JP4792537B2 - 印刷準備方法,印刷準備システム,印刷準備システムの端末装置,印刷準備システムのプログラム,記録媒体並びに印刷制御システム及び印刷システム - Google Patents

印刷準備方法,印刷準備システム,印刷準備システムの端末装置,印刷準備システムのプログラム,記録媒体並びに印刷制御システム及び印刷システム Download PDF

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本発明は、特に、全国紙等の広域対象に新聞を発行する場合に各地に設けられた新聞印刷工場における新聞の印刷等に用いて好適の、印刷準備方法,印刷準備システム,印刷準備システムの端末装置,印刷準備システムのプログラム,記録媒体並びに印刷制御システム及び印刷システムに関する。
例えば、全国紙等の広域対象に新聞を発行する新聞社の場合、可能な限り最新の情報を購読者に届けられるように、紙面の編集については本社で一括して行ない、新聞印刷については各地に設置した新聞印刷工場においてそれぞれ行なうようなシステムが一般に採用される。この場合、新聞印刷工場では、本社との間での通信によって編集された印刷データを受け取り、この印刷データに基づいて、製版を行なって印刷を実施している。
例えば、本社と新聞印刷工場が既知のネットワークで接続されているようなシステムにおいては、新聞社の本社側では、新聞のみならず他のメディアも含んだ複合メディアに対する編集システム等によって、新聞の編集作業が行われる。そして、編集作業の結果は、印刷データとして本社側のサーバに蓄積され本社側のサーバから各新聞印刷工場側に送信される。
各新聞印刷工場側では、工場側に設置されたデータサーバにおいて本社側から印刷データを受信すると、工場管理システムにおいて、それぞれのデータに基づいて製版を行なう。この製版には、例えばCTP(Computer-To-Plate)装置やCTF(Computer-To-Film)装置を用い、CTP装置なら紙面のデジタルデータから直接刷版が出力されるが、CTF装置ならまず、製版フィルムが出力されるため、このフィルムを用いて製版を行う。このようにして作成された刷版は、通常、オペレータによって、対応する新聞輪転機の版胴に手作業で装着される。
ところで、特に新聞印刷では、購読者に最新の情報を速やかに提供するだけでなく、情報を精度よく提供することも要求される。文字情報を間違わないことはもちろんであるが、画像情報を忠実に再現して提供することも要求される。特に、近年新聞紙面のカラー化が進んでおり、カラーの画像情報を忠実に印刷して再現することが求められている。
従来、平版オフセットなどの一般的な印刷装置では、製版工程及び刷版工程と印刷工程とは個別に存在し、使用する刷版がアナログ的な露光により作成されることが多かったためか、製版の際に使用する上記の紙面のデジタルデータを印刷工程における印刷管理及び印刷制御に用いることは行われていなかったが、近年、上述のような印刷の少時間化及び印刷品質の向上の要求から、紙面情報のデジタルデータ(製版データ)を印刷工程における印刷物の色調制御、具体的には印刷機のインキキーのプリセット制御等に使用して、印刷の効率化及び高品質化したものが提案されている。
例えば、特許文献1には、製版データに基づいてIRGB濃度計の検出情報をフィードバックしながら印刷機のインキ供給量を制御する技術が開示されている。このようにすることで製版データに基づいて印刷機の立ち上がり直後から印刷物の色調制御を行うことができ、色調制御を開始するまでの時間を短縮して作業を効率化することができる。
特開2004−106523公報
しかしながら、特許文献1の技術は、製版データを用いて、色調補正にかかる制御を効率化する技術であり、印刷工程全体としての作業効率及び品質向上という意味では十分とはいえない。
例えば、通常、全国紙の新聞印刷などでは、全国共通の紙面(共通面)と各都道府県毎または、各地方毎に異なる紙面(県版・地方版)によって紙面構成されており、短時間で大量に印刷を行う必要があるだけでなく、印刷工場によっては、複数の県版の印刷を行う必要があり、印刷機に装着した刷版(各地方面用の刷版)の付け替え作業を頻繁に行う場合がある。このような刷版の付け替え作業は、全国紙の新聞に限らず、例えば、折り込みチラシ等の商業印刷物を印刷する場合であっても、配布地域毎に最適な情報(最寄の店舗の地図等)を案内するため、例えば折込み配布地域毎に異なる刷版で印刷をする。
ところが、この刷版の付け替え作業はオペレータによる手作業で行われ、複数種類の刷版から所望の刷版を選択するのもオペレータが刷版または刷版に付設されているデータ用紙(版名,頁,色に関する各コード等が記載される)を目視して行うのでこの際、刷版をとり間違えてしまう等の人為的ミスが起こりやすい。
また、製版データに基づいて印刷機の色調を補正する場合にも同様に、オペレータが製版データを読込む際に複数の県版の製版データから所望のデータをロードする際に誤って所望でない製版データをロードしてしまい、所望のデータを再ロードするなどして印刷工程に時間的なロスが生じることもあった。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、製版データを利用して品質制御を行う印刷機において、短時間で品質のよい印刷を行うことができると共に、オペレータによる人為的な誤りを低減することができるようにした、印刷準備方法,印刷準備システム,印刷準備システムの端末装置,印刷準備システムのプログラム,記録媒体並びに印刷制御装置及び印刷システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷準備方法は、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、を用いて行なう印刷準備方法であって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記端末装置において上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作する印刷ジョブ選択工程を印刷前工程として実施して、上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には上記印刷ジョブ選択工程で選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信することを特徴としている。
本発明の印刷準備システムは、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、をそなえた印刷準備システムであって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記端末装置は、印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に構成されていることを特徴としている。
本発明の印刷準備システムの端末装置は、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバをそなえた印刷準備システムに含まれる端末装置であって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力するとともに、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段と、をそなえ、上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に構成さていることを特徴としている。
本発明の印刷準備システムのプログラムは、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、をそなえた印刷準備システムを機能させるためのコンピュータプログラムであって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記端末装置としてのコンピュータを、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段として機能させると共に、上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に機能させることを特徴としている。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴としている。
本発明の印刷制御システムは、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し、上記紙面をそれぞれ印刷する印刷装置ごとに設けられ、上記印刷装置を制御する制御装置と、上記の各制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、上記印刷機に付設され印刷した紙面状況を検出する検出手段と、をそなえ、上記端末装置から送られた上記紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記制御装置により上記印刷装置を制御する、印刷制御システムであって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記端末装置は、印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、上記選択操作手段により選択された当該紙面データを上記制御装置に送信し、上記特定紙面に対応した上記制御装置は、上記送信された紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記印刷装置を制御することを特徴としている。
