JP4113688B2 - 印刷機のインキ供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機のインキ供給装置に関し、特に、印刷開始前に予め所定のインキ膜をインキローラ上に形成するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷機に用いられる版胴には、その外周面に刷版が巻き付けられ、この刷版にインキ及び湿し水が供給されて印刷が行われる。
図4に印刷機のインキ供給装置を概略的に示している。該装置の構成について説明すると、該印刷機は、オフセット枚葉印刷機であり、刷版4が巻き付けられる版胴1からゴム胴2(ブランケット胴)を介して、圧胴3とゴム胴2との間を通過する枚葉紙等の印刷用紙に印刷される。
【0003】
版胴1毎に、版胴1の刷版4にインキを供給するインキ供給装置5と、刷版4に水を供給する水供給装置6とが設けられている。図5に要部拡大図を模式的に示しているが、インキ供給装置5は、インキ壺ローラ8とブレード9とから構成されるインキ壺7を備え、該インキ壺7に溜められたインキ10はインキ壺ローラ8とブレード9との間のギャップGから流出し、回転するインキ壺ローラ8の外周面に供給される。該ギャップGは、ブレード9を開閉させることで調節可能となっており、ブレード9の開き度を大きくするとギャップGが広がってインキ壺7から出ていくインキ量が増加し、逆にブレード9の開き度を小さくするとギャップGが狭くなって出ていくインキ量が少なくなる。
【0004】
また、ブレード9は、インキ壺ローラ8の軸方向(印刷用紙の幅方向)に沿って並設された複数のインキ壺キーから構成され、各インキ壺キーは個々にその開き度が調節可能となっている。そして、刷版4の絵柄面積率に応じて各インキ壺キーの開き度が設定される。絵柄面積率は刷版を幅方向にインキ壺キーに対応して等分に区画したゾーン毎に測定され、該ゾーン毎の絵柄面積率データは、インキ壺キー開き度データに変換され、その開き度データに基づいて各インキ壺キーの開き度が設定され、印刷が開始される。これは、いわゆるインキプリセットと称され、印刷開始前に絵柄に応じたインキ供給量の調整を行うことにより、刷り始めの損紙の削減や、定常印刷運転に移行するまでの時間の短縮を図ることが可能となるものである。
【0005】
一方、インキ壺7からインキ壺ローラ8上に流出したインキは、多数のインキローラ17から構成されたインキローラ群11を介して刷版4に供給される。インキローラ17は、インキ壺ローラ8や版胴1等と平行に設けられており、互いに接するように設けられることで上流側から下流側へと順にインキを移すよう構成されている。尚、最も下流に位置するインキ着けローラ12,13,14,15は、版胴1に対して接離可能に構成されている。
また、最も上流に位置するインキローラ17とインキ壺ローラ8との間には、両ローラ間を揺動自在なインキ移しローラ16が位置している。該インキ移しローラ16は、両ローラ間を一定周期で矢印91,92方向に往復する呼び出し動作を行い、この呼び出し動作によってインキ壺ローラ8の外周面に付着したインキをインキローラ17に転移する。
このようにインキ壺7のインキ10は、インキ壺ローラ8からインキ移しローラ16、インキローラ17へと移り、インキ着けローラ12,13,14,15が刷版4に接触することにより刷版4に供給される。
【0006】
ところで、各インキローラ17には、印刷中に必要とされる最低限の基本インキ膜を付着させておくことが必要である。図6(イ)に、基本インキ膜10aを付着させたインキローラ17を示しており、基本インキ膜10aはインキローラ17の軸方向に沿って均一厚である。そして、この基本インキ膜10a上に、刷版4の絵柄に応じた画像インキ膜10bを重畳させる。該画像インキ膜10bは、インキローラ17の軸方向に沿ってその厚みが変化している。例えば、図6(ロ)のようなインキ膜厚分布が必要である場合、測定された絵柄面積率に応じて各インキ壺キーの開き度を調節することによりインキ壺7から絵柄に応じたインキをインキローラ17に送り出し、均一厚の基本インキ膜10a上に画像インキ膜10bを重畳することによってインキローラ17上に刷版4の絵柄に応じて軸方向に膜厚が分布するインキ膜を形成する。
【0007】
