JPH10311399A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH10311399A
JPH10311399A JP10042305A JP4230598A JPH10311399A JP H10311399 A JPH10311399 A JP H10311399A JP 10042305 A JP10042305 A JP 10042305A JP 4230598 A JP4230598 A JP 4230598A JP H10311399 A JPH10311399 A JP H10311399A
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Manabu Saeki
学 佐伯
Hiroyasu Sakamoto
博康 坂本
Junichi Oguchi
純一 大口
Yuichi Aoki
祐一 青木
Takashi Honda
崇 本田
Toshitada Nagasawa
敏忠 長沢
Yoichi Murakami
洋一 村上
Mikio Matsuda
三起夫 松田
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/21Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members
    • F16D43/213Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members with axially applied torque-limiting friction surfaces
    • F16D43/215Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members with axially applied torque-limiting friction surfaces with flat friction surfaces, e.g. discs

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転動ボールを使用しない組付性のよい構成
で、過負荷時のトルクリミッター機能を良好に発揮でき
る動力伝達装置を提供する。 【構成】 内側保持部材11に一体成形したフランジ部
11aとワッシャ13とハブ7のフランジ部7aの円弧
状突起部7fとワッシャ14相互の間を皿バネ15のバ
ネ力により、互いに当接して摩擦係合させる。これによ
り、圧縮機4の通常運転時には駆動側の内側保持部材1
1の回転が摩擦係合機構を介してハブ7、回転軸6へと
伝達される。一方、過負荷時には、摩擦係数を小さくし
た摩擦係合面である、ワッシャ13とハブ7のフランジ
部7aの円弧状突起部7fとの間で滑りを発生させ、こ
の滑りによりワッシャ13をハブ7の切欠き凹部13g
内に脱落させ、ワッシャ13を回転軸6の軸方向に変位
させ、これにより、皿バネ15の押圧力を低減させ、フ
ランジ部11aを空転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は過負荷時のトルクリ
ミッターとしての機能を備えた動力伝達装置に関するも
ので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機駆動用
動力伝達装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用空調装置における圧縮機
として、0容量付近まで容量を変化させることができる
可変容量圧縮機を用いる場合には、冷凍サイクルの能力
制御のために、圧縮機を断続作動させる必要がなくな
る。従って、このような可変容量圧縮機を用いるもので
は、エンジンから圧縮機への動力伝達を断続するための
クラッチ機構が不要となる。
【0003】一方、圧縮機の焼きつき故障等による圧縮
機ロック等の異常が発生した時には、圧縮機駆動機構の
ベルトが滑って、ベルトが切損する事態が起こる。特
に、自動車の圧縮機駆動機構では、圧縮機以外の種々な
補機(バッテリ充電発電機、エンジン冷却水用ウォータ
ポンプ、パワーステアリング用油圧ポンプ等)と共通の
ベルトにて、エンジンからの動力が伝達されるようにな
っているので、駆動ベルトが一旦切損すると、自動車の
走行不能という重大な故障を引き起こすことになる。
【0004】そこで、圧縮機ロック等の過負荷時に伝達
トルクが設定値以上に上昇すると、この伝達トルクの上
昇に対応して、圧縮機への動力伝達経路を遮断するトル
クリミッター機能を付加したものが特開平8−1590
28号公報、特開平8−210250号公報にて提案さ
れている。これらの公報記載の従来技術は、ベルトが係
合され、エンジンの駆動力により回転するプーリに連結
された連結基板と、圧縮機回転軸に連結された駆動力受
承体とを所定間隔をおいて対向配置するとともに、プー
リ側の連結基板と、圧縮機側の駆動力受承体にそれぞれ
凹部を形成し、この連結基板の凹部と駆動力受承体の凹
部との間に転動ボールを配置するとともに、この連結基
板の凹部と駆動力受承体との間に、両者の間隔が狭くな
る方向に弾性手段のバネ力を作用させるようにしてい
る。
【0005】そして、通常運転時は、両凹部の間に転動
ボールを収容した状態を保持することにより、この転動
ボールを介して、プーリ側の連結基板から圧縮機側の駆
動力受承体に動力が伝達されて圧縮機が作動する。一
方、圧縮機ロック等の過負荷時に伝達トルクが設定値以
上に上昇すると、上記弾性手段のバネ力に抗して、転動
ボールが上記両凹部のうち、いずれか一方の凹部から離
脱する。例えば、プーリ側の連結基板の凹部から転動ボ
ールが離脱する。すると、この転動ボールとプーリ側の
連結基板との係合状態が解除され、転動ボールに対して
プーリ側の連結基板が空回りするようになり、この結
果、圧縮機への動力伝達が遮断される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、転動ボールの凹部内への収容保持状態と、転動
ボールの凹部内からの離脱状態とを切り替えることによ
り動力伝達の断続を行う構成であって、転動ボールが必
要不可欠な要素となっているが、この転動ボールは転動
自在な小体格の球形であるから、組付工程上、取扱いの
面倒なものである。そのため、圧縮機の動力伝達装置部
の組付工数の増加は不可避であり、製造コストが高くな
る。
【0007】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
転動ボールを使用しない組付性のよい構成で、過負荷時
のトルクリミッター機能を良好に発揮できる動力伝達装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、駆動側回転部材(1、
2、10、11、12)と従動側回転部材(7)との間
