JP4054396B2 - 出力制御装置および出力制御方法 - Google Patents

出力制御装置および出力制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホストコンピュータ上の所定のアプリケーションプログラムを実行して作成される所定の描画情報を所定の出力装置が解析可能な印刷情報に変換して転送制御する出力制御装置および出力制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホストコンピュータ側の記憶媒体に記憶されるプリンタドライバにより印刷情報を印刷装置に出力する印刷システムにおいて、アプリケーションで作成したある画像データをプリンタに出力する場合、オペレーティングシステム(OS)から送られてくる描画コマンドを、プリンタドライバがプリンタの出力制御コマンドに変換してプリンタに出力する。
【0003】
このような場合、印刷するページ番号やコピー部数などの印刷ジョブに関する指定は、プリンタドライバが提供するダイアログボックスにより行われる。プリンタドライバは、用紙の大きさ,種類,印刷ページの範囲,コピー部数,印刷品位などの入力項目を持つダイアログボックスを表示し、ユーザはこれらの項目を入力する。
【0004】
ユーザにより入力が完了し、ダイアログボックスが閉じられた後、アプリケーションは、OSを介してプリンタドライバから印刷ジョブに必要な情報を受け取り、それを参照して印刷するページの描画データをOSに送る。
【0005】
プリンタドライバはアプリケーションの描画データをOSを介して受け取り、一旦描画情報をディスク(記憶媒体)にスプールする。すべての描画データをアプリケーションから受け取りディスクにスプールした後、プリンタドライバは今度はスプールファイルからデータを読み出し、モニタのRGBデータからプリンタインクのCMYKデータへの変換など、印刷に関連するさまざまな処理を行い、最終的にプリンタのコマンドに変換し、プリンタに描画データが出力される。プリンタでは、プリンタドライバから送られてくるコマンドを実行し印刷を行う。
【0006】
上記の処理のなかで、プリンタドライバがアプリケーションから得られた1ページ,1ページの描画データをプリンタのコマンドに変換し、プリンタに転送してすべてのページを出力するためには、ある程度の時間を要する。そこで、プリンタドライバは現在処理を行っているページ番号や、ページにおける処理の割合をモニタの画面上にダイアログボックスで表示し、ユーザに示す。
【0007】
ユーザは、希望のページのところで印刷を中断したり、現在処理印刷を行っているページを知りたいときは、上記のプリンタドライバが表示するページ番号を自分がアプリケーションで作成したデータと対応付けることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、必ずしもページ番号と自分が作成したデータを対応付けて記憶しているわけではないので、通常はすでに試し印刷した同じドキュメントを調べたり、アプリケーション上でドキュメントのページを調べる必要性があった。
【0009】
また、プリンタドライバ等で表示されるページ番号は、通常、1ページ目から印刷順にカウントされるので、アプリケーションで作成したドキュメントのページ番号とは対応していないことがあった。例えば「11」ページから「20」ページまでの印刷を指定したときでも、プリンタドライバのページ番号表示は「1」から始まり「10」で終了する。このときは、ユーザはプリンタドライバの示す1ページ目をアプリケーションの11ページ目と対応付けるようなページ番号を計算でもとめる必要があった。
【0010】
以上の問題は、プリンタがホストコンピュータのすぐ近くにあれば、プリンタから出力されているドキュメントを確認すればよいので、さほど問題とはならないこともあるが、プリンタがネットワーク接続され複数のユーザが共有する印刷システム環境下では、プリンタそのものがホストコンピュータの近くに配置されるとは限らないので、印刷されるドキュメントを確認することは必ずしも解決方法にはならない。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、印刷処理するドキュメントを出力装置に転送する前にその内容をプレビュー表示し、該プレビュー表示後、ユーザからの印刷処理のキャンセル要求があれば、プレビュー表示しているページを含むそれ以降のページのドキュメントの転送を停止できる仕組みを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の発明は、所定のアプリケーションプログラムを実行して作成される所定の描画情報をプリンタドライバを用いて所定の出力装置が解析可能な出力情報に変換して、前記出力装置の受信バッファが印刷対象頁の描画情報の一部の出力情報を受信可能であると判定した場合に、当該描画