JP3696472B2 - 動力伝達機構 - Google Patents

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    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/04Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the ratchet type
    • F16D7/06Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the ratchet type with intermediate balls or rollers
    • F16D7/10Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the ratchet type with intermediate balls or rollers moving radially between engagement and disengagement

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクリミッタの機能を有する動力伝達機構に関するものであり、圧縮機及び一般産業用機器等の分野に広範に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
この種の動力伝達機構は、多数提案されているが、一例として特開平8−135752号公報に記載された動力伝達機構について図19を参照して説明する。
【0003】
図19(b)に示されるように、圧縮機21のフロントハウジング22の内筒突出部22Aには、球軸受24の内輪が固定され、球軸受24の外輪には、ロータ25が固定されている。ロータ25には、プーリ26が固定され、プーリ26には、リベット27により第1保持部材28が固定されている。
【0004】
圧縮機21のシャフト23には、ハブ29がナット30により固定され、ハブ29には、リベット31により第2保持部材32が固定されている。
【0005】
第1保持部材28と第2保持部材32との間には、合成樹脂又はゴム製の弾性リング体33が圧入されている。
【0006】
図19(a)に示されるように、弾性リング体33は、花びら状であり、弾性リング体33の内外両周面には、複数の凸部33A及び凹部33Bが形成されている。また、第1保持部材28の外周面には、複数の凹部28A及び凸部28Bが、それぞれ弾性リング体33の複数の凸部33A及び凹部33Bに対応して形成されている。更に、第2保持部材32の内周面には、複数の凹部32A及び凸部32Bが、それぞれ弾性リング体33の複数の凸部33A及び凹部33Bに対応して形成されている。
【0007】
プーリ26から圧縮機21のシャフト23に通常のトルクを伝達する際には、弾性リング体33の複数の凸部33A及び凹部33Bが、それぞれ第1保持部材28の複数の凹部28A及び凸部28Bと第2保持部材32の複数の凹部32A及び凸部32Bとの間で圧縮変形し、その反力によりトルクを伝達する。そして、圧縮機21の焼付き事故等に起因して設定値を超過したトルクが発生した際には、弾性リング体33が変形し、その径方向肉厚が減小する。この結果、弾性リング体33は、第2保持部材32の凹部32A及び凸部32Bに対してスリップするので、トルクの伝達が遮断される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の動力伝達機構では、第1保持部材及び第2保持部材に回転方向に沿ってそれぞれ複数の凹部及び凸部が設けられているため、弾性リング体が一度スリップして、その凸部及び凹部が第2保持部材の凹部及び凸部から脱出しても、第2保持部材の隣接する凹部及び凸部にはまり込み、再びトルクを伝達する可能性がある。
【0009】
更に、前記従来の動力伝達機構では、周囲の温度の昇降に起因して弾性リング体の弾性率が変動するため、トルクリミッタの機能が不安定である。
【0010】
そこで、本発明は、前記従来の動力伝達機構の欠点を改良し、周囲の温度変化の影響を受けず、異物の侵入防止が可能で、摩耗防止及び防錆も可能で、しかも、トルクの伝達が一旦遮断された後は遮断状態を確実に維持する安定した動力伝達機構を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0012】
1.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部並びに前記各径方向及び回転軸方向凹部に連続する各回転軸方向奥凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部並びに前記各回転軸方向奥凹部に移動させることにより径方向の移動を阻止する動力伝達機構。
【0013】
2.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、前記ゴム部材の内周面と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記ゴム部材の内周面と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉した動力伝達機構。
