JPH09179833A - ジョブ処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】エージェントを用いてジョブを処理する際に、
クライアントの負荷を低減しつつエージェントの導入に
伴うスループットの低下を抑制して、高速なジョブ処理
を図ることができるジョブ処理システムを提供するこ
と。 【解決手段】ＷＳ１０が作成したジョブチケット５０を
プリントサーバ１３に常駐するエージェント２０に送信
し、該ジョブチケット５０を受け付けたエージェント２
０は、このジョブチケット５０を解析してジョブ処理部
２１が当該ジョブチケット５０に対応するジョブの処理
ができるか否かを判断し、ジョブ処理部２１が処理でき
ると判断した場合には、ジョブ処理部２１に対してジョ
ブの処理を依頼し、ジョブ処理部２１が処理できないと
判断した場合には、エージェント２３にジョブチケット
５０を転送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クライアントを代
理するエージェントを用いてサーバでジョブを処理する
ジョブ処理システムに関し、特に、エージェントを用い
てジョブを処理する際に、クライアントの負荷を低減し
つつエージェントの導入に伴うスループットの低下を抑
制して、高速なジョブ処理を実行するジョブ処理システ
ムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、クライアントからサーバに対して
ジョブ処理を要求し、該サーバがこの要求に応答してク
ライアントにジョブの処理結果を返送するクライアント
−サーバモデルによるジョブ処理システムが知られてい
る。

【０００３】例えば、特開平４−３２６１５４号公報に
は、クライアントがサーバにサービス要求を発行したな
らばクライアントローカルな処理に移行するとともに、
サーバから返却されたサービス実行結果を応答受信用バ
ッファに蓄積しておき、このクライアントローカルな処
理を終えた後に、応答受信用バッファに蓄積したサービ
ス実行結果に対する受信処理を実行するサーバ・クライ
アント制御方式が開示されている。

【０００４】すなわち、この先行技術は、クライアント
側に応答受信用バッファを設けてサーバから返却される
サービス実行結果を蓄積することにより、クライアント
がサーバからの応答を待つ時間にクライアントローカル
な処理を実施できるようにしている。

【０００５】したがって、この先行技術では、常にクラ
イアント側に設けた応答受信用バッファとサーバ間のコ
ネクションを確立し、クライアントローカルな処理を行
っている間のデータ受信を可能にしておく必要がある。

【０００６】このように、この先行技術に代表される従
来のクライアント−サーバモデルでは、クライアントと
サーバの間でコネクションを常時保持する必要があるた
め、ネットワーク使用効率が低下する。

【０００７】このため、最近、クライアントに成り代わ
ってサーバ上でクライアントの処理を代行するエージェ
ントと呼ばれる自律ソフトウエアの概念を利用して、ク
ライアントを物理的及び論理的に切り離す技術が注目さ
れている。

【０００８】例えば、ジェネラルマジック（General Ma
gic）社が開発した通信用言語であるテレスクリプト等
では、ユーザニーズに基づいて記述したエージェントが
実行されると、該エージェントはユーザニーズを満たす
サーバを自動選択しながら複数のサーバを渡り歩き、所
望のサービスの提供を受けた後にクライアントに帰還す
る。

【０００９】すなわち、このテレスクリプト等では、特
定のユーザニーズが発生した際に該ユーザニーズを代行
処理するエージェントを作成し、このエージェントがク
ライアントに成り代わって処理を行うことにより、ユー
ザニーズを実現するものである。

【００１０】そして、このエージェントを利用すると、
エージェントはクライアントと独立して自律的に動作す
るため、クライアント−サーバ間のコネクションを常に
確立しておく必要がなくなる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このテ
レスクリプトのエージェントのように、ユーザニーズと
エージェントを対応させる構成を用いると、ユーザニー
ズが発生する都度該ユーザニーズを達成できるエージェ
ントをクライアント上で起動し、該エージェントを所望
のサーバに移行させる必要が生じるため、エージェント
の自律的機能を実行するための遅延が累積する。

【００１２】例えば、テレスクリプトを用いた場合に
は、クライアント上でエージェントが起動した際に、該
エージェントは自律的にユーザニーズを実現できるサー
バを選択して移行し、該サーバにサービスの提供を受け
た後にクライアントに帰還するため、かかるサーバの選
択、移行及び帰還に伴う時間の遅延が生ずる。

