JPH11216844A - 印刷作業の再開方法およびインキ供給装置 - Google Patents

印刷作業の再開方法およびインキ供給装置

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JPH11216844A
JPH11216844A JP10023060A JP2306098A JPH11216844A JP H11216844 A JPH11216844 A JP H11216844A JP 10023060 A JP10023060 A JP 10023060A JP 2306098 A JP2306098 A JP 2306098A JP H11216844 A JPH11216844 A JP H11216844A
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JP10023060A
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Masaaki Ishida
正昭 石田
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Komori Corp
Original Assignee
Komori Corp
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の向上、生産コストと印刷資材消耗量
の削減、オペレータの作業負荷の軽減を図る。 【解決手段】 輪転印刷機の中立部に操作プレートを設
ける。この操作プレートにスタート釦を設ける。インキ
リムービング機能が選択されると(102)、試刷りシ
ステムは、設定枚数の印刷作業を開始すると共に残紙枚
数の制御をオンとする(104)。この印刷作業中、印
刷作業が中断されると(105)、その時の残り印刷枚
数が試刷りシステムのメニュー画面に表示される(10
6)。オペレータは、この残り印刷枚数を確認のうえ、
印刷作業の中断に対する処理作業を行い(107)、ス
タート釦を操作する(108)。これにより、一々残り
印刷枚数を計算することなく、正確に残り印刷枚数の印
刷作業を再開できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インキツボ内の
インキをインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ
供給装置における印刷作業の再開方法およびインキ供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7に輪転印刷機における各印刷ユニッ
ト内のインキ供給装置の要部を示す。同図において、1
はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、
3はインキツボローラ、4(4−1〜4−n)はインキ
ツボローラ3の軸方向に複数並設して設けられたインキ
ツボキー、5はインキ移しローラ、6はインキローラ
群、7は刷版、8は版胴、9はインキローラ群6の軸方
向に複数並設して設けられた洗浄液を吐出するノズル、
10はインキローラ洗浄装置である。
【0003】このインキ供給装置は、インキツボキー4
−1〜4−nの開度調整によってインキツボ1内のイン
キ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボロ
ーラ3に供給されたインキをインキ移しローラ5の呼び
出し動作によりインキローラ群6を介して刷版7へ供給
する。
【0004】刷版7を交換して新しい刷版7’とした場
合、この新刷版7’の絵柄に応じた値にインキツボキー
4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量な
どがプリセットされる。すなわち、インキツボキー4−
1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを
新刷版7’の絵柄に応じた値として、インキツボ1内の
インキ2がインキローラ群6を介して新刷版7’へ供給
される。この場合、本刷りの前に試刷りを行って、イン
キ供給量を調整し、満足すべき色調を得る。これによ
り、インキローラ群6には、所望のインキ膜厚分布(イ
ンキ膜厚さの勾配)が作られる。
【0005】しかしながら、従来のインキ供給装置で
は、刷版7を交換して新刷版7’とした場合、旧刷版7
に対するインキ膜厚分布がインキローラ群6に残ってい
る。すなわち、この場合、旧刷版7に対するインキ膜厚
分布を新刷版7’に対するインキ膜厚分布に徐々に変え
て行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにイ
ンキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前
