JP6212342B2 - 印刷機の印刷準備方法及び印刷機の印刷準備支援装置 - Google Patents

印刷機の印刷準備方法及び印刷機の印刷準備支援装置 Download PDF

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Description

本発明は、印刷機の印刷準備方法及び印刷機の印刷準備支援装置に関するものである。
版及びインキを使用して印刷を行なう印刷機は、印刷品質の確保や大量印刷による印刷単価の軽減などの点で優れているので、商業印刷に広く利用されている。ただし、新たな印刷ジョブに対応するためには、版の交換や、印刷用紙のサイズ及び種類の変更や、ブランケット洗浄や、インカー内のインキローラ群のインキ膜厚の再調整等の印刷準備が、事前に必要になる。
商業印刷において、生産性の向上やコスト削減は重要な課題であり、このような印刷準備に関し、印刷準備時間を短縮することや、印刷準備にかかる人手を省力化することや、印刷準備の段階で消費する印刷資材を節約することは、生産性向上やコスト削減に有効である。こうした観点から、例えば特許文献1,2に開示されているように、印刷準備に関する種々の技術が開発されている。
特許文献1には、インキ移しローラの呼び出し動作をオフとして、旧刷版を装着したままの状態で印刷を行なって、インカー内のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布を残すインキリムービング動作を行なった後、プレインキング動作によって、このインキ膜厚分布に新刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を重畳するインキ膜厚制御に関する技術が開示されている。
この技術では、旧刷版による本刷りサンプルのカラーパッチより各色の濃度を測定し、各色の測定濃度値と予め定められている各色の基準濃度値とを照合し、各色の基準濃度値と各色の測定濃度値とに隔たりがある場合に、基準濃度値に対する測定濃度値の変動値に対応して定められている各色のリムービング枚数をインキリムービング動作に際する印刷枚数としている。これにより、インカー内のインキローラ群に、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布が正確に残され、オペレータの作業負荷が軽減されると共に、印刷準備時間が短縮され、生産性が向上し生産コストの低減が図られるとされている。
特許文献2には、印刷終了後に、インカーの最上流のインキ呼び出しローラを脱状態にして、ブランケット胴へのインキの供給を遮断し、この状態で印刷機を運転して、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させることによってブランケット胴に付着していたインキ汚れを印刷シートに転写して除去する技術が開示されている。これにより、洗浄液を用いることなく簡便にブランケット胴のインキ汚れを除去できるとされている。
特開平11−188849号公報 特開2008−18608号公報
上述の特許文献1の技術では、旧刷版による、即ち、終了する印刷ジョブ(現印刷ジョブ)による印刷物の測定濃度値情報に基づいてインキリムービング動作の枚数を設定するため、インカー内のインキローラ群に、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布を形成することができるものと考えられる。
しかし、この技術のインキリムービングには、次に開始する印刷ジョブ(次印刷ジョブ)については何ら考慮されず、画一的に最低限のインキ膜厚分布を形成しているだけである。このため、現印刷ジョブと次印刷ジョブとの組み合わせによっては、インキリムービング動作やプレインキング動作の回数を不必要に多く実施してしまうことになり、ジョブ変更にかかる時間が増大し、損紙の発生も増大するという課題がある。
例えば、現ジョブで用いた旧刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が厚い場合であって且つ次ジョブで用いる新刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が厚い場合であっても、旧刷版に応じたインキ膜厚分布はインキリムービング動作によって最低限のインキ膜厚分布まで一旦除去されたのち、この最低限のインキ膜厚分布に新刷版に応じたインキ膜厚分布が畳重される。この場合、インキリムービング動作の回数もプレインキング動作の回数も多く必要になり、ジョブ変更に要する時間が増大し、損紙の発生も増大する。
特に、近年は、印刷ニーズの多様化により、大量印刷に有利な印刷機といえども、その印刷品質に優れた点から印刷数の少ない小ロット印刷や印刷数の極めて少ない校正印刷などのニーズも多くなっている。この場合、1日の操業に多数の印刷ジョブを処理する多ジョブ印刷が増加するため、ジョブ変更に要する時間の削減や発生する損紙の削減は、重要な課題となっている。
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたもので、インキ膜厚を減少させる操作(インキリムービング動作)や所定インキ膜厚を形成する操作(プレインキング動作)を必要最低限に抑えて、ジョブ変更に要する時間や損紙の発生をより一層削減することができるようにした、印刷機の印刷準備方法及び印刷機の印刷準備支援装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の印刷機の印刷準備方法は、現印刷ジョブから次印刷ジョブへのジョブ変更時に、インキ供給源からインカーへのインキ供給を遮断して第1設定量の印刷用紙を使用して印刷機を作動させ前記インカー内のインキ膜厚を減少させるインカーリセットステップと、前記インカーから印刷胴へのインキ供給を遮断して第2設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる印刷胴クリーニングステップと、前記インキ供給源から前記インカーへ第3設定量のインキ供給を実施して前記インカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキングステップと、第4設定量の印刷用紙を使用して試刷り印刷を行なう試刷り印刷ステップと、をこの順に実施するものであり、前記設定量のうち少なくとも前記第1設定量及び前記第3設定量は、現印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である現印刷条件と次印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定する。
(2)次印刷ジョブの印刷条件を設定する次印刷ジョブ条件設定ステップと、刷版を交換する版交換ステップと、をさらに備え、前記次印刷ジョブ条件設定ステップの処理は、現印刷ジョブの印刷条件に応じて、前記インカーリセットステップの前と前記印刷胴クリーニングステップの後との何れかに選択的に切り替えて実施し、前記版交換ステップは、前記印刷胴クリーニングステップと前記プレインキングステップとの間に実施することが好ましい。
(3)前記ジョブ変更モードが、前記印刷胴クリーニングステップだけでは現印刷ジョブの履歴が消えないと予測されるモードの場合には、前記印刷胴クリーニングステップに続いて洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第5設定量の印刷用紙を用いて前記印刷機を作動させ前記印刷胴の洗浄液を除去する洗浄後印刷胴クリーニングステップと、を追加してこの順に実施することが好ましい。
(4)前記試刷り印刷ステップによる試刷り印刷の結果、現印刷ジョブの履歴が消えない場合には、前記試刷り印刷ステップの後、洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第6設定量の印刷用紙を用いて前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる洗浄後印刷胴クリーニングステップと、を追加してこの順に実施することが好ましい。