【００１３】特に、複雑なユーザニーズをエージェント
内に記述した場合には、エージェントが各サーバを渡り
歩いて処理を実行するため、高速なジョブ処理を要求さ
れるシステムには適用できない。

【００１４】また、かかる遅延を解消するために、サー
バを明示する記述をエージェントに含めようとすると、
クライアント自身がサーバの位置情報等を保持せねばな
らないため、サーバの位置替え、廃止、追加及び機能の
変更等が生じた場合の位置情報更新手順が複雑化する。

【００１５】このように、かかるエージェントの概念を
用いる場合には、クライアントの負荷を低減しつつエー
ジェントの導入に伴うスループットの低下を抑制して、
高速なジョブ処理にいかに対応するかが重要な課題とな
っている。

【００１６】そこで、本発明では、上記課題を解決し
て、エージェントを用いてジョブを処理する際に、クラ
イアントの負荷を低減しつつエージェントの導入に伴う
スループットの低下を抑制して、高速なジョブ処理を図
ることができるジョブ処理システムを提供することを目
的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、複数のクライアントが有するジョブを複
数のエージェントを介して複数のサーバで処理するジョ
ブ処理システムにおいて、各クライアントは、ジョブの
処理内容を示すジョブチケットを作成するジョブチケッ
ト作成手段と、前記ジョブチケット作成手段が作成した
ジョブチケットを所定のエージェントに対して出力する
ジョブチケット出力手段とを具備し、各エージェント
は、前記複数のサーバにそれぞれ駐在して前記複数のク
ライアントをそれぞれ総括代理し、前記ジョブチケット
出力手段が出力したジョブチケットを受け付けるジョブ
チケット受付手段と、前記ジョブチケット受付手段が受
け付けたジョブチケットを解析して、当該エージェント
に対応するサーバに対して該ジョブチケットに対応する
ジョブの処理を依頼するジョブチケット処理手段とを具
備したことを特徴とする。

【００１８】また、本発明は、前記ジョブチケット処理
手段は、前記ジョブチケット受付手段が受け付けたジョ
ブチケットを当該エージェントに対応するサーバが処理
できるか否かを判断し、当該サーバが処理できると判断
した場合には当該サーバに対してジョブチケットに対応
するジョブ処理を依頼し、当該サーバが処理できないと
判断した場合には他エージェントに対してジョブチケッ
トを転送することを特徴とする。

【００１９】また、本発明は、前記ジョブチケット作成
手段は、前記複数のサーバにおける処理内容を示すコマ
ンドと、該コマンドを実行するための属性情報とからな
るジョブチケットを作成することを特徴とする。

【００２０】また、本発明は、複数のクライアントが有
するジョブを複数のエージェントを介して複数のサーバ
で処理し、その処理結果を複数の出力装置で出力処理す
るジョブ処理システムにおいて、各クライアントは、ジ
ョブの処理内容を示すジョブチケットを作成するジョブ
チケット作成手段と、前記ジョブチケット作成手段が作
成したジョブチケットを所定のエージェントに対して出
力するジョブチケット出力手段とを具備し、各エージェ
ントは、前記複数のサーバにそれぞれ駐在して前記複数
のクライアントをそれぞれ総括代理し、前記ジョブチケ
ット出力手段が出力したジョブチケットを受け付けるジ
ョブチケット受付手段と、前記ジョブチケット受付手段
が受け付けたジョブチケットを解析して、当該エージェ
ントに対応するサーバに対して該ジョブチケットに対応
するジョブの処理を依頼するジョブチケット処理手段
と、前記ジョブチケット処理手段による依頼に応答して
前記サーバが前記ジョブチケットに対応する処理を実行
した際に、該サーバが処理を実行した実行結果を当該エ
ージェントに対応する出力装置に対して送信する送信手
段とを具備したことを特徴とする。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、
本発明を印刷システムに適用した場合を示している。