情報の出力情報を転送制御するホストコンピュータとしての出力制御装置であって、前記描画情報をページ単位に管理して記憶装置にスプールファイルとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶される各頁の描画情報を、前記出力装置に送信すべく前記プリンタドライバを実行して前記出力情報に変換し、かつ、ユーザにより印刷処理のキャンセル要求があった場合、前記描画情報から出力情報への変換処理を停止する変換手段と、前記変換手段により変換された出力情報が前記出力装置に転送される前に、前記記憶手段により格納されているスプールファイルから読み出される印刷を行うページの前記描画情報に基づく出力イメージを描画して表示部にプレビュー表示させ、かつ、前記印刷対象ページの変化に従って、当該印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報の転送が完了してから次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報を転送する前に、当該次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力イメージを描画してプレビュー表示するプレビュー表示制御手段と、前記変換手段により変換された出力情報が前記出力装置に転送されることに応じて、1ページ中の印刷処理進行状況の表示を更新する進行状況表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第2の発明は、前記プレビュー表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された各頁の描画情報に基づいて前記表示部に表示させるための縮小出力イメージを生成することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る第3の発明は、前記進行状況表示制御手段は、前記プレビュー表示制御手段により前記表示部に対して表示される前記出力イメージと共に、1ページ分のデータ転送進行状況を並行表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第4の発明は、所定のアプリケーションプログラムを実行して作成される所定の描画情報をプリンタドライバを用いて所定の出力装置が解析可能な出力情報に変換して、前記出力装置の受信バッファが印刷対象頁の描画情報の一部の出力情報を受信可能であると判定した場合に、当該描画情報の出力情報を転送制御するホストコンピュータとしての出力制御装置における出力制御方法であって、前記描画情報をページ単位に管理して記憶装置にスプールファイルとして記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにより記憶される各頁の描画情報を、前記出力装置に送信すべく前記プリンタドライバを実行して前記出力情報に変換し、かつ、ユーザにより印刷処理のキャンセル要求があった場合、前記描画情報から出力情報への変換処理を停止する変換ステップと、前記変換ステップにより変換された出力情報が前記出力装置に転送される前に、前記記憶手段により格納されているスプールファイルから読み出される印刷を行うページの前記描画情報に基づく出力イメージを描画して表示部にプレビュー表示させ、かつ、前記印刷対象ページの変化に従って、当該印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報の転送が完了してから次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報を転送する前に、当該次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力イメージを描画してプレビュー表示するプレビュー表示制御ステップと、前記変換ステップにより変換された出力情報が前記出力装置に転送されることに応じて、1ページ中の印刷処理進行状況の表示を更新する進行状況表示制御ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る第5の発明は、前記前記プレビュー表示制御ステップは、前記記憶手段に記憶された各頁の描画情報に基づいて前記表示部に表示させるための縮小出力イメージを生成することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る第6の発明は、前記進行状況表示制御ステップは、前記プレビュー表示制御手段により前記表示部に対して表示される前記出力イメージと共に、1ページ分のデータ転送進行状況を並行表示させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す出力制御装置を適用可能な印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
