JP2007107551A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従動側機器に伝達される回転変動を動力源の種類に応じて弾性部材のバネ定数を設定することなく効果的に低減することのできる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】接触部材50がプーリ10に着脱自在に取付けられるとともに、接触部材50がトルクリミッター機構40のハブ43に所定の接触圧で接触し、緩衝ゴム40のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材50の着脱または接触圧の大きさにより調整することができるので、エンジンの種類によって回転変動が大きくなる特定の周波数領域が異なる場合でも、エンジンの種類に応じて緩衝ゴム30のバネ定数を設定することなくエンジンから圧縮機1に伝達される回転変動を効果的に低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】接触部材50がプーリ10に着脱自在に取付けられるとともに、接触部材50がトルクリミッター機構40のハブ43に所定の接触圧で接触し、緩衝ゴム40のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材50の着脱または接触圧の大きさにより調整することができるので、エンジンの種類によって回転変動が大きくなる特定の周波数領域が異なる場合でも、エンジンの種類に応じて緩衝ゴム30のバネ定数を設定することなくエンジンから圧縮機1に伝達される回転変動を効果的に低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば車両用空気調和装置に用いられる圧縮機にエンジンからの動力を伝達するための動力伝達装置に関するものである。
従来、この種の動力伝達装置としては、エンジンからの動力によって回転するプーリと、プーリを回転自在に支持するベアリングと、従動側機器にボルトによって固定されたアウターリングと、従動側機器の回転軸に固定されハブと、プーリの回転方向に所定のバネ定数を有し、アウターリングからハブに回転力を伝達するゴム材料から成る弾性部材とを備え、エンジンからの動力に含まれる回転変動を弾性部材によって低減しながら、エンジンからの動力を従動側機器に伝達するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−153152号公報
ところで、エンジンからの動力に含まれる回転変動の大きさはエンジンの回転数に応じて変化し、回転変動の周波数もエンジンの回転数に応じて変化するので、エンジンからプーリに伝達される回転変動はエンジンの回転数に応じて大きさ及び周波数が変化する。また、一般に回転変動は特定の周波数領域で他の周波数領域よりも大きくなり、前記特定の周波数領域はエンジンの種類によって異なる。
また、前記動力伝達装置では、弾性部材はアウターリングを介してプーリに連結しているので、弾性部材のバネ定数とアウターリング及びプーリの慣性質量によって固有の共振周波数を有する。さらに、弾性部材はハブ及び回転軸を介して従動側機器内の回転体に連結しているので、弾性部材のバネ定数とハブ、回転軸及び回転体の慣性質量によって固有の共振周波数を有する。このため、弾性部材のバネ定数に起因するこれらの共振周波数と前記特定の周波数領域が一致すると、前記特定の周波数領域においてプーリまたは従動側機器内の回転体の振動が大きくなるので、エンジンの種類に応じて弾性部材のバネ定数を設定しなければ、エンジンから従動側機器に伝達される回転変動を効果的に低減することができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従動側機器に伝達される回転変動を動力源の種類に応じて弾性部材のバネ定数を設定することなく効果的に低減することのできる動力伝達装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、従動側機器に回転自在に支持され、所定の動力源からの動力によって回転する第1回転体と、第1回転体に締結部材によって固定された第2回転体と、従動側機器の回転軸に固定された第3回転体と、第1回転体の回転方向に所定のバネ定数を有し、第2回転体から第3回転体に回転力を伝達する弾性部材とを備えた動力伝達装置において、前記第1回転体または第2回転体に着脱自在に取付けられるとともに、第3回転体に所定の接触圧で接触し、第1回転体及び第2回転体に対して相対的に回転する第3回転体に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力を付与する接触部材を備えている。