尚、各インキローラ17に付着するインキは、上流のインキローラ17から下流のインキローラ17に向けて徐々に薄くなる。従って、基本インキ膜10aも図6(ニ)に示すように上流側から下流側へと徐々に薄くなり、その上に重畳される画像インキ膜10bも図6(ホ)、(ヘ)の如く徐々に薄くなる。尚、図6(ハ)におけるラインL1、L2に対応したインキ量を図6(ホ)、(ヘ)にそれぞれ示している。
【0008】
尚、ブレード9の開き度が大きいほど、また、インキ壺ローラ8の回転数が大きいほど、また、インキ移しローラ16の呼び出し回数が多いほど、インキ壺7からインキローラ17に送り出されるインキ供給量は多くなってインキローラ17上に形成されるインキ膜も厚くなり、従って、印刷された画像の濃度も濃くなる。
【0009】
一方、近年では、インキプリセットに加えて更に各インキローラ17に予め所定のインキ膜を印刷開始前に形成しておくことが行われている。
例えば、インキローラ17にインキが付着していない状態で印刷作業を開始する場合、まず、全てのインキ壺キーの開き度を同じにし、インキ移しローラ16を所定回数呼び出し動作させてインキローラ17に基本インキ膜10aを形成する。その後、刷版4の絵柄面積率に基づいて各インキ壺キー開き度を上述したようにプリセットし、インキ移しローラ16を所定回数呼び出し動作させてインキローラ17の基本インキ膜10a上に画像インキ膜10bを重畳させ、かかるインキ膜形成工程が完了した後、そのプリセットされたインキ壺キー開き度で実際の印刷作業が開始される。
このように、印刷開始前に、刷版4の絵柄に応じた軸方向のインキ膜厚分布をインキローラ17上に予め形成することにより、インキプリセットと相まって、印刷開始後、早期に良好な印刷状態が得られ、その時点までに発生する損紙をより一層少なくすることが可能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷開始前に画像インキ膜10bを形成する際において呼び出し回数を微調節したい場合がある。例えば、温度、湿度やインキ特性等、印刷条件が前回の印刷作業時から変化した場合に、印刷機に設定されている呼び出し回数をそのまま用いるのではなく、オペレータ側で呼び出し回数を変更し、印刷開始前に画像インキ膜10bを形成する際のインキ供給量を微調節したいという要求がある。そのため、オペレータが呼び出し回数を任意に変更、入力できるように構成されているインキ供給装置もある。
しかしながら、印刷開始前に画像インキ膜10bを形成するために行う呼び出し回数は例えば数回や十数回と少ないため呼び出し回数一回あたりのインキ供給量が大きく、呼び出し回数は実質上一回単位で増減させるため、呼び出し回数を変更したときのインキ供給量の変動幅が所望よりも大きくなり、インキ供給量を微調節することが困難であった。
【0011】
そこで、本発明は上記従来の問題に鑑みてなされ、印刷開始前にインキ膜を形成する際のインキローラへのインキ供給量を従来以上に細かく調節でき、従来以上に適正な膜厚のインキ膜を印刷開始前に容易に形成することが可能な印刷機のインキ供給装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る印刷機のインキ供給装置は、インキ壺ローラ(8)とブレード(9)とからインキ壺(7)が構成され、インキ移しローラ(16)の呼び出し動作によってインキ壺ローラ(8)からインキローラ(17)にインキを転移し、該インキローラ(17)を介して刷版(4)にインキを供給するよう構成され、印刷開始前に、刷版(4)の絵柄に応じて軸方向に膜厚が分布するインキ膜(10b)をインキローラ(17)に予め形成する印刷機のインキ供給装置において、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるインキ移しローラ(16)の呼び出し回数が変更可能に構成され、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるインキ移しローラ(16)の呼び出し回数一回あたりのインキ供給量が印刷実行時のそれよりも少なくなるように、前記印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際における前記インキ壺ローラ(8)の回転数が印刷実行時におけるインキ壺ローラ(8)の回転数よりも小さい一方、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるブレード(9)の開き度は、印刷実行時におけるブレード(9)の開き度と同じであり、予め設定されている印刷実行時におけるインキ壺ローラ(8)の基準回転数よりも低速となる前記インキ膜(10b)形成時のインキ壺ローラ(8)の基準低速回転数に対して用紙種に対応する用紙係数を乗算して調整回転数を求め、その調整回転数を前記インキ膜(10b)形成時のインキ壺ローラ(8)の回転数にしてなることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷機のインキ供給装置の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1は、本実施形態におけるインキ供給装置の主要部のハードウエア構成図である。バスライン24にはCPU21、ROM22、RAM23が接続されている。CPU21は、ROM22に格納されたプログラムに従って各部を制御する。バスライン24には、I/Oインターフェース36を介して本機制御部25、給紙制御部26が接続されている。本機制御部25は、印刷機の各胴、各ローラの回転を制御し、給紙制御部26はフィーダ部を制御して給紙を行う。
【0016】
また、バスライン24には、I/Oインターフェース36を介してインキ壺キー制御部31、インキ壺ローラ制御部32、インキ移しローラ制御部33、インキ着けローラ制御部34、フロッピーディスクドライブ35が接続されている。インキ着けローラ制御部34は、インキローラ群11のインキ着けローラ12,13,14,15の版胴1に対する接触、非接触を制御する。インキ壺キー制御部31は、インキ壺7の各インキ壺キーをそれぞれ移動制御してその開き度を制御する。インキ壺ローラ制御部32は、インキ壺ローラ8の回転数を制御する。インキ移しローラ制御部33は、インキ移しローラ16の呼び出し動作の停止、駆動を制御する。
【0017】
更に、バスライン24にはI/Oインターフェース36を介して用紙種選択入力部27、開始パターン入力部28、本機スタート入力部29、インキングスタート入力部30、呼び出し回数入力部37及び表示部38が接続されている。オペレータは用紙種選択入力部27を通じて用紙種を選択、入力し、開始パターン入力部28を通じてインキング内容、即ち、スタートインキングかプリセットインキングかを選択し、入力する。CPU21はこの入力を認識し、入力に従った制御を実行する。また、オペレータが本機スタート入力部29を通じて入力を行った場合、CPU21はこの入力を認識して上述の本機制御部25を制御する。オペレータがインキングスタート入力部30を通じて入力を行った場合、CPU21はこの入力を認識してインキ壺キー制御部31、インキ壺ローラ制御部32、インキ移しローラ制御部33等を制御してインキングを実行する。更に、CPU21は表示部38にインキ移しローラ16の呼び出し回数を表示させ、オペレータは表示された呼び出し回数を確認すると共に、呼び出し回数入力部37を通じて所望の呼び出し回数を入力することができる。CPU21はこの入力を認識し、入力された呼び出し回数に従ってインキ移しローラ制御部33を制御する。
【0018】
次に、ROM22に格納されたプログラムの内容を図2、図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、CPU21は用紙種選択入力部27を通じて印刷用紙の用紙種が選択、入力されたか否かを判別する(ステップS2)。用紙種選択入力部27は操作パネル上に各用紙種毎に釦として設けられており、オペレータは、今回の印刷に使用する印刷用紙の用紙種に対応した釦を押す。オペレータが用紙種に対応した釦を押したことをCPU21はI/Oインターフェース36を通じて認識し、選択された用紙種をRAM23に記憶する(ステップS4)。
【0019】
次に、CPU21は画像情報を取り込む(ステップS6)。画像情報とは、刷版4の絵柄に応じて必要とされるインキ量に関する情報であり、フロッピーディスクドライブ24にセットされたフロッピーディスクから読み出される。
フロッピーディスクに画像情報として各ゾーン毎の絵柄面積率データが記憶されている場合、後のステップにおいてこの絵柄面積率データをインキ壺7のインキ壺キー開き度に変換する。尚、絵柄面積率計から通信インターフェースを介して絵柄面積率データを直接取り込むこともできる。