準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の
浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問
題が生じる。
【0006】そこで、本出願人は、満足すべき色調を得
るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくす
ることを目的として、特願平8−167144号として
「インキ膜厚の制御方法」を提案した。このインキ膜厚
の制御方法では、旧刷版7の新刷版7’への交換に際し
て、先ずインキリムービングを行う。すなわち、旧刷版
7での本刷り作業の終了後、ディスプレイ(図示せず)
上で、印刷ユニットを選択のうえ、インキリムービング
機能を選択し、インキ移しローラ5の呼び出し動作をオ
フとしたうえ、旧刷版7を装着したままの状態で本機を
運転し、予め設定されている所定枚数の印刷を行い、こ
れによってインキローラ群6に上流から下流になるにし
たがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ
膜厚分布Ma(図8(a)参照)、すなわち刷版7の絵
柄のない部分に対応するインキ膜厚分布Maを残す。
【0007】次に、ディスプレイ上でプレインキング2
機能を選択し、プレインキング2動作を行う。このプレ
インキング2では、インキツボキー4−1〜4−nの開
度やインキツボローラ3の回転量などを新刷版7’の絵
柄に応じた値にプリセットしたうえ、本機を運転し、イ
ンキ移しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、イン
キローラ群6に残されている印刷中に必要とされる最低
限のインキ膜厚分布Maに新刷版7’の絵柄に応じたイ
ンキ膜厚分布Mb(図8(b)参照)を重畳する。
【0008】そして、このインキ膜厚分布MaへのMb
の重畳後、刷版を新刷版7’に交換した状態で、試刷り
機能を選択し、予め設定されている所定枚数の試刷りを
行い、その試刷りされた印刷物(試刷り品質を正しく評
価できる試刷りサンプル)について濃度チェックを行
う。この濃度チェックにおいて、満足すべき色調であれ
ば、「インキリムービング+プレインキング2」による
インキ膜厚の制御(インキ膜厚分布の事前設定)を終了
し、本刷りへ移行する。満足すべき色調でなければ、プ
レインキング(+)あるいはプレインキング(−)によ
ってインキ膜厚分布を微調整し、再度試刷りを行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、インキリムービング機能や試刷り機能などを選
択しての印刷作業が中断された場合、中断された作業状
況を正しく把握して印刷作業を再開しないと、選択した
機能での目的を果たすことができない。
【0010】〔インキリムービング〕例えば、インキリ
ムービング機能での印刷作業中、印刷用紙自体の不具合
や給紙不良等によって印刷作業が中断されてしまうこと
がある。この場合、その時の設定印刷枚数に対する残り
の印刷枚数が分からない。このため、オペレータがその
時の実印刷枚数を確認し、この実印刷枚数を設定印刷枚
数から差し引くことによって印刷作業再開時の残り印刷
枚数を求めることになる。しかし、この残り印刷枚数の
計算を間違うと、インキ膜厚の量が過剰又は不足とな
り、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma
を正しく残すことができない。これにより、試刷りを行
う上で必要なインキ膜厚分布の形成が正しく行われなく
なり、印刷品質を大きく損なうことになる。なお、この
場合、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布M
aを正しく残すべく、インキ膜厚分布の再補正を行えば
よいが、「作業負荷」,「損紙枚数」,「所要時間」が
増大し、生産性が低下する。また、残り印刷枚数の計算
が正しく行われたとしても、オペレータは給紙部で給紙
される印刷用紙の枚数を目視で確認した後、印刷用紙の
供給を停止する操作を行わなければならない。
【0011】〔試刷り〕例えば、試刷り機能での印刷作
業中、印刷用紙自体の不具合や給紙不良等によって印刷
作業が中断されてしまうことがある。この場合、その時
の設定印刷枚数に対する残りの印刷枚数が分からない。
このため、オペレータがその時の実印刷枚数を確認し、
この実印刷枚数を設定印刷枚数から差し引くことによっ
て印刷作業再開時の残り印刷枚数を求めることになる。
しかし、この残り印刷枚数の計算を間違うと、試刷り品
質を正しく評価できる試刷りサンプルが得られない場合
があり、試刷り品質を確保することが難しくなる。な
お、この場合、試刷り品質を正しく評価できる試刷りサ