【0014】
3.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、前記インナーリングに固定されたリング状シール部材と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記ゴム部材の内周面と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉した動力伝達機構。
【0015】
4.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、前記ゴム部材の内周面と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記インナーリングに固定されたリング状シール部材と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉した動力伝達機構。
【0016】
5.前記アウターリングと前記プーリとの間に隙間が発生した場合、前記アウターリング、前記ゴム部材及び前記インナーリングを前記プーリ側へ移動しても、前記密閉を維持することができる前記2,3又は4記載の動力伝達機構。
【0017】
6.前記従動側回転部材と前記回転軸との間に隙間が発生した場合、前記従動側回転部材、前記各ボール及び前記ボール押圧リングを前記プーリ側へ移動しても、前記密閉を維持することができる前記2,3又は4記載の動力伝達機構。
【0018】
7.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、前記各ボールが前記一方のテーパ面によって前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部へ移動を開始した後に、前記各ボールが接する前記ボール押圧リングの傾斜面の角度を、前記各ボールが移動を開始する前に接する前記ボール押圧リングの傾斜面の角度よりも小さく形成した動力伝達機構。
【0019】
8.複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、前記各ボールが前記一方のテーパ面によって前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部へ移動を開始する時のトルクと、完全遮断時のトルクとが略等しくなるように構成した動力伝達機構。
【0020】
9.トルクの遮断時に、前記各ボールが前記各回転軸方向奥凹部に移動した状態においても、前記ばねの付勢力が前記各ボールに作用するように、前記従動側回転部材と前記ボール押圧リングとの間に隙間を形成した前記1記載の動力伝達機構。
【0021】
10.トルクの遮断時に、前記各ボールが前記各回転軸方向奥凹部に移動した状態においても、前記ばねの付勢力が前記各ボールに作用するように、前記各回転軸方向奥凹部の深さを設定した前記1記載の動力伝達機構。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の4つの実施の形態について以下に説明する。
【0029】
まず、本発明の第1実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機について図1〜図5を参照して説明する。図1は、正面図、図2は、トルクの伝達時における圧縮機の軸方向断面図、図3は、トルクの遮断時における圧縮機の軸方向断面図、図4は、図2における線A−Aによる断面図、図5は、図3における線B−Bによる断面図である。
【0030】
圧縮機1のハウジングには、球軸受3の内輪が固定され、球軸受3の外輪には、プーリ4が固定されている。プーリ4の側面には、アウターリング5が3本のボルト6によって固定され、アウターリング5の内側には、加硫接着された弾性変形可能なゴムリング7を介してインナーリング8が固定されている。ゴムリング7は、緩衝作用を営む。インナーリング8には、1個のボール9を収容するための径方向テーパ状凹部8aが、同一径上に等間隔で数箇所形成されている。各径方向テーパ状凹部8aには、一対のテーパ面8bが左右対称に形成されている。
【0031】
圧縮機の回転軸2には、ハブ10の軸取付部10aがナット11によって固定されている。ハブ10には、1個のボール9を収容するための径方向及び回転軸方向凹部10bが、同一径上に等間隔で数箇所形成されている。また、各径方向及び回転軸方向凹部10bに連続して各回転軸方向奥凹部10cが形成されている。
【0032】
各ボール9は、トルクの伝達時には、図2と図4に示されるように、各径方向テーパ状凹部8aと各径方向及び回転軸方向凹部10bとにまたがって位置する。しかし、トルクの遮断時には、各ボール9は、図3と図5に示されるように、各径方向及び回転軸方向凹部10bに移動して、更に、各回転軸方向奥凹部10cに移動する。各ボール9の移動については、後述する。
【0033】
ハブ10の突出円筒部10dには、ボール押圧リング12と皿ばね13とをはめて、ナット14によって固定する。ナット14の締め付け度を加減することによって、ボール押圧リング12に対する皿ばね13の付勢力を設定することができる。ボール押圧リング12には、各ボール9を径方向外側に配置されるインナーリング8と回転軸方向に配置されるハブ10とに対して圧接させるための傾斜面12aが形成されている。インナーリング8とハブ10の突出部10eとの間には、リング状シール部材15を配設し、また、インナーリング8とボール押圧リング12との間には、リング状シール部材16を配設する。インナーリング8、ハブ10、ボール押圧リング12及び各リング状シール部材15,16によって密閉された空間に、防錆材又は潤滑材を封入する。
