】
(実施の形態4の作用)
本実施の形態4によると、外壁14を上方に突出させ、この外壁14の突出部の屋内側に前記軒樋3が配置されているので、軒樋3が外壁14の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、外壁14の突出部で形成された庇と外壁14が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水、防火性能も向上する。
この際、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、建物ユニット10の天井梁13に支持しているので、屋根2の荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0042】
(実施の形態5)
図7は、本発明の他の実施の形態であって、ユニット建物を模式的に示した斜視図であり、図8は、図7のユニット建物の最上階を構成する各建物ユニットの側面図である。
【0043】
本実施の形態5のユニット建物は、図7に示すように、1階に同じ高さの3個の建物ユニット10B(または10A)を隣接配置し、2階には、中央に第1の建物ユニット10を、左隣に第2の建物ユニット10Aを、右隣に第3の建物ユニット10Bを混在した状態で隣接配置したものである。
【0044】
第1の建物ユニット10は、前記実施の形態4の図6に示したものと同じであるから、同符号を付けている。この第1の建物ユニット10は、上面を水勾配が形成された屋根2で覆い、この屋根2の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3を内樋方式にて設けたものである(前記図6参照)。
【0045】
上記第1の建物ユニット10は、図8(イ)に示すように、屋外側の側面を覆う外壁14を建物ユニット10の構造体の上面より上方に突出させて設けたものである。
上記建物ユニット10の構造体は、高さ寸法b=2830mmの呼称「24天井ユニット」と呼ばれるものであり、この構造体の上面より突出する外壁14は、高さ寸法a=2980mmになされている。
すなわち、上記外壁14は、高さ寸法aが構造体の高さ寸法bより150mm大きくされ、この分上方に突出している。この外壁14は、後述する第2の建物ユニット10A(呼称「25天井ユニット」)の外壁14と同じ高さ寸法aであるから、「25天井ユニット」用の外壁14を使用している。
【0046】
第2の建物ユニット10Aは、図8(ロ)に示すように、第1の建物ユニット10の構造体の下端から第1の建物ユニット10の外壁上端までの高さの構造体としている。
すなわち、第2の建物ユニット10Aは、高さ寸法a=2980mmの構造体(呼称「25天井ユニット」を使用)で、外壁14はこの構造体と同じ高さ寸法aになされ、上方に突出しないものとしている。
【0047】
第3の建物ユニット10Bは、図8(ハ)に示すように、第1の建物ユニット10の構造体と同じ高さ(高さ寸法b)の構造体(呼称「24天井ユニット」を使用))で、外壁14bも構造体と同じ高さ寸法bで、上方に突出しないものとしている。
【0048】
なお、第1の建物ユニット10は、前記図6に示したように、内樋方式になされているが、他の第2の建物ユニット10A及び第3の建物ユニット10Bは、内樋方式、外樋方式のいずれであってもよい。
【0049】
(実施の形態5の作用)
本実施の形態5によると、第1の建物ユニット10と、第2,第3の建物ユニット10A,10Bとが、最上階である2階に混在した状態で隣接配置され、第1の建物ユニット10は、屋外側の側面を覆う外壁14を建物ユニット10の構造体の上面より上方に突出させて設けたので、第1と第2の建物ユニット10,10Aの外壁14を同じ仕様にして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができるとともに、第1と第3の建物ユニットの構造体仕様も共通化できる。
また、第1の建物ユニット10は、外壁14を上方に突出させたので、庇と外壁14が一体となって防水・防火性能が向上するし、突出する外壁の屋内側に樋スペースを確保できる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によると、外壁の屋外側への突出が略なくなり、建物の外観意匠上の制約がなく、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0052】
請求項2記載の本発明によると、さらに、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性が高い。
【0053】
請求項3記載の本発明によると、さらに、化粧材の形状や材質等によって建物のデザイン変更が容易となる。
【0054】
請求項4記載の本発明によると、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であるから、請求項1〜3の発明と同様の作用がある。
【0055】
請求項5記載の本発明によると、外壁を上方に突出させ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されているので、排水溝が外壁の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水、防火性能も向上する。
【0056】
