JP4284912B2 - 湿し水供給量制御方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷機、特には輪転機における湿し水の供給量の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷機で印刷物の品質を高く維持するためには、湿し水の最適な供給量を維持する必要がある。インキ供給量においても、湿し水供給量が変わると網点の着肉形状が変わってしまうため、インキ供給量の調節だけでは基準印刷物の色調を維持することが不可能になる。
【0003】
一般的に、湿し水の供給量が少ないと、(1)版の網点に盛ることができるインキの量が増え、印刷再現色域が大きくなり、(2)インキの着肉形状が安定するため、色調が安定し、(3)紙が余分に水を吸わないので見当が合い、良いとされている。
【0004】
しかし、湿し水の量が閾値を下回ると、地汚れ、ブラン残りによっておこる汚れ等の印刷障害が起こる。従って、湿し水の供給量は湿し水不足による印刷障害が起こる寸前が品質的に一番良いとされている。しかし、湿し水の供給量が湿し水不足による印刷障害を起こす寸前か否かを判断するのは、長い経験を要する。
【0005】
そのため、経験の浅い印刷機オペレータは湿し水の供給不足による印刷障害を恐れ、湿し水の過剰供給を行い、印刷再現色域が狭く、色調が不安定で、見当の合わない印刷物を作り、湿し水量が閾値を上回った場合には、水マーク等の印刷障害を引き起こし損紙を増大させることとなる。
【0006】
これに対して、ローラー端の印刷用紙が通過しない領域をも考慮に入れて測定し、より一層の損紙低減と高品質を維持し、自動制御にも好適な生産コストの低減に貢献するために、インキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性をローラーの幅方向に沿って複数箇所を測定し制御する湿し水供給量制御方法で、印刷用紙が通過しない領域及び印刷用紙が通過する領域の両領域ともに測定し、少なくとも該2つの領域につき領域ごとに異なる制御を行う湿し水供給量制御方法とその装置を提案されている。
【0007】
しかし、絵柄がある領域では、計測値と印刷品質は高い相関関係にあるものの、絵柄量によって計測値のバラツキが異なり、絵柄量の少ない領域の計測値は、絵柄量の多い領域の計測値よりバラツキが大きい場合があり、閾値設定を含んだ制御方法を同一の制御方法により行なうと、絵柄によっては適切な湿し水制御には不十分である場合があった。
【0008】
従って、絵柄がどの様な絵柄であっても適切な湿し水制御が行えるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、絵柄がある領域では、計測値と印刷品質は高い相関関係にあるものの、絵柄量によって計測値のバラツキが異なるので、この事を考慮に入れた湿し水制御方法は、一層の損紙低減と高品質の維持を目指した発明であり、特には自動制御にも適しており、もって生産コストの低減に貢献される。
【0010】
特に、印刷用紙の走行方向と垂直方向である幅方向において絵柄量の大小の違いが大きい場合であっても、最適な湿し水制御が行えるオフセット印刷機における湿し水供給量制御方法及びその装置を提供することが課題である。
【0011】
この様に、絵柄がどの様な絵柄であっても適切な湿し水制御が行える湿し水供給量制御方法とその装置が求められていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題である絵柄が存在する領域におけるオフセット印刷機における湿し水供給量制御について、絵柄量の違いにより測定値のバラツキが異なるながらも、測定値は印刷品質と高い相関関係にあり、この事を考慮に入れた湿し水制御方法とは下記のようになる。
【0013】
請求項1に係る発明については、オフセット印刷機のローラー表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、該ローラーの幅方向に沿って複数箇所のデータを測定し、得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する湿し水供給量制御方法において、
該制御手段は、前記ローラー幅方向において、絵柄情報の絵柄面積率を基にして、インキキーに対応する領域を色毎に、印刷用紙が通過しない、ローラー端の領域である領域Aと、印刷用紙は通過し、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域である領域Bと、印刷用紙は通過し、少量の絵柄が存在する領域である領域Cと、印刷用紙は通過し、十分な絵柄が存在する領域である領域Dと、の4領域に分類しかつ当該分類結果を入力する入力工程と、