【００２２】図２は、本実施の形態で用いるジョブ処理
システムのシステム構成を示す図である。

【００２３】図２に示すように、このジョブ処理システ
ムは、ワークステーション（以下「ＷＳ」と言う。）１
０及び１１と、プリントサーバ１３、１４及び１５と、
プリンタ１６及び１７が、それぞれネットワーク１２及
び公衆通信網１８に接続された構成となる。なお、ＷＳ
１９については、公衆通信網１８を介してプリントサー
バ１４に接続されている。

【００２４】また、同図にはエージェントを図示してい
ないが、本実施の形態では、ＷＳ１０、１１及び１９を
総括代理するクライアントエージェントを各プリントサ
ーバにそれぞれ設けている。

【００２５】すなわち、本実施の形態では、ジョブ単位
又はクライアント単位でエージェントを設けるのではな
く、全クライアントを総括代理するエージェントを各サ
ーバごとに設ける枠組みを用いている。

【００２６】次に、このエージェントに焦点を当てて上
記ジョブ処理システムの細部構成について説明する。

【００２７】図１は、本実施の形態で用いるジョブ処理
システムの細部構成を示す機能ブロック図であり、ここ
では、図２に示すＷＳ１０がプリントサーバ１３に位置
するエージェント２０に対してジョブチケット５０を送
信してジョブの処理依頼を行う場合を示している。

【００２８】なお、このジョブチケット５０に関する詳
細な説明は後述するが、このジョブチケット５０は、各
種のコマンド及びアトリビュートを記述することによ
り、プリンタの指定、プリントサーバの指定及び各種処
理の指定等を行うためのものである。

【００２９】図１に示すように、このジョブ処理システ
ムでは、プリントサーバ１３及び１４上にクライアント
を総括代理するエージェント２０及び２３がそれぞれ常
駐している。

【００３０】このエージェント２０及び２３は、それぞ
れクライアント又は他のエージェントからジョブチケッ
トを受け取ったならば、該ジョブチケットを解析し、エ
ージェントが駐在するプリントサーバのジョブ処理部が
該ジョブチケットに対応する印刷処理を実行できるか否
かを判断する。

【００３１】そして、印刷処理を実行できると判断した
場合には、当該ジョブ処理部２１に対してジョブの処理
依頼を行い、印刷処理が実行できないと判断した場合に
は、他のプリントサーバに駐在するエージェントにジョ
ブチケットを転送する。

【００３２】すなわち、このエージェント２０及び２３
は、図２に示すＷＳ１０、１１及び１９をそれぞれ総括
代理するものであり、特定のＷＳ又は特定のジョブに対
応して設けられるものではない。

【００３３】このエージェント２０は、ジョブチケット
受信部２０ａと、ジョブ処理依頼部２０ｂと、ジョブチ
ケット転送部２０ｃとからなる。

【００３４】ジョブチケット受信部２０ａは、ＷＳ１０
のジョブチケット作成部１０ｂが作成し、ジョブチケッ
ト送信部１０ａが送信したジョブチケット５０を受信し
て、ジョブ処理依頼部２０ｂに出力する処理部である。

【００３５】ジョブ処理依頼部２０ｂは、ジョブチケッ
ト受信部２０ａからジョブチケット５０を受け取った際
に、該ジョブチケット５０を解析してジョブ処理部２１
が当該ジョブチケット５０に対応する処理を実行できる
か否かを確認する。

【００３６】その結果、このジョブ処理部２１が処理を
実行できると判断した場合には該ジョブチケット５０に
対応する処理をジョブ処理部２１に依頼し、実行できな
いと判断した場合には該ジョブチケット５０の転送をジ
ョブチケット転送部２０ｃに指示する。

【００３７】ジョブチケット転送部２０ｃは、ジョブ処
理依頼部２０ｂから転送指示を受けたジョブチケット５
０を他のプリントサーバに位置するエージェントに転送
する処理部である。

【００３８】このように、上記エージェント２０は、Ｗ
Ｓ１０、１１及び１９を総括代理してプリントサーバ１
３のジョブ処理部２１にジョブチケット５０に対応する
処理依頼を行うとともに、ジョブ処理部２１がジョブチ
ケット５０に対応する処理を実行できない場合には、他
のプリントサーバ１４に常駐するエージェント２３に対
してジョブチケット５０を転送する。