(5)前記印刷資材の種類は印刷用紙の紙種を含むと共に、前記印刷絵柄の特性は印刷絵柄の画線率に対応する絵柄重み特性を含んでいることが好ましい。
(6)本発明の印刷機の印刷準備支援装置は、現印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である現印刷条件と次印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応した次印刷ジョブのための印刷準備シーケンスと、前記ジョブ変更モードと前記印刷準備シーケンスの処理ステップで使用する印刷用紙の設定量との対応関係と、を記憶する記憶手段と、ジョブ変更時に、前記対応関係からこのときの前記ジョブ変更モードに応じた前記印刷準備シーケンスと前記印刷用紙の設定量とを演算する演算手段と、前記ジョブ変更モードに対応した前記印刷準備シーケンスと、前記演算手段により演算された前記印刷用紙の設定量とを推奨情報として表示する表示手段とを備えている。
(7)前記印刷準備シーケンスは、インキ供給源からインカーへのインキ供給を遮断して第1設定量の印刷用紙を使用して印刷機を作動させ前記インカー内のインキ膜厚を減少させるインカーリセットステップと、前記インカーから印刷胴へのインキ供給を遮断して第2設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる印刷胴クリーニングステップと、前記インキ供給源から前記インカーへ第3設定量のインキ供給を実施して前記インカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキングステップと、第4設定量の印刷用紙を使用して試刷り印刷を行なう試刷り印刷ステップと、をこの順に実施するインキ膜厚調整シーケンスを含み、次印刷ジョブの印刷条件を設定する次印刷ジョブ条件設定ステップと、刷版を交換する版交換ステップと、をさらに含み、前記次印刷ジョブ条件設定ステップは、現印刷ジョブの印刷条件に対応して、前記インカーリセットステップの前と前記印刷胴クリーニングステップの後と何れかに選択的に切り替えて実施するものであり、前記版交換ステップは、前記印刷胴クリーニングステップと前記プレインキングステップとの間に実施するものであることが好ましい。
(8)前記印刷準備シーケンスは、前記ジョブ変更モードに対応して、前記印刷胴クリーニングステップだけでは現印刷ジョブの履歴が消えないと予測されるモードの場合には、前記印刷胴クリーニングステップに続いて洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、これに続いて、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第5設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴の洗浄液を除去する洗浄後印刷胴クリーニングステップと、をさらに含むことが好ましい。
(9)前記表示手段に前記推奨情報として表示された前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量に対してオペレータが変更操作する変更操作手段と、前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量に対してオペレータが承認操作する承認操作手段と、前記承認操作手段による承認操作を受けて、前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量にしたがって前記印刷機を運転する制御手段と、をさらに備えていることが好ましい。
(10)前記印刷資材の種類は印刷用紙の紙種を含むと共に、前記印刷絵柄の特性は印刷絵柄の画線率に対応する絵柄重み特性を含んでいることが好ましい。
(11)前記表示手段は、現印刷ジョブ及び次印刷ジョブの前記印刷絵柄をそれぞれ或いは畳重させて模式表示する印刷絵柄表示部を有し、前記印刷絵柄表示部による表示に基づいてオペレータが前記絵柄重み特性を入力操作する特性入力操作手段をそなえていることが好ましい。
本発明によれば、現印刷ジョブから次印刷ジョブへのジョブ変更時に、インカー内のインキ膜厚を減少させるインカーリセット時に使用する印刷用紙の量、及び、印刷胴及びインカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキング時に供給するインキの量を、現印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む現印刷条件と、次印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定する。つまり、現印刷ジョブから次印刷ジョブへの変更のかかる印刷準備時に、印刷資材の種類や印刷絵柄の特性の変化に基づいて使用する印刷用紙の量やプレインキングの供給インキ量を設定するので、インキ膜厚の調整に印刷用紙やインキを過不足なく使用することができ、ジョブ変更に要する時間や損紙の発生をより一層削減することが可能になる。
本発明の実施形態にかかる印刷機の要部及び制御装置を示す模式的構成図である。 本発明の実施形態にかかる枚葉印刷機を示す模式的構成図である。 本発明の実施形態にかかる印刷準備方法の特定ステップのインキ供給状態を示す印刷機の要部側面図であり、(a)はインカーリセットステップのインキ供給状態を、(b)は印刷胴クリーニングステップのインキ供給状態を示す。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備方法の手順の第1例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備方法の手順の第2例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備方法の手順の第3例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備方法の手順の第4例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備方法の手順を示すタイムチャートである。 (a)〜(c)は本発明の実施形態にかかる印刷絵柄の絵柄重み特性を説明する図である。 本発明の実施形態にかかる印刷準備方法のプレインキングステップのインキ供給態様を説明する図である。 本発明の実施形態にかかる印刷機の印刷準備支援装置の記憶手段に記憶されている対応関係の一例を示す対応テーブルである。 本発明の実施形態にかかる制御装置のディスプレイ(表示手段)のジョブ情報入力画面の表示例を示す図である。 本発明の実施形態にかかる制御装置のディスプレイ(表示手段)のプリセット画面の表示例を示す図である。 (a)〜(c)はいずれも本発明の実施形態にかかる制御装置のディスプレイ(表示手段)の印刷準備シーケンス画面の表示例を示す図である。
以下、図面を用いて本発明にかかる実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや、適宜組み合わせることが可能である。
〔印刷機の概要〕
図2は本実施形態にかかる印刷機を示す側面図であり、図2に示すように、印刷機1は、枚葉印刷機であって、主な構成要素として、給紙装置10,印刷装置部20A,排紙装置30を備えている。そして、給紙装置10の給紙テーブル10a上に積重された印刷用シート(印刷用紙)100を印刷速度に対応して1枚ずつ印刷装置部20Aに供給し、印刷装置部20Aに備えられた複数組の印刷装置20a〜20d(各印刷装置20a〜20dを区別しない場合には、符号20で示す)により印刷用シート100に印刷を行ない、排紙装置30において、エンドレスチェン31等によりシート積重装置32まで搬送される。なお、この印刷機は、後述する制御装置40によって作動を制御される。なお、本実施形態の印刷機1は4色刷りの枚葉印刷機であって、印刷装置部20Aは、印刷シートの搬送経路に沿って、インキ色としての墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)ごとに印刷ユニット20a,20b,20c,20dが設置されており、各印刷ユニット20a〜20dにはそれぞれインカー(インキング装置)21が設けられている。