請求項6記載の本発明によると、第1の建物ユニットと第2または第3の建物ユニットの外壁を同じ仕様にして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができる。また、第1の建物ユニットは、外壁を上方に突出させたので、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水・防火性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【図2】建物ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の別の実施の形態であって、軒樋を化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
【図4】軒樋を別の化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態であって、傾斜屋根にした建物の要部を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態であって、ユニット建物を模式的に示した斜視図である。
【図8】図7のユニット建物の最上階を構成する各建物ユニットの側面図である。
【符号の説明】
1 建物本体
2 屋根
21 垂木(屋根支持部)
3 軒樋(排水溝)
4 防水シート
6 化粧材
10,10A,10B 建物ユニット
13 天井梁
14 外壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物及びユニット建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建物において、例えば、特許文献1に記載されているように、軒樋は、一般的に外壁面より屋外側に突出した屋根の先端に取り付けられている(外樋方式)。このような外樋方式は、軒樋が屋外側に突出するため、建物の外観意匠上の制限を受けたり、軒樋の取付け作業が足場を設けた高所での作業となる。
【0003】
そこで、軒樋が屋外側に露出しないように、内樋方式にした建物の屋根構造が、特許文献2に記載されて知られている。この屋根構造は、建物本体の上部に設置され軒先側に内樋を有する屋根パネルと、この屋根パネルに跨がって配設され各内樋を連結する共通の集合パイプとを有して構成され、軒先側フレームと内樋を前方から化粧材で覆うようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−105197号公報
【特許文献2】
特開平6−073851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のような外樋方式の場合、軒樋が屋外側に突出して建物の外観意匠上の制約を受けるという問題があり、特許文献2に記載のような内樋方式の場合、建物の外観意匠上の制約はないが、屋根を支持する垂木等の支持材と天井梁とが直接接しないため、補助梁やブラケット等を設置する必要があり、屋根構造の納まりが複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、建物の外観意匠上の制約がなく、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにした建物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、建物本体が周囲を外壁で囲い外壁上端部を天井梁に取着したものであり、建物本体の上方が水勾配を形成した屋根で覆われ、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝が設けられた建物であって、
前記排水溝は外壁の略直上に配置され、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、天井梁に支持してなることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の建物において、前記屋根の仕上げ材の裏面側を覆う屋根防水シートが、前記排水溝の裏面側を通って外壁の上端面を覆う状態で延設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の建物において、前記排水溝の屋外側面は、化粧材で覆われていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の建物において、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、複数の箱形に構成された建物ユニットを隣接配置し、最上階に配置した建物ユニットの上面を水勾配が形成された屋根で覆い、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝を設けて構築されたユニット建物であって、
前記最上階に配置した建物ユニットの、屋外側の側面を覆う外壁は、この建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けられ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、箱形に構成された第1の建物ユニットと、箱形に構成された第2または第3の建物ユニットとが、混在した状態で隣接配置されたユニット建物であって、
