JP2006212985A - 印刷の色調制御用注目画素領域設定方法及び装置並びに印刷機の絵柄色調制御方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 製版データ及び印刷用ジョブチケットデータの作成時に、ジョブチケットデータに製版データに対応した注目画素領域に関する情報を書き込む注目画素領域情報書き込みステップと、製版データ及びジョブチケットデータに基づいて印刷を実施するに当たって、書き込まれた注目画素領域に関する情報に基づいて印刷絵柄中に注目画素領域を設定する注目画素領域設定ステップとを備えるようにする。
【選択図】 図6
Description
例えば、特許文献1及び特許文献2にて提案された技術では、次のような手順で色調制御を行なう。
まず、各色の印刷ユニットで印刷された絵柄の分光反射率を分光計にて測定する。そして、インキキーのキーゾーン毎に分光反射率(キーゾーン全体の平均分光反射率)を演算し、さらに各キーゾーンの分光反射率を国際照明委員会が提唱する色座標値(L*a*b*)に変換する。各色のインキ供給量を調整して試印刷を行い、所望の色調を有する印刷シート(以下、OKシートという)が得られたら、OKシートの各キーゾーンの色座標値を目標色座標値に設定する。次に、本印刷を開始してキーゾーン毎にOKシートと印刷シート(以下、本印刷で得られた印刷シートを本刷りシートという)との色座標値の差(色差)を算出し、色差に対する各印刷ユニットのインキキー開度の増減量を計算して、色差がゼロになるように各印刷ユニットの各インキキーの開度をオンライン制御によって調整する。
まず、印刷絵柄をインキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときのインキ供給単位幅毎の目標混色網濃度を設定する。なお、インキ供給装置のインキ供給単位幅とは、インキ供給装置がインキキー装置である場合には各インキキーのキー幅(キーゾーン)のことであり、インキ供給装置がデジタルポンプ装置である場合には各デジタルポンプのポンプ幅のことである。なお、目標混色網濃度の設定方法については、後述する。
また、外部(例えば、印刷依頼元等)から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データ(例えば、製版用の画像データ等)を取得できる場合の目標混色網濃度の設定手法として、以下の点が提案されている。
そこで、より色調制御を精度良く実施することができるように注目画素を適切に設定したいが、例えば新聞印刷などの場合、紙面編集から印刷完了までを短時間で完了しなくてはならないので、注目画素の設定を適切にするだけでなく短時間で効率よく行なわれなくてはならない。
上記ベタ領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が予め設定された基準値以上の領域であって、上記網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が上記基準値未満の領域であることが好ましい(請求項4)。この場合の網点面積率の値にかかる予め設定された基準値は、例えば70%とすることができる。
上記の設定された注目画素領域のうちエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いたものを印刷の色調制御に用いる注目画素領域とすることが好ましい(請求項6)。
また、上記第2の注目画素領域設定ステップでの上記自己相関が高い領域とは、各インキ色について予め設定された条件以上に自己相関が高い全ての画素群であって、上記第2の注目画素領域設定ステップは、コンピュータを用いて上記画素群を自動抽出する注目画素領域自動設定ステップとして構成されることが好ましい(請求項10)。
また、本発明の印刷機の絵柄色調制御方法(請求項12)は、請求項1〜11の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法を用いて設定された注目画素領域に注目して印刷の色調をフィードバック制御する印刷機の絵柄色調制御方法であって、上記注目画素領域に関する目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定ステップと、上記IRGB濃度計を用いて、印刷で得られた本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の各インキ色の上記注目画素領域に関する実混色網濃度を計測する実混色網濃度計測ステップと、予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率算出ステップと、上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率算出ステップと、予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度算出ステップと、上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度算出ステップと、予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、上記注目画素領域について、上記目標網点面積率のもとでの上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差算出ステップと、上記ベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整ステップとをそなえていることを特徴としている。
本発明の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置(請求項15)は、印刷絵柄中の特定の画素領域に注目して印刷の色調をフィードバック制御する際に用いる各インキ色の注目画素領域の設定する装置であって、製版データ及び印刷用ジョブチケットデータ内に設けられ、上記ジョブチケットデータに上記製版データに対応した上記注目画素領域に関する情報を書き込む書込領域と、上記製版データ及び上記ジョブチケットデータに基づいて印刷を制御するとともに上記の注目画素領域に関する情報に基づいて上記注目画素領域を自動で設定する演算装置とを備えていることを特徴としている。