図1において、HC1はホストコンピュータであり、イーサネットやSCSIなどの通信手段7を介してプリンタPR1,PR2が接続されている。
【0023】
なお、各プリンタPR1,PR2は、プリンタコントローラ,エンジン(例えばレーザプリンタエンジン,インクジェットエンジン)を備え、種々のサイズの記録媒体に画像,文字,グラフィクス等を出力する。
【0024】
ホストコンピュータHC1において、1はCPUで、ROM2やRAM3に記憶されたOSによりシステムの動作が制御されており、図示しないFDドライブ,HDドライブ等から読み出した種々のアプリケーションプログラムを各プリンタPR1,PR2に対応したプリンタドライバ(印刷制御プログラム)を実行して、アプリケーションプログラムより作成された出力情報をプリンタドライバがプリンタPR1,PR2に対応する出力コマンドに変換し、それぞれのプリンタPR1,PR2に出力する。6はシステムバスで、上記1〜5,MMとをアクセス可能に接続する。
【0025】
各プリンタPR1,PR2は、プリンタコントローラ12を有し、通信手段7より得られたプリンタコマンドをもとにプリンタエンジンを制御し印刷を行う。プリンタコントローラ12は、CPU8を有し、ROM10のプログラムにより制御される。また、プリンタコントローラ12はRAM9を有し、これはCPU8がエンジンを制御するプログラムを実行するための作業領域として使用される。通信手段7から印刷コマンドを受信するためのバッファ領域もRAM9上に確保される。11はシステムバスで、上記8〜10とをアクセス可能に接続する。
【0026】
ホストコンピュータHC1より印刷を行うとする。アプリケーションのメニュー選択などで印刷作業を実行すると、アプリケーション上の描画データはOSを介してプリンタドライバに渡される。プリンタドライバはアプリケーションの描画データを、HDドライブ等の記憶装置MMにスプールファイルとして一旦セーブする。
【0027】
図2は、図1に示した記憶装置MMに記憶されるスプールファイルのフォーマットの一例を示す図である。なお、描画データはページ単位で管理している。
【0028】
この図に示すように、スプールファイルのある決まった場所にページ検索データ14があるデータのオフセット13を格納する。ページ検索データ14では、総ページ数、次にどのページより開始するかを表す印刷開始ページ番号、各ページ描画データがどこにあるかを示すページ描画データのオフセットが情報として格納されている。ホストコンピュータHC1上のCPU1は、ページ検索データのオフセット13を読み込み、それより、ページ検索データ14を取得し、各ページの印刷データにアクセスすることができる。
【0029】
ホストコンピュータHC1上で実行されているプリンタドライバは、アプリケーションよりデータをすべて受け取った後、スプールファイルよりデータを読み込み、それをいずれか指定されるあるいは選択されるプリンタのコマンドに変換し、プリンタPR1またはプリンタPR2に送信し印刷を実行する。
【0030】
以下、図3,図4を参照して、本発明に係る印刷制御装置における印刷プレビュー表示処理について説明する。
【0031】
図3は、図1に示したホストコンピュータHC1のアプリケーションにより編集された印刷ドキュメントを示す図であり、例えば5ページに編集された場合に対応し、図2に示したスプールファイルとして記憶装置MMに記憶されている。
【0032】
図4は、図1に示した表示部4に表示される印刷ステータス表示用のダイアログボックスの一例を示す図であり、図3に示した印刷ドキュメントの印刷指示により、現在3ページ目を印刷処理している状況を表示している場合に対応する。
【0033】
図において、46はドキュメント名で、図2に示したスプールファイルの印刷情報に管理されており、指示した印刷ドキュメントに指定されたドキュメント名に対応する。47は印刷ページ数で、現在3ページ目を処理していることを数値データとして表示し、印刷処理経過に応じて変化する。
【0034】
48はコピー部数で、ドキュメント名46に対して指定された部数、例えば2部目が表示された場合に対応する。49は印刷処理進行状況を指示するバーで、印刷処理経過を、例えば各ページの処理度合いをバー表示する。50はプレビューで、図2に示した各ページの描画データに基づいて展開処理した後表示されるものであり、例えば現在図3に示した3ページ目の描画データのプレビューを表示している状態に対応する。
【0035】
図4では図3に示したように複数ページ存在するドキュメントを印刷するときの3ページ目を印刷している例を示すが、印刷しているページ中における印刷処理進行状況を表すバー49はページの印刷の最初は何も表示されていない状態で、印刷が進むにつれて右側に伸びていく。ダイアログの左側の部分には対応するページのプレビュー50を表示する。ユーザは、このプレビュー50を見ることにより、現在プリンタドライバが処理中のページの出力イメージを視覚的に把握することができる。