ンプルを得るべく、試刷り作業の再実施を行えばよい
が、「作業負荷」,「損紙枚数」,「所要時間」が増大
し、生産性が低下する。また、残り印刷枚数の計算が正
しく行われたとしても、オペレータは給紙部で給紙され
る印刷用紙の枚数を目視で確認した後、印刷用紙の供給
を停止する操作を行わなければならない。
【0012】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、上記の問題
を改善し、生産性の向上、生産コストと印刷資材消耗量
の削減、オペレータの作業負荷の軽減を図ることの可能
な印刷作業の再開方法およびインキ供給装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、インキローラ群への刷版の絵柄に
応じたインキ膜厚分布の事前設定に際して印刷枚数が予
め設定されている所望の機能を選択し、この機能を選択
しての印刷作業が中断された場合その時の設定印刷枚数
に対する残り印刷枚数を表示するものとし、この印刷作
業中断時の残り印刷枚数の表示中、印刷再開指令が与え
られた場合、表示されている残り印刷枚数の印刷を再開
するようにしたものである。この発明によれば、例えば
インキリムービング機能や試刷り機能での印刷作業が中
断されると、その時の残り印刷枚数が表示される。この
残り印刷枚数の表示中、印刷作業の中断に対する処理作
業を行った後、印刷再開指令を与えると、表示されてい
る残り印刷枚数の印刷が再開される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。図2は本発明を適用してなる4色枚
葉輪転印刷機を示す図である。同図において、11−1
〜11−4は各色の印刷ユニットであり、この印刷ユニ
ット11−1〜11−4内に図7に示したインキ供給装
置が各個に設けられている。
【0015】また、この輪転印刷機には、図3に示すよ
うな操作デスク13が排紙部12の近くに設置されてい
る。この操作デスク13は、そのデスク上面を操作盤1
3−1とし、この操作盤13−1に操作部13−2およ
び表示部13−3が設けられている。また、操作デスク
13のデスク上面には、試刷りシステム(この例では、
パソコン)14が載置されている。なお、この実施の形
態では、図示してはいないが操作デスク13内に制御装
置が設置されており、この制御装置と合わせて試刷りシ
ステム14が構成されている。
【0016】試刷りシステム14には試刷りデータが予
め標準化されて搭載されている。この場合、試刷りデー
タとは、プレインキング1,インキリムービング,プレ
インキング2,プレインキング(+)およびプレインキ
ング(−)における「インキ呼び出し回数(インキ移し
回数)」や「試刷り枚数」,「インキリムービング枚
数」などの設定条件である。
【0017】また、操作盤13−1には、磁気カード1
5(図4(a)参照)やフロッピィディスク16(図4
(b)参照)などの記録媒体が挿入セットされる差込口
(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、
記録媒体に、刷版の絵柄面積情報に基づいて作成された
本刷りデータ(印刷データ)を記録させておく。すなわ
ち、所要の刷版毎に、その刷版が用いられる印刷ユニッ
ト、その印刷ユニットにおけるインキツボキーの開度、
インキツボローラの回転量などの設定値データを本刷り
データとして記録させておく。
【0018】試刷りシステム14にはインキローラ群6
の各ローラ上に最適なインキの膜厚を形成するための機
能と合わせて試刷り機能が搭載されている。これらの機
能(制御プログラム)はメニュー画面M(図5参照)に
表示される。すなわち、メニュー画面Mに「プレインキ
ング1」,「プレインキング2」,「プレインキング
(+)」,「プレインキング(−)」,「インキリムー
ビング」,「試刷り」が表示される。これらの機能は選
択キーK1〜K6をタッチすることにより選択すること
ができる。
【0019】また、メニュー画面Mには、「プレインキ
ング1」や「プレインキング2」,「プレインキング
(+)」,「プレインキング(−)」機能でのインキ呼
び出し回数の表示部(設定表示部)P1、「インキリム
ービング」機能での設定印刷枚数の表示部(設定表示
部)P2、「試刷り」機能での設定印刷枚数の表示部
(設定表示部)P3、「インキリムービング」機能での
印刷作業中断時の設定印刷枚数に対する残り印刷枚数の
表示部(残紙枚数表示部)P4、「試刷り」機能での印
刷作業中断時の設定印刷枚数に対する残り印刷枚数の表
示部(残紙枚数表示部)P5が設けられている。
【0020】図6は図2に示した輪転印刷機の中立部1
7に設けられた操作プレート18を示す正面図である。
この操作プレート18には、中断された印刷作業を再開
する際に操作されるスタート釦18−1と、中断された
印刷作業を最初からやり直す際に操作されるリセット釦
