JP2004144226A - トルク伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンのトルク変動を十分に吸収しながら、エンジンのトルクを圧縮機に伝達する。
【解決手段】第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが突起部13bと離隔するように隙間15を設ける。これにより、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向き回転しても、隙間15が存在する間、つまり第2ダンパー14bがセンターハブ13の突起部13bに接触するまでの間は、逆転の向きのトルクがセンターハブ13に伝達されることはない。したがって、エンジンのトルク変動を十分に吸収できるので、センターハブ13に逆転の向きのトルクが伝達され、センターハブ13とシャフト1bとの締結部の緩み、異音や不快な振動の誘発、及びトルクリミッタ装置の誤作動を未然に防止できる。
【選択図】 図4
【解決手段】第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが突起部13bと離隔するように隙間15を設ける。これにより、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向き回転しても、隙間15が存在する間、つまり第2ダンパー14bがセンターハブ13の突起部13bに接触するまでの間は、逆転の向きのトルクがセンターハブ13に伝達されることはない。したがって、エンジンのトルク変動を十分に吸収できるので、センターハブ13に逆転の向きのトルクが伝達され、センターハブ13とシャフト1bとの締結部の緩み、異音や不快な振動の誘発、及びトルクリミッタ装置の誤作動を未然に防止できる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機器に駆動源からのトルクを伝達するトルク伝達装置に関するもので、車両に配設されるオルタネータや圧縮機等の回転機器(補機)にエンジン等の駆動源からのトルクを伝達するトルク伝達装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動側回転体から従動側回転体にトルクを伝達する、ゴム等の弾性体からなるダンパーのうち、正転の向きのトルクが作用する部分の弾性係数k1を逆転の向きのトルクが作用する部分の弾性係数k2より大きくして、ダンパーが弾性限界を超えてしまうことを防止しながら大きなトルクを伝達しながら、トルク変動を吸収していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−147485号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料を燃焼室内に直接噴射供給する、いわゆる直噴式の内燃機関は、燃料と空気とを予め混合して燃焼室に供給する余混合式の内燃機関に比べて回転角変動に伴うトルク変動が大きいため、特許文献1に記載のトルク伝達装置では、十分にトルク変動を吸収することができないおそれがある。
【0005】
因みに、トルク変動を十分に吸収することができない場合には、トルクリミッタ装置の誤作動、圧縮機のシャフトとトルク伝達装置のハブとの締結部の緩み、及び異音や不快な振動の誘発等の不具合を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規なトルク伝達装置を提供し、第2には、トルク変動を十分に吸収することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、回転機器(1)に駆動源(6)からのトルクを伝達するトルク伝達装置であって、駆動源(6)からのトルクを受けて回転する第1回転体(11)と、回転機器(1)の回転部に連結されて回転部と共に回転するとともに、第1回転体(11)と同軸上に配設された第2回転体(13)と、第1回転体(11)から第2回転体(13)側に突出する第1突起部(11d)と、第1突起部(11d)に対して回転方向にずれた位置にて第2回転体(13)から第1回転体(11)側に突出する第2突起部(13b)とに挟まれるように配置された、弾性変形可能な第1、2トルク伝達部材(14a、14b)とを備え、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触しているときには、第2トルク伝達部材(14b)は、両突起部(11d、13b)のうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間(15)を有して離隔していることを特徴とする。
【0008】
ところで、駆動源(6)のトルク変動に伴って駆動源(6)、つまり第1回転体(11)の回転速度が大きくすると、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きずれるように回転角位相差が発生するが、本発明では、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触しているときには、第2トルク伝達部材(14b)は、両突起部(11d、13b)のうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間(15)を有して離隔しているので、第1回転体(11)が第2回転体(13)対して逆転の向き回転しても、隙間(15)が存在する間、つまり第2トルク伝達部材(14b)が第2突起部(13b)に接触するまでの間は、逆転の向きのトルクが第2回転体(13)に伝達されることはない。
【0009】
