JP2004202945A - 印刷機のインキ供給量制御方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インキ呼出停止用エアシリンダ駆動装置23によってインキ呼出しロールの揺動(インキ呼出し動作)を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを補正する。この場合、インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnの補正は、小絵柄部を除く大中絵柄部についてのみ行い、その設定値に予め定められた補正係数αを掛けた値だけ大きくする。なお、インキツボローラの送り量の設定値RSを、その設定値に予め定められた補正係数βを掛けた値だけ大きくするように補正してもよい。また、インキツボキーの開き量の実際値θ1pv〜θnpvやインキツボローラの送り量の実際値RSpvを補正するようにしてもよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷機のインキ供給量制御に関し、より具体的には、インキ呼出しロールの揺動(インキ呼出し動作)を間欠的に停止させることによって、絵柄が少ない印刷物における濃度ムラなどの発生を抑えることができるようにした印刷機のインキ供給量制御方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷機におけるインキ供給量は、インキツボキーとインキツボローラとの間の隙間量によって制御されている。図25に輪転印刷機における各色の印刷ユニット内のインキ供給装置(インカー)の要部を示す。同図において、1はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、3はインキツボローラ、4(4−1〜4−n)はインキツボローラ3の軸方向に複数並設されたインキツボキー、5はインキ呼出しロール、6はインキローラ群、7は刷版、8は版胴であり、刷版7は版胴8に装着されている。図26は4色輪転印刷機を示す側面図である。同図において、9−1〜9−4は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニット9−1〜9−4内に上述したインキ供給装置が各個に設けられている。
【0003】
この印刷機では、インキツボローラ3の回転によって、インキツボキー4とインキツボローラ3との間の隙間からインキツボ1内のインキがインキツボローラ3に供給される。インキツボローラ3に供給されたインキは、インキ呼出しロール5の揺動により、インキツボローラ3からインキ呼出しロール5に移され、インキ呼出しロール5からインキロール(練ロール)6−1に移される。インキロール6−1に移されたインキは、インキローラ群6で練られた後、インキ着ロール6−2に移され、刷版7に供給される。刷版7に供給されたインキは、図示されていないゴム胴を介して、印刷用紙に印刷される。
【0004】
インキツボキー4−1〜4−nとインキツボローラ3との間の隙間量(インキツボキー4−1〜4−nの開き量)は、インキツボキー4−1〜4−nに対応する刷版7の各エリアの絵柄面積率に応じて設定される。例えば、予め設定されている「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」に従ってインキツボキー4−1〜4−nの開き量の設定値が求められ、この設定値に合致するようにインキツボキー4−1〜4−nの開き量が調整される。また、インキツボローラ3の回転量(送り量)は、予めその値が定められる。このインキツボキー4−1〜4−nの開き量の設定およびインキツボローラ3の送り量の設定は各色の印刷ユニット9(9−1〜9−4)毎に行われる。
【0005】
各色の印刷ユニット9内のインキ供給装置において、インキ呼出しロール5は、インキツボローラ3とインキロール6−1との間を往復揺動し、インキロール6−1へインキを受け渡す。その往復動作(インキ呼出し動作)は、インキ受け渡し量を一定にするため、版胴8の回転(印刷機の回転)と同調するように、印刷機と同一の駆動源により行い、例えば、版胴8の6回転に対し、これに連動して回転する駆動用カムの1回転によって、インキ呼出しロール5を1回往復揺動させている。
【0006】
最近の印刷機では、印刷機の高速化により、印刷紙へのインキ供給量とインキツボキー開閉のバランスが微妙になり、インキ供給量を安定させるのが困難になってきた。特に、絵柄が少ない印刷物(小絵柄の印刷物)に対しては、インキがインキ供給装置内に余分に供給されてしまい、それが濃度ムラなどが発生する原因となっていた。
【0007】
そこで、下記の特許文献1に示されたインキ呼出し装置では、インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させることによって、インキ供給装置内へのインキの供給量を少なくし、小絵柄の印刷物における濃度ムラなどの発生を抑えるようにしている。間欠的に停止させるにあたっては、例えば、インキ呼出しロールを往復揺動させる駆動用カムと同軸回転する回転軸の回転数をセンサで検出し、その回転数に対する整数比の割合で、エアシリンダを作動させ、インキ呼出しロールをインキロール側に押し付けて、インキ呼出しロールの往復動作を停止させるようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−147200号公報(第2−3頁、第1図、第5図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるようにした場合、絵柄面積率が小さい部分(小絵柄部)ではインキの過剰な供給を抑えることができるが、逆に絵柄面積率が小さくない部分(大中絵柄部)のインキ供給量が不足する。このため、オペレータが試刷りを繰り返しながらインキツボキーの開き量やインキツボローラの送り量を調整しなければならなくなり、余分な時間がかかる、オペレータに負担がかかる、印刷資材が無駄になる、作業効率が悪くなる等の問題があった。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とを同時に解消し、オペレータの負担を軽減することができる印刷機のインキ供給量制御方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、インキツボローラと、このインキツボローラの軸方向に並設された複数のインキツボキーと、インキツボローラからの刷版へのインキの供給通路に揺動自在に設けられたインキ呼出しロールと、このインキ呼出しロールを印刷機の回転に同調させて揺動させるインキ呼出しロール揺動手段と、インキ呼出しロールの揺動を停止させるインキ呼出しロール停止手段と、このインキ呼出しロール停止手段を作動させてインキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるインキ呼出しロール間欠停止手段とを備え、インキツボローラの回転によってインキツボキーとインキツボローラとの間の隙間からインキツボローラに供給されたインキを、インキ呼出しロールの揺動動作によって刷版に供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷機において、インキ呼出しロール間欠停止手段によってインキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、インキツボキーに対するインキツボローラとの間の隙間量を補正するようにしたものである。
【0012】
この発明によれば、インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合には、すなわちインキ呼出しロールの呼出し回数を間引いて小絵柄部でのインキの過剰供給を抑えようとする場合には、インキツボキーに対するインキツボローラとの間の隙間量(インキツボキーの開き量)が補正される。ここで、補正するインキツボキーの開き量は絵柄面積率などに応じて定められる設定値としてもよく、ポテンショメータなどによって検出される実際値としてもよい。
この場合、インキツボキーの開き量の補正は、予め定められている値よりも大きいもののみに対して行う。これにより、小絵柄部を除く大中絵柄部についてのみ、インキツボキーの開き量を補正する。この時、インキツボキーの開き量を大きくなるように補正すれば、1回の呼出しにおける大中絵柄部へのインキの供給量が増大し、呼出し回数を間引いたことによる減少分を補償することができる。なお、インキツボキーの開き量の補正方法として、予め定められた補正係数を掛けた値だけ大きくするという方法が考えられる。
【0013】
上述の発明では、インキ呼出しロール間欠停止手段によってインキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量を補正するようにしたが、インキツボローラの回転量(インキツボローラの送り量)を補正するようにしてもよい。ここで、インキツボローラの回転量は、予め定められる設定値としてもよく、タコジェネレータなどによって検出される実際値としてもよい。この時、インキツボローラの送り量を大きくなるように補正すれば、後述するように、インキツボキーの開き量が小さい小絵柄部に比べ、インキツボキーの開き量が大きい大中絵柄部へのインキの供給量が増大する。なお、インキツボローラの送り量の補正方法として、予め定められた補正係数を掛けた値だけ大きくするという方法が考えられる。
【0014】
本発明では、インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合には、すなわちインキ呼出しロールの呼出し回数を間引き運転する場合には、インキツボキーの開き量の補正、あるいはインキツボローラの送り量の補正が同時に行われるが、インキ呼出しロールの呼出し回数を間引き運転するか否かの判断は、オペレータの判断による手動方式としてもよいし、オペレータの判断によらない自動方式としてもよい。
【0015】
自動方式とする場合、例えば、インキツボキーの開き量が所定値よりも小さい(開き量<所定値)インキツボキーの数をカウントし、このカウントしたインキツボキーの数が所定数よりも大きい場合に、インキ呼出しロールの呼出し回数の間引き運転が必要であると判断し、インキ呼出しロール間欠停止手段を作動させる。すなわち、小絵柄部の数をカウントし、小絵柄部の数が所定数よりも多い場合に、インキ呼出しロール間欠停止手段を作動させる。
【0016】
なお、インキツボキーの開き量が零よりも大きく所定値よりも小さい(0<開き量<所定値)インキツボキーの数をカウントし、このカウントしたインキツボキーの数が所定数よりも大きい場合に、インキ呼出しロール間欠停止手段を作動させるようにしてもよい。
【0017】
また、カウントしたインキツボキーの数とインキツボキー全体の数との割合を求め、この求めた割合が予め設定されている割合よりも大きい場合にインキ呼出しロール間欠停止手段を作動させたり、インキツボキーの開き量が零よりも大きく所定値よりも小さい(0<開き量<所定値)インキツボキーの数をカウントし、このカウントしたインキツボキーの数と印刷に使用するインキツボキーの数との割合を求め、この求めた割合が予め設定されている割合よりも大きい場合にインキ呼出しロール間欠停止手段を作動させるようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1:手動方式〕
先ず、実施の形態1として、「間欠停止+補正」を行うか否かをオペレータの判断により指示する方式(手動方式)について説明する。
【0019】
図1はこの発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。同図において、10はCPU、11はROM、12はRAM、13はスイッチ群、14は表示器、15はフレキシブルディスク又は磁気カードドライブ(ドライブ装置)、16はプリンタ、17〜20は入出力インターフェイス(I/O)、M1〜M11はメモリ、21はインキツボキー駆動装置、22はインキツボローラ駆動装置、23は呼出し停止用エアシリンダ駆動装置である。スイッチ群13には補正ボタン13−1が設けられている。
【0020】
CPU10は、インターフェイス17を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM12にアクセスしながら、ROM11に格納されたプログラムに従って動作する。ROM11には各色の印刷ユニット9における刷版7へのインキ供給量を制御するためのプログラム(インキ供給量制御プログラム)が格納されている。なお、このインキ供給量制御プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録された状態で提供し、この記録媒体から読み出してハードディスク(図示せず)にインストールするようにしてもよい。
【0021】
インキツボキー駆動装置21はインキツボキー4−1〜4−nに対応して各個に設けられている。すなわち、n個のインキツボキー4(4−1〜4−n)に対し、n個のインキツボキー駆動装置21(21−1〜21−n)が設けられている。これらインキツボキー駆動装置21−1〜21−nによって、インキツボキー4−1〜4−nのインキツボローラ3に対する開き量が各個に調整される。インキツボキー駆動装置21−1〜21−nは、それぞれインキツボキーモータドライバ21Aと、インキツボキーモータ21Bと、ロータリエンコーダ21Cとを備えている。インキツボキー駆動装置21−1〜21−nは各色のインキツボキー4−1〜4−nに対して設けられている。
【0022】
インキツボローラ駆動装置22は各色のツボローラ3に対応して個別に設けられている。すなわち、4色輪転印刷機において、インキツボローラ駆動装置22は4個のインキツボローラ駆動装置22−1〜22−4から構成され、これらインキツボローラ駆動装置22−1〜22−4によって、各色のインキツボローラ3の送り量が個別に調整される。インキツボローラ駆動装置22−1〜22−4は、それぞれインキツボローラモータドライバ22Aと、インキツボローラモータ22Bと、ロータリエンコーダ22Cとを備えている。
【0023】
呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23は各色のインキ呼出しロール5に対応して個別に設けられている。すなわち、4色輪転印刷機において、呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23は4個の呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23−1〜23−4から構成され、これら呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23−1〜23−4によって、各色のインキ呼出しロール5の呼出し動作が間欠的に停止される。
【0024】
呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23−1〜23−4は、それぞれ呼出し停止開始用カウンタ23Aと、呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bと、フリップフロップ回路23Cと、呼出し停止用エアシリンダ23Dとを備えている。呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bには、インキ呼出しカム回転検出用センサ25より、インキ呼出しロール5を往復揺動させる駆動用カムと同軸回転する回転軸の1回転毎に、1パルスの信号が与えられる。