【００３９】なお、このエージェント２３についても、
上記エージェント２０と同様にＷＳ１０、１１及び１９
を総括代理するエージェントであり、エージェント２０
と同様の構成を有する。

【００４０】また、ジョブ処理部２１は、エージェント
２０からジョブチケット５０に対応するジョブの処理依
頼を受けたならば、該当する画像ファイルを画像ファイ
ル記憶部２２から取り出してプリンタ１６に出力する。

【００４１】なお、ここでは説明の便宜上、プリントサ
ーバ１３に駐在するエージェント２０を中心に説明した
が、プリントサーバ１４及び１５に位置するエージェン
トについても同様の機能を有する。

【００４２】また、ここではプリントサーバ１３による
画像データの管理に関する説明を省略したが、その説明
については後述するものとする。

【００４３】以上、本実施の形態で用いるジョブ処理シ
ステムの細部構成について説明した。

【００４４】次に、上記ジョブ処理システムの処理手順
について説明する。

【００４５】図３は、図１に示すジョブ処理システムの
処理手順を示すシーケンス図である。

【００４６】図３に示すように、このジョブ処理システ
ムでは、ＷＳ１０は、印刷ジョブが発生した際に該印刷
ジョブに対応するジョブチケット５０を作成した後、エ
ージェント２０に対してジョブ処理発信要求すなわちジ
ョブが生じた旨の通知を行う（ステップ３０１）。そし
て、ＷＳ１０は、エージェント２０からジョブ処理発信
応答を受け取ると（ステップ３１１）、該エージェント
２０に対してジョブチケット５０を発信する（ステップ
３０２）。

【００４７】そして、エージェント２０がこのジョブチ
ケット５０を受信したならば（ステップ３１２）、該ジ
ョブチケット５０を解析し（ステップ３１３）、ジョブ
処理部２１がジョブチケット５０に対応する処理を実行
できるか否かを判断する（ステップ３１４）。

【００４８】その結果、ジョブ処理部２１がジョブチケ
ット５０を処理できないと判断した場合には、プリント
サーバ１４上に位置するエージェント２３に対してジョ
ブチケット５０を転送し（ステップ３２２）、ジョブチ
ケット５０を処理できると判断した場合には、ジョブ処
理部２１に対してジョブチケット５０に対応するジョブ
処理要求を行う（ステップ３１５）。

【００４９】そして、ジョブ処理要求待ちの状態（ステ
ップ３３１）にあるジョブ処理部２１が、このジョブ処
理要求を受信したならば（ステップ３３２）、プリンタ
１６を用いて当該ジョブの処理を実行して（ステップ３
３３、３４１）、エージェント２０にジョブ処理結果を
送信する（ステップ３３４）。

【００５０】そして、このジョブ処理結果を受信したエ
ージェント２０は、ＷＳ１０からのジョブ処理結果発信
要求に応答した後（ステップ３０３、３１７）、ジョブ
処理結果をＷＳ１０に発信する（ステップ３１８、３０
４）。

【００５１】なお、ステップ３２２においてエージェン
ト２０によるジョブチケット５０の転送を受けたエージ
ェント２３は、上記ステップ３１３〜３１８と同様の手
順で処理を行う（ステップ３２３）。

【００５２】上記一連の処理を行うことにより、エージ
ェント２０は、ジョブチケット５０に基づいてジョブ処
理部２１にジョブ処理依頼を行うとともに、該ジョブ処
理部２１がジョブを処理できない場合には、他のエージ
ェント２３に当該ジョブチケットを転送することができ
る。

【００５３】ところで、図２に示すジョブ処理システム
では、プリントサーバ１３、１４及び１９と、プリンタ
１６及び１７とをネットワーク１２を介して接続してい
るため、複数のプリントサーバが同時期に同じプリンタ
を利用すると、プリンタへの印刷データの競合が生じ、
高速印刷を実現するうえでの制約となる。

【００５４】かかる競合を排除するためには、各プリン
トサーバ又は管理装置が各プリンタの動作状況を常に管
理する方策を採るか、又はプリントサーバ及びプリンタ
を１対１に対応づける方策を採る必要がある。