したがって、駆動源(6)のトルク変動を十分に吸収できるので、第2回転体(13)に逆転の向きのトルクが伝達され、第2回転体(13)と回転機器(1)との締結の緩み、及び異音や不快な振動の誘発を未然に防止することができる。
【0010】
また、駆動源(6)のトルク変動を十分に吸収できるので、第1、2トルク伝達部材(14a、14b)の弾性係数を比較的に小さくすることができ、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して正転の向きに回転しているときに、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の発明では、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きに所定角度回転したときに、第2トルク伝達部材(14b)が両突起部(11d、13b)に接触するように隙間(15)が設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明では、常温下において、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して正転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが26Nm以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明では、常温下において、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが10Nm以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明では、第1回転体(11)から第2回転体(13)に伝達されるトルクが所定トルクを超えたときにトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部(13d)を備えることを特徴とするものである。
【0016】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、走行用エンジンからの動力を車両用空調装置の圧縮機に伝達するトルク伝達装置に本発明を適用したものであって、図1は車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図である。
【0018】
図1中、圧縮機1は冷媒を吸入圧縮する可変容量型圧縮機であり、放熱器2は圧縮機1から吐出される冷媒を冷却する高圧側熱交換器であり、気液分離器3はは放熱器2から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するレシーバである。
【0019】
なお、本実施形態に係る圧縮機1は、ピストンを往復動させる斜板の傾斜角を変更して圧縮機の吐出容量、つまりシャフトが1回転する際に吐出される理論吐出量を変化させるもので、斜板の傾斜角を変更させるには、電子制御装置1aにより制御された制御制御弁1bにて斜板が収納された斜板室(クランク室)の圧力を制御することにより行う。
【0020】
また、減圧器4はレシーバ3から流出した冷媒減圧するもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ減圧するとともに、圧縮機1に吸引される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨脹弁を採用している。蒸発器5は減圧器4にて減圧された冷媒を蒸発させることにより冷凍能力(冷房能力)を発揮する低圧側熱交換器である。
【0021】
そして、プーリ10は、駆動源であるエンジン6からVベルトを介して伝達された動力を回転機機である圧縮機1に伝達するプーリ一体型のトルク伝達装置(以下、プーリと略す。)であり、以下、プーリ10について述べる。
【0022】
図2は本実施形態に係るプーリの断面図であり、図3は図2の左側面図(一部断面図)であり、図4は図3のA−A断面図である。
【0023】
図2中、プーリ本体11はVベルトを介してエンジン6から駆動力を受けて回転する略円筒状に形成された金属又は硬質樹脂(本実施形態では、フェノール)製の第1回転体であり、このプーリ1の内周側にはプーリ本体11を回転可能に支持するラジアル転がり軸受12が装着される円筒状のプーリハブ11aが一体成形されている。因みに、ラジアル転がり軸受12の内輪は、圧縮機1のフロントハウジング1aに圧入装着される。
【0024】
なお、本実施形態では、プーリ本体11として、複数列のV溝11bが設けられたポリードライブベルト対応型のプーリを採用しているとともに、プーリ本体11を樹脂製としているので、プーリハブ11aのうち軸受12が装着される内周側には、金属製のスリーブ11cがインサート成形にてプーリハブ11aに一体化されている。
【0025】
また、センターハブ13は圧縮機1の回転部であるシャフト1bに連結されてシャフト1bと共に回転する第2回転体である。そして、このセンターハブ13は、図2〜4に示すように、シャフト1bの外周面に形成された雄ねじと結合する雌ねじが形成されたボス部13a、プーリ本体11側に突出してプーリ本体11から供給されるトルクを受ける複数個の突起部13bが形成されたプレート部13c、及びプレート部13cとボス部13aとを機械的に連結してプレート部13cからボス部13aにトルクを伝達するとともに、伝達トルクが所定トルク以上となったときに破断するような強度に設定されたブリッジ部13dから構成されている。
【0026】
なお、ボス部13a及びブリッジ部13dは金属粉を焼結することにより一体成形され、プレート部13cは樹脂にて成形されており、ブリッジ部13dとプレート部13cとはインサート成形法により一体化されている。