上記のベタ領域又は平網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の画像微分値が予め設定された基準値以下の領域であることが好ましい(請求項17)。
上記演算装置は、上記の設定された注目画素領域のうちエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いたものを印刷の色調制御に用いる注目画素領域とすることが好ましい(請求項19)。
また、本発明の印刷機の絵柄色調制御装置(請求項22)は、請求項15〜21の何れか1項に記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置と、印刷幅方向に分割された領域毎にインキを供給するインキ供給装置と、印刷で得られる本刷りシートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計と、上記インキ供給単位幅毎の該注目画素領域に関する目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定手段と、上記IRGB濃度計を操作して上記本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測する混色網濃度計測手段と、予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率演算手段と、上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率演算手段と、予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度演算手段と、上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度演算手段と、予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率のもとでの上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差演算手段と、上記ベタ濃度偏差に基づくフィードバック制御により上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段とを備えたことを特徴としている。
さらに、上記のベタ領域又は平網領域を、上記印刷絵柄の網点面積率の画像微分(隣接画素との差分)値が予め設定された基準値(例えば1%)以下の領域とすること(請求項3,17)や、上記ベタ領域を上記印刷絵柄の網点面積率の値が予め設定された基準値(例えば70%)以上の領域とし、上記網領域を上記印刷絵柄の網点面積率の値が上記基準値未満の領域とすること(請求項4,18)により、ベタ領域や網領域や平網領域の各領域の自動選定を容易に行なえるようになる。
また、注目画素領域のエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いた領域を印刷の色調制御に用いる注目画素領域とすること(請求項6〜8,19,20)により、注目画素領域中に、白紙領域を含む他の領域が入らないようにすることができ、印刷速度上昇時やペースタ(自動紙継)時等に目標画像位置と現在画像位置とにずれが生じた場合にも、濃度検出感度の低下を防ぐことができ、色調制御の精度低下を抑制することができる。
図1は本発明の一実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。本実施形態の新聞用オフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷シート8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。本実施形態では、印刷ユニット2a,2b,2c,2dは、インキキー7とインキ元ローラ6からなるインキキー式のインキ供給装置を備えている。この形式のインキ供給装置では、インキキー7のインキ元ローラ6に対する隙間量(以下、この隙間量をインキキー開度という)によりインキ供給量を調整することができる。また、インキキー7は印刷幅方向に複数並置されており、インキキー7の幅単位(以下、インキキー7によるインキ供給単位幅をキーゾーンという)でインキ供給量を調整することができる。インキキー7により供給量を調整されたインキは、インキローラ群5内で適度に練られ、薄膜を形成した後に版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷シート8に転写される。なお、図1中では省略しているが、本実施形態の新聞用オフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷シート8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3,3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4やインキ供給装置が設けられている。
ここで、本実施形態に係る印刷の色調制御用注目画素領域設定方法及び装置について説明する。図6に示すように、注目画素領域設定の処理ステップとして、紙面作成パートの処理ステップ(ステップA10〜A30)と、印刷パートの処理ステップ(ステップA40〜A80)とをそなえている。なお、全国紙の新聞であれば、紙面作成パートは主に基地局側で処理し、印刷パートは主に各地の印刷工場側で処理する。
