JP4032860B2 - インキキー制御方法及びインキキー制御装置 - Google Patents

インキキー制御方法及びインキキー制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキキーを持つ印刷機による印刷に適用されるものであり、印刷紙面上に設けられたカラーバーから、印刷箇所の光学濃度に代表される印刷品質に係るデータを、印刷中に測定により求め、所望の印刷品質を維持するようにインキキーの開度を制御するインキキー制御方法及びインキキー制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷紙面上に設けられたカラーバーから印刷品質に係るデータを、印刷中に測定により求め、所望の印刷品質を維持するようにインキキーの開度を制御するインキキー制御装置は、印刷物の絵柄面積率が印刷紙面内で高低いろいろあるにも拘らず、一意的に決定された動作隙間を用いて印刷用紙の全面の制御を行っていた。
【0003】
動作隙間とは目標値に対して設けられた帯域であり、不感帯とも呼ばれる。この帯域内であれば、実測値が目標値から外れたとしても、制御システムはその偏差を無視し、制御動作は発動しない。目的は、制御対象の系において定常的な外乱が存在する場合に、制御装置をその外乱の影響から保護することにある。この従来の動作隙間の帯域幅は、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する際に定常的に発生する外乱を想定して決定されていた。
【0004】
ここで、絵柄が軽い、いわゆるハイキーな印刷物を印刷する場合について考える。この場合、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの定常的な変動幅は、従来の動作隙間の幅よりも大きくなることがあった。原因としては、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較して外乱から受ける影響が大きいことなどが考えられる。ここで述べている外乱とは、例えばインキの消費量が少ないことに起因するインキの消費と供給のバランスの崩れなどである。このような状況で従来技術による制御をおこなうと、不必要な制御動作の回数が増え、結果的に制御状態にも係わらず非制御状態と比較してカラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅が大きくなっていた。つまり印刷品質のバラツキが大きくなり所望の印刷品質を得られないことがあった。
【0005】
一方、絵柄が重い、いわゆるローキーな印刷物を印刷する場合について考える。この場合、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの定常的な変動幅は、従来の動作隙間の幅よりも小さくなることがあった。理由としては、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較してインキの消費量が多いことからインキの消費と供給のバランスが安定しやすいため、その系で発生する外乱から受ける影響が小さくなっていることなどが考えられる。このような状況で従来技術による制御をおこなうと、必要な制御動作の回数が減り、結果的に目標値に対して定常偏差が発生するなどの問題があった。
【0006】
定常偏差とは、例えば図6に示すような、動作隙間の幅が±0.03のときに、実測値92が目標値93に対して0.015ほど低いところを中心として安定した場合に発生する目標値と実測値の偏差である。このような偏差は、実測値が動作隙間である±0.03以内であるため制御動作による補正を受けられず、実測値と目標値の偏差が定常的に解消されないものである。
【0007】
上記の二つの問題は図4に示すA、B、C、Dといった幅方向に分割された領域毎に発生することもあった。図4は8面付けの印刷レイアウトの例である。このようなレイアウトの場合、流れ(縦)方向にレイアウトされた2つの面は、印刷機の構造上、色を調整することに関しては、一つの領域として扱われる。
【0008】
問題が発生するのは、A、B、C、Dの各領域で絵柄面積率が極端に異なる場合である。例えば次のような印刷物である。
・A,C、Dでは領域内で絵柄が占める割合が高い、つまり藍、紅、黄のインキが多用されていることから、絵柄面積率が高い領域。
・Bでは領域内で文字が占める割合が高い、つまり墨インキのみが使用されており、さらに文字に対してその他の余白部分が大きいことから、絵柄面積率が低く、具体的には絵柄面積率が2〜5%程度といった領域。
このような領域を持つ印刷物の例としては出版物などが挙げられる。このとき絵柄面積率が低い領域では、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅は従来の動作隙間の幅よりも大きくなっていた。つまり、従来の動作隙間はカラーバー中の印刷品質に係わるデータの定常的な変動幅に対して狭すぎた。