【0027】
ところで、プーリ本体11のうちプレート部13cに対応する部位には、図4に示すように、プーリ本体11からプレート部13c、つまりセンターハブ13側に向けて突出する複数個の突起部11dが一体形成されており、プーリ本体11及びセンターハブ13が圧縮機1に装着された状態においては、センターハブ13の突起部13bとプーリ本体11の突起部11dとは、互いにシャフト1bの回転方向にずれてシャフト1b周りに交互に位置する。
【0028】
そして、両突起部11d、13b間には、両突起部11d、13bに挟まれるようにして第1、2ダンパー14a、14bが配置されており、この第1、2ダンパー14a、14bは、弾性変形可能な材質(例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム))からなるトルク伝達部材である。
【0029】
ここで、第1ダンパー14aは、圧縮機1を駆動する際にプーリ本体11がセンターハブ13に対して相対的に回転する向き(以下、この向きを正転の向き(矢印の向き)と呼ぶ。)に回転したときに、圧縮荷重を受けて圧縮変形してプーリ本体11の突起部11dからセンターハブ13の突起部13bにトルクを伝達するものである。
【0030】
一方、第2ダンパー14bは、プーリ本体11がセンターハブ13に対して相対的に正転の向きと逆向き(以下、この向きを逆転の向きと呼ぶ。)に回転するしたとき、圧縮荷重を受けて圧縮変形するものであり、両ダンパー14a、14bを連結部材14cにて連結して2個1組として、図3に示すように、円周方向に複数組配置されている。
【0031】
そして、圧縮荷重方向の第1、2ダンパー14q、14bの大きさ、及び両突起部11d、13b間の寸法等は、図4に示すように、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが両突起部11d、13bのうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間15を有して離隔するように選定されている。
【0032】
具体的には、プーリ本体11がセンターハブ13に対して正転の向きに回転しているときには、第1ダンパー14aは両突起部11d、13bに接触して圧縮変形し、一方、第2ダンパー14bはセンターハブ13の突起部13bと隙間15を介して離隔する。
【0033】
逆に、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向きに回転しているときには、第2ダンパー14bは両突起部11d、13bに接触して圧縮変形し、一方、第1ダンパー14aはセンターハブ13の突起部13bと隙間を介して離隔する。
【0034】
次に、本実施形態に係るトルク伝達装置(プーリ10)作動を述べる。
【0035】
エンジン6が稼動し始めると、プーリ本体11がセンターハブ13に対して正転の向きに回転し、第1ダンパー14aが圧縮変形し、その圧縮反力がトルクとしてセンターハブ13に伝達される。
【0036】
このとき、エンジン6で発生するトルク変動及び圧縮機1で発生する負荷変動によりプーリ本体11とセンターハブ13との回転角位相差は、第1、2ダンパー14a、14bが弾性変形することにより吸収される。
【0037】
そして、プーリ本体11とセンターハブ13との間で伝達されるトルクが所定トルクを超えると、ブリッジ部13dが破断するため、プーリ本体11とセンターハブ13との間のトルク伝達が遮断される。つまり、本実施形態では、ブリッジ部13dが、伝達トルクが所定トルクを超えたときにトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部を構成する。
【0038】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0039】
エンジン6のトルク変動に伴ってエンジン6、つまりプーリ本体11の回転速度が大きく変動すると、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向きずれるように回転角位相差が発生するが、本実施形態では、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが両突起部11d、13bのうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間15を有して離隔するので、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向き回転しても、隙間15が存在する間、つまり第2ダンパー14bがセンターハブ13の突起部13bに接触するまでの間は、逆転の向きのトルクがセンターハブ13に伝達されることはない。
【0040】
したがって、エンジン6のトルク変動を十分に吸収できるので、センターハブ13に逆転の向きのトルクが伝達され、センターハブ13とシャフト1bとの締結部の緩み、及び異音や不快な振動の誘発を未然に防止することができる。
【0041】
また、エンジン6のトルク変動を十分に吸収できるので、ダンパー14a、14bの弾性係数を比較的に小さくすることができ、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができる。延いては、ブリッジ部13dが所定トルクに対して大きくずれたトルクで破断してしまうといったトルクリミッタ装置の誤作動を未然に防止できる。
【0042】
