JP4546622B2 - 印刷システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の計算機と、プリンタとからなる印刷システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷システムの従来技術の例として特願平09-534212号があげられる。従来技術では、印刷システムにおいて文書を保管し、その保管文書に対しメモ書き、チェックマーク付け等の編集機能提供していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の印刷システムでは保管文書に対する面付け(n up、中綴じ、袋綴じ等)機能が提供されていなかった。従って、ユーザは印刷システムに印刷データを保管する前に、予め面付けを行い、面付けを施した印刷データを作っておく必要があった。このような印刷システムでは、面付け等の処理に手間がかかり、再印刷の効率に課題があった。
【0004】
本発明の目的は、従来技術の課題を解決し、保管文書についての面付け機能を有する印刷システムを提供し、印刷システムの利便性、使い勝手を向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では以下のような手段を採用した。
【0006】
計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、前記プリンタは、前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納、(b)編集可能形式のみでの格納、(c)即印刷形式のみでの格納、のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、前記各文書について、即印刷形式についてはジョブチケットと即印刷形式文書の対を1つのみ、編集可能形式についてはジョブチケットと編集可能形式文書の対を複数、保管し、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を有し、保管済み文書について、ジョブチケットを指示して、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うとき、本指示画面で、ジョブチケットとして既に有るものから選択するか、又は新しいジョブチケットを作成して指示できるようにし、該文書名とジョブチケット名とを入力として、該保管文書についての、(a)印刷、(b)保管、(c)保管と印刷のいずれかを、プリンタに指示することを特徴とする。
また、前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする。
また、前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し該ジョブチケットに対応する即印刷形式文書を作り、作成された該即印刷形式文書を使って、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする。
また、前記プリンタは、前記入力ジョブチケットと、当該入力ジョブチケットの指示により前記面付け処理を実行した文書とを組みにして、当該文書名称にて前記保管庫に格納することを特徴とする。
また、前記面付けにより作成した前記即印刷形式用文書についての(b)保管、又は(c)保管と印刷の際、既に前記保管庫内に該当文書用の即印刷形式用文書が存在する場合には、前記計算機の保管庫管理指示部による前記指示画面にて、前記保管庫内の即印刷形式文書への上書き可否をユーザに確認する確認画面を表示し、上書き可の場合に、最新の入力ジョブチケットについての即印刷形式文書を上書き格納するようにしたことを特徴とする。
また、計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、前記プリンタは前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納、(b)編集可能形式のみでの格納、(c)即印刷形式のみでの格納、のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、前記各文書を、即印刷形式についてはジョブチケットと即印刷形式文書の対を複数保管し、編集可能形式についてはジョブチケットと編集可能形式文書の対を複数保管するようにし、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を有し、保管済み文書について、ジョブチケットを指示して、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うとき、本指示画面で、ジョブチケットとして既にあるものから選択するか、又は新しいジョブチケットを作成して指示できるようにし、該文書名とジョブチケット名とを入力として、該保管文書についての、(a)印刷、(b)保管、(c)保管と印刷のいずれかを、プリンタに指示することを特徴とする印刷システム。
また、前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする。
また、前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し該ジョブチケットに対応する即印刷形式文書を作り、作成された該即印刷形式文書を使って(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする。
また、前記即印刷形式用文書について、新たなジョブチケットについて即印刷形式文書を作成した場合、該ジョブチケットとそれに対応する作成した即印刷形式文書の組みを格納するようにしたことを特徴とする。
また、指示された入力ジョブチケットがある即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷、の指示に対応する面付け処理を描画部と面付け機能で実行し、描画部が編集可能形式の文書を入力し、描画、つまり編集可能形式の文書を構成する文字要素、図形要素、イメージ要素の各々をドット展開しドットイメージ形式にして出力し、該ドットイメージ形式のデータを描画部から面付け機能に渡し、面付け機能がドットイメージデータについて面付け処理を行い、本面付け処理の結果について、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷、を実行することを特徴とする。
また、指示された入力ジョブチケットが或る即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷の指示に対応する面付け処理を自動面付けB部で実行し、自動面付けB部は保管庫から読み出した該編集可能形式文書について自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を編集可能形式の文書として出力し、本出力に対し、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷を実行することを特徴とする。
また、指示された入力ジョブチケットが或る即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷の指示に対応する面付け処理を自動面付けC部で実行し、保管庫内の編集可能形式文書を1UP、片面印刷仕様で描画部によりドット展開した文書を、即印刷形式の原稿文書として一旦保管庫に保管し、前記自動面付けC部はこの即印刷形式の原稿文書を保管庫から読み出し、自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を即印刷形式の文書として出力し、該出力に対し、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷を実行することを特徴とする。
また、面付けの1つの2丁付けの指示の際、2つの面を同一方向とする形式と、2つの面のうち片方を180度回転した配置の2形式を、前記指示画面で選択させることを特徴とする。
また、前記2丁付けの選択をジョブチケット指示で行うことを特徴とする。
また、前記保管と印刷とを独立に動作させたことを特徴とする。
また、保管庫に文書を保管し、該文書の属性として印刷属性を持たせ、印刷属性の値として高速印刷可能を用意し、該ジョブチケットに対応する面付け処理を既に実施してある即印刷可能形式の文書に、本高速印刷可能属性を持たせたことを特徴とする。
また、前記保管庫内の各文書の印刷属性を画面に表示させたことを特徴とする。
また、前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、即印刷形式のうちどの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする。
また、前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式のうち、どの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする。
また、前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式、表示・編集形式、のうちどの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする。
また、前記保管庫内の文書を画面表示したとき、表示内容から印刷属性が高速印刷可能な文書を前記指示画面で識別可能であり、該文書を選択して保管庫管理指示部からプリンタに指示することを特徴とする。
また、或る名称の文書を画面表示したとき、印刷属性が高速印刷可能な文書であり、当該文書用のジョブチケットが1つ以上あり、その中に高速印刷可能を示すマークが付いたジョブチケットがあり、該マークの付いたジョブチケットを選び、当該文書と当該ジョブチケットの組みについての印刷を保管庫管理指示部からプリンタに指示することを特徴とする。
また、前記指示画面は、(1)印刷属性が高速印刷可能でない文書、(2)印刷属性が高速印刷可能だが、高速印刷可能マークの付いていないジョブチケットを有する文書、を印刷するとき、プリンタエンジン最高性能での印刷を保証しないことをユーザが把握可能とすることを特徴とする。
また、計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、前記プリンタは、前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納、(b)編集可能形式のみでの格納、(c)即印刷形式のみでの格納、のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、且つ、該保管庫内の文書を入力として画像処理を行い該処理後の出力文書を前記保管庫に格納するための画像処理部と、前記保管庫を管理する保管庫管理サービス部とを備え、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を備え、前保管庫管理指示部から前記保管庫管理サービス部に画像処理の実行を、ジョブチケットと呼ぶパラメータを付けて指示し、前記画像処理部は、前記ジョブチケット指示に基づき、ドット密度変換又はグレイスケール画像の画質向上又はカラー画像のモノクロ画像への変換を行い、前記保管庫管理指示部への前記ジョブチケット指示に際し、前記出力文書の出力先としての出力ファイル名と、保管、又は、保管及び印刷を指示を含ませてなることを特徴とする。
また、前記画像処理部への入力と出力を編集可能形式の文書とし、前記画像処理部が編集可能形式の文書を入力として読み込み、画像処理部読み込んだ文書を、構成要素である文字要素、図形要素、イメージ要素に分け、そのうちイメージ要素について画質を向上させ、分解した文字要素、図形要素、イメージ要素を、一つの編集可能形式の文書ファイルに再構築して前記保管庫へ出力することを特徴とする。
また、前記画像処理部への入力と出力を即印刷形式の文書とし、前記画像処理部が即印刷形式の文書を入力として読み込み、画像処理部が読み込んだ文書の内容であるドットイメージデータについて画質を向上させ、新たな文書として前記保管庫へ出力することを特徴とする。
【0007】
また、計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、前記プリンタは、前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫と、該保管庫内の文書を入力として画像処理を行い該処理後の出力文書を前記保管庫に格納するための画像処理部と、前記保管庫を管理する保管庫管理サービス部とを備え、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を備え、前保管庫管理指示部から前記保管庫管理サービス部に画像処理の実行を、ジョブチケットと呼ぶパラメータを付けて指示し、前記画像処理部は、前記ジョブチケット指示に基づき、ドット密度変換又はグレイスケール画像の画質向上又はカラー画像のモノクロ画像への変換を行い、前記保管庫管理指示部への前記ジョブチケット指示に際し、前記出力文書の出力先としての出力ファイル名と、保管、又は、保管及び印刷を指示を含ませてなることを特徴とする。
また、前記画像処理部への入力と出力を編集可能形式の文書とし、前記画像処理部が編集可能形式の文書を入力として読み込み、画像処理部読み込んだ文書を、構成要素である文字要素、図形要素、イメージ要素に分け、そのうちイメージ要素について画質を向上させ、分解した文字要素、図形要素、イメージ要素を、一つの編集可能形式の文書ファイルに再構築して前記保管庫へ出力することを特徴とする。