前記4領域の領域毎に、インキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚あるいは含水率のうち、少なくとも1つ以上の特性の制御範囲を設定する設定工程と、前記ローラーの幅方向に沿って、領域毎に少なくとも1箇所以上、前記制御範囲を設定した特性のデータを測定する測定工程と、前記測定工程により得られた前記データを基に、前記領域の色毎に設定された制御範囲内に前記特性を制御する制御工程と、からなることを特徴とする湿し水供給量制御方法である。
【0015】
請求項2に係る発明については、オフセット印刷機のローラー表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、該ローラーの幅に沿って複数箇所のデータを測定する測定手段、及び測定により得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する制御手段を備えた湿し水供給量制御装置において、該制御手段は、前記ローラー幅方向において、絵柄情報の絵柄面積率を基にして、インキキーに対応する領域を色毎に、印刷用紙が通過しない、ローラー端の領域である領域Aと、印刷用紙は通過し、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域である領域Bと、印刷用紙は通過し、少量の絵柄が存在する領域である領域Cと、印刷用紙は通過し、十分な絵柄が存在する領域である領域Dと、の4領域に分類しかつ当該分類結果を入力する入力手段と、前記4領域の領域毎に、インキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚あるいは含水率のうち、少なくとも1つ以上の特性の制御範囲を設定する設定手段と、前記ローラーの幅方向に沿って、領域毎に少なくとも1箇所以上、前記制御範囲を設定した特性のデータを測定する測定手段と、前記測定手段により得られた前記データを基に、前記領域の色毎に設定された制御範囲内に前記特性を制御する制御手段と、からなることを特徴とする湿し水供給量制御装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0018】
本発明の湿し水供給量制御方法は、図1の側面概略図に示すように、例えば、オフセット印刷機のインキ練りローラー群14とインキ着ローラ8との間にある金属ローラー9の表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、前記金属ローラー9の幅に沿って移動しながら赤外線センサー10で測定して求め、そこで得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する湿し水供給量制御装置(図示せず)を用いた湿し水供給量の制御を行う湿し水供給量制御方法およびその装置である。
【0019】
その装置において、上記課題を解決するための手段を行うものである。
【0020】
例えば制御方法を4段階にする場合は以下の通りであるが、必要に応じてもっと多段階とすることも可能である。
【0021】
オフセット印刷機のローラ上に存在するインキと湿し水の混合体の層のインキ膜厚と水膜厚と含水率のデータを測定する湿し水制御方法において、予め、紙幅とキー毎且つ色毎の絵柄面積率(以降、各色のゾーン面積率と呼ぶ)を入手する。
【0022】
入手元としては、刷版絵柄面積率計での計測情報が考えられる。
【0023】
また、Print Production Format(以下PPFと称する)からも入手可能である。これは、印刷のプリプレス(印刷前工程)や印刷やポストプレス(印刷後工程)などの全ワークフローを統合し、各工程での処理や管理データをやりとりするInternational Cooperation for Integration Prepress Press andPostpress(以下CIP3と称する)のフォーマットである。
【0024】
その他、Job Definition Format(以下JDFと称する)からも入手可能である。これはPPFに、より細かいプリプレスの作業情報を付加したInternational Cooperation for Integration of Processes in Prepress、Press and Postpress(以下CIP4と称する)のフォーマットである。
【0025】