【0034】
インナーリング8の各径方向テーパ状凹部8aの一対のテーパ面8bの一方(プーリ4の回転方向に応じていずれか一方)と、各ボール9と、ボール押圧リング12の傾斜面12aとの間における力の関係及びボールの移動について説明する。傾斜面12aは、皿ばね13の付勢力によってボール9を傾斜面12aに対して垂直な方向に力P1で押す。図10に示されるように、力P1は、ボール9を径方向外側に押す分力P1rと回転軸方向右側に押す分力P1hとに分解することができる。また、一方のテーパ面8bは、ボール9をテーパ面8bに対して垂直な方向に力P2で押す。図11に示されるように、力P2は、ボール9を径方向内側に押す分力P2rと回転軸方向右側(図4においてインナーリング8が右方向回転の場合)に押す分力P2hとに分解することができる。P1r>P2rのとき、一対のテーパ面8bがボール9に圧接するため、トルクは伝達され、P1r<P2rのとき、一方のテーパ面8bがボール9を径方向内側に移動させるため、トルクの伝達は遮断される。
【0035】
トルクの伝達時における本実施の形態例の作用について図2と図4を参照して説明する。各ボール9は、インナーリング8の各径方向テーパ状凹部8aの一対のテーパ面8bと、ハブ10の突出部10eと、ボール押圧リング12の傾斜面12aとに圧接しているため、プーリ4の回転は、3本のボルト6、アウターリング5、ゴムリング7、インナーリング8、各ボール9、ハブ10の突出部10e及びハブ10の軸取付部10aを経て圧縮機の回転軸2に伝達される。
【0036】
圧縮機1の焼付き事故等に起因して設定値を超過したトルクが発生した際には、図2と図4の状態が維持されずに、インナーリング8の各径方向テーパ状凹部8aの一方のテーパ面8b(プーリ4の回転方向に応じていずれか一方)が、各ボール9を押圧して図3と図5に示されるようにハブ10の各径方向及び回転軸方向凹部10bに移動する。この移動後の状態では、各ボール9は、径方向外側に戻る若干の恐れがあるため、各一方のテーパ面8bとボール押圧リング12の傾斜面12aとは、各ボール9を各回転軸方向奥凹部10cに更に移動する。この結果、各ボール9は、径方向外側に戻ることを確実に阻止される。このとき、ボール押圧リング12は、傾斜面12aが各ボール9に押圧されることによって、皿ばね13に抵抗しながら図2において一時的に若干左方向に移動した後に復元する。したがって、インナーリング8と各ボール9とは、離間するため、プーリ4の回転は、圧縮機の回転軸2に伝達されない。
【0037】
次に、本発明の第2実施の形態例の動力伝達機構について図6を参照して説明する。第2実施の形態例は、第1実施の形態例に部分的改良を施したものであるから、改良点のみを説明する。
【0038】
トルクの遮断時に、各ボール9が各回転軸方向奥凹部10cに移動した状態においても、皿ばね13の回転軸方向の押圧力が作用するように、ハブ10の回転軸方向にボール押圧リング12の受部10fを適宜の長さに設定する。すると、ナット14の緩みを防止することができる。緩みの防止が可能な理由は、ナット14に対してトルクの遮断後も皿ばね13の回転軸方向の押圧力が作用していることであり、ナット14を緩めるためには、回転軸方向の押圧力に相当するトルクをナット14に作用させる必要がある。ボール押圧リング12とハブ10の受部10fとの間に、ボール押圧リング12の傾斜面12aが各ボール9を径方向外側へ押す力の発生を阻害しない程度の最小隙間cを形成することが適切である。
【0039】
更に、本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構について図7〜図12を参照して説明する。第3実施の形態例は、第1実施の形態例に部分的改良を施したものであるから、改良点のみを説明する。
【0040】
各ボール9は、トルクの伝達時には、図2と図4に示されるように、インナーリング8の一方のテーパ面8bとボール押圧リング12の傾斜面12aとに圧接されている。トルクの遮断時に、各ボール9は、図7に示されるように、インナーリング8の内径8cまで径方向内側及び回転軸方向に移動することができる。この状態で、各ボール9がハブ10の各回転軸方向奥凹部10cへ移動するかどうかは、図8におけるボール押圧リング12の傾斜面12aと径方向との間の角度θと、各ボール9とハブ10のボール受エッジ部10gとの接点における接線と径方向との間の角度θとの大小関係による。図9は、図8におけるボール押圧リング12の傾斜面12aに設計変更を施し、傾斜面12aに連続し、かつ、傾斜角度が小さい傾斜面12bを形成されたボール押圧リング12を示す。傾斜面12bと径方向との間の角度をθ′とする。角度θが角度θ又はθ′よりも大きい場合、各ボール9は径方向内側及び回転軸方向に移動する。各ボール9が一方のテーパ面8bによって各径方向テーパ状凹部8aから径方向内側及び回転軸方向へ移動を開始した後に、各ボール9が接するボール押圧リング12の傾斜面の角度を、トルクの伝達開始時の傾斜面12aの角度θよりも小さく形成すると、各ボール9は一層確実に移動する。