例えば、印刷絵柄内は、網点面積率に着目すれば、網点面積率が100パーセントのベタ領域と、網点面積率が100パーセント未満(例えば、70パーセント程度未満、任意に変更できる)の網領域とに分類できる。さらに、網点面積率の変化に着目すれば、上記のベタ領域及び隣接する画素間で網点面積率が均一の平網領域と、その他の網領域とに分類できる。本実施形態では、ベタ領域と網領域(平網領域も含む)と平網領域(ベタ領域も含む)とのうちのいずれか重視したいものを注目画素領域に選択して、色調制御を行なうようになっている。
一方、例えば印刷工場側の印刷パートでは、紙面作成パートから送られたジョブチケットデータ(ステップA40)、及び、製版データを取得して(ステップA50)、製版パートでデザイナーが指定した色合わせ重視の製版データに対する座標がジョブチケットデータに書かれていない場合には、ステップA55の判定を経て、製版データに基づいてジョブチケットデータ内のガイダンス(即ち、色調制御のための注目画素領域に関する情報)に対応して色を合わせたい注目画素領域を選択し(ステップA60)、さらに、製版データに基づいて予め設定された設定基準に対応した積算制御ポイント(注目画素領域)を自動抽出する(ステップA70)。また、製版パートでデザイナーが指定した色合わせ重視の製版データに対する座標がジョブチケットデータに書かれていた場合には、このジョブチケットデータに書かれた座標を優先的に選んで、その位置を注目画素に選択する(ステップA90)。
第2の注目画素領域の設定は、演算装置10のDSP11を通じて行なわれ、DSP11には、第2の注目画素領域を自動で設定する機能(第2の注目画素領域自動設定手段)がそなえられる。
つまり、演算装置10には、予め製版データが入力され、演算装置10のDSP11では、この製版データに基づいて得られるkcmy網点面積率データから、印刷絵柄をインキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときの上記インキ供給単位幅毎に、各インキ色について自己相関が高い領域を選定し、この選定領域の中から該当するインキ色のエッジ部を所定画素分だけ除いた領域を、各インキ色に対応する制御時の参照領域である注目画素領域としてそれぞれのインキ色毎に自動設定する(この機能が第2の注目画素領域設定手段の1つである注目画素領域自動設定手段に相当する)ようになっている。ここで、インキ供給装置のインキ供給単位幅とは、インキ供給装置がインキキー装置である場合には各インキキーのキー幅(キーゾーン)のことであり、インキ供給装置がデジタルポンプ装置である場合には各デジタルポンプのポンプ幅のことである。
つまり、各インキ色について自己相関が高い領域とは、具体的には、自己相関感度Hが予め設定された所定値以上の領域であり、センサ(IRGB濃度計)1の画素単位の領域とする。センサの画素単位とは、センサ(IRGB濃度計)1の解像度の最小単位である。具体的には、製版データの画素を多数集めたものがセンサ画素単位の1画素(1ブロック)に相当することになる。例えば、CIP3のように解像度データが50.8dpi程度の低解像度であり、センサ1ブロックの解像度が2.54dpiなら製版データの縦20画素分,横20画素分の領域(製版データの画素単位でで、20×20=400画素分)がセンサ画素単位の1画素単位となる。
他の色のインキについても同様に、自己相関感度Hの値を算出し、それぞれ予め設定された基準自己相関感度値(所定値)H0と比較する。
ここでは、図9に示すように、製版データ[新聞社の基地局からビットマップデータ(1bit−Tiff製版用データ)、或いは50.8dpi相当のJDFデータ、或いはそれと同程度の解像度変換したデータ(1200dpi或いは2400dpiの1bit−Tiffデータから50dpiの8bit−Tiffに変換したデータ)]の形式で印刷工場に送信されてくる新聞紙の紙面情報]を取得し(ステップD10)、送信されたビットマップデータを印刷機のフォーマットに応じたJDFデータ相当の低解像度データに変換し(ステップD20)、この低解像度データを画素面積率データとして用いる。この解像度の変換処理は一般的なJDFデータとの共用を図るためであるが、後の処理においてビットマップデータそのものを画素面積率データとして用いることも可能である。
ステップD50では、データベース141に記録された変換テーブルを用いて、自動設定された各インキ色の注目画素の網点面積率ki,ci,mi,yiを混色網濃度に変換し、それを目標混色網濃度Ioa,Roa,Goa,Boaとして設定する。
そして、ステップS30aとして、ステップS20で演算された各画素の反射光量i,r,g,bを用いて各色の第1の注目画素の実混色網濃度I,R,G,Bを演算し、ステップS30bとして、ステップS20で演算された各画素の反射光量i,r,g,bを用いて各色の第2の注目画素の実混色網濃度I,R,G,Bを演算する。
まず、ステップS40aとして、ステップD50で設定された各色の第1の注目画素の目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及びステップS30aで演算された各色の第1の注目画素の実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率をそれぞれ演算する。また、ステップS40bとして、ステップD60で設定された各色の第2の注目画素の目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及びステップS30bで演算された各色の第2の注目画素の実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を、ステップS40aと同様にそれぞれ演算する。これらの演算にはデータベース141を用い、データベース141に記憶された対応関係に基づき、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の網点面積率を目標網点面積率ko,co,mo,yoとして演算し、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を実網点面積率k,c,m,yとして演算する。
ΔDsk=(1−A)・ΔDsk1+A・ΔDsk2
ΔDsc=(1−A)・ΔDsc1+A・ΔDsc2
