JP3917281B2 - インキ回収方法およびインキ回収装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インキローラ群に付着しているインキをインキツボに回収するインキ回収方法およびインキ回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10に輪転印刷機における各印刷ユニット内のインカー(インキ供給装置)の要部を示す。同図において、1はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、3はインキツボローラ、4(4−1〜4−n)はインキツボローラ3の軸方向に複数並設して設けられたインキツボキー、5はインキ移しローラ、6はインキローラ群、7は刷版、8は版胴、9はインキローラ群6の軸方向に複数並設して設けられた洗浄液を吐出するノズル、10はインキローラ洗浄装置である。
【0003】
このインキ供給装置は、インキツボキー4−1〜4−nの開度調整によってインキツボ1内のインキ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボローラ3に供給されたインキをインキ移しローラ5の呼び出し動作によりインキローラ群6を介して刷版7へ供給する。
【0004】
刷版7を交換して新しい刷版7’とした場合、この新刷版7’の絵柄に応じた値にインキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などがプリセットされる。すなわち、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値として、インキツボ1内のインキ2がインキローラ群6を介して新刷版7’へ供給される。この場合、本刷りの前に試刷りを行って、インキ供給量を調整し、満足すべき色調を得る。これにより、インキローラ群6には、所望のインキ膜厚分布(インキ膜厚さの勾配)が作られる。
【0005】
しかしながら、従来のインキ供給装置では、刷版7を交換して新刷版7’とした場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布がインキローラ群6に残っている。すなわち、この場合、旧刷版7に対するインキ膜厚分布を新刷版7’に対するインキ膜厚分布に徐々に変えて行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにインキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問題が生じる。
【0006】
そこで、本出願人は、満足すべき色調を得るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくすることを目的として、先に提案した特願平8−167144号を基本とした次のような「インキ膜厚の制御方法」を考えている。
このインキ膜厚の制御方法では、旧刷版7の新刷版7’への交換に際して、先ずインキリムービング(インキ履歴の解消)を行う。すなわち、ディスプレイ(図示せず)上でインキリムービングを選択し、インキツボキー4−1〜4−nのインキツボローラ3に対する開き量をゼロにセットし、またインキツボローラ3の送り量を最大値にセットしたうえ、本機を運転し、インキ移しローラ5に所定回数の呼び出し動作をさせる。この時、インキローラ群6には、上流から下流にしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma(図11(a)参照)に対し、旧刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図11(b)参照)が重畳されている。このインキ移しローラ5の呼び出し動作により、インキローラ群6上のインキがインキツボ1内に回収(インキツボ返し)されて行き、インキローラ群6にインキ膜厚分布Maが、すなわち刷版7の絵柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Maが残される。
【0007】
次に、ディスプレイ上でプレインキング2を選択し、プレインキング2を行う。このプレインキング2では、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵柄に応じた値にプリセットしたうえ、本機を運転し、インキ移しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に残されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに新刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbを重畳する。
【0008】