【0036】
以下、図5〜図8に示すフローチャートを参照して、本発明に係る印刷制御装置の第1のデータ処理について説明する。
【0037】
図5,図6は、本発明に係る印刷制御装置の第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、アプリケーションからの描画データをすべてスプールファイルにセーブした後のプリンタドライバによる印刷処理に対応する。なお、(1)〜(26)は各ステップを示す。
【0038】
ステップ(1)で、スプールファイルのオープン処理などのドキュメントを印刷するための準備の処理を行い、ステップ(2)で印刷するページ数のカウンタを「1」に初期化し、ステップ(3)で図2に示したスプールファイルより印刷に関する情報を読み出し、ステップ(4)で印刷する総ページ数を調べ、印刷するページがあると判定した場合には、ステップ(5)でコピー部数のカウンタを「1」に初期化する。
【0039】
次に、ステップ(6)では図7に基づいて後述する印刷状況についてディスプレイに表示する印刷ステータスダイアログの初期表示処理を行う。これにより、図4に詳細を示すがダイアログの中のテキスト(ドキュメント名46,印刷ページ47,コピー部数48などの文字列)やドキュメント名や進行状況を示すバー49の外枠など、印刷が進行しても変更のない部分(プレビュー50が表示されるエリア)を表示部4上に描画表示する。
【0040】
そして、ステップ(7)で印刷ステータスダイアログのページ数の更新を行い、ステップ(8)で図4に示したように、印刷ステータスダイアログボックスを表示部4に表示して、プレビュー50を図8で後述する手順に従い描画表示する。
【0041】
続いて、ステップ(9)で印刷ステータスダイアログ内で表示するコピー部数を更新し、ステップ(10)で印刷を行っているページ内における処理進行状況を表すバー49の状態を初期化する。
【0042】
次に、ステップ(11)で、RAM3上における作業メモリ領域の確保などのそのページを印刷するための準備の処理を行い、ステップ(12)でユーザによる印刷処理のキャンセル要求(キャンセルイベント)があったかどうか調べ、キャンセル要求があったと判定した場合には、印刷処理を中止するため、ステップ(24)に進む。
【0043】
一方、ステップ(12)で、キャンセル要求がないと判定した場合には、ステップ(13)に進み、プリンタの受信バッファが十分に空いているかどうか調べ、空きがないと判定した場合には、ステップ(16)へ進み、空きがあると判定した場合には、ステップ(14)に進み、記憶装置MMに記憶されるスプールファイルから読み込んだ描画データをプリンタのコマンドに変換して、ステップ(15)でプリンタに送信する。
【0044】
次いで、ステップ(16)で1ページのうちどのくらいの割合印刷処理が終了したかを計算し、印刷進行状況バー49の長さを更新し、ステップ(17)でプリンタの紙詰まりやインク切れなどのエラーが発生しているか調べ、エラーが発生していると判定した場合には、ステップ(24)へ進み、エラーからの回復処理を実行し、ステップ(25)でページ印刷の終了処理を行い、ステップ(26)で、印刷処理を中断して処理を終了する。
【0045】
一方、ステップ(17)でエラーが発生していないと判定された場合には、ステップ(18)で1ページ分のデータをすべてプリンタへ転送したかどうかを判定し、すべてを転送していないと判定した場合には、ステップ(12)に戻る。
【0046】
一方、ステップ(18)で、1ページ分のデータをすべてプリンタへ転送し終えたと判定した場合には、ステップ(19)で作業メモリ領域の解放などのページの印刷の終了処理を行い、ステップ(20)でコピー部数カウンタをインクリメントし、ステップ(21)で指定コピー部数分データ処理が終わったかどうかを判定し、すべてのコピー部数分の印刷を終了していないと判定した場合には、ステップ(9)に戻り処理を繰り返す。
【0047】
一方、ステップ(21)で指定されたコピー部数分データをプリンタに転送し終えたと判定した場合には、ステップ(22)でページ番号カウンタをインクリメントし、ステップ(23)ですべてのページの印刷処理が終了したかどうかを判定し、まだ印刷すべきページが存在すると判定した場合には、ステップ(7)に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップ(23)ですべての印刷を終了したと判定した場合には、ステップ(26)に進み、スプールファイルのクローズなどのドキュメント印刷の終了処理を行い、プリンタドライバにより印刷処理を終了する。
【0049】
