JP3825427B2 - 印刷機の絵柄色調制御方法および印刷機 - Google Patents

印刷機の絵柄色調制御方法および印刷機 Download PDF

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本発明は、印刷機の絵柄色調制御方法及び印刷機に関し、特に、IRGB濃度計を用いて色調を制御する絵柄色調制御方法及びその絵柄色調制御を備えた印刷機に関する。
従来行われていた印刷機の絵柄の色調制御の方法として、絵柄とともに印刷シートの余白部分に色調検査用のカラーパッチを印刷し、このカラーパッチの分光反射率を分光計にて測定して、その測定結果から絵柄の色調の目標とする色調からのずれを検出して各色のインキ供給量を制御する方法がある。しかしながら、この方法では、印刷シートにカラーパッチを印刷するための余白が必要なため、余白の分だけ紙を無駄にしてしまう。
この問題に対し特許文献1及び特許文献2には、カラーパッチを用いることなく、絵柄自体の絵柄の色調制御を行う方法が提案されている。これらの文献に開示された方法は、要約すると次のような手順となる。
まず、各色の印刷ユニットで印刷された絵柄の分光反射率を分光計にて測定する。そして、インキキーのキーゾーン毎に分光反射率(キーゾーン全体の平均分光反射率)を演算し、さらに各キーゾーンの分光反射率を国際照明委員会が提唱する色座標値(L)に変換する。各色のインキ供給量を調整して試印刷を行い、所望の色調を有する印刷シート(以下、OKシートという)が得られたら、OKシートの各キーゾーンの色座標値を目標色座標値に設定する。次に、本印刷を開始してキーゾーン毎にOKシートと印刷シート(以下、本印刷で得られた印刷シートを本刷りシートという)との色座標値の差(色差)を算出し、色差に対する各印刷ユニットのインキキーの開度の増減量を計算して、色差がゼロになるように各印刷ユニットの各インキキーの開度をオンライン制御によって調整する。
特開2001−18364号公報 特開2001−47605号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に開示された方法には、以下のような課題がある。まず、上記方法では、計測手段として分光計を用いているが、分光計はコストが高く、さらに、分光計は新聞用輪転機のように計測対象(この場合は印刷シート)が極めて高速で移動する場合には処理能力上追従することができない。また、上記方法では、OKシートが印刷されてから色調制御が開始されることになるため、立ち上がりからOKシートが印刷されるまでの間に多くの損紙が発生してしまう。また、上記方法では、インキキーのキーゾーン内の絵柄をキーゾーン全体で平均化してその平均分光反射率に基づいて色調制御を行うため、キーゾーン内の絵柄の画線率が低い場合には、分光計の計測誤差が大きくなり、制御が不安定になりやすい。さらに、客先からの注文には、絵柄中の特定の注目点について特に厳しい色調管理を要求される場合があるが、このように特定の注目点について色調制御したい場合には、基準となる画像データとして上流の製版工程からCIP3〔CIP3(Cooperation for Integration of Prepress, Press, Postpress)規格のPPF(Print Production Format)〕等のデータをもらわなければならない。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、分光計よりもコストが低いIRGB濃度計を用いて色調制御を行えるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、OKシートが得られる以前の印刷開始直後から色調制御を行えるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、インキ供給単位幅毎に絵柄の色調制御を行う場合に、インキ供給単位幅内の絵柄の画線率が低くても、センサの計測誤差が少なく、安定した色調制御を行えるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は、基準となる画像データを必要とせず、絵柄の特定の注目点について色調制御を行えるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法を提供することを第4の目的とする。
さらに、本発明は、基準となる画像データ(PPFデータ等の絵柄面積率データ)を得られる場合に、これを有効に活用して正確な色調制御を行えるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法を提供することを第5の目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の印刷機の絵柄色調制御方法では、まず、印刷絵柄をインキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときのインキ供給単位幅毎の目標混色網濃度を設定する。インキ供給装置のインキ供給単位幅とは、インキ供給装置がインキキー装置である場合には各インキキーのキー幅(キーゾーン)のことであり、インキ供給装置がデジタルポンプ装置である場合には各デジタルポンプのポンプ幅のことである。なお、目標混色網濃度の設定方法は、後述するように種々の方法があり、状況に応じた適宜の方法を用いる。
印刷を開始して本刷りシートが得られると、IRGB濃度計を用いて本刷りシートのインキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測する。そして、予め設定した各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める。実網点面積率を実混色網濃度から求める方法としては、各インキ色の網点面積率と混色網濃度との関係を記憶したデータベース、例えば、ISO/TC130国内委員会が制定した新聞印刷JapanColor基準の印刷物を印刷し、IRGB濃度計で実測したデータベースを用いてもよく、より簡単には、そのデータベースを利用して公知のノイゲバウアーの式で近似した値を利用することもできる。また、上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率も求めておく。目標網点面積率については、実網点面積率のように毎回求める必要はなく、目標混色網濃度が変わらない限りは一度求めておけばよい。例えば、目標混色網濃度を設定した時点で目標網点面積率も求めておいてもよい。
次に、予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める。実単色網濃度を実網点面積率から求める方法としては、単色網濃度と網点面積率との関係を表すマップやテーブルを用意しておき、これらのマップやテーブルに実網点面積率を当てはめるようにすればよい。また、上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、目標網点面積率に対応する目標単色網濃度も求めておく。目標単色網濃度については、実単色網濃度のように毎回求める必要はなく、目標網点面積率が変わらない限りは一度求めておけばよい。例えば、目標網点面積率を設定した時点で目標単色網濃度も求めておいてもよい。
次に、予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、目標網点面積率のもとでの目標単色網濃度と実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求める。ベタ濃度偏差を求める方法としては、上記体対応関係を表すマップやテーブルを用意しておき、これらのマップやテーブルに目標網点面積率,目標単色網濃度及び実単色網濃度を当てはめてもよく、より簡単には、公知のユールニールセンの式を用いて前記関係を近似して、それを利用して求めてもよい。そして、求めたベタ濃度偏差に基づきインキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整し、各色のインキの供給量をインキ供給単位幅毎に制御する。ベタ濃度偏差に基づくインキ供給量の調整量は、簡単には、後の実施形態にて詳述する公知のAPI(オートプリセットインキング)関数を用いて求めることができる。
このように、本発明の印刷機の絵柄色調制御方法によれば、分光計ではなくIRGB濃度計を用いて色調制御を行うことができるので、計測手段にかかるコストが低減できるとともに新聞輪転機のような高速印刷機にも十分に対応することが可能である。