【0025】
メモリM1には、ドライブ装置15にセットされる記録媒体などから読み取られる、各色の印刷ユニット9における版胴8に装着される刷版7の絵柄データが書き込まれる。
メモリM2には、ドライブ装置15にセットされる記録媒体などから読み取られる、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量データRS(RS1〜RS4)が書き込まれる。
メモリM3には、各色ごとの「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」が格納される。
【0026】
メモリM4には、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって設定される、各色の印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5の呼出し動作の停止回数W(W1〜W4)が書き込まれる。ここで「呼出し動作の停止回数」とは呼出し動作を停止させる割合を表し、本実施の形態においては、1回の呼出し動作に対する呼出し動作の間引き数または間引く割合であり、たとえば停止回数W=1であれば、1回休んで1回呼出し動作を行う(本来ならば呼出し動作を2回行うところを1回停止する)ことを意味し、停止回数W=2であれば、2回休んで1回呼出し動作(本来ならば呼出し動作を3回行うところを2回停止する)を行うことを意味する。
【0027】
メモリM5には、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって設定される、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての小絵柄部か否かを判断するためのインキツボキーの開き量に対する所定値が小絵柄部判定値θs(θs1〜θs4)として書き込まれる。
メモリM6には、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対する開き量の設定値θ1〜θnを後述する処理によって補正した開き量の補正値θ1’〜θn’が書き込まれる。
【0028】
メモリM7には、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって設定される、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての開き量の補正係数α(α1〜α4)が書き込まれる。なお、補正係数αは、α>0の任意の値として設定される。
【0029】
メモリM8には、オペレータのキー操作によって設定される停止回数Wから求められる、各色の印刷ユニット9における呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aに設定する設定値C1(C11 〜C14 )が書き込まれる。
メモリM9には、オペレータのキー操作によって設定される停止回数Wから求められる、各色の印刷ユニット9における呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bに設定する設定値C2(C21 〜C24 )が書き込まれる。
【0030】
メモリM10には、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって設定される、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ3に対しての送り量の補正係数β(β1〜β4)が書き込まれる。なお、補正係数βは、β>0の任意の値として設定される。
メモリM11には、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量の設定値RS(RS1〜RS4)を後述する処理によって補正した送り量の補正値RS’(RS1’〜RS4’)が書き込まれる。
【0031】
〔動作例1:間欠停止+インキツボキーの開き量の補正〕
このインキ供給量制御装置における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1)について、図2および図3に分割して示したフローチャートに従って説明する。印刷ユニット9−1〜9−4のそれぞれにおいて、同様の動作が行われるので、ここでは1つの印刷ユニット9での動作例として説明する。
【0032】
なお、この動作に入る前に、メモリM3には各色ごとの「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」が格納されているものとする。また、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての小絵柄部判定値θs(θs1〜θs4)がメモリM5に、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての開き量の補正係数α(α1〜α4)がメモリM7に書き込まれているものとする。
【0033】
〔絵柄データ、送り量データの読み取り、記憶〕
CPU10は、ドライブ装置15にセットされる記録媒体などから印刷ユニット9の版胴8に装着される刷版7の絵柄データ、および印刷ユニット9のインキツボローラ3の送り量データRSを読み取り、絵柄データをインキツボキー4−1〜4−nに対する開き量の設定値としてメモリM1に、送り量データRSをインキツボローラ3に対する送り量の設定値としてメモリM2に書き込む(ステップ101,102)。
【0034】
絵柄データとしては、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対応する刷版7の各エリアの絵柄面積率データS1〜Snが入力されることもあるし、インキツボキー4−1〜4−nに対応する刷版7の各エリアの絵柄面積率をインキツボキー4−1〜4−nの開き量に変換したインキツボキー開き量データθ1〜θnが入力されることもある。
【0035】
入力された絵柄データが絵柄面積率データであった場合(ステップ103のYES)、CPU10は、メモリM3に格納されている印刷ユニット9用の「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」を読み出し(ステップ104)、この読み出した「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」を用いて絵柄面積率データS1〜Snをインキツボキー開き量θ1〜θnに変換し、メモリM1に格納し直す(ステップ105)。入力された絵柄データがインキツボキー開き量データであった場合(ステップ103のNO)、CPU10は、ステップ104,105を経ずに、直ちにステップ106へ進む。これにより、メモリM1には、インキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1〜θnが設定値として書き込まれることになる。
【0036】
〔インキ呼出し動作の間欠停止準備〕
ステップ106において、CPU10は、印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5に対する停止回数Wの入力を待つ。スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、停止回数Wが入力されると(ステップ106のYES)、この停止回数WをメモリM4に書き込む(ステップ107)。
【0037】
また、CPU10は、停止回数Wより呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aへの設定値C1および呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C2を求め、それぞれメモリM8およびM9に書き込む(ステップ108)。また、設定値C1を呼出し停止開始用カウンタ23Aへ、設定値C2を呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへ送り、セットする(ステップ109、110)。
【0038】
例えば、停止回数Wが1回であった場合、本来ならば呼出し動作を2回行うところを1回停止すると判断し、呼出し停止開始用カウンタ23Aへの設定値C1をC1=1、呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C2をC2=2とする。この呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C1,C2のセットにより、印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5のインキ呼出し動作の間欠停止の準備が整う。ここで、実際に印刷することも可能である。
【0039】
〔インキ呼出し動作の間欠停止〕
印刷ユニット9におけるインキ呼出し動作の間欠停止について、停止回数Wが1回である場合を例にとって説明しておく。印刷機の運転が開始されると、呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bには、印刷機の回転に同調してインキ呼出しロール5を往復揺動させる駆動用カムと同軸回転する回転軸の1回転毎に、インキ呼出しカム回転検出用センサ25より1パルスの信号(センサ信号)が与えられる。
【0040】
呼出し停止開始用カウンタ23Aは、このセンサ信号をC1回(この例では、1回)カウントすると、フリップフロップ回路23CのS入力に「H」レベルを出力してフリップフロップ回路23Cをセット状態とし、そのQ出力を「H」レベルとする。このフリップフロップ回路23Cからの「H」レベルのQ出力を受けて、呼出し停止用エアシリンダ23Dが作動し、インキ呼出しロール5をインキローラ6−1側に押し付け、インキ呼出し動作を停止させる。インキ呼出し動作の停止状態であっても、インキ呼出しロール5を往復揺動させる駆動用カムと同軸回転する回転軸は回転を続けるので、呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへのセンサ信号は入力され続ける。
【0041】
呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bは、センサ信号をC2回(この例では、2回)カウントすると、フリップフロップ回路23Cをリセット状態とし、そのQ出力を「L」レベルとする。これにより、呼出し停止用エアシリンダ23Dが非作動状態に戻り、インキ呼出し動作が再開される。また、呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bは、センサ信号をC2回カウントすると、自己のカウント値および呼出し停止開始用カウンタ23Aのカウント値を零に戻し、次のセンサ信号の入力に備える。このようにして、停止回数Wが1回とされた場合、1回休んで1回呼出し動作を行うというように、インキ呼出し動作が間欠的に停止される。
【0042】
〔インキツボキーの開き量の補正〕
CPU10は、ステップ111において、スイッチ群13における補正ボタン13−1のオンを待つ。印刷した結果を見て、あるいは印刷を開始する前に、オペレータの判断によって補正ボタン13−1がオンとされると(ステップ111のYES)、次のようにしてインキツボキーの開き量の補正が行われる。
【0043】
CPU10は、メモリM1から最初のインキツボキーの開き量の設定値θ1を読み出す(ステップ112:図3)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ113)。そして、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ114)、θ1<θsであればステップ115へ進み、θ1≧θsであればステップ116へ進む。
【0044】
すなわち、θ1<θsであれば(ステップ114のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、メモリM1から読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1をそのままθ1’としてメモリM6に書き込む(ステップ115)。
【0045】
これに対し、θ1≧θsであれば(ステップ114のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ116)、この補正係数αをメモリM1から読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1に掛け、設定値θ1に対する補正量を求める(ステップ117)。そして、この補正量を設定値θ1に加え、インキツボキーの開き量の補正値θ1’を求め、メモリM6に書き込む(ステップ118)。これにより、対応するエリアが大中絵柄部であると判断されたインキツボキー4−1に対する開き量の設定値θ1は、その設定値θ1に補正係数αを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0046】
次に、CPU10は、メモリM1から次のインキツボキーの開き量の設定値θ2を読み出す(ステップ119)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ120)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ2と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ121)、θ2<θsであれば、先のステップ115と同様にして、設定値θ2をそのままθ2’としてメモリM6に書き込む(ステップ122)。θ2≧θsであれば、先のステップ116〜118と同様にして、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ123)、この補正係数αを設定値θ2に掛けて補正量を求め(ステップ124)、設定値θ2にこの補正量を加えた値をθ2’としてメモリM6に書き込む(ステップ125)。
【0047】
以下同様にして、CPU10は、ステップ126においてメモリM1からの全てのインキツボキーの開き量の設定値θの読み出しが確認されるまで、ステップ119〜125の動作を繰り返す。これにより、メモリM6には、インキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’が格納される。
【0048】
ここで、メモリM6に格納されたインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’は、設定値θが小絵柄部判定値θsよりも小さいものについては実質的には補正されておらず、設定値θが小絵柄部判定値θsよりも大きいものだけが補正されている。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nに対するインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnは、その対応するエリアが小絵柄部(θ<θs)のものについては補正されないが、大中絵柄部(θ≧θs)のものについてのみ補正されて大きくなる。