印刷装置部20Aの最上流部には、中間胴22が設けられ、給紙装置10から1枚ずつ供給された印刷用シート100は、この中間胴22に案内されて各印刷装置20に導入され印刷される。各印刷装置20は、インカー21(図1参照)と、外周に刷版23を装着された版胴24と、外周面を刷版23と接触するブランケット胴25と、ブランケット胴25と対向する圧胴26とを備え、隣接する印刷装置20の圧胴26の相互間には、それぞれ中間胴27が備えられている。なお、版胴24及びブランケット胴25を総称して印刷胴とも呼ぶ。
各印刷装置20では、インカー21から刷版23に供給されたインキがブランケット胴25の外周に転写されて、このインキが、ブランケット胴25と圧胴26との間を走行する印刷用シート100の印刷面に転写される。印刷用シート100は、各圧胴26の外周に沿って搬送されながら印刷され、その後、中間胴27の外周に沿って搬送されて隣接する印刷装置の圧胴26に送られ、再び圧胴26に支持されて印刷が行なわれる。ここでは、4組の印刷装置20a〜20dにより印刷用シート100の一方の面である印刷面に4色[墨(k),藍(c),紅(m),黄(y)]の印刷が行なわれて、その後、エンドレスチェン31によって移送され、シート積重装置32のテーブル上に積重される。
〔インカーの構成〕
ここで、インカー(インキング装置)21を説明する。図1に示すように、インカー21は、上流から、インキ元ローラ211,インキキー212,及び図示しない側板で区画形成されたインキ壷210と、インキ呼出ローラ213と、多数のインキローラからなるインキローラ群214と、インキ着けローラ215とをそなえている。
インキ供給源としてのインキ壷210では、内部に貯留されたインキを、底部に印刷幅方向に複数並んで備えられた各インキキー212とインキ元ローラ211との隙間からインキ元ローラ211の外周面に供給し、さらに、その後インキは、インキローラ群214のうちの最上流のインキローラとインキ元ローラ211との間を往復動するインキ呼出ローラ213によって、インキローラ群214に供給される。
インキローラ群214には、多数のインキローラがあり、このうち一部のインキローラは軸方向に揺動しながら、インキを練って下流側に送るようになっている。最終的には、インキローラ群214から版胴24の周囲に複数(ここでは、4つ)配設されたインキ着けローラ215から版胴24の外周に装着された刷版23の表面にインキが供給される。なお、版胴24の刷版23の表面には、図示しない水着けローラが接触しており、図示しない湿し装置によって、湿し水が刷版23の表面に供給される。
〔印刷機の制御装置〕
印刷機の制御装置40は、印刷機1の動作を制御するとともに、印刷準備にかかる制御や印刷準備を支援する処理を実行する。したがって、制御装置40は、本実施形態に係る印刷準備支援装置を構成する。この制御装置40は、コンピュータであり、入出力部(I/O)41と、処理部42と、記憶部43とを備えて構成される。制御装置40には、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを組み合わせて構成してもよい。
処理部42は、入出力部41を介して印刷機1の制御対象に制御信号を送って印刷機1の動作を制御し、また、印刷機1のセンサ類から印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報を受け取る。印刷機1の制御に用いる情報や印刷機1の状態に関する情報は、電気信号の形で制御装置40の処理部42へ送られる。処理部42は、CPUで構成されており、記憶部43に記憶されているプログラム(コンピュータプログラム)を読み込み解釈しその処理を実行する。
なお、処理部42は、専用のハードウェアによって実現されるものであってもよい。また、処理部42の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本実施例に係る版交換制御の処理手順を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、制御装置40には、処理部42によって画像データを演算処理された画像表示データによって画面44aに画像を表示するディスプレイ装置(表示手段)44が接続されている。なお、制御装置40には、図示しないキーボードやマウスが接続され、オペレータが入力や選択や承認操作等を行なう操作手段として機能する。また、ディスプレイ装置44にいわゆるタッチパネルディスプレイを適用し、タッチ操作スイッチ等を表示形成して操作手段として機能させてもよい。
〔印刷準備支援装置及び印刷準備方法〕
ここで、本実施形態にかかる印刷準備支援装置及び印刷準備方法を説明する。本印刷準備支援装置は、主として、現印刷ジョブ(単に、現ジョブとも言う)から次印刷ジョブ(単に、次ジョブとも言う)へのジョブ変更時における印刷準備を支援するが、特に、インキ膜厚の調整にかかる準備を支援するものである。
ジョブ変更時に重要な準備の一つに、インカー21のインキローラ群214の各インキローラやインキ着けローラ215、及び印刷胴(版胴24及びブランケット胴25)の各外周に形成するインキ膜厚を適正に調整する処理がある。
〔印刷準備方法〕
はじめに、このインキ膜厚調整に着目してジョブ変更時における印刷準備の手順(印刷準備シーケンス)の概要を説明する。
この場合の印刷準備シーケンスの基本的なステップには、インカーリセットステップと、印刷胴クリーニングステップと、プレインキングステップと、試刷り印刷ステップとがある。
インカーリセットステップでは、図3(a)に示すように、インキ呼出ローラ213をオフ(呼出停止)として、インキ壺210(インキ供給源)からインカー21へのインキ供給を遮断して印刷機1を作動させ、インキをインカー21から印刷用シート100へ移動させてインカー21内のインキ膜厚を減少させる(この処理をインキリムービングとも呼ぶ)。この場合、図3(a)に黒塗りする箇所のインキ膜厚が減少する。
印刷胴クリーニングステップでは、図3(b)に示すように、インキ着けローラ215を版胴24の表面(刷版23)から離隔させて、インカー21から印刷胴(版胴24及びブランケット胴25)へのインキ供給を遮断して印刷機1を作動させ、インキを印刷胴24,25から印刷用シート100へ移動させて印刷胴24,25の表面のインキ膜厚を減少させる。この場合、図3(b)に黒塗りする箇所のインキ膜厚が減少する。
プレインキングステップでは、インキ壺210(インキ供給源)からインカー21を経て印刷胴24,25にインキを供給して印刷胴24,25の表面及びインカー21のインキローラ群214の各インキローラやインキ着けローラ215の表面に次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させる。なお、プレインキングを、インキ予備供給(QSI: Quick Start Inking)とも呼ぶ。
試刷り印刷ステップでは、印刷結果を色センサで計測してインキ供給量をフィードバック制御する印刷色調制御装置を作動させながら次印刷ジョブの試刷りを行なう。
インカーリセットステップ、印刷胴クリーニングステップ、プレインキングステップ、試刷り印刷ステップは、この順に実施される。
また、印刷準備シーケンスとしては、これらのステップに、次印刷ジョブの内容(次印刷ジョブ条件)を設定する次印刷ジョブ条件設定ステップや、現印刷ジョブのものから次印刷ジョブのものへ刷版を交換する版交換ステップが加えられるが、これらを加えた印刷準備シーケンスは印刷ジョブの変更にかかるジョブ変更モード等に対応して設定される。
図4は基本的なジョブ変更時の印刷準備シーケンスを示すフローチャートであり、次印刷ジョブ条件設定ステップS2、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S20、版交換ステップS30、プレインキングステップS40、試刷り印刷ステップS50が、この順で実施される。
