JP3906744B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断するトルクリミッタ機能を有する動力伝達装置に関するもので、空調装置用の圧縮機に動力を伝達するプーリや電磁クラッチ等に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
トルクリミッタ機能は、例えば圧縮機の摺動部が焼き付く等して固着してしまったときに、トルクの伝達を遮断してベルト等の駆動源側の機器を保護するものである。
【0003】
そして、トルクリミッタ機能を有する動力伝達機構として、例えば特開平8−319945号公報に記載発明では、プーリの円盤部に環状の溝を設けるとともに、この溝部に一定間隔で貫通穴を設けて円盤部の強度を低下させることにより、伝達トルクが所定トルクを超えた時に溝部を破断させて動力伝達を遮断している。
【0004】
ところで、上記公報に記載の発明のごとく、動力伝達経路中に破断(破壊)し易い破断部を設けて動力伝達を遮断する方法は、簡素な構造にて動力伝達を遮断することができるので、製造コスト上は有利であるものの、以下に述べる理由により、その設計開発が難しいという問題を有している。
【0005】
すなわち、破断部は所定トルク(破断トルクと呼ぶ。)T1にて破断する強度とする必要があるが、周知のごとく、疲労破壊(疲労破断)は、破断トルクより小さいトルクで発生する。
【0006】
そこで、破断部を設計するに当たっては、図11に示すように、通常使用時における最大伝達トルクが耐久限度トルク未満となるように設定する必要がある。
【0007】
しかし、実際のトルクリミッタ機構は、伝達トルクが所定値になった瞬間に動力の伝達を遮断されるものではなく、伝達トルクが所定のトルク範囲(以下、作動範囲と呼ぶ。)内になったときに動力の伝達が遮断されるものであるが、作動範囲の上限は、一般的に、駆動源側の機器に障害が発生し始めるトルク、例えばベルトが滑り始めるトルクが選定される。
【0008】
このとき、破断部の材料や形状によっては、図11の実線に示すように、片振幅トルクが0となる平均トルク、すなわちほぼ確実に破断する平均トルクが作動範囲の上限を超えてしまう場合がある。
【0009】
これに対しては、例えば、疲労源限度トルク線を図11の波線に示すような特性とすれば、破断する平均トルクが作動範囲の上限以下となるものの、通常使用時ににおける安全率(余裕)が低下するので、破断部が疲労により破断するおそれが高くなる。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な構成の動力伝達装置を提供し、第2には、所定のトルクにて確実に動力の伝達を遮断することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、駆動源(7)で発生した動力を従動機(1)に伝達する動力伝達装置であって、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、破断することで動力の伝達を遮断する破断部(13d)と、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、伝達トルクが所定トルク未満のときに破断部(13d)に作用させていた力の方向と異なる方向の力を破断部(13d)に作用させる破断促進手段(11c、13b、14、15)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、所定トルク以上の領域において、破断部(13d)の疲労限度を従来に比べて低下させることができるので、作動範囲の上限以下で確実に破断部(13d)を破断させることが可能となる。
【0013】
したがって、従来と異なる新規な構成の動力伝達装置を得ることができるとともに、通常使用時における安全率(余裕)を低下させることなく、つまり破断部(13d)の疲労破断を招くことなく、所定のトルクにて確実に動力の伝達を遮断することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、破断部(13d)は、回転軸方向と直交する方向に延びる梁状のものであり、さらに、破断促進手段(11c、13b、14、15)は、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、回転軸と略平行な力を破断部(13d)に作用させて破断部(13d)に曲げ応力を発生させることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載の発明では、駆動源(7)で発生した動力を従動機(1)に伝達する動力伝達装置であって、駆動源(7)からトルクを受けて回転する駆動側回転体(11)と、従動機(1)側に接続されて回転する従動側回転体(13)と、駆動側回転体(11)に設けられた駆動側突起部(11c)と、従動側回転体(13)に設けられた従動側突起部(13b)とが弾性部材(14)を介して噛み合い、駆動側回転体(11)から従動側回転体(13)にトルクを伝達するトルク伝達部(11c、13b、14)と、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、破断することで動力の伝達を遮断する破断部(13d)と、駆動側回転体(11)と従動側回転体(13)との回転位相差が所定値以上となったときに、従動側回転体(13)を駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させて、破断部(13d)に曲げ応力を発生させる破断促進手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、所定トルク以上の領域において、破断部(13d)の疲労限度を従来に比べて低下させることができるので、作動範囲の上限以下で確実に破断部(13d)を破断させることが可能となる。