ΔDsm=(1−A)・ΔDsm1+A・ΔDsm2
ΔDsy=(1−A)・ΔDsy1+A・ΔDsy2
色変換部14で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部15に入力される。インキ供給量演算部15は、ステップS70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、各インキキー7の現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0(前回のステップS100の処理で印刷機の制御装置20に出力したキー開度Kk,Kc,Km,Ky)に対する増減量であり、インキ供給量演算部15は、公知のAPI関数(オートプリセットインキング関数)を用いて演算を行なう。API関数は基準濃度にするため各キーゾーンの画線率A(Ak,Ac,Am,Ay)とキー開度K(Kk,Kc,Km,Ky)との対応関係を示した関数である。画線率Aは、ステップS0で用いたものを用いることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、画線率Aに対する基準濃度にするためのキー開度Kを、API関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。
dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷シートに供給されるインキ量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部16は、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部17に入力する。
また、PC12を用いて、上記のチェック欄へのチェックを自動で行なうことも可能であり、何ら人為的な処理を要さずに、注目画素領域の設定を適切に行なうことができる。
したがって、第1の注目画素領域の重み付けを100パーセント又はこれに近く設定すれば、紙面作成パートの意図が強く反映された色調制御(インキ供給量制御)を実施することができる。一方、紙面作成パートにあまり頼らないで制御をする場合には、第1の注目画素領域の重み付けを0パーセント又はこれに近く設定すれば、制御装置10による客観基準に従って自動設定された標準的な注目画素に基づく、適切な色調制御(インキ供給量制御)を実現できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記のものに限定されない。
例えば、本実施形態では、2系統で設定された注目画素領域を加重平均しており、加重平均にかかる重み付けは自由に設定できるようになっているが、よりシンプルに、紙面作成パート意思優先(第1の注目画素領域100パーセント)と、制御装置10による客観基準優先(第2の注目画素領域100パーセント)と、単純平均(両者50パーセント)との3パターンのみを選択できるようにしたり、より単純に、紙面作成パート意思優先(第1の注目画素領域100パーセント)と、制御装置10による客観基準優先(第2の注目画素領域100パーセント)とのいずれかを選択できるようにしたりしてもよい。また、第1の注目画素領域のみを採用しても、一定の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、各インキ色の網点面積率と混色網濃度とを関連付けるデータベース141を備える方法の他、各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係を規定した公知のノイゲバウアーの式を記憶しておき、この式に各インキ色の網点面積率を当てはめることで混色網濃度を算出する方法を採ることもできる。
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4 版胴
5 インキローラ群
6 インキ元ローラ
7 インキキー
8 印刷シート
10 演算装置
11 DSP
12 PC
14 色変換部
15 インキ供給量演算部
16 オンライン制御部
17 キー開度リミッタ演算部
20 印刷機内蔵の制御装置
30 タッチパネル
32 表示装置
40 印刷エリアモニタ(タッチパネル)
50 印刷面
Claims (22)
- 印刷絵柄中の特定の画素領域に注目して印刷の色調をフィードバック制御する際に用いる各インキ色の注目画素領域を設定する方法であって、
製版データ及び印刷用ジョブチケットデータの作成時に、上記ジョブチケットデータに上記製版データに対応した上記注目画素領域に関する情報を書き込む注目画素領域情報書き込みステップと、
上記製版データ及び上記ジョブチケットデータに基づいて印刷を実施するに当たって、上記の書き込まれた注目画素領域に関する情報に基づいて印刷絵柄中に上記注目画素領域を設定する注目画素領域設定ステップとを備えている
ことを特徴とする、色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記の注目画素領域に関する情報は、上記注目画素領域としてベタ領域,網領域,平網領域のうち少なくとも何れか2つの領域の中から1つを選ぶ選択情報である
ことを特徴とする、請求項1記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記のベタ領域又は平網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の画像微分値が予め設定された基準値以下の領域である
ことを特徴とする、請求項2記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記ベタ領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が予め設定された基準値以上の領域であって、上記網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が上記基準値未満の領域である