なお、上記の絵柄色調制御方法は、以下の構成の絵柄色調制御装置によって実施することができる。本発明の印刷機の絵柄色調制御装置は、印刷幅方向に分割された領域毎にインキを供給するインキ供給装置、及び印刷で得られる本刷りシートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計(好ましくはラインセンサ型IRGB濃度計)に加え、目標混色網濃度設定手段、混色網濃度計測手段、目標網点面積率演算手段、実網点面積率演算手段、目標単色網濃度演算手段、実単色網濃度演算手段、ベタ濃度偏差演算手段、及びインキ供給量調整手段をその構成要素として備えている。
このうち、目標混色網濃度設定手段、混色網濃度計測手段、目標網点面積率演算手段、実網点面積率演算手段、目標単色網濃度演算手段、実単色網濃度演算手段、ベタ濃度偏差演算手段、及びインキ供給量調整手段は、プログラムされたコンピュータの一機能として実現することができる。これらの各機能について説明すると、まず、目標混色網濃度設定手段は、印刷絵柄をインキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときのインキ供給単位幅毎の目標混色網濃度を設定する機能を有している。混色網濃度計測手段は、IRGB濃度計を利用して本刷りシートのインキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測する機能を有している。目標網点面積率演算手段は、予め設定した各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係(例えばノイゲバウアーの式)に基づき、目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める機能を有し、実網点面積率演算手段は、同じ対応関係に基づき実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める機能を有している。目標単色網濃度演算手段は、予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める機能を有し、実単色網濃度演算手段は、同じ対応関係に基づき、実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める機能を有している。ベタ濃度偏差演算手段は、予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係(例えばユールニールセンの式)に基づき、目標網点面積率のもとでの目標単色網濃度と実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求める機能を有している。そして、インキ供給量調整手段は、ベタ濃度偏差に基づき、例えばAPI関数によりインキ供給単位幅毎にインキ供給装置のインキ供給量を調整する機能を有している。なお、好ましくは、IRGB濃度計における網点面積率と混色網濃度と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルを備え、目標網点面積率演算手段及び実網点面積率演算手段は、この変換テーブルを用いて目標網点面積率或いは実網点面積率を求めるように構成する。
目標混色網濃度を設定する方法の一つとして、印刷開始からOKシートが得られるまでの間は、上記の各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、今回の印刷絵柄における各インキ色のインキ供給単位幅毎の画線率に対応する混色網濃度を求め、上記画線率に対応する混色網濃度を目標混色網濃度として設定する。これにより、立ち上がり直後から色調制御を行うことができ、OKシートが得られるまでの時間を短縮して損紙を低減することが可能になる。インキ供給単位幅毎の画線率は予め製版工程で製作したフィルムをフィルムスキャナで測定或いは刷版をプレートスキャナで測定した値を用いるが、同じ画線率の印刷絵柄であっても、ドットゲイン(網点の面積の太り)を考慮すると印刷絵柄を構成する網の密度(50%平網,80%平網,ベタ等)により計測する濃度は異なってくるので、好ましくは、画線率に対応する混色網濃度を求めるに際し、網の密度に応じてドットゲインを考慮した補正を行うようにする。
一方、印刷品質を満たしたOKシートが得られた場合には、印刷物の低画線部あるいは人間の目に目立つ絵柄位置の色調制御性能を向上させるためOKシートの絵柄を構成する画素の中からインキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定して、注目画素の混色網濃度を目標混色網濃度として設定するのが好ましい。この場合、実混色網濃度を計測するステップでは、注目画素の実混色網濃度を計測する。これによれば、通常画素面積率データがない場合、画素の単色ベタ濃度推定は不可能であるが本方法ではそれを可能にし、インキ供給単位幅毎の画線率の情報があれば、絵柄の特定の注目点についても色調制御を行うことができる。また、計測値をインキ供給単位幅全体で平均化しないので、インキ供給単位幅内の絵柄の画線率が低くても(例えば、1ポイントのコーポレートカラーのような絵柄でも)、センサ(IRBG濃度計)の計測誤差が少なく、安定した色調制御を行うことができる。なお、ここでいう注目画素とは、一画素でもよく、連続する一塊の複数画素でもよい。複数画素の場合には、その目標混色網濃度及び実混色網濃度は、これら複数画素の平均混色網濃度の目標値或いは実測値となる。
このように本発明の色調制御方法は、基準となる画像データがない場合でも注目画素毎の色調制御が可能であるが、外部(例えば、印刷依頼元等)から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データ(例えば、製版用の画像データ等)を取得できる場合には、印刷対象絵柄を構成する画素の中からインキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定し、予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換する。そして、注目画素の混色網濃度を目標混色網濃度として設定するとともに、設定した注目画素の実混色網濃度を計測する。これによれば、JapanColorのデータベースを利用するなど画素単位で発色を推定できるのでOKシートが印刷されるのを待つまでもなく、印刷開始直後から絵柄の特定の注目点について色調制御を行うことができる。なお、kcmy網点面積率データとしては、印刷対象絵柄のビットマップデータ(例えば、1bit−Tiff製版用データ)でもよく、ビットマップデータをCIP3データ相当の低解像度データに変換したものを用いてもよい。
さらに、印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データに加えてICC(International Color Consortium)プロファイルも取得できる場合には、印刷対象絵柄を構成する画素の中からインキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定し、注目画素の網点面積率をICCプロファイルとIRGB濃度計のデバイスプロファイルとを用いて混色網濃度に変換する。そして、注目画素の混色網濃度を目標混色網濃度として設定するとともに、設定した注目画素の実混色網濃度を計測する。このように印刷依頼元等から得たICCプロファイルに基づき色調を制御することによって、印刷依頼元等が所望する色調の印刷物を容易に得ることができる。
なお、注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換するには、一旦、ICCプロファイルを用いて網点面積率を色座標値に変換し、色座標値を混色網濃度に変換することになるが、色座標値は3次元情報であるのに対し混色網濃度は4次元情報であるため、色座標値に対応する混色網濃度は一意には定まらない。そこで、本発明は、このような3次元情報から4次元情報への展開において、候補となる無数の4次元情報の中から最も意に添った4次元情報を選出する方法を提供する。まず、前提として、IRGB濃度計のデバイスプロファイルは、IRGB濃度計における網点面積率と混色網濃度と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルとする。そして、ICCプロファイルを用いて注目画素の網点面積率を色座標値に変換し、この色座標値に対応する複数の混色網濃度候補を変換テーブルにより求めるとともに、変換テーブルを用いて注目画素の網点面積率を色座標値に変換する。ICCプロファイルによる変換及び変換テーブルによる変換によって得られた2つの色座標値間の色差を求め、色差に対応する網点面積率の変化量を最小近似等の数学的手段を用いて演算する。そして、求めた変化量を注目画素の網点面積率に加算したものを仮想網点面積率とし、複数の混色網濃度候補のうち仮想網点面積率に最も対応するものを変換テーブルを参照して選択し、選択した混色網濃度候補を注目画素の混色網濃度として設定する。このように、本方法によれば、色座標値に対応する網点面積率を利用することによって、色座標値に対応する混色網濃度を一意に決定することができる。