これにより、接触部材が第1回転体に着脱自在に取付けられ、接触部材は第3回転体に所定の接触圧で接触するとともに、第2回転体に対して相対的に回転する第3回転体に前記接触圧に応じた抵抗力を付与することから、第3回転体が第2回転体に対して相対的に回転するためには弾性部材のバネ定数及び接触部材による抵抗力に抗することとなり、第2回転体と第3回転体との間のバネ定数を接触部材による抵抗力の分だけ大きくすることができる。即ち、弾性部材のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材の着脱または接触圧の大きさにより調整することができる。
また、本発明は、従動側機器に回転自在に支持され、所定の動力源からの動力によって回転する第1回転体と、従動側機器の回転軸に固定された第2回転体と、第1回転体の回転方向に所定のバネ定数を有し、第1回転体から第2回転体に回転力を伝達する弾性部材とを備えた動力伝達装置において、前記第2回転体に着脱自在に取付けられるとともに、第1回転体に所定の接触圧で接触し、第2回転体に対して相対的に回転する第1回転体に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力を付与する接触部材を備えている。
これにより、接触部材が第2回転体に着脱自在に取付けられ、第1回転体に所定の接触圧で接触するとともに、第2回転体に対して相対的に回転する第1回転体に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力を付与することから、第1回転体が第2回転体に対して相対的に回転するためには弾性部材のバネ定数及び接触部材による抵抗力に抗することとなり、第1回転体と第2回転体との間のバネ定数を接触部材による抵抗力の分だけ大きくすることができる。即ち、弾性部材のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材の着脱または接触圧の大きさにより調整することができる。
本発明によれば、弾性部材のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材の着脱または接触圧の大きさにより調整することができるので、動力源の種類によって回転変動が大きくなる特定の周波数領域が異なる場合でも、従動側機器に伝達される回転変動を動力源の種類に応じて弾性部材のバネ定数を設定することなく効果的に低減することができる。
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は動力伝達装置の側面断面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は動力伝達装置の組立方法を示す側面断面図、図4は動力伝達装置の要部側面断面図、図5は動力伝達装置の動作説明図である。
本実施形態の動力伝達装置は、図示しないエンジンからの動力によって回転する第1回転体としてのプーリ10と、プーリ10に締結部材としての複数のボルト10aによって固定された第2回転体としてのアウターリング20と、アウターリング20の内周面側に加硫接着された弾性部材としての緩衝ゴム30と、緩衝ゴム30の内周面側に加硫接着されるとともに、従動側機器としての圧縮機1の回転軸2に連結された第3回転体としてのトルクリミッター機構40と、プーリ10に各ボルト10aによって取付けられた接触部材50とを備えている。
プーリ10は外周面に図示しないVベルトが巻掛けられ、ベアリング10bによって圧縮機1に回転自在に支持されている。
アウターリング20は、円筒状に形成された筒状部21、筒状部の軸方向一端部から径方向外側に延びるフランジ部22とを有する。フランジ部22には互いに周方向に間隔をおいて複数の径方向突出部22aが設けられ、各径方向突出部22aにはそれぞれ軸方向に貫通する取付孔22bが設けられている。
緩衝ゴム30はIIR、EPDM等の周知の合成ゴムから成り、アウターリング20からトルクリミッター機構40に回転力を伝達可能である。また、プーリ10の回転方向に所定のバネ定数を有する。
トルクリミッター機構40は、回転軸2に固定されたハブ41と、互いに周方向に間隔をおいて設けられ、ハブ41に動力伝達装置の軸方向一端側から当接する金属球から成る複数のボール42と、各ボール42に径方向外側から当接するインナーリング43と、各ボール42に動力伝達装置の軸方向一端側から当接する当接部材44と、当接部材44を動力伝達装置の軸方向一端側に付勢する周知の皿バネ45と、皿バネ45に軸方向一端側から当接するナット46とを有する。
ハブ41は円板状であり、回転軸2の先端に設けられたスプライン2aに回転方向に係合している。また、ハブ41は回転軸2の先端に螺合するナット2bによって回転軸2の先端に固定されている。ハブ41の外周面側には互いに周方向に間隔をおいて複数のボール溝41aが設けられ、各ボール溝41a内にはそれぞれボール42が配置されている。各ボール42は各ボール溝41aにプーリ10の回転方向に係合し、各ボール溝41a内を径方向に移動可能である。