【００５５】しかしながら、各プリントサーバ又は管理
装置が各プリンタの動作状況を常時管理する方策を採る
ためには、常時プリンタの動作状況を管理しなければな
らないためネットワーク効率の低下を招き、またプリン
トサーバ及びプリンタを１対１に対応づける方策を採る
と、各クライアントは対応関係を考慮したうえでプリン
トサーバにジョブ依頼を行わねばならない。

【００５６】このため、本実施の形態では、各エージェ
ントと各プリンタと対応づけることにより、ネットワー
ク効率の低下及びプリンタ選択に伴うユーザの負担を回
避しつつ排他制御を行えるよう構成している。

【００５７】図４は、図１に示すジョブ処理システムの
排他制御を示す概念図である。

【００５８】図４に示すように、このジョブ処理システ
ムでは、エージェント２０をプリンタ１６に対応づける
とともに、エージェント２３をプリンタ１７に対応づけ
ている。

【００５９】そして、エージェント２０は、ＷＳ１０か
ら受信したジョブチケット５０がプリンタ１７で印刷す
べきものである場合には、該ジョブチケット５０をプリ
ンタ１７に対応するエージェント２３に転送する。

【００６０】この際、ジョブチケット５０に指定される
画像データがプリントサーバ１３上に存在する場合に
は、エージェント２０はジョブ処理部２１から該当する
画像データを受け付け、ジョブチケット５０とともにこ
の画像データをエージェント２３に出力する。

【００６１】このように、本実施の形態では、エージェ
ントとプリンタとを対応づけることとしているため、各
プリンタの動作状態を管理する必要がなく、またプリン
トサーバとプリンタとを対応づけた場合に生ずるプリン
タ選択に伴うユーザの負担を回避している。さらに、大
容量のカラー画像を高速印刷する場合にも対応すること
ができる。

【００６２】なお、本実施の形態に示すジョブ処理シス
テムでは、各クライアントを総括代理するエージェント
を各プリントサーバに対応して設けるとともに、エージ
ェント相互間でのデータ授受を認めているため、かかる
対応関係を保持できるのである。

【００６３】次に、図１に示す画像ファイル記憶部２２
及び２５が保持する画像ファイルについて説明する。

【００６４】図５は、図１に示す画像ファイル記憶部２
２が保持する画像ファイルの構成を示す図である。

【００６５】図５に示すように、この画像ファイル記憶
部２２は、各プリンタの出力形式に対応する画像データ
をそれぞれ記憶しており、ここではプリンタ１６がイメ
ージ形式、ＲＥＳ（Raster Encoding Standard）形式に
対応し、プリンタ１７がカラーラスタ（Color Raster）
形式及びＭＭＲ（Modified Modified READ）形式に対応
するものとする。

【００６６】このため、画像ファイル記憶部２２は、イ
メージ形式、ＲＥＳ形式、カラーラスタ形式及びＭＭＲ
形式という４つの形式であらかじめ各画像ファイルを保
持しておき、ジョブチケット５０により所定の画像ファ
イルが指定された際に、フォーマット変換を行うことな
く所望の出力形式の画像ファイルが取り出される。

【００６７】例えば、この画像ファイル記憶部２２に記
憶されるブックＡは、イメージ形式のブックＡ（Book
Ａ.IMG）と、ＲＥＳ形式のブックＡ（BookＡ RES）と、
カラーラスタ形式のブックＡ（BookＡ Color Raster）
及びＭＭＲ形式のブックＡ（BookＡ MMR）からなる。

【００６８】そして、イメージ形式のブックＡ（Book
Ａ.IMG）は、イメージ形式のドキュメント１（Document
１.IMG）、ドキュメント２（Document２.IMG）及びドキ
ュメント３（Document３.IMG）からなり、ＲＥＳ形式の
ブックＡ（BookＡ RES）は、ＲＥＳ形式のドキュメント
１（Document１ RES）、ドキュメント２（Document２ R
ES）及びドキュメント３（Document３ RES）からなる。

【００６９】また、カラーラスタ形式のブックＡ（Book
Ａ Color Raster）は、カラーラスタ形式のドキュメン
ト１（Document１ Color Raster）、ドキュメント２（D
ocument２ Color Raster）及びドキュメント３（Docume
nt３ Color Raster）からなり、ＭＭＲ形式のブックＡ
（BookＡ MMR）は、ＭＭＲ形式のドキュメント１（Docu
ment１ MMR）、ドキュメント２（Document２ MMR）及び
ドキュメント３（Document３ MMR）からなる。