【0009】
一方、絵柄面積率が高い領域では、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅が従来の動作隙間の幅よりも小さくなっていた。つまり、従来の動作隙間はカラーバー中の印刷品質に係わるデータの定常的な変動幅に対して広すぎた。
【0010】
この結果、動作隙間が狭すぎる場合には不必要な制御動作の回数が増えるため制御時にもかかわらず非制御時よりも濃度変動が大きくなる、または動作隙間が広すぎる場合には定常偏差が発生するなどの問題が生じていた。
【0011】
また、上記の二つの問題は、図5に示すa、b、c、d、e、fといったインキキーゾーン毎に発生することもあった。インキキーとは、オフセット印刷機のインキローラ上の横方向に任意の間隔で配置してあるインキ量調整装置であり、印刷レイアウト上でこのインキキーと従属関係にある範囲をインキキーゾーンと呼ぶ。
【0012】
問題が発生するのは、a、b、c、d、e、fといった各インキキーゾーンで絵柄面積率が極端に異なる場合である。例えば、次のようなインキキーゾーンを持つ印刷物である。
・インキキーゾーンd、e、fでは、絵柄が占める割合が高い、つまり藍、紅、黄のインキが多用されていることから、絵柄面積率が高いインキキーゾーン。
・インキキーゾーンa、b、cでは文字が占める割合が高い、つまり、絵柄面積率が低く、具体的には絵柄面積率が2〜5%程度といったインキキーゾーン
【0013】
このような領域を持つ印刷物の例としては出版物などが挙げられる。このとき絵柄面積率が低いインキキーゾーンでは、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅は従来の動作隙間の幅よりも大きくなっていた。つまり、従来の動作隙間はカラーバー中の印刷品質に係わるデータの定常的な変動幅に対して狭すぎた。
【0014】
一方、絵柄面積率が高いインキキーゾーンでは、カラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅が従来の動作隙間の幅よりも小さくなっていた。つまり、この場合、従来の動作隙間は定常的なカラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅に対して広すぎた。
【0015】
この結果、動作隙間が狭すぎる場合には不必要な制御動作の回数が増えるため制御時にもかかわらず非制御時よりも濃度変動が大きくなる、または動作隙間が広すぎる場合には定常偏差が発生するなどの問題が生じていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような技術的背景を考慮してなされたものであり、1つの印刷物中で絵柄面積率の高低差がある場合でも、絵柄面積率の高低差による影響を低減し、安定した制御を実現する為に有効なインキキー制御方法及びインキキー制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第1の発明は、印刷紙面上に設けられたカラーバーを測定し、印刷紙面の印刷品質にかかわる特性を把握し、その結果に基づいてインキキーの開度を制御する方法であって、インキキー開度の制御を行う前に、予め、前記印刷紙面上の面毎の、若しくはインキキーに対応した領域毎の絵柄情報に基づいて動作隙間を決定する制御要領決定ステップを備え、前記印刷品質にかかわる特性の実測値が前記動作隙間の範囲を超えた場合にインキキー開度を制御することを特徴とするインキキー制御方法である。
【0020】
また、第の発明は、印刷紙面上に設けられたカラーバー中の印刷品質にかかわるデータを測定し、その結果に基づいて、インキキーの開度を制御する装置であって、インキキ開度の制御を行う前に、予め、前記印刷紙面上の面毎の、若しくはインキキーに対応した領域毎の絵柄情報に基づいて動作隙間を決定する制御要領決定手段を備え、前記印刷品質にかかわるデータの実測値が前記動作隙間の範囲を超えた場合にインキキー開度を制御することを特徴とするインキキー制御装置である。
【0023】
また、第の発明は、前記測定する印刷品質の特性が、前記絵柄情報に基づいて決定された動作隙間の範囲を超えて目標から基準以上の違いを呈した場合に、操作すべきインキキーとその操作量を、人が認識可能に表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項に記載のインキキー制御装置である。
【0024】
また、第の発明は、前記表示装置は、1台の印刷機につき、絵柄情報に基づいて決定された動作隙間に関連付けてインキキーの制御に関わる現在の情報も表示することを特徴とする請求項に記載のインキキー制御装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の詳細を説明する。ただし、以下の内容は一つの例であり、本発明の請求の範囲を限定するものではない。