18−2が設けられている。なお、図2において、19
は給紙部であり、選択された各機能で印刷作業を行うた
めに必要な印刷用紙20が積載されている。
【0021】この輪転印刷機において、中断された印刷
作業の再開と印刷枚数の制御は、試刷りシステム14に
搭載された制御プログラムによって次のようにして行わ
れる。この制御プログラムは試刷りシステム14内の制
御装置内に収められている。
【0022】〔インキリムービング〕本刷り作業の終了
後(図1に示すステップ101)、例えば印刷ユニット
11−1について、旧刷版7から新刷版7’への交換を
行うものとする。この場合、オペレータは、印刷ユニッ
ト11−1にセットしようとする新刷版7’の本刷りデ
ータが記録されている記録媒体を操作デスク13の差込
口にセットし、印刷データの入力を行う。そして、オペ
レータは、試刷りシステム14のメニュー画面Mの「ユ
ニット選択」において、印刷ユニット11−1に対応す
る番号「1」を選択し、表示部P2に表示されている設
定印刷枚数(インキリムービング枚数)を確認のうえ、
選択キーK5により「インキリムービング」機能を選択
する(ステップ102)。なお、表示部P2に表示され
ているインキリムービング枚数は、必要に応じてその設
定を変更することができる。
【0023】この時、印刷ユニット11−1におけるイ
ンキローラ群6には、印刷中に必要とされる最低限のイ
ンキ膜厚分布Maに対し、旧刷版7の絵柄に応じたイン
キ膜厚分布Mbが重畳されている。
【0024】インキリムービング機能が選択されると、
試刷りシステム14は、インキ移しローラ5の呼び出し
動作をオフとしたうえ、旧刷版7を装着したままの状態
で本機を運転し(ステップ103)、表示部P2に設定
されているインキリムービング枚数の印刷作業を開始す
ると共に残紙枚数の制御をオンとする(ステップ10
4)。
【0025】インキリムービングを行っている間、イン
キ移しローラ5の呼び出し動作を停止したままの状態で
印刷が行われるため、インキツボ1内のインキ2はイン
キローラ群6には一切供給されない。このため、インキ
ローラ群6で保有されているインキは、旧刷版7の絵柄
部のみが印刷によって消費される。
【0026】このインキリムービング機能での印刷作業
中、印刷作業が中断されると(ステップ105)、その
時の設定印刷枚数(表示部P2に設定されているインキ
リムービング枚数)に対する残り印刷枚数が残紙枚数表
示部P4に表示される(ステップ106)。オペレータ
は、この残紙枚数表示部P4に表示される残り印刷枚数
を確認のうえ、印刷作業の中断に対する処理作業を行う
(ステップ107)。
【0027】この場合、印刷作業の中断は、印刷用紙自
体の不具合や給紙不良等によって引き起こされる例が多
く、中断事故の大部分は中立部17付近で発生する。し
たがって、オペレータが行う中断事故の発生要因の除去
も、当然ながら中立部17付近で行われる。オペレータ
は、排紙部12から中立部17へ移動して中断事故の発
生要因を除去した後、操作プレート18上のスタート釦
18−1あるいはリセット釦18−2を操作して、印刷
作業を再開する(ステップ108)。この場合、操作プ
レート18は中立部17に設けられているので、中断に
対する処置が終了する度に排紙部12へ戻る必要がな
く、即座に印刷作業を再開させることができる。
【0028】ステップ108において、スタート釦18
−1を操作するか、リセット釦18−2を操作するか
は、印刷作業が中断された時の状況による。すなわち、
印刷作業が中断された時の状況として、「既に一部の印
刷が行われた場合」と「未だ印刷が行われない場合」と
に区分けされる。
【0029】インキリムービング機能を選択しての印刷
作業中、既に一部の印刷が行われた状態で印刷作業が中
断された場合、スタート釦18−1を操作する。スター
ト釦18−1が操作されると、試刷りシステム14は、
残紙枚数表示部P4に表示されている残り印刷枚数の印
刷を行う。この場合、残紙枚数表示部P4には印刷作業
中断時の残り印刷枚数が表示し続けられ、インキリムー
ビング枚数の印刷作業が終了すると(ステップ10
9)、これに連動して残紙枚数の制御がオフとされ、残
紙枚数表示部P4における残り印刷枚数の表示が解除さ
れ、予め設定されている印刷枚数(インキリムービング
枚数と同値)の表示へと切り替わる。
【0030】インキリムービング機能を選択しての印刷
作業中、未だ印刷が行われていない状態で印刷作業が中
断された場合、リセット釦18−2を操作する。リセッ
ト釦18−2が操作されると、試刷りシステム14は、
ステップ104へ戻り、表示部P2に表示されているイ
ンキリムービング枚数の印刷を最初からやり直す。
【0031】〔試刷り〕本刷り作業の終了後(図1に示
すステップ101)、例えば印刷ユニット11−1につ
いて、旧刷版7から新刷版7’への交換を行うものとす