【0049】
以上のように、この動作例1では、インキツボキーの開き量の設定値θに基づいて、各インキツボキーに対応するエリアが小絵柄部か否かを判定し、小絵柄部でないものについてのみインキツボキーの開き量の設定値θを補正する。
【0050】
メモリM6へのインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’の格納が完了すると(ステップ126のYES)、CPU10は、メモリM6からインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’を読み出し(ステップ127)、この読み出したインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’をインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ128)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1’〜θn’に合わせ込まれるようになる。
【0051】
また、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出し(ステップ129)、この読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSをインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ130)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSに合わせ込まれる。
【0052】
この動作例1では、オペレータの判断によってインキ呼出し動作の間欠停止とインキツボキーの開き量の補正が指示されると、すなわち停止回数Wが入力され、補正ボタン13−1がオンとされると、呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23に設定値C1,C2がセットされてインキ呼出し動作の間欠停止の準備が行われるとともに、インキツボキー4−1〜4−nに対するインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnのうち、小絵柄部を除く大中絵柄部の設定値だけが大きくなるように補正される。
【0053】
このように各インキツボキーの開き量を絵柄面積率に応じて補正することにより、大中絵柄部へのインキの供給量が増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消され、オペレータが試刷りを繰り返しながらインキツボキーの開き量やインキツボローラの送り量を調整するという必要がなくなり、余分な時間がかかる、オペレータに負担がかかる、印刷資材が無駄になる、作業効率が悪くなる等の問題が解決される。
【0054】
〔動作例2:間欠停止+インキツボローラの送り量の補正〕
上述した動作例1では、インキ呼出し動作を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを絵柄面積率に応じて補正するようにしたが、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを絵柄面積率に応じて補正するようにしてもよい。
【0055】
以下に説明する動作例2では、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを大きくなるように補正することによって、インキツボキーの開き量が小さい小絵柄部に比べ、インキツボキーの開き量が大きい大中絵柄部へのインキの供給量を増大させる。
【0056】
図4にインキツボローラの送り量を調整することによる絵柄面積率(横軸)と印刷濃度(縦軸)との関係を示す。インキツボローラの送り量を調整することによってその特性は変化する。同図に示す特性Iのように、印刷濃度値が絵柄面積率に拘わらず一定値Aである状態から、インキツボローラの送り量を増加すると、濃度値は上昇する。この場合、特性IIに示すように、絵柄面積率の小さい部分ではインキツボローラの送り量の増加に対する印刷濃度値の上昇が鈍く、絵柄面積率が大きくなるにつれて印刷濃度値が徐々に上昇し、ある絵柄面積率に達すると印刷濃度値は略一定となる。このことから、インキツボローラに対する送り量を大きくすると、小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、大中絵柄部へのインキの供給量がより大きく増大することが分かる。
【0057】
次に動作例2における動作手順について説明する。図5はこの動作例2の要部を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2に示したフローチャートのステップ111に続くもので、ステップ111までは動作例1の場合と同じであるので、その説明は省略する。なお、この動作に入る前に、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ3に対しての送り量の補正係数β(β1〜β4)がメモリM10に書き込まれているものとする。
【0058】
絵柄が少ない印刷物であるとの判断から、オペレータによって補正ボタン13−1がオンとされると(図2:ステップ111のYES)、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出す(ステップ131)。また、メモリM10から補正係数βを読み出し(ステップ132)、この補正係数βをメモリM2から読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSに掛け、設定値RSに対する補正量を求める(ステップ133)。
【0059】
そして、この補正量をメモリM2から読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSに加え、インキツボローラの送り量の補正値RS’(RS’=(1+β)・RS)を求め、メモリM11に書き込む(ステップ134)。これにより、インキツボローラ3に対する送り量の設定値RSは、その設定値RSに補正係数βを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0060】
次に、CPU10は、メモリM1からインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを読み出し(ステップ135)、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnをインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ136)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1〜θnに合わせ込まれる。
【0061】
また、CPU10は、メモリM11からインキツボローラの送り量の補正値RS’を読み出し(ステップ137)、この読み出したインキツボローラの送り量の補正値RS’をインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ138)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRS’に合わせ込まれるようになる。
【0062】
この動作例2では、オペレータの判断によってインキ呼出し動作の間欠停止とインキツボローラの送り量の補正が指示されると、呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23に設定値C1,C2がセットされてインキ呼出し動作の間欠停止の準備が行われるとともに、インキツボローラ3に対する送り量の設定値RSが大きくなるように補正される。
【0063】
このようにインキツボローラ3に対する送り量の設定値RSを絵柄面積率に応じて補正することにより、小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、大中絵柄部へのインキの供給量がより大きく増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消され、オペレータが試刷りを繰り返しながらインキツボキーの開き量やインキツボローラの送り量を調整するという必要がなくなり、余分な時間がかかる、オペレータに負担がかかる、印刷資材が無駄になる、作業効率が悪くなる等の問題が解決される。
【0064】
〔実施の形態2:自動方式▲1▼〕
次に、実施の形態2として、「間欠停止+補正」をCPU10の判断によって自動で行う第1番目の方式(自動方式▲1▼)について説明する。
【0065】
図6はこの実施の形態2に係るインキ供給量制御装置を示すブロック図である。同図において、図1と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。この実施の形態2では、実施の形態1の構成に加え、後述する小絵柄部数カウンタ用メモリM12と、小絵柄部数判定値用メモリM13と、小絵柄部数カウンタ24とを有している。また、スイッチ群13には、自動設定スイッチ13−2が設けられている。
【0066】
〔動作例1:間欠停止+インキツボキーの開き量の補正〕
このインキ供給量制御装置における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1)を図7および図8に分割して示したフローチャートに従って説明する。印刷ユニット9−1〜9−4のそれぞれにおいて、同様の動作が行われるので、ここでは1つの印刷ユニット9での動作例として説明する。
【0067】
なお、この動作に入る前に、メモリM3には各色ごとの「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」が格納されているものとする。また、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ5に対する呼出し動作の停止回数W(W1〜W4)がメモリM4に、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての小絵柄部判定値θs(θs1〜θs4)がメモリM5に、各色の印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nに対しての開き量の補正係数α(α1〜α4)がメモリM7に、インキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かの判定を行うための各色の小絵柄部数が小絵柄部数判定値Ks(Ks1〜Ks4)としてメモリM13に書き込まれているものとする。
【0068】
〔絵柄データ、送り量データの読み取り、記憶〕
本実施の形態に係るインキ供給量制御装置においても、先ずインキツボキーの開き量が次のようにして設定される。
CPU10は、ドライブ装置15にセットされる記録媒体などから印刷ユニット9の版胴8に装着される刷版7の絵柄データ、および印刷ユニット9のインキツボローラ3の送り量データRSを読み取り、絵柄データをインキツボキー4−1〜4−nに対する開き量の設定値としてメモリM1に、送り量データRSをインキツボローラ3に対する送り量の設定値としてメモリM2に書き込む(ステップ201,202)。
【0069】
入力された絵柄データが絵柄面積率データであった場合(ステップ203のYES)、CPU10は、メモリM3に格納されている印刷ユニット9用の「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」を読み出し(ステップ204)、この読み出した「絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ」を用いて絵柄面積率データS1〜Snをインキツボキー開き量θ1〜θnに変換し、メモリM1に格納し直す(ステップ205)。入力された絵柄データがインキツボキー開き量データであった場合(ステップ203のNO)、CPU10は、ステップ204,205を経ずに、直ちにステップ206へ進む。これにより、メモリM1には、インキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1〜θnが設定値として書き込まれることになる。
【0070】
〔インキ呼出し動作の間欠停止の必要性判断〕
続いて、インキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かを次のようにして判断する。ステップ206において、CPU10は、スイッチ群13における自動設定スイッチ13−2のオンを待つ。オペレータによって自動設定スイッチ13−2がオンとされると(ステップ206のYES)、CPU10は、小絵柄部カウンタ24のカウント値を零にリセットする(ステップ207)。
【0071】
そして、メモリM1から最初のインキツボキーの開き量の設定値θ1を読み出す(ステップ208)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ209)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ1と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ210)、θ1<θsであれば、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ211)。θ1≧θsであれば、直ちにステップ212へ進む。
【0072】
すなわち、CPU10は、θ1<θsであれば(ステップ210のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする。これに対し、θ1≧θsであれば(ステップ210のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値はアップせずに、直ちにステップ212へ進む。
【0073】
ステップ212において、CPU10は、メモリM1から次のインキツボキーの開き量の設定値θ2を読み出す。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ213)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ2と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ214)、θ2<θsであれば、先のステップ211と同様にして小絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ215)。θ1≧θsであれば、大中絵柄部であると判断し、直ちにステップ216へ進む。
【0074】