第1の建物ユニットは、屋外側の側面を覆う外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けたものとし、第2の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体の下端から第1の建物ユニットの外壁上端までの高さの構造体とし、第3の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体と同じ高さの構造体で外壁が上方に突出しないものとしたことを特徴とする。
【0013】
(作用)
請求項1記載の本発明によると、前記排水溝は外壁の略直上に配置されているので、軒樋等の排水溝が外壁の屋外側へ殆ど突出しなくなり、建物の外観意匠上の制約がない。そして、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、天井梁に支持しているので、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0014】
請求項2記載の本発明によると、さらに、前記屋根の仕上げ材の裏面側を覆う屋根防水シートが、前記排水溝の裏面側を通って外壁の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、防水の信頼性も高い。
【0015】
請求項3記載の本発明によると、さらに、前記排水溝の屋外側面は、化粧材で覆われているので、化粧材の形状や材質等によってデザイン変更が容易となる。
【0016】
請求項4記載の本発明によると、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であるから、請求項1〜3の発明と同様の作用がある。
【0017】
請求項5記載の本発明によると、外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されているので、排水溝が外壁の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、庇と外壁が別部品で構成されていた従来のものに比べて継ぎ部がなくなり、防水、防火性能も向上する。
この際、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、建物ユニットの天井梁に支持すれば、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0018】
請求項6記載の本発明によると、第1の建物ユニットと、第2または第3の建物ユニットとが、混在した状態で隣接配置され、第1の建物ユニットは、屋外側の側面を覆う外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けたので、第1と第2の建物ユニットの外壁を同じ仕様にしたり、第1と第3の建物ユニットの構造体を同じ仕様にしたりして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができる。また、第1の建物ユニットは、外壁を上方に突出させたので、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水・防火性能が向上する。
上に屋根ユニットが載る場合は、外壁が上に突出しない建物ユニットにし、隣に外壁が上に突出する平屋根を容易に形成できる。または、上に居室用建物ユニットが載る場合は、外壁が上に突出しない建物ユニットにし、隣に外壁が上に突出する平屋根で下屋となるものを容易に形成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1と図2は、本発明の実施の形態1であって、図1は建物の要部を示す断面図であり、図2は建物ユニットの斜視図である。
【0020】
本実施の形態の建物は、複数の建物ユニット10(図2参照)を上下、左右に隣接配置して建物本体1が構築され、この建物本体1の上方(最上階)が水勾配を形成したフラットな屋根2(陸屋根)で覆われたユニット建物である。
【0021】。
建物ユニット10は、図2に示すように、四隅に配置された4本の柱11と、柱11の下端部間に架け渡された4本の床梁12と、柱11の上端部間に架け渡された4本の天井梁13とから、箱形に組まれた骨組構造体になされている。
上記柱11は、角形鋼管で形成され、床梁12,天井梁13は、いずれも、断面コ字形の形鋼で形成されている。
【0022】
建物本体1の屋外側に面する周囲、すなわち建物ユニット10の屋外側面は、木片セメント板、金属板と石膏ボードの複合板、あるいは外にタイル貼りのALC版等の不燃性の外壁14で囲われており、この外壁14の上端部は、建物ユニット10の天井梁13に取着されている。
また、外壁14の屋内側には、金属製または木製スタッド15を介して内壁面材16が取り付けられている。
【0023】
屋根2は、山部と谷部が交互に連続した金属製折板や両端のみ折曲した平鋼板等でフラット屋根が形成され、水勾配を形成したこの屋根2の水下側には、屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3(排水溝)が設けられている。
【0024】
上記軒樋3は、合成樹脂で形成され、断面コ字形の開口を上方に向け、外壁14の屋外側面よりわずかに突出するようにして、外壁14の略直上に配置されている。
軒樋3に流入した雨水は、軒樋3の水下側の下隅部にたて樋5を接続して排水される。
【0025】