【００７０】このように、本実施の形態では、プリンタ
の出力形式に対応するフォーマットの画像データをそれ
ぞれ保持するよう構成しているため、高速印刷を行うこ
とが可能となる。

【００７１】次に、上記画像データの入出力の流れにつ
いて説明する。

【００７２】図６は、図１に示すプリントサーバ１３に
おける画像データの入出力の流れを示す説明図である。

【００７３】図６に示すように、まず最初にスキャナ６
０により読み取られた画像データは、入力変換部６３に
よりイメージ形式、ＲＥＳ形式、カラーラスタ形式及び
ＭＭＲ形式という４つの形式にフォーマット変換した後
画像ファイル記憶部２２に格納される。

【００７４】そして、ＷＳ１０により表示要求６１ａ、
検索要求６１ｂ、入力要求６１ｃ、出力要求６１ｄ及び
状態要求６１ｅ等が行われると、ジョブ管理部６２の制
御の下に必要に応じて画像ファイル記憶部２２に記憶さ
れた画像データを出力変換部６４で出力変換してプリン
タ１６に出力するとともに、処理結果をＷＳ１０上で結
果表示する（６１ｆ）。

【００７５】なお、上記表示要求６１ａ、検索要求６１
ｂ、入力要求６１ｃ、出力要求６１ｄ及び状態要求６１
ｅは、それぞれ上述したジョブチケット５０を用いて行
われる。

【００７６】次に、図１に示すジョブチケット５０につ
いて説明する。

【００７７】図７は、図１に示すジョブチケット５０の
一例を示す図である。

【００７８】図７に示すように、このジョブチケット５
０は、簡単なテキストのみで記述されるものであり、プ
リンタの指定及びプリントサーバの指定等を行うコマン
ド部と、印刷属性等を指定するアトリビュート部とから
なる。

【００７９】ただし、ジョブのコード体系は、ジョブが
送信される際の階層プロトコル（Protocol Stack）によ
り特定され、例えば、ＴＣＰ／ＩＰのＵｎｉｘ系の場合
にはＥＵＣが用いられ、ＴＣＰ／ＩＰのＰＣ系及びイー
サトーク（EtherTalk）の場合にはシフトＪＩＳが用い
られる。

【００８０】図７に示すジョブチケット５０のコマンド
部には、このジョブのジョブ名が’Ａ’であり（-JOB N
AME'A）、ブックＢをサーチして（-SEARCH BOOK'B）、
該ブックＢをプリンタＣで印刷せよ（-PRINT BOOK'B TO
PRINTER'C）との内容が記述されており、また、アトリ
ビュート部には、コピー部数が１００部あり（*COPY10
0）、用紙サイズがＡ４であり（*PAPERSIZE A4）、フル
カラー印刷を行う（*COLOR F）旨が記述されている。