を摩擦係合する摩擦係合機構を備え、この摩擦係合機構
には、前記駆動側回転部材に設けられた駆動側摩擦部材
(11a)と、前記従動側回転部材(7)に設けられた
従動側摩擦部材(7a)とを備え、この両摩擦部材(1
1a)、(7a)を回転軸(6)の軸方向に並んで配置
するとともに、この両摩擦部材(11a)、(7a)の
間に、回転軸(6)の軸方向に変位可能に中間摩擦部材
(13)を配置し、駆動側摩擦部材(11a)と中間摩
擦部材(13)の一方の面との間の摩擦係数と、従動側
摩擦部材(7a)と中間摩擦部材(13)の他方の面と
の間の摩擦係数とを異なる値とし、さらに、摩擦係合機
構には、前記3つの摩擦部材(11a)、(7a)、
(13)相互間に回転軸(6)の軸方向の押圧力を付与
する弾性手段(15)を備え、従動側機器(4)の通常
運転時には、前記3つの摩擦部材(11a)、(7
a)、(13)が、回転軸(6)の軸方向において互い
に当接して摩擦係合することにより、駆動側回転部材の
回転が摩擦係合機構を介して従動側回転部材(7)に伝
達され、従動側機器(4)の過負荷時には、前記3つの
摩擦部材(11a)、(7a)、(13)の摩擦係合面
のうち、摩擦係数の小さい方の摩擦係合面で滑りを発生
させ、この摩擦係合面での滑り発生に伴って中間摩擦部
材(13)を回転軸(6)の軸方向に変位させ、この中
間摩擦部材(13)の軸方向変位により、弾性手段(1
5)の軸方向の押圧力を低減させ、駆動側摩擦部材(1
1a)を空転させるようにしたことを特徴としている。
【0009】これによると、従動側機器(4)の過負荷
時に中間摩擦部材(13)の軸方向変位により弾性手段
(15)の押圧力を低減して、駆動側摩擦部材(11
a)を空転させるようにしているから、トルクリミッタ
ー機能を良好に発揮できるとともに、従来技術のような
転動ボールを使用しないため、動力伝達装置の組付け工
数を減少でき、組付けコストを低減できる。
【0010】また、請求項2記載の発明では、摩擦係合
機構に、駆動側摩擦部材(11a)の軸方向の一方の面
から中間摩擦部材(13)を介して従動側摩擦部材(7
a)に至る第1の摩擦係合経路と、駆動側摩擦部材(1
1a)の軸方向の他方の面から別の従動側摩擦部材(1
4)に至る第2の摩擦係合経路とを構成することを特徴
としている。
【0011】このように、駆動側から従動側に至る2つ
の摩擦係合経路を構成しているから、必要伝達トルクを
確保するのに、摩擦係合経路が1つのみの場合に比して
弾性手段(15)の軸方向の押圧力を半減でき、弾性手
段(15)の疲労寿命の延長、耐へたり性の向上等の面
で有利である。また、請求項3記載の発明では、駆動側
回転部材に、回転駆動源からの回転力がベルトを介して
伝達され回転するプーリ(1)と、このプーリ(1)に
連結された円筒状の外側保持部材(10)と、この外側
保持部材(10)の内周側に間隔をおいて配置された円
筒状の内側保持部材(11)と、この外側保持部材(1
0)と内側保持部材(11)との間を一体に連結する弾
性変形可能なゴム部材(12)とを備え、内側保持部材
(11)に、その半径方向の内方に伸びるフランジ部
(11a)を形成し、このフランジ部(11a)により
前記駆動側摩擦部材を構成することを特徴としている。
【0012】これによると、外側保持部材(10)と内
側保持部材(11)との間に介在したゴム部材(12)
の弾性変形により圧縮機等の従動側機器(4)のトルク
変動を吸収できる。また、内側保持部材(11)のフラ
ンジ部(11a)に駆動側摩擦部材を一体に構成するこ
とができ、構造が簡単である。本発明の弾性手段は、請
求項4記載のように、従動側回転部材(7)にネジによ
り締結されるネジ手段(16)によりバネ力が設定され
る皿バネ(15)にて構成するのがよい。
【0013】また、請求項5記載の発明では、駆動側摩
擦部材(11a)と中間摩擦部材(13)の一方の面と
の間の摩擦係数μ2 と、従動側摩擦部材(7a)と中間
摩擦部材(13)の他方の面との間の摩擦係数μ1 を、
μ2 >μ1 の関係に設定するとともに、従動側摩擦部材
(7a)に中間摩擦部材(13)が落ち込むことが可能
な切欠き凹部(7g)を形成し、従動側機器(4)の過
負荷時には、中間摩擦部材(13)が従動側摩擦部材
(7a)に対して滑り、中間摩擦部材(13)が切欠き
凹部(7g)内に落ち込むことにより、中間摩擦部材
(13)が回転軸(6)の軸方向に変位するようにした
ことを特徴としている。
【0014】このように、従動側機器(4)の過負荷時
に中間摩擦部材(13)が切欠き凹部(7g)内に落ち
込むことにより、中間摩擦部材(13)を確実に軸方向
に変位させてトルクリミッター機能を良好に発揮でき
る。また、請求項6記載の発明では、回転駆動源からの
回転力が伝達され回転する円筒状の外側保持部材(1
0)と、この外側保持部材(10)の内周側に間隔をお
いて配置された円筒状の内側保持部材(11)との間
を、弾性変形可能なゴム部材(12)により一体に連結
し、従動側機器(4)の回転軸(6)に連結された従動
側回転部材(7)に従動側摩擦部材(7a、14)を備
え、内側保持部材(11)には、その半径方向の内方へ
延びるフランジ形状からなる駆動側摩擦部材(11a)
を形成し、駆動側摩擦部材(11a)と従動側摩擦部材
(7a、14)を回転軸(6)の軸方向に並んで配置
し、さらに、両摩擦部材(7a、14)(11a)相互
間に回転軸(6)の軸方向の押圧力を付与する弾性手段
(15)を備え、従動側機器(4)の通常運転時には、
両摩擦部材(7a、14)(11a)が回転軸(6)の
軸方向において互いに当接して摩擦係合することによ
り、外側保持部材(10)の回転がゴム部材(12)、
内側保持部材(11)、駆動側摩擦部材(11a)およ
び従動側摩擦部材(7a、14)を介して従動側回転部
材(7)に伝達され、従動側機器(4)の過負荷時に
は、駆動側摩擦部材(11a)を従動側摩擦部材(7
a、14)に対して滑らせ、この摩擦係合面での滑り発
生に伴う温度上昇によってゴム部材(12)を破断させ
るようにしたことを特徴としている。
【0015】これによると、過負荷時には、駆動側摩擦
部材(11a)の滑りによりゴム部材(12)の接合面
を破断してトルクリミッター機能を良好に発揮できる。
ここで、ゴム部材(12)は内側保持部材(11)との
内周側の接合面を破断するのであるが、内周側の接合面
は外周側の接合面に比して接合面積が小であり、ゴム部
材(12)に作用する単位面積当たりの剪断力が外周側
より大きいので、過負荷時における動力遮断トルクを比
較的小さい値に設定できる。
【0016】また、トルク伝達経路へのゴム部材(1
2)の介在により、通常運転時における従動側機器
(4)のトルク変動を低減できる。そして、従来技術の
ような転動ボールを使用しないため、請求項1と同様に
動力伝達装置の組付け工数を減少でき、組付けコストを
低減できる。また、請求項7記載の発明では、駆動側摩
擦部材(11a)から従動側摩擦部材(7a、14)に