また、前記画像処理部への入力と出力を即印刷形式の文書とし、前記画像処理部が即印刷形式の文書を入力として読み込み、画像処理部が読み込んだ文書の内容であるドットイメージデータについて画質を向上させ、新たな文書として前記保管庫へ出力することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施例について詳細に説明する。初めに図1を用いて、本印刷システムの全体構成を説明する。
【0009】
印刷システムは、ネットワーク400、第1の計算機310、第2の計算機320、第3の計算機330、及びプリンタ100とからなる。計算機310,320,330とプリンタ100はネットワーク400に接続されている。
【0010】
プリンタ100はプリンタコントローラ200とプリンタエンジン500で構成する。プリンタコントローラ200は計算機310,320,330から、PDL文書と呼ばれる印刷コマンド列を受信し、一連の印刷処理を行った後、プリンタエンジン500にドットイメージデータを送信する。プリンタエンジン500は、ドットイメージデータを受信し、プリンタメカニズムを用いて用紙への物理的な印刷を行う。プリンタメカニズムとしては、レーザ光学系利用電子写真、LED利用電子写真、液晶シャッタ利用電子写真、インクジェット、シャトル型インパクト、等の各種方法を用いることができる。
【0011】
以下の説明は電子写真方式のページプリンタの場合について行う。メカニズムとしてインクジェット等の他のものを用いた場合、印刷単位をラインとするラインプリンタ方式を用いた場合についても、同様に実現することができる。
【0012】
なお、各計算機310,320,330は、プリンタに文書の印刷や保管等の処理を依頼する機器であり、クライアントとも呼ぶ。以後計算機とともに、クライアントとという名称も用いる。
【0013】
またプリンタ100は上記PDL文書を計算機310,320,330から受信し、各計算機からの指示に従い、PDL文書についての印刷等を行う。詳細については後で説明する。
【0014】
次に図3を用いて、計算機310,320,330の構成について説明する。計算機310,320,330は、すべて図3の構成とした。計算機300は第1の通信部3110、第1のOSカーネル部3120、プリンタ論理ドライバ部3130、応用プログラム部3140、スプール制御指示部3160、保管庫管理指示部3170、プリンタ構成管理指示部3180で構成する。
【0015】
第1の通信部3110は、ネットワーク400を介し、計算機300がネットワーク400上の各種装置(計算機、プリンタ、スキャナ等)と通信を行うための、ハードウェアとソフトウェアで構成する。なおスキャナは図からは省略した。第1のOSカーネル部3120は、計算機300を構成するハードウェア、ユーザインターフェース等を制御するための基本ソフトウェア(オペレーティングシステムとも呼ぶ)である。第1の通信部3110は第1のOSカーネル部3120の一部ともみなせるが、そこを明記するために別要素として記述した。
【0016】
応用プログラム部3140は、ワードプロセッサ、表計算、図形文書作成、画像文書作成、文書レイアウト等を行うためのプログラムである。各種文書を作成するとともに、作成した文書の処理をプリンタ論理ドライバ部3130に指示する。
【0017】
プリンタ論理ドライバ部3130は、応用プログラム部3140の作成した文書を、印刷コマンド列やページ記述言語等のプリンタコントローラ200が受付け、印刷できる形式(以後、PDL形式と呼ぶ)に変換した後、その変換済のPDL形式の文書(以後、PDL文書とも略称する)を(a)計算機300のユーザファイル又は(b)プリンタコントローラ200へ出力する。
【0018】
(a)の場合、ユーザファイルとしては計算機300の二次記憶装置832(HD,FD,MO,CD-ROM,CD-R,CD-RW,DVD-ROM,DVD-RAM等)を利用することができる。そして、ユーザはそのユーザファイル内のPDL文書を後で説明するように、プリンタコントローラ200の保管庫2200に登録することができる。
【0019】
(b)の場合、計算機300は、そのOSカーネル部1(3120)や通信部1(3110)を介して、プリンタコントローラ200へ送信する。計算機300とプリンタコントローラ200の接続は、プリンタローカルI/F410又はネットワーク400を用いて行う。どちらの接続を用いても、基本的な機能は同じである。
【0020】
PDL形式の例としては、Adobe社のPostScript(登録商標)とPDF(Portable Document Format ; 登録商標)、HP社のPCL-5,PCL-5E,PCL-6,PCL-XL(登録商標)、等がある。本発明ではこれらのPDLの中から1個以上の任意のものを、サポートできるようにした。
【0021】
スプール制御指示部3160は、計算機300がプリンタコントローラ200内のスプール制御サービス部2110に、スプールに格納されている印刷ジョブに対する印刷待ち順序、障害発生の有無とその内容等の状態参照、順序変更、削除等の制御を、指示するために用いる。以上の機能を実現するためのユーザインターフェースの概要を図13に示す。スプールと印刷ジョブについては、図6を用いて、後で説明する。
【0022】
保管庫管理指示部3170は、計算機300がプリンタコントローラ200内の保管庫管理サービス部2230に対し、(1)そこに格納されている文書についての一覧表示、削除、保管、印刷、表示・編集等を指示したり、(2)保管庫2200内のフォルダ構成の制御を指示する、ために用いる。
【0023】
ここで、フォルダとは保管庫2200全体を分けた小単位の入れ物であり、階層構成で構成した。文書は各フォルダに分けて格納する。フォルダにより、ユーザが多量の文書を整理して格納できるようにした。また、ユーザは保管庫から文書を探したり、検索する際、フォルダに分けてあるので、効率良く探したり、検索することができる。
【0024】
フォルダ構成の制御では、フォルダの作成、削除、フォルダ名称の変更等を行う。以上の機能を実現するためのユーザインターフェースの概要を、図10、図11、図12に示す。図10には階層構成にしたフォルダの例を示した。
【0025】
プリンタ構成管理指示部3180は、計算機300からプリンタコントローラ200内のプリンタ構成管理サービス部2000に対し、プリンタ100の構成設定、プリンタ統計情報の参照等を指示するために用いる。
【0026】
また以上で説明した、計算機300におけるユーザインターフェースの全体構成を図9に示す。
【0027】
次に図16、図5、図17を用いて、計算機300上の文書の保管庫2200への登録と、その登録文書の利用方法を説明する。
【0028】
まず、図16を用いてユーザが作成した文書の保管庫2200への登録手順を説明する。ユーザはPDL形式の文書1630−1又はドットイメージ形式の文書1630−2を作成する。それらの文書の保管庫2200への登録を、クライアント300内の保管庫管理指示部3170内の登録機能を用いて、保管庫管理サービス部2230に指示する。保管庫管理サービス部2230は、該指示に従い、PDL形式の文書1630−1又はドットイメージ形式の文書1630−2を、計算機300から受信し、プリンタコントローラ200内の保管庫2200へ保管する。PDL形式の文書1630−1は編集可能形式の文書1640−1として、ドットイメージ形式の文書1630−2は即印刷形式の文書1640−2として保管される。
【0029】
ここで、PDL形式の文書1630−1は、前述のPDL形式で記述した文書であり、例えばPostScript形式の文書又はPDF形式の文書として実現した。このうち、PostScript形式の文書は応用プログラム部3140用の形式の文書をプリンタ論理ドライバ部3130に入力して、PostScript形式に変換させ、その出力ファイルとして作成することができる。
【0030】
またPDF形式の文書は、PostScript形式の文書ファイルをAdobe社のDistillerと呼ぶプログラム等で変換し、その出力ファイルとして作成する。
【0031】
またドットイメージ形式の文書1630−2は、スキャナ1620を用いて紙面上のイメージデータを読み取り、その読み取った出力データをスキャナ用応用プログラム部1630に入力し、その出力ファイルとして作成した。本ファイルのフォーマットとしてはTIFF(Tag Image File Format)やJPEG(Joint Photographic Experts Group)を用いた。ドットイメージ形式の文書を作成する別の方法は、画像入力機能を有する応用プログラム部3140を用いて、応用プログラム部3140がスキャナやデジタルカメラ等の画像データの入力機器を制御することで、紙面上のイメージデータ等を入力し、その出力をTIFFやJPEG等のファイルフォーマットのファイルとして出力することである。
【0032】
以上のようにして、ユーザが作成したPDL形式の文書又はドットイメージ形式の文書を、プリンタコントローラ200内の保管庫2200に登録した。この時、ユーザは計算機300の二次記憶装置832(HD,FD,MO,CD-ROM,CD-R,CD-RW,DVD-ROM,DVD-RAM等)に格納してある文書を、登録することができる。
【0033】
ここで、図5を用いて、保管庫2200について説明する。保管庫2200は保管文書群2210と保管庫管理ファイル2220とで構成する。保管文書群2210は各文書の実際の保管内容であり、各文書について編集可能形式(PDL形式に対応)と即印刷形式(ドットイメージ形式に対応)の任意の組合せで格納することができる。該組合せにより、具体的には、(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納、(b)編集可能形式のみでの格納、(c)即印刷形式のみでの格納、のいずれかで格納される。
【0034】
図5では、文書1を編集可能形式2211−aと即印刷形式2211−bの両方で格納した。文書2と文書nも同様に、両方の形式で格納した(2212−a、2212−b、2215−a、2215−b)。 文書3と文書Nは編集可能形式のみ(2213−aと2216−a)を格納した。文書4は即印刷形式のみ(2214−b)を格納した。
【0035】
また各文書i(i=1,2,・・・,n,・・・,N)について、ジョブチケットも保管庫2200に格納した。例えば、文書1(2211−a)について、即印刷形式用のジョブチケット2211−cと編集可能形式用のジョブチケット2211−d、・・・、2211−eを格納した。本実施例では即印刷形式用の文書ファイルとジョブチケットを一つ、編集可能形式用の文書ファイルとジョブチケットを複数とした(即印刷形式用文書・ジョブチケット・単数方式)が、即印刷形式用の文書ファイルとジョブチケットを複数にしても同様にして実現することができる。この場合、即印刷形式文書用の複数のジョブチケットの各々において記述される面付け仕様に対応する、複数の即印刷形式の文書ファイルを、保管庫に格納するようにした。この、即印刷形式用に文書ファイルとジョブチケットを複数格納する方法を、以下、即印刷形式用文書・ジョブチケット・複数方式と呼ぶ。
【0036】
また保管庫管理ファイル2220は、上記保管文書群2210の保管管理を行うとともに、該保管文書群2210への操作を高速化するための管理用ファイルである。
【0037】
該保管庫管理ファイル2220に加え、それと同一内容をメモリに記載した保管庫管理テーブル2240も設けることにより、保管庫管理サービス部2230による保管庫2200、具体的には保管文書群2210へのアクセス性能を大幅に向上した。
【0038】
次に図17を用いて保管庫2200に登録した文書を自動面付けする方法を説明する。ここで、自動面付けとは保管庫2200に登録されている文書に対し、ユーザが保管庫管理指示部3170を用いて、面付けをジョブチケットと呼ぶパラメータを入力して指示(1710)すると、プリンタコントローラ200が面付けを自動実行するものである。該指示1710に対し、プリンタコントローラ200内の自動面付け部2810が、面付け処理を実行する。
【0039】
なお、自動面付け部2810は、保管庫2200内の編集可能形式文書又は即印刷形式文書を入力とするが、面付け機能2810Bは編集可能形式文書を対象として実行する。また自動面付け部2810はその出力先として(a)印刷、(b)保管(即印刷形式として)、(c)保管と印刷を指示することができる。
【0040】
例えば、文書1(2211−a、図5参照)についてジョブチケットaを付けて、(a)の印刷を指示するとする。ジョブチケットaは、文書1用のジョブチケット選択画面を、保管庫管理指示部3170を用いてユーザが開き、そこに予め登録済みのジョブチケットから選択するか、又は該画面で新しいジョブチケットを作成することで指示した。文書1(2211−a)とジョブチケットaの組に対し、保管庫管理サービス部2230は以下のように処理を行った。
【0041】
(1)まず入力ジョブチケットaと、該文書1(2211)用に保管庫に予め登録されているジョブチケットの組(以下登録ジョブチケット列とも呼ぶ;図5ではジョブチケット2211−c、2211−d、・・・、2211−e)を比較する。入力ジョブチケットaが即印刷形式文書用のジョブチケット2211−cと一致していれば、文書1(2211)のうち即印刷形式文書(2211−b)をそのまま使って印刷した。この場合、即印刷形式文書(2211−b)が自動面付け部2810に入力されるが、既に面付け処理としてジョブチケットa用の面付けが施されているので、面付け処理をせずそのまま出力される。以後1710−aの経路で処理が実行され、プリンタエンジン500を用いた印刷が実行される。