より好ましくは、予め設定した混色網濃度と色座標値との対応関係に基づき、IRGB濃度計で計測された注目画素の実混色網濃度に対応する実色座標値と、目標混色網濃度に対応する目標色座標値とを求める。そして、実色座標値と目標色座標値との色差を求め、上記実色座標値及び/又は上記色差を表示装置に表示する。これによれば、オペレータに対して色がどれだけのレベルで合っているか直感的に分かりやすくすることができる。
注目点の設定方法としては、一つは、タッチパネル等の表示装置上に印刷絵柄の画像を表示して、オペレータが任意に注目点を指定する方法がある。また、好ましくは、インキ色毎に最も濃度感度の高い画素、或いは、インキ色毎に各画素の網点面積率に対して最も自己相関が大きい画素を演算して自動抽出し、注目画素として設定する。これによれば、インキ供給単位幅内の色調を優先したい商品の色や絵柄の画線率が低い場合において、さらに安定した色調制御を行うことができる。
より好ましくは、指定或いは自動抽出された画素と周辺の複数の画素を含む画素群を注目画素として設定する。この場合、上記画素群の平均混色網濃度を目標混色網濃度として設定するとともに、IRGB濃度計は上記画素群の実平均混色網濃度を計測する。画素群に含める画素数やその選択パターンは、上記の指定或いは自動抽出された画素の絵柄内での位置等を考慮して外乱の影響が抑制されるように決定する。これによれば、印刷紙面の蛇行や天地ずれによって計測データが変動することが少なくなるので、安定したフィードバック制御が可能になる。
本発明の印刷機の絵柄色調制御方法及び装置によれば、分光計ではなくIRGB濃度計を用いて色調制御を行うことができるので、計測手段にかかるコストが低減できるとともに新聞輪転機のような高速印刷機にも十分に対応することができる。
特に、各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、今回の印刷絵柄における各インキ色のインキ供給単位幅毎の画線率に対応する混色網濃度を求め、画線率に対応する混色網濃度を目標混色網濃度として設定することにより、立ち上がり直後から色調制御を行うことができ、OKシートが得られるまでの時間を短縮して損紙を低減することができる。
また、OKシートの絵柄を構成する画素の中からインキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定して、注目画素の混色網濃度を目標混色網濃度として設定し、対応する本刷りシートの注目画素の実混色網濃度を計測することにより、基準となる画像データがない場合でも、絵柄の特定の注目点について色調制御を行うことができる。また、計測値をインキ供給単位幅全体で平均化しないので、インキ供給単位幅内の絵柄の画線率が低くても、安定した色調制御を行うことができる。
また、外部から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データを取得できる場合には、OKシートが印刷されるのを待つまでもなく、印刷開始直後から絵柄の特定の注目点について色調制御を行うことができる。さらに、印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データに加えてICCプロファイルも取得できる場合には、印刷依頼元等から得たICCプロファイルに基づき色調を制御することができ、印刷依頼元等が所望する色調の印刷物を容易に得ることができる。
また、実色座標値や実色座標値と目標色座標値との色差を表示装置に表示することで、オペレータに対して色がどれだけのレベルで合っているか直感的に分かりやすくすることができる。
さらに、注目点の設定方法として、インキ色毎に最も濃度感度の高い画素、或いは、インキ色毎に各画素の網点面積率に対して最も自己相関が大きい画素を演算して自動抽出し、注目画素として設定することにより、インキ供給単位幅内の絵柄の画線率が低い場合において、より安定した色調制御を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。本実施形態の新聞用オフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷シート8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。本実施形態では、印刷ユニット2a,2b,2c,2dは、インキキー7とインキ元ローラ6からなるインキキー式のインキ供給装置を備えている。この形式のインキ供給装置では、インキキー7のインキ元ローラ6に対する隙間量(以下、この隙間量をインキキー開度という)によりインキ供給量を調整することができる。また、インキキー7は印刷幅方向に複数並置されており、インキキー7の幅単位(以下、インキキー7によるインキ供給単位幅をキーゾーンという)でインキ供給量を調整することができる。インキキー7により供給量を調整されたインキは、インキローラ群5内で適度に練られ、薄膜を形成した後に版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷シート8に転写される。なお、図1中では省略しているが、本実施形態の新聞用オフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷シート8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3,3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4やインキ供給装置が設けられている。
本実施形態の新聞用オフセット輪転機は、最下流の印刷ユニット2dのさらに下流にラインセンサ型IRGB濃度計1を備えている。ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷シート8上の絵柄の色を印刷幅方向ライン状にI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度(混色網濃度)として計測する計測器であり、印刷シート8全体の反射濃度を計測したり、任意の位置の反射濃度を計測したりすることが可能である。本実施形態の新聞用オフセット輪転機は両面刷りなので、ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷シート8の搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測できるようになっている。
ラインセンサ型IRGB濃度計1により計測された反射濃度は演算装置10に送信される。演算装置10はインキ供給量の制御データを演算する装置であり、ラインセンサ型IRGB濃度計1で計測された反射濃度に基づいて演算を行い、印刷シート8の絵柄の色を目標色に一致させるためのインキキー7の開度を演算している。ここで、図2は本発明の一実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の絵柄色調制御装置の概略構成を示す図であると同時に、演算装置10の色調制御機能に着目した機能ブロック図である。
演算装置10は、印刷機とは離れて設置されたDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)11とPC(パソコン)12とから構成され、PC12には色変換部14,インキ供給量演算部15,オンライン制御部16及びキー開度リミッタ演算部17としての機能が割り当てられている。演算装置10の入力側には、ラインセンサ型IRGB濃度計1が接続され、出力側には印刷機内蔵の制御装置20が接続されている。制御装置20は、インキキー7のキーゾーン毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段として機能するものであり、インキキー7を開閉させる図示しない開閉装置を制御しており、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dのインキキー7毎に独立してキー開度を調整することができる。また、演算装置10には表示装置としてのタッチパネル30が接続されている。タッチパネル30にはラインセンサ型IRGB濃度計1で撮像された印刷シート8の印刷面が表示され、印刷面上の任意の領域を指で選択できるようになっている。