至る摩擦係合経路に、摺動性に優れた金属材料からなる
摩擦部材(13、14)を備えたことを特徴としてい
る。
【0017】これによると、過負荷時に、駆動側、従動
側の摩擦部材間の摺動性が良好に維持されて、摩擦部材
間の摩擦係合面の凝着を防止して、動力遮断機能を確実
に果たすことができる。また、請求項8記載の発明で
は、駆動側摩擦部材(11a)と従動側摩擦部材(7
a)との間に中間摩擦部材(13)を介在し、この中間
摩擦部材(13)を摺動性に優れた金属材料で構成した
ことを特徴としている。
【0018】これによると、中間摩擦部材(13)の良
好な摺動性により摩擦係合面の凝着を防止できる。ま
た、請求項9に記載のように、摺動性に優れた金属材料
としては、りん青銅が好適である。また、請求項10記
載の発明では、摺動性に優れた金属材料の表面に固体潤
滑剤層(13h)を形成することを特徴としている。
【0019】これによると、外部環境の変動にかかわら
ず、摺動性に優れた金属材料の低摩擦係数の状態を固体
潤滑剤層(13h)により安定的に保持できる。また、
請求項11記載の発明では、駆動側摩擦部材(11a)
から従動側摩擦部材(7a、14)に至る摩擦係合経路
に、摩擦係合面が円周方向において断続する形状に形成
された摩擦部材(13)を備えることを特徴としてい
る。
【0020】これによると、過負荷時の滑り発生に伴う
磨耗粉を摩擦係合面の断続形状より容易に外部へ排出す
ることができ、摩擦係合面の凝着防止効果を一層高める
ことができる。本発明は請求項12に記載のように、従
動側機器として、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧
縮機(4)を用いる動力伝達装置において好適に実施で
きる。
【0021】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1〜図4は本発明を自動車空調用圧
縮機の動力伝達装置に適用した第1実施形態を示すもの
であり、図1は通常の動力伝達状態を示し、図2は過負
荷時の動力伝達遮断状態を示している。1は駆動側プー
リで、図示しないベルトを介して自動車エンジン(回転
駆動源)から回転力を受けて回転するものである。この
プーリ1は多重Vベルトが係合される多重V溝を持った
プーリ部1aが一体形成されており、鉄系金属で製作さ
れている。
【0023】2は鉄系金属で円筒形状に形成されたロー
タで、その円筒外周面にプーリ1が溶接等の接合手段で
一体に接合されている。このロータ2の内周部には、ベ
アリング3が配置され、このベアリング3によりロータ
2は圧縮機(従動側機器)4のフロントハウジング5の
円筒突出部5a上に回転自在に支持されている。6は圧
縮機4の回転軸、7は従動側回転部材をなすハブで、鉄
系金属にて図4に示すごときフランジ部7aを有する略
円筒状に形成されている。
【0024】このハブ7は回転軸6に対してインボリュ
ートスプライン結合等により回り止めして結合されてい
る。そして、ハブ7にはリング状のストッパープレート
8が溶接により接合されており、ボルト9をストッパー
プレート8の中心穴を通して回転軸6のネジ穴に締めつ
けることにより、ハブ7がストッパープレート8を介し
て回転軸6にねじ止め固定される。ここで、ストッパー
プレート8はハブ7と回転軸6との位置決めの役割を果
たす。以上により、ハブ7と回転軸6は一体に回転可能
に結合されている。
【0025】ハブ7の軸方向の一端側(反圧縮機側の端
部)には、雄ねじ部7bを有する円筒部7cが形成され
ている。そして、この円筒部7cより軸方向の中間部位
に、円筒部7cよりも外径が大きい2面幅部7d(図4
参照)が形成され、この2面幅部7dに隣接して、2面
幅部7dと同一の外径を持つ円筒部7eが形成されてい
る。この円筒部7eに隣接して、最も外径の大きいフラ
ンジ部7aが形成されている。
【0026】このフランジ部7aのうち、円筒部7e側
の側面部には、図4に示すように外周縁部に沿って、3
箇所の円弧状突起7fを形成し、この円弧状突起7fの
形成してない部位を切欠き凹部7gとしている。一方、
ハブ7の軸方向の他端側(圧縮機側の端部)には、フロ
ントハウジング5の円筒突出部5aとの間に十分な空隙
を形成する小さな外径を持つ円筒部7hが形成されてい
る。
【0027】10は鉄系金属にて円筒状に形成された外
側保持部材であり、図3、4に示すように半径方向の外
方に折り曲げ形成された複数(本例では3箇所)の取付
部10aを有し、この取付部10aにて外側保持部材1
0はボルト17によりプーリ1に一体に連結されてい
る。11は内側保持部材で、鉄系金属、例えば、耐食性
に優れたSUS430、304のようなステンレスにて
円筒状に形成されており、図1、2に示すように半径方
向の内方に曲げ形成されたフランジ部11aを有してい
る。
【0028】12は円筒状のゴム部材で、両保持部材1
0、11の相互の円筒面の間に焼き付き接着で固定され
ている。従って、両保持部材10、11はゴム部材12
により一体連結され、プーリ1の回転トルクは外側保持
部材10からゴム部材12を介して内側保持部材11に
伝達される。このため、本例では、プーリ1、ロータ
2、外側保持部材10、ゴム部材12、および内側保持
部材11は一体に回転するようになっており、これらの
部材により駆動側回転部材を構成している。
【0029】上記ゴム部材12の材質としては、自動車
の使用環境温度範囲(−30°C〜120°)に対し
て、トルク伝達およびトルク変動吸収の面で優れた特性
を発揮するゴムを用いることが好ましく、具体的には、
塩素化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、
エチレンプロピレンゴム等のゴムがよい。上記内側保持
部材11のフランジ部11aは駆動側摩擦部材を構成す
るものであって、フランジ部11aの内周部はハブ7の
軸方向中間の円筒部7eの外周面上に、所定間隙を介し
て遊嵌合している。13は中間摩擦部材をなすワッシャ
で、内側保持部材11のフランジ部11aとハブ7のフ
ランジ部7aの円弧状突起7fとの間に配置されてい
る。
【0030】ここで、ハブ7のフランジ部7aは第1従
動側摩擦部材を構成するものであって、その円弧状突起
7fの表面にはフッ素樹脂コーティングを施して、ワッ
シャ13との摩擦係合面の摩擦係数μ1 を小さくすると
ともに、この摩擦係数μ1 を安定化させる役割を果た
す。このフッ素樹脂コーティングは電気的絶縁作用を持
つことにより円弧状突起7fの電食防止の役割をも果た
す。
【0031】一方、ワッシャ13は耐食性に優れたSU
S430、304のようなステンレス、あるいはリン青
銅にて図4に示す形状に形成されている。すなわち、ワ
ッシャ13は中央部の円形穴13aと半径方向の外方に
延びる外周側の3個の円弧状係合部13bとを有してい
る。このワッシャ13の中央部の円形穴13aはハブ7
の軸方向中間の円筒部7eの外周面上に、所定間隙を介