【0042】
(2)上記(1)の比較で、入力ジョブチケットaが即印刷形式文書用のジョブチケット2211−cと一致していない場合、文書1(2211)のうち編集可能形式文書(2211−a)に対し、描画部2310がドット展開し、ドットイメージデータを出力する。該ドットイメージデータを入力として、自動面付け部2810が面付け処理を行い、その出力である面付け後のデータ(即印刷形式)に対し、図17において1710−aの経路で処理が実行され、プリンタエンジン500を用いた印刷が実行され、プリンタエンジン500を用いた印刷が実行される。
【0043】
また文書1(2211−a)についてジョブチケットaを付けて、(b)の保管を指示するとする。ジョブチケットaは、文書1用のジョブチケット選択画面を、保管庫管理指示部3170を用いてユーザが開き、そこに予め登録済みのジョブチケットから選択するか、又は該画面で新しいジョブチケットを作成することで指示した。文書1(2211−a)とジョブチケットaの組に対し、保管庫管理サービス部2230は以下のように処理を行った。
【0044】
(1)まず入力ジョブチケットaと、該文書1(2211)用に保管庫に予め登録されているジョブチケットの組(以下登録ジョブチケット列とも呼ぶ;図5ではジョブチケット2211−c、2211−d、・・・、2211−e)を比較する。入力ジョブチケットaが即印刷形式文書用のジョブチケット2211−cと一致していれば、文書1(2211)用の即印刷形式文書(2211−b)が、該入力ジョブチケットa用に既に作成済みなので、処理を終了した。
【0045】
(2)上記(1)の比較で、入力ジョブチケットaが即印刷形式文書用のジョブチケット2211−cと一致していない場合、文書1(2211)のうち編集可能形式文書(2211−a)に対し、描画部2310がドット展開し、ドットイメージデータを出力する。該ドットイメージデータを入力として、自動面付け部2810が面付け処理を行い、その出力である面付け後のデータ(即印刷形式)に対し、図17において1710−bの経路で処理を実行し、保管庫2200内に文書1用の即印刷形式文書(2211−b)を保管した。
【0046】
また、文書1(2211−a)についてジョブチケットaを付けて、(c)の保管と印刷を指示した場合の処理内容も、基本的に(a)印刷や(b)保管の場合と同様である。この場合、自動面付け部2810による面付け処理の出力である面付け後のデータ(即印刷形式)に対し、図17において1710−cの経路で処理が実行され、面付け後のデータが保管庫2200に、即印刷形式の文書1740−3として格納される。その後、この即印刷形式文書1740−3の内容がプリンタエンジン500に送られ、印刷も実行される。
【0047】
即印刷形式文書・ジョブチケット・単数方式の場合、ある文書について、(b)保管、(c)保管と印刷を指示すると、該文書について即印刷形式文書が未だ保管庫にない場合(例えば図5の文書3)、自動面付けで生成された即印刷形式の文書をそのまま保管庫に格納した。一方、該文書について即印刷形式文書が既に保管庫にある場合(例えば図5の文書1)、自動面付けで生成された即印刷形式の文書を、保管庫に上書きで格納した。つまり、既に保管庫にあった即印刷形式文書の変わりに、新たに生成された即印刷形式の文書を保管した。なお、上書きする場合、保管庫管理指示部3170が、計算機300の画面に上書きしますが良いですかと表示し、ユーザが了承した場合のみ上書きし、了承しない場合は、生成された即印刷形式文書の上書き保管を行わないようにした。
【0048】
一方、即印刷形式用文書・ジョブチケット・複数方式を用いた場合、ある文書について、(b)保管、(c)保管と印刷を指示したとする。該文書について即印刷形式文書が未だ保管庫にない場合(例えば図5の文書3)、自動面付けで生成された即印刷形式の文書をそのまま保管庫に格納した。また、該文書について即印刷形式文書が既に保管庫にある場合も(例えば図5の文書1)、自動面付けで生成された即印刷形式の文書を、保管庫に別ファイルとして保管庫に格納した。
【0049】
ユーザが(b)保管や(c)保管と印刷の指示で付けたジョブチケットも、上記別ファイルとリンクしたファイルとして格納した。
【0050】
即印刷形式用文書・ジョブチケット・複数方式を用いる場合、各ジョブチケット用の即印刷形式文書をすべて保管庫に保持できる。従って、ある文書について、既に登録済みのジョブチケットを指定して印刷する場合、必ずプリンタエンジン最高性能での印刷を保証することができるという利点がある。
【0051】
一方、即印刷形式用文書・ジョブチケット・単数方式を用いる場合、ある文書について、既に登録済みのジョブチケットを指定して印刷を指示しても、指定したジョブチケットが即印刷形式文書用でない場合、プリンタ最高性能で印刷できるとは限らない。この場合、編集形式文書を入力として、描画部でのドット展開を経て印刷するためである。これについては、後でさらに説明する。
【0052】
面付けの種類としては、1UP、2UP、4UP、中綴じ、2丁付け、ダブルスピードと呼ぶものを提供し、前述のジョブチケットを用いてい保管庫管理指示部3170が保管庫管理サービス部2230に指示する。各面付けの種類を図18、図19、図20に示した。
【0053】
プリンタエンジン最高性能での印刷を確実にするためには、出力先として保管を選択し、面付けした文書を即印刷形式の文書(1740−3)として作成し、一度保管庫に格納する。その保管庫に格納された文書(1740−3)について、文書名と即印刷形式文書に対応するジョブチケット名を入力とする印刷を、保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230に対し指示することで、エンジン最高性能での印刷を保証した。
以上のような方法で自動面付けを行うことで、初めに文書を編集可能形式で文書を保管庫に格納した場合、該文書に自動面付けを施し、即印刷形式で保管することにより、該文書について編集可能形式に加え、即印刷形式でも保管できるようにした。この時、後で説明するように、編集可能形式と即印刷形式の両形式で保管されている該文書を、同じ名称で管理するようにし、ユーザの使い勝手を向上した。またこの時、編集可能形式と即印刷形式のうちいずれかを削除できるようにした。これにより、同一名称で管理する各文書について、編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せで、保管庫に格納できるようにした。
【0054】
以下、図2、図4、図5、図6を用いて、プリンタコントローラ200における処理内容を詳しく説明する。
【0055】
図2、図6に示すように、プリンタコントローラ200は第2の通信部610、第2のOSカーネル部620、スプール2100、保管庫2200、出力ワーク部2400、出力ワークb部2520、及び第2のOSカーネル部620上の各処理部で構成する。
【0056】
第2のOSカーネル部620は、該プリンタコントローラ200を構成するハードウェア、ユーザインターフェース等を制御するための基本ソフトウェア(オペレーティングシステムとも呼ぶ)である。
【0057】
第2の通信部610は、ネットワーク400を介し、プリンタ100がネットワーク上の各種装置(計算機、プリンタ、スキャナ等)と通信を行うための、ハードウェアとソフトウェアで構成する。第2の通信部610は第2のOSカーネル部620の一部ともみなせるが、そこを明記するために別要素として記述した。
【0058】
ここで、スプール2100、保管庫2200、出力ワーク部2400について説明する。
【0059】
スプール2100は計算機310,320,330がプリンタコントローラ200に対して発行する印刷等の各種要求(以下、印刷要求と呼ぶ)を受付け、登録するための待ち行列(キューとも呼ぶ)である。各計算機からプリンタコントローラ200への上記各種要求としては、(a)保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への印刷、保管、保管と印刷の要求、及び(b)応用プログラム部3140からプリンタ論理ドライバ部3130を介した印刷要求等がある。
【0060】
プリンタコントローラ200は上記各印刷要求を印刷ジョブとして、該スプール2100に受付け順に登録する。本登録では、(i)各印刷ジョブを管理するためのジョブ名(通し番号付き)、登録日時、印刷文書容量(サイズ)、ジョブチケット等の管理情報と(ii)実際の印刷内容である印刷データの対を、ファイルとして登録する。上記(a)「保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への印刷、保管、保管と印刷の要求」の場合、印刷データとして編集形式文書、即印刷形式文書が使われる。一方、上記(b)「応用プログラム部3140からプリンタ論理ドライバ部3130を介した印刷要求」の場合、印刷データとして、PDL形式の文書が使われる。
【0061】
スプール制御サービス部2110は以下の三機能を実行する。
【0062】
(1)印刷ジョブの受付けとスプールへの登録。
【0063】
(2)スプールに格納済みの印刷ジョブの受付け順での実行。
【0064】
(3)計算機310,320,330内のスプール制御指示部3160からの要求の実行。
【0065】
上記(1)では、前述のように、各計算機からプリンタコントローラ200への上記各種要求として、(a)保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への印刷、保管、保管と印刷の要求、及び(b)応用プログラム部3140からプリンタ論理ドライバ部3130を介した印刷要求等を受付ける。
【0066】
上記(2)では、スプール読出し部2120がスプール2100内の印刷ジョブを順に読出し、処理する。この時、上述の(b)の「応用プログラム部3140からプリンタ論理ドライバ部3130を介した印刷要求」では、スプール読出し部2120がスプール内の印刷データとして格納されているPDL形式の文書を、スプール2100から読出し、処理する。PDLとして複数個のPDLをサポートした場合、該スプール読出し部2120又は描画部2310で、PDL種別を判別し、PDL対応の処理を実行するようにした。上述の(a)の「保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への印刷、保管、保管と印刷の要求」では、スプール読出し部2120がスプール内の印刷データとして格納されている文書ファイル名を読み込む。続いてスプール読出し部2120が、この読み込んだ文書ファイル名を有する文書を、保管庫2200から読出し、処理する。該文書ファイル名を有する文書は、保管庫2200内に、編集可能形式又は即印刷形式として格納されている。
【0067】
登録された印刷ジョブは、受付け順に、図2に示したスプール制御サービス部2110内のスプール読出し部2120が読出し、印刷処理の後段に渡す。
【0068】
保管庫2200は、図16、図17を用いて説明したように、各計算機310,320,330がプリンタコントローラ200に対して発行する文書の登録や保管の要求に対応して、プリンタコントローラ200が該文書を格納するための格納部である。本保管庫2200への登録、保管、印刷、保管と印刷、参照、削除、名前変更、表示・編集、移動、コピー、検索等の各種要求は、図2に示した保管庫管理サービス部2230が受付け、処理を実行する。上記各種要求は、保管庫に対する読出し、書込み等の要求として処理される。
【0069】
上記各処理部はソフトウェアの分野においてタスク又はプロセスと呼ばれる処理単位で実装した。各タスクは、プリンタコントローラと外部の機器、デバイスとの間の入出力やプリンタコントローラ内部の処理状況に応じ、第2のOSカーネル部620が実行を切替えるようにした。これにより、プリンタコントローラにおける印刷や保管の性能を向上し、印刷スループットと保管スループットを高めた。
【0070】
タスクとして具体的には、プリンタ構成管理サービス部2000、保管庫管理サービス部2230、スプール制御サービス部2110、描画部2310、圧縮部2320、自動面付け部2810、印刷制御部2510、エンジン/フィニッシャ制御部430を設けた。
【0071】
以上の各タスクの処理内容は、後で図2、図4、図6等を用いて、説明するが、概要を以下で説明する。
【0072】
プリンタ構成管理サービス部2000は、計算機310,320,330内のプリンタ構成管理指示部3180からの要求を実行するための処理部である。
保管庫管理サービス部2230は、計算機310,320,330内の保管庫管理指示部3170からの要求を実行するための処理部であり、既に説明した。
【0073】
描画部2310はPDL形式の文書を入力し、描画、つまりPDL文書を構成する文字要素、図形要素、イメージ要素の各々をドット展開し、ドットイメージ形式にして出力する。描画部2310からの出力は圧縮部2320へ渡される。
【0074】
圧縮部2320は圧縮前の元のドットイメージ形式の文書を入力し、出力を出力ワーク部2400へ出力する。圧縮部2320にはその動作モードとして圧縮モードと非圧縮モードを持たせた。圧縮モードの場合、入力されたドットイメージデータに対し画像圧縮処理を施し、データ量を減らした圧縮形式のドットイメージとして、出力ワーク部2400へ出力する。圧縮のアルゴリズムとしてはMH、MR、MMR、LZW、AHA、LZW、JBIG、JPEG等の中から、適切なものを選択して用いた。非圧縮モードの場合、入力されたドットイメージデータを非圧縮形式のまま出力ワーク部2400へ出力した。