そして、このインキ膜厚分布MaへのMbの重畳後、刷版を新刷版7’に交換した状態で、所定枚数の試刷りを行い、その試刷りされた印刷物について濃度チェックを行う。この濃度チェックにおいて、満足すべき色調であれば、「インキリムービング+プレインキング2」によるインキ膜厚の制御を終了し、本刷りへ移行する。満足すべき色調でなければ、プレインキング(+)あるいはプレインキング(−)によってインキ膜厚分布を微調整し、再度試刷りを行う。プレインキング(−)では、インキローラ群6の保有する余剰インキの回収を行うため、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロとし、インキリムービングの場合と同様にしてインキツボ返しを行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、インキ回収を行っている間、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロとしている。このため、その間、インキツボキー4−1〜4−nの位置を変更することができない。すなわち、この方法では、インキ回収を行った後に、開き量ゼロ(ゼロ位置)にあるインキツボキー4−1〜4−nを設定位置にプリセットしなければならず、結果的に試刷りに入るまでの時間が長引き、生産性の低下、生産コストのアップを招く。
また、この方法では、刷版交換の度にインキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロとするため、インキツボキー4−1〜4−nのゼロ位置の位置精度が劣化し、オペレータによるインキツボキー4−1〜4−nの定期的なゼロ位置の精度の確認および補正を頻繁に必要とする。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、試刷り作業に入るまでの時間を短縮し、生産性の向上、生産コストのダウンを図ることの可能な、またオペレータによるインキツボキーの定期的なゼロ位置の精度の確認および補正の保守サイクルを長期化することの可能なインキ回収方法およびインキ回収装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、インキツボキーの上面にインキ回収用ブレードを設け、このインキ回収用ブレードをインキ回収の間だけ原点位置からインキツボローラに対する開き量ゼロの位置まで移動させるようにしたものである。この発明によれば、インキ回収用ブレードをインキ回収の間だけ原点位置からゼロ位置まで移動させることにより、例えば、インキリムービングの場合、インキ回収と並行してインキツボキーの設定位置へのプリセットを行うことが可能となり、プレインキング(−)の場合、インキツボキーを設定位置にプリセットしたままでインキ回収を行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。図2は本発明を適用してなる4色枚葉輪転印刷機を示す図である。同図において、11−1〜11−4は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニット11−1〜11−4内に図10を用いて説明したようなインキ供給装置が各個に設けられている。
【0013】
但し、このインキ供給装置には、図1に示すように、インキツボキー4−1〜4−nの上面にインキ回収用ブレード17が設けられている。インキ回収用ブレード17の上端17−1は、インキツボローラ3の軸方向に長い押さえ板18と19とによって挟まれ一体化されており、下側の押さえ板19の両側部には円形の孔19−1(19−1R,19−1L)が形成され、この円形の孔19−1(19R,19L)にピン20(20R,20L)が挿入されている。
【0014】
ピン20は、図3に示すように、円形の孔19−1に対してその軸方向の動きが規制されており、その先端がメタル21の内孔を通してシリンダ22にネジ23を用いて固定されている。また、シリンダ22が設けられているシリンダ室には、エアー配管24(24R,24L),25(25R,25L)からのエアーが供給されるようになっている。通常、エアー配管25からエアーが供給されており、これによりシリンダ22が図示左方位置に位置し、押さえ板18,19と一体とされたインキ回収用ブレード17をピン20を介して押し上げ、インキツボローラ3に対する開き量を最大(原点位置)としている。エアー配管24からエアーが供給されると、シリンダ22が図示右方位置に移動し、押さえ板18,19と一体とされたインキ回収用ブレード17をピン20を介して押し下げ、インキツボローラ3に対する開き量をゼロ(ゼロ位置)とする。
【0015】
なお、インキ回収用ブレード17の上面はインキ2を受けると共に、下面はインキツボキー4−1〜4−nに埋設されているマグネット26(26−1〜26−n)に接し常に吸引されている。
【0016】
また、この輪転印刷機には、図4に示すような操作デスク13が付設されている。この操作デスク13は、そのデスク上面を操作盤13−1とし、この操作盤13−1に操作部13−2および表示部13−3が設けられている。また、操作デスク13のデスク上面には、試刷りシステム(この例では、パソコン)14が載置されている。なお、この実施の形態では、図示してはいないが操作デスク13内に制御装置が設置されており、この制御装置と合わせて試刷りシステム14が構成されている。
【0017】
試刷りシステム14には試刷りデータが予め標準化されて搭載されている。この場合、試刷りデータとは、プレインキング1,インキリムービング(インキ履歴解消),プレインキング2,プレインキング(+)およびプレインキング(−)(インキ回収)における「インキ呼び出し回数(インキ移し回数)」や「試刷り枚数」などの設定条件である。
【0018】