図7は、図5に示した印刷ステータスダイアログの初期表示処理ルーチンの詳細手順の一例を示すフローチャートであり、ホストコンピュータに接続されたディスプレイ等の表示装置に表示する印刷ステータスをユーザに示すためにダイアログボックスで表示する処理に対応する。なお、(1)〜(3)は各ステップを示す。
【0050】
図1において、図4に詳細を示すがダイアログの中のテキスト(ドキュメント名46,印刷ページ47,コピー部数48などの文字列)やドキュメント名や進行状況を示すバー49の外枠など、印刷が進行しても変更のない部分(プレビュー50が表示されるエリア)を表示部4上に描画表示するための初期化処理を行い(1)、次いで、記憶装置MMに記憶されたスプールファイルよりドキュメント名データを取得して、ドキュメント名46にセットし(2)、ステータスダイアログボックスを表示部4に表示して(3)、処理を終了する。
【0051】
図8は、図5に示した印刷ステータスダイアログの表示処理ルーチンの詳細手順の一例を示すフローチャートである。なお、(1),(2)は各ステップを示す。
【0052】
ステップ(1)で記憶装置MMに記憶されたスプールファイルより印刷を行うページの描画データを獲得し、ステップ(2)でこの描画データをOSに発行し、必要な大きさに縮小描画処理してダイアログの所定の場所にプレビュー50として描画して、処理を終了する。
【0053】
これにより、プリンタの設置位置と印刷開始指示を行ったホストとが離隔して印刷システムが構成される環境下であっても、印刷指定したページの出力イメージおよびそのページ情報をユーザに対して視覚的に明示でき、ユーザによる出力経過の確認作業を大幅に軽減することが可能となる。
【0054】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、ネットワーク上に接続されたホストコンピュータHC1と複数のプリンタPR1,PR2とにより印刷システムが構成される環境下で、ホストコンピュータHC1から印刷出力指定した複数ページからなる印刷ドキュメントの印刷出力経過を文字情報とともにプレビューとして表示制御する場合について説明したが、出力機器は、プリンタに限らず通信回線を介して接続される相手先のファクシミリ装置であっても本発明を適用することができる。以下、その実施形態について説明する。
【0055】
図9は、本発明の第2実施形態を示す出力制御装置を適用可能な画像処理システムの構成を示すブロック図であり、ホストコンピュータと接続できるインタフェースを持つファクシミリにより画像処理システムが構成される場合に対応する。
【0056】
図9において、HC2はホストコンピュータであり、シリアルケーブル,イーサネット等の通信手段57を介してファクシミリ装置FAX1と接続されている。
【0057】
ホストコンピュータHC2において、51はCPUで、ROM52やRAM53に記憶されたOSによりシステムの動作が制御されており、図示しないFDドライブ,HDドライブ等の記憶装置MMから読み出した種々のアプリケーションプログラムをファクシミリ装置FAX1に対応したFAXドライバ(FAX制御プログラム)を実行して、アプリケーションプログラムより作成された出力情報をFAXドライバがファクシミリ装置FAX1に対応する出力コマンドに変換し通信手段57を介して出力する。56システムバスで、上記51〜55,MMとをアクセス可能に接続する。
【0058】
ファクシミリ装置FAX1は、RS−422,イーサネットなどのインタフェースを有し、ホストコンピュータHC2からのコマンドにより制御される。FAXコントローラ62は、通信手段57より得られたコマンドをもとにFAX送信部63より他のファクシミリ装置と通信を行い画像データを送信する。
【0059】
FAXコントローラ62は、CPU58を有し、ROM60のプログラムにより制御される。また、FAXコントローラ62はRAM59を有し、これはCPU58が画像データを作成し、他のFAXへその画像データを転送するプログラムを実行するための作業領域として使用される。ファクシミリ装置FAX1はFAX通信経路64により他のファクシミリと通信を行う。61はシステムバスで、上記58〜60とをアクセス可能に接続する。
【0060】
ホストコンピュータHC2によりファクシミリ装置FAX1で出力を行うと、ホストコンピュータHC2上で実行されるファクシミリドライバは、プリンタに対するプリンタドライバと同じように振舞う。すなわち、アプリケーションにより、メニュー選択などで印刷作業を実行すると、アプリケーションの描画データはOSを介してファクシミリドライバに渡される。ファクシミリドライバはアプリケーションの描画データをホストコンピュータHC2に接続されたHDドライバ等の記憶装置MMにスプールファイルとしてセーブする。なお、スプールファイルのフォーマットは、第1実施形態と同じフォーマット(図2参照)に示したものと同じである。
【0061】
図10は、図9に示した表示部54に表示されるファクシミリ出力処理ステータスダイアログの一例を示す図であり、図4と同一のものには同一の符号を付してある。