【0041】
トルクの遮断時に、各ボール9が各回転軸方向奥凹部10cに移動した状態においても、皿ばね13の回転軸方向の押圧力が作用するように、各回転軸方向奥凹部10cの深さを設定すると、ナット14の緩みを防止することができる。ナット14とねじロック材等とを併用すれば、一層確実にナット14の緩みを防止できるが、各回転軸方向奥凹部10cの深さを適切に設定することによって、ねじロック材等を不要にすることができる。
【0042】
遮断トルクを低く設定する場合、皿ばね13の回転軸方向の押圧力を低くしなければならない。この場合、ナット14の緩みが発生する危険性が増大する。したがって、ねじロック材等を使用することによって、ナット14の緩みに起因する動力伝達機構の誤作動を防止することができる。
【0043】
トルクの遮断時に、各ボール9は、インナーリング8の各径方向テーパ状凹部8aの一方のテーパ面8bによって径方向内側及び回転軸方向へ移動を開始する。各ボール9の移動に伴い、図10と図11に示されるように、各径方向テーパ状凹部8aとハブ10の各径方向及び回転軸方向凹部10bとの間の角度ずれ(θ)が発生し、各ボール9を径方向内側及び回転軸方向へ移動する力が増大する。この力の増大傾向と、ボール押圧リング12の傾斜面12a,12bによる各ボール9の移動阻止力の増加傾向とをほぼ一致させると、遮断開始時から完全遮断時までに至る間の駆動トルクをほぼ一定に維持することができる。
【0044】
図10と図11において、径方向と径方向テーパ状凹部8aの中心線との間の角度をθ、径方向テーパ状凹部8aの中心線と一方のテーパ面8bとの間の角度をθ、ハブ10の中心から一方のテーパ面8bがボール9を力P2で押す点までの径方向距離をl、伝達トルクをTとすると、
P2r=P2h×tan(θ+θ
T=P2h×1
したがって、次の数式(1)が成立する。
【0045】
【数1】
Figure 0003696472
ここで、P2r=P1rとすると、P1r=P1h×tan(θ)であるから、次の数式(2)と(3)が成立する。
【0046】
【数2】
Figure 0003696472
【数3】
Figure 0003696472
角度ずれによるボール9の移動により変動する数値は、lとP1hである。lの変化によるP1hの増加が適切であれば、Tは角度ずれ(θ)に対してほぼ一定となる。
【0047】
図12は、伝達トルクと角度ずれの関係を示すグラフである。遮断開始のときのトルクと完全遮断のときのトルクとの差が小さい場合は、伝達トルクは角度ずれの変化に対してフラットに近く、前記トルクの差が大きい場合は、伝達トルクは角度ずれの変化に対してフラットでなくなる。
【0048】
更に、本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構について図13〜図18を参照して説明する。第4実施の形態例は、第1実施の形態例に部分的改良を施したものであるから、改良点のみを説明する。
【0049】
図14において、ハブ10のフランジ10hの外周面はゴムリング7の内周面に圧接し、また、ボール押圧リング12の外周面もゴムリング7の内周面に圧接する。したがって、ハブ10とゴムリング7とボール押圧リング12とによって密閉された空間には、外部から異物が侵入しないので、動力伝達機構の遮断機能に支障が生じない。また、グリース等の潤滑材又は防錆材を密閉された空間に封入すると、動力伝達機構における遮断構造の摩耗防止及び防錆を図ることができる。
【0050】
図15に本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構の第1設計変更例を示す。第1設計変更例では、ハブ10のフランジ10hの外周面はインナーリング8の内周面の内側(圧縮機に近い側)に固定されたリング状シール部材15に圧接し、その他の点は図14と同様である。
【0051】
図16に本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構の第2設計変更例を示す。第2設計変更例では、ボール押圧リング12の外周面はインナーリング8の内周面の外側(圧縮機に遠い側)に固定されたリング状シール部材16に圧接し、その他の点は図14と同様である。
【0052】
続いて、図14に示される本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構において、アウターリング5とプーリ4との間に隙間が発生した状態を図17に示し、ハブ10と圧縮機の回転軸2との間に隙間が発生した状態を図18に示す。
【0053】
図17の状態において、アウターリング5にボルト6を挿通してプーリ4にねじ込むと、アウターリング5とゴムリング7とインナーリング8とは、プーリ4側へ移動する。この際、ハブ10のフランジ10hの外周面とゴムリング7の内周面との間、及び、ボール押圧リング12の外周面とゴムリング7の内周面との間は、それぞれシールを維持することができる。
【0054】
図18の状態において、圧縮機の回転軸2にナット11をねじ込むと、ハブ10、ボール9、ボール押圧リング12、皿ばね13及びナット14は、プーリ4側へ移動する。この際、ハブ10のフランジ10hの外周面とゴムリング7の内周面との間、及び、ボール押圧リング12の外周面とゴムリング7の内周面との間は、それぞれシールを維持することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果を奏することができる。