本発明の印刷システムは、複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、複数の印刷装置を備え印刷を行う印刷機と、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し、上記紙面をそれぞれ印刷する印刷装置ごとに設けられ、上記印刷装置を制御する制御装置と、上記の各制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、上記印刷機に付設され印刷した紙面状況を検出する検出手段と、をそなえ、上記端末装置から送られた上記紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記制御装置により上記印刷装置を制御する、印刷システムであって、上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、上記端末装置は、印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、上記選択操作手段により選択された当該紙面データを上記制御装置に送信し、上記特定紙面に対応した上記制御装置は、上記送信された紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記印刷装置を制御することを特徴としている。
したがって、本発明の印刷準備方法,印刷準備システム,印刷準備システムの端末装置,印刷制御システム,印刷システム及び印刷準備システムのプログラム並びに記録媒体によれば、印刷前工程として、印刷ジョブ選択工程を実施するので、印刷ジョブ選択工程では、刷版の付け替え用のデータなど、サーバに複数の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブがある場合に、ジョブ選択工程において所望の印刷ジョブを選択操作するという簡素な操作でジョブ選択でき、このジョブ選択だけで、各印刷装置の各制御装置に特定紙面についての新しい紙面データがスムーズに再送信される。これにより、誤った紙面データに基づいて印刷制御を行うことを低減することができ、紙面の差し替えにかかる労力を低減することができる。
また、本発明の印刷制御システム及び印刷システムによれば、各印刷装置毎に印刷特性情報を取得して、印刷データと各印刷装置の印刷情報とによって求めた制御目標に基づいて、各印刷装置の制御要素をフィードバック制御するので、各印刷装置に応じた適切なインキ供給量を調整することができる。
また、サーバに保存されている印刷データをサーバから端末装置及び各印刷装置の制御装置にロードして、上記フィードバック制御をするので、印刷機の立ち上げ制御等にかかる時間を低減することができる。
また、各印刷装置毎の印刷特性情報を取得して、印刷データ及び/又は指令と各印刷装置印刷情報とによって求めた制御目標に基づいて、各印刷装置に応じた適切なインキ供給量を調整することができる。
本発明の一実施形態に係る新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る新聞印刷システムの例を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る端末装置と印刷機及び印刷装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る端末装置の概略的な機能構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る端末装置のディスプレイ表示の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る新聞用オフセット輪転機の印刷速度(運転速度)の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る簡易検版装置を模式的に示す構成図(一部ブロック図)である。 本発明の一実施形態の簡易検版に係る正規化相関法を説明するための図である。 本発明の一実施形態の簡易検版に係る位置ずれ算出手段の処理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る湿し水供給量調整装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る演算装置の湿し水供給量制御に着目した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る地汚れ検出及び湿し水供給量制御の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る地汚れ検出について説明する製版画像の模式図である。 本発明の一実施形態に係る演算装置の色調制御機能に着目した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 単色網濃度を網点面積率に対応づけるマップである。 ベタ濃度を網点面積率と単色網濃度とに対応づけるマップである。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図19は本発明の一実施形態にかかる印刷制御方法及び印刷システムに関して示すもので、理解容易のために新聞印刷においてこの印刷制御方法を適用した印刷システムを想定し、これらの図に基づいて説明する。
まず、本実施形態にかかる新聞印刷システムの構成について説明すると図2に示すように、各新聞印刷工場の外部(通常、新聞社の本社)に設けられた編集センター(新聞のみならず例えばインターネット等、他のメディアも含んだ複合メディアに関して編集を行なうセンター)で、新聞の編集作業を行ない、編集作業の結果は、印刷データとして通信ネットワークを介して本社サーバ50から各地の新聞印刷工場側に設けられたデータサーバ51に送られるようになっている。なお、印刷データは、各紙面の製版データ(製版に用いる画像データ、印刷画像データともいう)と各紙面に関連する関連情報とを含み、各紙面単位の印刷データについては紙面データと呼ぶ。
そして、各新聞印刷工場側で受信された紙面データは、各新聞印刷工場のデータサーバ51に蓄積される。新聞印刷工場では、受信した各紙面データをデータサーバ51からCTPシステム52に送信し、CTPシステム52では紙面の画像データを適宜RIP処理(既に本社においてRIP処理されている場合には必要ない)して、カラー紙面の場合にはCMYK(シアン,マゼンタ,黄色,黒)の各色に対応する網点データを作成し、このRIP処理されたデータから、各色毎に印刷用の刷版を製版するようになっている。
そして、製版された刷版は、通常、オペレータによって、印刷機の対応する印刷胴に装着されて印刷が行われる。
紙面データについてさらに説明すると、ここでいう紙面とは、刷版を1単位としており、本社サーバ50から送信される紙面データは、印刷機に装着される刷版を1単位とする画像データと、紙面の関連情報としての「県版情報」、「版名」、「印刷装置情報」等のデータとが含まれている。
紙面データに含まれる「県版情報」とは、紙面データが複数の県版の内のどの県版であるかを示す情報である。なお、紙面データが全国共通の紙面である場合には共通版であるとの情報が付与される。
また、「印刷装置情報」とは、紙面データに対応する刷版が例えば印刷機54を構成する複数の印刷装置のどの版胴に装着されるのかを示す情報であり、紙面データを実際に印刷する印刷装置の番号やオモテ・ウラの情報等が含まれている。
また、「版名」とは、刷版1枚1枚に対応して付けられる名前である。そして、データサーバ51には、これらの紙面データに、印刷工場において刷版及び印刷する順番情報を付与して記憶されている。
次に図3を参照して、複数の印刷装置を含む印刷機と、印刷機を制御するオペレーションターミナルの構成について説明する。
図3に示すように、本実施形態の印刷機102は、NO1〜NO10まで10台の印刷装置103を備えており、それぞれの印刷装置103には、印刷装置を制御する制御装置104、印刷ユニット105、センサ106が備えられている。
各印刷装置103の制御装置104は、印刷機OT(印刷機オペレーションターミナル)101と接続され、印刷機OT101からは紙面データに含まれる「印刷装置情報」に対応した制御装置104へそれぞれ「印刷装置情報」に対応した紙面データ(画像情報及び紙面関連情報を含む)が供給されるようになっており、各印刷装置103の制御装置104は受信した紙面データ及びセンサ106から入力される印刷シートの計測情報に基づいて、印刷ユニット105を制御するようになっている。
印刷ユニット105は、実際に紙にインキを転写するインキ転写ユニット(版胴,ブランケット胴を含む複数の印刷胴を備える)の他に、印刷胴にインクを供給するインキ供給装置、湿し水を供給する湿し装置、刷版の掛け間違いを検知する簡易検版装置などの各要素からなり、制御装置104は、紙面データに基づいて印刷ユニット105の各要素をそれぞれ制御できるようになっている。制御装置104及び印刷ユニット105の各要素としてのインキ供給装置、湿し装置、簡易検版装置の詳細については後述する。
センサ106は、例えば印刷ユニット105を通って印刷されたシートのライン上に設置されるラインセンサ型IRGB濃度計であり、印刷シートの搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測し、計測情報を制御装置104に送信するようになっている。
具体的には、必要に応じて印刷機OT101は、このセンサ106を用いて印刷シートに印刷されたカラーチャートなどの基準絵柄をスキャンし、スキャンデータに基づき発色特性などの印刷特性情報を計測し、計測した発色特性を発色特性テーブルなどのデータ構造に変換し、記憶・演算装置150またはデータサーバ51など、所定の記憶手段に印刷特性情報として記憶する。印刷準備段階において、製版データに基づきインキ供給量などの制御目標値を算出する際にこの発色特性テーブルを参照した上で制御目標値を設定する処理を介在させることにより、より高品質の印刷を実現することが可能となる。