インナーリング43は内周面に複数のテーパ面43aが設けられ、各テーパ面43aは周方向に並設されている。隣り合う各テーパ面43aは180度よりも小さい所定の角度をなす。各ボール42は前記所定の角度をなして隣り合う二つのテーパ面43aに径方向内側から当接している。各ボール42が各テーパ面43aに径方向内側から当接することにより、各ボール42とインナーリング43とがプーリ10の回転方向に係止する。インナーリング43の外周面は緩衝ゴム30の内周面と加硫接着している。
当接部材44は動力伝達装置における軸方向他端側が径方向外側から内側に向かって軸方向他端側に突出するように傾斜している。即ち、当接部材44が動力伝達装置の軸方向一端側から各ボール42に当接すると、各ボール42が径方向外側に向かって案内される。即ち、各ボール42は各ボール溝41a内で径方向外側に案内され、各ボール42はインナーリング43の各テーパ面43aに径方向内側から押付けられる。
ナット46はハブ41に動力伝達装置の軸方向に螺合し、皿バネ45を所定量だけ圧縮変形させている。圧縮変形した皿バネ45は当接部材44を各ボール42側に付勢している。
接触部材50は鉄鋼などの金属材料から成り、円筒状に形成された筒状部51と、筒状部51の軸方向一端部から径方向外側に延設されたフランジ部52と、筒状部51の軸方向他端部から径方向内側に延設された径方向延設部53とを有する。筒状部51の内径はアウターリング20の外径よりもわずかに大きく形成されている。フランジ部52には互いに周方向に間隔をおいて複数の取付孔52aが設けられ、各取付孔52aはフランジ部52をプーリ10の軸方向に貫通している。各取付孔52aはアウターリングの各取付孔22bにそれぞれ対応した位置に設けられている。径方向延設部53の径方向内側は動力伝達装置の軸方向一端側に突出し、突出した部分の軸方向一端面によって接触部53aが形成されている。接触部材50は無電解ニッケルメッキによってコーティングされている。
接触部材50はプーリ10とアウターリング20との間に配置され、各取付孔22b,52aを挿通する各ボルト10aによってプーリ10に着脱自在に取付けられている(図3参照)。接触部材50がプーリ10に取付けられると、接触部53aがトルクリミッタ機構40のハブ41に動力伝達装置の軸方向他端側から所定の接触圧で接触する。この時、接触部材50の径方向延設部53が動力伝達装置の軸方向他端側に弾性変形し、弾性変形の反力によって前記所定の接触圧が生ずる。前記接触圧は径方向延設部53の変形量によって任意に設定することができる。
以上のように構成された動力伝達装置において、プーリ10に図示しないエンジンから動力が伝達されると、プーリ10の回転力は緩衝ゴム30を介してトルクリミッター機構40のインナーリング43に伝達される。また、エンジンから伝達される動力には回転変動が含まれているが、プーリ10の回転力が緩衝ゴム30を介してインナーリング43に伝達されるので、プーリ10から回転軸2に伝達される回転変動を緩衝ゴム30によって低減することができる。一方、圧縮機1の焼付きなどにより回転軸2の回転が規制され、インナーリング43とハブ41との間に所定の大きさ以上のトルクが生ずると、各ボール42に対してインナーリング43が回転方向に変位し、各ボール42がインナーリング43の各テーパー面41aによって径方向内側に押圧される。これにより、各ボール42が皿バネ45の付勢力に抗して各ボール溝41a内を径方向内側に移動し、各ボール42とインナーリング43との回転方向の係合が解除される(図5参照)。即ち、エンジン側から回転軸2に伝達される回転力が遮断され、プーリ10に巻付けられたVベルトの破損を防止することができる。
ここで、プーリ10にエンジンからの動力が伝達され、アウターリング20とトルクリミッター機構40との間に回転力及び回転変動が加わると、回転力及び回転変動の大きさに応じてアウターリング20とトルクリミッター機構40とが相対的に回転する。この時、アウターリング20とトルクリミッター機構40とは緩衝ゴム30のバネ定数に抗して相対的に回転する。また、プーリ10に取付けられた接触部材50が所定の接触圧でハブ43に接触しているので、アウターリング20に対して相対的に回転するトルクリミッター機構40に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力が付与される。
ところで、エンジンからの動力に含まれる回転変動の大きさはエンジンの回転数に応じて大きさ及び周波数が変化する。また、一般に回転変動は特定の周波数領域で他の周波数領域よりも大きくなり、前記特定の周波数領域はエンジンの種類によって異なる。
一方、前記動力伝達装置では、緩衝ゴム30はアウターリング20を介してプーリ10に連結しているので、緩衝ゴム30のバネ定数とアウターリング20及びプーリ10の慣性質量によって固有の共振周波数を有する。また、緩衝ゴム30はトルクリミッター機構40及び回転軸2を介して圧縮機1内の図示しない回転体に連結しているので、緩衝ゴム30のバネ定数とトルクリミッター機構40、回転軸2及び回転体の慣性質量によって固有の共振周波数を有する。このため、緩衝ゴム30のバネ定数に起因するこれらの共振周波数と前記特定の周波数領域が一致すると、前記特定の周波数領域においてプーリ10または圧縮機1内の回転体の振動が大きくなる。