さらに、印刷物絵柄色調検査装置情報や、熟練オペレータの目視情報等や、その他絵柄面積率を直接または間接に得られる各種情報を入手元とすることが可能である。
【0026】
ローラー幅方向において、キー毎且つ色毎に
印刷用紙が通過しない、ローラー端の領域、領域A;
印刷用紙は通過し、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域、領域B;
印刷用紙は通過し、少量の絵柄が存在する領域、領域C;
印刷用紙は通過し、十分な絵柄が存在する領域、領域D;
の4領域に分け、色毎の領域において、異なる制御方法と制御閾値を設ける。
【0027】
印刷物の基準が作成されてから、ローラ上に存在するインキと湿し水の混合体の層のインキ膜厚と水膜厚と含水率のデータを測定し続け、各領域毎に下記の手法で制御する。
【0028】
領域Aの制御は、同じ位置のインキ膜厚、水膜厚、含水率の少なくとも1つ以上が、基準取得時の測定値を基準に設定された幅から超えた場合、オペレータに知らせ、オペレータがローラー間の圧力やローラーの汚れ具合を再確認した上で、水元ローラー回転数の調整を行う。
【0029】
領域B,C,Dの制御は、領域Aの制御と同じだが、各々、基準取得時の測定値を基準に設定された幅は異なる。
【0030】
領域Dの制御は、同時に、ローラー幅方向に分布する含水率の中で最低値(最低含水率)に着目し、基準取得時の最低含水率を下限とした一定幅内に、最低含水率が常にいるように、水元ローラー回転数の調整を行う。
【0031】
なお、絵柄情報とは、絵柄面積率情報である事が一般的であるが、データ自体は絵柄面積率を求める事ができる各種情報を個別に取り入れる事でも本願発明は実現可能である。例えば、実画像データを元に直接領域ごとの制御方法の決定を行うものであっても構わないが、直接そのままの情報を利用できる絵柄面積率情報の方が好ましい。
【0032】
また、絵柄情報が絵柄面積率である場合にも、絵柄面積率が、刷版絵柄面積率計での計測情報、PPF情報、JDF情報、印刷物絵柄色調検査装置情報、熟練オペレータの目視情報、その他を利用できる。
【0033】
このPPFは、印刷のプリプレス(印刷前工程)や印刷やポストプレス(印刷後工程)などの全ワークフローを統合し、各工程での処理や管理データをやりとりしようとする構想である、CIP3のデータフォーマットであり、正式な名称はPrint Product Formatである。そして、このデータの中に絵柄面積率も含まれる。
【0034】
JDFは、CIP3のプリプレス(印刷前工程)や印刷やポストプレス(印刷後工程)にプロダクション(印刷画像作成工程)を加え、より大きな視点で印刷工程を捉えようという構想であるCIP4のデータフォーマットであり、正式名称はJob Definition Formatである。PPFにより細かい作業情報が付加されている。
【0035】
刷版絵柄面積率計情報は、各色の刷版の絵柄領域を認識して、その刷版の絵柄面積率計を求める刷版絵柄面積率計により求められた情報の事であり、その刷版は本刷用刷版であると、校正印刷用刷版であるとを問わないが、実際の絵柄面積率に近い本刷用刷版が好ましい。
【0036】
印刷物絵柄色調検査装置情報は、印刷物絵柄色調を認識して、その印刷物絵柄色調を色分解等の手段によりYMCK各色の絵柄面積率により求められた情報の事であり、その刷版は本番印刷物であると、校正印刷物であるとを問わない。
【0037】
その他、オフセット印刷機のインキ練りローラー群とインキ着ローラとの間にある金属ローラーとしての往復ローラーの内の一方の往復ローラの表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、前記往復ローラーの幅に沿って複数箇所を赤外線センサーで測定することにより求め、そこで得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する湿し水供給量制御装置を用いた湿し水供給量制御方法であって、印刷用紙が通過しない往復ローラーの端近辺にある領域、及び印刷用紙が通過する領域について、その両領域ともに測定し、それら2つの領域につき領域ごとに異なる制御を行う場合の印刷用紙が通過する領域について本願発明を適用することも可能である。
【0038】
また、印刷用紙が通過する領域の制御は、この領域中の同じ位置のインキ量、湿し水量、インキ膜厚、水膜厚、あるいは含水率のうちの前記測定した特性のいずれか1つ以上が、基準として設定された制御範囲を逸脱した場合には、人間に通報を行うか又は制御装置に異常を示す場合についても本願発明を適用することが可能である。