印刷機OT101についてさらに説明すると、図4に示すように印刷機OT101には、メモリ及びCPUなどで構成される記憶・演算装置150と、紙面データの画像情報、各印刷装置の運転状況、データサーバ51に蓄積されているデータのインデックス情報等を表示する表示装置(表示手段)151、及びオペレータによる選択操作などの指示を入力するための入力装置(選択操作手段)152を備えている。ここでは表示装置151の表示画面がタッチパネルとして機能するようになっており、表示装置151と入力装置152は一体として形成されている。
そして上述のように、印刷機OT101はデータサーバ51から紙面データ(紙面関連情報を含む)を受信し、受信した各紙面データを記憶・演算装置150に記憶するようになっており、記憶・演算装置150に記憶された紙面データは、各印刷装置103の制御装置104に送出されるとともに紙面データ毎に表示装置151によって表示されるようになっている(図5参照)。また、紙面データに複数種類の県版情報が含まれる場合には、各県版情報がジョブ選択画面として表示され、オペレータが所望のジョブに対応するタッチパネルを押すことによって印刷を行うジョブを選択できるようになっている。
また、表示装置のロードデータ確認画面には、各印刷装置のオモテ・ウラに対応した紙面データの情報を確認することができるようになっている(図5参照)。
すでに各印刷装置103の制御装置104には、複数種類の県版情報のうちの一つの紙面データが送信されているがオペレータによって異なるジョブが選択された場合には選択されたジョブに対応する県版情報を含む紙面データが再送信されるようになっている。
したがって、印刷機OT101の電源をオンとすると、データサーバ51に記憶されている紙面データを取得して記憶・演算装置150に記憶する。そして、記憶・演算装置150に記憶された紙面データに含まれる情報(画像情報・県版情報・版名・印刷装置情報等)は、各紙面データ毎に表示装置151に表示される。これによってオペレータは、紙面データの受信状況及び表示される画像情報やその他の紙面関連情報を確認することができ、印刷機OT101の記憶・演算装置150に誤った紙面データがロードされていないかどうか確認できるようになっている。
次に、印刷装置103としての新聞用オフセット輪転機について説明する。図6は本発明の一実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。本実施形態の新聞用オフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷シート8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。本実施形態では、印刷ユニット2a,2b,2c,2dは、インキキー7とインキ元ローラ6とからなるインキキー式のインキ供給装置を備えている。
この形式のインキ供給装置では、インキキー7のインキ元ローラ6に対する隙間量(以下、この隙間量をインキキー開度という)によりインキ供給量を調整することができる。また、インキキー7は印刷幅方向に複数並置されており、インキキー7の幅単位(以下、インキキー7によるインキ供給単位幅をキーゾーンという)でインキ供給量を調整することができる。インキキー7により供給量を調整されたインキは、インキローラ群5内で適度に練られ、薄膜を形成した後に版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷シート8に転写される。
なお、図6中では省略しているが、本実施形態の新聞用オフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷シート8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3,3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4や簡易検版装置やインキ供給装置や湿し水供給装置70が設けられている。
本実施形態の新聞用オフセット輪転機は、最下流の印刷ユニット2dのさらに下流に検出手段としてのラインセンサ型IRGB濃度計(IRGB濃度計)1を備えている。ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷シート8上の絵柄の色を印刷幅方向ライン状にI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度(混色網濃度)として計測する計測器であり、印刷シート8全体の反射濃度を計測したり、任意の位置の反射濃度を計測したりすることが可能である。本実施形態の新聞用オフセット輪転機は両面刷りなので、ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷シート8の搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測できるようになっている。
ラインセンサ型IRGB濃度計1により計測された反射濃度は演算装置10に送信される。演算装置10は、版の掛け間違いを検出する機能(簡易検版装置)と、地汚れがある場合に、何色のインキによる地汚れであるかを判断し、これに基づいて湿し水供給量Qwを調整するための機能と、インキ供給量の制御データを演算する機能とがある。いずれの場合も、ラインセンサ型IRGB濃度計1で計測された反射濃度に基づいて演算を行い、簡易検版制御であれば、版の掛け間違いを検出し、湿し水供給量制御であれば、地汚れが解消されるように湿し水量を調整し、インキ供給量制御であれば、印刷シート8の絵柄の色を目標色に一致させるためのインキキー7の開度を演算して開度調整する。
本発明の一実施形態にかかる、印刷制御方法及び印刷システムは上述のごとく構成されているので図1に示す手順で印刷機による印刷が行われる。
図1に示すように、まず、ステップS101において、オペレータが印刷機OT101及び印刷機102の電源をオンとすると、このオン情報を受け付けた印刷機OT101は、ステップS102においてデータサーバ51から上述の紙面関連情報を含む紙面データをロードする(運転条件ロード工程)。そして、ロードした紙面データの情報は印刷機OT101の入力・表示装置に表示される。また、紙面データに含まれる「印刷装置情報」に対応する印刷装置103の制御装置104にそれぞれ紙面データが供給される(運転条件ロード工程)。
ステップS103において、まず、各制御装置104は受信した紙面データの画像情報に基づいて、インキキーの開度を調整して、各印刷装置のインキ転写ユニットに供給するインキ供給量をプリセットする(インキプリセット工程)。
ステップS104において、印刷機OT101にロードされた紙面データに複数の県版情報が含まれる場合には、オペレータはこれから印刷する県版情報に対応するジョブ画面上のタッチパネルを押下することによってこれから印刷するジョブ(県版)を選択する(ジョブ選択工程)。なお、このときすでに、複数のジョブの内の一つのジョブが選択された状態になっており、特に印刷するジョブの変更を行わない場合にはオペレータは何もする必要はない。
このオペレータにより操作される入力手段としてのタッチパネルを介してジョブ選択情報を受け付けた印刷機OT101は、ジョブの変更指示がない場合にはステップS105へと移行する。
また、ここでオペレータによって印刷を行うジョブの変更の指示があった場合には、印刷機OT101は、表示装置151に選択したジョブの変更を表示するとともに、各印刷装置103の制御装置104には変更されたジョブの県版情報に対応した紙面データを再送信し、変更した紙面データに基づいてステップS102、ステップS103処理を再度行う。
そして、ステップS105では、オペレータは、表示装置151に表示される情報から製版画像データの到着状況と、製版画像データを確認(画像確認工程)し、ステップS106において、オペレータは必要に応じて各種制御要素(インキ供給制御、湿し水供給制御等)の制御の設定を行う。これらの画像確認(簡易検版),湿し水供給制御についての詳細は後述する。なお、色調制御及び湿し水制御については、基本的な制御としては、予めデータとして与えられたフィードバック参照領域及び各目標値に基づいて自動で行うが、例えば、印刷物の色調等の調整はインキ供給制御装置による自動制御を行わず、オペレータが手動で色調の調整を行ったほうがよい場合があり、そのような場合オペレータはインキ供給制御を手動に設定する。
そして、ステップS107において、上述のステップS101からステップS106までの設定及び紙面データの確認が全て完了すると、オペレータは印刷機OT101の入力装置152によって制御確定の指示をする。このオペレータの確定指示を入力装置152を介して受け付けた印刷機OT101は、確定された制御条件に基づき、より好ましくは前述した発色テーブルを参照して、印刷関連制御目標値を算出・設定する処理を行う。
ステップS107において、制御確定の指示が出されると、印刷機OT101は、先に算出・設定したインキキー開度やインキ元ローラ回転数などの制御目標値に基づき、ステップS108において印刷を開始する。
ステップS109では、図7に示すように、立ち上げ制御として調整用の印刷速度として低速で印刷され(低速印刷工程)、各印刷装置の制御装置に送信された紙面データと、センサ106の計測情報に基づいて、印刷欠陥検査処理(以下、単に、欠陥検査処理、又は、紙面検査とも言う)が行われる。