また、絵柄面積率データが開き度変換装置でインキ壺キー開き度データに変換され、そのインキ壺キー開き度データがフロッピーディスクに記憶されている場合には、後のステップでデータ変換はしない。
【0020】
ステップS6で画像情報を取り込んだ後、CPU21は開始パターン入力部28を通じて開始パターンが入力されたか否かを判別する(ステップS8)。開始パターンとしては、スタートインキング、プリセットインキングの2種類があり、オペレータはいずれかのパターンを選択釦を通じて入力する。スタートインキングは、例えば、朝の始業時等のようにインキローラ17にインキが付着していない場合に選択され、プリセットインキングは、例えば、前回の印刷終了後、刷版4を交換して新たな印刷を行うような場合等のように、インキローラ17にインキが既に付着している場合に選択される。オペレータにより開始パターンが開始パターン入力部28に入力されると、CPU21は入力された開始パターンをI/Oインターフェース36を通じて認識し、RAM23に記憶する(ステップS10)。
【0021】
オペレータが本機スタート入力部29を操作して本機スタートを指示すると、CPU21は本機制御部25に信号を与えて本機をスタートさせ(ステップS12、S14)、オペレータがインキングスタート入力部30を操作してインキングスタートを指示するとステップS10で記憶した開始パターンを判別する(ステップ16、ステップ18)。
【0022】
開始パターンがスタートインキングの場合、CPU21はI/Oインターフェース36を通じて、インキ壺キー制御部31に信号を与えて全てのインキ壺キーを予め設定されている初期開き度に従って平行に開く(ステップS20)と共に、インキ壺ローラ制御部32に信号を与えてインキ壺ローラ8を予め設定されている基準回転数に従って回転させる(ステップS22)。尚、初期開き度としては例えば10%が、また、基準回転数としては例えば40%が設定されている。尚、開き度はインキ壺キーの最大開き状態を100%としたパーセンテージによって表され、インキ壺ローラ8の回転数は最大速度の回転を100%としたパーセンテージによって表される。
【0023】
続いて、CPU21はI/Oインターフェース36を通じてインキ移しローラ制御部33に信号を与えてインキ移しローラ16を作動させ、予め設定されている呼び出し回数、例えば80回の呼び出し動作を行わせる(ステップS24、ステップS26)。以上のステップS20乃至ステップS26が基本インキ膜形成工程であり、これにより各インキローラ17には基本インキ膜10aが形成される。
【0024】
尚、ステップS10において開始パターンとしてプリセットインキングが選択された場合、インキローラ17が予め設定されているアイドリング回数、例えば50回に達するまでアイドリングを行って(ステップS28)、各インキローラ17間のインキ量の均一化を図る。
【0025】
次に、CPU21は上述のステップS6において記憶されている画像情報が「絵柄面積率データ」であるか否かを判別し(ステップS30)、絵柄面積率データが記憶されている場合は、ステップS32に進んで絵柄面積率データを各インキ壺キーのインキ壺キー開き度データに変換し、インキ壺キー制御部31に信号を与えてインキ壺キー開き度データに従って各インキ壺キーを制御する。
【0026】
そして、ステップS34において、インキ壺ローラ8の基準回転数(40%)に対して、ステップS4で記憶した用紙種に対応する用紙係数を乗算して調整回転数を求める。各用紙種の用紙係数はROM22にテーブルとして記憶されており、コート紙、マットコート紙、及び非コート紙の用紙係数は、それぞれ「1」、「1.1」、「1.2」となっている。例えば、ステップS4で非コート紙が記憶された場合、基準回転数40%に「1.2」を乗算して調整回転数48%を得る。
同様に、インキ壺ローラ8の基準低速回転数に用紙係数を乗算して調整低速回転数を求める。基準低速回転数も基準回転数と同様に予め設定されており、例えば、基準回転数40%の1/2の20%が設定されている。従って、基準低速回転数20%に非コート紙の用紙係数「1.2」を乗算して調整低速回転数24%を得る。即ち、この調整低速回転数も調整回転数の1/2となる。そして、CPU21は、インキ壺ローラ制御部32に信号を送ってインキ壺ローラ8をこの調整低速回転数で回転させると共に、求めた調整回転数をRAM23に記憶する(ステップS36)。