【００８１】かかる内容が記述されたジョブチケット５
０を用いることにより、ブックＢをプリンタＣを用い
て、１００部、Ａ４フルカラーで印刷することが可能と
なる。

【００８２】次に、かかるジョブチケットのコマンド部
を記述する際の記述形式をその説明とともに以下列挙す
る。

【００８３】 -BOOK'A Ａという名のブックを示す。

【００８４】 -PRINTER'A Ａという名のプリンタを示す。

【００８５】 -IFA'A Ａという名のＩＦＡを示す。

【００８６】 -DOCUMENT'A Ａという名の文書を示す。

【００８７】 -START REMOVE SCAN'A スキャナＡから画像を読み取る。

【００８８】 -SEARCH DOCUMENT'A ブックＡを探す。

【００８９】 -RETRIEVE BOOK'A FROM IFA'B ＩＦＡ ＢからブックＡを取り出す。

【００９０】 -STORE BOOK'A INTO IFA'B ＩＦＡ ＢにブックＡを保管する。

【００９１】 -PRINT BOOK'B TO PRINTER'A プリンタＡにブックＢを送る。

【００９２】 -PRINTER ATTRIBUTES プリント属性を指定する。

【００９３】 -CANCEL JOB NAME'A Ａというジョブをキャンセルする。

【００９４】次に、ジョブチケットのアトリビュートを
記述する際の記述形式をその説明とともに以下列挙す
る。

【００９５】 *COPY プリントアウトする枚数 *PAPERSIZE 用紙サイズの選択 *PAPERCOLOR 用紙カラーの選択 *FINISHING バインダ、ステイプル等の指定 *SINPLEX／DUPLEX 片面または両面印刷の指定 *SEPARATER 仕分け紙の挿入の有無の指定 *NUP Ｎ−ＵＰ印刷の指定 *SIGNATURE 折丁の有無の指定 *ZOOM 拡大率または縮小率の指定 *COLOR 印刷色の指定 *PRINTREQUESTER'A ジョブの送信者 *JOBDATE'A ジョブの作成日時 *PAGE 印刷ページの指定 このように、本実施の形態では、ジョブチケット５０を
簡易なコマンド及びアトリビュートで記述することとし
ているため、ワークステーションのみならず、各種のパ
ーソナルコンピュータ及び携帯端末を用いて作成するこ
とも可能である。

【００９６】上述してきたように、本実施の形態では、
ＷＳ１０が作成したジョブチケット５０をプリントサー
バ１３に常駐するエージェント２０に送信し、該ジョブ
チケット５０を受け付けたエージェント２０は、このジ
ョブチケット５０を解析してジョブ処理部２１が当該ジ
ョブチケット５０に対応するジョブの処理ができるか否
かを判断し、ジョブ処理部２１が処理できると判断した
場合には、ジョブ処理部２１に対してジョブの処理を依
頼し、ジョブ処理部２１が処理できないと判断した場合
には、エージェント２３にジョブチケット５０を転送す
るよう構成したので、下記に示す効果が得られる。

【００９７】１）エージェントの自律的機能実行に伴う
スループットの低下を抑制することができる。

【００９８】２）高速なジョブ処理に対応することがで
きる。

【００９９】また、ジョブチケット５０をコマンドとア
トリビュートで簡単に記述できるように構成したので、
各ＷＳでのユーザの負荷を軽減することができる。

【０１００】さらに、各エージェントとプリンタを対応
づけ、各プリンタに対しては対応するエージェントから
のみ印刷データが出力されるよう構成したので、プリン
タに対する排他制御を効率良く行うことができる。

【０１０１】なお、本実施の形態では、本発明を印刷シ
ステムに適用する場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、メールシステム等の各種
サービスシステムに適用することができる。

【０１０２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
クライアントが作成したジョブチケットをサーバに常駐
するエージェントに送信し、該ジョブチケットを受け付
けたエージェントは、このジョブチケットを解析して、
当該エージェントに対応するサーバに対して該ジョブチ
ケットに対応するジョブの処理を依頼するよう構成した
ので、下記に示す効果が得られる。

【０１０３】１）エージェントの自律的機能実行に伴う
スループットの低下を抑制することが可能となる。

【０１０４】２）高速なジョブ処理に対応することが可
能となる。

【０１０５】また、本発明は、ジョブチケットを当該エ
ージェントに対応するサーバが処理できるか否かを判断
し、当該サーバが処理できると判断した場合には当該サ
ーバに対してジョブチケットに対応するジョブ処理を依
頼し、当該サーバが処理できないと判断した場合には他
エージェントに対してジョブチケットを転送するよう構
成したので、下記に示す効果が得られる。

【０１０６】１）当該サーバがジョブチケットに対応す
る処理を実行できない場合であっても、エージェント相
互間でジョブチケットを迅速に転送することが可能とな
る。

【０１０７】２）エージェントが自律的にサーバを渡り
歩く必要を無くし、高速にジョブを処理することが可能
となる。

【０１０８】また、本発明は、複数のサーバにおける処
理内容を示すコマンドと、該コマンドを実行するための
属性情報とからなるジョブチケットを用いるよう構成し
たので、ジョブを記述する際のユーザの負荷を軽減する
ことが可能となる。

【０１０９】また、本発明では、エージェントと出力装
置をそれぞれ対応づけ、出力装置に対しては対応するエ
ージェントのみが関与するよう構成したので、出力装置
に対する排他制御を効率良く行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２に示すジョブ処理システムの構成を示す機
能ブロック図。