図3,図4は演算装置10による色調制御の処理フローを示す図である。以下、図3,図4を中心に演算装置10による色調制御の処理内容について説明する。最初に、印刷機の立ち上げ時、すなわち、印刷開始時の色調制御について図3を用いて説明する。
CIP3データ等の画素面積率データがない場合、立ち上げ時から色調制御を行うためにはフィードバック制御のための何らかの目標値を定める必要がある。本実施形態では、ラインセンサ型IRGB濃度計1を用いて反射濃度、すなわち混色網濃度を計測しているので、ステップS0において、目標値として以下の手順により目標混色網濃度を設定する。
まず、今回の印刷絵柄における各インキ色のキーゾーン毎の画線率Ak,Ac,Am,AyデータをPC12に入力する。画線率Ak,Ac,Am,Ayデータは、製版用のフィルムをフィルムスキャナで測定するか、若しくは、刷版をプレートスキャナで測定することによって得ることができる。PC12の色変換部14は、各インキ色の網点面積率と混色網濃度とを関連付けるデータベース141を備えている。データベース141は、ISO/TC130国内委員会が制定した新聞印刷JapanColor基準の印刷物を印刷し、IRGB濃度計で実測したデータ〔標準色の網点面積率(k,c,m,y)と混色網濃度(I,R,G,B)と色座標値(L,a,b)の対応関係を規定した変換テーブル〕を基準にして作成されている。色変換部14は、このデータベース141を用いて、入力された画線率Ak,Ac,Am,Ayに対応する混色網濃度をキーゾーン毎に求め、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。
なお、同じ画線率Ak,Ac,Am,Ayの印刷絵柄であっても、ドットゲインを考慮すると印刷絵柄を構成する網の密度(50%平網,80%平網,ベタ等)により発色する濃度値は異なってくる。そこで、色変換部14は、網の密度毎にドットゲインを可変可能するとともに、ドットゲインを関数とするパラメータを画線率Ak,Ac,Am,Ayを混色網濃度Io,Ro,Go,Boに変換する際のパラメータとしており、ドットゲインを考慮した目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boの設定も可能になっている。
以上のように目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boが設定されたら、印刷を開始してステップS10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップS10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷シート8全面の一画素毎の反射光量i’,r’,g’,b’を計測する。IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i’,r’,g’,b’はDSP11に入力される。
DSP11は、ステップS20として、各画素の反射光量i’,r’,g’,b’について所定の印刷枚数単位で移動平均を行うことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。そして、ステップS30として、反射光量i,r,g,bをキーゾーン毎に平均処理し、白紙部分の反射光量を基準とする混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算する。例えば、白紙部分の赤外光の反射光量をipとし、キーゾーン内の赤外光の平均反射光量をikとすると、赤外光の実混色網濃度IはI=log10(ip/ik)として求められる。DSP11で演算されたキーゾーン毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、PC12の色変換部14に入力される。
色変換部14は、ステップS40,S50及びS60の処理を行う。まず、ステップS40として、ステップS0で設定された目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及びステップS30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率をそれぞれ演算する。この演算にはデータベース141を用い、データベース141に記憶された対応関係に基づき、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の網点面積率を目標網点面積率ko,co,mo,yoとして演算し、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を実網点面積率k,c,m,yとして演算する。
次に、色変換部14は、ステップS50として、目標網点面積率ko,co,mo,yo、及び実網点面積率k,c,m,yに対応する各インキ色の単色網濃度をそれぞれ演算する。この演算には、図5に示すようなマップを用いる。図5は網点面積率を変化させた場合に実測される単色網濃度を特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。図5に示す例では、墨色の目標網点面積率ko、実網点面積率kをマップに照らし合わせることで、マップ中の特性曲線からそれぞれ目標単色網濃度Dakoと実単色網濃度Dakとが求められている。このようにして、色変換部14は、各インキ色の目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを求める。
次に、色変換部14は、ステップS60として、目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとの偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを演算する。なお、ベタ濃度は網点面積率にも依存しており、同単色網濃度に対しては、網点面積率が高いほどベタ濃度は低くなる。そこで、色変換部14は、図6に示すようなマップを用いて演算を行う。図6は単色ベタ濃度を変化させた場合に実測される単色網濃度を網点面積率毎に特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。色変換部14は、各インキ色について目標網点面積率ko,co,mo,yoに対応する特性曲線を図6に示すマップから選択し、選択した特性曲線に目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを対応させることにより、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを求める。図6に示す例では、墨色の目標網点面積率koが75%の場合に、目標単色網濃度Dako、実単色網濃度Dakをマップに照らし合わせることで、マップ中の75%特性曲線から墨色のベタ濃度偏差ΔDskが求められている。
色変換部14で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部15に入力される。インキ供給量演算部15は、ステップS70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、各インキキー7の現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0(前回のステップS100の処理で印刷機の制御装置20に出力したキー開度Kk,Kc,Km,Ky)に対する増減量であり、インキ供給量演算部15は、公知のAPI関数(オートプリセットインキング関数)を用いて演算を行う。API関数は基準濃度にするため各キーゾーンの画線率A(Ak,Ac,Am,Ay)とキー開度K(Kk,Kc,Km,Ky)との対応関係を示した関数である。画線率Aは、ステップS0で用いたものを用いることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、画線率Aに対する基準濃度にするためのキー開度KをAPI関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。