【0039】
また、印刷用紙が通過しない往復ローラーの端近辺にある領域の制御は、この領域中の同じ位置のインキ量、湿し水量、インキ膜厚、水膜厚、あるいは含水率のうちの前記で測定した特性につき、いずれか1つ以上が、基準として設定された制御範囲を逸脱した場合には、人間に通報を行うか又は制御装置に異常を示す情報を送信すること、かつこの基準として設定された制御範囲が、前記領域の制御範囲とは異なる制御を行う場合の印刷用紙が通過する領域について本願発明を適用することも可能である。
【0040】
また、絵柄が存在しない領域の制御は、この領域中の同じ位置のインキ量、湿し水量、インキ膜厚、水膜厚、あるいは含水率のうちの前記測定した特性につき、いずれか1つ以上が、基準として設定された制御範囲を逸脱した場合には、人間に通報を行うか又は制御装置に異常を示す情報を送信すること、かつこの基準として設定された制御範囲は前記領域Aの制御範囲とは異なっている場合の印刷用紙が通過する領域について本願発明を適用することも可能である。
【0041】
さらにまた、印刷用紙が通過し且つ絵柄も存在する領域の制御は、該領域中の同じ位置のインキ量、湿し水量、インキ膜厚、水膜厚、あるいは含水率のうちの前記測定した特性のいずれか1つ以上が、基準として設定された制御範囲を逸脱した場合には、人間に通報を行うか又は制御装置に異常を示す情報を送信すること、かつ該制御範囲は下限値を有しており、該領域中で前記ローラーの幅に沿った方向に分布する含水率データの中で、最低の含水率が基準値を下限とする一定範囲内に存在するように制御を行う場合の印刷用紙が通過する領域について本願発明を適用することも可能である。
【0042】
【実施例】
オフセット印刷機のローラ上に存在するインキと湿し水の混合体の層のインキ膜厚と水膜厚と含水率を測定する湿し水制御装置において(図1参照)、同じ絵柄を今回の発明である制御方法を<実施例>で、従来方法を<比較例>として行った印刷テストの詳細と、湿し水供給量不良による印刷障害の発生率について述べる。
【0043】
<実施例>
下記(1)から(5)までの工程を順次実施した。
(1)湿し水供給量制御装置にインキキーの幅と数、印刷用紙幅、PPFデータから各色のゾーン面積率(%)を入力した。
【0044】
その結果、図2に示す様にゾーン面積率(K)%、ゾーン面積率(C)%、ゾーン面積率(M)%、ゾーン面積率(Y)%、をKeyNo毎に領域(K)、領域(C)、領域(M)、領域(Y)を決定した。
【0045】
この場合の領域判定基準は以下の通りである。
【0046】
印刷用紙が通過しない領域をA領域;
ゾーン面積率が5%未満の領域、つまり、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域をB領域;
ゾーン面積率が5%以上15%未満の領域、つまり、少量の絵柄が存在する領域をC領域;
ゾーン面積率が15%以上の領域、つまり、十分な絵柄が存在する領域をD領域とする。
【0047】
この基準による判定結果は以下の通りである。
【0048】
A領域のインキキーが、
K,C,M,Y…1,15番。
【0049】
B領域のインキキーが、
K…2,3,4,5,6,7,8,14番
C,M…2,8,14番
Y…2,8,9,10,11,12,13,14番。
【0050】
C領域のインキキーが、
K…9,11,13番
C,M…無し
Y…3,7番。
【0051】
D領域のインキキーが、
K…10,12番
C,M…3,4,5,6,7,9,10,11,12,13番
Y…4,5,6番。
(2)色別且つ領域別に設定を行なう。
【0052】
設定内容は、以下の通りである。
【0053】
A領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0054】
K,C,M,Y;インキ膜厚±2μm、水膜厚±1μm、含水率±10%
B領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0055】
K,C,M,Y;インキ膜厚±1.5μm、水膜厚±0.7μm、含水率±7%
C領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0056】
K,C,M,Y;インキ膜厚±1.0μm、水膜厚±0.5μm、含水率±5%
D領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0057】
K,C,M,Y;インキ膜厚±0.5μm、水膜厚±0.3μm、含水率±3%