る。この場合、オペレータは、インキリムービング機能
の選択によって、インキローラ群6に印刷中に必要とさ
れる最低限のインキ膜厚分布Maを残した後、プレイン
キング2機能の選択によって、このインキ膜厚分布Ma
に新刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mbを重畳
する。そして、刷版を新刷版7’に交換した状態で、表
示部P3に表示されている設定印刷枚数(試刷り枚数)
を確認のうえ、選択キーK6により「試刷り」機能を選
択する(ステップ102)。なお、表示部P3に表示さ
れている試刷り枚数は、必要に応じて設定変更すること
ができる。
【0032】試刷り機能が選択されると、試刷りシステ
ム14は、インキ移しローラ5の呼び出し動作をオンと
したうえ、新刷版7’が装着された状態で本機を運転し
(ステップ103)、表示部P3に設定されている試刷
り枚数の印刷作業を開始すると共に残紙枚数の制御をオ
ンとする(ステップ104)。
【0033】この試刷り機能での印刷作業中、印刷作業
が中断されると(ステップ105)、その時の設定印刷
枚数(表示部P3に設定されている試刷り枚数)に対す
る残り印刷枚数が残紙枚数表示部P5に表示される(ス
テップ106)。オペレータは、この残紙枚数表示部P
5に表示される残り印刷枚数を確認のうえ、印刷作業の
中断に対する処理作業を行う(ステップ107)。
【0034】この場合、印刷作業の中断は、印刷用紙自
体の不具合や給紙不良等によって引き起こされる例が多
く、中断事故の大部分は中立部17付近で発生する。し
たがって、オペレータが行う中断事故の発生要因の除去
も、当然ながら中立部17付近で行われる。オペレータ
は、排紙部12から中立部17へ移動して中断事故の発
生要因を除去した後、操作プレート18上のスタート釦
18−1あるいはリセット釦18−2を操作して、印刷
作業を再開する(ステップ108)。この場合、操作プ
レート18は中立部17に設けられているので、中断に
対する処置が終了する度に排紙部12へ戻る必要がな
く、即座に印刷作業を再開させることができる。
【0035】ステップ108において、スタート釦18
−1を操作するか、リセット釦18−2を操作するか
は、印刷作業が中断された時の状況による。すなわち、
印刷作業が中断された時の状況として、「既に一部の印
刷が行われた場合」と「未だ印刷が行われない場合」と
に区分けされる。
【0036】試刷り機能を選択しての印刷作業中、既に
一部の印刷が行われた状態で印刷作業が中断された場
合、残紙枚数表示部P5に表示される残り印刷枚数が多
く試刷りの品質確認に支障がなければ、スタート釦18
−1を操作する。スタート釦18−1が操作されると、
試刷りシステム14は、残紙枚数表示部P5に表示され
ている残り印刷枚数の印刷を行う。この場合、残紙枚数
表示部P5には印刷作業中断時の残り印刷枚数が表示し
続けられ、試刷り枚数の印刷作業が終了すると(ステッ
プ109)、これに連動して残紙枚数の制御がオフとさ
れ、残紙枚数表示部P5における残り印刷枚数の表示が
解除され、予め設定されている印刷枚数(試刷り枚数と
同値)の表示へと切り替わる。
【0037】試刷り機能を選択しての印刷作業中、既に
一部の印刷が行われた状態で印刷作業が中断された場
合、残紙枚数表示部P5に表示される残り印刷枚数が少
なく試刷りの品質確保が難しいと思われる場合には、リ
セット釦18−2を操作する。この場合、残紙枚数表示
部P5における残り印刷枚数の表示が解除され、予め設
定されている印刷枚数(試刷り枚数と同値)の表示へと
切り替わる。また、試刷り機能を選択しての印刷作業
中、未だ印刷が行われていない状態で印刷作業が中断さ
れた場合、リセット釦18−2を操作する。リセット釦
18−2が操作されると、試刷りシステム14は、ステ
ップ104へ戻り、表示部P3に表示されている試刷り
枚数の印刷を最初からやり直す。
【0038】このように本実施の形態によれば、インキ
リムービング機能や試刷り機能での印刷作業が中断され
ても、一々残り印刷枚数の計算を行うことなく、操作プ
レート18上のスタート釦18−1を操作することによ
って、正確に残り印刷枚数の印刷作業を再開することが
できるので、各機能が必要としている品質を一度の印刷
作業で確保することができ、インキ膜厚分布の再補正や
試刷り作業の再実施が不要となり、生産性の向上、生産
コストと印刷資材消耗量の削減、オペレータの作業負荷
の軽減を図ることができるようになる。
【0039】また、この実施の形態によれば、インキリ
ムービング機能や試刷り機能での印刷作業が中断した場
合、残紙枚数表示部P4やP5でその時の残り印刷枚数
を確認することができるので、この残り印刷枚数に基づ
いて印刷作業が中断された状況を容易に把握することが
でき、中断に対する処理作業を行った後の印刷作業の再
開に際し、スタート釦18−1を操作すべきかリセット