【0056】
1.動力伝達機構の周囲の温度変化の影響を受けないため、安定したトルクリミッタが得られる。
【0057】
2.トルクの伝達が一旦遮断された後は、従来の技術のようにトルクの伝達と遮断とが断続的に繰り返される欠点が生じない。
【0058】
3.動力伝達機構に振動、騒音及び発熱が生じない。
【0059】
4.シール部材を動力伝達機構の遮断構造に採用したから、塵埃等の異物の侵入が防止されるので、トルクリミッタの特性が変動しない。
【0060】
5.シール部材の採用によって密閉された空間に防錆材又は潤滑材を封入することができるから、動力伝達機構の遮断構造の防錆及び摩耗防止を図ることができるので、トルクリミッタの特性が変動しない。
【0061】
6.動力伝達機構を従動側機器に取り付けるとき、従動側機器の回転軸方向の隙間を調整するためのシム等が不要である。
【0062】
7.トルクの伝達が遮断された後、部品の交換をせずに、ボール押圧リング、ばね及びねじをハブに対して脱着して、各ボールをトルクの伝達位置に移動させることによって、動力伝達機構を復旧させることができる。
【0063】
8.ボール押圧リングの傾斜面の角度を適宜に形成することによって、各ボールは一層確実に移動するので、設定値を超過したトルクが発生した際に、トルクの伝達を確実に遮断することができる。
【0064】
9.遮断開始時のトルクと完全遮断時のトルクとが略等しくなるように構成したから、動力伝達機構の信頼性が向上する。
【0065】
10.ボール押圧リングとハブ等の従動側回転部材との間に隙間を形成すること、各回転軸方向奥凹部の深さを適宜に設定すること、又は、ボール押圧リングを付勢するねじに緩みを防止する手段を併用することによって、トルクの伝達の遮断状態を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機の正面図である。
【図2】本発明の第1実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機のトルクの伝達時における軸方向断面図である。
【図3】本発明の第1実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機のトルクの遮断時における軸方向断面図である。
【図4】図2における線A−Aによる断面図である。
【図5】図3における線B−Bによる断面図である。
【図6】本発明の第2実施の形態例の動力伝達機構のトルクの伝達時における要部の軸方向断面図である。
【図7】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構のトルクの完全遮断時におけるインナーリングとボールとハブとの関係を示す正面図である。
【図8】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構のトルクの遮断時における要部の軸方向断面図である。
【図9】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構の設計変更例のトルクの遮断時における要部の軸方向断面図である。
【図10】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構のトルクの遮断時における力学関係を説明するための要部の軸方向断面図である。
【図11】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構のトルクの遮断時におけるインナーリングとボールとハブとの力学関係を説明するための正面図である。
【図12】本発明の第3実施の形態例の動力伝達機構における伝達トルクと角度ずれの関係を示すグラフである。
【図13】本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機の正面図である。
【図14】本発明の第4実施の形態例の動力伝達機構が使用された圧縮機のトルクの伝達時における軸方向断面図である。
【図15】本発明の第4実施の形態例の第1設計変更例の動力伝達機構が使用された圧縮機のトルクの伝達時における軸方向断面図である。
【図16】本発明の第4実施の形態例の第2設計変更例の動力伝達機構が使用された圧縮機のトルクの伝達時における軸方向断面図である。
【図17】図14において、アウターリングとプーリとの間に隙間が発生した状態を示す模式図である。
【図18】図14において、ハブと圧縮機の回転軸との間に隙間が発生した状態を示す模式図である。
【図19】従来の動力伝達機構が使用された圧縮機を示し、(a)は正面図、(b)は(a)における線C−O−Cによる断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 圧縮機の回転軸
3 球軸受
4 プーリ
5 アウターリング
6 ボルト
7 ゴムリング
8 インナーリング
8a 径方向テーパ状凹部
8b テーパ面
8c 内径
9 ボール
10 ハブ
10a 軸取付部
10b 径方向及び回転軸方向凹部
10c 回転軸方向奥凹部
10d 突出円筒部
10e 突出部
10f 受部
10g ボール受エッジ部
10h フランジ
11 ナット
12 ボール押圧リング