前記屋根2を下方から支持する木製の垂木21(屋根支持部)は、上端を天井梁13より上に突出させて、対向する天井梁13に両端が支持されている。垂木21の先端部は、先端部上面を切り欠いて、天井梁13の高さ範囲に収まる状態にされ、これを軒樋3の下方にまで突出させ、天井面材18を取り付けるための天井野縁17とともに建物ユニット10の天井梁13の上フランジと下フランジとの間に収まるるように構成されている。
【0026】
前記屋根2の仕上げ材の裏面側は、合成樹脂製の屋根防水シート4で覆われている。この屋根防水シート4は、前記軒樋3の裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されている。屋根防水シート4は、工場で建物ユニット10に取り付けるようにすると、施工現場の作業工数が少なくなるだけでなく、施工時の雨等に対しても都合がよくなる。
【0027】
(実施の形態1の作用)
本実施の形態1によると、前記排水溝3は外壁14の略直上に配置されているので、外樋方式のような外壁14の屋外側への突出が略なくなり、建物の外観意匠上の制約がない。
また、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、天井梁13に支持しているので、屋根2の荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0028】
本実施の形態1によると、さらに、前記屋根2の裏面側を覆う屋根防水シート4が、前記軒樋3の裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性も高い。
【0029】
(実施の形態2)
図3と図4は、本発明の別の実施の形態であって、図3は軒樋を化粧材で覆った建物の要部を示す断面図であり、図4は軒樋を別の化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
以下の実施の形態では、前記実施の形態と同じものには同符号を付けて説明を省略し、異なるものだけ別符号を付けて説明する。
【0030】
本実施の形態2においては、図3に示すように、前記軒樋3の外壁外側への突出をなくし、軒樋3の屋外側面を、外壁14と連続する同材質の化粧板6で覆うようにした。化粧板6を固定できるように配置できる位置を確保するため、外壁外面から軒樋外面までを化粧材取付空間とした。
また、図4においては、前記軒樋3の屋外側面を、外壁14の屋外側面より突出する中空の化粧材6Aで覆うようにした。
【0031】
(実施の形態2の作用)
本実施の形態2によると、さらに、前記軒樋3の屋外側面が、化粧材6,または6Aで覆われているので、これら化粧材6,6Aの形状や材質等によってデザイン変更が容易となる。
【0032】
(実施の形態3)
図5は、本発明の他の実施の形態であって、傾斜屋根にした建物の要部を示す断面図である。
【0033】
本実施の形態3では、建物本体1の上方を水勾配を形成した傾斜屋根2Aで覆うようにしたものである。
傾斜屋根2Aは、垂木21Aが屋根2Aと同勾配で傾斜し、垂木21Aの水下側先端が天井梁13の上面に支持されている。垂木21Aの先端下方は、天井梁13のフランジ上面に載置される平坦部を備えるとともに、天井梁13の上フランジ先端と対向する面を備えるように、切欠き部が形成されている。
垂木21Aの上に野地板23が取り付けられ、この野地板23の上に屋根瓦22が葺かれている。
軒樋3Aは、傾斜した底面と、底面の屋外側に立設された高さの高い側壁面と、底面の屋内側に立設された高さの低い側壁面とからなる。軒樋3Aは、傾斜した垂木21Aの水下側先端部の野地板23上に前記底面を当接して載置され、天井梁13の略直上に位置している。
軒樋3Aは、最下端に葺かれている屋根瓦22の裏側に高さの低い側壁面が潜り込むように取り付けられ、軒樋3Aの屋外側の側壁面を化粧材6Bで覆っている。
【0034】
前記傾斜屋根2Aの裏面側を覆う屋根防水シート4は、野地板23の上に張り付けられ、前記軒樋3Aの裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されている。
【0035】
(実施の形態3の作用)
本実施の形態によると、前記軒樋3Aは天井梁13の直上(外壁14の略直上)に配置されているので、前記実施の形態と同様、外壁13の屋外側への突出がなくなり、建物の外観意匠上の制約がない。また、前記傾斜屋根2Aを支持する垂木21Aを、軒樋3Aの下方にまで突出させ、垂木21Aの先端下方の切欠き部を天井梁13のフランジ上面に支持しているので、傾斜屋根2Aの荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0036】
さらに、前記屋根2Aの裏面側を覆う屋根防水シート4が、前記軒樋3Aの裏面側を通って外壁14の上端面を覆う状態で延設されているので、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性も高い。
なお、化粧材6Bについては、実施の形態2と同様の作用を奏する。
【0037】
(実施の形態4)
図6は、本発明の他の実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【0038】