これに対し、前記動力伝達装置では、接触部材50がプーリ10に着脱自在に取付けられ、接触部材50はトルクリミッター機構40のハブ41に所定の接触圧で接触するとともに、アウターリング20に対して相対的に回転するトルクリミッター機構40に前記接触圧に応じた抵抗力を付与することから、トルクリミッター機構40がアウターリング20に対して相対的に回転するためには緩衝ゴム30のバネ定数及び接触部材50による抵抗力に抗することとなり、アウターリング20とトルクリミッター機構40との間のバネ定数を接触部材による抵抗力の分だけ大きくすることができる。即ち、緩衝ゴム40のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材50の着脱または接触圧の大きさにより調整することができる。
このように、本実施形態によれば、接触部材50がプーリ10に着脱自在に取付けられるとともに、接触部材50がトルクリミッター機構40のハブ43に所定の接触圧で接触し、緩衝ゴム40のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材50の着脱または接触圧の大きさにより調整することができるので、エンジンの種類によって回転変動が大きくなる特定の周波数領域が異なる場合でも、エンジンの種類に応じて緩衝ゴム30のバネ定数を設定することなくエンジンから圧縮機1に伝達される回転変動を効果的に低減することができる。
また、接触部材50の径方向延設部53がプーリ10の軸方向に弾性変形することにより、前記所定の接触圧が生ずるようにしたので、径方向延設部53の変形量により接触圧の大きさを変えることができ、簡単な構造によって緩衝ゴム40のバネ定数に起因する共振周波数を調整することができる。
尚、本実施形態では、接触部材50を無電解ニッケルメッキによってコーティングするようにしたものを示したが、接触部材50をPTFE等でコーティングし、接触部材50の接触部53aの摩擦係数を低減することも可能である。接触部53aの摩擦係数を低減することにより、同一の接触圧において生ずる抵抗力が小さくなる。即ち、接触部53aに施す表面処理の種類によって接触部材50による抵抗力の大きさを調整することができる。
また、接触部53aの面粗度を粗くすることにより、接触部53aの摩擦係数を増加することができる。即ち、接触部53aの面粗度によって接触部材50による抵抗力の大きさを調整することができる。
また、接触部53aの面積を大きくすることにより、接触部53aの摩擦抵抗を増加することができる。即ち、接触部53aの面積によって接触部材50による抵抗力の大きさを調整することができる。
尚、本実施形態では、接触部材50をプーリ10に着脱自在に取付けるようにしたものを示したが、接触部材50をアウターリング20に着脱自在に取付けることも可能である。
図6乃至図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、図6は動力伝達装置の側面断面図、図7は図6におけるB方向矢視図である。尚、第1の実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の動力伝達装置は、図示しないエンジンからの動力によって回転する第1回転体としてのプーリ60と、プーリ60の軸方向一端面側に配置され、圧縮機1の回転軸2に連結された第2回転体としてのトルクリミッター機構70と、プーリ60とトルクリミッター70とを連結する弾性部材80と、トルクリミッター機構70に取付けられた接触部材90とを備えている。
プーリ60は外周面に図示しないVベルトが巻掛けられ、ベアリング60aによって圧縮機1に回転自在に支持されている。プーリ60の軸方向他端面側には周方向に延びる環状の溝部60bが設けられている。
トルクリミッター機構70は、第1の実施形態と同等のハブ41、各ボール42、当接部材44、皿バネ45及びナット46と、各ボール42に径方向外側から当接するリング71とを有する。
リング71は内周面に複数のテーパ面71aが設けられ、各テーパ面71aは周方向に並設されている。隣り合う各テーパ面71aは180度よりも小さい所定の角度をなす。各ボール42は前記所定の角度をなして隣り合う二つのテーパ面71aに径方向内側から当接している。各ボール42が各テーパ面71aに径方向内側から当接することにより、各ボール42とリング71とがプーリ10の回転方向に係止する。リング71の外周面には径方向外側に延びるフランジ部71bが設けられ、フランジ部71bには互いに周方向に間隔をおいて複数の取付孔71cが設けられている。各取付孔71cはプーリ10の軸方向に貫通している。
弾性部材80はプーリ60の溝部60b内に配置され、溝部60bに沿うように設けられたダンパー保持部材81と、ダンパー保持部材81に保持され、互いにプーリ60の周方向に間隔をおいて設けられた複数のダンパ−82とを有する。