ことを特徴とする、請求項2記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記注目画素領域設定ステップでは、上記の注目画素領域に関する情報に基づいて上記注目画素領域を手動又は自動で設定する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記の設定された注目画素領域のうちエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いたものを印刷の色調制御に用いる注目画素領域とする
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記の注目画素領域に関する情報に基づいて行なう上記注目画素領域設定ステップを第1の注目画素領域設定ステップとし、上記第1の注目画素領域設定ステップとは別に、製版データのkcmy網点面積率データに基づいて、各インキ色について自己相関が高い領域をIRGB濃度計のセンサ画素単位で選定し、この選定領域の中から該当するインキ色のエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いた領域を、上記注目画素領域としてそれぞれのインキ色毎に設定する第2の注目画素領域設定ステップをさらにそなえている
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記の注目画素領域に関する情報に基づいて行なう上記注目画素領域設定ステップを第1の注目画素領域設定ステップとし、上記第1の注目画素領域設定ステップとは別に、製版データのkcmy網点面積率データに基づいて上記注目画素領域を設定するステップであって、各インキ色について自己相関が高い領域をIRGB濃度計のセンサ画素単位で選定し、この選定領域の中から該当するインキ色のエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いても上記注目画素領域が存在する場合には、上記選定領域の中から上記エッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いた領域を、該当するインキ色の上記注目画素領域として設定し、上記のエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除くと上記注目画素領域がなくなってしまう場合には、上記選定領域の中から上記エッジ部を除くことなく上記の自己相関が高い領域を、該当するインキ色の上記注目画素領域として設定する第2の注目画素領域設定ステップをさらにそなえている
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記第2の注目画素領域設定ステップでは、上記選定領域の中から該当するインキ色のエッジ部を上記センサ画素単位で除く際に、上記センサ画素単位で1画素分だけ除く
ことを特徴とする、請求項7又は8記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記第2の注目画素領域設定ステップでの上記自己相関が高い領域とは、各インキ色について予め設定された条件以上に自己相関が高い全ての画素群であって、
上記第2の注目画素領域設定ステップは、コンピュータを用いて上記画素群を自動抽出する注目画素領域自動設定ステップとして構成される
ことを特徴とする、請求項7〜9の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 上記第1の注目画素領域設定ステップによって設定された第1の注目画素領域と上記第2の注目画素領域設定ステップによって設定された第2の注目画素領域との和の領域を注目画素領域に設定する
ことを特徴とする、請求項7〜10の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法。 - 請求項1〜11の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法を用いて設定された注目画素領域に注目して印刷の色調をフィードバック制御する印刷機の絵柄色調制御方法であって、
上記注目画素領域に関する目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定ステップと、
上記IRGB濃度計を用いて、印刷で得られた本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の各インキ色の上記注目画素領域に関する実混色網濃度を計測する実混色網濃度計測ステップと、
予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率算出ステップと、
上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率算出ステップと、
予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度算出ステップと、
上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度算出ステップと、
予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、上記注目画素領域について、上記目標網点面積率のもとでの上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差算出ステップと、
上記ベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整ステップとをそなえている
ことを特徴とする、印刷機の絵柄色調制御方法。 - 請求項7〜11の何れか1項に記載の色調制御用注目画素領域設定方法を用いるとともに、