本実施の形態4のユニット建物は、図6にその要部を示すように、複数の箱形に構成された建物ユニット10を隣接配置し、最上階に配置した建物ユニット10の上面を水勾配が形成された屋根2で覆い、この屋根2の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3を内樋方式にて設け、構築されたものである。
【0039】
前記最上階に配置した建物ユニット10の、屋外側の側面を覆う外壁14は、この建物ユニット10の構造体の上面19(天井梁13のフランジ上面)より上方に突出させて設けられている。
上記外壁14の突出部の屋内側に、木スタッド71を介してパラペット立上り合板7を取り付け、前記軒樋3が配置されている。
【0040】
上記屋根2を支持する垂木21は、軒樋3の下方に突出させ、天井野縁17とともに、天井梁13に支持されている。
【0041】
(実施の形態4の作用)
本実施の形態4によると、外壁14を上方に突出させ、この外壁14の突出部の屋内側に前記軒樋3が配置されているので、軒樋3が外壁14の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、外壁14の突出部で形成された庇と外壁14が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水、防火性能も向上する。
この際、前記屋根2を支持する垂木21を、軒樋3の下方にまで突出させ、建物ユニット10の天井梁13に支持しているので、屋根2の荷重を直接天井梁13へ流せる納まりにできる。
【0042】
(実施の形態5)
図7は、本発明の他の実施の形態であって、ユニット建物を模式的に示した斜視図であり、図8は、図7のユニット建物の最上階を構成する各建物ユニットの側面図である。
【0043】
本実施の形態5のユニット建物は、図7に示すように、1階に同じ高さの3個の建物ユニット10B(または10A)を隣接配置し、2階には、中央に第1の建物ユニット10を、左隣に第2の建物ユニット10Aを、右隣に第3の建物ユニット10Bを混在した状態で隣接配置したものである。
【0044】
第1の建物ユニット10は、前記実施の形態4の図6に示したものと同じであるから、同符号を付けている。この第1の建物ユニット10は、上面を水勾配が形成された屋根2で覆い、この屋根2の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する軒樋3を内樋方式にて設けたものである(前記図6参照)。
【0045】
上記第1の建物ユニット10は、図8(イ)に示すように、屋外側の側面を覆う外壁14を建物ユニット10の構造体の上面より上方に突出させて設けたものである。
上記建物ユニット10の構造体は、高さ寸法b=2830mmの呼称「24天井ユニット」と呼ばれるものであり、この構造体の上面より突出する外壁14は、高さ寸法a=2980mmになされている。
すなわち、上記外壁14は、高さ寸法aが構造体の高さ寸法bより150mm大きくされ、この分上方に突出している。この外壁14は、後述する第2の建物ユニット10A(呼称「25天井ユニット」)の外壁14と同じ高さ寸法aであるから、「25天井ユニット」用の外壁14を使用している。
【0046】
第2の建物ユニット10Aは、図8(ロ)に示すように、第1の建物ユニット10の構造体の下端から第1の建物ユニット10の外壁上端までの高さの構造体としている。
すなわち、第2の建物ユニット10Aは、高さ寸法a=2980mmの構造体(呼称「25天井ユニット」を使用)で、外壁14はこの構造体と同じ高さ寸法aになされ、上方に突出しないものとしている。
【0047】
第3の建物ユニット10Bは、図8(ハ)に示すように、第1の建物ユニット10の構造体と同じ高さ(高さ寸法b)の構造体(呼称「24天井ユニット」を使用))で、外壁14bも構造体と同じ高さ寸法bで、上方に突出しないものとしている。
【0048】
なお、第1の建物ユニット10は、前記図6に示したように、内樋方式になされているが、他の第2の建物ユニット10A及び第3の建物ユニット10Bは、内樋方式、外樋方式のいずれであってもよい。
【0049】
(実施の形態5の作用)
本実施の形態5によると、第1の建物ユニット10と、第2,第3の建物ユニット10A,10Bとが、最上階である2階に混在した状態で隣接配置され、第1の建物ユニット10は、屋外側の側面を覆う外壁14を建物ユニット10の構造体の上面より上方に突出させて設けたので、第1と第2の建物ユニット10,10Aの外壁14を同じ仕様にして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができるとともに、第1と第3の建物ユニットの構造体仕様も共通化できる。
また、第1の建物ユニット10は、外壁14を上方に突出させたので、庇と外壁14が一体となって防水・防火性能が向上するし、突出する外壁の屋内側に樋スペースを確保できる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によると、外壁の屋外側への突出が略なくなり、建物の外観意匠上の制約がなく、屋根の荷重を直接天井梁へ流せる納まりにできる。
【0052】
請求項2記載の本発明によると、さらに、建物の内外に渡って防水面を連続させることができ、防水が容易であり、信頼性が高い。
【0053】
請求項3記載の本発明によると、さらに、化粧材の形状や材質等によって建物のデザイン変更が容易となる。
【0054】
請求項4記載の本発明によると、前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であるから、請求項1〜3の発明と同様の作用がある。