して遊嵌合している。また、ワッシャ13の外周側の3
個の円弧状係合部13bはハブ7のフランジ部7aの外
周縁部に形成された3箇所の円弧状突起7fに対応した
大きさになっている。
【0032】この円弧状突起7fと円弧状係合部13b
とが当接するような位置関係で、ワッシャ13がハブ7
に対して組付けられる。図1はこのように円弧状突起7
fと円弧状係合部13bとが当接している通常時の組付
状態を示す。14は第2従動側摩擦部材をなすワッシャ
で、内側保持部材11のフランジ部11aと皿バネ(弾
性手段)15との間に配置されている。このワッシャ1
4は耐食性に優れたSUS430、304のようなステ
ンレスからなり、その表面にはフッ素樹脂コーティング
を施して、内側保持部材11のフランジ部11aとの摩
擦係合面の摩擦係数を小さくするとともに、この摩擦係
数を安定化させる役割を果たす。また、このフッ素樹脂
コーティングは電気的絶縁作用を持つことによりワッシ
ャ14の電食防止の役割も果たす。
【0033】そして、ワッシャ14の全体形状は図4に
示すように略リング状であり、その中央には平行な2面
幅部14aを有する長円状穴14bが形成されている。
このワッシャ14の長円状穴14bはハブ7の2面幅部
7dに嵌合させてあるので、ワッシャ14とハブ7は回
転方向には一体に連結される。皿バネ15は炭素工具鋼
(SK5)等の弾性金属材料の表面に亜鉛皮膜処理を施
して耐食性を向上させたものから形成されている。皿バ
ネ15は図4に示すように、中央に円形穴15aを有す
る皿形状であり、この中央の円形穴15aはハブ7の円
筒部7cの外周面上に所定間隙を介して遊嵌合してい
る。16はナット(ネジ手段)で、ハブ7の雄ねじ7b
に締めつけられるものであり、炭素鋼(S35C等)の
表面に亜鉛皮膜処理を施して耐食性を向上させたものか
らなる。
【0034】このナット16の締めつけ力が皿バネ15
に作用して、皿バネ15が軸方向に弾性的に圧縮され、
そのバネ力が設定される。そして、皿バネ15のバネ力
(弾性反発力)にて皿バネ15の外周縁部がワッシャ1
4の側面部に圧接する。これにより、ワッシャ14は内
側保持部材11のフランジ部11a側に押圧される。と
ころで、ハブ7のフランジ部7aの円弧状突起7fの表
面に前述のごとくフッ素樹脂コーティングを施すことに
より、ハブ7のフランジ部7aの円弧状突起(第2従動
側摩擦部材)7fと、ワッシャ(中間摩擦部材)13の
一方の面(図1、2右側の面)との間の摩擦係合面の摩
擦係数μ1 を例えば、0.1程度の小さい値に設定して
ある。
【0035】一方、内側保持部材11のフランジ部(駆
動側摩擦部材)11aのうち、ワッシャ13側の表面に
はショットブラスト等の手段により微細な凹凸部が形成
してあり、これにより、内側保持部材11のフランジ部
11aとワッシャ13の他方の面(図1、2左側の面)
との間の摩擦係合面の摩擦係数μ2 を例えば、0.25
程度の大きい値に設定して、μ2 >μ1 の関係にしてあ
る。
【0036】また、第2従動側摩擦部材をなすワッシャ
14も、その表面にフッ素樹脂コーティングを施してあ
るため、内側保持部材11のフランジ部11aとワッシ
ャ14との間の摩擦係合面の摩擦係数μ3 は、上記摩擦
係数μ1 と同程度の小さい値に設定してある。次に、本
実施形態における組付方法を説明すると、まず最初に、
プーリ1、ロータ2、およびベアリング3からなる組付
体を圧縮機4のフロントハウジング5の円筒突出部5a
上に組付ける。次に、ストッパープレート8を溶接によ
り接合したハブ7の内周部を圧縮機4の回転軸6に対し
てスプライン結合し、その後にボルト9によりストッパ
ープレート8を介してハブ7を回転軸6にねじ止め固定
する。
【0037】次に、ワッシャ13の中央部の円形穴13
aをハブ7の円筒部7eの外周面上に遊嵌合する。この
とき、ワッシャ13の円弧状係合部13bとハブ7のフ
ランジ部7aの円弧状突起7fとが当接する位置関係で
もって、ワッシャ13を組み付ける。次に、外側保持部
材10と円筒状のゴム部材12と内側保持部材11とを
一体化したものをプーリ1に組み付ける。すなわち、内
側保持部材11のフランジ部11aをハブ7の円筒部7
eの外周面上に遊嵌合するとともに、外側保持部材10
の3箇所の取付部10aをボルト17によりプーリ1に
一体に締めつけ固定する。
【0038】次に、ワッシャ14をハブ7の2面幅部7
dに嵌合させて、ワッシャ14とハブ7を回転方向に一
体に連結する。次に、皿バネ15をハブ7の円筒部7c
の外周面上遊嵌合した後に、ナット16をハブ7の雄ね
じ7bに対して所定量締めつけて、皿バネ15を軸方向
に弾性的に圧縮して、皿バネ15に所定のバネ力を発生
させる。この皿バネ15のバネ力にて皿バネ15の外周
縁部がワッシャ14の側面部に圧接するので、ワッシャ
14と内側保持部材11のフランジ部11aとの間、内
側保持部材11のフランジ部11aとワッシャ13との
間、およびワッシャ13とハブ7のフランジ部7aの円
弧状突起7fとの間がそれぞれ所定の摩擦力で係合した
状態となる。
【0039】以上の組付を完了することにより、内側保
持部材11のフランジ部11aからワッシャ13を介し
てハブ7のフランジ部7aに至る第1摩擦係合経路と、
内側保持部材11のフランジ部11aからワッシャ14
を介してハブ7の2面幅部7dに至る第2摩擦係合経路
とにより、内側保持部材11の回転がハブ7に伝達され
る。
【0040】なお、上記組付工程において、外側保持部
材10をボルト17によりプーリ1に一体に締めつけ固
定するときに、内側保持部材11を圧縮機4側(図1、
2の右側方向)に付勢する予荷重がゴム部材12に発生
するように、内側保持部材11の組付位置を設定してあ
る。ところで、図1では圧縮機4の具体的構造の図示を
省略しているが、圧縮機4は一般に連続可変容量タイプ
として知られているもので、例えば斜板型、ワッブル型
のように往復動ピストンのストロークをピストン駆動機
構の斜板の傾斜角度を変化させて、圧縮機吐出容量を0
%〜100%の間で連続的に可変するものである。
【0041】このような連続可変容量タイプの圧縮機4
を使用することにより圧縮機4の容量制御により冷凍サ
イクルの能力制御が可能となるので、圧縮機4への動力
伝達を断続するための電磁クラッチを装備する必要がな
くなる。次に、上記構成において本実施形態の作動を説
明する。まず、圧縮機4の通常運転時について述べる
と、自動車エンジンのクランクプーリの回転はベルト
(図示せず)によりプーリ1に伝達され、このプーリ1
と一体にロータ2、外側保持部材10、ゴム部材12、
および内側保持部材11が回転する。
【0042】そして、ナット16の締めつけ荷重Fによ
る皿バネ15のバネ力によって、ワッシャ14と内側保
持部材11のフランジ部11aとの間、内側保持部材1
1のフランジ部11aとワッシャ13との間、およびワ
ッシャ13とハブ7のフランジ部7aとの間がそれぞれ
所定の摩擦力で係合した状態となる。そのため、内側保