上記の目標混色網濃度設定ステップ,実混色網濃度計測ステップ,目標網点面積率算出ステップ,実網点面積率算出ステップ,目標単色網濃度算出ステップ,実単色網濃度算出ステップ,及びベタ濃度偏差算出ステップを、上記第1の注目画素領域設定ステップによって設定された第1の注目画素領域と上記第2の注目画素領域設定ステップによって設定された第2の注目画素領域との双方に関して実施して、上記インキ供給量調整ステップでは、これらから得られる2つの上記ベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整する
ことを特徴とする、請求項12記載の印刷機の絵柄色調制御方法。 - 上記インキ供給量調整ステップでは、上記第1の注目画素領域に関して得られた上記ベタ濃度偏差と、上記第2の注目画素領域に関して得られた上記ベタ濃度偏差とを、予め設定された重み付けに応じて加重平均して、この加重平均したベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整する
ことを特徴とする、請求項13記載の印刷機の絵柄色調制御方法。 - 印刷絵柄中の特定の画素領域に注目して印刷の色調をフィードバック制御する際に用いる各インキ色の注目画素領域の設定する装置であって、
製版データ及び印刷用ジョブチケットデータ内に設けられ、上記ジョブチケットデータに上記製版データに対応した上記注目画素領域に関する情報を書き込む書込領域と、
上記製版データ及び上記ジョブチケットデータに基づいて印刷を制御するとともに上記の注目画素領域に関する情報に基づいて上記注目画素領域を自動で設定する演算装置とを備えている
ことを特徴とする、印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記の注目画素領域に関する情報は、上記注目画素領域としてベタ領域,網領域,平網領域のうち少なくとも何れか2つの領域の中から1つを選ぶ選択情報である
ことを特徴とする、請求項15記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記のベタ領域又は平網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の画像微分値が予め設定された基準値以下の領域である
ことを特徴とする、請求項16記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記ベタ領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が予め設定された基準値以上の領域であって、上記網領域は、上記印刷絵柄の網点面積率の値が上記基準値未満の領域である
ことを特徴とする、請求項17記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記演算装置は、上記の設定された注目画素領域のうちエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いたものを印刷の色調制御に用いる注目画素領域とする
ことを特徴とする、請求項15〜18の何れか1項に記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記演算装置には、上記の注目画素領域に関する情報に基づいて注目画素領域を設定する第1の注目画素領域設定手段と、上記第1の注目画素領域設定手段とは別に、製版データのkcmy網点面積率データに基づいて、各インキ色について自己相関が高い領域をIRGB濃度計のセンサ画素単位で選定し、この選定領域の中から該当するインキ色のエッジ部を所定のセンサ画素分だけ除いた領域を、上記注目画素領域としてそれぞれのインキ色毎に設定する第2の注目画素領域設定手段とそなえている
ことを特徴とする、請求項15〜19の何れか1項に記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 上記演算装置では、上記第1の注目画素領域設定手段によって設定された第1の注目画素領域と上記第2の注目画素領域設定手段によって設定された第2の注目画素領域との和の領域を注目画素領域に設定する
ことを特徴とする、請求項15〜20の何れか1項に記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置。 - 請求項15〜21の何れか1項に記載の印刷の色調制御用注目画素領域設定装置と、
印刷幅方向に分割された領域毎にインキを供給するインキ供給装置と、
印刷で得られる本刷りシートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計と、
上記インキ供給単位幅毎の該注目画素領域に関する目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定手段と、
上記IRGB濃度計を操作して上記本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測する混色網濃度計測手段と、
予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率演算手段と、
上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率演算手段と、
予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度演算手段と、
上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度演算手段と、
予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、上記目標網点面積率のもとでの上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差演算手段と、
上記ベタ濃度偏差に基づくフィードバック制御により上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段とを備えた
ことを特徴とする、印刷機の絵柄色調制御装置。
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