この紙面検査に先立って、紙面検査の基準となる良紙(基準画)データの取り込みが行なわれるが、これは、オペレータが印刷結果を目視して良紙を判断し、良紙ボタン等を押すことでその時点の基準画を取り込む作業を実行する。通常は、濃度制御、湿し制御が落ち着く前に良紙として判断するケースが多い。
このため、印刷機OT101は、タッチパネルなどの入力装置152に設けられた良紙ボタンが選択操作されたことを実行命令として検知し、その検知にしたがって基準画を取り込む処理を行う。この後、欠陥検査処理として、この基準画と印刷中のセンサからの計測情報を画像処理にて比較し、相違部分が存在する場合(所定の検査閾値レベル以上となっている場合)には、インキ落ち、濃度変動、油たれ等の欠陥が紙面上に発生していると判断する。なお、所定の相違率以上の場合には、欠陥が生じているとして警告音または警告表示などの報知処理を行う。つまり、欠陥検査処理のために、基準画のある値(例えば、ある色の濃度値)を100%とし、印刷結果がこの基準画の値に対して±n%未満のものを良品とし、±n%以上のものを欠陥品と判定する。この場合、100±n%が検査閾値レベルとなる。
ステップS110では、印刷機OT101は、オペレータによる各種制御状態の確認を行わせるべく、表示装置151に所定の表示画面情報を表示する処理を行う。
上述した制御状態の確認を行った後、印刷速度と紙面検査レベルとを変更(調整)する処理を行う。つまり、低速印刷工程には、紙面検査の検査レベル(=製品管理レベル)は、印刷開始から通常速度になる迄は、まだ印刷濃度が落ち着いておらず、緩やか(=低レベ
ル)でないと、印刷濃度が落ちつく通常印刷時には、正常となるべき紙面であっても欠陥
と誤判断してしまう為、上述した相違の判断基準となる閾値を高くし(即ち、nの値を大きくし)、検査レベルを低レベルとしている。また、生産速度になれば、濃度も安定するので閾値を低くし(即ち、nの値を小さくし)、厳しい(=高レベル)で検査を行うことができる。この知見に基づき、調整処理を行うものである。これにより、低速印刷時に、印刷濃度が落ちつかないなどの要因により、本来正常に制御されているにもかかわらず、欠陥と判定されることを防止しながら、通常印刷時には適正に欠陥を検出できるようにする。
ステップS111では、印刷機OT101は、ステップS109において、良紙ボタンが押された後の基準画と計測情報との比較結果の相違状態を検証し、相違が所定値よりも小さくなった場合には、色調調整・湿し水調整等の制御が落ち着いたものと判断し、印刷速度を通常生産速度まで上昇させる(図7参照)。また、これと同時に上述の印刷欠陥検査における閾値を変更し、低速印刷工程における欠陥判断基準よりも通常印刷工程における欠陥判断基準が厳しくなるよう、基準画と計測情報との比較結果において欠陥であると判断する相違率をより低い閾値に設定変更する。なお、設定変更した相違率以上が検出された場合には、欠陥が生じているとして警告音または警告表示などの報知処理を行う。
ステップS112では、印刷シートの色調を変更する必要等がある場合、入力装置152を介してオペレータの意図するインキキーの調整開度情報を取得し、調整完了の指示をする。インキキーの調整後は調整完了された時点におけるセンサ106(IRGB濃度計1)の計測情報に基づいてそれ以降のフィードバック制御が行われる。なお、フィードバック制御にあたっては、前述したように発色特性テーブルを参照し、制御目標値を修正することがより好ましい。
ステップS113において、選択したジョブ(県版)の印刷が完了すると、再び、入力装置によって次のジョブを選択し、ステップS103からステップS111の処理を繰り返す。
そして、全てのジョブの印刷を完了すると、ステップS114でオペレータが入力装置152によって、刷了の指示を行い刷了を実施し、刷了が完了すると印刷機OT101及び印刷機102の電源をオフとして印刷工程を終了する。
[簡易検版]
演算装置10の簡易検版制御部は、図8に示すように、変換手段41,位置ずれ算出手段42,位置ずれ補正手段43,版掛け間違い検出手段44に相当する各機能をそなえて構成されている。
変換手段41は、ラインセンサカメラ3により取り込まれた被検査画像を、紙面1の幅方向をx軸、紙面1の走行方向をy軸とした、即ち印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値(具体的には輝度値)f(x,y)として、画像データに変換するようになっている。
変換手段41は、上記の製版データの画像を基準画像として取り込み、この基準画像からセンサの1画素毎の画線率(例えば、1画素内において、インキの付くドットを「1」とし、それ以外のドットを「0」とした場合の、1画素中で「1」が占める割合)を計算するようになっている。
また、変換手段41は、予め用意された濃度変換テーブル(LUT:Look Up Table,
CMYK画線率−濃度値テーブルともいう)により基準画像のCMYK画線率を濃度値へ変換し、さらに、以下に示す式1を用いて濃度値をRGBIr輝度値へ変換するようになっている。なお、式1において、Gは基準の明るさ(白紙の輝度値)、gは輝度値である。
このように、変換手段41は、CMYKの色情報として保存されている基準画像fbase(x,y)を、ラインセンサカメラ3により取り込まれる被検査画像f(x,y)と同じ形式、即ちRGBIr輝度値に数値化するようになっている。
位置ずれ算出手段42は、変換手段41により輝度値変換された基準画像fbase(x,y)と被検査画像f(x,y)との位置ずれ量(Δx,Δy)を、正規化相関法を用いて算出するようになっている。
正規化相関法では、図2に示すように、まず、テンプレートとして用意した2次元画像Tと、テンプレート画像Tと同じサイズの部分画像I′を対象画像Iから切り出し、これら2次元画像T,I′をそれぞれ1次元のベクトルと見なし、以下に示す式2により相関値Cを計算する。
そして、この式2により、部分画像I′を1画素ずつずらしながら対象画像の全体について相関値Cの計算を行ない、相関値Cが最大となる点を、テンプレート画像Tが存在する点とする。このようにして、テンプレート画像Tと対象画像Iとの位置関係、即ち位置ずれを求めることができる。
本実施形態に係る位置ずれ算出手段42は、基準画像(例えば画像全体:横160画素×縦240画素)の中央部分(例えば横140画素×縦220画素)をテンプレート画像Tとして抽出し、上述したような正規化相関法の計算を行なうことで、基準画像fbase(x,y)と被検査画像f(x,y)との位置ずれ量(Δx,Δy)を算出するようになっている。
そして、最大相関値Cがあらかじめ設定された基準の相関値(基準相関値)よりも小さい場合、後述する版掛け間違い検出手段44により、版胴6に装着された版5は、本来装着されるべき版5とは全く異なるものである(版の掛け間違いである)と検出されるようになっている。
位置ずれ補正手段43は、位置ずれ算出手段42により算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて被検査画像f(x,y)の位置ずれを補正するようになっている。
この位置ずれ補正について具体的に説明する。また、説明を段階的に行なうため、画像を1次元のものとする。つまり、基準画像をfbase(x)、被検査画像をf(x)として説明する。
図10に示すように、検査対象が、基準画像fbase(x)に対してx軸の正方向にΔxだけずれている時、取り込まれる被検査画像f(x)は印刷欠陥(インキのぼた落ちや色抜け)がなければ式3で表わされる。
また、被検査画像f(x)を位置ずれ補正した後の補正画像F(x)は式4で表わされる。
この式4により、被検査画像f(x)の位置ずれを補正することで補正画像の輝度値F(x)を得ることができる。
また、ラインセンサカメラ3で取り込まれた被検査画像が基準画像よりも全体的に明るかったり暗かったりする場合があるので、このレベル差をなくすため、位置ずれ補正手段43は、基準画像と補正画像との輝度値レベルをそろえるようになっている(スケーリングを行なう)。
このスケーリングの手順としては、まず、基準画像fbase(x)の輝度値の最大値Maxstd及び最小値Minstdを求める(手順1)。次に、補正画像F(x)の輝度値の最大値Max及び最小値Minを求める(手順2)。そして、以下の式5により、補正画像F(x)の全画素について輝度値を変換する(手順3)。なお、式5において、νは補正画像の各画素の輝度値を示している。
このような手順により、基準画像fbase(x)と補正画像F(x)との輝度値レベルのスケーリングが行なわれるようになっている。
版掛け間違い検出手段44は、まず、以下に示す式6により、補正画像F(x)と基準画像fbase(x)との差から、基準画像fbase(x)の位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算するようになっている。
次に、版掛け間違い検出手段44は、式6により得られた被検査画像f(x)の輝度値の差(濃淡レベル差)Sを予め設定された基準レベル差と比較する。
そして、Sが基準レベル差よりも大きくなる画素の数Nを計算し、全画素数N0に対す
るNの割合(即ち面積)Mを求め、このMが予め設定された基準割合よりも小さい場合、版胴6に装着された版5は適正(正常)に装着されていると判定し、また、Mが予め設定された基準割合よりも大きい場合、版胴6に装着された版5は掛け間違いであると判定するようになっている。
ところで、上記の式6は、以下のような計算により求められたものである。まず、式4に式3を代入して以下の式7を得る。
ここで、Δx(1−Δx)をkとおいて整理すると、以下の式8が得られる。
ここで、0≦Δx≦1で0≦k≦0.25である。
また、式8の右辺の中括弧の中を整理すると、以下の式9が得られる。
この式9は、基準画像fbase(x)の差分の差分、すなわち基準画像fbase(x)の2次微分を示している。