【0075】
自動面付け部2810は伸張機能2810A、面付け機能2810B、圧縮機能2810Cで構成し、出力ワーク部2400内のドットイメージデータを入力として処理する。初めに入力されたドットイメージデータが非圧縮形式か圧縮形式か判定する。非圧縮形式の場合、そのまま面付け機能2810Bに入力される。圧縮形式の場合、伸張機能2810Aで伸張し非圧縮形式のドットイメージデータに変換してから、面付け機能2810Bに入力される。面付け機能2810Bは、前述の面付け処理を行う。面付け処理は、面付け処理を施したドットイメージデータを圧縮機能2810Cに出力する。圧縮機能2810Cは入力されたドットイメージデータに対し、前述の圧縮部2320と同様の圧縮処理を施し、圧縮されたドットイメージデータを出力する。この出力は自動面付け部2810が、図17で説明した(a)保管、(b)印刷、(c)保管と印刷の各場合に、次のように処理される。
【0076】
(1)保管の場合
保管庫2200に出力され、即印刷形式の文書データとして、格納される。
【0077】
(2)印刷の場合
出力ワークb部2520へ出力され、格納される。この出力ワークb部2520のデータを後で、エンジン出力機能2600が読出し、印刷がなされる。
(3)保管と印刷の場合
保管庫2200に出力され、即印刷形式の文書データとして、格納される。
【0078】
その後、この保管庫2200へ格納された文書データが、出力ワークb部2520へ出力、格納される。この出力ワークb部2520のデータを後で、エンジン出力機能2600が読出し、印刷がなされる。
【0079】
以上の図17を用いて説明した自動面付け方法を描画後自動面付け方式と呼ぶ。
【0080】
以上の図17、図2を用いた自動面付け方法を、以下のように変えても同様にして実現することができる。この自動面付け方法を、描画前自動面付け方式と呼ぶ。描画前自動面付け方式では、編集可能形式文書を保管庫2200から読み出し、自動面付けB部(図示していない)へ入力する。該自動面付けB部は、該編集可能形式文書を入力として自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を編集可能形式の文書として、描画部2310へ出力する。自動面付け処理の内容は描画後自動面付け方式と同様であり、図18〜図21で説明した1UP、2UP、4UP、中綴じ、2丁付け、ダブルスピード等の面付けを行う。
【0081】
2丁付けについては、図20に示す二つのタイプを提供した。タイプ1(20A1)の2丁付けでは、二つの面を同一方向に配置する。一方、タイプ2(20A2)の2丁付けでは、20A3に示したように、二つの面のうち片方の面を180度回転して配置した。
【0082】
本印刷システムでは、ジョブチケットを選択することでこの二タイプの2丁付けから一方を選択できるようにした。なお、片方の2丁付けのみを実装し、ジョブチケットで選択することを不要にすることもできる。
【0083】
本描画前自動面付け方式は、編集可能形式文書を入力及び出力として面付け処理を行えるので、図18〜図21では扱わなかった拡大縮小を伴うような、面付け処理をしても、面付け結果の画質が劣化しないという長所を有する。
【0084】
以上の図17、図2を用いた自動面付け方法を、さらに次のように変えても同様にして実現することができる。この自動面付け方法を、即印刷形式文書入力・自動面付け方式と呼ぶ。即印刷形式文書入力・自動面付け方式では、保管庫2200内の編集可能形式文書を1UP、片面印刷仕様で描画部2310によりドット展開した後、圧縮部2320で圧縮した文書を、即印刷形式の原稿文書として一旦保管庫2200に保管しておく。該方式では、この即印刷形式の原稿文書を保管庫2200から読み出し、自動面付けC部(図示していない)へ入力する。該自動面付けC部は、該即印刷形式文書を入力として自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を即印刷形式の文書として出力する。出力先としては、図17と同様、保管、印刷、保管と印刷を選択できるようにした。また自動面付け処理の内容は前述の描画後自動面付け方式や描画前自動面付け方式と同様であり、図18〜図21で説明した1UP、2UP、4UP、中綴じ、2丁付け、ダブルスピード等の面付けを行った。該即印刷形式文書入力・自動面付け方式では描画後自動面付け方式や描画前自動面付け方式のように、自動面付けの度に、毎回描画部2310による処理を行わないで済む点が優れる。本即印刷形式文書入力・自動面付け方式では、各文書について描画部を1度だけ動作させ、即印刷形式の原稿文書を一度作れば良い。
【0085】
以上で説明した自動面付け処理では、保管と印刷の処理を独立に動作させることにより、印刷システムの全体性能を向上できるようにした。
【0086】
印刷制御部2510は、前記出力ワークb部2520から圧縮形式のドットイメージデータを読出し、エンジン出力機能2600へ出力する。
【0087】
エンジン出力機能2600は印刷制御部2510から圧縮形式のドットイメージデータを入力として受取り、各種処理を施した後、プリンタエンジン500へ出力する。
【0088】
なお、先に圧縮部2320や圧縮機能2810Cにおいて圧縮されたドットイメージデータは、エンジン出力機能2600内のエンジンI/Fアダプタ2640で伸長処理を施し、生のドットイメージデータに戻してから、プリンタエンジン500へ出力した。
【0089】
以上の各タスクの処理はソフトウェアで行ったが、各タスクの全体又は一部の処理の実行を分担する補助ハードウェアを実装し、各タスクの処理性能を向上することもできる。例えば、描画部2310、圧縮部2320、伸張機能2810A、及び圧縮機能2810Cについて実施すると効果が大きい。本発明でも、性能向上が必要な場合、オプションとして実施した。
【0090】
図2を用いて、プリンタコントローラ200の処理内容をさらに詳しく説明する。
【0091】
プリンタ構成管理指示部3180からの要求は、プリンタ構成管理サービス部2000が受付け、実行する。
【0092】
スプールへの印刷ジョブの登録要求3111は、スプール制御サービス部2110が受付け、印刷ジョブとしてスプール2100に登録される。図3で説明したように、プリンタに対し計算機300は印刷ジョブの登録要求3111を、前述のように、(a)保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への印刷、保管、保管と印刷の要求、及び(b)応用プログラム部3140からプリンタ論理ドライバ部3130を介した印刷要求等として、出す。
【0093】
スプールへ格納された各印刷ジョブは、スプール読出し部2120が順次読出し、実行する。スプール読出し部2120は各計算機からの上記(a)と(b)に対応する各処理要求を解析し、次のいずれであるか判別する。
【0094】
各場合に対し、以下のようにコード1からコード4を割り当てる。
【0095】
(1)応用プログラムからのプリンタ論理ドライバ部を経由した印刷;コード1。
【0096】
(2)保管庫管理指示部からのある文書n、ジョブチケットaについての保管の指示;コード2。
【0097】
(3)保管庫管理指示部からのある文書n、ジョブチケットaについての印刷の指示;コード3。
【0098】
(4)保管庫管理指示部からのある文書n、ジョブチケットaについての保管と印刷の指示;コード4。
【0099】
コード2〜4が指示された場合、図17や図2を用いて既に説明した手順で、保管、印刷、保管と印刷を行った。
【0100】
印刷制御部2510は以下の処理を行う。
(1)ページシーケンス制御。
(2)各ページへのエンジン制御情報とフィニッシャ制御情報の設定。
【0101】
(1)のページシーケンス制御では、計算機310,320,330から受信した文書の論理的なページ順序を、プリンタエンジン500が印刷時に必要とする物理的なページ順序に変換する。
【0102】
片面印刷の場合、通常ページ順序は変換しない。
【0103】
両面印刷の場合、プリンタエンジン500の要求するページ順序変換を行う。
【0104】
通常次の2タイプがある。
【0105】
(a)巡回型両面印刷
論理的なページ順序であるページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5、ページ6、ページ7、ページ8、ページ9、ページ10を、用紙サイズ毎の滞留枚数で定まる物理的なページ順序に変換する。滞留枚数が3枚で10ページ分の印刷を行う場合、ページ2、ページ4、ページ6、ページ1、ページ8、ページ3、ページ10、ページ5、ページ7、ページ9へ変換する。
【0106】
(b)中間トレイ型両面印刷
論理的なページ順序であるページ1、ページ2、ページ3、ページ4、ページ5、ページ6、ページ7、ページ8、ページ9、ページ10を、用紙サイズ毎の中間トレイ格納最大枚数で定まる物理的なページ順序に変換する。中間トレイ格納最大枚数が3枚で10ページ分の印刷を行う場合、ページ4、ページ5、ページ6、ページ1、ページ2、ページ3、ページ9、ページ10、ページ7、ページ8へ変換する。
【0107】
(2)では各ページ毎に、エンジン制御情報とフィニッシャ制御情報を設定する。エンジン制御情報としては給紙部、排紙部について設定し、フィニッシャ制御情報ではステープル止め、穴あけ、平綴じ、中綴じ等を設定する。
【0108】
スプール制御指示部3160からの各種要求は、スプール制御サービス部2110が受付け、実行する。各種要求としては例えば以下のものを用意した。
(1)印刷ジョブの一覧表示
(2)印刷ジョブの削除
(3)印刷ジョブの保留
(4)印刷ジョブの保留解除
(5)印刷ジョブ詳細情報の表示
(6)プリンタの一時停止
(7)プリンタの再開
(8)プリンタ内の全印刷ジョブの削除
(9)プリンタの状態表示
(10)プリンタの仕様、設定値の表示
保管庫管理指示部3170からの各種要求は、保管庫管理サービス部2230が受付け、実行する。各種要求としては前述のように、例えば以下のものを用意した。
(1)ドキュメントの一覧表示(ソート機能付き)
(2)ドキュメントの削除
(3)ドキュメントの印刷
(4)ドキュメントの保管
(5)ドキュメントの保管と印刷
(6)ドキュメントの表示・編集
(7)ドキュメントの名前変更
(8)ドキュメントの移動
(9)ドキュメントのコピー
(10)ドキュメントの検索
(11)編集可能形式ドキュメントの登録
(12)即印刷形式ドキュメントの登録
(13)フォルダの一覧表示(ソート機能付き)
(14)フォルダの作成
(15)フォルダの削除
(16)フォルダの名前変更
(17)フォルダの移動
(18)フォルダのコピー
なお、(3)ドキュメントの印刷、(4)ドキュメントの保管、(5)ドキュメントの保管と印刷では、前述のように、ジョブチケットを用いて、面付け、給紙部、排紙部についての仕様を指定する。
【0109】
ここで、上記(11)編集可能形式ドキュメントの登録では、図16を用いて説明したように、計算機内のPDL形式の文書を、保管庫に編集可能形式の文書として登録する。上記(12)即印刷形式ドキュメントの登録では、図16を用いて説明したように、計算機内のドットイメージ形式の文書を、保管庫に即印刷形式の文書として登録する。
【0110】
次に図4を用いてエンジン出力機能2600の処理内容を説明する。
【0111】
エンジン出力機能2600はエンジン/フィニッシャ制御部430、エンジンI/Fアダプタ2640、パネル制御ドライバ450、パネルI/Fアダプタ760で構成する。430、450の各処理は、各々エンジンI/Fアダプタ2640、パネルI/Fアダプタ760といった各機器やデバイス(プリンタエンジン500、フィニッシャ510、操作パネル770)を制御するためのハードウェアアダプタを介して、各機器の入出力制御を行う。
【0112】
印刷制御部2510は、エンジン/フィニッシャ制御部430に順次、前述の出力ワークb部2520からのドットイメージ形式のデータの読出しと出力バッファ部410への書込みを指示する。出力バッファ部410はエンジンI/Fアダプタ2640内に設け、複数頁分の出力バッファで構成した。そして、エンジン/フィニッシャ制御部430による(i)ある出力バッファへの書込みと、(ii)別の出力バッファ(書込み済み)からプリンタエンジンへの読出しを、並行処理できるようにした。
【0113】
エンジン/フィニッシャ制御部430はタスク又はプロセスとして実装され、エンジンI/Fアダプタ2640を介したプリンタエンジン500との間のリアルタイムな入出力処理機能を有する。エンジン/フィニッシャ制御部430は、出力バッファ部410に関する管理テーブルを更新しながら、上述の(i)と(ii)を実行するため、エンジンI/Fアダプタ2640を制御する。
【0114】
また、パネル制御ドライバ450をデバイスドライバとして用意し、プリンタコントローラ200内の各タスクやプロセスが、操作パネル770の制御のために使えるようにした。なお、操作パネル770は通常のプリンタが利用するものと同様なものである。また図4では、フィニッシャ510の制御も、エンジン/フィニッシャ制御部430がエンジンI/Fアダプタ2640を制御すると、プリンタエンジン500を介して、行えるようにした。
【0115】
次に図7と図8を用いて、本印刷システムを構成する各装置のハードウェア構成を説明する。
【0116】
初めに 図7を用いて、プリンタコントローラ200について説明する。