【0062】
なお、図4との違いは、印刷部数の表示がないことである。これは、通常ファクシミリ送信では、複数部を出力することはしないためである。
【0063】
以下、図11,図12に示すフローチャートを参照して、本発明に係る印刷制御装置の第2のデータ処理について説明する。
【0064】
図11,図12は、本発明に係る印刷制御装置の第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、アプリケーションからの描画データをすべてスプールファイルにセーブした後のファクシミリドライバによるファクシミリ装置FAX1に対する出力処理に対応する。なお、(1)〜(22)は各ステップを示す。
【0065】
ステップ(1)で、スプールファイルのオープン処理などのドキュメントを出力するための準備の処理を行い、ステップ(2)で出力するページ数のカウンタを「1」に初期化し、ステップ(3)で図2に示したスプールファイルより出力に関する情報を読み出し、ステップ(4)で出力する総ページ数を調べ、出力するページがあると判定した場合には、ステップ(5)で表示部54に表示する出力ステータスダイアログの初期表示処理を行う。これにより、図10に詳細を示すがダイアログの中のテキスト(ドキュメント名46,印刷ページ47などの文字列)やドキュメント名や進行状況を示すバー49の外枠など、出力が進行しても変更のない部分(プレビュー50が表示されるエリア)を表示部54上に描画表示する。
【0066】
そして、ステップ(6)で出力ステータスダイアログのページ数の更新を行い、ステップ(7)で出力ステータスダイアログボックスを表示部54に表示して、プレビュー50を描画表示する。
【0067】
続いて、ステップ(8)で出力を行っているページ内における処理進行状況を表すFAX出力処理用のバー49(図10参照)の状態を初期化する。
【0068】
次に、ステップ(9)で、RAM53上における作業メモリ領域の確保などのそのページを出力するための準備の処理を行い、ステップ(10)でユーザによる出力処理のキャンセル要求(キャンセルイベント)があったかどうか調べ、キャンセル要求があったと判定した場合には、出力処理を中止するため、ステップ(20)に進む。
【0069】
一方、ステップ(10)で、キャンセル要求がないと判定した場合には、ステップ(11)に進み、ファクシミリ装置の受信バッファが十分に空いているかどうか調べ、空きがないと判定した場合には、ステップ(14)へ進み、空きがあると判定した場合には、ステップ(12)に進み、記憶装置MMに記憶されるスプールファイルから読み込んだ描画データをファクシミリ装置FAX1のコマンドに変換して、ステップ(13)でファクシミリ装置FAX1に送信する。
【0070】
次いで、ステップ(14)で1ページのうちどのくらいの割合出力処理が終了したかを計算し、バー49の長さを更新し、ステップ(15)でファクシミリ装置FAX1の紙詰まりやインク切れなどのエラーが発生しているか調べ、エラーが発生していると判定した場合には、ステップ(20)へ進み、エラーからの回復処理を実行し、ステップ(21)でページ出力の終了処理を行い、ステップ(22)で、出力処理を中断して処理を終了する。
【0071】
一方、ステップ(15)でエラーが発生していないと判定された場合には、ステップ(16)で1ページ分のデータをすべてファクシミリ装置FAX1へ転送したかどうかを判定し、すべてを転送していないと判定した場合には、ステップ(10)に戻る。
【0072】
一方、ステップ(16)で、1ページ分のデータをすべてファクシミリ装置FAX1へ転送し終えたと判定した場合には、ステップ(17)で作業メモリ領域の解放などのページの出力の終了処理を行い、ステップ(18)でページ番号カウンタをインクリメントし、ステップ(19)ですべてのページの出力処理が終了したかどうかを判定し、まだ出力すべきページが存在すると判定した場合には、ステップ(6)に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0073】
一方、ステップ(19)ですべての出力を終了したと判定した場合には、ステップ(22)に進み、スプールファイルのクローズなどのドキュメント出力の終了処理を行い、ファクシミリドライバにより出力処理を終了する。
【0074】
これにより、図10に示したようなファクシミリ出力処理ステータスダイアログを表示部54に表示し、ユーザに現在どのページをファクシミリに出力しているか明示することが可能となる。通常プリンタにおける出力と違ってファクシミリの場合は、FAX通信経路64により接続された遠隔地にある他のファクシミリに画像が出力されるので、出力結果を目で確認しながらの作業はできない。その点、図10のプレビュー50を見れば、ユーザは現在ファクシミリ装置FAX1に対して転送されている画像データを視覚的に確認することが可能となる。