ダンパー保持部材81はプラスチック材料から成り、プーリ60の溝部60bに沿うように設けられた環状の保持部材本体81aと、保持部材本体81aから圧縮機1側の軸方向に延びる筒状部81bとを有する。筒状部81bは内側にダンパー82を配置可能である。また、筒状部81bが設けられた部分の保持部材本体81aは軸方向に開口している。さらに、保持部材本体81が開口している部分に対応してプーリ60も開口している。また、筒状部81bは複数のリブ81cによって補強されている。さらに、ダンパー保持部材81は互いにプーリ60の周方向に間隔をおいて設けられた複数のリベット81dによってプーリ60に固定されている。
各ダンパー82は、内周面に雌ネジが設けられた円筒状の螺合部材82aと、螺合部材82aの外周面と筒状部81bの内周面との間に設けられたダンパーゴム82bとを有する。各ダンパー82の螺合部材82aにはリング71の取付孔71cを挿通した複数のボルト82cがそれぞれ螺合する。即ち、リング71は各ダンパー82及び保持部材81を介してプーリ60に取付けられている。また、各ダンパー82はプーリ10の回転方向に所定のバネ定数を有する。
接触部材90は鉄鋼などの金属材料から成り、リング状の板材である。接触部材90には互いに周方向に間隔をおいて複数の取付孔90aが設けられ、各取付孔90aはリング71の各取付孔71aに対応した位置に設けられている。接触部材90はインナーリング71とプーリ60との間に配置され、各ボルト82c及び各螺合部材82aによってインナーリング71に着脱自在に取付けられている。また、接触部材90の外周面側の軸方向一端面はプーリ60に軸方向に当接している。即ち、接触部材90の外周面側の軸方向一端面は接触部90bである。接触部材90がインナーリング71に取付けられると、接触部90bがプーリ60に所定の接触圧で接触する。この時、接触部材90が軸方向に弾性変形し、弾性変形の反力によって前記所定の接触圧が生ずる。前記所定の接触圧は接触部材90の変形量によって任意に設定することができる。
以上のように構成された動力伝達装置において、プーリ60に図示しないエンジンからの動力が伝達されると、プーリ60の回転力は弾性部材80を介してトルクリミッター機構70のリング71に伝達される。また、エンジンから伝達される動力には回転変動が含まれているが、プーリ60の回転力が弾性部材80を介してリング71に伝達されるので、プーリ60から回転軸2に伝達される回転変動を弾性部材80によって低減することができる。一方、圧縮機1の焼付き等により回転軸2の回転が規制された場合は、第1の実施形態と同様にエンジン側から回転軸2側に伝達される回転力が遮断される。
ここで、プーリ60にエンジンからの動力が伝達され、プーリ60とトルクリミッター機構70との間に回転力及び回転変動が加わると、回転力及び回転変動の大きさに応じてプーリ60とトルクリミッター機構70とが相対的に回転する。この時、プーリ60とトルクリミッター機構70とは弾性部材80のバネ定数に抗して相対的に回転する。また、トルクリミッター機構70に取付けられた接触部材90が所定の接触圧でプーリ60に接触しているので、トルクリミッター機構70に対して相対的に回転するプーリ60に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力が付与される。
ところで、エンジンからの動力に含まれる回転変動の大きさはエンジンの回転数に応じて大きさ及び周波数が変化する。また、一般に回転変動は特定の周波数領域で他の周波数領域よりも大きくなり、前記特定の周波数領域はエンジンの種類によって異なる。
一方、前記動力伝達装置では、弾性部材80はプーリ60に連結しているので、弾性部材80のバネ定数とプーリ60の慣性質量によって固有の共振周波数を有する。また、弾性部材80はトルクリミッター機構70及び回転軸2を介して圧縮機1内の図示しない回転体に連結しているので、弾性部材80のバネ定数とトルクリミッター機構70、回転軸2及び回転体の慣性質量によって固有の共振周波数を有する。このため、弾性部材80のバネ定数に起因するこれらの共振周波数と前記特定の周波数領域が一致すると、前記特定の周波数領域においてプーリ60または圧縮機内の回転体の振動が大きくなる。
これに対し、前記動力伝達装置では、接触部材90がトルクリミッター機構70に着脱自在に取付けられ、接触部材90はプーリ60に所定の接触圧で接触するとともに、トルクリミッター機構70に対して相対的に回転するプーリ60に前記接触圧に応じた抵抗力を付与することから、プーリ60がトルクリミッター機構70に対して相対的に回転するためには弾性部材80のバネ定数及び接触部材90による抵抗力に抗することとなり、トルクリミッター機構70とプーリ60との間のバネ定数を接触部材90による抵抗力の分だけ大きくすることができる。即ち、弾性部材80のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材90の着脱または接触圧の大きさにより調整することができる。