さらに、画像を2次元で表示すると、即ち、基準画像をfbase(x,y)、被検査画像をf(x,y)とすると、上述と同様の考え方で、以下の式10を得る。
ここで、kx=Δx(1−Δx) (0≦Δx≦1で0≦kx≦0.25)
ky=Δy(1−Δy) (0≦Δy≦1で0≦ky≦0.25)
なお、式10の右辺第1項は基準画像fbase(x,y)のx軸方向の2次微分値、右辺第2項は基準画像fbase(x,y)のy軸方向の2次微分値、右辺第3項は基準画像fbase(x,y)の斜め方向の2次微分値である。
上述したように、基準画像fbase(x,y)から補正画像F(x,y)を減算しても結果は0にはならず、ある値を持っている。この値は、基準画像fbase(x,y)の2次微分値と等しい値であることがわかる。
つまり、本検出装置では、基準画像fbase(x,y)から補正画像F(x,y)を減算した値から、基準画像fbase(x,y)の2次微分値をさらに減算することにより、より精度良く位置ずれを補正した上で、基準画像fbase(x,y)と被検査画像f(x,y)とのより詳細な違いを検出し、版5の掛け間違いが発生しているか否かをより正確に検出できるようになっている。
また、本検出装置では、版掛け間違い検出手段44により版5の掛け間違いが検出された場合、表示手段としてのディスプレイ10に、版5の掛け間違いが発生していることが表示されるようになっている。これにより、作業者は、ディスプレイ10を見ることで、版5が掛け間違いであるか否かを容易に知ることができる。
[湿し水供給量制御]
湿し水供給装置70は、図6,図11,図12に示すように、水元ローラ71と水往復ローラ72と水着けローラ73と水スプレー装置74とをそなえ、水スプレー装置74のノズル74aから湿し水を水元ローラ71に噴射することで、水往復ローラ72,水着けローラ73を経て、版胴(印刷胴)4に湿し水を供給できるようになっている。水スプレー装置74のノズル74aは、水元ローラ71の軸方向に延設されたパイプ75に、水元ローラ71の軸方向に並んで複数そなえられており、各ノズル74は、個々に或いは隣接する複数個のノズルをグループとしたクループ毎に噴射量を制御できるようになっている。したがって、版胴4の軸方向に分割された複数のエリア単位で湿し水供給量Qwを調整可能になっている。なお、両端のノズル74aの外側にはカバー76,76が設けられており、これにより湿し水の機外への飛散が防止されるようになっている。
ここでは、最もシンプルに左右2つのグループに分割され、左側グループ74Lのノズル74aと、右側グループ74Rのノズル74aとを別個に制御できるようになっており、左右の各湿し水調整ゾーン単位で湿し水供給量Qwを調整できるようになっている。また、湿し水供給量Qwは、具体的には、ノズルからの湿し水噴射量(単位時当たりの噴射量)として制御される。
次に、図12を参照する。図12は本実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の絵柄色調制御装置の概略構成を示す図であると同時に、演算装置10の湿し水供給量調整のための制御機能に着目した機能ブロック図である。
演算装置10は、印刷機とは離れて設置されたDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)11とPC(パソコン)12とから構成され、PC12には色変換部14,汚れ判定部15a及び湿し水量設定部16aとしての機能が割り当てられている。演算装置10の入力側には、ラインセンサ型IRGB濃度計1が接続され、出力側には印刷機内蔵の制御装置20が接続されている。制御装置20は、版胴4の軸方向に分割された複数のエリア単位で湿し水供給量Qwを調整する湿し水供給量調整手段として機能するものであり、湿し水供給装置70の水スプレー装置74の作動を調整することができる。また、演算装置10には表示装置としてのタッチパネル30が接続されている。タッチパネル30にはラインセンサ型IRGB濃度計1で撮像された印刷シート8の印刷面が表示され、印刷面上の任意の領域を指で選択できるようになっている。
図13は演算装置10による地汚れ判定及びこの判定に基づいて行なう湿し水供給量調整の処理フローを示す図である。以下、図13を中心に演算装置10による色調制御の処理内容について説明する。
印刷中は、図13に示すステップS10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップS10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷シート8全面の一画素毎の反射光量i’,r’,g’,b’を計測する。IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i’,r’,g’,b’はDSP11に入力される。
DSP11は、ステップS20として、各画素の反射光量i’,r’,g’,b’について所定の印刷枚数単位で移動平均を行なうことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。
そして、ステップS30として、対象を白紙エリア(非画線部)に特定して、反射光量i,r,g,bを湿し水調整ゾーンの各画素毎に処理し、白紙部分の反射光量を基準とする混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算する。なお、混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bについては、例えば、白紙部分の赤外光の反射光量をipとし、湿し水調整ゾーン内の赤外光の平均反射光量をikとすると、赤外光の実混色網濃度IはI=log10(ip/ik)として求められる。
対象を白紙エリア(非画線部)に特定するのは、画線部では、画線か汚れかを区別し難いためである。つまり、白紙エリアでは、汚れがなければ実混色網濃度は0となるが、汚れがあれば実混色網濃度は正の値となる。したがって、実混色網濃度の値から汚れの有無を判定することができる。
なお、印刷紙の白紙エリアの場所は、製版データから認識することができ、ここでは、DSP11は製版データから印刷紙の白紙エリアの場所を特定し、演算エリア(計測エリア)として自動設定する。この設定は、OKシートが得られた場合、OKシートの画像を見てこれに基づいてマニュアルで設定することもできる。
また、白紙エリア(非画線部)でも絵柄エリア(画線部)に隣接した部分は、印刷紙の高速搬送に伴う検出位置のずれなどに起因して製版データ上では白紙エリアであっても実際には画線部がありこれを検出してしまうおそれがある。そこで、DSP11では、図14に破線で境界を示すように、製版画像50の白紙エリア(非画線部)52のうちの絵柄エリア(画線部)51と所定距離以内に接近した部分を除いて、混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算するエリア(計測エリア)53を設定し、この計測エリア53に対して実混色網濃度を演算(計測)するようにしている。
このようにDSP11で演算された白紙エリアの湿し水調整ゾーン毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、PC12の色変換部14に入力される。色変換部14は、ステップS40の処理を行なう。ステップS40では、ステップS30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の(単色の)網点面積率をそれぞれ演算する。この演算にはデータベース141を用い、データベース141に記憶された対応関係に基づき、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を実網点面積率k,c,m,yとして演算する。
具体的には、本実施形態に係るデータベース141には、各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係を規定した公知のノイゲバウアー(Neugebauer)の式自体が記憶されている。
また、本実施形態では、印刷機(実機)で印刷物の本刷りを行なう前に、予め印刷機でk,c,m,yの各ベタ(又はベタ濃度値ともいう)、及び、これらベタのk,c,m,yの何れか2色を重ね合わせたkc,km,ky,cm,cy,my、及び、これらベタのk,c,m,yの何れか3色を重ね合わせたkcm,kcy,kmy,cmy、及び、これらベタのk,c,m,yの全4色を重ね合わせたkcmy、から構成されたカラーチャートを印刷し、この印刷したカラーチャートをIRGB濃度計1で実測することによりベタのk,c,m,y,kc,km,ky,cm,cy,my,kcm,kcy,kmy,cmy,kcmyに対応する各濃度値Dk(λ),Dc(λ),Dm(λ),Dy(λ),Dkc(λ),Dkm(λ),Dky(λ),Dcm(λ),Dcy(λ),Dmy(λ),Dkcm(λ),Dkcy(λ),Dkmy(λ),Dcmy(λ),Dkcmy(λ)を求め、これら各濃度値Dk(λ)〜Dkcmy(λ)の値をノイゲバウアー式に代入しておく。そして、ステップS30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bをそれぞれノイゲバウアー式のDao(λ)に代入し、4次元連立非線形方程式を解くことにより実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の実網点面積率k,c,m,yを求めるのである。このようにして、演算により実混色網濃度から容易に実網点面積率を求めることができる。また、本実施形態のように、k,c,m,yのベタ及びこれらk,c,m,yのベタを重ね合わせたkc,km,ky,cm,cy,my,kcm,kcy,kmy,cmy,kcmyから構成されたカラーチャートを予めIRGB濃度計1を使って求めたベタ濃度値をノイゲバウアー式に代入して構築することで、ベタ濃度値に対応した色空間内で実網点面積率を算出することができる。