以下同様にして、CPU10は、ステップ216においてメモリM1からの全てのインキツボキーの開き量の設定値θの読み出しが確認されるまで、ステップ212〜215の動作を繰り返す。これにより、小絵柄部数カウンタ24は、インキツボキー4−1〜4−nのうち、その開き量の設定値θがθsより小さい小絵柄部と判断されたインキツボキーの数(小絵柄部数)をカウントすることになる。
【0075】
CPU10は、この小絵柄部数カウンタ24によってカウントされた小絵柄部数KmをメモリM12に書き込み(ステップ217)、メモリM13から小絵柄部数判定値Ksを読み出し(ステップ218)、小絵柄部数Kmと小絵柄部数判定値Ksとを比較する(ステップ219)。
【0076】
Km≦Ksであれば(ステップ219のYES)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が少なく、インキ呼出し動作の間欠停止は不要であると判断する。
【0077】
この場合、CPU10は、メモリM1からインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを読み出し(ステップ220)、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnをインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送り(ステップ221)、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をθ1〜θnに合わせ込む。
【0078】
また、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出し(ステップ222)、この読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSをインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送り(ステップ223)、印刷時におけるインキツボローラ3の送り量をRSに合わせ込むようにする。
【0079】
このようにして、CPU10は、小絵柄部の数が少ないと判断した場合、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を通常の設定値θ1〜θnに合わせ込み、また印刷時におけるインキツボローラ3の送り量を通常の設定値RSに合わせ込むようにし、一連の処理を終了する。
【0080】
これに対して、Km>Ksである場合(ステップ219のNO)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。
【0081】
この場合、CPU10は、メモリM4から停止回数Wを読み出し(ステップ224:図8)、この停止回数Wより呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aへの設定値C1および呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C2を求め、それぞれメモリM8およびM9に書き込む(ステップ225)。また、設定値C1を呼出し停止開始用カウンタ23Aへ、設定値C2を呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへ送り、セットする(ステップ226、227)。
【0082】
〔インキツボキーの開き量の補正〕
次に、CPU10は、メモリM1から最初のインキツボキーの開き量の設定値θ1を読み出す(ステップ228)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ229)。そして、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ230)、θ1<θsであればステップ231へ進み、θ1≧θsであればステップ232へ進む。
【0083】
すなわち、θ1<θsであれば(ステップ230のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、メモリM1から読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1をそのままθ1’としてメモリM6に書き込む(ステップ231)。
【0084】
これに対し、θ1≧θsであれば(ステップ230のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ232)、この補正係数αをメモリM1から読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1に掛け、設定値θ1に対する補正量を求める(ステップ233)。
【0085】
そして、この補正量を設定値θ1に加え、インキツボキーの開き量の補正値θ1’を求め、メモリM6に書き込む(ステップ234)。これにより、対応するエリアが大中絵柄部であると判断されたインキツボキー4−1に対する開き量の設定値θ1は、その設定値θ1に補正係数αを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0086】
次に、CPU10は、メモリM1から次のインキツボキーの開き量の設定値θ2を読み出す(ステップ235)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ236)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ2と小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ237)、θ2<θsであれば、先のステップ231と同様にして、設定値θ2をそのままθ2’としてメモリM6に書き込む(ステップ238)。
【0087】
θ2≧θsであれば、先のステップ232〜234と同様にして、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ239)、この補正係数αを設定値θ2に掛けて補正量を求め(ステップ240)、設定値θ2にこの補正量を加えた値をθ2’としてメモリM6に書き込む(ステップ241)。
【0088】
以下同様にして、CPU10は、ステップ242においてメモリM1からの全てのインキツボキーの開き量の設定値θの読み出しが確認されるまで、ステップ235〜241の動作を繰り返す。これにより、メモリM6には、インキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’が格納される。
【0089】
ここで、メモリM6に格納されたインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’は、設定値θが小絵柄部判定値θsよりも小さいものについては実質的には補正されておらず、設定値θが小絵柄部判定値θsよりも大きいものだけが補正されている。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nに対するインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnは、その対応するエリアが小絵柄部(θ<θs)のものについては補正されないが、大中絵柄部(θ≧θs)のものについてのみ補正されて大きくなる。
【0090】
以上のように、この動作例1では、インキツボキーの開き量の設定値θに基づいて、各インキツボキーに対応するエリアが小絵柄部か否かを判定し、小絵柄部でないものについてインキツボキーの開き量を補正する。
【0091】
メモリM6へのインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’の格納が完了すると(ステップ242のYES)、CPU10は、メモリM6からインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’を読み出し(ステップ243)、この読み出したインキツボキーの開き量の補正値θ1’〜θn’をインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ244)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1’〜θn’に合わせ込まれる。
【0092】
また、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出し(ステップ245)、この読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSをインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ246)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSに合わせ込まれるようになる。
【0093】
この動作例1では、インキ呼出し動作を間欠停止させるか否かが小絵柄部の数により自動的に判断され、この判断に基づいてCPU10からインキ呼出し動作の間欠停止が指示されると、インキツボキー4−1〜4−nに対するインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnのうち、小絵柄部を除く大中絵柄部の設定値だけが大きくなるように補正される。これにより、大中絵柄部へのインキの供給量が増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消される。
【0094】
〔動作例2:間欠停止+インキツボローラの送り量の補正〕
上述した動作例1では、インキ呼出し動作を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを絵柄面積率に応じて補正するようにしたが、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを絵柄面積率に応じて補正するようにしてもよい。
【0095】
以下に説明する動作例2では、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを大きくなるように補正することによって、インキツボキーの開き量が小さい小絵柄部に比べ、インキツボキーの開き量が大きい大中絵柄部へのインキの供給量を増大させる。
【0096】
次に動作例2における動作手順について説明する。図9はこの動作例2の要部を示すフローチャートである。このフローチャートは、図7に示したフローチャートのステップ219でNOと判断された後の処理に続くもので、ステップ219までは動作例1の場合と同じであるので、その説明は省略する。なお、この動作に入る前に、スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、各色の印刷ユニット9におけるインキツボローラ3に対しての送り量の補正係数β(β1〜β4)がメモリM10に書き込まれているものとする。
【0097】
Km>Ksであることが確認された場合(図7:ステップ219のNO)、CPU10は、印刷ユニット9−1の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。
【0098】
この場合、CPU10は、メモリM4から停止回数Wを読み出し(ステップ247)、この停止回数Wより呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aへの設定値C1および呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C2を求め、それぞれメモリM8およびM9に書き込む(ステップ248)。また、設定値C1を呼出し停止開始用カウンタ23Aへ、設定値C2を呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへ送り、セットする(ステップ249、250)。
【0099】
次に、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出す(ステップ251)。また、メモリM10から補正係数βを読み出し(ステップ252)、この補正係数βをメモリM2から読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSに掛け、設定値RSに対する補正量を求める(ステップ253)。そして、この補正量をメモリM2から読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSに加え、インキツボローラの送り量の補正値RS’を求め、メモリM11に書き込む(ステップ254)。これにより、インキツボローラ3に対する送り量の設定値RSは、その設定値RSに補正係数βを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0100】
次に、CPU10は、メモリM1からインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを読み出し(ステップ255)、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnをインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ256)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1〜θnに合わせ込まれる。
【0101】
また、CPU10は、メモリM11からインキツボローラの送り量の補正値RS’を読み出し(ステップ257)、この読み出したインキツボローラの送り量の補正値RS’をインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ258)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRS’に合わせ込まれるようになる。
【0102】
この動作例2では、インキ呼出し動作を間欠停止させるか否かが小絵柄部の数により自動的に判断され、この判断に基づいてCPU10からインキ呼出し動作の間欠停止が指示されると、インキツボローラ3に対する送り量の設定値RSが大きくなるように補正される。これにより、小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、大中絵柄部へのインキの供給量がより大きく増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消される。
【0103】
〔実施の形態3:自動方式▲2▼〕
次に、実施の形態3として、「間欠停止+補正」をCPU10の判断によって自動で行う第2番目の方式(自動方式▲2▼)について説明する。
【0104】
図10はこの実施の形態3に係るインキ供給量制御装置を示すブロック図である。同図において、図6と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。この実施の形態3では、実施の形態2の小絵柄部判定値用メモリM13に代えて、各印刷ユニットの全インキツボキーの数を記憶するメモリM14と、各印刷ユニットの全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合に対する判定値を記憶するメモリM15と、各印刷ユニットの全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合を記憶するメモリM16とを設けている。