なお、プレインキングステップS40では、始業時やインキ替え時に初めから(インキ膜厚0から)インカー内のインキローラ群に印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚を形成する第1プレインキングステップ(プレインキングステップ1)S42と、既に、基本的なインキ膜厚がある状態から次印刷ジョブの要求に応じた(つまり、絵柄や紙質を考慮した)インキ膜厚を形成する第2プレインキングステップ(プレインキングステップ2)S44とがあり、第1プレインキングステップS42は必要に応じて実施され、第2プレインキングステップS44は基本的に常に実施される。
インカーリセットステップS10において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第1設定量としての第1設定枚数)、印刷胴クリーニングステップS20において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第2設定量としての第2設定枚数)、プレインキングステップS40の第1プレインキングステップS42において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)、プレインキングステップS40の第2プレインキングステップS44において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)、試刷り印刷ステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第4設定量としての第4設定枚数)には、それぞれ設定値A1,B1,C1,D1,E1が設定される。
この設定値A1(第1設定量),B1(第2設定量),C1(第3設定量),D1(第3設定量),E1(第4設定量)の設定は、現印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む現印刷条件と次印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定する。以下の他のパターンの印刷準備シーケンスでも、各設定値(各設定量)は、現印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む現印刷条件と次印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定する。これについては詳細を後述する。
図5は図4の変形例であり、次印刷ジョブ条件設定ステップS22を印刷胴クリーニングステップS20の後に実施する場合の印刷準備シーケンスを示すフローチャートである。この印刷準備シーケンスでは、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S20、次ジョブ条件セッティングステップ次印刷ジョブ条件設定ステップS22、版交換ステップS30、プレインキングステップS40、試刷り印刷ステップS50が、この順で実施される。
なお、ここでは、プレインキングステップS40として、基本的なインキ膜厚がある状態から次印刷ジョブの要求に応じたインキ膜厚を形成する第2プレインキングステップ(プレインキングステップ2)S44を行なう。
この印刷準備シーケンスでは、インカーリセットステップS10及び印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S20によって現印刷ジョブの絵柄履歴を消去するため、これらのステップを絵柄履歴消去モードとも呼ぶ。また、版交換ステップS30、第2プレインキングステップS44、試刷り印刷ステップS50は、版交換から次印刷ジョブの開始に亘るので、これらのステップを版交換開始モードとも呼ぶ。
この場合も、インカーリセットステップS10において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第1設定量としての第1設定枚数)、印刷胴クリーニングステップS20において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第2設定量としての第2設定枚数)、プレインキングステップS40の第2プレインキングステップS44において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)、試刷り印刷ステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第4設定量としての第4設定枚数)には、それぞれ設定値A2,B2,D2,E2が適宜設定される。
次印刷ジョブ条件設定ステップS22を、印刷胴クリーニングステップS20の後に持ってきているのは、現印刷ジョブの印刷条件に基づくもので、特に現印刷ジョブの紙質等に基づいている。現印刷ジョブの印刷用紙が、インキ消費が良い紙質であって、しかも価格も安価である場合に、次印刷ジョブ条件設定ステップS22を、印刷胴クリーニングステップS20の後に実施する。
つまり、現印刷ジョブの印刷用紙の紙質がインキ消費の良いものであれば、絵柄履歴消去モードを少ない紙の消費で効率よく行うことができる。また、現印刷ジョブの印刷用紙の価格が安価であれば、絵柄履歴消去モードで消費する紙のコストを抑えることができる。このインキ消費が良い紙質であってしかも価格も安価である印刷用紙は、種々の印刷用紙の中で、紙質及び価格の両面から予め特定の種類のものを1つ又は複数選択して設定する。
次印刷ジョブの印刷用紙に変更があったとしても、インキ消費及び価格の点で現印刷ジョブの印刷用紙の紙質よりも優れていることはない。そこで、絵柄履歴消去モード(インカーリセットステップS10及び印刷胴クリーニングステップS20)を実施した後に、次印刷ジョブ条件設定ステップS22を実施することにより、絵柄履歴消去モードにかかる時間やコストを抑制している。
本実施形態では、印刷用紙として上質紙とコート紙とを例示しているが、コート紙の方が上質紙よりもインキの消費が良く値段も安価であるので、この印刷用紙の特定の種類はコート紙となり、現印刷ジョブの印刷用紙がコート紙の場合、印刷胴クリーニングステップS20の後に次印刷ジョブ条件設定ステップS22を実施する。
しかも、この印刷準備シーケンスの場合、次印刷ジョブ条件設定ステップS22の実施と並行して、この印刷ジョブ変更に伴う版交換ステップS30を支障なく実施することができ、準備作業時間を短縮することができる。
また、次印刷ジョブ条件設定ステップS22の付帯作業として、印刷用紙を次印刷ジョブで使用する印刷用紙に変更する作業(紙積み)があるが、給紙テーブル上に紙をさばきながら積み上げていくため時間を要する。この紙積み作業と版交換作業を別々のオペレータが並行して実施することにより準備作業時間をさらに短縮することができる。
このように、印刷準備シーケンスについては、現印刷ジョブの印刷用紙に対応して可変に設定する。
図6は現印刷ジョブの絵柄履歴の次印刷ジョブへの影響が大きいジョブ変更時の印刷準備シーケンスを示すフローチャートであり、やはり、次印刷ジョブの印刷条件だけでなく、現印刷ジョブの印刷条件にも対応して、つまり、ジョブ変更モードに対応して設定する。この印刷準備シーケンスでは、次印刷ジョブ条件設定ステップS2、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S20、洗浄液を用いて印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップ(ブラン洗浄ステップ)S24、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S26、版交換ステップS30、プレインキングステップS40、試刷り印刷ステップS50が、この順で実施される。
なお、ここでも、プレインキングステップS40として、基本的なインキ膜厚がある状態から次印刷ジョブの要求に応じたインキ膜厚を形成する第2プレインキングステップ(プレインキングステップ2)S44を行なう。
この印刷準備シーケンスは、図4の基本的なジョブ変更時の印刷準備シーケンスに、印刷胴洗浄ステップS24、印刷胴クリーニングステップS26を追加して、洗浄液を用いて短時間で印刷胴のインキを減少させて絵柄履歴を消去し、その後の印刷胴クリーニングで印刷胴に残った洗浄液を除去する。