12a 傾斜面
12b 傾斜面
13 皿ばね
14 ナット
15 リング状シール部材
16 リング状シール部材

Claims (10)

  1. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部並びに前記各径方向及び回転軸方向凹部に連続する各回転軸方向奥凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部並びに前記各回転軸方向奥凹部に移動させることにより径方向の移動を阻止することを特徴とする動力伝達機構。
  2. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、
    前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、
    前記ゴム部材の内周面と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記ゴム部材の内周面と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉したことを特徴とする動力伝達機構。
  3. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、
    前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、
    前記インナーリングに固定されたリング状シール部材と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記ゴム部材の内周面と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉したことを特徴とする動力伝達機構。
  4. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び 回転軸方向凹部に移動させ、
    前記駆動側部材が、プーリと、前記プーリに固定されたアウターリングと、前記各ボールに圧接するインナーリングと、前記アウターリングと前記インナーリングとの間を結合する弾性変形可能なゴム部材とを有し、
    前記ゴム部材の内周面と前記従動側回転部材の外周面との間、及び、前記インナーリングに固定されたリング状シール部材と前記ボール押圧リングの外周面との間を、それぞれ圧接することによって密閉したことを特徴とする動力伝達機構。
  5. 前記アウターリングと前記プーリとの間に隙間が発生した場合、前記アウターリング、前記ゴム部材及び前記インナーリングを前記プーリ側へ移動しても、前記密閉を維持することができることを特徴とする請求項2,3又は4記載の動力伝達機構。
  6. 前記従動側回転部材と前記回転軸との間に隙間が発生した場合、前記従動側回転部材、前記各ボール及び前記ボール押圧リングを前記プーリ側へ移動しても、前記密閉を維持することができることを特徴とする請求項2,3又は4記載の動力伝達機構。
  7. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、
    前記各ボールが前記一方のテーパ面によって前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部へ移動を開始した後に、前記各ボールが接する前記ボール押圧リングの傾斜面の角度を、前記各ボールが移動を開始する前に接する前記ボール押圧リングの傾斜面の角度よりも小さく形成したことを特徴とする動力伝達機構。
  8. 複数の径方向テーパ状凹部を有する駆動側回転部材と、回転軸に連結され、かつ、複数の径方向及び回転軸方向凹部を有する従動側回転部材と、前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動することができる各ボールと、前記従動側回転部材に取り付けられたばね及び前記ばねによって付勢されたボール押圧リングとから構成され、トルクの伝達時には、前記ボール押圧リングに形成された傾斜面が前記各ボールを前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部と前記従動側回転部材とに圧接させ、トルクの遮断時には、前記駆動側回転部材の前記各径方向テーパ状凹部の一方のテーパ面と前記ボール押圧リングの前記傾斜面とが前記各ボールを前記各径方向及び回転軸方向凹部に移動させ、
    前記各ボールが前記一方のテーパ面によって前記各径方向テーパ状凹部から前記各径方向及び回転軸方向凹部へ移動を開始する時のトルクと、完全遮断時のトルクとが略等しくなるように構成したことを特徴とする動力伝達機構。
  9. トルクの遮断時に、前記各ボールが前記各回転軸方向奥凹部に移動した状態においても、前記ばねの付勢力が前記各ボールに作用するように、前記従動側回転部材と前記ボール押圧リングとの間に隙間を形成したことを特徴とする請求項1記載の動力伝達機構。
  10. トルクの遮断時に、前記各ボールが前記各回転軸方向奥凹部に移動した状態においても、前記ばねの付勢力が前記各ボールに作用するように、前記各回転軸方向奥凹部の深さを設定したことを特徴とする請求項1記載の動力伝達機構。
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