【0105】
〔動作例1:間欠停止+インキツボキーの開き量の補正〕
このインキ供給量制御装置における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1)を図11および図12に分割して示したフローチャートに従って説明する。印刷ユニット9−1〜9−4のそれぞれにおいて、同様の動作が行われるので、ここでは1つの印刷ユニット9での動作例として説明する。
【0106】
なお、この実施の形態では、各色の印刷ユニット9の全インキツボキーの数Kn(Kn1〜Kn4)がメモリM14に、インキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かの判定を行うための各色の小絵柄部の割合(小絵柄部割合判定値)γs(γs1〜γs4)がメモリM15に書き込まれているものとする。
【0107】
図11において、ステップ301〜317までの動作は、図7に示したステップ201〜217までの動作と同じであるので、その説明は省略する。
CPU10は、小絵柄部数KmをメモリM12に書き込むと(ステップ317)、メモリM14に格納されている印刷ユニット9の全インキツボキーの数Knを読み出す(ステップ318)。
【0108】
そして、メモリM12から読み出した小絵柄部数KmとメモリM14から読み出した全インキツボキーの数Knより、印刷ユニット9の全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γを求め(γ=Km/Kn)、この求めた全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γをメモリM16に書き込む(ステップ319)。
【0109】
さらに、メモリM15から印刷ユニット9の小絵柄部割合判定値γsを読み出し(ステップ320)、この読み出した小絵柄部割合判定値γsと先のステップ319で求めた全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γとを比較する(ステップ321)。
【0110】
γ<γsであれば(ステップ321のYES)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が少なく、インキ呼出し動作の間欠停止は不要であると判断する。この場合、図7に示したステップ220〜223に対応するステップ322〜325の処理動作により、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を通常の設定値θ1〜θnに合わせ込み、また印刷時におけるインキツボローラ3の送り量を通常の設定値RSに合わせ込むようにし、一連の処理を終了する。
【0111】
これに対して、γ≧γsであった場合(ステップ321のNO)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。
この場合、CPU10は、図8に示したステップ224〜246に対応するステップ326〜348(図12)の処理動作により、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を補正値θ1’〜θn’に合わせ込む。
【0112】
この動作例1では、インキ呼出し動作を間欠停止させるか否かが小絵柄部の割合により自動的に判断され、この判断に基づいてCPU10からインキ呼出し動作の間欠停止が指示されると、インキツボキー4−1〜4−nに対するインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnのうち、小絵柄部を除く大中絵柄部の設定値だけが大きくなるように補正される。これにより、大中絵柄部へのインキの供給量が増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消される。
【0113】
〔動作例2:間欠停止+インキツボローラの送り量の補正〕
上述した動作例1では、インキ呼出し動作を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを絵柄面積率に応じて補正するようにしたが、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを絵柄面積率に応じて補正するようにしてもよい。
【0114】
すなわち、図11のステップ321においてγ≧γsと判断された場合、図13に示すステップ349〜360の処理動作(図9に示したステップ247〜258に対応する処理動作)を実行することによって、インキツボローラ3の送り量を補正値RS’に合わせ込むようにしてもよい。
【0115】
この動作例2では、インキ呼出し動作を間欠停止させるか否かが小絵柄部の割合より自動的に判断され、この判断に基づいてCPU10からインキ呼出し動作の間欠停止が指示されると、インキツボローラ3に対する送り量の設定値RSが大きくなるように補正される。これにより、小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、大中絵柄部へのインキの供給量がより大きく増大し、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とが同時に解消される。
【0116】
なお、上述した実施の形態2では、小絵柄部判定値θsを定め、この小絵柄部判定値θsよりも小さいインキツボキーの数を小絵柄部数Kmとしてカウントするようにしたが、すなわちインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnのうちθ<θsの数を小絵柄部数Kmとしてカウントするようにしたが、零よりも大きくθsよりも小さい(0<θ<θs)インキツボキーの数を小絵柄部数Kmとしてカウントするようにしてもよい。インキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnから零を除くことにより、両端の開き量が0%とされるインキツボキーや印刷されない部分のインキツボキーが除外され、実際に印刷される小絵柄部のみが小絵柄部数としてカウントされるようになる。
【0117】
〔実施の形態4〕
また、上述した実施の形態3では、印刷ユニット9における全インキツボキーの数Knに対する小絵柄部数Kmの割合としてγを求めるようにしたが、全インキツボキーの数Knではなく、印刷に使用するインキツボキーの数Kxに対する小絵柄部数Kmの割合としてγを求めるようにしてもよい。印刷に使用するインキツボキーの数Kxは、例えば下記に示す▲1▼,▲2▼の方法で求める。なお、この▲1▼,▲2▼の方法において、小絵柄部数Kmは、開き量の設定値が零よりも大きく小絵柄部判定値θsよりも小さい(0<θ<θs)インキツボキーの数とする。
【0118】
〔▲1▼プリセット情報として入力される用紙サイズを使用する方法〕
インキツボキーの総数nが偶数の場合、用紙サイズ/インキツボキーの幅/2=aとし、印刷に使用するインキツボキーの数KxをKx=(aの端数を繰り上げ整数とした値)×2として求める。また、インキツボキーの総数nが奇数の場合、〔(用紙サイズ/インキツボキーの幅)−1〕/2=a’とし、印刷に使用するインキツボキーの数KxをKx=(a’の端数を繰り上げ整数とした値)×2+1として求める。
【0119】
〔▲2▼絵柄データを使用する方法〕
印刷に使用するインキツボキーの数KxをKx=(インキツボキーの総数n)−(設定値が0%となっているインキツボキーの数)として求める。
【0120】
〔実施の形態4の具体例〕
図14に上述した絵柄データを使用する方法(方法▲2▼)を採用した場合のインキ供給量制御装置のブロック図を示す。同図において、図10と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。この実施の形態4では、実施の形態3の各印刷ユニットの全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合用メモリM15に代えて、各印刷ユニットの印刷に使用するインキツボキーの数に占める小絵柄部の割合用メモリM17と、各印刷ユニットの印刷に使用するインキツボキーの数用のメモリM18と、開き量零のインキツボキーの数用メモリM19とを設けている。また、開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26を設けている。
【0121】
〔インキ呼出し動作の間欠停止の必要性の判断〕
このインキ供給量制御装置におけるインキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かの判断動作を図15および図16に分割して示したフローチャートに従って説明する。図15において、ステップ401〜406までの動作は、図11に示したステップ301〜306までの動作と同じであるので、その説明は省略する。
【0122】
オペレータによって自動設定スイッチ13−2がオンとされると(ステップ406のYES)、CPU10は、開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26のカウント値を零にリセットする(ステップ407)。そして、メモリM1から最初のインキツボキーの開き量の設定値θ1を読み出す(ステップ408)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ1が零でないか否かをチェックし(ステップ409)、θ1=0であれば、開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26のカウント値を1アップする(ステップ410)。θ1≠0であれば、直ちにステップ411へ進む。
【0123】
ステップ411において、CPU10は、メモリM1から次のインキツボキーの開き量の設定値θ2を読み出す。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ2が零でないか否かをチェックし(ステップ412)、θ2=0であれば、開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26のカウント値を1アップする(ステップ413)。θ1≠0であれば、直ちにステップ414へ進む。
【0124】
以下同様にして、CPU10は、ステップ414においてメモリM1からの全てのインキツボキーの開き量の設定値θの読み出しが確認されるまで、ステップ411〜413の動作を繰り返す。これにより、開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26は、インキツボキー4−1〜4−nのうち、その開き量の設定値θが零と判断されたインキツボキーの数をカウントすることになる。CPU10は、この開き量零のインキツボキー数用のカウンタ26によってカウントされた値を開き量零数K0としてメモリM19に書き込む(ステップ415)。
【0125】
次に、CPU10は、メモリM14から印刷ユニット9の全インキツボキーの数Knを読み出し(ステップ416)、この読み出した印刷ユニット9の全インキツボキーの数Knからステップ415で求めた開き量零数K0を差し引いて、印刷に使用するインキツボキーの数Kxを算出する(ステップ417)。そして、この算出したインキツボキーの数KxをメモリM18に書き込む(ステップ418)。
【0126】
そして、CPU10は、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を零にリセットし(ステップ419:図16)、メモリM1から最初のインキツボキーの開き量の設定値θ1を読み出す(ステップ420)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ421)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ1が0<θ1<θsであるか否かをチェックし(ステップ422)、0<θ1<θsであれば、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ423)。0<θ1<θsでなければ、直ちにステップ424へ進む。
【0127】
すなわち、CPU10は、0<θ1<θsであれば(ステップ422のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする。これに対し、0<θ1<θsでなければ(ステップ422のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部あるいは印刷に使用されない部分であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値はアップせずに、直ちにステップ424へ進む。
【0128】
ステップ424において、CPU10は、メモリM1から次のインキツボキーの開き量の設定値θ2を読み出す。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ425)。そして、インキツボキーの開き量の設定値θ2が0<θ2<θsであるか否かをチェックし(ステップ426)、0<θ2<θsであれば、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ427)。0<θ2<θsでなければ、直ちにステップ428へ進む。
【0129】
以下同様にして、CPU10は、ステップ428においてメモリM1からの全てのインキツボキーの開き量の設定値θの読み出しが確認されるまで、ステップ424〜427の動作を繰り返す。これにより、小絵柄部数カウンタ24は、インキツボキー4−1〜4−nのうち、その開き量の設定値θが0<θ<θsの小絵柄部と判断されたインキツボキーの数(小絵柄部数)をカウントすることになる。CPU10は、この小絵柄部数カウンタ24によってカウントされた小絵柄部数をKmとしてメモリM12に書き込み(ステップ429)、メモリM18から印刷ユニット9の印刷に使用するインキツボキーの数Kxを読み出す(ステップ430)。
【0130】
そして、メモリM12から読み出した小絵柄部数KmとメモリM18から読み出した印刷に使用するインキツボキーの数Kxより、印刷ユニット9の印刷に使用するインキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γを求め(γ=Km/Kx)、この求めた印刷に使用するインキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γをメモリM16に書き込む(ステップ431)。
【0131】
さらに、メモリM17から印刷ユニット9の小絵柄部割合判定値γsを読み出し(ステップ432)、この読み出した小絵柄部割合判定値γsと先のステップ431で求めた印刷に使用するインキツボキーの数に占める小絵柄部の割合γとを比較する(ステップ433)。
【0132】