【0017】
したがって、従来と異なる新規な構成の動力伝達装置を得ることができるとともに、通常使用時における安全率(余裕)を低下させることなく、つまり破断部(13d)の疲労破断を招くことなく、所定のトルクにて確実に動力の伝達を遮断することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、破断促進手段は、駆動側突起部(11c)及び従動側突起部(13b)のうち少なくとも一方の突起部(13b)が、他方の突起部(11c)側に形成された傾斜部(15)に接触することにより回転軸方向の力を発生させて、従動側回転体(13)を駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5に記載の発明では、破断促進手段は、従動回転体(13)及び弾性部材(14)のうち少なくとも一方側に形成された傾斜部(15)が他方側(13f)に接触することにより回転軸方向の力を発生させて、従動側回転体(13)を駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させることを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に記載の発明では、破断部(13d)は、回転軸方向と直交する方向に延びる梁状のものであり、かつ、従動側回転体(13)に設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る動力伝達装置を車両用空調装置の圧縮機1に動力を伝達するプーリ10に適用したものであり、図1は車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図であり、図2はプーリ10の断面図であり、図3は図2のA矢視図であり、図4は図3のM−M断面図である。
【0023】
なお、車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)は、圧縮機1で圧縮された高温・高圧の冷媒と外気とを熱交換して冷媒を冷却する放熱器2、放熱器2から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離器して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるレシーバ3、レシーバ3から供給された液相冷媒を減圧する減圧器4、及び減圧された低圧・低温冷媒と室内に吹き出す空気と熱交換して液相冷媒を蒸発させる蒸発器5等からなるものである。
【0024】
因みに、本実施形態では、圧縮機1として、吐出容量を可変制御することができる周知の可変容量型圧縮機を採用するとともに、その吐出容量を電子制御装置(ECU)6にて制御している。
【0025】
また、減圧器4として、圧縮機1の吸入側における冷媒過熱度が所定値となるように、その絞り開度を機械的に制御する温度式膨脹弁を採用している。
【0026】
次に、プーリ10の構造について、図2〜4等を用いて述べる。
【0027】
図2中、プーリ本体11はVベルトを介して走行用エンジン7(図1参照)から駆動力(トルク)を受けて回転する駆動側回転体であり、このプーリ本体11の内周側にはプーリ本体11を回転可能に支持するラジアル転がり軸受12が装着される円筒状のプーリハブ11aが一体成形されている。因みに、ラジアル転がり軸受12の内輪は、圧縮機1のフロントハウジングに圧入装着される。
【0028】
なお、本実施形態では、プーリ本体11として、複数列のV溝11bが設けられたポリードライブベルト対応型のプーリを採用しているとともに、プーリ本体11を硬質樹脂(本実施形態では、フェノール樹脂)製としているので、プーリハブ11aのうちラジアル転がり軸受12が装着される内周側には、金属製のスリーブ11dがインサート成形にてプーリハブ11aに一体化されている。
【0029】
センターハブ13はプーリ本体11の内周側に位置し、かつ、プーリ本体11と同軸上に配置されて回転する従動側回転体である。
【0030】
そして、このセンターハブ13は、圧縮機1のシャフトにネジ結合される円筒部13a、プーリ本体11から供給されるトルクを受ける複数個の突起部13bが形成された環状部13c、及び図3に示すように、回転軸方向(紙面垂直方向)と直交する方向に延びて環状部13cと円筒部13aとを機械的に連結して環状部13cから円筒部13aにトルクを伝達する梁状のブリッジ部13dから構成されている。
【0031】
ここで、ブリッジ部13dは、環状部13cから円筒部13aに伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに破断するような強度に設定された破断部であり、本実施形態では、ブリッジ部13dを破断させることにより、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断するトルクリミッタとして機能させる。
【0032】
なお、円筒部13a及びブリッジ部13dは焼結金属にて一体成形され、環状部13cは樹脂にて成形されており、ブリッジ部13dと環状部13cとはインサート成形法により一体化されている。
【0033】