この場合も、インカーリセットステップS10において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第1設定量としての第1設定枚数)、印刷胴クリーニングステップS20において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第2設定量としての第2設定枚数)、印刷胴クリーニングステップS26において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第5設定量としての第5設定枚数)、プレインキングステップS40の第2プレインキングステップS44において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)、試刷り印刷ステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第4設定量としての第4設定枚数)には、それぞれ設定値A3,B3,B4,D3,E3が適宜設定される。
図7は現印刷ジョブの絵柄履歴の次印刷ジョブへの影響がより大きいジョブ変更時の印刷準備シーケンスを示すフローチャートであり、やはり、次印刷ジョブの印刷条件だけでなく、現印刷ジョブの印刷条件にも対応して、つまり、ジョブ変更モードに対応して設定するか、若しくは、試刷りの結果を見ながら設定する。この印刷準備シーケンスでは、次印刷ジョブ条件設定ステップS2、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S20、版交換ステップS30、プレインキングステップS40、試刷り印刷ステップS50、洗浄液を用いて印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップ(ブラン洗浄ステップ)S60、印刷胴クリーニングステップ(版ブランクリーニングステップ)S70、プレインキングステップS80、試刷り印刷ステップS90が、この順で実施される。
なお、ここでも、プレインキングステップS40,S80として、基本的なインキ膜厚がある状態から次印刷ジョブの要求に応じたインキ膜厚を形成する第2プレインキングステップ(プレインキングステップ2)S44を行なう。
この印刷準備シーケンスは、図4の基本的なジョブ変更時の印刷準備シーケンスの後に、印刷胴洗浄ステップS60、印刷胴クリーニングステップS70、プレインキングステップS80、試刷り印刷ステップS90を追加して、除去しきれなかった印刷胴のインキを,洗浄液を用いて短時間で印刷胴のインキを減少させて絵柄履歴を消去し、その後の印刷胴クリーニングで印刷胴に残った洗浄液を除去する。
この場合も、インカーリセットステップS10において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第1設定量としての第1設定枚数)と、印刷胴クリーニングステップS20において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第2設定量としての第2設定枚数)と、プレインキングステップS40の第2プレインキングステップS44において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)と、試刷り印刷ステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第4設定量としての第4設定枚数)と、印刷胴クリーニングステップS60において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第6設定量としての第6設定枚数)と、プレインキングステップS80の第2プレインキングステップS44において実施するインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数(第7設定量としての第7設定回数)と、試刷り印刷ステップ90において使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第8設定量としての第8設定枚数)とが、それぞれ設定値A4,B5,D4,E4,B6,D5,E5が適宜設定される。
また、1日の操業の際の校了時の目標濃度値への到達度をイメージ化すると、図8に示すようになり、操業開始時には、図4に示す基本的な印刷準備シーケンスのうち、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップS20は不要となり、第1プレインキングステップ(QSI−1)S42、第2プレインキングステップ(QSI−2)S44、試刷りステップ(ここでは、30枚)が実施され、試刷の印刷を計測した後、必要に応じて、再び第2プレインキングステップ(QSI−2D)、試刷りステップ(ここでは、30枚)が実施される。
その後のジョブ変更時には、インカーリセットステップS10、印刷胴クリーニングステップS20によるリセットが実施され、第2プレインキングステップ(QSI−2)S44、試刷りステップ(ここでは、30枚)が実施され、試刷の印刷を計測した後、必要に応じて、再び第2プレインキングステップ(QSI−2D)、試刷りステップ(ここでは、30枚)が実施される。
なお、「目標濃度値」は「インキ膜厚」に対応して得られるものであり、紙通し枚数やインキ呼出動作回数など印刷準備シーケンスの各設定量は、各印刷ジョブの校了時にインキ膜厚がこの目標濃度値に対応した厚みに到達するように調整される。
〔印刷準備支援装置〕
印刷準備支援装置は、図1に示すように、制御装置40の記憶部(記憶手段)43と、処理部42と、ディスプレイ装置44とにそれぞれ付与された特定の機能要素から構成される。
つまり、記憶部43には、印刷ジョブの変更にかかるジョブ変更モードに対応した次印刷ジョブのための印刷準備シーケンスと、ジョブ変更モードと印刷準備シーケンスの各処理ステップで使用する印刷用シートの量の設定値(設定量、ここでは設定枚数)やインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数の設定値(設定量、ここでは設定回数)と処理ステップにおける処理回数との対応関係、即ち、ジョブ変更モードに印刷用シートの設定枚数やインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数と処理ステップにおける処理回数とを対応させた対応関係が予め設定されて記憶されている。
処理部42には、ジョブ変更時に、このジョブ変更に応じたジョブ変更モードの種別と、前記対応関係とから、このときのジョブ変更モードに対応した印刷用シートの設定枚数やインキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数や処理ステップにおける処理回数を演算する演算部(演算手段)42aが設けられる。
ディスプレイ装置44は、ジョブ変更時に、このときのジョブ変更モードに対応した印刷準備シーケンスと、演算部42aにより演算された印刷用シートの設定枚数と、インキ呼出ローラ213のインキ呼出動作回数とを推奨情報として画面44aに表示する機能を有している。
ジョブ変更モードとは、現印刷ジョブから次印刷ジョブへのジョブ変更時に、現印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む現印刷条件と、次印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む次印刷条件との組み合わせで規定される。
ここで、印刷資材とは、印刷に使用する用紙(印刷用シート)やインキなどであり、印刷資材の種類とは、印刷用紙(印刷用シート)の種類(紙種)やインキの種類などとなる。印刷時にインカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に要求されるインキ膜厚は、印刷用紙の紙種や印刷絵柄に対応する。
印刷用紙の代表的なものに上質紙やコート紙があるが、一般的に上質紙はコート紙より濃度が低くなる傾向がある。そのため、同じ画線率の絵柄を同じ発色レベルで印刷しようとする場合、上質紙の方がコート紙よりも多くのインキを必要とする。例えば、印刷絵柄の画線率とインキキーの212のキー開度とを対応させた関数として、公知のAPI関数(オートプリセットインキング関数)があるが、API関数は、紙種に応じて最適なものを使用すべきであり、同じ画線率に対するインキキーの212のキー開度は、上質紙の方がコート紙よりも大きくすべきである。