持部材11のフランジ部11aからワッシャ13を介し
てハブ7のフランジ部7aに至る第1摩擦係合経路と、
内側保持部材11のフランジ部11aからワッシャ14
を介してハブ7の2面幅部7dに至る第2摩擦係合経路
とにより、内側保持部材11の回転がハブ7に伝達さ
れ、さらにハブ7から回転軸6に伝達される。つまり、
プーリ1の回転が圧縮機4の回転軸6に伝達され、圧縮
機4が作動する。
【0043】ここで、圧縮機4の通常運転時には、ゴム
部材12が圧縮機4の作動によるトルク変動に対応した
弾性変形を行って、圧縮機4のトルク変動吸収効果を発
揮する。これにより、圧縮機振動を低減して、圧縮機周
囲の環境への騒音低減を図ることができる。ところで、
上記圧縮機4の通常運転時における伝達トルクTは、次
の数式1により表すことができる。
【0044】
【数1】T=n×μ×F×R 但し、nは摩擦係合経路の数であり、上記例では、ワッ
シャ13側と、ワッシャ14側との2つの摩擦係合経路
があるので、n=2となる。μは摩擦係合面の摩擦係数
であり、Fはナット16の締めつけ荷重であり、Rは摩
擦係合面の回転中心からの半径である。
【0045】自動車用空調装置における通常の運転状態
では、圧縮機駆動トルクの最大値は、概略2kgf・m
程度である。従って、上記動力伝達装置における伝達ト
ルクTをこの駆動トルクの最大値(2kgf・m)よ
り、所定値だけ大きい値(例えば、3.5kgf・m)
に設定することにより、圧縮機4の通常運転時における
動力伝達を行うことができる。
【0046】なお、上記数式1から分かるように、2つ
の摩擦係合経路を設定して、n=2とすることにより、
ナット16の締めつけ荷重Fを半減でき、皿バネ15の
疲労寿命の延長、耐へたり性の向上等の面で有利であ
る。一方、圧縮機4がロックすると、上記設定値(3.
5kgf・m)を越える過大な負荷トルクが摩擦係合面
に作用する。ここで、ワッシャ13側の第1の摩擦係合
経路において、ワッシャ13とハブ7のフランジ部7a
との間の摩擦係合面の摩擦係数μ1 と、内側保持部材1
1のフランジ部11aとワッシャ13との間の摩擦係合
面の摩擦係数μ2 との関係をμ2 >μ1 に設定してある
ため、過大な負荷トルクの作用によりまず最初に、小さ
い摩擦係数μ1 を持つワッシャ13とハブ7のフランジ
部7aとの間で滑りが発生する。このとき、内側保持部
材11のフランジ部11aとワッシャ14との間にも滑
りが発生する。
【0047】そして、駆動側のワッシャ13が従動側の
ハブ7のフランジ部7aの面上で所定角度(本例では5
0°)回転方向に滑ると、ワッシャ13の円弧状係合部
13bがハブ7のフランジ部7aの円弧状突起7f上か
ら脱落して、ワッシャ13全体がハブ7のフランジ部7
aに形成された切欠き凹部7g内に落ち込む。すると、
ワッシャ13全体がハブ7の円筒部7e上で圧縮機4側
へ軸方向に移動するため、内側保持部材11のフランジ
部11aも圧縮機4側へ軸方向に移動してハブ7のフラ
ンジ部7aに直接当接する。図2はこの状態を示してい
る。
【0048】この結果、皿バネ15が軸方向に伸びて、
皿バネ15のバネ力が急激に減少するため、前述した2
つの摩擦係合経路により伝達されるトルクTが2kgf
・m以下に急激に低下し、圧縮機4の回転軸6へのトル
ク伝達が遮断される。プーリ1にエンジン動力を伝える
ベルトは一般に5.0kgf・m程度まで伝達トルクが
増大するとプーリ1に対して滑り始めると言われている
ので、上記設定値(3.5kgf・m)にてトルク伝達
を遮断することにより、ベルトの切断といった重大故障
の発生を確実に防止できる。
【0049】ワッシャ13の脱落が発生した後は、プー
リ1に連結された内側保持部材11のフランジ部11a
がハブ7のフランジ部7aとワッシャ14の双方に対し
て空転することになる。このとき、フランジ部11aは
フランジ部7aとワッシャ14の間に挟まれて安定した
姿勢で空転するので、異音等が発生することもない。ま
た、外側保持部材10をボルト17によりプーリ1に一
体に締めつけ固定するときに、内側保持部材11を圧縮
機4側(図1、2の右側方向)に付勢する予荷重がゴム
部材12に発生するように、内側保持部材11の組付位
置を設定してあるから、ワッシャ13の脱落が発生する
と、直ちに、ゴム部材12の弾性力によって内側保持部
材11を圧縮機4側(図1、2の右側方向)に変位させ
て、上記トルクリミッター機能を良好に果たすことがで
きる。
【0050】(第2実施形態)図5は第2実施形態を示
すものであり、第1実施形態におけるワッシャ13を廃
止して、内側保持部材11のフランジ部11aをハブ7
のフランジ部7aに直接当接させるようにしたものであ
る。第2実施形態によると、過負荷時にワッシャ13の
脱落という現象がないため、内側保持部材11のフラン
ジ部11aがハブ7のフランジ部7aとワッシャ14と
の両者に対して滑り、この滑りによる摩擦熱を発生し、
この摩擦熱による温度上昇によって、内側保持部材11
とゴム部材12との焼き付き接着部が熱的に破断(溶
断)する。これにより、圧縮機回転軸6へのトルク伝達
を遮断することができる。
【0051】(第3実施形態)図6は第3実施形態を示
すものであり、第1実施形態におけるワッシャ13、1
4を双方とも廃止して、内側保持部材11のフランジ部
11aをハブ7のフランジ部7aに直接当接させるとと
もに、皿バネ15を内側保持部材11のフランジ部11
aに直接当接させ、皿バネ15により内側保持部材11
のフランジ部11aを直接押圧させるようにしたもので
ある。
【0052】なお、ワッシャ14の廃止に伴って、ハブ
7の2面幅部7d、および円筒部7eを廃止しているの
で、ハブ7の円筒部7cがフランジ部7aの隣に直接位
置している。第3実施形態においても、過負荷時にはゴ
ム部材12の焼き付き接着部を熱的に破断させて、圧縮
機回転軸6へのトルク伝達を遮断する。
【0053】但し、第3実施形態によると、摩擦係合経
路が内側保持部材11のフランジ部11aからハブ7の
フランジ部7aに至る1つの経路のみとなるから、ナッ
ト16の締めつけ力による荷重Fは、第1、第2実施形
態の場合に比して2倍にする必要がある。 (第4実施形態)図7〜図10は第4実施形態を示すも
のであり、過負荷時におけるトルクリミッター機能をよ
り的確に発揮するようにしたものである。
【0054】本発明者等の試作検討によると、過負荷時
におけるトルクリミッター作動時に、摩擦係合面で金属
材料同志が一体に固着したままとなる凝着現象が発生し
て、動力伝達の遮断を行うことができない場合が生じる
ことが判明した。この凝着現象の発生原因は、本発明者
らの実験検討によると、摩擦係合面の摺動性と、摩擦係
合面での磨耗粉の排出性とに大別されることが判明し
た。 そこで、第4実施形態では上記の摩擦係合面の材
質として、過負荷時の滑り発生時における摺動性のよい
材質を選定するとともに、磨耗粉の排出性を改善した摩