次に、オンライン制御部16は、ステップS80として、インキ供給量演算部15で演算されたキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷シートに供給されるインキ量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部16は、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部17に入力する。
キー開度リミッタ演算部17は、ステップS90として、オンライン制御部16で演算されたオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1に対して上限値を規制する補正を行う。これは、特に低画線部における色変換アルゴリズム(ステップS40,S50,S60の処理)の推定誤差によりキー開度が異常に増大することを規制するための処理である。そして、キー開度リミッタ演算部17は、ステップS100として、上限値を規制したキー開度Kk,Kc,Km,Kyをキー開度信号として印刷機の制御装置20に送信する。
印刷機の制御装置20は、ステップS110として、演算装置10から送信されたキー開度信号Kk,Kc,Km,Kyに基づき各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7の開度を調節する。これにより、各インキ色のインキ供給量は、キーゾーン毎に目標とする色調に見あったものにコントロールされることとなる。
このように、本実施形態にかかる色調制御方法によれば、上述のように印刷機の立ち上がり直後から色調制御が可能であるので、OKシートが得られるまでの時間を短縮することができる。そして、OKシートが得られた後は、図4のフローチャートに従った色調制御が行われる。以下、OKシートが得られた後の色調制御について図4を用いて説明する。
OKシートが得られる前と後とでは、キーゾーン毎に混色網濃度を演算する演算処理の内容に相違がある。すなわち、図4に示すように、OKシートが得られる前のステップS0の処理、及びステップS30の処理に代わり、ステップS31の処理を実施する。
ステップS31では、DSP11は、OKシート中の特定の注目点(注目画素)について目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boを設定するとともに、ステップS20で演算された各画素の反射光量i,r,g,bを用いて注目点の実混色網濃度I,R,G,Bを演算する。DSP11はタッチパネル30に接続されており、タッチパネル30にはOKシートの絵柄画像が表示される。注目点はこのタッチパネル30に表示されたOKシート上の特定点を任意に選択することで指定され、演算装置10のDSP11へ入力される。注目点とは印刷シート8上の特に色を一致させたい絵柄の位置であり、特定の一画素、或いは、連続する一塊の複数画素を指定する。オペレータにより注目点が指定されていないキーゾーンについては、DSP11が注目点を自動設定する。この自動設定は、OKシート全体の各インキ色の混色網濃度の分布から、インキ色毎に最も濃度感度の高い画素(最も発色の大きい画素)を演算して自動抽出することにより行う。例えば、キーゾーン絵柄が4色で印刷されている場合、注目点(目標色)は墨、藍、紅、黄の4点となり、キーゾーン内において、その4色が独立にコントロールされることになる。また、例えばオペレータが指定した任意の絵柄ポイント中に無い色及び絵柄面積の少ない色は自動で設定することも出来る。
DSP11は、OKシートの注目点の反射光量i,r,g,bと白紙部分の反射光量とから目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boを演算し、印刷シート(本刷りシート)8の注目点の反射光量i,r,g,bと白紙部分の反射光量とから実混色網濃度I,R,G,Bを演算する。なお、注目点が複数画素の集合である場合には、反射光量i,r,g,bを注目点を構成する複数画素で平均処理する。以降のステップS40からステップS110に至る処理内容は、図3のフローチャートに示すOKシートが得られる以前の処理内容と同じであり、演算装置10は、上記のようにして求められた注目点における目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boと実混色網濃度I,R,G,Bとに基づき、本刷りシートの絵柄色調をOKシートの絵柄色調に合わせるためのインキキー7のキー開度を演算する。
このように、本実施形態にかかる色調制御方法によれば、印刷品質を満たしたOKシートが得られた場合には、OKシートのキーゾーン毎に各インキ色に対応する注目点をそれぞれ設定して、注目点の混色網濃度を目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定するとともに、対応する本刷りシートの注目点の実混色網濃度I,R,G,Bを計測してフィードバック制御するので、1bit−Tiff或いはCIP3・PPFデータのような製版データがない場合でも、絵柄の特定の注目点について色調制御を行うことができる。また、計測値をキーゾーン全体で平均化しないので、キーゾーン内の絵柄の画線率が低くても(例えば、キーゾーン内に1ポイントの小さな絵柄が存在しても)、ラインセンサ型IRBG濃度計1の計測誤差が少なく、安定した色調制御を行うことができる。特に、インキ色毎に最も濃度感度の高い画素を演算して自動抽出して注目画素として設定することで、キーゾーン内の絵柄の画線率が低い場合において、さらに安定した色調制御を行うことができる。具体的には、例えば、シアンの濃度感度Hdcは、計測濃度データ(R,G,B,I)を用いて、“Hdc=R2/(R+G+B+I)”で表すことができ、この濃度感度Hdcの値が最も高い画素がシアンの注目点となる。同様に他のインキ色についても濃度感度が最も高い画素を演算し、その画素を注目点として設定する。
(B)第2実施形態
本発明の第2実施形態について図7を用いて説明する。本実施形態は、図4におけるステップS31に相当するキーゾーン注目点濃度演算の処理方法に特徴があり、図7に示すフローチャートは、本実施形態における処理内容(図4のステップS31に相当する処理内容)を詳細に示している。絵柄色調制御のための他の処理内容については図を用いて説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
本実施形態では外部(例えば、印刷会社に対する印刷依頼元、新聞社の印刷工場に対する新聞社の本社、等)から網点面積率データを取得できる場合を想定し、ここでは、新聞社の本社から新聞紙の紙面情報がビットマップデータ(1bit−Tiff製版用データ)の形式で印刷工場に送信されてくるものとする。まず、ステップS311では、送信されたビットマップデータを印刷機のフォーマットに応じたCIP3・PPFデータ相当の低解像度データに変換し、この低解像度データを画素面積率データとして用いる。この解像度の変換処理は一般的なCIP3・PPFデータとの共用を図るためであるが、後の処理においてビットマップデータそのものを画素面積率データとして用いることも可能である。
ステップS312では、インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目点をそれぞれ設定する。注目点の設定方法としては、新聞社の本社から送信されたビットマップデータを用いてタッチパネル30に新聞紙面の絵柄画像を表示し、このタッチパネル30に表示された新聞紙面上の特定点をオペレータが任意に選択する方法がある。また、各色・各画素の網点面積率に対して最も自己相関が大きい画素を演算して自動抽出し、注目点(注目画素)として自動設定する方法もある。具体的には、例えば、シアンの自己相関感度Hcは、画素面積率データ(c,m,y,k)を用いて、“Hc=c/(c+m+y+k)”で表すことができ、この自己相関感度Hcの値が最も高い画素がシアンの注目点となる。同様に他のインキ色についても自己相関感度が最も高い画素を演算し、その画素を注目点として設定する。