【0075】
なお、各実施形態では、出力イメージを順次プレビュー表示する場合について説明したが、偶数ページのみ/奇数ページのみ/指定ページのみ等のモード別に出力イメージのプレビュー表示を制御するように構成してもよい。
【0076】
また、各実施形態では、出力イメージ全体を順次プレビュー表示する場合について説明したが、出力イメージの指定箇所のみプレビュー表示を制御するように構成してもよい。
【0077】
さらに、各実施形態では、出力イメージ全体を順次プレビュー表示する場合について説明したが、出力イメージを見開きページで2ページ分のプレビュー表示を制御するように構成してもよい。
【0089】
以下、図13に示すメモリマップを参照して本発明に係る出力制御装置で読み出し可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0090】
図13は、本発明に係る出力制御装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0091】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0092】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0093】
本実施形態における図5,図6,図7,図8,図11,図12に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0094】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0095】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0096】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いることができる。
【0097】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0098】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明よれば、印刷処理するドキュメントを出力装置に転送する前にその内容をプレビュー表示し、該プレビュー表示後、ユーザからの印刷処理のキャンセル要求があれば、プレビュー表示しているページを含むそれ以降のページのドキュメントの転送を停止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す出力制御装置を適用可能な印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した記憶装置に記憶されるスプールファイルのフォーマットの一例を示す図である。
【図3】図1に示したホストコンピュータのアプリケーションにより編集された印刷ドキュメントを示す図である。
【図4】図1に示した表示部に表示される印刷ステータス表示用のダイアログボックスの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る印刷制御装置の第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る印刷制御装置の第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図5に示した印刷ステータスダイアログの初期表示処理ルーチンの詳細手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図5に示した印刷ステータスダイアログの表示処理ルーチンの詳細手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態を示す出力制御装置を適用可能な画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示した表示部に表示されるファクシミリ出力処理ステータスダイアログの一例を示す図である。
【図11】本発明に係る印刷制御装置の第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る印刷制御装置の第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る出力制御装置で読み出し可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
HC1 ホストコンピュータ
PR1 プリンタ
PR2 プリンタ
MM 記憶装置
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 表示部
5 入力部
8 CPU
9 RAM
10 ROM
12 プリンタコントローラ

Claims (6)