また、プーリ本体11のうち環状部13cに対応する部位には、図4に示すように、プーリ本体11から環状部13c(センターハブ13)側に向けて突出する複数個の突起部11cが一体形成されており、プーリ本体11及びセンターハブ13、つまりプーリ10が圧縮機1に装着された状態においては、センターハブ13の突起部13bとプーリ本体11の突起部11cとは、図3、4に示すように、シャフト(回転軸)周りに交互に位置する。
【0034】
そして、両突起部11c、13b間には、図4に示すように、プーリ本体11が受けたトルクをセンターハブ13に伝達する弾性変形可能な材質(本実施形態では、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム))からなるダンパー14が配設され、両突起部11c、13bはダンパー14介して噛み合っでダンパー14が圧縮変形することによりプーリ本体11からセンターハブ13にトルクを伝達している。
【0035】
ここで、ダンパー14の撓み量に対する圧縮荷重の比、つまりダンパー14のバネ定数が非線形となるように(図5参照)、ダンパー14の先端形状を圧縮方向先端側に向かうほど断面積が縮小するようなテーパ状とするとともに、圧縮荷重の方向に対して略直交する断面の断面積を縮小させる穴部14aを設けている。
【0036】
また、突起部11cの根元側には、回転軸方向(図4の左右方向)に対して傾斜した傾斜面15が設けられており、ダンパー14は、伝達トルクが所定トルク以下のときに、突起部13bの先端側が傾斜面15に接触することがないように設定されている。
【0037】
なお、突起部11cを挟んで両側のダンパー14をブリッジ部14bで繋ぐことにより、ダンパー14の組み付け作業性を向上させつつ、ダンパー14の組み付けの向きを誤ることを未然に防止している。
【0038】
次に、本実施形態特徴的作動及びその効果を述べる。
【0039】
プーリ本体11が回転すると、ダンパー14を介して突起部11cから突起部13bにトルクが伝達されて圧縮機1が稼動する。つまり、本実施形態では、両突起部11c、13b及びダンパー14により、プーリ本体11からセンターハブ13にトルクを伝達するトルク伝達部が構成される。
【0040】
このとき、圧縮機1はシャフトの回転角に応じて冷媒を吸入圧縮するので、シャフトを駆動するためのトルクがシャフトの回転角に応じて変動するが、そのトルク変動による振動は、ダンパー14が弾性変形することにより吸収される。
【0041】
また、ブリッジ部13dは、円筒部13aの外周面の接線方向と略一致しているため、自転車のスポークのごとく、主に引っ張り力にてトルクを環状部13cから円筒部13aに伝達している。
【0042】
ところで、伝達トルクが所定トルクを超えると、プーリ本体11とセンターハブ13との位相差が縮小し、先ず、図6(a)に示すように突起部13bの先端側が傾斜面15に接触する。そして、この状態で伝達トルクが更に増大すると、突起部13bの先端側が傾斜面15に沿って移動するため、図6(b)に示すように、センターハブ13がプーリ本体11に対して回転軸方向に相対変位する。
【0043】
このため、伝達トルクが所定トルクを超えると、ブリッジ部13dにはトルクを伝達するための引っ張り力に加えて、センターハブ13がプーリ本体11に対して回転軸方向に相対変位することによる曲げモーメントが作用する。
【0044】
したがって、本実施形態に係るプーリ10では、図7に示すように、所定トルク以上となると、ブリッジ部13dの疲労限度が従来(図11)に比べて大きく低下し、作動範囲の上限以下で確実にブリッジ部13dを破断させることができる。
【0045】
換言すれば、本実施形態では、突起部11c、13b、ダンパー14及び傾斜面15により、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、伝達トルクが所定トルク未満のときにブリッジ部13dに作用させていた力の方向と異なる方向の力をブリッジ部13dに作用させてブリッジ部13dの破断促進する破断促進手段を構成して、通常使用時における安全率(余裕)を低下させることなく、つまりブリッジ部13dの疲労破断を招くことなく、所定のトルクにて確実に動力の伝達を遮断している。
【0046】
(第2実施形態)
第1実施形態では、プーリ本体11に形成した傾斜面15とセンターハブ13の突起部13bとを利用してセンターハブ13を回転軸方向に変位させたが、本実施形態は、図8(a)に示すように、ダンパー14に傾斜面15を設け、かつ、センターハブ13側に傾斜面15と略平行な傾斜面13fを設けて、伝達トルクが所定トルク以上となったときにダンパー14の傾斜面15とセンターハブ13側の傾斜面13fとを接触させてセンターハブ13を回転軸方向に変位させてるものである。
【0047】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では傾斜面15は単純な平面であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図9に示すように、傾斜面15を曲面としてもよいまた、上述の実施形態では、ブリッジ部13dは単純な梁状であったが、図10に示すように、曲げ応力の集中を誘発する切り欠き13eを設けてもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、所定トルク以下の通常使用域では、ブリッジ部13dに主に引っ張り力が作用するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
また、上述の実施形態では、伝達トルクが所定トルク未満のときにブリッジ部13dに作用させていた力の方向と異なる方向の力として回転軸方向の力、つまり曲げモーメントを作用させたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