なお、図5は本実施形態に係るプーリ10のプーリ本体11に対するセンターハブ13の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフであり、図6は特許文献1に基づいて試作した従来品の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【0043】
そして、図5から明らかなように、本実施形態では、常温(25℃)下において、プーリ本体11がセンターハブ13に対して基準(0deg)から正転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが26Nm以下となるように設定され、かつ、常温下において、プーリ本体11がセンターハブ13に対して基準から逆転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが10Nm以下となるように設定されている。
【0044】
つまり、本実施形態は、正転側の弾性係数及び逆転側の弾性係数の両者が小さくなっているので、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができ得る。
【0045】
なお、基準、つまり相対回転角度が0degとは、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触した状態で第1ダンパー14aに発生する圧縮歪みが略0の状態を言う。また、弾性係数とは、センターハブ13に対するプーリ本体11の相対回転角に対する、プーリ本体11とセンターハブ13との間で伝達される伝達トルクの変化率を言う。
【0046】
因みに、発明者等の試験検討によると、本実施形態に係るプーリ10におけるトルク変動幅を従来の約1/2(74Nm→36Nm)まで低減することができ、かつ、逆転側のトルク変動幅を略0とすることができることを確認している。
【0047】
(第2実施形態)
本実施形態は、図7に示すように、第2ダンパー14bに、圧縮荷重の方向に対して略直交する断面の断面積を縮小させる穴部14dを設けて、第2ダンパー14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第2ダンパー14bに非線形特性を持たせたものである。
【0048】
(第3実施形態)
本実施形態は、図8に示すように、第1、2ダンパー14a、14bの両者にに、圧縮荷重の方向に対して略直交する断面の断面積を縮小させる穴部14dを設けて、第1、2ダンパー14a、14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第1、2ダンパー14a、14bに非線形特性を持たせたものである。
【0049】
なお、このとき、第1ダンパー14aの弾性係数が第2ダンパー1414bの弾性係数より大きくなるように穴部14dを設定することが望ましい。
【0050】
(第4実施形態)
本実施形態は、図9に示すように、センターハブ13の突起部13b側に向かうほど、断面積が縮小するような突起部14eを第2ダンパー14bに設けて、第2ダンパー14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第2ダンパー14bに非線形特性を持たせたものである。
【0051】
(第5実施形態)
本実施形態は、図10に示すように、第2ダンパー14bのうち突起部13b側に傾斜面14fを設けて、第2ダンパー14bの弾性係数を低下させたものである。
【0052】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ダンパー14a、14bをゴム(EPDM)製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エラストマー、樹脂及び金属等のその他材料にて構成してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、圧縮機1にトルクを伝達するプーリ10に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のトルク伝達装置にも適用することができる。
【0054】
また、上述の実施形態では、穴部14aは貫通穴であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、貫通しない凹部のような穴であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図である
【図2】本発明の第1実施形態に係るプーリの断面図である。
【図3】図2の左側面図(一部断面図)である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプーリのプーリ本体に対するセンターハブの相対回転角度と両者間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【図6】特許文献1に基づいて試作した従来品の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るプーリの特徴を示す図である。
【符号の説明】
11…プーリ本体、11d…突起部、13…センターハブ、