同時に、図3に示す含水率データを参照して、ローラー幅方向に分布するD領域の含水率の中で最低値(最低含水率)に着目し、基準取得時の最低含水率を下限にマージンとして1%乗せ、幅2%に、最低含水率が常にいるように、水元ローラー回転数の調整を行う様に、以下の様な設定を行う。
【0058】
このときの図2においてD領域と判定された制御内容は以下の通りである。
【0059】
K:D領域の最低含水率が12%のため、D領域の最低含水率が(12+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0060】
C:D領域の最低含水率が23%のため、D領域の最低含水率が(23+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0061】
M:D領域の最低含水率が25%のため、D領域の最低含水率が(25+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0062】
Y:D領域の最低含水率が28%のため、D領域の最低含水率が(28+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
(3)テスト印刷開始。
(4)オペレータが基準状態を設定。基準取得後、制御開始。
(5)刷了
3時間の自動制御印刷を様々な絵柄パターンで繰り返した結果、湿し水供給量不良による印刷障害の発生率は0.02%であった。
<比較例>
実施例と同じ絵柄、同じ用紙、同じ印刷機にて下記(1)から(5)までの工程を順次実施した。
(1)湿し水供給量制御装置にインキキーの幅と数、印刷用紙幅、PPFデータから各色のゾーン面積率(%)を入力した。
【0063】
その結果、図4に示す様にゾーン面積率(K)%、ゾーン面積率(C)%、ゾーン面積率(M)%、ゾーン面積率(Y)%、をKeyNo毎に領域(K)、領域(C)、領域(M)、領域(Y)を決定した。
【0064】
この場合の領域判定基準は以下の通りである。
【0065】
印刷用紙が通過しない領域をA領域;
ゾーン面積率が0%、つまり、絵柄が存在しない領域をB領域;
ゾーン面積率が0%より高い、つまり、絵柄が存在する領域をD領域とする。
【0066】
ちなみに、少量の絵柄が存在する領域であるC領域を必要とする判定結果は本比較例では存在しないことになる。
【0067】
A領域のインキキーが、
K,C,M,Y…1,15番。
【0068】
B領域のインキキーが、
K…2,3,4,5,6,7,14番
C,M…2,14番
Y…2,9,10,11,12,13,14番。
【0069】
D領域のインキキーが、
K…8,9,10,11,12,13番
C,M…3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13番
Y…3,4,5,6,7,8番
(2)色別且つ領域別に設定を行なう。
【0070】
設定内容は、以下の通りである。
【0071】
A領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0072】
K,C,M,Y;インキ膜厚±2μm、水膜厚±1μm、含水率±10%
B領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0073】
K,C,M,Y;インキ膜厚±1.5μm、水膜厚±0.7μm、含水率±7%
D領域:基準取得時から同じキーの各測定値の差が、以下の幅を超えた場合オペレータに告知。
【0074】
K,C,M,Y;インキ膜厚±1.0μm、水膜厚±0.5μm、含水率±5%
同時に、図5に示す含水率データを参照して、ローラー幅方向に分布するD領域の含水率の中で最低値(最低含水率)に着目し、基準取得時の最低含水率を下限にマージンとして1%乗せ、幅2%に、最低含水率が常にいるように、水元ローラー回転数の調整を行う様に、以下の様な設定を行う。
【0075】
このときの図4においてD領域と判定された制御内容は以下の通りである。
【0076】
K:D領域の最低含水率が8%のため、D領域の最低含水率が(8+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0077】
C:D領域の最低含水率が18%のため、D領域の最低含水率が(18+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0078】
M:D領域の最低含水率が21%のため、D領域の最低含水率が(21+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
【0079】