このように、本実施形態によれば、接触部材90がトルクリミッター機構70に着脱自在に取付けられるとともに、接触部材90がプーリ60に所定の接触圧で接触し、弾性部材80のバネ定数に起因する共振周波数を接触部材90の着脱または接触圧の大きさにより調整することができるので、エンジンの種類によって回転変動が大きくなる特定の周波数領域が異なる場合でも、エンジンの種類に応じて弾性部材80のバネ定数を設定することなくエンジンから圧縮機1に伝達される回転変動を効果的に低減することができる。
1…圧縮機、2…回転軸、10…プーリ、10a…ボルト、20…アウターリング、30…緩衝ゴム、40…トルクリミッター機構、41…ハブ、42…ボール、43…インナーリング、44…当接部材、45…皿バネ、46…ナット、50…接触部材、51…筒状部、52…フランジ部、52a…取付孔、53…径方向延設部、53a…接触部、60…プーリ、70…トルクリミッター機構、71…リング、80…弾性部材、81…ダンパー保持部材、82…ダンパー、82a…螺合部材、82c…ボルト、90…接触部材、90a…取付孔、90b…接触部。
Claims (6)
- 従動側機器に回転自在に支持され、所定の動力源からの動力によって回転する第1回転体と、第1回転体に締結部材によって固定された第2回転体と、従動側機器の回転軸に固定された第3回転体と、第1回転体の回転方向に所定のバネ定数を有し、第2回転体から第3回転体に回転力を伝達する弾性部材とを備えた動力伝達装置において、
前記第1回転体または第2回転体に着脱自在に取付けられるとともに、第3回転体に所定の接触圧で接触し、第1回転体及び第2回転体に対して相対的に回転する第3回転体に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力を付与する接触部材を備えた
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 従動側機器に回転自在に支持され、所定の動力源からの動力によって回転する第1回転体と、従動側機器の回転軸に固定された第2回転体と、第1回転体の回転方向に所定のバネ定数を有し、第1回転体から第2回転体に回転力を伝達する弾性部材とを備えた動力伝達装置において、
前記第2回転体に着脱自在に取付けられるとともに、第1回転体に所定の接触圧で接触し、第2回転体に対して相対的に回転する第1回転体に前記接触圧に応じた回転方向の抵抗力を付与する接触部材を備えた
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 前記接触部材を、第1回転体の軸方向に弾性変形することにより前記所定の接触圧を生ずるように形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の動力伝達装置。 - 前記接触部材を、第3回転体と接触する接触部の面粗度によって前記抵抗力の大きさを調整するように形成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の動力伝達装置。 - 前記接触部材を、第3回転体と接触する接触部に施す表面処理の種類によって前記抵抗力の大きさを調整するように形成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の動力伝達装置。 - 前記接触部材を、第3回転体と接触する接触部の面積によって前記抵抗力の大きさを調整するように形成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の動力伝達装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113685456A (zh) * | 2020-05-19 | 2021-11-23 | 株式会社日立大厦系统 | 机器人的动力传递机构以及使用该动力传递机构的机器人 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2506243Y2 (ja) * | 1989-11-15 | 1996-08-07 | エヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会社 | 弾性カップリング |
JP2001153152A (ja) * | 1999-05-07 | 2001-06-08 | Sanden Corp | 動力伝達機構 |
JP2004245273A (ja) * | 2003-02-12 | 2004-09-02 | Calsonic Kansei Corp | 動力伝達装置 |
-
2005
- 2005-10-11 JP JP2005296128A patent/JP2007107551A/ja active Pending
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