プリンタコントローラ200は、MPU700、システムバス701、ROMメモリ710、RAMメモリ711、キーボード721、マウス722、ディスクコントローラ731、二次記憶装置732、表示コントローラ741、ディスプレイ742、ネットワークコントローラ750、ローカルI/Fアダプタ780、パネルI/Fアダプタ760、操作パネル770、エンジンI/Fアダプタ2640からなる装置である。
【0117】
システムバス701は、MPU700の各種入出力信号(アドレス信号、データ信号、その他の制御信号)からなる。
【0118】
MPU700は本システムバス701を介して、キーボード721、二次記憶装置732、ディスプレイ742、ネットワーク400等の周辺装置や、ROMメモリ710、RAMメモリ711等のメモリと入出力を行う。
【0119】
キーボード721は複数の入力用鍵盤からなる入力装置であり、ポインティングデバイスの一種であるマウスが接続されている。二次記憶装置732は、ディスクコントローラ731を介して、またディスプレイ742は表示コントローラ741を介してシステムバス701に接続されている。また本装置のシステムバス701は、LANやWAN等のネットワーク400にネットワークコントローラ750を介して接続されている。
【0120】
ネットワーク400の物理I/FとしてはEthernet、Token-Ring、FDDI(Fiber Distributed Data Interface,)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)、ISDN(Integrated Services Digital Network)等を用い、使用する物理I/Fの種類に応じて本ネットワークコントローラ750のハードウェア論理として適切なものを実装する。
【0121】
ローカルI/Fアダプタ780はプリンタコントローラ200を計算機に直接接続するためのアダプタである。この場合、計算機とのインターフェースとしてはセントロニクス、SCSI、fiber channel、IEEE1394、USB、RS-232C、RS-422/423等を用い、プリンタローカルI/Fアダプタを用いて接続する。
【0122】
パネルI/Fアダプタ760は操作パネル770とのインターフェースを行うためのアダプタである。この場合、パネルとのインターフェースとしてはRS-232C、独自インターフェース等を用いる。
【0123】
エンジンI/Fアダプタ2640はプリンタエンジン500とのインターフェースをとるためのアダプタである。この場合プリンタエンジン500とのインターフェースとしてはビデオインターフェースを用いる。
【0124】
ROMメモリ710にはプリンタコントローラ200の初期化立上げプログラム(IPL(Initial Program Loading)プログラムとも呼ぶ)と文字フォントの一部を格納する。
【0125】
RAMメモリ711には(a)プリンタコントローラの制御プログラム、(b)文字フォントの残り、(c)各種バッファメモリ、(d)各種管理テーブル、その他を格納する。これらのうち(a)と(b)は前記IPLプログラムにて、二次記憶装置732からロードすることにより、格納する。また(a)と(b)はRAMメモリ711に格納せず、ROMメモリ710に予め格納しておいてもよい。また逆にROMメモリ710には文字フォントを一切格納せず、すべてRAMメモリ711に格納してもよい。
【0126】
エンジンI/Fアダプタ2640は、MPU700の指示に従い、プリンタエンジン500との間で入出力処理を行う。
【0127】
エンジンI/Fアダプタ2640は該アダプタ2640内の出力バッファ部410の内容のプリンタエンジン500への読出し処理(451に対応)を行う。本読出し処理は、該エンジンI/Fアダプタ2640に内蔵されているDMA(Direct Memory Access)機能を用いて行う。紙面一ペ−ジ分のドットイメージデ−タの出力バッファ部410内のある出力バッファからの読出しが終了した時点で、エンジンI/Fアダプタ2640がMPU700に対し割込み信号(MPU700用のバス信号の一部)をアサートし、MPUによる出力バッファ部410の読出し終了割込み処理を起動する。本読出し終了割込み処理では、読出しの終わった出力バッファが次のページの印刷で使えるようになった旨、出力バッファ部に関する前記管理テーブルに設定するとともに、該出力バッファの空きを待っているエンジン/フィニッシャ制御部430等のタスクを、該空き状態から解除する。
【0128】
エンジンI/Fアダプタ2640は、読込んだ圧縮形式のドットイメージデータに伸長処理を施し、圧縮前のドットイメージに戻し、該ドットイメージをパラレルシリアル変換しシリアル形式にしてから、プリンタエンジンとの間の画像転送信号451を用いて、プリンタエンジン500へ出力した。パラレルシリアル変換をしないで、451の画像転送信号をパラレル形式のままで転送するようにしても良い。
【0129】
エンジンI/Fアダプタ2640は、プリンタエンジン500との間のコマンド送信、ステータス受信用の信号452を用いて、プリンタエンジン500へ問合せや指示のためのコマンドを送信したり、プリンタエンジン500から応答ステータスを受信する。
【0130】
なお、エンジンI/Fアダプタ2640の実装方法としては、該アダプタに専用のサブMPUを載せる方法と、載せずに前記MPU700にて必要な制御処理を行わせる方法の2通りがある。どちらを用いても、実現することができる。
【0131】
次に、図8を用いて、計算機300のハードウェア構成について説明する。 計算機300は、MPU800、システムバス801、ROMメモリ810、RAMメモリ811、キーボード821、マウス822、ディスクコントローラ831、二次記憶装置832、表示コントローラ841、ディスプレイ842、ネットワークコントローラ850、プリンタアダプタ860からなる装置である。以上のうち、プリンタアダプタ860以外の部分はプリンタコントローラ200の場合と同様に実現することができる。
【0132】
プリンタアダプタ860は計算機300がプリンタコントローラ200とプリンタローカルI/Fケーブルを用いて、直接接続するために用いる。この場合、計算機とプリンタコントローラ200のインターフェースとしてはセントロニクス、SCSI、fiber channel、IEEE1394、USB、RS-232C、RS-422/423等を用いる。
【0133】
また、保管庫に格納されている各文書を文書名とその属性で管理しても良い。この場合、該属性にPDL形式、表示・編集形式、非圧縮タイプのドットイメージ形式、圧縮タイプのドットイメージ形式の任意の組合せである保管形式群を含めた。
【0134】
図14を用いて、各文書の属性を説明する。各文書には例えば編集1402、印刷1403という二つの属性を持たせた。なお、編集属性1402は第1実施例では必ずしも必要でなく、第2実施例と第3実施例で使うが、ここで説明する。
【0135】
編集属性1402には編集可能(1402−1で指し示したマークで示した)と編集済み(1402−2で指し示したマークで示した)の二通りの値を持たせた。
【0136】
前者の編集可能1402−1は、文書が編集可能形式でも保存されており、第2実施例で説明するように、編集用応用プログラムを用いて該文書に対し表示・編集を行うことができることを示す。
【0137】
後者の編集済み1402−2は、文書が編集可能形式だが既に編集用応用プログラムで編集されており、該編集用プログラムで開いて2回目以降の表示・編集を行うことができない(定義1)ことを示す。
【0138】
この編集済み1402−2については、以下のようにすることもできる。
【0139】
(1)編集用応用プログラムで何回でも開き、表示・編集ができるようにする(定義2)。
【0140】
(2)編集用応用プログラムで表示のためなら何回でも開けるが、編集迄行う場合は、2回目以降できないようにする(定義3)。
【0141】
つまり、編集済み1402−2の定義を、定義1、定義2、定義3のいずれかにしたり、或いは定義1、定義2、定義3の何通りかの組合せをサポートすることができる。
【0142】
定義2の仕様のみ使う場合、編集済み1402−2を、図14の画面に表示しないでも運用上問題がない。
【0143】
印刷属性1403には印刷可能(1403−1で指し示したマークで示した)と高速印刷可能(1403−2で指し示したマークで示した)の二通りの値を持たせた。高速印刷可能の代わりに、即印刷可能と呼んでも良い。
【0144】
前者の印刷可能1403−1は、該文書が印刷可能だが、必ずしもプリンタエンジン最高性能で印刷されない可能性があることを示す。その理由は、文書1411が編集可能形式でのみ保存され、即印刷形式では保存されていないことに対応する。
【0145】
後者の高速印刷可能1403−2は、該文書が高速に、プリンタエンジンの最高性能で印刷可能なことを示す。その理由は、文書1411が即印刷形式でも保存されていることに対応する。
【0146】
なお、同じ文書を即印刷形式から印刷する場合と、編集可能形式から印刷する場合、本印刷システムでは前者が後者より速いとしたため、上記印刷属性を持たせた。その速い理由は、編集可能形式の文書を印刷する場合、該文書(PDL形式)に対し、描画部2310と圧縮部2320による処理を経て、出力ワーク部2400にドットイメージ形式(圧縮タイプ)の文書を作ってから印刷するが、即印刷形式の文書を印刷する場合、この描画部と圧縮部による処理が不要であり、保管庫2200内の即印刷形式(圧縮タイプのドットイメージデータ)の文書から印刷処理を始めることができるためである。特に描画部2310の頁当たりの最大処理時間を一定値以下とすることを保証するのが、難しいためである。一方、即印刷形式から印刷する場合はプリンタエンジン最高性能での印刷を保証することができる。
【0147】
また各文書についてその名前1401は一つだが、編集属性1402、印刷属性1403、サイズ1404、登録者(日時)1405、最終利用者(日時)1406は二行で記述した。上側の行は編集可能形式文書についての属性を示し、下側の行は即印刷形式文書についての属性を示した。
【0148】
具体的には、文書1411について上側の行1411−1に、編集可能形式文書として保管してあるので編集可能1402−1、その編集可能形式文書のサイズ、登録者と日時、最終利用者と日時を記録した。また文書1411について下側の行1411−2に、即印刷形式文書として保管してないので印刷可能1403−1(PDL文書としては保存)と記録した。その他の、サイズ、登録者と日時、最終利用者と日時の項目は即印刷形式文書がないので、空白とした。
【0149】
文書1412について上側の行1412−1に、編集可能形式文書として保管してあるが編集済みなので編集済み1402−2、その編集可能形式文書のサイズ、登録者と日時、最終利用者と日時を記録した。また文書1412について下側の行1412−2に、即印刷形式文書も保管してあることに伴う高速印刷可能1403−2、そのドットイメージ文書のサイズ、登録者と日時、最終利用者と日時を記録した。
【0150】
以上の管理の下で、計算機からプリンタへ該文書についての印刷要求を上記文書名で行うと(ジョブチケットとしてジョブチケットaを指定)、プリンタ内の印刷処理部が、該文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、該文書が編集可能形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式、表示・編集形式、のうちどの組合せで保管されているか判定した。
その判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うようにした。
【0151】
図14のように、保管庫に文書が保管されている時、ユーザは次のようにして、文書の高速印刷を実行することができる。
【0152】
文書1412の画面表示をみると、高速印刷可能(1403−2のマーク)が付いている。そこで、文書1412を選び、そのジョブチケットの選択画面を開く。そこに、文書1412用のジョブチケットとして
ジョブチケット1
ジョブチケット2
ジョブチケット3*
ジョブチケット4
ジョブチケット5
が一覧表示されるものとする。
【0153】
これらのジョブチケットの一覧表示において、ジョブチケット3には*マークを付けたが、これは即印刷形式文書用のジョブチケットであることを示す。
【0154】
このジョブチケット3を選び、文書1412についての印刷を保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230に指示すると、プリンタ最高性能で印刷することができる。
【0155】
次の場合には、プリンタエンジン最高性能での印刷を保証できるとは限らない。保管庫2200内の文書のうち編集可能形式の文書に対し、描画部2310による処理を経て、印刷がなされるためである。
【0156】
(1)高速印刷可能マークの付いていない文書(例えば文書1411)の印刷を保管庫管理指示部3170から指示する場合。
【0157】
(2)高速印刷可能マークが付いている文書(例えば1412)に対し、そのジョブチケット一覧である。
【0158】
ジョブチケット1
ジョブチケット2
ジョブチケット3*
ジョブチケット4
ジョブチケット5
の中から*マークの付いていないジョブチケット(例えばジョブチケット2)を選んで印刷を指示する。
【0159】