擦係合面の形状を採用することにより、凝着現象の発生
を抑制するようにしている。
【0055】図7は第4実施形態の全体構造を例示すも
ので、前述の第2、第3実施形態と同様に、過負荷時に
は摩擦係合面の滑りによる摩擦熱でゴム部材12を破断
(溶断)することにより、圧縮機回転軸6へのトルク伝
達を遮断するものである。以下、第1〜第3実施形態に
対する、第4実施形態の相違点について説明する。本例
では、ワッシャ13とハブ7のフランジ7aとの間は過
負荷時に滑りを起こさない摩擦係合面であり、そのた
め、ハブ7のフランジ7aのうち、ワッシャ13側の面
にはシットブラストにより微細な凹凸部(例えば、表面
粗さで10Rz〜20Rz程度の凹凸部)を形成して、
フランジ7aとワッシャ13との間の摩擦係数を他の摩
擦係合面の摩擦係数より大きくしている。
【0056】一方、内側保持部材11のフランジ部11
aとワッシャ13との間、およびフランジ部11aとワ
ッシャ14との間の摩擦係合面は過負荷時に滑りを起こ
す摺動面を構成する。このため、ワッシャ13、14の
最も外側表面には、固体潤滑剤層を施して、ワッシャ1
3、14の表面の摺動性を高めている。ここで、内側保
持部材11は鉄系金属、例えば、SUS430からな
り、その表面粗さは3.2Rz〜6.3Rz程度の十分
平滑な面に仕上げてある。これにより、フランジ部11
aとワッシャ13との間、およびフランジ部11aとワ
ッシャ14との間の摩擦係合面の摩擦係数を、上記フラ
ンジ7aとワッシャ13との間の摩擦係合面の摩擦係数
より十分小さくすることができる。
【0057】上記ワッシャ13、14の最外表面の固体
潤滑剤層は、油、水等の外部からの侵入、あるいは広範
な周囲温度変動に対しても、摩擦係数を十分小さい状態
に安定的に保持する作用をなすもので、具体的にはフッ
素樹脂コーティング層、あるいは二流化モリブデン(M
oS2 )を樹脂バインダー(ポリアミドイミド)により
塗布したコーティング層が好適である。
【0058】さらに、本例では、摩擦係合面の凝着防止
のために、ワッシャ13、14の芯材(母材)の選定に
ついても特に考慮している。すなわち、ワッシャ13の
芯材は、図10に示すように冷間圧延鋼板(SPCC)
13fと、フッ素樹脂含浸のりん青銅層13gである。
ワッシャ13のうちフランジ7a側の面はこの冷間圧延
鋼板(SPCC)13aが表面まで露出してフランジ7
aに直接接触する。一方、ワッシャ13のうち、フラン
ジ部11a側の滑りを起こす面では、冷間圧延鋼板(S
PCC)13aの表面にりん青銅の粉末を多孔質に焼結
した後に、フッ素樹脂を含浸させている。そして、この
フッ素樹脂含浸のりん青銅層13gの表面に、固体潤滑
剤層としてフッ素樹脂コーティング層13hを形成して
いる。
【0059】ワッシャ13の芯材の一部をなす「フッ素
樹脂含浸のりん青銅層13gは過負荷時における摺動性
を確保するために用いている。周知のごとく、りん青銅
は摺動性が良好である他に、機械的性質にも優れてお
り、耐磨耗性が高いものである。また、ワッシャ14の
芯材はりん青銅であり、そして、ワッシャ14のうち、
フランジ部11a側の滑りを起こす面には、固体潤滑剤
層として二流化モリブデン(MoS2 )を樹脂バインダ
ー(ポリアミドイミド)により塗布したコーティング層
を形成している。
【0060】さらに、一方のワッシャ13については、
その摩擦係合面(摺動部)の形状を円周方向において断
続的となるように形成している。すなわち、図8、9に
示すように、ワッシャ13は、リング状の連結部13d
を有し、この連結部13dから内周側へ突出する複数
(例えば、3個)の突出片13eを等間隔で形成し、こ
の突出片13eを図7に示すように両フランジ部11
a、フランジ7aの間に介在させて、摩擦係合させるよ
うにしてある。
【0061】なお、他方のワッシャ14は第1実施形態
のものと同様に略リング状であり、その中央に平行な2
面幅部14aを有する長円状穴14bを形成している。
また、本例では、皿バネ15を2枚設定して、ナット1
6による軸方向締めつけ力Fを増大させているが、これ
は設計上の問題であり、皿バネ15を1枚としてもよい
ことはもちろんである。
【0062】図7において、18は防塵カバーで、上記
した摩擦係合面等に塵埃等が侵入するのを防止するもの
であって、ボルト17により外側保持部材10とともに
プーリ1に締めつけ固定されている。19は圧縮機4内
の冷媒が回転軸6の周囲から外部へ洩れるのを防止する
軸封装置である。なお、本例のプーリ1には、図1のロ
ータ2に相当する内周円筒部1bが一体に成形されてい
る。
【0063】第4実施形態の作動を説明すると、圧縮機
4の通常運転時には、第1実施形態と同様に、内側保持
部材11のフランジ部11aからワッシャ13を介して
ハブ7のフランジ部7aに至る第1摩擦係合経路と、内
側保持部材11のフランジ部11aからワッシャ14を
介してハブ7の2面幅部7dに至る第2摩擦係合経路と
により、内側保持部材11の回転がハブ7に伝達され
る。さらに、ハブ7から回転軸6に回転が伝達されて、
圧縮機4が作動する。
【0064】これに反し、圧縮機4のロック時には、上
記第1、第2摩擦係合経路による伝達トルクの設定値を
上回る過大な負荷トルクが作用するので、フランジ部1
1aとワッシャ13との間の摩擦係合面およびフランジ
部11aとワッシャ14との間の摩擦係合面において滑
りが発生する。すなわち、駆動側のフランジ部11aが
従動側のワッシャ13、14の表面上を滑る。本例で
は、ワッシャ13、14がともに従動側の摩擦部材とし
て作用することになる。
【0065】この滑り発生後、例えば、1秒程度の短時
間(この時間は回転数により相違する)で、ワッシャ1
3、14の最外表面の固体潤滑剤層がなくなるので、ワ
ッシャ13、14の芯材層が露出するようになる。ワッ
シャ13においては、フッ素樹脂含浸のりん青銅層13
gが顔を出すようになる。また、ワッシャ14において
は、りん青銅が顔を出すようになる。
【0066】ここで、注目すべきことは、ワッシャ1
3、14の芯材層が、摩擦係合の相手であるフランジ部
11a(SUS430製)とは異種金属で、かつ、フラ
ンジ部11aの材質より摺動性のよい材料(りん青銅)
を選択していることである。このような芯材層の選択に
よって、ワッシャ13、14の芯材層と摩擦係合の相手
であるフランジ部11aとの間で凝着が発生せず、フラ
ンジ部11aの滑りを確実に持続できる。
【0067】また、フランジ部11aとワッシャ13と
の間の摩擦係合面においては、ワッシャ13の複数の突
出片13eにより摩擦係合面が円周方向に断続されてお
り、複数の突出片13e相互の間に空間が形成されるの
で、フランジ部11aの滑りにより発生する磨耗粉を突
出片13e相互間の空間を通して良好に排出できる。従
って、磨耗粉の蓄積に起因する凝着も防止できる。
【0068】この結果、圧縮機4のロック時には、摩擦
係合面での滑りを継続させて、摩擦係合面での摩擦熱に