【0026】
図1は本発明のインキキー制御方法の流れを示す一例であり、まず、制御準備開始61に始まり、続いて絵柄情報としての絵柄面積率を入手する工程62を行い、次に予め作成しておいたルックアップテーブルを用いて絵柄面積率に応じた動作隙間の設定する工程63を行い、続けて実際のインキキー制御の制御開始64が始まる。すなわち、本発明の特徴は実際のインキキー制御を開始する前段階の設定の特徴がある。従来は、この工程62及び工程63は、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する際に定常的に発生する外乱を考慮して一意的に決定された動作隙間が用いられていた。
【0027】
ここでは、絵柄情報としては絵柄面積率を用いているが、他にも絵柄が定量的に判断できる情報があれば、特には拘らない。
【0028】
絵柄面積率入手手段としてはいくつか考えられるが、例えば、刷版絵柄面積率計での測定、CIP3のPPF、CIP4のJDF、そしてオペレータによる目視判断などがある。
【0029】
CIP3とは、プリプレス、プレス、ポストプレスをデジタルで結ぼうという構想であり、“International Cooperation forIntegration of Prepress, Press and Postpress”の略称である。そのコンセプトは、印刷機械や製本機械などの製版以降の機器を自動化するために、集版済みのデジタルデータから必要なデータを収集し、効率的に配信することで工程短縮、原価低減を目指すことである。なお、PPFとは上述の必要なデータのことを略して称するものであり、正式には“Print Production Format”と呼ばれ、このデータの中に絵柄面積率のデータが含まれている。
【0030】
CIP4とは、CIP3の“Prepress”,“Press”,“Postpress”に、さらに“Production”を加え、より大きな視点で印刷工程を捉えた構想であり、コンセプト等はCIP3とほぼ同様である。なお、JDFとは”Job Definition Format”の略であり、このデータの中に絵柄面積率のデータが含まれている。
【0031】
動作隙間の設定方法も多数あるが、例えば、以下に示すテストを行い、絵柄面積率と定常状態における濃度変動のルックアップテーブルを作成して、そのテーブルを用いて動作隙間の幅を決定する方法などが考えられる。
【0032】
まず全面が単色100%ベタの版を用いて印刷を行い、非制御時の定常状態における濃度変動を測定・記録し、その濃度変動の標準偏差を算出する。次に全面が単色90%平網の版を用いて上記と同様な条件で印刷を行い、同様な解析を行う。さらに単色80%平網、単色70%平網、・・・、単色10%平網といった具合に10%刻みの版をそれぞれ用意して、同様な条件で印刷を行い、同様な解析を行う。そして最後に単色5%平網の版を用いて、同様な条件で印刷し、同様な解析を行う。
【0033】
以上の段階をふまえて設定された動作隙間を用いることで、印刷物の絵柄面積率に応じた制御が可能になることから、絵柄面積率の高低に拘わらず、良好な制御状態が得られ、印刷品質の安定性および生産性が向上する。
【0034】
さらに印刷物の絵柄の配置によっては、領域毎に組み合わせを決定し、場合によってはインキキー毎に組み合わせを決定するといった、より細かい設定をすることで、さらなる効果を得ることができる。
【0035】
例えば、図4は印刷紙面上の面(ページ)毎に絵柄面積率に応じた動作隙間を設定することが好ましい印刷レイアウトの一例である。図4における、70は一つの面、71は文字、72は絵柄である。図4に示すような領域A、B、C、Dで絵柄面積率が極端に異なる印刷レイアウトの場合には、面毎に動作隙間の幅を設定することで、本発明はより効果的に機能する。
【0036】
さらに、図5はインキキー毎に絵柄面積率に応じた動作隙間を設定することが望ましい場合の印刷レイアウト中の一部分の一例である。図5における、80は一つのインキキーに依存する範囲(インキキーゾーン)、81は文字、82は絵柄である。図5に示すようなインキキー毎に絵柄面積率が極端に異なる印刷レイアウトの場合には、インキキーゾーン毎に動作隙間の幅を設定することで、本発明はより効果的に機能する。
【0037】
次に、本発明のインキキー制御装置について図を用いて説明する。図2は本発明のインキキー制御装置を設置したオフセット輪転機の概略図である。
図2中、10は(オフセット輪転機の)印刷ユニット、11は墨ユニット、2は藍ユニット、13は紅ユニット、14は黄ユニット、15は印刷用紙、20はインキキー制御装置、21は演算装置、22は測定用カメラ、そして23はケーブル、24は表示装置、25は記憶装置である。
【0038】