【図２】本実施の形態で用いるジョブ処理システムのシ
ステム構成を示す図。

【図３】図１に示すジョブ処理システムの処理手順を示
すシーケンス図。

【図４】図１に示すジョブ処理システムの排他制御を示
す概念図。

【図５】図１に示す画像ファイル記憶部が保持する画像
ファイルの構成を示す図。

【図６】図１に示すプリントサーバにおける画像データ
の入出力の流れを示す説明図。

【図７】図１に示すジョブチケットの一例を示す図。

【符号の説明】

１０，１１，１９…ＷＳ、 １２…ネットワーク、１
３，１４，１５…プリントサーバ、 １６，１７…プリ
ンタ、１８…公衆通信網、 １０ａ…ジョブチケット送
信部、１０ｂ…ジョブチケット作成部、 ２０，２３…
エージェント、２０ａ…ジョブチケット受信部、 ２０
ｂ…ジョブ処理依頼部、２０ｃ…ジョブチケット転送
部、 ２１，２４…ジョブ処理部、２２，２５…画像フ
ァイル記憶部、 ５０…ジョブチケット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のクライアントが有するジョブを複
   数のエージェントを介して複数のサーバで処理するジョ
   ブ処理システムにおいて、 各クライアントは、 ジョブの処理内容を示すジョブチケットを作成するジョ
   ブチケット作成手段と、 前記ジョブチケット作成手段が作成したジョブチケット
   を所定のエージェントに対して出力するジョブチケット
   出力手段とを具備し、 各エージェントは、 前記複数のサーバにそれぞれ駐在して前記複数のクライ
   アントをそれぞれ総括代理し、 前記ジョブチケット出力手段が出力したジョブチケット
   を受け付けるジョブチケット受付手段と、 前記ジョブチケット受付手段が受け付けたジョブチケッ
   トを解析して、当該エージェントに対応するサーバに対
   して該ジョブチケットに対応するジョブの処理を依頼す
   るジョブチケット処理手段とを具備したことを特徴とす
   るジョブ処理システム。
2. 【請求項２】 前記ジョブチケット処理手段は、 前記ジョブチケット受付手段が受け付けたジョブチケッ
   トを当該エージェントに対応するサーバが処理できるか
   否かを判断し、当該サーバが処理できると判断した場合
   には当該サーバに対してジョブチケットに対応するジョ
   ブ処理を依頼し、当該サーバが処理できないと判断した
   場合には他エージェントに対してジョブチケットを転送
   することを特徴とする請求項１記載のジョブ処理システ
   ム。
3. 【請求項３】 前記ジョブチケット作成手段は、 前記複数のサーバにおける処理内容を示すコマンドと、
   該コマンドを実行するための属性情報とからなるジョブ
   チケットを作成することを特徴とする請求項１記載のジ
   ョブ処理システム。
4. 【請求項４】 複数のクライアントが有するジョブを複
   数のエージェントを介して複数のサーバで処理し、その
   処理結果を複数の出力装置で出力処理するジョブ処理シ
   ステムにおいて、 各クライアントは、 ジョブの処理内容を示すジョブチケットを作成するジョ
   ブチケット作成手段と、 前記ジョブチケット作成手段が作成したジョブチケット
   を所定のエージェントに対して出力するジョブチケット
   出力手段とを具備し、 各エージェントは、 前記複数のサーバにそれぞれ駐在して前記複数のクライ
   アントをそれぞれ総括代理し、 前記ジョブチケット出力手段が出力したジョブチケット
   を受け付けるジョブチケット受付手段と、 前記ジョブチケット受付手段が受け付けたジョブチケッ
   トを解析して、当該エージェントに対応するサーバに対
   して該ジョブチケットに対応するジョブの処理を依頼す
   るジョブチケット処理手段と、 前記ジョブチケット処理手段による依頼に応答して前記
   サーバが前記ジョブチケットに対応する処理を実行した
   際に、該サーバが処理を実行した実行結果を当該エージ
   ェントに対応する出力装置に対して送信する送信手段と
   を具備したことを特徴とするジョブ処理システム。