したがって、上質紙を使用して印刷を行なった後は、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的多量(インキ膜厚の大きい)のインキが残存する。一方、コート紙を使用して印刷を行なった後は、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的少量(インキ膜厚の小さい)のインキが残存する。
また、上質紙を使用して印刷を行なう前には、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的多量(インキ膜厚の大きい)のインキを供給しておけば、印刷開始当初からインキ量(インキ膜厚)が適正に近くなる。一方、コート紙を使用して印刷を行なう前には、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的少量(インキ膜厚の小さい)のインキを供給しておけば、印刷開始当初からインキ量(インキ膜厚)が適正に近くなる。
このような観点から、インキ膜厚の調整に、現印刷ジョブで使用する印刷用紙の紙種と次印刷ジョブで使用する印刷用紙の紙種とが関連することがわかる。
また、印刷絵柄の特性とは、印刷絵柄の画線率に対応する特性(絵柄重み特性)である。この絵柄重み特性とは、画線率が高い印刷絵柄(即ち、使用するインキ量が多い印刷絵柄)を「重い」とし、画線率が低い印刷絵柄(即ち、使用するインキ量が少ない印刷絵柄)を「軽い」としている。例えば、画線率に応じて、絵柄重み特性を「重」,「中」,「軽」の3段階に分類することができる。
この際、印刷絵柄全体の平均的な画線率で絵柄重み特性を分類する手法や、印刷絵柄中の画線率が最も高い領域(ただし、一定の大きさ以上の領域)の画線率で絵柄重み特性を分類する手法などが考えられ、何れも手法も適用できるが、現印刷ジョブのインキ履歴の次印刷ジョブへの影響を考えると、後者、つまり、印刷絵柄中の画線率が最も高い領域の画線率で絵柄重み特性を分類することが好ましい。
当然ながら、画線率が高い絵柄の方が、画線率が低い絵柄よりも多くのインキを必要とする。
例えば、画線率が高い絵柄の印刷を行なった後は、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的多量(インキ膜厚の大きい)のインキが残存する。一方、画線率が低い絵柄の印刷を行なった後は、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的少量(インキ膜厚の小さい)のインキが残存する。例えば、図9(a)に示すように現印刷ジョブの絵柄重みが重く、図9(b)に示すように次印刷ジョブの絵柄重みが軽いと、次印刷ジョブを実施した際に、図9(c)に示すように次印刷ジョブの絵柄に現印刷ジョブの絵柄履歴が残ってしまう。この絵柄履歴の影響度合いは、各印刷ジョブのPPF(Print Production Format)ファイル中の画像データの差分から演算により演算できる。
また、ディスプレイ装置44において、現印刷ジョブ及び次印刷ジョブの印刷絵柄を図9(a),(b)に示すようにそれぞれ或いは図9(c)に示すように畳重させて模式表示する機能(印刷絵柄表示部)を設けると共に、この印刷絵柄表示部による表示に基づいてオペレータが絵柄重み特性を入力操作する特性入力操作手段(入力表示等)を設けてもよい。
また、画線率が高い絵柄の印刷を行なう前には、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的多量(インキ膜厚の大きい)のインキを供給しておけば、印刷開始当初からインキ量(インキ膜厚)が適正に近くなる。一方、画線率が低い絵柄の印刷を行なう前には、インカー21の各ローラや印刷胴24,25の表面に比較的少量(インキ膜厚の小さい)のインキを供給しておけば、印刷開始当初からインキ量(インキ膜厚)が適正に近くなる。
このような観点から、インキ膜厚の調整に、現印刷ジョブの印刷絵柄の画線率(絵柄重み特性)と次印刷ジョブの印刷絵柄の画線率(絵柄重み特性)とが関連することがわかる。
本実施形態では、ジョブ変更モードは、現印刷ジョブでの印刷用紙の紙種と印刷絵柄の絵柄重み特性とで決まる現印刷条件と、次印刷ジョブでの印刷用紙の紙種と印刷絵柄の絵柄重み特性とで決まる次印刷条件との組み合わせで規定される。
例えば、印刷用紙の紙種を上質紙とコート紙との何れかとし、絵柄重み特性を重,中,軽の何れかとすれば、印刷条件は、上質紙と絵柄重み特性が軽の組み合わせ(印刷条件1)と、上質紙と絵柄重み特性が中の組み合わせ(印刷条件2)と、上質紙と絵柄重み特性が重の組み合わせ(印刷条件3)と、コート紙と絵柄重み特性が軽の組み合わせ(印刷条件4)と、コート紙と絵柄重み特性が中の組み合わせ(印刷条件5)と、コート紙と絵柄重み特性が重の組み合わせ(印刷条件6)との6種類になる。
ジョブ変更モードとしては、印刷条件1から印刷条件2への変更(モード1)と、印刷条件1から印刷条件3への変更(モード2)と、印刷条件1から印刷条件4への変更(モード3)と、印刷条件1から印刷条件5への変更(モード4)と、印刷条件1から印刷条件6への変更(モード5)と、印刷条件2から印刷条件1への変更(モード6)と、印刷条件2から印刷条件3への変更(モード7)と、印刷条件2から印刷条件4への変更(モード8)と、印刷条件2から印刷条件5への変更(モード9)と、印刷条件2から印刷条件6への変更(モード10)と、印刷条件3から印刷条件1への変更(モード11)と、印刷条件3から印刷条件2への変更(モード12)と、印刷条件3から印刷条件4への変更(モード13)と、印刷条件3から印刷条件5への変更(モード14)と、印刷条件3から印刷条件6への変更(モード15)と、印刷条件4から印刷条件1への変更(モード16)と、印刷条件4から印刷条件2への変更(モード17)と、印刷条件4から印刷条件3への変更(モード18)と、印刷条件4から印刷条件5への変更(モード19)と、印刷条件4から印刷条件6への変更(モード20)と、印刷条件5から印刷条件1への変更(モード21)と、印刷条件5から印刷条件2への変更(モード22)と、印刷条件5から印刷条件3への変更(モード23)と、印刷条件5から印刷条件4への変更(モード24)と、印刷条件5から印刷条件6への変更(モード25)と、印刷条件6から印刷条件1への変更(モード26)と、印刷条件6から印刷条件2への変更(モード27)と、印刷条件6から印刷条件3への変更(モード28)と、印刷条件6から印刷条件4への変更(モード29)と、印刷条件6から印刷条件5への変更(モード30)と、の30種類のモードがある。
前記対応関係には、こうしたジョブ変更モードに対して、インカーリセットステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第1設定量としての第1設定枚数)、印刷胴クリーニングステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第2設定量としての第2設定枚数)、プレインキングステップにおいて実施するインキ呼出ローラのインキ呼出動作回数(第3設定量としての第3設定回数)、試刷り印刷ステップにおいて使用する(紙通しする)印刷用紙の枚数(第4設定量としての第4設定枚数)を対応させたものが含まれている。
図11は、設定枚数にかかる対応関係の例を示すテーブルであり、図11においては、コート紙⇒コート紙の欄、コート紙⇒上質紙の欄、上質紙⇒コート紙の欄、上質紙⇒上質紙の欄、のそれぞれに、「軽」⇒「軽」,「軽」⇒「中」,「軽」⇒「重」,「中」⇒「軽」,「中」⇒「中」,「中」⇒「重」,「重」⇒「軽」,「重」⇒「中」,「重」⇒「重」と、紙種も絵柄重み特性も変更のないものを含んで合計36モードが記載されている。
図11中、m0〜m6は設定枚数であり、m0≦m1≦m2≦m3≦m4≦m5≦m6の大小関係を有し、m0は0としている。n0〜n5は第2プレインキングステップ(QSI−2)で実施するインキ呼出ローラのインキ呼出動作回数であり、n0≦n1≦n2≦n3≦n4≦n5の大小関係を有し、n0は0としている。