【0055】
請求項5記載の本発明によると、外壁を上方に突出させ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されているので、排水溝が外壁の屋外側へ突出せず、建物の外観意匠上の制約がない。また、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水、防火性能も向上する。
【0056】
請求項6記載の本発明によると、第1の建物ユニットと第2または第3の建物ユニットの外壁を同じ仕様にして活用でき、部品仕様の共通化を図ることができる。また、第1の建物ユニットは、外壁を上方に突出させたので、庇と外壁が一体となり、庇部品が不要となるとともに、防水・防火性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【図2】建物ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の別の実施の形態であって、軒樋を化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
【図4】軒樋を別の化粧材で覆った建物の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態であって、傾斜屋根にした建物の要部を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態であって、建物の要部を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態であって、ユニット建物を模式的に示した斜視図である。
【図8】図7のユニット建物の最上階を構成する各建物ユニットの側面図である。
【符号の説明】
1 建物本体
2 屋根
21 垂木(屋根支持部)
3 軒樋(排水溝)
4 防水シート
6 化粧材
10,10A,10B 建物ユニット
13 天井梁
14 外壁
Claims (6)
- 建物本体が周囲を外壁で囲い外壁上端部を天井梁に取着したものであり、建物本体の上方が水勾配を形成した屋根で覆われ、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝が設けられた建物であって、
前記排水溝は外壁の略直上に配置され、前記屋根を支持する屋根支持部を、排水溝の下方にまで突出させ、天井梁に支持してなることを特徴とする建物。 - 前記屋根の仕上げ材の裏面側を覆う屋根防水シートが、前記排水溝の裏面側を通って外壁の上端面を覆う状態で延設されていることを特徴とする請求項1記載の建物。
- 前記排水溝の屋外側面は、化粧材で覆われていることを特徴とする請求項1または2記載の建物。
- 前記建物本体は、複数の建物ユニットを隣接配置して構築され、この建物本体の上方が前記屋根で覆われたユニット建物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の建物。
- 複数の箱形に構成された建物ユニットを隣接配置し、最上階に配置した建物ユニットの上面を水勾配が形成された屋根で覆い、この屋根の水下側に屋根上の雨水を集めて排水する排水溝を設けて構築されたユニット建物であって、
前記最上階に配置した建物ユニットの、屋外側の側面を覆う外壁は、この建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けられ、この外壁の突出部の屋内側に前記排水溝が配置されていることを特徴とするユニット建物。 - 箱形に構成された第1の建物ユニットと、箱形に構成された第2または第3の建物ユニットとが、混在した状態で隣接配置されたユニット建物であって、
第1の建物ユニットは、屋外側の側面を覆う外壁を建物ユニットの構造体の上面より上方に突出させて設けたものとし、第2の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体の下端から第1の建物ユニットの外壁上端までの高さの構造体とし、第3の建物ユニットは、第1の建物ユニットの構造体と同じ高さの構造体で外壁が上方に突出しないものとしたことを特徴とするユニット建物。
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Cited By (2)
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JP2011256648A (ja) * | 2010-06-11 | 2011-12-22 | Misawa Homes Co Ltd | ユニット式建物 |
WO2022049793A1 (ja) * | 2020-09-02 | 2022-03-10 | 三協フロンテア株式会社 | ユニットハウスの軒樋構造 |
-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004809A patent/JP2004218229A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022042230A (ja) * | 2020-09-02 | 2022-03-14 | 三協フロンテア株式会社 | ユニットハウスの軒樋構造 |
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