また、上述の実施形態では、伝達トルクが所定トルク以上となったとき、センターハブ13を変位させたが、プーリ本体11を変位させてもよい。
【0051】
また、上述の実施形態では、傾斜面15を利用してセンターハブ13をプーリ本体11に対して回転軸方向に相対変位させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばネジを利用してもよい。
【0052】
また、上述の実施形態では、図4に示すように、傾斜面15を正転側及び逆転側の両者に設けることにより、正転トルク(プーリ本体11からセンターハブ13に伝達されるトルク)及び逆転トルク(センターハブ13からプーリ本体11に伝達されるトルク)のいずれの場合においても動力伝達を遮断することができようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば正転トルク側にのみ傾斜面15を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置(蒸気圧縮式冷凍機)の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプーリの断面図である。
【図3】図2のA矢視図ある。
【図4】図3のM−M断面図である。
【図5】平均トルクと回転角(位相差)及び変位との関係を示すグラフである。
【図6】図3のM−M断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプーリの疲労限度線図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る図3のM−M断面相当の断面図である。
【図9】本発明のその他の実施形態に係る図3のM−M断面相当の断面図である。
【図10】本発明のその他の実施形態に係るブリッジ部の断面図である。
【図11】従来の技術に係るプーリの疲労限度線図である。
【符号の説明】
11…プーリ本体、11c…突起部、13…センターハブ、
13b…突起部、14…ダンパー、15…傾斜面。

Claims (6)

  1. 駆動源(7)で発生した動力を従動機(1)に伝達する動力伝達装置であって、
    伝達トルクが所定トルク以上となったときに、破断することで動力の伝達を遮断する破断部(13d)と、
    伝達トルクが所定トルク以上となったときに、伝達トルクが所定トルク未満のときに前記破断部(13d)に作用させていた力の方向と異なる方向の力を前記破断部(13d)に作用させる破断促進手段(11c、13b、14、15)とを備えることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記破断部(13d)は、回転軸方向と直交する方向に延びる梁状のものであり、
    さらに、破断促進手段(11c、13b、14、15)は、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、前記回転軸と略平行な力を前記破断部(13d)に作用させて前記破断部(13d)に曲げ応力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 駆動源(7)で発生した動力を従動機(1)に伝達する動力伝達装置であって、
    前記駆動源(7)からトルクを受けて回転する駆動側回転体(11)と、
    前記従動機(1)側に接続されて回転する従動側回転体(13)と、
    前記駆動側回転体(11)に設けられた駆動側突起部(11c)と、前記従動側回転体(13)に設けられた従動側突起部(13b)とが弾性部材(14)を介して噛み合い、前記駆動側回転体(11)から前記従動側回転体(13)にトルクを伝達するトルク伝達部(11c、13b、14)と、
    伝達トルクが所定トルク以上となったときに、破断することで動力の伝達を遮断する破断部(13d)と、
    前記駆動側回転体(11)と前記従動側回転体(13)との回転位相差が所定値以上となったときに、前記従動側回転体(13)を前記駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させて、前記破断部(13d)に曲げ応力を発生させる破断促進手段とを備えることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 前記破断促進手段は、前記駆動側突起部(11c)及び前記従動側突起部(13b)のうち少なくとも一方の突起部(13b)が、他方の突起部(11c)側に形成された傾斜部(15)に接触することにより回転軸方向の力を発生させて、前記従動側回転体(13)を前記駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記破断促進手段は、前記従動回転体(13)及び前記弾性部材(14)のうち少なくとも一方側に形成された傾斜部(15)が他方側(13f)に接触することにより回転軸方向の力を発生させて、前記従動側回転体(13)を前記駆動側回転体(11)に対して回転軸方向に相対変位させることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  6. 前記破断部(13d)は、回転軸方向と直交する方向に延びる梁状のものであり、かつ、前記従動側回転体(13)に設けられていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置。
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