なお、図14を用いたこの説明では即印刷形式データを、各文書について、一つしか残さない(前述の即印刷形式用文書・ジョブチケット・単数方式)ので、*マークがジョブチケットに一つしか付いていない。
【0160】
即印刷形式データを、各文書について複数残すようにし、*マークの付いたジョブチケットを複数残すこともできる(前述の即印刷形式用文書・ジョブチケット・複数方式)。この場合、ユーザはこれらの*マークを付けたジョブチケットを選べるケースが増え、この場合この選んだ*マークの付いたジョブチケットに対応する即印刷形式データを用いた印刷を行うことができるので、プリンタエンジン最高性能での印刷のケースを増やすことができる。
【0161】
次に本発明の第2実施例について説明する。
【0162】
第2実施例の説明で使う図面は第一実施例用の図面に構成要素を追加したものである。具体的には、図2、図3、図6について構成要素を追加した。第一実施例用のその他の図面は、第二実施例でもそのまま使った。
【0163】
なお、第2実施例で追加した構成要素は、第1実施例では不要である。図面のスペースを節約するため、同じ図面で二つの実施例を説明した。
【0164】
まず図6、図2、図3への構成要素の追加について、説明する。
【0165】
プリンタコントローラ200に、図6に示すように文書形式変換部2700を追加した。文書形式変換部2700は、保管庫2200に保管されている保管形式の文書の形式を表示・編集形式の文書に変換するための部分である。文書形式変換部2700にはさらに、PDL形式変換部2710とイメージ形式変換部2720を設けた。 保管形式としては、前述のように、編集可能形式と即印刷形式を考案、実装し、利用できるようにした。
【0166】
PDL形式変換部2710は、該保管庫に保管されている編集可能形式(保管形式の一つ)の文書を表示・編集形式の文書に変換する部分である。編集可能形式の例としては、Adobe社のPostScript(登録商標)とPDF(Portable Document Forma;登録商標)、HP社のPCL-5,PCL-5E,PCL-6,PCL-XL(登録商標)等がある。
【0167】
また表示・編集形式とは、計算機300上の応用プログラム部3140(編集用応用プログラム1部3141、編集用応用プログラム2部3142を含む)が文書の画面への表示や文書内容の編集(面付け編集等)を行うための形式であり、Adobe社のPDF(PortableDocument Format ; 登録商標)、HTML(Highper Text Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)、SGML(Standard GeneralizedMarkup Language)、Microsoft社のEMF(Enhanced MetaFile)等がある。これらは、前述の編集可能形式と必ずしも一致していないが、相互に変換可能である。
【0168】
イメージ形式変換部2720は、該保管庫2200に即印刷形式文書(保管形式の一つ)として保管されている圧縮タイプの即印刷形式の文書(ドットイメージデータ)を非圧縮タイプの即印刷形式の文書(ドットイメージデータ)に伸長し、変換する部分である。圧縮アルゴリズムとしては、先に示した任意のものを用いることができる。また上記イメージ形式変換部2720における伸長処理は、プリンタコントローラ200内の(a)MPU700上のソフトウェア又は(b)専用ハードウェア(図7には示さず)で行った。
【0169】
図2にも、図6と同じ意味で、文書形式変換部2700、PDL形式変換部2710、イメージ形式変換部2720を設けた。図2に示したように、保管庫管理指示部3170が保管庫管理サービス部2230に指示し、様々な保管庫管理のためのサービス処理を行わせる。この時、上記保管庫管理指示部3170から保管庫管理サービス部2230への指示内容に従い、必要に応じて、保管文書の形式を変換する必要が生じる。この時、保管庫管理サービス部2230が該文書形式の変換を、上記文書形式変換部2700を用いて実行する。
【0170】
計算機には、図3に示すように編集用応用プログラム1部3141と編集用応用プログラム2部3142を設けた。編集用応用プログラム1部3141は前述のPDF等の表示・編集形式の文書を表示・編集することのできる応用プログラムである。編集用応用プログラム2部3142はドットイメージ形式の文書を表示・編集するための応用プログラムである。ドットイメージ形式としては非圧縮タイプと圧縮タイプの2種類があるが、該編集用応用プログラム2部3192は非圧縮タイプの方しか処理できないものとして、以下説明する。なお、該プログラム3142が圧縮タイプの文書を直接処理できる場合についても、同様に機能を実現することができる。
【0171】
また一つのプログラムに、上記編集用応用プログラム1部と編集用応用プログラム2部の両方の機能を持たせることも可能である。つまり、3141と3142を同一プログラムで実現することもできる。3141の例としては、Adobe社のAcrobat4.0(登録商標)等がある。
【0172】
上記編集用応用プログラム1部と上記編集用応用プログラム2部には、表示・編集機能の一つとして、図18から図20で説明したような面付け機能も実装した。これらの面付け機能は、第1実施例で説明した自動面付け部2810が行う面付けとは異なり、対話型面付けと呼ぶ。保管庫2200内の文書を計算機300に転送し、計算機300でその画面を見ながら対話的に面付け処理を行うため、対話型面付けと呼んだ。この対話型面付けは、図12において、ユーザがドキュメントツール・メニューで表示・編集を、ある文書(ドキュメント)に対して指示することで、起動される。
【0173】
また本実施例で、計算機からプリンタの保管庫に文書を保管形式で保管しておき、計算機からプリンタへ該文書についての表示・編集要求を行った場合、以下のようにした。
【0174】
つまり、プリンタがプリンタ内の保管文書の形式が計算機上の編集用応用プログラムの要求する表示・編集形式と呼ぶ文書形式と同じか判定し、同じならそのまま読出し、計算機に転送し、同じでないならば、プリンタ内の文書形式変換部を用いて、該保管庫に保管されている文書の形式(保管形式)を表示・編集形式の文書に変換した後、計算機に転送した。
【0175】
編集用応用プログラムが、プリンタから転送された上記表示・編集形式の文書を読出し、表示と編集を行うようにした。
【0176】
また計算機からプリンタの保管庫に編集可能形式と呼ぶ保管形式で文書を保管しておき、計算機からプリンタへ該文書についての表示・編集要求を行った場合は、以下のようにした。
【0177】
プリンタがプリンタ内の保管文書の形式が計算機上の編集応用プログラムの要求する表示・編集形式と呼ぶ文書形式と同じか判定し、同じならそのまま読出し、計算機に転送し、同じでないならば、プリンタがプリンタ内のPDL形式変換部を用いて、該保管庫に保管されている編集可能形式(保管形式)の文書を表示・編集形式の文書に文書に変換した後、計算機に転送した。
【0178】
計算機上の編集応用プログラム1部が、プリンタから転送された上記表示・編集形式の文書を読出し、表示と編集を行うようにした。
【0179】
また計算機からプリンタの保管庫に即印刷形式で文書を保管しておき、計算機からプリンタへ該文書についての表示・編集要求を行った場合は、以下のようにした。
【0180】
プリンタがプリンタ内の文書の形式を判定し、即印刷形式かつ非圧縮タイプのドットイメージ形式ならばそのまま読出し、計算機に転送し、圧縮タイプの即印刷形式ならば、文書形式変換部内のイメージ形式変換部を用いて、該保管庫に保管されている圧縮タイプの即印刷形式の文書を非圧縮タイプの即印刷形式の文書に変換した後、計算機に転送した。
【0181】
計算機上の編集応用プログラム2部3142が、プリンタから転送された上記非圧縮タイプのドットイメージ形式の文書を読出し、表示と編集を行った。
【0182】
また、保管庫に格納されている各文書を文書名とその属性で管理し、該属性に編集可能形式、表示・編集形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式の任意の組合せである保管形式群を含めた。このうち各文書についての編集と印刷の属性、及びその使い方は、第1実施例で図14を用いて説明した内容と同じである。なお、図14における編集属性1402とその値、編集可能1402−1と編集済み1402−2は、本第2実施例で使うと有効であるが、必須というわけではない。
【0183】
以上の管理の下で、計算機からプリンタへ該文書についての表示・編集を上記文書名で行うと、プリンタ内の印刷処理部が、該文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、該文書が編集可能形式、表示・編集形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式のうちどの組合せで保管されているか判定し、その判定結果に応じ最適な方法で表示・編集を行うようにした。
【0184】
例えば、プリンタの保管庫に前記表示・編集形式の文書が保管されているか判定し、あれば該表示・編集形式の文書をそのまま計算機に転送した。計算機上の編集用応用プログラム1部3141が、その転送された表示・編集形式の文書を読出し、表示と編集を行った。
【0185】
また、プリンタの保管庫に前記表示・編集形式の文書が保管されていないが編集可能形式の文書が保管されていると判定された場合、上記編集可能形式の文書をプリンタ内のPDL形式変換部2710を用いて表示・編集形式に変換してから、計算機に転送した。計算機上の編集用応用プログラム1部3141が、その転送された表示・編集形式の文書を読出し、表示と編集を行った。
【0186】
また、プリンタの保管庫に前記表示・編集形式の文書も編集可能形式の文書も保管されていないが即印刷形式の文書が保管されていると判定された場合、さらに該即印刷形式の文書が非圧縮タイプか判定した。非圧縮タイプであれば、そのまま読出し計算機に転送した。非圧縮タイプでなく、圧縮タイプならば、プリンタ内のイメージ形式変換部2720を用いて、保管庫に保管されている圧縮タイプの即印刷形式の文書を非圧縮タイプの即印刷形式の文書に変換した後、計算機に転送した。
【0187】
計算機上の編集用応用プログラム2部3142が、その転送された非圧縮タイプのドットイメージデータ(即印刷形式)の文書を読出し、表示と編集を行った。
【0188】
図14における編集属性1402は例えば、以下のように使うことができる。
(a)編集可能1402−1であれば、編集用応用プログラムで編集することができる。
(b)編集済み1402−2であれば、第1実施例に示したように、その定義が定義1、2、3のいずれであるかに応じ、編集用応用プログラムでできる編集操作を制御する。
【0189】
例えば、定義1と3の場合、2回目以降の編集を行うことができない。
【0190】
以上の第2実施例によれば、プリンタによる文書の保管形式と編集用応用プログラムが必要とする表示・編集形式が一致していない場合でも、保管形式から表示・編集形式に変換することにより、編集用応用プログラムで表示・編集できるようにできた。具体的には、保管形式が編集可能形式、圧縮タイプの即印刷形式のいずれでも、それらを表示・編集形式や非圧縮タイプのドットイメージデータ(即印刷形式)に変換することで、それらを編集用応用プログラムで表示・編集できるようにできた。これにより、ユーザの利便性、使い勝手を高めることができた。
【0191】
また第1実施例と第2実施例では、各文書を文書名とその属性で管理することにより、ユーザが保管庫内の各文書を操作(印刷や表示・編集)する時、理解し易く、混乱が生じないようにできた。というのは、同じ内容の文書に、属性が違うと別の文書名を付けることができるが、この場合、ユーザは一度別の文書名を付けると、以後それらが同じ内容であることが分からなくなり、混乱が生じるからである。ここで文書の内容が同じとは、文書の保管形式が編集可能形式、圧縮タイプの即印刷形式、非圧縮タイプの即印刷形式のいずれであろうとも、印刷結果が完全に同じであることを意味する。左記保管形式が違うだけなのに、別の文書名を付けてしまい、ユーザがそれらの内容が同じことを忘れると、同じであるかチェックするためにはプリンタエンジン500で印刷する直前のドットイメージデータについての比較が必要となる。この場合、チェックのための処理が非常に大きくなり、ユーザの使い勝手、システム性能が低下するという問題が生じる。
【0192】
次に本発明の第3実施例について説明する。本実施例は、第1実施例と第2実施例において、計算機300内の文書をプリンタコントローラ200の保管庫2200へ登録する方法についてのものである。つまり、図16における文書の登録を高速、高信頼に行うための実施例である。計算機300内のPDL形式文書のプリンタコントローラ200内の保管庫2200への編集可能形式文書としての登録と、計算機300内のドットイメージ形式文書のプリンタコントローラ200内の保管庫2200への即印刷形式文書としての登録を行うための実施例である。
【0193】
以下図3、図6、および図15を用いて説明する。図3と図6については、第1実施例と第2実施例用の図面に構成要素を追加した。第一実施例用のその他の図面は、第三実施例でもそのまま使った。
【0194】
まず図3、図6への構成要素の追加について、説明する。
【0195】
計算機300に、図3に示すようにファイル転送送信部3190を追加した。ファイル転送送信部3190は、計算機300に直接接続されている二次記憶装置(ローカル二次記憶装置と呼ぶ)またはネットワーク400環境で共用している二次記憶装置(共用二次記憶装置と呼ぶ)内の文書を読出し、プリンタコントローラ200内の後で説明するファイル転送受信部630に文書を転送する。