また、操作盤13−1には、磁気カード15(図5(a)参照)やフロッピィディスク16(図5(b)参照)などの記録媒体が挿入セットされる差込口(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、記録媒体に、刷版の絵柄面積情報に基づいて作成された本刷りデータ(印刷データ)を記録させておく。すなわち、所要の刷版毎に、その刷版が用いられる印刷ユニット、その印刷ユニットにおけるインキツボキーの開度、インキツボローラの回転量などの設定値データを本刷りデータとして記録させておく。
【0019】
試刷りシステム14にはインキローラ群6の各ローラ上に最適なインキの膜厚を形成するための機能(制御プログラム)が搭載されている。これらの機能はメニュー画面M(図6参照)に表示される。
【0020】
この輪転印刷機において印刷ユニット11(11−1〜11−4)における刷版交換に際してのインキローラ群6へのインキ膜厚分布の形成は次のようにして行われる。
【0021】
試刷りシステム14の電源を入れると、そのディスプレイ上に、メニュー画面Mが出現する。このメニュー画面Mには選択し得る機能として「プレインキング1」,「プレインキング2」,「インキ履歴解消(インキリムービング)」,「インキ回収(プレインキング(−))」,「プレインキング(+)」,「試刷」が表示される。また、予め標準化されて搭載されている試刷りデータの一部が、具体的な数値として表示される。
【0022】
すなわち、印刷ユニット11−1〜11−4について、そのプレインキング1,プレインキング2,インキ履歴解消,インキ回収,プレインキング(+)動作におけるインキ移し回数が「プレインキング1」,「プレインキング2」,「インキ履歴解消」,「インキ回収」,「プレインキング(+)」の横に表示される。また、試刷り枚数が「試刷」の横に表示される。また、「ユニット選択」として、印刷ユニット11−1〜11−4に対応する番号「1」〜「4」が表示される。
【0023】
〔インキ履歴解消(インキリムービング)〕
本刷り作業の終了後(図7に示すステップ701)、印刷ユニット11−1について、旧刷版7から新刷版7’への交換を行うものとする。この場合、オペレータは、印刷ユニット11−1にセットしようとする新刷版7’の本刷りデータが記録されている記録媒体を操作デスク13の差込口にセットし、印刷データの入力を行う(ステップ702)。そして、メニュー画面Mの「ユニット選択」において、印刷ユニット11−1に対応する番号「1」を選択のうえ、「インキ履歴解消」を選択する(ステップ703)。
【0024】
「インキ履歴解消」が選択されると、試刷りシステム14は、その選択機能での運転を開始し(ステップ704)、本機を一定回転になるまで昇速した後、エアー配管24よりエアーを吐出して、シリンダ22を移動させる。これにより、それまで原点位置に位置していたインキ回収用ブレード17が押し下げられ、その先端がインキツボローラ3に近接して、インキツボローラ3に対する開き量がほゞゼロとなる(ステップ705:図9参照)。この後、試刷りシステム14は、インキツボローラ3の送り量を刷版7の印刷データに基づく設定値から最大値へと変更する(ステップ706)。
【0025】
そして、試刷りシステム14は、インキ移しローラ5にメニュー画面Mの作動回数で設定された回数の呼び出し動作をさせる(ステップ707)。この時、印刷ユニット11−1におけるインキローラ群6には、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Maに対し、刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbが重畳されている。インキツボローラ3は本機の回転に伴い反時計の方向に回るため、インキ移しローラ5側には常にインキ回収用ブレード17によってインキ膜厚がほゞゼロの状態となったインキツボローラ3の表面が現れる。インキ移しローラ5は作動を行う度にインキローラ群6からインキを受理して、インキ膜厚がほゞゼロのインキツボローラ3との接触を繰り返す。これにより、インキローラ群6上のインキがインキツボ1内に回収されて行き、設定回数の呼び出し動作を行った後には(ステップ709)、インキローラ群6に刷版7の絵柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Maが残される。
【0026】
一方、試刷りシステム14は、このインキ履歴の解消動作と並行して、新刷版7’の印刷データのプリセットを行う。すなわち、ステップ704でのインキ履歴解消動作のスタートと同時に、ステップ702で入力した新刷版7’の印刷データのプリセットを開始する(ステップ710)。この印刷データのプリセットでは、インキツボキー4−1〜4−nのみをインキ回収用ブレード17の下で、その印刷データに基づいた設定値まで移動させる(ステップ711,712)。インキツボキー4−1〜4−nには、マグネット26が埋設されてインキ回収用ブレード17を吸引しているため、インキツボキー4−1〜4−nが移動してもインキ回収用ブレード17との隙間にインキが侵入することはない。
【0027】