【0027】
一方、ステップS6において画像情報としてインキ壺キー開き度データが記憶されている場合、ステップS30からステップS38に進み、CPU21はインキ壺キー制御部31に信号を与え、インキ壺キー開き度データに従って各インキ壺キーを制御して開く。そして、ステップS40に進みインキ壺ローラ8を基準低速回転数(20%)で回転させる。
【0028】
次にステップS42に進み、インキ移しローラ16の基準呼び出し回数(本実施形態では20回)に対して、ステップS4で記憶した用紙種に対応する用紙係数を乗算して調整呼び出し回数を求める。尚、基準呼び出し回数は、RAM23に記憶されている。例えば、用紙種が非コート紙の場合、基準呼び出し回数の20回に非コート紙の用紙係数「1.2」を乗算して調整呼び出し回数の24回を得る。
【0029】
そして、ステップS44に進んで、求めた調整呼び出し回数を表示部38に表示させ、オペレータは表示された調整呼び出し回数を見て確認する。操作パネル上には、呼び出し回数入力部37として、OK釦と回数入力釦とが設けられており、オペレータは表示された呼び出し回数が所望のものであればOK釦を押し、変更したい場合には回数入力釦により所望の回数に変更する。オペレータがOK釦を押した場合を含めて所望の呼び出し回数を呼び出し回数入力部37を通じて入力すると、CPU21はそれを認識して、確認あるいは変更された調整呼び出し回数をRAM23に記憶すると共に、インキ移しローラ制御部33に信号を送ってインキ移しローラ16を作動させ(ステップS46)、RAM23に記憶した調整呼び出し回数分だけ、インキ移しローラ16を呼び出し動作させて、インキ壺ローラ8からインキローラ17にインキを転移させてインキローラ17に画像インキ膜10bを形成する(ステップS48)。
【0030】
この画像インキ膜形成工程が終了すると、ステップS30で判別した画像情報が絵柄面積率の場合には、ステップS50からステップS52に進み、CPU21は、インキ壺ローラ制御部32に再び信号を送ってインキ壺ローラ8をRAM23に記憶した調整回転数で回転させる。ステップS30で判別した画像情報が絵インキ壺キー開き度の場合には、ステップS50からステップS54に進んでインキ壺ローラ8を基準回転数で回転させる。
【0031】
その後、CPU21はインキ着けローラ制御部34と給紙制御部26に信号を与えて、インキ着けローラ12,13,14,15を刷版4に接触させると共にフィーダー部からの給紙を開始する(ステップS56)。続いて、印刷枚数が入力され、入力された印刷枚数はRAM23に記憶されて(ステップS58、S60)、印刷が開始される。印刷実行後、予め設定されている直前設定枚数まで印刷すると、CPU21はインキ移しローラ制御部33に信号を与えてインキ移しローラ16の動作を停止させ(ステップS62、S64)、それ以降は、インキローラ17に付着していたインキによって印刷を続行し、印刷枚数がステップS58で記憶した枚数に達した時点で印刷を終了する(ステップS66)。
【0032】
以上のように、印刷開始前に画像インキ膜10bを形成する際には、インキ壺ローラ8の回転数を印刷実行時の約半分の速度に設定しているため、画像インキ膜形成時における呼び出し回数一回分のインキ供給量は、印刷実行時のそれの約半分となる。
従来は、画像インキ膜形成時のインキ壺ローラ8の回転数は印刷実行時と同じであったため、結果として呼び出し回数一回分のインキ供給量は、印刷開始前にインキ供給量を調節するには大きいものとなっていた。
これに対して本実施形態では、基準呼び出し回数や調整呼び出し回数を従来の呼び出し回数に比して約2倍の回数として画像インキ膜形成に必要なインキ供給量の絶対量を確保しつつも、インキ壺ローラ8の回転数を印刷実行時の半分にして呼び出し回数一回分のインキ供給量を印刷実行時の約半分にしている。その結果、ステップS44において呼び出し回数を一回単位で変更した場合、一回あたりのインキ供給量の変動幅が従来の約半分となり、従って、従来の約2倍の精度でインキ供給量を調節することができる。このようにインキ供給量が精度良く調節することができるので、インキ特性等が微妙に変化した場合でも、それに対応してインキ供給量を細かく調節でき、従来以上に適正な画像インキ膜10bを容易に形成することができるのである。
【0033】