ステップS313では、データベース141に記録された変換テーブルを用いて注目点の網点面積率ki,ci,mi,yiを混色網濃度に変換し、それを目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。また、ステップS314では、ステップS20で演算された各画素の反射光量を用いて注目点の実混色網濃度I,R,G,Bを演算する。実混色網濃度I,R,G,Bの演算方法については第1実施形態で説明したので、ここではその説明を省略する。
本実施形態の方法によれば、OKシートが印刷されるのを待つまでもなく、印刷開始直後から絵柄の特定の注目点について正確に色調制御を行うことが可能になる。したがって、OKシートが得られるまでの時間をより短縮して損紙を低減することができる。特に、各色・各画素の網点面積率に対して最も自己相関が大きい画素を注目点として設定する場合には、濃度感度の最も高い画素が注目点に選ばれセンシング感度が向上するため、所望の色調に速やかに合わせることが可能になる。
なお、ステップS312では、複数の画素からなる画素群を注目点として選定してもよい。例えば、オペレータが任意の画素が選択されたり、最も自己相関感度の高い画素が自動選択されたら、その周辺の画素も含めた画素群を注目点として選定する。注目点に含める周辺画素の画素数やその選択パターンは固定(例えば、選択或いは自動抽出された画素を囲む周辺8画素)してもよいが、好ましくは、選択或いは自動抽出された画素の絵柄内での位置等を考慮して外乱の影響が抑制されるように設定する。そして、画素群を注目点として選定する場合は、ステップS313では画素群の平均混色網濃度を目標混色網濃度として設定し、ステップS314では画素群の実平均混色網濃度を測定する。これによれば、印刷紙面の蛇行や天地ずれによって計測データが変動することが少なくなるので、安定したフィードバック制御が可能になる。
(C)第3実施形態
本発明の第3実施形態について図8を用いて説明する。本実施形態も第2実施形態と同様、図4におけるステップS31に相当するキーゾーン注目点濃度演算の処理方法に特徴があり、図8に示すフローチャートは、本実施形態における処理内容(図4のステップS31に相当する処理内容)を詳細に示している。絵柄色調制御のための他の処理内容については図4を用いて説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
本実施形態も第2実施形態と同様、新聞社の本社から新聞紙の紙面情報がビットマップデータの形式で印刷工場に送信されてくるものとする。ただし、本実施形態では、第2実施形態との相違点として、紙面情報のビットマップデータに加え、紙面の色情報を作成した入力装置のICCプロファイルも送信されてくるものとする。ステップS321では、ビットマップデータを印刷機のフォーマットに応じたCIP3・PPFデータ相当の低解像度データに変換し、ステップS322では、インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目点をそれぞれ設定する。これらステップS321,S322の処理内容は、第2実施形態に係るステップS311,S312の処理内容と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
ステップS323では、新聞社本社から送信されたICCプロファイルを用いて注目点の網点面積率ki,ci,mi,yiを色座標値L,a,bに変換する。そして、ステップS324では、データベース141に記憶された変換テーブルを用いてステップS323で求めた色座標値L,a,bを混色網濃度に変換する。しかしながら、色座標値は3次元情報であるのに混色網濃度は4次元情報であるので、色座標値に対応する混色網濃度は一意には定まらない。混色網濃度を一意には定めるには、何らかの追加情報が必要になるが、ICCプロファイルからは色座標値という3次元情報しか得ることができない。
そこで、本実施形態では以下のステップで説明するように、印刷絵柄の網点面積率データ、すなわち、色座標値L,a,bに対応する網点面積率ki,ci,mi,yiを利用することによって、このような3次元情報から4次元情報への展開において、候補となる無数の4次元情報の中から最も適当な4次元情報を選出することを行う。
まず、ステップS325において、データベース141に記憶された変換テーブルを用いて注目点の網点面積率ki,ci,mi,yiを色座標値L’,a’,b’に変換する。ステップS326では、ステップS323で求めた色座標値L,a,bとステップS325で求めた色座標値L’,a’,b’との色差ΔL’,Δa’,Δb’を演算し、ステップS327において、この色差ΔL’,Δa’,Δb’に対応する網点面積率の変化量Δk’,Δc’,Δm’,Δy’を演算する。網点面積率の各変化量は、色座標値の各変化量を用いて下式で近似することができる。但し、下式におけるa,bは線形近似係数である。
Δc’=a11×ΔL’+a12×Δa’+a13×Δb’+bc ・・・(1)
Δm’=a21×ΔL’+a22×Δa’+a23×Δb’+bm ・・・(2)
Δy’=a31×ΔL’+a32×Δa’+a33×Δb’+by ・・・(3)
Δk’=a41×ΔL’+a42×Δa’+a43×Δb’+bk ・・・(4)
ステップS328では、注目点の網点面積率ki,ci,mi,yiにステップS327で求めた変化量Δk’,Δc’,Δm’,Δy’を加算し、その値を仮想網点面積率k’,c’,m’,y’として設定する。ステップS329では、この仮想網点面積率k’,c’,m’,y’をデータベース141に記録された変換テーブルに照合し、ステップS324で求めた複数の混色網濃度候補の中から仮想網点面積率k’,c’,m’,y’に最も対応するものを選択する。選択された混色網濃度は目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定され、ステップS330で演算される注目点の実混色網濃度I,R,G,Bとともに、ステップS40以降の処理で用いられる。
本方法によれば、印刷依頼元等から得たICCプロファイルを用いて色調を制御することができるので、従来行われている校正刷りと比較しながらの色合わせに比較して、印刷依頼元等が所望する色調に正確、且つ容易に色合わせすることができる。したがって、本方法によれば、OKシートが得られるまでの損紙の発生量を大幅に低減することもできる。
(D)第4実施形態
本発明の第4実施形態について図9を用いて説明する。本実施形態は色調制御のための補助的な方法についての提案であり、本方法は第1〜第3実施形態の色調制御の何れにも付加的に適用することができる。
ステップS401では、データベース141に記録された変換テーブルを用いて目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boを色座標値に変換する。また、ステップS402では、同じく変換テーブルを用いて実混色網濃度I,R,G,Bを色座標値に変換する。そして、ステップS403では、ステップS401で求めた目標色座標値Lo,ao,boとステップS402で求めた実色座標値L,a,bとの色差ΔE(=√{(Lo−L)+(ao−a)+(bo−b)}を演算し、ステップS404では、実色座標値L,a,bと色差ΔEとを表示装置32に表示する。
表色系は人間の色刺激に対して座標がリニアになっている表色系であるので、本方法のように注目点の色を色座標値L,a,bで表したり、注目点の目標色に対する色差ΔEを表示することで、オペレータに対して色がどれだけのレベルで合っているか直感的に分かりやすくすることができる。したがって、本方法を第1〜第3実施形態の色調制御に追加実施することで、オペレータの判断を補助してより正確な色合わせが可能になる。
(E)その他
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記のものに限定されない。例えば、第1実施形態では、各インキ色の網点面積率と混色網濃度とを関連付けるデータベース141を備える方法の他、各インキ色の網点面積率と混色網濃度との対応関係を規定した公知のノイゲバウアーの式を記憶しておき、この式に各インキ色の網点面積率を当てはめることで混色網濃度を算出する方法を採ることもできる。
また、図6に示すようなマップを用いて目標単色網濃度と実単色網濃度との偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差を求める方法の他、網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係を規定した公知のユールニールセンの式を記憶しておき、この式に目標網点面積率、実網点面積率及び単色網濃度を当てはめることでベタ濃度偏差を算出する方法もある。