ステップ704〜712によるインキ履歴の解消動作と印刷データのプリセットを完了すると、試刷りシステム14は、インキツボローラ3の送り量を最大値から新刷版7’の印刷データに基づく設定値に変更する(ステップ713)。また、これと並行して、インキ回収用ブレード17もゼロ位置から原点位置へ復帰させる(ステップ714)。これによって、一連のインキ履歴の解消作業を終了し、ステップ703で選択された機能すなわち「インキ履歴解消」を解除する(ステップ715)。そして、試刷りシステム14は、本機を低速回転とする(ステップ716)。この後、オペレータは、プレインキング2によるインキ膜厚分布Mbの重畳を行い、ブランケットの洗浄,刷版交換,紙サイズプリセット等の作業を行った後、試刷り作業を開始する(ステップ717)。
【0028】
この場合、インキ履歴解消動作によるインキ回収と並行して新刷版7’の印刷データに基づくインキツボキー4−1〜4−nの設定位置へのプリセットが行われるので、インキ履歴の解消後にインキツボキー4−1〜4−nを設定位置へ戻す必要がなくなり、結果的に試刷り作業に入るまでの時間が短縮され、生産性の向上、生産コストのダウンが図られるものとなる。
また、刷版交換の度にインキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロとする必要がないので、インキツボキー4−1〜4−nのゼロ位置の位置精度を維持する期間が長くなり、オペレータによるインキツボキー4−1〜4−nの定期的なゼロ位置の精度の確認および補正の保守サイクルを長期化することができる。
また、インキ履歴の解消に際して用紙を必要としないので、印刷資材の浪費が防がれる。すなわち、インキ履歴の解消を、インキツボ返しによる方法ではなく、白紙への印刷によって行うことが考えられる。この白紙印刷による方法では印刷資材の浪費となる。これに対して、インキツボ返しによる方法をとることにより、用紙を必要とせず、印刷資材の浪費を防ぐことができる。
【0029】
〔インキ回収(プレインキング(−)〕
試刷り作業において、試刷りを行い印刷品質を確認した結果、印刷原稿に対してインキローラ群6の保有しているインキの量が過剰な状態にある場合、オペレータは試刷りシステム14のメニュー画面Mよりインキ回収機能を選択する。
【0030】
すなわち、試刷り作業を中止し(図8に示すステップ801)、メニュー画面Mの「ユニット選択」において、印刷ユニット11−1に対応する番号「1」を選択のうえ、「インキ回収」を選択し(ステップ802)、インキ呼び出し回数を設定した後、本機を空転状態とする。
【0031】
「インキ回収」が選択されると、試刷りシステム14は、その選択機能での運転を開始し(ステップ803)、本機を一定回転になるまで昇速した後、エアー配管24よりエアーを吐出して、シリンダ22を移動させる。これにより、原点位置に位置しているインキ回収用ブレード17が押し下げられ、その先端がインキツボローラ3に近接して、インキツボローラ3に対する開き量がほゞゼロとなる(ステップ804)。この時、インキツボキー4−1〜4−nは移動せず、現在の設定位置を保つ。この後、試刷りシステム14は、インキツボローラ3の送り量を刷版7’の印刷データに基づく設定値から最大値へと変更する(ステップ805)。
【0032】
そして、試刷りシステム14は、インキ移しローラ5にメニュー画面Mの作動回数で設定された回数の呼び出し動作をさせる(ステップ806)。インキツボローラ3は本機の回転に伴い反時計の方向に回るため、インキ移しローラ5側には常にインキ回収用ブレード17によってインキ膜厚がほゞゼロの状態となったインキツボローラ3の表面が現れる。インキ移しローラ5は作動を行う度にインキローラ群6からインキを受理して、インキ膜厚がほゞゼロのインキツボローラ3との接触を繰り返す。これにより、インキローラ群6上の余剰インキがインキツボ1内に回収されて行き(ステップ807)、設定回数の呼び出し動作を行った後には(ステップ808)、インキローラ群6から所望とする余剰なインキが除去され、試刷りに必要なインキ膜厚分布がインキローラ群6上に再現される。
【0033】
ステップ803〜808によるインキ回収動作を完了すると、試刷りシステム14は、インキツボローラ3の送り量を最大値から刷版7’の印刷データに基づく設定値に変更する(ステップ809)。また、これと並行して、インキ回収用ブレード17をゼロ位置から原点位置へ復帰させる(ステップ810)。これによって、余剰インキの回収作業を終了し、ステップ802で選択された機能すなわち「インキ回収」を解除する(ステップ811)。そして、試刷りシステム14は、本機を低速回転とする(ステップ812)。この後、オペレータは、試刷り作業を再開する(ステップ813)。
【0034】
この場合、インキツボキー4−1〜4−nを設定位置にプリセットしたままでインキ回収が行われるので、余剰インキの回収後にインキツボキー4−1〜4−nを設定位置に戻す必要がなくなり、結果的に試刷り作業の再開に入るまでの時間が短縮され、生産性の向上、生産コストのダウンが図られるものとなる。
また、インキツボキー4−1〜4−nを設定位置としたまま動かさないので、インキツボキー4−1〜4−nのゼロ位置の位置精度を維持する期間が長くなり、オペレータによるインキツボキー4−1〜4−nの定期的なゼロ位置の精度の確認および補正の保守サイクルを長期化することができる。