【0196】
プリンタコントローラ200に、図6に示すようにファイル転送受信部630を追加した。ファイル転送受信部630は、計算機300がファイル転送送信部3190を用いて送信した文書を受信する。
【0197】
次に図15を用いて、計算機300内の文書をプリンタコントローラ200の保管庫2200へ登録する手順を説明する。
【0198】
初めに図15を構成する各部分間の情報のやりとりを示す1501、1502等の内容を、列挙する。
1501:ドキュメント保存開始要求(保管フォルダ名)
1502:ワークディレクトリ作成
1503−1:ドキュメント転送指示(文書ファイル名の列)
1503−2:ファイル送信指示
1503−3保管フォルダ名への文書ファイルの列の格納
1504−1:転送終了報告
1504−2:転送終了報告の受信
1505:ドキュメント保存終了要求(各文書についての(a)新規フォルダ名と(b)新規文書名の対の列)
1506:保管庫格納
図15においては、上記情報のやりとりを用い以下のように順に処理が進められる。
【0199】
(1)初めに計算機300内の保管庫管理指示部3170がプリンタコントローラ200内の保管庫管理サービス部2230に、ドキュメント保存開始要求(1501)を発行する。この1501に、その付随パラメータとして保管フォルダ名を付ける。例えば、c:\wrk\1と付ける。
【0200】
(2)保管庫管理サービス部2230は、1501の指示に従い、ファイル転送受信部630が受信したファイルを格納するためのワークディレクトリを作成する(1502)。この時、ワークディレクトリの名称を、1501の付随パラメータで指定された保管フォルダ名c:\wrk\1(1550)とする。プリンタコントローラ200は、この保管フォルダ名の下に、受信した文書ファイルを格納する。
【0201】
(3)保管庫管理指示部3170がファイル転送送信部3190に対し、ドキュメント転送指示(1503−1)を発行し、文書ファイルの列の計算機300からプリンタコントローラ200への転送を指示する。1503−1の付随パラメータとして、文書ファイル名の列を付ける。例えば、doc1.pdl,doc2.pdl,・・・,docm.dotを付ける。ここでは、仮にdoc1.pdlとdoc2.pdlをPDL文書とし、docm.dotをドットイメージ形式文書とした。
【0202】
(4)ファイル転送送信部3190が、ファイル転送受信部630に対し、ファイル送信指示(1503−2)を発行することにより、文書ファイルの列を転送する。1503−2の付随パラメータとして、文書ファイル名の列を付けるが、1503−1の場合と同じである。
【0203】
ここで、ファイル転送送信部3190とファイル転送受信部630の間のファイル転送には、ftp(file transfer protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等のプロトコルを用いた。より詳しくは、ftpの場合、計算機300の管理しているローカル二次記憶装置または共用二次記憶装置内のファイルを、プリンタコントローラ200内のftpサーバ(図15の630に相当)と呼ばれるプログラムに送った。 httpの場合、計算機300の管理しているローカル二次記憶装置または共用二次記憶装置内のファイルを、プリンタコントローラ200内のHTTPサーバ(図15の630に相当)と呼ばれるプログラムに送った。
【0204】
(5)ファイル転送受信部630は、受信した文書ファイルの列を、保管フォルダ名1550(c:\wrk\1)の下に、格納する(1503−3)。結果として、m個の文書doc1.pdl,doc2.pdl,・・・,docm.dotが該保管フォルダ名1550の下に格納される。
【0205】
(6)ファイル転送受信部630は、1503−3において、すべての文書ファイルを保管フォルダ1550に格納し終えたら、転送終了報告(1504−1)を、ファイル転送送信部3190に送信する。
【0206】
(7)ファイル転送送信部3190は、保管庫管理指示部3170内の転送終了確認部1504に、上記転送終了報告を送信し(1504−2)、すべての文書ファイルの保管フォルダ1550への格納を確認した旨、報告する。
【0207】
(8)保管庫管理指示部3170は保管庫管理サービス部2230に対し、ドキュメント保存終了要求(1505)を発行し、保管フォルダ1550に受信済みの文書ファイルの列の、保管庫2200への格納を指示する。1505の付随パラメータとして、各文書について(a)新規文書保管フォルダ名と(b)新規ファイル名の組の列を付ける。
例えば、c:\f1\f1_a,doc1.pdl, c:\f1\f1_b,doc2.pdl, ・・・,c:\f2\f2_a,docm.dotと付ける。
【0208】
以上の(a)と(b)での指定は、各文書ファイルについて格納先フォルダ名と文書を新規に付け直すことを可能にするためのものである。元と同じにしても良い。(a)と(b)の指定を省略した場合、すべての文書について、同じフォルダ名と同じ文書名にするといったようにすることもできる。
【0209】
(9)最後に、保管庫管理サービス部2230内の保管庫格納部1506が、保管フォルダ1550内の各文書1551、1552、・・・、155mを、保管庫2200に1561、1562、・・・、156mとして格納し、処理を終える。1503−2と1503−3からなるファイル転送が失敗した場合、1504−1で失敗を報告し、再転送を行う。再転送しても失敗した場合、計算機300の画面に失敗したことを表示する。失敗した場合、(8)による文書の保管庫2200への格納は行わない。
以上の第3実施例においては、以下の効果がある。
【0210】
(1)計算機300からプリンタコントローラ200へ文書を保管する際、ファイル転送に標準のファイル転送手段(ftp、HTTP等)を使うことができる。従って、ファイル転送のためのプログラムの開発が不要である。またftp等の実績のあるファイル転送機能を使うことにより、ファイル転送の性能と信頼性を確保することもできる。
【0211】
(2)さらに、受信用ワークディレクトリ(1550)へのファイル転送が成功したことを確認してから、本来の保管庫2200への格納を行うことができる。これにより、保管庫2200への格納失敗とファイル転送の失敗を、ユーザやシステム管理者は区別して知ることができるという効果がある。ファイル転送を確認しないで保管庫2200へいきなり格納する場合、以上の区別ができないので、障害時の対応が難しいという問題点が発生する。
【0212】
次に、図22と図23を用いて第4実施例を説明する。
【0213】
図22と図23のように、画像処理部2820をプリンタコントローラ200内に設けた。該画像処理部2820のプリンタコントローラ200内での位置付けは、自動面付け部2810と同様である。違いは、その処理内容である。
【0214】
自動面付け部は、前述のように、面付け処理を行いその結果を即印刷形式の文書として出力した。画像処理部2820は、保管庫2200内の文書に対し画像処理を行い、画質の向上を図る。具体的には、ドット密度がプリンタエンジン500に比べ粗い入力イメージデータをプリンタエンジン500用のより細かなドット密度のイメージデータに変換し、画質向上するドット密度変換、グレイスケール画像の画質向上、カラー画像のモノクロ画像への変換等を行う。この場合も、計算機300内の保管庫管理指示部3170からプリンタコントローラ200内の保管庫管理サービス部2230に、画像処理の実行を、ジョブチケットと呼ぶバラメータを付けて、指示する。またこの場合、出力先として出力ファイル名を指示し、保管ができるようにした。保管に加え、保管と印刷を指示できるようにしても良い。
【0215】
図22は、画像処理部2820への入力と出力が編集可能形式の文書の場合である。より具体的には、画像処理部2820が編集可能形式の文書2(2140−1)を入力として読み込む。続いて、画像処理部2820が文書2(2140−1,PDL形式)を、構成要素である文字要素、図形要素、イメージ要素に分け、そのうちイメージ要素について画質を向上する。画像処理部2820は、分解した文字要素、図形要素、イメージ要素を、一つの編集可能形式の文書ファイルに再び組立て、文書3(2140−2)として、保管庫2200へ出力する。本実施例では文字要素と図形要素については画質向上を行わなかったが、画質を向上しても良い。
【0216】
図23は、画像処理部2820への入力と出力が即印刷形式の文書の場合である。より具体的には、画像処理部2820が即印刷形式の文書1(2240−1)を入力として読み込む。続いて、画像処理部2820が文書1(2240−1)の内容であるドットイメージデータについて画質を向上し、文書3(2240−2)として保管庫2200へ出力する。なお、画像処理部2820への入出力データを圧縮タイプの即印刷形式としても良い。この場合、画像処理部2820は、
(1)圧縮タイプの即印刷形式文書を伸張し非圧縮タイプのイメージデータに変換。
【0217】
(2)非圧縮タイプのイメージデータに対し、画質向上処理を実行。
【0218】
(3)画質向上処理の結果である非圧縮タイプのイメージデータに対し、圧縮を行い、圧縮タイプの即印刷形式文書(ドットイメージデータ)に変換といった手順で処理を行う。
【0219】
本実施例では、以上のような方法で画像処理を行うことで、プリンタコントローラ内の保管庫に保管してある文書(編集可能形式又は即印刷形式)に対し、その画質を計算機からの指示で向上し、その結果を新たな文書(編集可能形式又は即印刷形式)として上記保管庫に保管したり、印刷したりできるようにした。
【0220】
本発明は、以下の場合も同様にして実現することができる。
【0221】
(1)図2、図3における計算機とプリンタコントローラ間を、クライアント−サーバ型接続方式でなく、Webアプリケーション接続方式で接続した場合。Webアプリケーション接続方式とは、プリンタコントローラ内にHTTPサーバプログラムとCGI(Common Gateway Interface)プログラムを載せることにより、計算機上のWebブラウザ上でユーザインターフェース画面を実現する方式である。図9〜図14のユーザインターフェース画面は、クライアント−サーバ型接続方式とWebアプリケーション接続方式の両方で使える画面とした。
【0222】
【発明の効果】
本発明によれば、単なる印刷用のプリンタでなく、より高度なドキュメントシステムをユーザに提供することができるので、ユーザの使い勝手を大幅に向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプリンタ、及び印刷システムの構成図である。
【図2】 本発明におけるプリンタコントローラの制御方式を説明するための図である。
【図3】 本発明における計算機の構成を説明するための図である。
【図4】 本発明におけるプリンタコントローラのエンジン出力部の制御方式を説明するための図である。
【図5】 本発明におけるプリンタコントローラの保管庫を説明するための図である。
【図6】 本発明におけるプリンタコントローラの構成を説明するための図である。
【図7】 本発明におけるプリンタコントローラのハードウェア構成図である。
【図8】 本発明における計算機のハードウェア構成図である。
【図9】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図10】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図11】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図12】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図13】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図14】 本発明における計算機のユーザインターフェースを説明するための図である。
【図15】 本発明における計算機からプリンタコントローラへの文書の保管を説明するための図である。
【図16】 本発明における保管庫への文書の登録を説明するための図である。
【図17】 本発明における面付け処理を説明するための図である。
【図18】 本発明における面付け処理を説明するための図である。
【図19】 本発明における面付け処理を説明するための図である。
【図20】 本発明における面付け処理を説明するための図である。
【図21】 本発明における面付け処理を説明するための図である。
【図22】 本発明における画像処理を説明するための図である。
【図23】 本発明における画像処理を説明するための図である。
【符号の説明】
100…プリンタ、200…プリンタコントローラ、310…計算機1、320…計算機2、330…計算機3、400…ネットワーク、410…プリンタローカルI/F、500…プリンタエンジン、2100…スプール、2110…スプール制御サービス部、2200…保管庫、2230…保管庫管理サービス部、2310…描画部、2400…出力ワーク部、2500…出力メイン部、2600…エンジン出力部
Claims (26)
- 計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、
前記プリンタは、前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、
該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、