13b…突起部、14a、14b…ダンパー、15…隙間。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機器に駆動源からのトルクを伝達するトルク伝達装置に関するもので、車両に配設されるオルタネータや圧縮機等の回転機器(補機)にエンジン等の駆動源からのトルクを伝達するトルク伝達装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動側回転体から従動側回転体にトルクを伝達する、ゴム等の弾性体からなるダンパーのうち、正転の向きのトルクが作用する部分の弾性係数k1を逆転の向きのトルクが作用する部分の弾性係数k2より大きくして、ダンパーが弾性限界を超えてしまうことを防止しながら大きなトルクを伝達しながら、トルク変動を吸収していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−147485号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料を燃焼室内に直接噴射供給する、いわゆる直噴式の内燃機関は、燃料と空気とを予め混合して燃焼室に供給する余混合式の内燃機関に比べて回転角変動に伴うトルク変動が大きいため、特許文献1に記載のトルク伝達装置では、十分にトルク変動を吸収することができないおそれがある。
【0005】
因みに、トルク変動を十分に吸収することができない場合には、トルクリミッタ装置の誤作動、圧縮機のシャフトとトルク伝達装置のハブとの締結部の緩み、及び異音や不快な振動の誘発等の不具合を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規なトルク伝達装置を提供し、第2には、トルク変動を十分に吸収することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、回転機器(1)に駆動源(6)からのトルクを伝達するトルク伝達装置であって、駆動源(6)からのトルクを受けて回転する第1回転体(11)と、回転機器(1)の回転部に連結されて回転部と共に回転するとともに、第1回転体(11)と同軸上に配設された第2回転体(13)と、第1回転体(11)から第2回転体(13)側に突出する第1突起部(11d)と、第1突起部(11d)に対して回転方向にずれた位置にて第2回転体(13)から第1回転体(11)側に突出する第2突起部(13b)とに挟まれるように配置された、弾性変形可能な第1、2トルク伝達部材(14a、14b)とを備え、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触しているときには、第2トルク伝達部材(14b)は、両突起部(11d、13b)のうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間(15)を有して離隔していることを特徴とする。
【0008】
ところで、駆動源(6)のトルク変動に伴って駆動源(6)、つまり第1回転体(11)の回転速度が大きくすると、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きずれるように回転角位相差が発生するが、本発明では、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触しているときには、第2トルク伝達部材(14b)は、両突起部(11d、13b)のうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間(15)を有して離隔しているので、第1回転体(11)が第2回転体(13)対して逆転の向き回転しても、隙間(15)が存在する間、つまり第2トルク伝達部材(14b)が第2突起部(13b)に接触するまでの間は、逆転の向きのトルクが第2回転体(13)に伝達されることはない。
【0009】
したがって、駆動源(6)のトルク変動を十分に吸収できるので、第2回転体(13)に逆転の向きのトルクが伝達され、第2回転体(13)と回転機器(1)との締結の緩み、及び異音や不快な振動の誘発を未然に防止することができる。
【0010】
また、駆動源(6)のトルク変動を十分に吸収できるので、第1、2トルク伝達部材(14a、14b)の弾性係数を比較的に小さくすることができ、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して正転の向きに回転しているときに、第1トルク伝達部材(14a)が両突起部(11d、13b)に接触することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の発明では、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きに所定角度回転したときに、第2トルク伝達部材(14b)が両突起部(11d、13b)に接触するように隙間(15)が設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明では、常温下において、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して正転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが26Nm以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明では、常温下において、第1回転体(11)が第2回転体(13)に対して逆転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが10Nm以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明では、第1回転体(11)から第2回転体(13)に伝達されるトルクが所定トルクを超えたときにトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部(13d)を備えることを特徴とするものである。