また、余剰インキの回収に際して用紙を必要としないので、印刷資材の浪費が防がれる。すなわち、余剰インキの回収を、インキツボ返しによる方法ではなく、白紙への印刷によって行うことが考えられる。この白紙印刷による方法では印刷資材の浪費となる。これに対して、インキツボ返しによる方法をとることにより、用紙を必要とせず、印刷資材の浪費を防ぐことができる。
【0035】
なお、この実施の形態では、試刷り作業中に余剰インキの回収を行う場合について述べたが、本刷り作業中に余剰インキの回収を行う場合にもメニュー画面Mにおいて「インキ回収」を選択することにより、同様の手順でインキローラ群6から所望とする余剰のインキを除去することができる。
【0036】
また、この実施の形態では、「インキ履歴解消」及び「インキ回収」を早く行う為に、インキ履歴解消中及びインキ回収中に、インキツボローラの送り量を最大としたが、インキツボローラの送り量を印刷データの設定値にし、その後の最大値から印刷データへの再調整を、省略するようにしてもよい。また、この実施の形態では、インキ回収用ブレード17を原点位置からゼロ位置へ、またゼロ位置から原点位置へと移動させる駆動源としてエアーシリンダを利用したが、モータなどを利用してもよい。また、直接の移動方法としては、「ネジ」,「エキセンピン」,「カム」,「レバー」等と上記駆動源との組合せにより容易に構成することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、インキ回収用ブレードをインキ回収の間だけ原点位置からゼロ位置まで移動させることにより、例えば、インキリムービングの場合、インキ回収と並行してインキツボキーの設定位置へのプリセットを行うことが可能となり、プレインキング(−)の場合、インキツボキーを設定位置にプリセットしたままでインキ回収を行うことが可能となり、結果的に試刷り作業に入るまでの時間を短縮し、生産性の向上、生産コストのダウンを図ることが可能となる。また、刷版交換の度にインキツボキーを零位置に移動させる必要がないので、オペレータによるインキツボキーの定期的なゼロ位置の精度の確認および補正の保守サイクルを長期化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2に示した輪転印刷機の各印刷ユニットにおけるインキ供給装置の要部を示す図である。
【図2】 本発明を適用してなる4色枚葉輪転印刷機を示す図である。
【図3】 図1に示したインキ供給装置に設けたインキ回収用ブレードの移動機構を拡大して示す図である。
【図4】 この輪転印刷機に付設された操作デスクを示す図である。
【図5】 印刷データが記録された記録媒体を例示する図である。
【図6】 試刷りシステムのディスプレイに出現するメニュー画面を示す図である。
【図7】 本発明の特徴的な動作を説明するためのフローチャート〔インキ履歴の解消(インキリムービング)時〕である。
【図8】 本発明の特徴的な動作を説明するためのフローチャート〔インキ回収(プレインキング(−)時)〕である。
【図9】 インキ回収用ブレードがゼロ位置とされた状態を示す図である。
【図10】 輪転印刷機における各印刷ユニット内の従来のインキ供給装置の要部を示す図である。
【図11】 このインキ供給装置のインキローラ群上に形成されるインキ膜厚分布MaおよびMbを示す図である。
【符号の説明】
1…インキツボ、2…インキ、3…インキツボローラ、4(4−1〜4−n)…インキツボキー、5…インキ移しローラ、6…インキローラ群、7(7’)…刷版、8…版胴、9…ノズル、10…インキローラ洗浄装置、11(11−1〜11−4)…印刷ユニット、13…操作デスク、14…試刷りシステム、M…メニュー画面、15…磁気カード、16…フロッピィディスク、17…インキ回収用ブレード、18,19…押さえ板、19−1(19−1R,19−L)…円形の孔、20(20R,20L)…ピン、21…メタル、22…シリンダ、23…ネジ、24(24R,24L),25(25R,25L)…エアー配管、26(26−1〜26−n)…マグネット。

Claims (2)

  1. インキツボキーを複数備え、これらインキツボキーの開度調整によってインキツボ内のインキをインキツボローラに供給し、このインキツボローラに供給されたインキをインキローラ群を介して刷版へ供給するインカーにあって前記インキローラ群に付着しているインキを前記インキツボに回収するインキ回収方法において、
    前記インキツボキーの上面にインキ回収用ブレードを設け、
    このインキ回収用ブレードをインキ回収の間だけ原点位置から前記インキツボローラに対する開き量ゼロの位置まで移動させるようにした
    ことを特徴とするインキ回収方法。
  2. インキツボキーを複数備え、これらインキツボキーの開度調整によってインキツボ内のインキをインキツボローラに供給し、このインキツボローラに供給されたインキをインキローラ群を介して刷版へ供給するインカーにあって前記インキローラ群に付着しているインキを前記インキツボに回収するインキ回収装置において、
    前記インキツボキーの上面に設けられたインキ回収用ブレードと、
    このインキ回収用ブレードをインキ回収の間だけ原点位置から前記インキツボローラに対する開き量ゼロの位置まで移動させる移動手段と
    を備えたことを特徴とするインキ回収装置。
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