具体的な設定枚数は記載しないが、インカー内のインキ量の現在値と次の必要値との関係から、各設定枚数を適切に設定し、何れもOKシート10枚を取るまでに損紙を含めても100枚以内程度に収められることが確認された。なお、従来の色調管理装置によりインキキー開度のみで色調整する方法では、1回につき50枚〜100枚程度の用紙を使用し、色合わせできるまでに繰返し調整(3回〜5回程度)を行っていたため、準備段階で多くの時間や用紙を消費していたが、本機能を使えば、準備時間の削減や、大幅な用紙の削減が可能となった。
また、前記対応関係には、ジョブ変更モードに対して、印刷準備シーケンスを対応させたものも含まれている。
本印刷準備支援装置には、ディスプレイ装置44の画面44aに推奨情報として表示された印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量に対してオペレータが変更操作する変更操作手段として、画面44aに変更操作欄を画像表示するようになっており、タッチパネルやキーボード、マウス等を用いて変更操作ができるようになっている。
また、本印刷準備支援装置には、印刷準備シーケンス及び印刷用紙の設定量及びインキ呼出ローラのインキ呼出動作回数に対してオペレータが承認操作する承認操作手段として、画面44aに承認操作を画像表示するようになっており、タッチパネルやキーボード、マウス等を用いて承認操作ができるようになっている。
さらに、本印刷準備支援装置には、承認操作手段による承認操作を受けて、印刷準備シーケンス及び印刷用紙の設定量にしたがって印刷機1を運転する制御手段として、図1に示すように、処理部42内に印刷準備制御部42bが設けられている。
なお、印刷準備制御部42bにより印刷機1を運転する際には、前述の印刷色調制御装置を作動させながら印刷結果の濃度を測定しながら印刷を行なうが、この際、目標濃度よりもやや低い閾値を設け、この閾値以下ならインキキー212を開けてインキを盛り、閾値以上ならインキキー212を絞る制御を行なうことで、印刷準備として好適なインキ膜厚を形成することができる。
〔印刷準備支援の表示画像例〕
ところで、図12〜図14は印刷準備支援装置のディスプレイ装置44の画面44aの表示例を示す図である。これを参照しながら、印刷準備支援装置を用いたジョブ変更操作を説明する。
ジョブ開始時には、例えば図12に示すジョブ開始画像が表示され、「新規」の設定状態で、例えば紙質441のスイッチをポイント操作すると、その紙に適したAPI関数など、その紙に適した関数やパラメータが自動設定される。
ジョブ開始後には、例えば図13に示すプリセット画像が表示され、このプリセット画面にて、「インキキー」,「紙サイズ」,「印圧」などの各スイッチ443〜445を操作してプリセットをし、ジョブ設定する。
このプリセット後、プリセットボタン442を操作すると、例えば図14(a)に示すジョブ替え画像が表示され、この中には、ジョブ替えスイッチ446や、推奨する印刷準備シーケンス表示447や、各設定枚数448a〜448cが表示される。オペレータがジョブ替えスイッチ446を操作すれば、各設定枚数448a〜448cや印刷準備シーケンス447の変更が可能である。
ジョブ替えスイッチ446を操作して、例えば図14(b)に示すメモリ呼出登録画面が表示して、メモリ呼出登録欄449からそのジョブ替えに合った対応を呼び出して、設定変更することが可能である。
ここで、計測後モードを選択すると、例えば図14(c)に示す計測後画面が表示されて、印刷色調制御装置による印刷色調の計測が終了していたら、インキキー送信ボタン451aを操作してインキキー送信を行ない、QSI−2Dボタン451bを操作してインキキー制御を選択すると、図10に「インキ盛る」と示すように、濃度不足の部分のキーが選択され、更なる、第2プレインキングステップ(QSI−2D)、試刷りステップ(ここでは、30枚)がセットされる。なお、印刷準備シーケンス表示447のステップのうち、処理を実施するステップについては輝度を上げるなど識別可能な表示としている(符号450a,450b参照)。
〔作用及び効果〕
本印刷機の印刷準備方法及び印刷機の印刷準備支援装置は、このように構成されているので、現印刷ジョブから次印刷ジョブへのジョブ変更時に、インカー21内のインキ膜厚を減少させるインカーリセット時や印刷胴クリーニング時に使用する印刷用紙の枚数や、印刷胴及びインカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキング時に実施するインキ呼出ローラのインキ呼出動作回数等を、現印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む現印刷条件と、次印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定するため、インキ膜厚の調整に印刷用紙を過不足なく使用することができ、ジョブ変更に要する時間や損紙の発生をより一層削減することが可能になる。
特に、印刷機の印刷準備支援装置を用いて印刷準備をすることにより、誰にでも容易に、インキ膜厚の調整に印刷用紙を過不足なく使用することができ、ジョブ変更に要する時間や損紙の発生をより一層削減することが可能になる。
また、印刷準備シーケンスについても、現印刷ジョブの印刷条件(印刷用紙の紙質等)に対応して可変に設定するため、インキ膜厚の調整に印刷用紙を過不足なく使用することができ、ジョブ変更に要する時間や損紙の発生(発生量やこれに伴うコスト)をより一層削減することが可能になる。
特に、次印刷ジョブ条件設定ステップの処理を、ジョブ変更モードに応じて、印刷胴クリーニングステップの後にすることにより、次印刷ジョブ条件設定ステップと版交換ステップとを並行して実施することができ、ジョブ変更に要する時間をより一層削減することが可能になる。
また、印刷胴クリーニングステップだけでは現印刷ジョブの履歴が消えないと予想されるジョブ変更モードの場合には、印刷胴クリーニングステップに続いて洗浄液を用いて印刷胴24,25を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、洗浄後の印刷胴クリーニングステップと、を追加してこの順に実施することにより、現印刷ジョブの履歴を確実に消去することができる。
さらに、試刷り印刷ステップによる試刷り印刷の結果、現印刷ジョブの履歴が消えない場合には、試刷り印刷ステップの後、印刷胴洗浄ステップと、洗浄後印刷胴クリーニングステップとを追加してこの順に実施することにより、現印刷ジョブの履歴を確実に消去することができる。
また、印刷準備支援装置に、印刷準備シーケンス及び印刷用紙の設定量に対してオペレータが変更操作したり、印刷準備シーケンス及び印刷用紙の設定量に対してオペレータが承認操作したりする手段を設ければ、利便性が向上する。
さらに、印刷準備支援装置が印刷準備シーケンス及び印刷用紙の設定量にしたがって印刷機1を運転する制御を実施すれば、オペレータの負担が軽減される。
現印刷ジョブ及び次印刷ジョブの前記印刷絵柄をそれぞれ或いは畳重させてディスプレイ44に模式表示すれば、この表示に基づいてオペレータが絵柄重み特性を入力操作することができ、熟練したオペレータの技能を発揮することができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
例えば、印刷資材の種類には、紙種だけでなく、インキ種など他の資材の種類を加えることも有効である。また、紙種として、コート紙と上質紙とを例示したが、紙種もこれに限るものではない。
印刷絵柄の特性も、絵柄重み特性といった概念だけでなく、絵柄の画線量や画線率をそのまま適用してもよい。
また、上記実施形態では、インカー21の最上流のインキローラとインキ元ローラ211との間を往復動するインキ呼出ローラ213によって、インキ供給源からインカーへのインキ供給を行なっており、この際のインキ供給量を規定する第3設定量を、インキ呼出ローラのインキ呼出動作回数としているが、インキ供給方式はこれに限らない。例えば、噴射式のインキ供給ポンプを用いてもよく、この場合、第3設定量はインキ供給ポンプからのインキ噴射量となる。