また、実施形態では、ラインセンサ型のIRGB濃度計を用いているが、スポット型のIRGB濃度計を用いて印刷シート上を2次元的に走査するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる新聞用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。 図1の演算装置の色調制御機能に着目した機能ブロック図である。 図1の演算装置による印刷開始時の色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 図1の演算装置によるOKシート印刷後の色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 単色網濃度を網点面積率に対応づけるマップである。 ベタ濃度を網点面積率と単色網濃度とに対応づけるマップである。 本発明の第2実施形態にかかる色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態にかかる色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態にかかる色調制御の処理フローを示すフローチャートである。
符号の説明
1 ラインセンサ型IRGB濃度計
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4 版胴
5 インキローラ群
6 インキ元ローラ
7 インキキー
8 印刷シート
10 演算装置
11 DSP
12 PC
14 色変換部
15 インキ供給量演算部
16 オンライン制御部
17 キー開度リミッタ演算部
20 印刷機内蔵の制御装置
30 タッチパネル
32 表示装置

Claims (18)

  1. 印刷絵柄をインキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときの上記インキ供給単位幅毎に、I(赤外光),R(赤),G(緑),B(青)に係る混色網濃度を目標値とした目標混色網濃度を設定するステップと、
    IRGB濃度計を用いて、印刷で得られた本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測するステップと、
    予め設定した、墨(k),藍(c),紅(m),黄(y)に係る網点面積率と上記混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求めるとともに、上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求めるステップと、
    予め設定した、上記網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記各インキ色の目標網点面積率に対応する目標単色網濃度と上記実網点面積率に対応する実単色網濃度とを求めるステップと、
    予め設定した、上記網点面積率毎の単色網濃度と単色ベタ濃度との対応関係に基づき、上記各インキ色の目標網点面積率に応じて選択された上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるステップと、
    上記ベタ濃度偏差に基づき、上記実混色網濃度を上記目標混色網濃度に近づけるように上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するステップと、
    を実行することを特徴とする、印刷機の絵柄色調制御方法。
  2. 上記のインキ供給量を調整するステップでは、上記ベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキキー開度に対する増減量であるインキキー開度偏差を求め、当該インキキー開度偏差に基づきインキキー開度を調節してインキ供給量を調整することで上記実混色網濃度を上記目標混色網濃度に近づける
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  3. 上記目標混色網濃度を設定するステップでは、印刷対象の印刷絵柄における各インキ色の上記インキ供給単位幅毎の画線率のデータを上記網点面積率に相当するものとして取得して、上記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、上記画線率に対応する混色網濃度を求め、上記画線率に対応する混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  4. 印刷品質を満たしたOKシートが得られた場合において、
    上記目標混色網濃度を設定するステップでは、上記OKシートの絵柄を構成する画素の中から上記インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ選定して、上記注目画素の混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定し、
    上記実混色網濃度を計測するステップでは、上記注目画素の実混色網濃度を計測する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  5. 上記目標混色網濃度を設定するステップは、
    外部から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データを取得するステップと、
    上記印刷対象絵柄を構成する画素の中から上記インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ選定するステップと、
    予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき上記注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換するステップとを有し、
    上記目標混色網濃度を設定するステップでは、上記注目画素の混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定し、
    上記実混色網濃度を計測するステップでは、上記注目画素の実混色網濃度を計測する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  6. 上記目標混色網濃度を設定するステップは、
    外部から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データとICCプロファイルとを取得するステップと、
    上記印刷対象絵柄を構成する画素の中から上記インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ選定するステップと、
    上記注目画素の網点面積率を上記ICCプロファイルと上記IRGB濃度計のデバイスプロファイルとを用いて混色網濃度に変換するステップとを有し、
    上記目標混色網濃度を設定するステップでは、上記注目画素の混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定し、
    上記実混色網濃度を計測するステップでは、上記注目画素の実混色網濃度を計測する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  7. 上記デバイスプロファイルは網点面積率と混色網濃度と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルであり、
    上記注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換するステップは、
    上記ICCプロファイルを用いて上記注目画素の網点面積率を色座標値に変換するステップと、
    上記変換テーブルを用いて上記注目画素の色座標値に対応する複数の混色網濃度候補を求めるステップと、
    上記変換テーブルを用いて上記注目画素の網点面積率を色座標値に変換するステップと、
    上記ICCプロファイルによる変換、及び上記変換テーブルによる変換によって得られた上記2つの色座標値間の色差を求めるステップと、
    上記色差に対応する網点面積率の変化量を演算するステップと、
    上記注目画素の網点面積率に上記変化量を加算した仮想網点面積率を求めるステップと、
    上記変換テーブルを参照して上記複数の混色網濃度候補のうち上記仮想網点面積率に最も対応するものを選択するステップとを有し、