(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納
(b)編集可能形式のみでの格納
(c)即印刷形式のみでの格納
のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、
前記各文書について、即印刷形式についてはジョブチケットと即印刷形式文書の対を1つのみ、編集可能形式についてはジョブチケットと編集可能形式文書の対を複数、保管し、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を有し、保管済み文書について、ジョブチケットを指示して、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うとき、本指示画面で、ジョブチケットとして既に有るものから選択するか、又は新しいジョブチケットを作成して指示できるようにし、
該文書名とジョブチケット名とを入力として、該保管文書についての、(a)印刷、(b)保管、(c)保管と印刷のいずれかを、プリンタに指示することを特徴とする印刷システム。 - 前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、
一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。 - 前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、
一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し該ジョブチケットに対応する即印刷形式文書を作り、作成された該即印刷形式文書を使って、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。 - 前記プリンタは、前記入力ジョブチケットと、当該入力ジョブチケットの指示により前記面付け処理を実行した文書とを組みにして、当該文書名称にて前記保管庫に格納することを特徴とする請求項2又は3記載の印刷システム。
- 前記面付けにより作成した前記即印刷形式用文書についての(b)保管、又は(c)保管と印刷の際、既に前記保管庫内に該当文書用の即印刷形式用文書が存在する場合には、前記計算機の保管庫管理指示部による前記指示画面にて、前記保管庫内の即印刷形式文書への上書き可否をユーザに確認する確認画面を表示し、上書き可の場合に、
最新の入力ジョブチケットについての即印刷形式文書を上書き格納するようにしたことを特徴とする請求項4記載の印刷システム。 - 計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、
前記プリンタは前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、
該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、
(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納
(b)編集可能形式のみでの格納
(c)即印刷形式のみでの格納
のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、
前記各文書を、即印刷形式についてはジョブチケットと即印刷形式文書の対を複数保管し、編集可能形式についてはジョブチケットと編集可能形式文書の対を複数保管するようにし、
前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を有し、保管済み文書について、ジョブチケットを指示して、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うとき、本指示画面で、ジョブチケットとして既にあるものから選択するか、又は新しいジョブチケットを作成して指示できるようにし、
該文書名とジョブチケット名とを入力として、該保管文書についての、(a)印刷、(b)保管、(c)保管と印刷のいずれかを、プリンタに指示することを特徴とする印刷システム。 - 前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、
一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする請求項6記載の印刷システム。 - 前記プリンタは、前記計算機より指示された入力ジョブチケットが、前記保管庫に格納済みの即印刷形式文書用のジョブチケットと一致すれば、ジョブチケットが一致した登録済みの即印刷形式文書をそのまま用いて、(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行い、
一致しない場合、本ジョブチケットの指示する面付け処理を実行し該ジョブチケットに対応する即印刷形式文書を作り、作成された該即印刷形式文書を使って(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷を行うことを特徴とする請求項6記載の印刷システム。 - 前記即印刷形式用文書について、新たなジョブチケットについて即印刷形式文書を作成した場合、該ジョブチケットとそれに対応する作成した即印刷形式文書の組みを格納するようにしたことを特徴とする請求項7又は8記載の印刷システム。
- 前記指示された入力ジョブチケットが或る即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、
(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷、の指示に対応する面付け処理を描画部と面付け機能で実行し、
描画部が編集可能形式の文書を入力し、描画、つまり編集可能形式の文書を構成する文字要素、図形要素、イメージ要素の各々をドット展開しドットイメージ形式にして出力し、該ドットイメージ形式のデータを描画部から面付け機能に渡し、
面付け機能がドットイメージデータについて面付け処理を行い、本面付け処理の結果について、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷、を実行することを特徴とする請求項2又は7記載の印刷システム。 - 前記指示された入力ジョブチケットが或る即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、
(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷の指示に対応する面付け処理を自動面付けB部で実行し、
自動面付けB部は保管庫から読み出した該編集可能形式文書について自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を編集可能形式の文書として出力し、本出力に対し、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷を実行することを特徴とする請求項2又は7記載の印刷システム。 - 前記指示された入力ジョブチケットが或る即印刷形式用ジョブチケットと一致しない場合、編集可能形式の文書について、
(a)印刷、(b)保管、又は(c)保管と印刷の指示に対応する面付け処理を自動面付けC部で実行し、
保管庫内の編集可能形式文書を1UP、片面印刷仕様で描画部によりドット展開した文書を、即印刷形式の原稿文書として一旦保管庫に保管し、
前記自動面付けC部はこの即印刷形式の原稿文書を保管庫から読み出し、自動面付け処理を行い、自動面付けした結果を即印刷形式の文書として出力し、該出力に対し、(a)保管、(b)印刷、又は(c)保管と印刷を実行することを特徴とする請求項2又は7記載の印刷システム。 - 面付けの1つの2丁付けの指示の際、2つの面を同一方向とする形式と、2つの面のうち片方を180度回転した配置の2形式を、前記指示画面で選択させることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の印刷システム。
- 前記2丁付けの選択をジョブチケット指示で行うことを特徴とする請求項13記載の印刷システム。
- 前記保管と印刷とを独立に動作させたことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の印刷システム。
- 保管庫に文書を保管し、該文書の属性として印刷属性を持たせ、印刷属性の値として高速印刷可能を用意し、該ジョブチケットに対応する面付け処理を既に実施してある即印刷可能形式の文書に、本高速印刷可能属性を持たせたことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の印刷システム。
- 前記保管庫内の各文書の印刷属性を画面に表示させたことを特徴とする請求項16記載の印刷システム。
- 前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、
前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、即印刷形式のうちどの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする請求項16記載の印刷システム。 - 前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、
前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式のうち、どの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする請求項16記載の印刷システム。 - 前記計算機から前記プリンタへ前記文書についての印刷要求を、前記文書名と前記文書用ジョブチケットの組みを指定して行うと、
前記プリンタ内の印刷処理部が、前記文書名で保管庫に格納されている文書の属性の一つである保管形式群に基づき、前記文書が編集可能形式、非圧縮タイプの即印刷形式、圧縮タイプの即印刷形式、表示・編集形式、のうちどの組合せで保管されているか判定し、該判定結果に応じ最適な方法で印刷を行うことを特徴とする請求項16記載の印刷システム。 - 前記保管庫内の文書を画面表示したとき、表示内容から印刷属性が高速印刷可能な文書を前記指示画面で識別可能であり、該文書を選択して保管庫管理指示部からプリンタに指示することを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項に記載の印刷システム。
- 或る名称の文書を画面表示したとき、印刷属性が高速印刷可能な文書であり、当該文書用のジョブチケットが1つ以上あり、その中に高速印刷可能を示すマークが付いたジョブチケットがあり、該マークの付いたジョブチケットを選び、当該文書と当該ジョブチケットの組みについての印刷を保管庫管理指示部からプリンタに指示することを特徴とする請求項21記載の印刷システム。
- 前記指示画面は、(1)印刷属性が高速印刷可能でない文書、(2)印刷属性が高速印刷可能だが、高速印刷可能マークの付いていないジョブチケットを有する文書、を印刷するとき、プリンタエンジン最高性能での印刷を保証しないことをユーザが把握可能とすることを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項に記載の印刷システム。
- 計算機と、該計算機と直接接続されるか又はネットワーク経由で間接的に接続されたプリンタとからなる印刷システムにおいて、
前記プリンタは、前記計算機が生成した文書の保管を行う保管庫を備え、
該保管庫に格納する文書を編集可能形式と即印刷形式の任意の組合せである、
(a)編集可能形式と即印刷形式の両方での格納
(b)編集可能形式のみでの格納
(c)即印刷形式のみでの格納
のいずれかで格納し、該保管文書を1つの名称で管理しておき、
且つ、該保管庫内の文書を入力として画像処理を行い該処理後の出力文書を前記保管庫に格納するための画像処理部と、前記保管庫を管理する保管庫管理サービス部とを備え、前記計算機は、保管庫への指示を行うための指示画面を有する保管庫管理指示部を備え、前保管庫管理指示部から前記保管庫管理サービス部に画像処理の実行を、ジョブチケットと呼ぶパラメータを付けて指示し、
前記画像処理部は、前記ジョブチケット指示に基づき、ドット密度変換又はグレイスケール画像の画質向上又はカラー画像のモノクロ画像への変換を行い、
前記保管庫管理指示部への前記ジョブチケット指示に際し、前記出力文書の出力先としての出力ファイル名と、保管、又は、保管及び印刷を指示を含ませてなることを特徴とする印刷システム。 - 前記画像処理部への入力と出力を編集可能形式の文書とし、
前記画像処理部が編集可能形式の文書を入力として読み込み、画像処理部読み込んだ文書を、構成要素である文字要素、図形要素、イメージ要素に分け、そのうちイメージ要素について画質を向上させ、
分解した文字要素、図形要素、イメージ要素を、一つの編集可能形式の文書ファイルに再構築して前記保管庫へ出力することを特徴とする請求項24記載の印刷システム。 - 前記画像処理部への入力と出力を即印刷形式の文書とし、
前記画像処理部が即印刷形式の文書を入力として読み込み、画像処理部が読み込んだ文書の内容であるドットイメージデータについて画質を向上させ、新たな文書として前記保管庫へ出力することを特徴とする請求項24記載の印刷システム。
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