γ<γsであれば(ステップ433のYES)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が少なく、インキ呼出し動作の間欠停止は不要であると判断する。この場合、図11に示したステップ322〜325に対応するステップ434〜437の処理動作により、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を通常の設定値θ1〜θnに合わせ込み、また印刷時におけるインキツボローラ3の送り量を通常の設定値RSに合わせ込むようにし、一連の処理を終了する。
【0133】
これに対して、γ≧γsであった場合(ステップ433のNO)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。この場合、CPU10は、図12に示したステップ326〜348に対応する処理動作(動作例1)により、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を補正値θ1’〜θn’に合わせ込む。あるいは、図13に示したステップ349〜360に対応する処理動作(動作例2)により、印刷時におけるインキツボローラ3の送り量を補正値RS’に合わせ込むようにする。
【0134】
〔実施の形態5:手動方式〕
実施の形態1の手動方式では、インキツボキー4の開き量の設定値θを補正したり、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを補正するようにした。これに対し、実施の形態5の手動方式では、インキツボキー4の開き量の実際値θpvを補正したり、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvを補正する。図17にこの実施の形態5のインキ供給量制御装置のブロック図を示す。尚、図17においては、図1のインキツボキー駆動装置21のロータリーエンコーダ21Cがポテンショメータ21Dに、インキツボローラ駆動装置22のロータリエンコーダ22Cがタコジェネレータ22Dに置き換えられている。
【0135】
〔動作例1:間欠停止+インキツボキーの開き量の補正〕
このインキ供給量制御装置における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1)を図18および図19に分割して示したフローチャートに従って説明する。印刷ユニット9−1〜9−4のそれぞれにおいて、同様の動作が行われるので、ここでは1つの印刷ユニット9での動作例として説明する。
【0136】
この実施の形態5においても、図2に示したステップ101〜105と対応するステップ501〜505の処理動作によって、メモリM1にインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを記憶し、メモリM2にインキツボローラの送り量の設定値RSを記憶する。
【0137】
そして、メモリM1からインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを読み出し(ステップ506)、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnをインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ507)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1〜θnに合わせ込まれる。
【0138】
また、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出し(ステップ508)、この読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSをインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ509)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSに合わせ込まれる。
【0139】
〔インキ呼出し動作の間欠停止準備〕
ステップ510において、CPU10は、印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5に対する停止回数Wの入力を待つ。スイッチ群13におけるオペレータのキー操作によって、停止回数Wが入力されると(ステップ510のYES)、この停止回数WをメモリM4に書き込む(ステップ511)。
【0140】
そして、図2に示したステップ108〜110に対応するステップ512〜514の処理動作によって、呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへへ設定値C1および設定値C2をセットし、印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5のインキ呼出し動作の間欠停止の準備を整える。
【0141】
〔インキツボキーの開き量の補正〕
CPU10は、ステップ515において、スイッチ群13における補正ボタン13−1のオンを待つ。印刷した結果を見て、あるいは印刷を開始する前に、オペレータの判断によって補正ボタン13−1がオンとされると(ステップ515のYES)、次のようにしてインキツボキーの開き量の補正が行われる。
【0142】
CPU10は、最初のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ1pvを読み取る(ステップ516:図19)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ517)。そして、この読み出したインキツボキーの開き量の実際値θ1pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ518)、θ1pv<θsであればステップ519へ進み、θ1pv≧θsであればステップ520へ進む。
【0143】
すなわち、θ1pv<θsであれば(ステップ518のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、ポテンショメータ21Dより読み取ったインキツボキーの開き量の実際値θ1pvをそのままθ1pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ519)。
【0144】
これに対し、θ1pv≧θsであれば(ステップ518のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ520)、この補正係数αをポテンショメータ21Dから読み取ったインキツボキーの開き量の実際値θ1pvに掛け、実際値θ1pvに対する補正量を求める(ステップ521)。そして、この補正量を実際値θ1pvに加え、インキツボキーの開き量の補正値θ1pv’を求め、メモリM20に書き込む(ステップ522)。これにより、対応するエリアが大中絵柄部であると判断されたインキツボキー4−1の開き量の実際値θ1pvは、その実際値θ1pvに補正係数αを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0145】
次に、CPU10は、次のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ2pvを読み取る(ステップ523)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ524)。そして、インキツボキーの開き量の実際値θ2pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ525)、θ2pv<θsであれば、先のステップ519と同様にして、実際値θ2pvをそのままθ2pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ526)。θ2pv≧θsであれば、先のステップ520〜522と同様にして、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ527)、この補正係数αを実際値θ2pvに掛けて補正量を求め(ステップ528)、実際値θ2pvにこの補正量を加えた値をθ2pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ529)。
【0146】
以下同様にして、CPU10は、ステップ530において全てのインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θpvの読み取りが確認されるまで、ステップ523〜530の動作を繰り返す。これにより、メモリM20にはインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’が格納される。
【0147】
ここで、メモリM20に格納されたインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’は、実際値θpvが小絵柄部判定値θsよりも小さいものについては実質的には補正されておらず、実際値θpvが小絵柄部判定値θsよりも大きいものだけが補正されている。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nの開き量の実際値θ1〜θnは、その対応するエリアが小絵柄部(θpv<θs)のものについては補正されないが、大中絵柄部(θpv≧θs)のものについてのみ補正されて大きくなる。
【0148】
メモリM20へのインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’の格納が完了すると(ステップ530のYES)、CPU10は、メモリM20からインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’を読み出し(ステップ531)、この読み出したインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’をインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ532)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1pv’〜θnpv’に合わせ込まれるようになる。
【0149】
〔動作例2:間欠停止+インキツボローラの送り量の補正〕
上述した動作例1では、インキ呼出し動作を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の実際値θ1pv〜θnpvを絵柄面積率に応じて補正するようにしたが、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvを絵柄面積率に応じて補正するようにしてもよい。
【0150】
以下に説明する動作例2では、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvを大きくなるように補正することによって、インキツボキーの開き量が小さい小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、インキツボキーの開き量が大きい大中絵柄部へのインキの供給量をより大きく増大させる。
【0151】
図20はこの動作例2の要部を示すフローチャートである。このフローチャートは、図18に示したフローチャートのステップ515に続くもので、ステップ515までは動作例1の場合と同じであるので、その説明は省略する。
【0152】
絵柄が少ない印刷物であるとの判断から、オペレータによって補正ボタン13−1がオンとされると(図18:ステップ515のYES)、CPU10は、タコジェネレータ22Dよりインキツボローラの送り量の実際値RSpvを読み取る(ステップ533)。また、メモリM10から補正係数βを読み出し(ステップ534)、この補正係数βをタコジェネレータ22Dより読み取ったインキツボローラの送り量の実際値RSpvに掛け、実際値RSpvに対する補正量を求める(ステップ535)。
【0153】
そして、この補正量をタコジェネレータ22Dより読み取ったインキツボローラの送り量の実際値RSpvに加え、インキツボローラの送り量の補正値RSpv’(RSpv’=(1+β)・RSpv)を求め、メモリM21に書き込む(ステップ536)。これにより、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvは、その実際値RSpvに補正係数βを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0154】
次に、CPU10は、メモリM21からインキツボローラの送り量の補正値RSpv’を読み出し(ステップ537)、この読み出したインキツボローラの送り量の補正値RSpv’をインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ538)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSpv’に合わせ込まれるようになる。
【0155】
〔実施の形態6:自動方式〕
実施の形態2で説明した自動方式では、インキツボキー4の開き量の設定値θを補正したり、インキツボローラ3の送り量の設定値RSを補正するようにした。これに対し、実施の形態6の自動方式では、インキツボキー4の開き量の実際値θpvを補正したり、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvを補正する。また、インキツボキーの開き量の実際値θpvが小絵柄部判定値θsよりも小さいインキツボキーの数をカウントし、このカウントしたインキツボキーの数がKsよりも大きい場合に、インキ呼出し回数の間引き運転が必要であると判断する。図21にこの実施の形態6のインキ供給量制御装置のブロック図を示す。
【0156】
〔動作例1:間欠停止+インキツボキーの開き量の補正〕
このインキ供給量制御装置における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1)を図22および図23に分割して示したフローチャートに従って説明する。印刷ユニット9−1〜9−4のそれぞれにおいて、同様の動作が行われるので、ここでは1つの印刷ユニット9での動作例として説明する。
【0157】
〔絵柄データ、送り量データの読み取り、記憶〕
この実施の形態6においても、図7に示したステップ201〜205と対応するステップ601〜605の処理動作によって、メモリM1にインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを記憶し、メモリM2にインキツボローラの送り量の設定値RSを記憶する。
【0158】
そして、メモリM1からインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnを読み出し(ステップ606)、この読み出したインキツボキーの開き量の設定値θ1〜θnをインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ607)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1〜θnに合わせ込まれる。