Y:D領域の最低含水率が23%のため、D領域の最低含水率が(23+1)±2%の範囲内に存在するように、水元ローラー回転数が制御される。
(3)テスト印刷開始。
(4)オペレータが基準状態を設定。基準取得後、制御開始。
(5)刷了
3時間の自動制御印刷を様々な絵柄パターンで繰り返した結果、湿し水供給量不良による印刷障害の発生率は0.05%であった。
【0080】
【発明の効果】
本発明の制御法を用いることで、従来よりも印刷物の色調などをより高品質に維持しながら、湿し水供給量の制御の際に生じる損紙の発生をさらに減少させ、生産コストの減少が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外線センサーを用いた湿し水制御装置を示す説明図である。
【図2】<実施例>における各色のゾーン面積率と制御領域の関係を数値で示す表である。
【図3】<実施例>におけるD領域の水元ローラー回転数制御で使われる含水率値の分布を数値で示す表である。
なお、斜線部がD領域である。
【図4】<比較例>における各色のゾーン面積率と制御領域の関係を数値で示す表である。
【図5】<比較例>におけるD領域の水元ローラー回転数制御で使われる含水率値の分布を数値で示す表である。
なお、斜線部がD領域である。
【符号の説明】
1 インキ
2 インキキーブレード
3 インキ元ローラー
4 湿し水
5 水船
6 水元ローラー
7 水着ローラー
8 インキ着ローラー
9 被計測金属ローラー
10 赤外線センサー
11 版胴
12 ブランケット胴
13 印刷用紙
14 インキ練りローラー群

Claims (2)

  1. オフセット印刷機のローラー表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、該ローラーの幅方向に沿って複数箇所のデータを測定し、得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する湿し水供給量制御方法において、前記ローラー幅方向において、絵柄情報の絵柄面積率を基にして、インキキーに対応する領域を色毎に、印刷用紙が通過しない、ローラー端の領域である領域Aと、印刷用紙は通過し、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域である領域Bと、印刷用紙は通過し、少量の絵柄が存在する領域である領域Cと、印刷用紙は通過し、十分な絵柄が存在する領域である領域Dと、の4領域に分類しかつ当該分類結果を入力する入力工程と、前記4領域の領域毎に、インキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚あるいは含水率のうち、少なくとも1つ以上の特性の制御範囲を設定する設定工程と、前記ローラーの幅方向に沿って、領域毎に少なくとも1箇所以上、前記制御範囲を設定した特性のデータを測定する測定工程と、前記測定工程により得られた前記データを基に、前記領域の色毎に設定された制御範囲内に前記特性を制御する制御工程と、からなることを特徴とする湿し水供給量制御方法。
  2. オフセット印刷機のローラー表面上にあるインキと湿し水との混合層について、そのインキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚、あるいは含水率のうちの少なくとも1つ以上の特性を、該ローラーの幅に沿って複数箇所のデータを測定する測定手段、及び測定により得られたデータに基づいて湿し水の供給量を制御する制御手段を備えた湿し水供給量制御装置において、該制御手段は、前記ローラー幅方向において、絵柄情報の絵柄面積率を基にして、インキキーに対応する領域を色毎に、印刷用紙が通過しない、ローラー端の領域である領域Aと、印刷用紙は通過し、絵柄は存在しない若しくは極少量の絵柄が存在する領域である領域Bと、印刷用紙は通過し、少量の絵柄が存在する領域である領域Cと、印刷用紙は通過し、十分な絵柄が存在する領域である領域Dと、の4領域に分類しかつ当該分類結果を入力する入力手段と、前記4領域の領域毎に、インキ量、湿し水量、インキ膜厚、湿し水膜厚あるいは含水率のうち、少なくとも1つ以上の特性の制御範囲を設定する設定手段と、前記ローラーの幅方向に沿って、領域毎に少なくとも1箇所以上、前記制御範囲を設定した特性のデータを測定する測定手段と、前記測定手段により得られた前記データを基に、前記領域の色毎に設定された制御範囲内に前記特性を制御する制御手段と、からなることを特徴とする湿し水供給量制御装置。
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