  1. 所定のアプリケーションプログラムを実行して作成される所定の描画情報をプリンタドライバを用いて所定の出力装置が解析可能な出力情報に変換して前記出力装置の受信バッファが印刷対象頁の描画情報の一部の出力情報を受信可能であると判定した場合、当該描画情報の出力情報を転送制御するホストコンピュータとしての出力制御装置であって、
    前記描画情報をページ単位に管理して記憶装置にスプールファイルとして記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶される各頁の描画情報を、前記出力装置に送信すべく前記プリンタドライバを実行して前記出力情報に変換し、かつ、ユーザにより印刷処理のキャンセル要求があった場合、前記描画情報から出力情報への変換処理を停止する変換手段と、
    前記変換手段により変換された出力情報が前記出力装置に転送される前に、前記記憶手段により格納されているスプールファイルから読み出される印刷を行うページの前記描画情報に基づく出力イメージを描画して表示部にプレビュー表示させ、かつ、前記印刷対象ページの変化に従って、当該印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報の転送が完了してから次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報を転送する前に、当該次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力イメージを描画してプレビュー表示するプレビュー表示制御手段と、
    前記変換手段により変換された出力情報が前記出力装置に転送されることに応じて、1ページ中の印刷処理進行状況の表示を更新する進行状況表示制御手段とを有することを特徴とする出力制御装置。
  2. 前記前記プレビュー表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された各頁の描画情報に基づいて前記表示部に表示させるための縮小出力イメージを生成することを特徴とする請求項1記載の出力制御装置。
  3. 前記進行状況表示制御手段は、前記プレビュー表示制御手段により前記表示部に対して表示される前記出力イメージと共に、1ページ分のデータ転送進行状況を並行表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の出力制御装置。
  4. 所定のアプリケーションプログラムを実行して作成される所定の描画情報をプリンタドライバを用いて所定の出力装置が解析可能な出力情報に変換して前記出力装置の受信バッファが印刷対象頁の描画情報の一部の出力情報を受信可能であると判定した場合、当該描画情報の出力情報を転送制御するホストコンピュータとしての出力制御装置における出力制御方法であって、
    前記描画情報をページ単位に管理して記憶装置にスプールファイルとして記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップにより記憶される各頁の描画情報を、前記出力装置に送信すべく前記プリンタドライバを実行して前記出力情報に変換し、かつ、ユーザにより印刷処理のキャンセル要求があった場合、前記描画情報から出力情報への変換処理を停止する変換ステップと、
    前記変換ステップにより変換された出力情報が前記出力装置に転送される前に、前記記憶手段により格納されているスプールファイルから読み出される印刷を行うページの前記描画情報に基づく出力イメージを描画して表示部にプレビュー表示させ、かつ、前記印刷対象ページの変化に従って、当該印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報の転送が完了してから次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力情報を転送する前に、当該次の印刷対象ページの描画情報に基づく出力イメージを描画してプレビュー表示するプレビュー表示制御ステップと、
    前記変換ステップにより変換された出力情報が前記出力装置に転送されることに応じて、1ページ中の印刷処理進行状況の表示を更新する進行状況表示制御ステップとを有することを特徴とする出力制御方法。
  5. 前記前記プレビュー表示制御ステップは、前記記憶手段に記憶された各頁の描画情報に基づいて前記表示部に表示させるための縮小出力イメージを生成することを特徴とする請求項4記載の出力制御方法。
  6. 前記進行状況表示制御ステップは、前記プレビュー表示制御手段により前記表示部に対して表示される前記出力イメージと共に、1ページ分のデータ転送進行状況を並行表示させることを特徴とする請求項4または5に記載の出力制御方法。
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