よりゴム部材12を破断(溶断)して、確実に動力伝達
を遮断できる。 (他の実施形態)なお、前述の第1実施形態では、ワッ
シャ13とハブ7のフランジ部7aとの間の摩擦係合面
の摩擦係数μ1 と、内側保持部材11のフランジ部11
aとワッシャ13との間の摩擦係合面の摩擦係数μ2
の関係をμ2 >μ1 に設定して、過負荷時には、まず最
初にワッシャ13が従動側のハブ7のフランジ部7aの
面上で滑って、ワッシャ13がハブ7のフランジ部7a
の切欠き凹部7g内に落ち込むようにしているが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0069】例えば、第1実施形態とは逆に、摩擦係数
μ1 と摩擦係数μ2 との関係をμ2<μ1 に設定すると
ともに、内側保持部材11のフランジ部11a側にワッ
シャ13が落ち込む切欠き凹部を形成して、過負荷時に
は、まず最初にフランジ部11aがワッシャ13上で滑
り、フランジ部11aの切欠き凹部にワッシャ13が落
ち込むようにしてもよい。
【0070】また、少なくとも駆動側摩擦部材(内側保
持部材11のフランジ部11a)と従動側摩擦部材(ハ
ブ7のフランジ部7a、ワッシャ14)とを含む摩擦係
合面に対して、回転軸6の軸方向の押圧力を付与する弾
性手段として、皿バネ15の他に、コイルスプリグ等を
使用することもできる。また、第4実施形態において
は、ワッシャ13のみを、複数の突出片13eを有する
リング形状に形成しているが、ワッシャ14もワッシャ
13と同様に、複数の突出片を有するリング形状に形成
して、磨耗粉を良好に排出できるようにしてもよい。さ
らに、ワッシャ13、14の摩擦係合の相手となるフラ
ンジ部11a側に摩擦係合面を円周方向に断続する形状
を設定してもよい。
【0071】また、第4実施形態においては、ワッシャ
13、14の芯材を異ならせているが、ワッシャ13、
14の芯材を同一材料(摺動性のよい金属で、摩擦相手
とは異種金属が好ましい)にしてもよいことはもちろん
である。また、第4実施形態においては、過負荷時に、
フランジ部11aをワッシャ13、14に対して滑らせ
ているが、フランジ部11aのうち、ワッシャ13側の
面にショトブラスト等の手段で凹凸面を形成して摩擦係
数を大きくし、一方、ワッシャ13においては図10の
冷間圧延鋼板(SPCC)13aをフランジ部11aに
接触させ、フッ素樹脂コーティング層13cの面をハブ
7のフランジ部7aに接触させ、かつ、このフランジ部
7aを平滑な面とすることにより、過負荷時に、フラン
ジ部11aとワッシャ13との間では滑りをなくして、
ワッシャ13をハブ7のフランジ部7aに対して滑らせ
るようにしてもよい。この場合は、ワッシャ13は駆動
側摩擦部材となる。
【0072】また、第4実施形態による凝着防止の手法
は第2、第3実施形態の摩擦係合面に対しても同様に適
用できる。また、本発明は自動車用空調装置の圧縮機へ
の動力伝達装置に限らず、種々な用途のものに広く適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す半切断側面図で、
通常運転時の状態を示す。
【図2】第1実施形態における過負荷運転時の状態を示
す半切断側面図である。
【図3】第1実施形態の正面図である。
【図4】第1実施形態における主要部品の分解斜視図で
ある。
【図5】本発明の第2実施形態を示す半切断側面図で、
通常運転時を示す。
【図6】本発明の第3実施形態を示す半切断側面図で、
通常運転時を示す。
【図7】本発明の第4実施形態を示す半切断側面図で、
通常運転時を示す。
【図8】第4実施形態における主要部品の分解斜視図で
ある。
【図9】第4実施形態におけるワッシャ13の正面図で
ある。
【図10】第4実施形態におけるワッシャ13の材料構
成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…プーリ、2…ロータ、4…圧縮機、6…回転軸、7
…ハブ(従動側回転部材)、7a…フランジ部(従動側
摩擦部材)、7g…切欠き凹部、10…外側保持部材、
11…内側保持部材、11a…フランジ部(駆動側摩擦
部材)、12…ゴム部材、13…ワッシャ(中間摩擦部
材)、14…ワッシャ(従動側摩擦部材)、15…皿バ
ネ(弾性手段)、16…ナット(ネジ手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大口 純一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 青木 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 本田 崇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 長沢 敏忠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 村上 洋一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 松田 三起夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動源からの回転力を受けて回転す
    る駆動側回転部材(1、2、10、11、12)と、 従動側機器(4)の回転軸(6)に連結された従動側回
    転部材(7)と、 前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材(7)との間
    を摩擦係合する摩擦係合機構とを備え、 この摩擦係合機構には、前記駆動側回転部材に設けられ
    た駆動側摩擦部材(11a)と、前記従動側回転部材
    (7)に設けられた従動側摩擦部材(7a)とを備え、 この両摩擦部材(11a)、(7a)を前記回転軸
    (6)の軸方向に並んで配置するとともに、 この両摩擦部材(11a)、(7a)の間に、前記回転
    軸(6)の軸方向に変位可能に中間摩擦部材(13)を
    配置し、 前記駆動側摩擦部材(11a)と前記中間摩擦部材(1
    3)の一方の面との間の摩擦係数と、前記従動側摩擦部
    材(7a)と前記中間摩擦部材(13)の他方の面との
    間の摩擦係数とを異なる値とし、 さらに、前記摩擦係合機構には、前記3つの摩擦部材
    (11a)、(7a)、(13)相互間に前記回転軸
    (6)の軸方向の押圧力を付与する弾性手段(15)を
    備え、 前記従動側機器(4)の通常運転時には、前記3つの摩
    擦部材(11a)、(7a)、(13)が、前記回転軸
    (6)の軸方向において互いに当接して摩擦係合するこ
    とにより、前記駆動側回転部材の回転が前記摩擦係合機
    構を介して前記従動側回転部材(7)に伝達され、 前記従動側機器(4)の過負荷時には、前記3つの摩擦
    部材(11a)、(7a)、(13)の摩擦係合面のう