釦18−2を操作すべきかの判断を迷うことなく速やか
に行うことができる。
【0040】また、この実施の形態によれば、操作プレ
ート18が中立部17に設けられているので、中断に対
する処置が終了する度に排紙部12へ戻る必要がなく、
即座に印刷作業を再開させることができ、オペレータの
作業負荷を軽減することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、例えばインキリムービング機能や試刷り
機能での印刷作業が中断されると、その時の残り印刷枚
数が表示され、この残り印刷枚数の表示中、印刷作業の
中断に対する処理作業を行った後、印刷再開指令を与え
ると、表示されている残り印刷枚数の印刷が再開される
ものとなり、一々残り印刷枚数の計算を行うことなく、
正確に残り印刷枚数の印刷作業を再開することができ、
各機能が必要としている品質を一度の印刷作業で確保す
ることができ、インキ膜厚分布の再補正や試刷り作業の
再実施が不要となり、生産性の向上、生産コストと印刷
資材消耗量の削減、オペレータの作業負荷の軽減を図る
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の特徴的な動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図2】 本発明を適用してなる4色枚葉輪転印刷機を
示す図である。
【図3】 この輪転印刷機に付設された操作デスクを示
す図である。
【図4】 印刷データが記録された記録媒体を例示する
図である。
【図5】 試刷りシステムのディスプレイに出現するメ
ニュー画面を示す図である。
【図6】 この輪転印刷機の中立部に設けられた操作プ
レートを示す正面図である。
【図7】 輪転印刷機における各印刷ユニット内のイン
キ供給装置の要部を示す図である。
【図8】 このインキ供給装置のインキローラ群上に形
成されるインキ膜厚分布MaおよびMbを示す図であ
る。
【符号の説明】
1…インキツボ、2…インキ、3…インキツボローラ、
4(4−1〜4−n)…インキツボキー、5…インキ移
しローラ、6…インキローラ群、7(7’)…刷版、8
…版胴、11(11−1〜11−4)…印刷ユニット、
12…排紙部、13…操作デスク、14…試刷りシステ
ム、17…中立部、18…操作プレート、18−1…ス
タート釦、18−2…リセット釦、M…メニュー画面、
K1〜K6…選択キー、P1〜P5…表示部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキツボキーを複数備え、これらイン
    キツボキーの開度調整によってインキツボ内のインキを
    インキツボローラに供給し、このインキツボローラに供
    給されたインキをインキ移しローラの呼び出し動作によ
    りインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ供給装
    置において、 前記インキローラ群への前記刷版の絵柄に応じたインキ
    膜厚分布の事前設定に際して印刷枚数が予め設定されて
    いる所望の機能を選択し、 この機能を選択しての印刷作業が中断された場合その時
    の設定印刷枚数に対する残り印刷枚数を表示するものと
    し、 この印刷作業中断時の残り印刷枚数の表示中、印刷再開
    指令が与えられた場合、表示されている残り印刷枚数の
    印刷を再開するようにしたことを特徴とする印刷作業の
    再開方法。
  2. 【請求項2】 インキツボキーを複数備え、これらイン
    キツボキーの開度調整によってインキツボ内のインキを
    インキツボローラに供給し、このインキツボローラに供
    給されたインキをインキ移しローラの呼び出し動作によ
    りインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ供給装
    置において、 前記インキローラ群への前記刷版の絵柄に応じたインキ
    膜厚分布の事前設定に際して選択される機能における印
    刷枚数設定手段と、 前記機能を選択しての印刷作業が中断された場合その時
    の設定印刷枚数に対する残り印刷枚数を表示する残り印
    刷枚数表示手段と、 中断された印刷作業を再開する際に操作される印刷再開
    指令入力手段と、 前記残り印刷枚数表示手段による印刷作業中断時の残り
    印刷枚数の表示中、前記印刷再開指令入力手段が操作さ
    れると、表示されている残り印刷枚数の印刷を再開する
    印刷再開手段とを備えたことを特徴とするインキ供給装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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