【0159】
また、CPU10は、メモリM2からインキツボローラの送り量の設定値RSを読み出し(ステップ608)、この読み出したインキツボローラの送り量の設定値RSをインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ609)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSに合わせ込まれる。
【0160】
〔インキ呼出し動作の間欠停止の必要性判断〕
続いて、インキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かを次のようにして判断する。ステップ610において、CPU10は、スイッチ群13における自動設定スイッチ13−2のオンを待つ。オペレータによって自動設定スイッチ13−2がオンとされると(ステップ610のYES)、CPU10は、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を零にリセットする(ステップ611)。
【0161】
そして、最初のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ1pvを読み取る(ステップ612)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ613)。そして、インキツボキーの開き量の実際値θ1pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ614)、θ1pv<θsであれば、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ615)。θ1pv≧θsであれば、直ちにステップ616へ進む。
【0162】
すなわち、CPU10は、θ1pv<θsであれば(ステップ614のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする。これに対し、θ1pv≧θsであれば(ステップ614のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値はアップせずに、直ちにステップ616へ進む。
【0163】
ステップ616において、CPU10は、次のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ2pvを読み取る。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ617)。そして、インキツボキーの開き量の実際値θ2pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ618)、θ2pv<θsであれば、先のステップ615と同様にして小絵柄部であると判断し、小絵柄部数カウンタ24のカウント値を1アップする(ステップ619)。θ1pv≧θsであれば、大中絵柄部であると判断し、直ちにステップ620へ進む。
【0164】
以下同様にして、CPU10は、ステップ620において全てのインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θpvの読み取りが確認されるまで、ステップ616〜620の動作を繰り返す。これにより、小絵柄部数カウンタ24は、インキツボキー4−1〜4−nのうち、その開き量の実際値θpvがθsより小さい小絵柄部と判断されたインキツボキーの数(小絵柄部数)をカウントすることになる。
【0165】
CPU10は、この小絵柄部数カウンタ24によってカウントされた小絵柄部数KmをメモリM12に書き込み(ステップ621)、メモリM13から小絵柄部数判定値Ksを読み出し(ステップ622)、小絵柄部数Kmと小絵柄部数判定値Ksとを比較する(ステップ623)。
【0166】
Km≦Ksであれば(ステップ623のYES)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が少なく、インキ呼出し動作の間欠停止は不要であると判断し、一連の処理を終了する。
【0167】
これに対して、Km>Ksである場合(ステップ623のNO)、CPU10は、印刷ユニット9の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。
【0168】
この場合、CPU10は、メモリM4から停止回数Wを読み出し(ステップ624:図23)、図8に示したステップ225〜227に対応するステップ625〜627の処理動作によって、呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aおよび呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへ設定値C1および設定値C2をセットし、印刷ユニット9におけるインキ呼出しロール5のインキ呼出し動作の間欠停止の準備を整える。
【0169】
〔インキツボキーの開き量の補正〕
次に、CPU10は、最初のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ1pvを読み取る(ステップ628)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ629)。そして、この読み出したインキツボキーの開き量の実際値θ1pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ630)、θ1pv<θsであればステップ631へ進み、θ1pv≧θsであればステップ632へ進む。
【0170】
すなわち、θ1pv<θsであれば(ステップ630のNO)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは小絵柄部であると判断し、ポテンショメータ21Dより読み取ったインキツボキーの開き量の実際値θ1pvをそのままθ1pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ631)。
【0171】
これに対し、θ1pv≧θsであれば(ステップ630のYES)、インキツボキー4−1に対応する刷版7のエリアは大中絵柄部であると判断し、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ632)、この補正係数αをポテンショメータ21Dより読み取ったインキツボキーの開き量の実際値θ1pvに掛け、実際値θ1pvに対する補正量を求める(ステップ633)。
【0172】
そして、この補正量を実際値θ1pvに加え、インキツボキーの開き量の補正値θ1pv’を求め、メモリM20に書き込む(ステップ634)。これにより、対応するエリアが大中絵柄部であると判断されたインキツボキー4−1に対する開き量の実際値θ1pvは、その実際値θ1pvに補正係数αを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0173】
次に、CPU10は、次のインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θ2pvを読み出す(ステップ635)。また、メモリM5から小絵柄部判定値θsを読み出す(ステップ636)。そして、インキツボキーの開き量の実際値θ2pvと小絵柄部判定値θsとを比較し(ステップ637)、θ2pv<θsであれば、先のステップ631と同様にして、実際値θ2pvをそのままθ2pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ638)。
【0174】
θ2pv≧θsであれば、先のステップ632〜634と同様にして、メモリM7から補正係数αを読み出し(ステップ639)、この補正係数αを実際値θ2pvに掛けて補正量を求め(ステップ640)、この補正量を加えた実際値θ2pvをθ2pv’としてメモリM20に書き込む(ステップ641)。
【0175】
以下同様にして、CPU10は、ステップ642において全てのインキツボキーのポテンショメータ21Dよりインキツボキーの開き量の実際値θpvの読み取りが確認されるまで、ステップ635〜641の動作を繰り返す。これにより、メモリM20には、インキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’が格納される。
【0176】
ここで、メモリM20に格納されたインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’は、実際値θpvが小絵柄部判定値θsよりも小さいものについては実質的には補正されておらず、実際値θpvが小絵柄部判定値θsよりも大きいものだけが補正されている。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nの開き量の実際値θ1pv〜θnpvは、その対応するエリアが小絵柄部(θpv<θs)のものについては補正されないが、大中絵柄部(θpv≧θs)のものについてのみ補正されて大きくなる。
【0177】
メモリM20へのインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’の格納が完了すると(ステップ642のYES)、CPU10は、メモリM20からインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’を読み出し(ステップ643)、この読み出したインキツボキーの開き量の補正値θ1pv’〜θnpv’をインキツボキー駆動装置21のインキツボキーモータドライバ21Aへ送る(ステップ644)。これにより、インキツボキーモータ21Bが駆動され、印刷ユニット9におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量がθ1pv’〜θnpv’に合わせ込まれる。
【0178】
〔動作例2:間欠停止+インキツボローラの送り量の補正〕
上述した動作例1では、インキ呼出し動作を間欠的に停止させる場合、インキツボキーの開き量の実際値θ1pv〜θnpvを絵柄面積率に応じて補正するようにしたが、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvを絵柄面積率に応じて補正するようにしてもよい。
【0179】
以下に説明する動作例2では、インキツボローラ3の送り量の実際値RSを大きくなるように補正することによって、インキツボキーの開き量が小さい小絵柄部へのインキの供給量の増大に比べ、インキツボキーの開き量が大きい大中絵柄部へのインキの供給量をより大きく増大させる。
【0180】
図24はこの動作例2の要部を示すフローチャートである。このフローチャートは、図22に示したフローチャートのステップ623でNOと判断された後の処理に続くもので、ステップ623までは動作例1の場合と同じであるので、その説明は省略する。
【0181】
Km>Ksであることが確認された場合(図22:ステップ623のNO)、CPU10は、印刷ユニット9−1の版胴8にセットされている刷版7は小絵柄部の数が多く、インキ呼出し動作の間欠停止が必要であると判断する。
【0182】
この場合、CPU10は、メモリM4から停止回数Wを読み出し(ステップ645)、この停止回数Wより呼出し停止用エアシリンダ駆動装置23における呼出し停止開始用カウンタ23Aへの設定値C1および呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへの設定値C2を求め、それぞれメモリM8およびM9に書き込む(ステップ646)。また、設定値C1を呼出し停止開始用カウンタ23Aへ、設定値C2を呼出しカウンタリセット用カウンタ23Bへ送り、セットする(ステップ647、648)。
【0183】
次に、CPU10は、タコジェネレータ22Dよりインキツボローラの送り量の実際値RSpvを読み取る(ステップ649)。また、メモリM10から補正係数βを読み出し(ステップ650)、この補正係数βをタコジェネレータ22Dより読み取ったインキツボローラの送り量の実際値RSpvに掛け、実際値RSpvに対する補正量を求める(ステップ651)。そして、この補正量をタコジェネレータ22Dより読み取ったインキツボローラの送り量の実際値RSpvに加え、インキツボローラの送り量の補正値RSpv’を求め、メモリM21に書き込む(ステップ652)。これにより、インキツボローラ3の送り量の実際値RSpvは、その実際値RSpvに補正係数βを掛けた値だけ大きくなるように補正される。
【0184】
次に、CPU10は、メモリM21からインキツボローラの送り量の補正値RSpv’を読み出し(ステップ653)、この読み出したインキツボローラの送り量の補正値RSpv’をインキツボローラ駆動装置22のインキツボローラモータドライバ22Aへ送る(ステップ654)。これにより、印刷時、印刷ユニット9におけるインキツボローラ3の送り量がRSpv’に合わせ込まれるようになる。
【0185】
なお、上述した実施の形態1〜6では、インキツボローラ3とインキロール6−1との間にインキ呼出しロール5を設けた例で説明したが、インキツボローラ3からインキ着ロール6−2に至るロール群のいずれかをインキ呼出しロールとし、そのインキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるようにしたものにも同様にして適用することができる。
【0186】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、インキ呼出しロール間欠停止手段によってインキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、インキツボキーに対するインキツボローラとの間の隙間量(インキツボキーの開き量)を補正するようにしたので、あるいはインキツボローラの回転量(インキツボローラの送り量)を補正するようにしたので、大中絵柄部へのインキの供給量を増大させ、小絵柄部でのインキの過剰供給と大中絵柄部でのインキ供給量の不足とを同時に解消し、オペレータの負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1,動作例2)を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2に続く実施の形態1の動作例1のフローチャートである。
【図4】インキツボローラの送り量を調整することによる絵柄面積率と印刷濃度との関係を示す図である。
【図5】図2に続く実施の形態1の動作例2のフローチャートである。
【図6】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の他の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1,動作例2)を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に続く実施の形態2の動作例1のフローチャートである。
【図9】図7に続く実施の形態2の動作例2のフローチャートである。
【図10】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の別の実施の形態(実施の形態3)を示すブロック図である。