【0016】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、走行用エンジンからの動力を車両用空調装置の圧縮機に伝達するトルク伝達装置に本発明を適用したものであって、図1は車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図である。
【0018】
図1中、圧縮機1は冷媒を吸入圧縮する可変容量型圧縮機であり、放熱器2は圧縮機1から吐出される冷媒を冷却する高圧側熱交換器であり、気液分離器3はは放熱器2から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するレシーバである。
【0019】
なお、本実施形態に係る圧縮機1は、ピストンを往復動させる斜板の傾斜角を変更して圧縮機の吐出容量、つまりシャフトが1回転する際に吐出される理論吐出量を変化させるもので、斜板の傾斜角を変更させるには、電子制御装置1aにより制御された制御制御弁1bにて斜板が収納された斜板室(クランク室)の圧力を制御することにより行う。
【0020】
また、減圧器4はレシーバ3から流出した冷媒減圧するもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ減圧するとともに、圧縮機1に吸引される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨脹弁を採用している。蒸発器5は減圧器4にて減圧された冷媒を蒸発させることにより冷凍能力(冷房能力)を発揮する低圧側熱交換器である。
【0021】
そして、プーリ10は、駆動源であるエンジン6からVベルトを介して伝達された動力を回転機機である圧縮機1に伝達するプーリ一体型のトルク伝達装置(以下、プーリと略す。)であり、以下、プーリ10について述べる。
【0022】
図2は本実施形態に係るプーリの断面図であり、図3は図2の左側面図(一部断面図)であり、図4は図3のA−A断面図である。
【0023】
図2中、プーリ本体11はVベルトを介してエンジン6から駆動力を受けて回転する略円筒状に形成された金属又は硬質樹脂(本実施形態では、フェノール)製の第1回転体であり、このプーリ1の内周側にはプーリ本体11を回転可能に支持するラジアル転がり軸受12が装着される円筒状のプーリハブ11aが一体成形されている。因みに、ラジアル転がり軸受12の内輪は、圧縮機1のフロントハウジング1aに圧入装着される。
【0024】
なお、本実施形態では、プーリ本体11として、複数列のV溝11bが設けられたポリードライブベルト対応型のプーリを採用しているとともに、プーリ本体11を樹脂製としているので、プーリハブ11aのうち軸受12が装着される内周側には、金属製のスリーブ11cがインサート成形にてプーリハブ11aに一体化されている。
【0025】
また、センターハブ13は圧縮機1の回転部であるシャフト1bに連結されてシャフト1bと共に回転する第2回転体である。そして、このセンターハブ13は、図2〜4に示すように、シャフト1bの外周面に形成された雄ねじと結合する雌ねじが形成されたボス部13a、プーリ本体11側に突出してプーリ本体11から供給されるトルクを受ける複数個の突起部13bが形成されたプレート部13c、及びプレート部13cとボス部13aとを機械的に連結してプレート部13cからボス部13aにトルクを伝達するとともに、伝達トルクが所定トルク以上となったときに破断するような強度に設定されたブリッジ部13dから構成されている。
【0026】
なお、ボス部13a及びブリッジ部13dは金属粉を焼結することにより一体成形され、プレート部13cは樹脂にて成形されており、ブリッジ部13dとプレート部13cとはインサート成形法により一体化されている。
【0027】
ところで、プーリ本体11のうちプレート部13cに対応する部位には、図4に示すように、プーリ本体11からプレート部13c、つまりセンターハブ13側に向けて突出する複数個の突起部11dが一体形成されており、プーリ本体11及びセンターハブ13が圧縮機1に装着された状態においては、センターハブ13の突起部13bとプーリ本体11の突起部11dとは、互いにシャフト1bの回転方向にずれてシャフト1b周りに交互に位置する。
【0028】
そして、両突起部11d、13b間には、両突起部11d、13bに挟まれるようにして第1、2ダンパー14a、14bが配置されており、この第1、2ダンパー14a、14bは、弾性変形可能な材質(例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム))からなるトルク伝達部材である。
【0029】
ここで、第1ダンパー14aは、圧縮機1を駆動する際にプーリ本体11がセンターハブ13に対して相対的に回転する向き(以下、この向きを正転の向き(矢印の向き)と呼ぶ。)に回転したときに、圧縮荷重を受けて圧縮変形してプーリ本体11の突起部11dからセンターハブ13の突起部13bにトルクを伝達するものである。
【0030】
一方、第2ダンパー14bは、プーリ本体11がセンターハブ13に対して相対的に正転の向きと逆向き(以下、この向きを逆転の向きと呼ぶ。)に回転するしたとき、圧縮荷重を受けて圧縮変形するものであり、両ダンパー14a、14bを連結部材14cにて連結して2個1組として、図3に示すように、円周方向に複数組配置されている。
【0031】
そして、圧縮荷重方向の第1、2ダンパー14q、14bの大きさ、及び両突起部11d、13b間の寸法等は、図4に示すように、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが両突起部11d、13bのうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間15を有して離隔するように選定されている。
【0032】