インキキー制御装置20は、オフセット輪転機10にて印刷・乾燥された印刷用紙15上の印刷箇所の光学濃度を、測定用カメラ22を用いて測定し、制御用演算装置21で演算し、ケーブル23を介してインキキー制御情報をオフセット輪転機にフィードバックするように接続されている。ここでは、測定用カメラ22で測定する特性を光学濃度としているが、もちろん、色を測定しても構わない。
【0039】
この時、絵柄情報に基づいて決定された動作隙間や制御履歴を印刷紙面上の面毎やインキキー毎に記憶するために、インキキー制御装置に記憶装置25を接続することも好適である。こうすることで、記憶されたデータから絵柄情報に基づいて決定する動作隙間の幅を定期的に更新するといったことなどが可能になる。
【0040】
また、測定する印刷品質の特性がその目標値から基準以上の違いを呈した場合の操作すべきインキキーとその操作量を、棒グラフなどの人が容易に認識できる表示でオペレーターに知らせたり、絵柄情報に基づいて決定された動作隙間に関連付けてインキキーの制御に関わる現在の情報、例えば、図6に示すような定常偏差を示すグラフをオペレーターに知らせるために、表示装置24を接続することも好適である。こうすることで、印刷中も、制御装置を表示装置で確認できることから、何らかの障害が発生した場合に適切な対応を迅速に行うことができる。
【0041】
図3は、図2のインキキー制御装置をブロック線図で表したものである。
比較部31に予め設定された目標値(目標濃度)30と検出部(測定用カメラ)39によって印刷紙面を測定した測定値(濃度)40が入力され、比較判定が行われる。ここで偏差(濃度差)32が予め設定された絵柄情報に対応した動作隙間よりも大きくなった際には、制御部33に偏差データが渡され、演算部34でインキキーの制御係数(ゲイン)35が求められる。そして、制御対象(インキキー開度)37に入力(インキキー開度への操作量)36を渡して、該当するインキキーを制御して、出力(紙面上のインキ膜厚)38が得られ、印刷紙面の濃度測定が繰り返される。
【0042】
このように、本発明は、印刷物の絵柄面積率に代表される絵柄情報に応じて、時には、面毎に、あるいはインキキーゾーン毎に、動作隙間を設定することが可能であり、どのような絵柄情報をもつ印刷物においても、適切なインキキー制御を実現できる。
【0043】
<実施例1>
ここでは図1に示す手順で実施した本発明に係わる一実施例として図4に示すような片面8ページ(両面で16ページ)印刷を行った結果を示す。実施手順としては、まず制御準備開始(図1中61)後、絵柄面積率計により各領域の絵柄面積率を入手(図1中62)した。入手した値は30%、20%、3%、25%であった。次に過去のデータに基づき予め作成しておいたルックアップテーブルを用いて、絵柄面積率が30%、20%、25%の領域では、動作隙間として±0.03(図1中63)を設定し、また絵柄面積率が5%の領域では、動作隙間として±0.05(図1中63)を設定し、制御開始(図1中64)に備えた。尚、上述の内容は記憶装置(図2中の25)に記憶されていた情報から把握したものである。
【0044】
今回の印刷は、三菱重工製BT全判B−B型オフセット輪転機にインキキー制御装置を取り付けたシステムで行なった。取り付けたインキキー制御装置は印刷物の余白部分に設けたコントロールストリップ中のベタパッチの印刷箇所の光学濃度をビデオカメラにて測定し、その印刷箇所の光学濃度が任意の目標値に近づくようにインキキーを制御するシステムであった。
【0045】
ここでは、刷り出しから制御を行った。目標値は予め制御装置へ入力しておいた。具体的には目標値として、ステータスEで[K、C、M、Y]=[1.5、1.3、1.3、1.2]とした。
【0046】
制御中には、本発明により全ての領域において絵柄面積率に適した動作隙間を設けたことから、全ての領域で制御動作は適切に行われており、特に一般的な絵柄面積率より極端に低い3%の絵柄面積率をもつ領域においても、不必要な制御動作が発動することなく、制御状態が良好であることを、制御状態を表示する表示装置(図2中24)から確認できた。なお、制御終了後には、測定値(図3中40)の解析結果から、全ての領域で制御中のベタ濃度が目標値に対して、±0.1D以内であったことを確認できた。この結果は所望のレベルに達しており、目視評価も大変良好であった。
【0047】
なお、本実施例では領域毎に動作隙間を決定するケースを示したが、本発明によるインキキー制御方法ではインキキーゾーン毎に絵柄面積率が異なるような場合、各インキキーゾーンで絵柄面積率に応じた動作隙間を設定することで、更に安定した制御を実現できる。
【0048】
<比較例1>
実施手順としては、まず制御準備開始後、一意的に設定されている従来の動作隙間を設けて、制御開始に備えた。なお、その幅は一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を制御対象として設計されていたものであった。