尚、本実施形態では基準低速回転数を基準回転数の1/2に設定しているが、これに限らず、基準回転数の1/3としたり、それ以外の比率に設定することも可能であり、何れにしても、基準回転数よりも低速であればよい。
【0034】
また、上記実施形態では、インキ壺ローラ8の回転数を印刷実行時よりも低速にすることによって呼び出し回数一回あたりのインキ供給量を印刷実行時よりも少なくしたが、インキ壺ローラ8の回転数は変えずに、ブレード9の開き度を印刷実行時よりも小さくして呼び出し回数一回あたりのインキ供給量を印刷実行時よりも少なくしてもよい。その場合、各インキ壺キーの開き度を印刷実行時に対して一律に小さくする。即ち、画像インキ膜形成時においては、絵柄面積率から変換したインキ壺キー開き度の例えば約半分の開き度にすると共に、画像インキ膜形成後印刷実行前には変換したままの正規のインキ壺キー開き度に調整し、その状態で印刷を開始する。
【0035】
更に、インキ壺ローラ8の回転数とブレード9の開き度の何れか一方を印刷実行時のそれらよりも小さくする以外に、両者を共に小さくしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、呼び出し回数一回分のインキ供給量を印刷実行時よりも少なくすることにより、呼び出し回数を一回単位で変更してインキ供給量を調節する際の調節精度が従来以上に高まり、従って、従来以上に適正な膜厚のインキ膜を印刷開始前に容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における印刷機のインキ供給装置のハードウエア構成図。
【図2】図1のROMに格納されたプログラムのフローチャート。
【図3】同フローチャート。
【図4】インキ供給装置の概略側面図。
【図5】インキ供給装置の要部を模式的に示した拡大図。
【図6】(イ)及び(ハ)はインキローラに付着したインキ量を示す模式図。(ロ)は刷版の画像に応じたインキの必要量の一例を示すグラフ。(ニ)及び(ホ)及び(ヘ)はインキローラ群におけるインキ量を示す模式図。
【符号の説明】
1…版胴、2…ゴム胴、3…圧胴、4…刷版、5…インキ供給装置、7…インキ壺、8…インキ壺ローラ、9…ブレード、10…インキ、10a…基本インキ膜、10b…画像インキ膜(インキ膜)、11…インキローラ群、12,13,14,15…インキ着けローラ、16…インキ移しローラ、17…インキローラ、32…インキ壺ローラ制御部、33…インキ移しローラ制御部、37…呼び出し回数入力部、38…表示部
Claims (1)
- インキ壺ローラ(8)とブレード(9)とからインキ壺(7)が構成され、インキ移しローラ(16)の呼び出し動作によってインキ壺ローラ(8)からインキローラ(17)にインキを転移し、該インキローラ(17)を介して刷版(4)にインキを供給するよう構成され、印刷開始前に、刷版(4)の絵柄に応じて軸方向に膜厚が分布するインキ膜(10b)をインキローラ(17)に予め形成する印刷機のインキ供給装置において、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるインキ移しローラ(16)の呼び出し回数が変更可能に構成され、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるインキ移しローラ(16)の呼び出し回数一回あたりのインキ供給量が印刷実行時のそれよりも少なくなるように、前記印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際における前記インキ壺ローラ(8)の回転数が印刷実行時におけるインキ壺ローラ(8)の回転数よりも小さい一方、印刷開始前に前記インキ膜(10b)を形成する際におけるブレード(9)の開き度は、印刷実行時におけるブレード(9)の開き度と同じであり、予め設定されている印刷実行時におけるインキ壺ローラ(8)の基準回転数よりも低速となる前記インキ膜(10b)形成時のインキ壺ローラ(8)の基準低速回転数に対して用紙種に対応する用紙係数を乗算して調整回転数を求め、その調整回転数を前記インキ膜(10b)形成時のインキ壺ローラ(8)の回転数にしてなることを特徴とする印刷機のインキ供給装置。
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