具体的には、プーリ本体11がセンターハブ13に対して正転の向きに回転しているときには、第1ダンパー14aは両突起部11d、13bに接触して圧縮変形し、一方、第2ダンパー14bはセンターハブ13の突起部13bと隙間15を介して離隔する。
【0033】
逆に、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向きに回転しているときには、第2ダンパー14bは両突起部11d、13bに接触して圧縮変形し、一方、第1ダンパー14aはセンターハブ13の突起部13bと隙間を介して離隔する。
【0034】
次に、本実施形態に係るトルク伝達装置(プーリ10)作動を述べる。
【0035】
エンジン6が稼動し始めると、プーリ本体11がセンターハブ13に対して正転の向きに回転し、第1ダンパー14aが圧縮変形し、その圧縮反力がトルクとしてセンターハブ13に伝達される。
【0036】
このとき、エンジン6で発生するトルク変動及び圧縮機1で発生する負荷変動によりプーリ本体11とセンターハブ13との回転角位相差は、第1、2ダンパー14a、14bが弾性変形することにより吸収される。
【0037】
そして、プーリ本体11とセンターハブ13との間で伝達されるトルクが所定トルクを超えると、ブリッジ部13dが破断するため、プーリ本体11とセンターハブ13との間のトルク伝達が遮断される。つまり、本実施形態では、ブリッジ部13dが、伝達トルクが所定トルクを超えたときにトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部を構成する。
【0038】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0039】
エンジン6のトルク変動に伴ってエンジン6、つまりプーリ本体11の回転速度が大きく変動すると、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向きずれるように回転角位相差が発生するが、本実施形態では、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触しているときに、第2ダンパー14bが両突起部11d、13bのうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間15を有して離隔するので、プーリ本体11がセンターハブ13に対して逆転の向き回転しても、隙間15が存在する間、つまり第2ダンパー14bがセンターハブ13の突起部13bに接触するまでの間は、逆転の向きのトルクがセンターハブ13に伝達されることはない。
【0040】
したがって、エンジン6のトルク変動を十分に吸収できるので、センターハブ13に逆転の向きのトルクが伝達され、センターハブ13とシャフト1bとの締結部の緩み、及び異音や不快な振動の誘発を未然に防止することができる。
【0041】
また、エンジン6のトルク変動を十分に吸収できるので、ダンパー14a、14bの弾性係数を比較的に小さくすることができ、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができる。延いては、ブリッジ部13dが所定トルクに対して大きくずれたトルクで破断してしまうといったトルクリミッタ装置の誤作動を未然に防止できる。
【0042】
なお、図5は本実施形態に係るプーリ10のプーリ本体11に対するセンターハブ13の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフであり、図6は特許文献1に基づいて試作した従来品の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【0043】
そして、図5から明らかなように、本実施形態では、常温(25℃)下において、プーリ本体11がセンターハブ13に対して基準(0deg)から正転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが26Nm以下となるように設定され、かつ、常温下において、プーリ本体11がセンターハブ13に対して基準から逆転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが10Nm以下となるように設定されている。
【0044】
つまり、本実施形態は、正転側の弾性係数及び逆転側の弾性係数の両者が小さくなっているので、正転側及び逆転側のトルク変動を十分に吸収することができ得る。
【0045】
なお、基準、つまり相対回転角度が0degとは、第1ダンパー14aが両突起部11d、13bに接触した状態で第1ダンパー14aに発生する圧縮歪みが略0の状態を言う。また、弾性係数とは、センターハブ13に対するプーリ本体11の相対回転角に対する、プーリ本体11とセンターハブ13との間で伝達される伝達トルクの変化率を言う。
【0046】
因みに、発明者等の試験検討によると、本実施形態に係るプーリ10におけるトルク変動幅を従来の約1/2(74Nm→36Nm)まで低減することができ、かつ、逆転側のトルク変動幅を略0とすることができることを確認している。
【0047】
(第2実施形態)
本実施形態は、図7に示すように、第2ダンパー14bに、圧縮荷重の方向に対して略直交する断面の断面積を縮小させる穴部14dを設けて、第2ダンパー14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第2ダンパー14bに非線形特性を持たせたものである。
【0048】
(第3実施形態)