白紙エリアに汚れ、即ちインキの付着があれば、実混色網濃度の値が0よりも大になって、各インキ色の実網点面積率k,c,m,yの何れか1つ又は複数が0よりも大になる。そこで、ステップS50として、汚れ判定部15では、各インキ色の実網点面積率k,c,m,yが予め設定された閾値よりも大きいか(又は閾値以上か)否かを判定して、実網点面積率k,c,m,yが閾値よりも大きいものがあれば、そのインキについての汚れがあるものと判定する。また、このとき、湿し水調整ゾーン(左側ノズルグループ74Lのゾーンか、右側ノズルグループ74Rのゾーンか)の何れに汚れがあるかも判別する。
ここで、実網点面積率k,c,m,yに関する閾値を小さくするほど薄い色の汚れについても識別することができるが、実混色網濃度から実網点面積率に変換する演算誤差のために、閾値をあまり強くするとインキ汚れの判定精度が低下するので、これらを考慮して閾値を設定することが好ましい。また、閾値は、基本的には各色共通とする。
湿し水量設定部16aは、ステップS60として、汚れ判定部15aで判定された判定結果に基づいて、湿し水供給量Qwを増加補正する。つまり、汚れ判定部15aで汚れがあると判定されたインキの印刷ユニットの湿し水供給装置70に関して、該当する調整ゾーン(左側ノズルグループ74Lのゾーンか、右側ノズルグループ74Rのゾーンか)の湿し水供給量Qwを予め設定された所定量(一定量)ΔQwだけ現状よりも増大させる。具体的には、ノズルからの湿し水噴射量(単位時当たりの噴射量)を所定量だけ増大するように設定する。
ただし、湿し水供給量Qwが過剰になると浮き汚れやローラストリッピング現象等の不具合を招くので、湿し水供給量に上限値QwMAXが設けられており、湿し水量設定部16
aは、湿し水供給量Qwを所定量だけ増大させると上限値を超えてしまう場合には、湿し水供給量Qwをこの上限値QwMAXでクリップするように設定する。
制御装置20は、演算装置10の湿し水量設定部16から送信された補正後の湿し水供給量Qwに基づき、湿し水供給装置70の水スプレー装置74のノズルからの水噴射量を各調整ゾーン単位で増加側に制御する。
制御装置20では、この湿し水供給量を増加制御後は、増加制御した時点から印刷枚数のカウントを開始し(ステップS70)、印刷枚数Nが所定枚数N1(例えば100枚〜数100枚程度)に達するまでは、ステップS80の判定を経て、その状態を維持する(つまり、湿し水供給量を変更しない)ように設定されている。これは、湿し水供給量を調整しても、インキ汚れが解消されるまでに時間を要するためであり、湿し水供給量の補正結果を確実に把握した上で、その後の湿し水供給量制御を行なうようにしている。
本実施形態にかかる印刷物の地汚れ検出制御は上述のように構成されているので、印刷物に地汚れ(インキ汚れ)があると、複数のインキが重なった汚れが生じた場合であっても、どのインキによる汚れかを容易にしかも確実に判定することができる。
また、印刷物の非画線部(つまり、白紙エリア)に着目して汚れを検出するので、検出精度が高い。特に、印刷物の白紙エリアのうち、画線部に隣接した所定距離内にある部分を除いて計測エリア53を設定し、実混色網濃度を計測して、各インキ色毎の汚れを判定することにより、隣接する画線部を誤って汚れと判定する不具合を防止することができる。
そして、この判定結果に応じて、対応するインキユニットの湿し水の供給量を制御することによりインキ汚れの発生抑制対策を行なうので、複数のインキが重なった汚れが生じても、どの色の印刷ユニットが地汚れを発生する湿し水供給量状態かを適切に判定して湿し水供給量を調整するので、地汚れの発生を確実に防止することができる。
また、湿し水供給量が過剰になると、過乳化となって浮き汚れやローラストリッピング現象等の不具合を招くが、湿し水供給量に上限値を設定して湿し水量の増加補正を行なうので、かかる不具合を回避できる。
さらに、湿し水の供給量を増加したあとこの効果が現れるのに時間を要するが、所定枚数の印刷がなされてから、つまり、湿し水供給量の増加効果が現れてから、次の地汚れ検出を行なうので、湿し水供給量を過剰に増加させることがなく、適切なフィードバック制御を行なうことができる。
[インキ供給量制御]
図15は本発明の一実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の絵柄色調制御装置の概略構成を示す図であると同時に、演算装置10の色調制御機能に着目した機能ブロック図である。
演算装置10は、インキ供給量制御に着目すれば、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ。注目画素設定手段,網点面積率演算手段,実混色網濃度計測手段に相当する機能を有する)11とPC(パソコン)12とから構成され、PC12には色変換部(目標混色網濃度設定手段,目標網点面積率演算手段,目標単色網濃度演算手段,実網点面積率演算手段,実単色網濃度演算手段,ベタ濃度偏差演算手段に相当する機能を有する)14,インキ供給量演算部15b,オンライン制御部16b,キー開度リミッタ演算部17b,受信部(受信手段又はデータ取得手段)18としての機能が割り当てられている。
演算装置10の入力側には、ラインセンサ型IRGB濃度計1が接続され、出力側には印刷機内蔵の制御装置20が接続されている。制御装置20は、インキキー7のキーゾーン毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段として機能するものであり、インキキー7を開閉させる図示しない開閉装置を制御しており、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dのインキキー7毎に独立してキー開度を調整することができる。また、演算装置10には表示装置としてのタッチパネル(入力手段の機能も有する)30が接続されている。
図16,図17は演算装置10による色調制御の処理フローを示す図である。以下、図16,図17を中心に演算装置10による色調制御の処理内容について説明する。なお、ここでは、上述したインキ裏抜け推定部50によりインキ裏抜けが発生すると推定された場合であっても色調制御を切ることなく、インキ裏抜けを考慮して色調制御を行なう場合について説明する。
本色調制御を行なうため、受信部18により記憶媒体やネットワーク(有線,無線の何れでもよい)などを介して、外部から、前述した新聞紙の紙面情報(印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データ)と、紙面の色情報を作成した入力装置のICC(International Color Consortium)プロファイル(以下、基準印刷機のICCプロファイルという)とを取得するようになっている。上述したように、新聞社の本社から新聞紙の紙面情報はビットマップデータ(1bit−Tiff製版用データ)の形式で印刷工場に送信されてくるものとする。また、上記ICCプロファイルは、今回の印刷において色調の基準となる基準印刷機の網点面積率と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルである。
まず、DSP11は、ステップT10として、受信部18を介して取得したビットマップデータを印刷機のフォーマットに応じたCIP3データ相当の低解像度データに変換し、この低解像度データを網点面積率データとして用いる。この解像度の変換処理は一般的なCIP3データとの共用を図るためであるが、後の処理においてビットマップデータそのものを網点面積率データとして用いることも可能である。また、DSP11にはタッチパネル30に接続されており、このタッチパネル30には、送信されたビットマップデータに基づいて新聞紙面の絵柄画像が表示されるようになっている。
ステップT20では、タッチパネル30に表示された絵柄画像に直接手で或いはタッチペンなどを使って、キーゾーン毎に各インキ色に対応する特定の注目点(注目画素)をそれぞれ設定する。注目点は、タッチパネル30に表示された絵柄画像上の特定点を任意に選択することで指定され、演算装置10のDSP11へ入力される。注目点とは印刷シート8上の特に色を一致させたい絵柄の位置であり、キーゾーン毎に、特定の一画素、又は、連続する一塊の複数画素、又は、全画素を指定することができる。オペレータにより注目点が指定されていないキーゾーンについては、DSP11が注目点を自動設定する。この自動設定は、各色・各画素の網点面積率に対して最も自己相関が大きい画素を演算して自動抽出することにより行なう。具体的には、例えば、シアンの自己相関感度Hcは、網点面積率データ(k,c,m,y)を用いて、“Hc=c2/(k+c+m+y)”で表
すことができ、この自己相関感度Hcの値が最も高い画素がシアンの注目点となる。同様に他のインキ色についても自己相関感度が最も高い画素を演算し、その画素を注目点として設定する。また、例えばオペレータが指定した任意の絵柄ポイント中に無い色及び絵柄面積の少ない色は自動で設定することも可能である。
なお、1つのキーゾーンについて、連続する一塊の複数画素、又は、全画素が注目点として指定されて注目点が複数画素の集合である場合には、DSP11はこれら注目点を構成する複数画素で平均処理する。また、例えば、オペレータにより任意の一画素が選択されたり、最も自己相関感度の高い画素が自動選択されたら、その周辺の画素も含めた画素群を注目点として選定し、この画素群の網点面積率を平均処理するようにしてもよい。注目点に含める周辺画素の画素数やその選択パターンは固定(例えば、選択或いは自動抽出された画素を囲む周辺8画素)してもよいが、好ましくは、選択或いは自動抽出された画素の絵柄内での位置等を考慮して外乱の影響が抑制されるように設定する。これによれば、印刷紙面の蛇行や天地ずれによって計測データが変動することが少なくなるので、安定したフィードバック制御が可能になる。