【図11】実施の形態3における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1,動作例2)を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に続く実施の形態3の動作例1のフローチャートである。
【図13】図11に続く実施の形態3の動作例2のフローチャートである。
【図14】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の別の実施の形態(実施の形態4)の具体例を示すブロック図である。
【図15】図14に示したインキ供給量制御装置においてインキ呼出し動作の間欠停止を行うか否かの判断動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】図15に続く処理動作のフローチャートである。
【図17】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の別の実施の形態(実施の形態5)を示すブロック図である。
【図18】実施の形態5における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1,動作例2)を説明するためのフローチャートである。
【図19】図18に続く実施の形態5の動作例1のフローチャートである。
【図20】図18に続く実施の形態5の動作例2のフローチャートである。
【図21】本発明に係る印刷機のインキ供給量制御装置の別の実施の形態(実施の形態6)を示すブロック図である。
【図22】実施の形態6における印刷開始前の特徴的な動作(動作例1,動作例2)を説明するためのフローチャートである。
【図23】図22に続く実施の形態6の動作例1のフローチャートである。
【図24】図22に続く実施の形態6の動作例2のフローチャートである。
【図25】輪転印刷機における各色の印刷ユニット内のインキ供給装置(インカー)の要部を示す図である。
【図26】4色輪転印刷機を示す側面図である。
【符号の説明】
1…インキツボ、2…インキ、3…インキツボローラ、4(4−1〜4−n)…インキツボキー、5…インキ呼出しロール、6…インキローラ群、7…刷版、8…版胴、9(9−1〜9−4)…印刷ユニット、10…CPU,11…ROM,12…RAM,13…スイッチ群、13−1…補正ボタン、13−2…自動設定スイッチ、14…表示器、15…ドライブ装置、16…プリンタ、17〜20…入出カインターフェイス(I/O)、21(21−1〜21−n)…インキツボキー駆動装置、21A…インキツボキーモータドライバ、21B…インキツボキーモータ、21C…ロータリーエンコーダ、21D…ポテンショメータ、22(22−1〜22−4)…インキツボローラ駆動装置、22A…インキツボローラモータドライバ、22B…インキツボローラモータ、22C…ロータリーエンコーダ、22D…タコジェネレータ、23(23−1〜23−4)…呼出し停止用エアシリンダ駆動装置、23A…呼出し停止開始用カウンタ、23B…呼出しカウンタリセット用カウンタ、23C…フリップフロップ回路、23D…呼出し停止用エアシリンダ、24…小絵柄部カウンタ、25…インキ呼出しカム回転検出用センサ、26…開き量零のインキツボキー数用のカウンタ、M1…絵柄データ記憶用メモリ、M2…インキツボローラの送り量データ用メモリ、M3…絵柄面積率−インキツボキー開き量変換カーブ用メモリ、M4…停止回数用メモリ、M5…小絵柄判定値用メモリ、M6…補正したインキツボキーの開き量用メモリ、M7…インキツボキー開き量補正係数用メモリ、M8…呼出し停止開始用カウンタの実際値用メモリ、M9…呼出しカウンタリセット用カウンタの実際値用メモリ、M10…インキツボローラの送り量補正係数用メモリ、M11…補正したインキツボローラの送り量用メモリ、M12…小絵柄部数カウンタ用メモリ、M13…小絵柄部数判定値用メモリ、M14…各印刷ユニットの全インキツボキーの数用メモリ、M15…各印刷ユニットの全インキツボキーの数に占める小絵柄部の割合判定値用メモリ、M16…小絵柄部の割合用メモリ、M17…各印刷ユニットの印刷に使用するインキツボキーの数に占める小絵柄部の割合判定値用メモリ、M18…各印刷ユニットの印刷に使用するインキツボキーの数用メモリ、M19…開き量零のインキツボキー数用メモリ、M20…補正したインキツボキーの開き量用メモリ、M21…補正したインキツボローラの送り量用メモリ。
Claims (20)
- インキツボローラと、このインキツボローラの軸方向に並設された複数のインキツボキーと、前記インキツボローラからの刷版へのインキの供給通路に揺動自在に設けられたインキ呼出しロールと、このインキ呼出しロールを印刷機の回転に同調させて揺動させるインキ呼出しロール揺動手段と、前記インキ呼出しロールの揺動を停止させるインキ呼出しロール停止手段と、このインキ呼出しロール停止手段を作動させて前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるインキ呼出しロール間欠停止手段とを備え、前記インキツボローラの回転によって前記インキツボキーと前記インキツボローラとの間の隙間から前記インキツボローラに供給されたインキを、前記インキ呼出しロールの揺動動作によって前記刷版に供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷機において、
前記インキ呼出しロール間欠停止手段によって前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量を補正する
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項1に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量の補正は、前記インキツボキーと前記インキツボローラとの間の隙間が予め定められている値よりも大きいもののみに対して行う
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項2に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量の補正は補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項2に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量の補正は予め定められた補正係数を掛けた値だけ補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - インキツボローラと、このインキツボローラの軸方向に並設された複数のインキツボキーと、前記インキツボローラからの刷版へのインキの供給通路に揺動自在に設けられたインキ呼出しロールと、このインキ呼出しロールを印刷機の回転に同調させて揺動させるインキ呼出しロール揺動手段と、前記インキ呼出しロールの揺動を停止させるインキ呼出しロール停止手段と、このインキ呼出しロール停止手段を作動させて前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるインキ呼出しロール間欠停止手段とを備え、前記インキツボローラの回転によって前記インキツボキーと前記インキツボローラとの間の隙間から前記インキツボローラに供給されたインキを、前記インキ呼出しロールの揺動動作によって前記刷版に供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷機において、
前記インキ呼出しロール間欠停止手段によって前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、前記インキツボローラの回転量を補正する
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項5に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボローラの回転量の補正は補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項5に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボローラの回転量の補正は予め定められた補正係数を掛けた値だけ補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項1又は5に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量が所定の範囲にあるインキツボキーの数をカウントし、
このカウントしたインキツボキーの数が所定数よりも大きい場合に前記インキ呼出しロール間欠停止手段を作動させる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - インキツボローラと、このインキツボローラの軸方向に並設された複数のインキツボキーと、前記インキツボローラからの刷版へのインキの供給通路に揺動自在に設けられたインキ呼出しロールと、このインキ呼出しロールを印刷機の回転に同調させて揺動させるインキ呼出しロール揺動手段と、前記インキ呼出しロールの揺動を停止させるインキ呼出しロール停止手段と、このインキ呼出しロール停止手段を作動させて前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるインキ呼出しロール間欠停止手段とを備え、前記インキツボローラの回転によって前記インキツボキーと前記インキツボローラとの間の隙間から前記インキツボローラに供給されたインキを、前記インキ呼出しロールの揺動動作によって前記刷版に供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷機において、
前記インキ呼出しロール間欠停止手段によって前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量を補正する補正手段
を備えたことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項9に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記補正手段は、前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量のうち予め定められている値よりも大きいもののみを補正する
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項10に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記補正手段による前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量の補正は補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項10に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記補正手段による前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量の補正は予め定められた補正係数を掛けた値だけ補正後の値が大きくなる
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - インキツボローラと、このインキツボローラの軸方向に並設された複数のインキツボキーと、前記インキツボローラからの刷版へのインキの供給通路に揺動自在に設けられたインキ呼出しロールと、このインキ呼出しロールを印刷機の回転に同調させて揺動させるインキ呼出しロール揺動手段と、前記インキ呼出しロールの揺動を停止させるインキ呼出しロール停止手段と、このインキ呼出しロール停止手段を作動させて前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させるインキ呼出しロール間欠停止手段とを備え、前記インキツボローラの回転によって前記インキツボキーと前記インキツボローラとの間の隙間から前記インキツボローラに供給されたインキを、前記インキ呼出しロールの揺動動作によって前記刷版に供給し、この刷版に供給されたインキを印刷用紙に印刷する印刷機において、
前記インキ呼出しロール間欠停止手段によって前記インキ呼出しロールの揺動を間欠的に停止させる場合、前記インキツボローラの回転量を補正する補正手段
を備えたことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項13に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記補正手段は、前記インキツボローラの回転量を大きくなるように補正する
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項13に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記補正手段は、前記インキツボローラの回転量を予め定められた補正係数を掛けた値だけ大きくなるように補正する
ことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項9又は13に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記インキツボキーに対する前記インキツボローラとの間の隙間量が所定の範囲にあるインキツボキーの数をカウントするカウント手段と、
このカウント手段によりカウントされたインキツボキーの数が所定数よりも大きい場合に前記インキロール間欠停止手段を作動させる手段と
を備えたことを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項1に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボキーに対するインキツボローラとの間の隙間量は、前記刷版の絵柄面積率に応じて補正されることを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項5に記載された印刷機のインキ供給量制御方法において、
前記インキツボローラの回転量は、前記刷版の絵柄面積率に応じて補正されることを特徴とする印刷機のインキ供給量制御方法。 - 請求項9に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記インキツボキーに対するインキツボローラとの間の隙間量は、前記刷版の絵柄面積率に応じて補正されることを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。 - 請求項13に記載された印刷機のインキ供給量制御装置において、
前記インキツボローラの回転量は、前記刷版の絵柄面積率に応じて補正されることを特徴とする印刷機のインキ供給量制御装置。
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