本実施形態は、図8に示すように、第1、2ダンパー14a、14bの両者にに、圧縮荷重の方向に対して略直交する断面の断面積を縮小させる穴部14dを設けて、第1、2ダンパー14a、14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第1、2ダンパー14a、14bに非線形特性を持たせたものである。
【0049】
なお、このとき、第1ダンパー14aの弾性係数が第2ダンパー1414bの弾性係数より大きくなるように穴部14dを設定することが望ましい。
【0050】
(第4実施形態)
本実施形態は、図9に示すように、センターハブ13の突起部13b側に向かうほど、断面積が縮小するような突起部14eを第2ダンパー14bに設けて、第2ダンパー14bの弾性係数が圧縮歪みの増大に応じて増大するように第2ダンパー14bに非線形特性を持たせたものである。
【0051】
(第5実施形態)
本実施形態は、図10に示すように、第2ダンパー14bのうち突起部13b側に傾斜面14fを設けて、第2ダンパー14bの弾性係数を低下させたものである。
【0052】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ダンパー14a、14bをゴム(EPDM)製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エラストマー、樹脂及び金属等のその他材料にて構成してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、圧縮機1にトルクを伝達するプーリ10に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のトルク伝達装置にも適用することができる。
【0054】
また、上述の実施形態では、穴部14aは貫通穴であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、貫通しない凹部のような穴であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図である
【図2】本発明の第1実施形態に係るプーリの断面図である。
【図3】図2の左側面図(一部断面図)である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプーリのプーリ本体に対するセンターハブの相対回転角度と両者間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【図6】特許文献1に基づいて試作した従来品の相対回転角度と両者11、13間に発生するトルクとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るプーリの左側面図(一部断面図)である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るプーリの特徴を示す図である。
【符号の説明】
11…プーリ本体、11d…突起部、13…センターハブ、
13b…突起部、14a、14b…ダンパー、15…隙間。
Claims (6)
- 回転機器(1)に駆動源(6)からのトルクを伝達するトルク伝達装置であって、
前記駆動源(6)からのトルクを受けて回転する第1回転体(11)と、
前記回転機器(1)の回転部に連結されて前記回転部と共に回転するとともに、前記第1回転体(11)と同軸上に配設された第2回転体(13)と、
前記第1回転体(11)から前記第2回転体(13)側に突出する第1突起部(11d)と、前記第1突起部(11d)に対して回転方向にずれた位置にて前記第2回転体(13)から前記第1回転体(11)側に突出する第2突起部(13b)とに挟まれるように配置された、弾性変形可能な第1、2トルク伝達部材(14a、14b)とを備え、
前記第1トルク伝達部材(14a)が前記両突起部(11d、13b)に接触しているときには、前記第2トルク伝達部材(14b)は、前記両突起部(11d、13b)のうち少なくとも一方の突起部と所定の隙間(15)を有して離隔していることを特徴とするトルク伝達装置。 - 前記第1回転体(11)が前記第2回転体(13)に対して正転の向きに回転しているときに、前記第1トルク伝達部材(14a)が前記両突起部(11d、13b)に接触することを特徴とする請求項1に記載のトルク伝達装置。
- 前記第1回転体(11)が前記第2回転体(13)に対して逆転の向きに所定角度回転したときに、前記第2トルク伝達部材(14b)が前記両突起部(11d、13b)に接触するように前記隙間(15)が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク伝達装置。
- 常温下において、前記第1回転体(11)が前記第2回転体(13)に対して正転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが26Nm以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のトルク伝達装置。
- 常温下において、前記第1回転体(11)が前記第2回転体(13)に対して逆転の向きに5deg回転したときの伝達トルクが10Nm以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のトルク伝達装置。
- 前記第1回転体(11)から前記第2回転体(13)に伝達されるトルクが所定トルクを超えたときにトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部(13d)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のトルク伝達装置。
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