【0049】
版は各領域で30%、20%、5%、25%の絵柄面積率をもつ、実施例1と同様の版を用意し、実施例1と可能な限り同様の条件で印刷・制御を行った。
【0050】
この結果、絵柄面積率が30%、20%、25%の領域では、制御中のベタ濃度が目標値に対して±0.1D以内であったことを確認できた。
【0051】
しかし、絵柄面積率が5%の領域では、一般的な絵柄面積率を持つ印刷物を印刷する場合と比較して定常状態における濃度変動が大きかったことから、一般的な絵柄の面積率を持つ印刷物を制御対象として設計されていた動作隙間では、不必要な制御動作の回数が増えてしまい、結果として制御によりカラーバー中の印刷品質に係わるデータの変動幅が大きくなった。具体的には、振幅が約±0.3Dのハンティングが発生し、所望の印刷品質を得られなかった。
【0052】
以上より、比較例では、制御により絵柄面積率が低い領域では印刷箇所の濃度変動は大きくなったため、所望の印刷品質の安定性が得られないといったことなどの問題があったが、本発明に係る実施例によれば、上記の問題を解消できた。
【0053】
【発明の効果】
ここまで述べてきたように、本発明によれば、1つの印刷物中で絵柄面積率などの絵柄情報の違いがある場合でも、絵柄情報の違いによる影響を低減することが出来、安定した制御を実現する為に有効なインキキー制御方法とインキキー制御装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキキー制御方法の流れの一例を示す説明図である。
【図2】本発明のインキキー制御装置を設置したオフセット輪転機の概略図である。
【図3】図2のインキキー制御装置のブロック線図である。
【図4】印刷紙面上の面(ページ)毎に絵柄面積率に応じた動作隙間を設定することが好ましい印刷レイアウトの一例を示す説明図である。
【図5】インキキー毎に絵柄面積率に応じた動作隙間を設定することが望ましい場合の印刷レイアウト中の一部分の一例を示す説明図である。
【図6】定常偏差を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・印刷ユニット
11・・・墨ユニット
12・・・藍ユニット
13・・・紅ユニット
14・・・黄ユニット
15・・・印刷用紙
20・・・インキキー制御装置
21・・・演算装置
22・・・測定用カメラ
23・・・ケーブル
24・・・表示装置
25・・・記録装置
30・・・目標値(目標濃度)
31・・・比較部
32・・・偏差(濃度差)
33・・・制御部
34・・・制御手法を具現化した演算部
35・・・制御係数(ゲイン)
36・・・入力(インキキー開度への操作量)
37・・・制御対象(インキキー開度)
38・・・出力(紙面上のインキ膜厚)
39・・・検出部(測定用カメラ)
40・・・測定値(濃度)
61・・・制御準備開始
62・・・絵柄面積率入手
63・・・制御手法と制御係数の組み合わせを選択
64・・・制御開始
70・・・面
71、81・・・文字
72、82・・・絵柄
73、74、83・・・折り目
80・・・インキキーゾーン
90・・・動作隙間の上限
91・・・動作隙間の下限
92・・・実測値
93・・・目標値

Claims (4)

  1. 印刷紙面上に設けられたカラーバーを測定し、印刷紙面の印刷品質にかかわる特性を把握し、その結果に基づいてインキキーの開度を制御する方法であって、インキキー開度の制御を行う前に、予め、前記印刷紙面上の面毎の、若しくはインキキーに対応した領域毎の絵柄情報に基づいて動作隙間を決定する制御要領決定ステップを備え、前記印刷品質にかかわる特性の実測値が前記動作隙間の範囲を超えた場合にインキキー開度を制御することを特徴とするインキキー制御方法。
  2. 印刷紙面上に設けられたカラーバー中の印刷品質にかかわるデータを測定し、その結果に基づいて、インキキーの開度を制御する装置であって、インキキ開度の制御を行う前に、予め、前記印刷紙面上の面毎の、若しくはインキキーに対応した領域毎の絵柄情報に基づいて動作隙間を決定する制御要領決定手段を備え、前記印刷品質にかかわるデータの実測値が前記動作隙間の範囲を超えた場合にインキキー開度を制御することを特徴とするインキキー制御装置。
  3. 前記測定する印刷品質の特性が、前記絵柄情報に基づいて決定された動作隙間の範囲を超えて目標から基準以上の違いを呈した場合に、操作すべきインキキーとその操作量を、人が認識可能に表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項に記載のインキキー制御装置。
  4. 前記表示装置は、1台の印刷機につき、絵柄情報に基づいて決定された動作隙間に関連付けてインキキーの制御に関わる現在の情報も表示することを特徴とする請求項に記載のインキキー制御装置。
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