    ち、前記摩擦係数の小さい方の摩擦係合面で滑りを発生
    させ、この摩擦係合面での滑り発生に伴って前記中間摩
    擦部材(13)を前記回転軸(6)の軸方向に変位さ
    せ、 この中間摩擦部材(13)の軸方向変位により、前記弾
    性手段(15)の軸方向の押圧力を低減させ、前記駆動
    側摩擦部材(11a)を空転させるようにしたことを特
    徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記摩擦係合機構は、前記駆動側摩擦部
    材(11a)の軸方向の一方の面から前記中間摩擦部材
    (13)を介して前記従動側摩擦部材(7a)に至る第
    1の摩擦係合経路と、前記駆動側摩擦部材(11a)の
    軸方向の他方の面から別の従動側摩擦部材(14)に至
    る第2の摩擦係合経路とを包含していることを特徴とす
    る請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動側回転部材には、回転駆動源か
    らの回転力がベルトを介して伝達され回転するプーリ
    (1)と、このプーリ(1)に連結された円筒状の外側
    保持部材(10)と、この外側保持部材(10)の内周
    側に間隔をおいて配置された円筒状の内側保持部材(1
    1)と、この外側保持部材(10)と内側保持部材(1
    1)との間を一体に連結する弾性変形可能なゴム部材
    (12)とを備え、 前記内側保持部材(11)に、その半径方向の内方に伸
    びるフランジ部(11a)を形成し、このフランジ部
    (11a)により前記駆動側摩擦部材を構成することを
    特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性手段は、前記従動側回転部材
    (7)にネジにより締結されるネジ手段(16)により
    バネ力が設定される皿バネ(15)であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の動力伝達
    装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動側摩擦部材(11a)と前記
    中間摩擦部材(13)の一方の面との間の摩擦係数μ2
    と、前記従動側摩擦部材(7a)と前記中間摩擦部材
    (13)の他方の面との間の摩擦係数μ1 を、 μ2 >μ1 の関係に設定するとともに、 前記従動側摩擦部材(7a)に前記中間摩擦部材(1
    3)が落ち込むことが可能な切欠き凹部(7g)を形成
    し、 前記従動側機器(4)の過負荷時には、前記中間摩擦部
    材(13)が前記従動側摩擦部材(7a)に対して滑
    り、前記中間摩擦部材(13)が前記切欠き凹部(7
    g)内に落ち込むことにより、前記中間摩擦部材(1
    3)が前記回転軸(6)の軸方向に変位するようにした
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記
    載の動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 回転駆動源からの回転力が伝達され回転
    する円筒状の外側保持部材(10)と、 この外側保持部材(10)の内周側に間隔をおいて配置
    された円筒状の内側保持部材(11)と、 この外側保持部材(10)と内側保持部材(11)との
    間を一体に連結する弾性変形可能なゴム部材(12)
    と、 従動側機器(4)の回転軸(6)に連結された従動側回
    転部材(7)と、 この従動側回転部材(7)に設けられた従動側摩擦部材
    (7a、14)とを備え、 前記内側保持部材(11)には、その半径方向の内方へ
    延びるフランジ形状からなる駆動側摩擦部材(11a)
    を形成し、 前記駆動側摩擦部材(11a)と前記従動側摩擦部材
    (7a、14)を前記回転軸(6)の軸方向に並んで配
    置し、 さらに、前記両摩擦部材(7a、14)(11a)相互
    間に前記回転軸(6)の軸方向の押圧力を付与する弾性
    手段(15)を備え、 前記従動側機器(4)の通常運転時には、前記両摩擦部
    材(7a、14)(11a)が前記回転軸(6)の軸方
    向において互いに当接して摩擦係合することにより、前
    記外側保持部材(10)の回転が前記ゴム部材(1
    2)、前記内側保持部材(11)、前記駆動側摩擦部材
    (11a)および前記従動側摩擦部材(7a、14)を
    介して前記従動側回転部材(7)に伝達され、 前記従動側機器(4)の過負荷時には、前記駆動側摩擦
    部材(11a)を前記従動側摩擦部材(7a、14)に
    対して滑らせ、この摩擦係合面での滑り発生に伴う温度
    上昇によって前記ゴム部材(12)を破断させるように
    したことを特徴とする動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動側摩擦部材(11a)から前記
    従動側摩擦部材(7a、14)に至る摩擦係合経路に、
    摺動性に優れた金属材料からなる摩擦部材(13、1
    4)を備えたことを特徴とする請求項6に記載の動力伝
    達装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動側摩擦部材(11a)と前記従
    動側摩擦部材(7a)との間に中間摩擦部材(13)が
    介在されており、 この中間摩擦部材(13)が摺動性に優れた金属材料で
    構成されていることを特徴とする請求項6に記載の動力
    伝達装置。
  9. 【請求項9】 前記摺動性に優れた金属材料はりん青銅
    であることを特徴とする請求項7または8に記載の動力
    伝達装置。
  10. 【請求項10】 前記摺動性に優れた金属材料の表面に
    固体潤滑剤層(13h)を形成することを特徴とする請
    求項8または9に記載の動力伝達装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動側摩擦部材(11a)から前
    記従動側摩擦部材(7a、14)に至る摩擦係合経路
    に、摩擦係合面が円周方向において断続する形状に形成
    された摩擦部材(13)を備えたことを特徴とする請求
    項6ないし10のいずれか1つに記載の動力伝達装置。
  12. 【請求項12】 前記従動側機器は自動車用空調装置の
    冷凍サイクルの圧縮機(4)であることを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれか1つに記載の動力伝達装
    置。
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