さらに、印刷条件に、目標濃度や、版胴・ブラン胴の表面温度や、インキ元ローラ等、インキ供給に関わる各ローラ温度等を加えることも有効である。
更に、枚葉印刷機を例示したが、連続紙を印刷する輪転機への適用も可能である。
1 印刷機
20,20a〜20d 印刷装置
21 インカー(インキング装置)
24 版胴(印刷胴)
25 ブランケット胴(印刷胴)
40 制御装置
42 処理部
42a 演算部(演算手段)
42b 印刷準備制御部
43 記憶部(記憶手段)
44 ディスプレイ装置(表示手段)
100 印刷用シート(印刷用紙)

Claims (11)

  1. 現印刷ジョブから次印刷ジョブへのジョブ変更時に、
    インキ供給源からインカーへのインキ供給を遮断して第1設定量の印刷用紙を使用して印刷機を作動させ前記インカー内のインキ膜厚を減少させるインカーリセットステップと、
    前記インカーから印刷胴へのインキ供給を遮断して第2設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる印刷胴クリーニングステップと、
    前記インキ供給源から前記インカーへ第3設定量のインキ供給を実施して前記インカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキングステップと、
    第4設定量の印刷用紙を使用して試刷り印刷を行なう試刷り印刷ステップと、をこの順に実施し、
    前記設定量のうち少なくとも前記第1設定量及び前記第3設定量は、現印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である現印刷条件と次印刷ジョブでの印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応して可変に設定する
    印刷機の印刷準備方法。
  2. 次印刷ジョブの印刷条件を設定する次印刷ジョブ条件設定ステップと、
    刷版を交換する版交換ステップと、をさらに備え、
    前記次印刷ジョブ条件設定ステップの処理は、現印刷ジョブの印刷条件に応じて、前記インカーリセットステップの前と前記印刷胴クリーニングステップの後との何れかに選択的に切り替えて実施し、
    前記版交換ステップは、前記印刷胴クリーニングステップと前記プレインキングステップとの間に実施する
    請求項1記載の印刷機の印刷準備方法。
  3. 前記ジョブ変更モードが、前記印刷胴クリーニングステップだけでは現印刷ジョブの履歴が消えないと予測されるモードの場合には、前記印刷胴クリーニングステップに続いて洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第5設定量の印刷用紙を用いて前記印刷機を作動させ前記印刷胴の洗浄液を除去する洗浄後印刷胴クリーニングステップと、を追加してこの順に実施する
    請求項1又は2記載の印刷機の印刷準備方法。
  4. 前記試刷り印刷ステップによる試刷り印刷の結果、現印刷ジョブの履歴が消えない場合には、前記試刷り印刷ステップの後、洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第6設定量の印刷用紙を用いて前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる洗浄後印刷胴クリーニングステップと、を追加してこの順に実施する
    請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷機の印刷準備方法。
  5. 前記印刷資材の種類は印刷用紙の紙種を含むと共に、前記印刷絵柄の特性は印刷絵柄の画線率に対応する絵柄重み特性を含んでいる
    請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷機の印刷準備方法。
  6. 現印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である現印刷条件と次印刷ジョブに関する印刷資材の種類及び印刷絵柄の特性を含む印刷条件である次印刷条件との組み合わせで規定されるジョブ変更モードに対応した次印刷ジョブのための印刷準備シーケンスと、前記ジョブ変更モードと前記印刷準備シーケンスの処理ステップで使用する印刷用紙の設定量との対応関係と、を記憶する記憶手段と、
    ジョブ変更時に、前記対応関係から、このときの前記ジョブ変更モードに応じた、前記印刷準備シーケンスと、前記印刷用紙の設定量とを演算する演算手段と、
    前記ジョブ変更モードに対応した前記印刷準備シーケンスと、前記演算手段により演算された前記印刷用紙の設定量とを推奨情報として表示する表示手段と
    を備えている印刷機の印刷準備支援装置。
  7. 前記印刷準備シーケンスは、
    インキ供給源からインカーへのインキ供給を遮断して第1設定量の印刷用紙を使用して印刷機を作動させ前記インカー内のインキ膜厚を減少させるインカーリセットステップと、
    前記インカーから印刷胴へのインキ供給を遮断して第2設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴のインキ膜厚を減少させる印刷胴クリーニングステップと、
    前記インキ供給源から前記インカーへ第3設定量のインキ供給を実施して前記インカーに次印刷ジョブに応じたインキ膜厚を形成させるプレインキングステップと、
    第4設定量の印刷用紙を使用して試刷り印刷を行なう試刷り印刷ステップと、をこの順に実施するインキ膜厚調整シーケンスを含み、
    次印刷ジョブの印刷条件を設定する次印刷ジョブ条件設定ステップと、
    刷版を交換する版交換ステップと、をさらに含み、
    前記次印刷ジョブ条件設定ステップは、現印刷ジョブの印刷条件に対応して、前記インカーリセットステップの前と前記印刷胴クリーニングステップの後と何れかに選択的に切り替えて実施するものであり、
    前記版交換ステップは、前記印刷胴クリーニングステップと前記プレインキングステップとの間に実施するものである
    請求項6記載の印刷機の印刷準備支援装置。
  8. 前記印刷準備シーケンスは、
    前記ジョブ変更モードに対応して、前記印刷胴クリーニングステップだけでは現印刷ジョブの履歴が消えないと予測されるモードの場合には、前記印刷胴クリーニングステップに続いて洗浄液を用いて前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップと、これに続いて、前記インカーから前記印刷胴へのインキ供給を遮断して第5設定量の印刷用紙を使用して前記印刷機を作動させ前記印刷胴の洗浄液を除去する洗浄後印刷胴クリーニングステップと、をさらに含む
    請求項6又は7記載の印刷機の印刷準備支援装置。
  9. 前記表示手段に前記推奨情報として表示された前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量に対してオペレータが変更操作する変更操作手段と、
    前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量に対してオペレータが承認操作する承認操作手段と、
    前記承認操作手段による承認操作を受けて、前記印刷準備シーケンス及び前記印刷用紙の設定量にしたがって前記印刷機を運転する制御手段と、をさらに備えている
    請求項6〜8の何れか1項に記載の印刷機の印刷準備支援装置。
  10. 前記印刷資材の種類は印刷用紙の紙種を含むと共に、前記印刷絵柄の特性は印刷絵柄の画線率に対応する絵柄重み特性を含んでいる
    請求項6〜9の何れか1項に記載の印刷機の印刷準備支援装置。
  11. 前記表示手段は、現印刷ジョブ及び次印刷ジョブの前記印刷絵柄をそれぞれ或いは畳重させて模式表示する印刷絵柄表示部を有し、
    前記印刷絵柄表示部による表示に基づいてオペレータが前記絵柄重み特性を入力操作する特性入力操作手段をそなえている
    請求項6〜10の何れか1項に記載の印刷機の印刷準備支援装置。
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