    上記注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換するステップでは、選択した混色網濃度候補を上記注目画素の混色網濃度として設定する
    ことを特徴とする、請求項6記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  8. 上記kcmy網点面積率データを取得するステップでは、最初に印刷対象絵柄のビットマップデータを取得して、上記ビットマップデータをCIP3・PPFデータ相当の低解像度データに変換したものを上記kcmy網点面積率データとして用いる
    ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  9. 予め設定した混色網濃度と色座標値との対応関係に基づき、上記IRGB濃度計で計測された上記注目画素の実混色網濃度に対応する実色座標値を求めるステップと、
    上記の混色網濃度と色座標値との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度に対応する目標色座標値を求めるステップと、
    上記実色座標値と上記目標色座標値との色差を求めるスップと、
    上記実色座標値及び上記色差を表示装置に表示するステップとをさらに実行することを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  10. 上記注目画素は、インキ色毎に、そのインキ色xの網点面積率と墨(k),藍(c),紅(m),黄(y)に係る網点面積率に基づく自己相関感度Hxとして下式により定義される値が最も大きくなる画素をそのインキ色の注目画素として自動抽出することにより設定される
    ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
    Hx=x2/(c+m+y+k)
    ただし、(xはk,c,m,yのいずれか)
  11. 上記目標混色網濃度を設定するステップでは、上記注目画素として選定された画素群の平均混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定し、
    上記実混色網濃度を計測するステップでは、上記注目画素として選定された画素群の実平均混色網濃度を計測する
    ことを特徴とする、請求項10記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  12. 上記の目標混色網濃度を設定するステップの後、上記の実混色網濃度を計測するステップから上記のインキ供給量を調整するステップまでの動作を所定周期繰り返して実行する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  13. 印刷幅方向に分割された領域毎にインキを供給するインキ供給装置と、
    印刷絵柄を上記インキ供給装置のインキ供給単位幅で分割したときの上記インキ供給単位幅毎に、I(赤外光),R(赤),G(緑),B(青)に係る混色網濃度を目標値とした目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定手段と、
    印刷で得られる本刷りシートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計と、
    上記IRGB濃度計を用いて上記本刷りシートの上記インキ供給単位幅毎の実混色網濃度を計測する混色網濃度計測手段と、
    予め設定した、墨(k),藍(c),紅(m),黄(y)に係る網点面積率と上記混色網濃度との対応関係に基づき、上記目標混色網濃度設定手段により設定された上記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率演算手段と、
    上記墨(k),藍(c),紅(m),黄(y)に係る網点面積率と上記混色網濃度との対応関係に基づき、上記混色網濃度計測手段により計測された上記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率演算手段と、
    予め設定した上記網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記各インキ色の上記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度演算手段と、
    上記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、上記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度演算手段と、
    予め設定した上記網点面積率毎の単色網濃度と単色ベタ濃度との対応関係に基づき、上記各インキ色の目標網点面積率に応じて選択された上記目標単色網濃度と上記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差演算手段と、
    上記ベタ濃度偏差に基づき、上記実混色網濃度が上記目標混色網濃度に近づくように上記インキ供給単位幅毎にインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段と、を備えた
    絵柄色調制御装置を有する
    ことを特徴とする、印刷機。
  14. 上記インキ供給量調整手段が、上記ベタ濃度偏差に基づき上記インキ供給単位幅毎にインキキー開度に対する増減量であるインキキー開度偏差を求め、当該インキキー開度偏差に基づきインキキー開度を調節してインキ供給量を調整することで上記実混色網濃度を上記目標混色網濃度に近づける
    ことを特徴とする、請求項13記載の印刷機。
  15. 上記IRGB濃度計における網点面積率と混色網濃度と色座標値との対応関係を規定した変換テーブルを備え、
    上記目標網点面積率演算手段及び上記実網点面積率演算手段は、上記変換テーブルを用いて上記目標網点面積率或いは上記実網点面積率を求めるように構成されている
    ことを特徴とする、請求項14記載の印刷機。
  16. 上記目標混色網濃度設定手段は、
    外部から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データを受信する受信手段と、
    上記印刷対象絵柄を構成する画素の中から上記インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定する注目画素設定手段と、
    上記変換テーブルを用いて上記注目画素の網点面積率を混色網濃度に変換する変換手段とを備え、上記注目画素の混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定するように構成され、
    上記混色網濃度計測手段は、上記注目画素の実混色網濃度を計測するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項15記載の印刷機。
  17. 上記目標混色網濃度設定手段は、
    外部から印刷対象絵柄のkcmy網点面積率データとICCプロファイルとを受信する受信手段と、
    上記印刷対象絵柄を構成する画素の中から上記インキ供給単位幅毎に各インキ色に対応する注目画素をそれぞれ設定する注目画素設定手段と、
    上記注目画素の網点面積率を上記ICCプロファイルと上記変換テーブルとを用いて混色網濃度に変換する変換手段とを備え、上記注目画素の混色網濃度を上記目標混色網濃度として設定するように構成され、
    上記混色網濃度計測手段は、上記注目画素の実混色網濃度を計測するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項15記載の印刷機。
  18. 上記変換テーブルを用いて上記実混色網濃度に対応する実色座標値を求める実色座標値演算手段と、
    上記変換テーブルを用いて上記目標混色網濃度に対応する目標色座標値を求める目標色座標値演算手段と、
    上記実色座標値と上記目標色座標値との色差を求める色差演算手段と、
    上記実色座標値及び上記色差を表示装置に表示する表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の印刷機。
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