次に、色変換部14は、ステップT30として、DSP11から入力された注目点の網点面積率ki,ci,mi,yiを、新聞社の本社から送信された基準印刷機のICCプロファイルを用いて色座標値L,a,bに変換するようになっている。また、この変換の後、ステップT40として、予め用意された自機のICCプロファイルを用いて上記色座標値L,a,bを網点面積率k’,c’,m’,y’に変換するようになっている。自機のICCプロファイルとは、今回の印刷において制御対象となる印刷機の網点面積率と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルである。このように基準印刷機のICCプロファイルと自機のICCプロファイルとを用いることで、印刷対象絵柄の網点面積率から自機に対応した網点面積率を求めることができる。
さらに、色変換部14は、ステップT50として、データベース141に記録された変換テーブルを用いて注目点の網点面積率k’,c’,m’,y’を混色網濃度Io,Ro,Go,Boに変換し、ステップT60においてそれを目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。データベース141は各インキ色の網点面積率と混色網濃度とを関連付けるもので、PC12の色変換部14に備えられている。データベース141は、ISO/TC130国内委員会が制定した新聞印刷JapanColor基準の印刷物を印刷し、ラインセンサ型IRGB濃度計1で実測したデータ〔標準色の網点面積率(k,c,m,y)と混色網濃度(I,R,G,B)と色座標値(L,a,b)の対応関係を規定した変換テーブル〕を基準にして作成されている。このようにして設定した目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boを用いれば、自機の色調を基準印刷機の色調に合わせることが可能となる。
以上のように目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boが設定されたら、印刷を開始して図17に示すフローチャートのステップU10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップU10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷シート8全面の一画素毎の反射光量i’,r’,g’,b’を計測する。ラインセンサ型IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i’,r’,g’,b’はDSP11に入力される。ただし、フロー開始時には印刷シートは白紙であるため、ライセンサ型IRGB濃度計1は白紙の反射光量を計測し、この計測した白紙の反射光量をDSP11に入力する。
DSP11は、ステップU20として、各画素の反射光量i’,r’,g’,b’について所定の印刷枚数単位で移動平均を行うことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。そして、ステップU30として、反射光量i,r,g,bを各キーゾーンの注目点毎に平均処理し、白紙部分の反射光量を基準とする混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算する。例えば、白紙部分の赤外光の反射光量をipとし、キーゾーン内の赤外光の平均反射光量をikとすると、赤外光の実混色網濃度IはI=log10(ip/ik)として求められる。DSP11で演算された各キーゾーンの注目点毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、PC12の色変換部14に入力される。
色変換部14は、ステップU40,U50及びU60の処理を行う。まず、ステップU40として、ステップU30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率をそれぞれ演算する。この演算には上述したデータベース141を用い、データベース141に記憶された対応関係に基づき、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を実網点面積率k,c,m,yとして演算する。また、色変換部14は、データベース141に記憶された対応関係に基づき、図Aに示すステップT60で設定された目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の網点面積率を目標網点面積率ko,co,mo,yoとして演算する。
次に、色変換部14は、ステップU50として、目標網点面積率ko,co,mo,yoに対応する各インキ色の目標単色網濃度と、実網点面積率k,c,m,yに対応する各インキ色の実単色網濃度をそれぞれ演算する。この演算には、図Cに示すようなマップを用いる。図Cは網点面積率を変化させた場合に実測される単色網濃度を特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。ここでは、網点面積率が大きくなるにつれて単色網濃度の増加率がしだいに大きくなるマップを用いている。図18に示す例では、墨色の目標網点面積率ko、実網点面積率kをマップに照らし合わせることで、マップ中の特性曲線からそれぞれ目標単色網濃度Dakoと実単色網濃度Dakとが求められている。このようにして、色変換部14は、各インキ色の目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを求める。
次に、色変換部14は、ステップU60として、目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとの偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを演算する。なお、ベタ濃度は網点面積率にも依存しており、同単色網濃度に対しては、網点面積率が高いほどベタ濃度は低くなる。そこで、色変換部14は、図19に示すようなマップを用いて演算を行う。図19は単色ベタ濃度を変化させた場合に実測される単色網濃度を網点面積率毎に特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。ここでは、各網点面積率について、ベタ濃度が大きくなるにつれて単色網濃度が線形又は略線形に増加するマップを用いている。色変換部14は、各インキ色について目標網点面積率ko,co,mo,yoに対応する特性曲線を図19に示すマップから選択し、選択した特性曲線に目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを対応させることにより、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを求める。図19に示す例では、墨色の目標網点面積率koが75%の場合に、目標単色網濃度Dako、実単色網濃度Dakをマップに照らし合わせることで、マップ中の75%特性曲線から墨色のベタ濃度偏差ΔDskが求められている。
色変換部14で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部15bに入力される。インキ供給量演算部15bは、ステップU70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、各インキキー7の現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0(前回のステップU100の処理で印刷機の制御装置20に出力したキー開度Kk,Kc,Km,Ky)に対する増減量であり、インキ供給量演算部15は、公知のAPI関数(オートプリセットインキング関数)を用いて演算を行う。API関数は基準濃度にするため各キーゾーンの網点面積率(k,c,m,y)とキー開度K(Kk,Kc,Km,Ky)との対応関係を示した関数である。網点面積率は、新聞社の本社から送信されたビットマップデータを用いることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、網点面積率に対する基準濃度にするためのキー開度KをAPI関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。
次に、オンライン制御部16bは、ステップU80として、色変換部14で演算されたキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷シートに供給されるインキ量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部16bは、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部17bに入力する。
キー開度リミッタ演算部17bは、ステップU90として、オンライン制御部16bで演算されたオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1に対して上限値を規制する補正を行う。これは、特に低画線部における色変換アルゴリズム(ステップU40,U50,U60の処理)の推定誤差によりキー開度が異常に増大することを規制するための処理である。そして、キー開度リミッタ演算部17bは、ステップU100として、上限値を規制したキー開度Kk,Kc,Km,Kyをキー開度信号として印刷機の制御装置20に送信する。
印刷機の制御装置20bは、ステップU110として、演算装置10から送信されたキー開度信号Kk,Kc,Km,Kyに基づき各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7の開度を調節する。これにより、各インキ色のインキ供給量は、キーゾーン毎に目標とする色調に見あったものにコントロールされることとなる。
上述したように、本実施形態に係る色調制御によれば、印刷依頼元等から得た印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データと基準印刷機のICCプロファイルと、さらに自機のICCプロファイルとを用いて色調を制御するので、OKシートが印刷されるのを待つまでもなく、印刷開始直後から、印刷依頼元等が所望する色調に正確、且つ容易に色合わせすることが可能になる。これにより、OKシートが得られるまでの損紙の発生量を大幅に低減することもできる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、印刷工場において、複数の県版の印刷を行う場合について説明したが、選択操作手段によるジョブ選択工程は県版情報を選択することに限定するものではない。例えば、新聞印刷の場合、可能な限り最新の情報を印刷する必要があることから、印刷機OTに紙面データをロードした後に、新聞社の本社からより新しい紙面データが送信されるなどして一度ロードした紙面データを差し替えて印刷することが考えられる。このような場合であっても制御確定(印刷開始)の指示の前であれば、新しく差し替えられた紙面データに対応するジョブを選択するだけで、各印刷装置の各制御装置にスムーズに新しい紙面データが再送信されるので、誤った紙面データに基づいて印刷制御を行うことを低減することができ、紙面の差し替えにかかる労力を低減することができる。
また、上述の実施形態においては特に新聞印刷における場合について説明したが、印刷するものは新聞に限らず適用可能である。例えば、複数の店舗を有する商店等の新聞折込チラシ等の印刷を行う場合には、折込地域毎に最寄の店舗情報などを差し替えて印刷することが多いので、この場合には各折込エリアに対応するジョブを選択してスムーズに紙面データの選択を行うようにすればよい。また、折込チラシに限らず刷版の一部を付け替えて印刷する必要があるものについて広く適用することができる。
1 ラインセンサ型IRGB濃度計
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4 版胴
5 インキローラ群
6 インキ元ローラ
7 インキキー
8 印刷シート
10 演算装置
11 DSP
12 PC
14 色変換部
15a 汚れ判定部
16a 湿し水量設定部
15b インキ供給量演算部
16b オンライン制御部
17b キー開度リミッタ演算部
18 受信部
20 印刷機内蔵の制御装置
30 タッチパネル
32 表示装置
41 変換手段
42 位置ずれ算出手段
43 位置ずれ補正手段
44 版掛け間違い検出手段
70 湿し水供給装置
74 水スプレー装置
50 本社サーバ
51 データサーバ(印刷工場側データサーバ)
52 CTPシステム
53,101 印刷機OT(端末装置)
54,102 印刷機
103 印刷装置
104 制御装置
105 印刷ユニット
106 センサ(検出手段)
150 記憶・演算装置
151 表示装置(ディスプレイ)
152 入力装置(タッチパネル)(選択操作手段)

Claims (7)

  1. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、を用いて行なう印刷準備方法であって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記端末装置において上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作する印刷ジョブ選択工程を印刷前工程として実施して、上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には上記印刷ジョブ選択工程で選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信する
    ことを特徴とする、印刷準備方法。
  2. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、をそなえた印刷準備システムであって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記端末装置は、
    印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、
    上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に構成されている
    ことを特徴とする、印刷準備システム。
  3. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバをそなえた印刷準備システムに含まれる端末装置であって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力するとともに、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段と、をそなえ、
    上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に構成さている
    ことを特徴とする、印刷準備システムの端末装置。
  4. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、上記サーバに接続され上記印刷データを取得し印刷装置を制御する制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、をそなえた印刷準備システムを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記端末装置としてのコンピュータを、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段として機能させると共に、
    上記刷版を付け替えての印刷を行う場合には、上記選択操作手段により選択された上記印刷ジョブに対応する上記特定紙面の選択用の紙面データを上記制御装置に送信可能に機能させることを特徴とする、印刷準備システムのプログラム。
  5. 請求項4記載のプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、
    上記サーバに接続され上記印刷データを取得し、上記紙面をそれぞれ印刷する印刷装置ごとに設けられ、上記印刷装置を制御する制御装置と、
    上記の各制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、
    上記印刷機に付設され印刷した紙面状況を検出する検出手段と、をそなえ、
    上記端末装置から送られた上記紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記制御装置により上記印刷装置を制御する、印刷制御システムであって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記端末装置は、印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、上記選択操作手段により選択された当該紙面データを上記制御装置に送信し、
    上記特定紙面に対応した上記制御装置は、上記送信された紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記印刷装置を制御する
    ことを特徴とする、印刷制御システム。
  7. 複数の紙面について、各紙面の製版データと該紙面の関連情報とを含む印刷データを上記紙面毎に紙面データとして保存したサーバと、
    複数の印刷装置を備え印刷を行う印刷機と、
    上記サーバに接続され上記印刷データを取得し、上記紙面をそれぞれ印刷する印刷装置ごとに設けられ、上記印刷装置を制御する制御装置と、
    上記の各制御装置に上記複数の紙面データのうちの対応する紙面データを出力する端末装置と、
    上記印刷機に付設され印刷した紙面状況を検出する検出手段と、をそなえ、
    上記端末装置から送られた上記紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記制御装置により上記印刷装置を制御する、印刷システムであって、
    上記印刷データには、上記複数の紙面のうちの一部の紙面であって刷版を付け替えての印刷を行う特定紙面に対応して上記刷版を1単位とする上記特定紙面の紙面データが選択用の紙面データとして複数組含まれるとともに、上記刷版を付け替えての印刷を行う前の上記紙面毎の紙面データが含まれ、
    上記端末装置は、印刷前工程で、上記特定紙面の選択用の紙面データに対応する印刷ジョブの中から、一つの印刷ジョブを選択操作するための選択操作手段をそなえ、上記選択操作手段により選択された当該紙面データを上記制御装置に送信し、
    上記特定紙面に対応した上記制御装置は、上記送信された紙面データと上記検出手段から送られた検出情報とに基づいて上記印刷装置を制御する
    ことを特徴とする、印刷システム。
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