JP2004134669A - Icチップ内蔵多層基板及びその製造方法 - Google Patents

Icチップ内蔵多層基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の薄型化、小型化ができると共に、ICチップから発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することができるICチップ内蔵多層基板等を提供する。
【解決手段】ICチップ内蔵多層基板100は、ICチップ11と、第1の基板12と、第2の基板13と、第3の基板14と、接地手段としてのペースト15とから構成されている。ICチップ11を基板に内蔵し、このICチップ11の裏面と第2の基板13のグランド配線との間に導電性のペースト15が設けられる。これにより、ICチップ11の裏面と第2の基板13の上表面のグランド配線とが電気的に接続され、ICチップ11の部分にシールド効果を持たせ、ICチップ11から発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することができると共に、実装面積を有効に利用し、製品の薄型化、小型化ができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICチップ内蔵多層基板およびその製造方法に関する。詳しくは、LSIチップ等のICチップを多層基板に内蔵させると共に、該ICチップの裏面と所定の基板のグランド配線との間に導電性の接続手段を設ける構成とすることによって、基板の薄型化、小型化ができると共に、ICチップ部分にシールド効果を持たせ、ICチップから発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することができるようにしたICチップ内蔵多層基板およびその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板に電子部品を表面実装した場合、近接回路間のノイズ対策に関しては、金属の筐体(シールドケース)をICチップに覆い被せるようにしてシールドしていた(例えば、特許文献1参照)。また、ICチップが発生した熱を排除するために、ICチップの裏面に放熱板などを装着する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
図9は、シールドケースが装着される実装基板10Aの構成を示す図である。図9に示すように、実装基板10Aは、ICチップ1と、配線基板2と、シールドケース3と、実装部品4とから構成されている。ICチップ1は、接着樹脂5により配線基板2に装着されている。配線基板2は、絶縁樹脂板6と、配線7と、各層の配線を接続するための金属突起物8とからなる。シールドケース3は金属材料からなり、配線基板2に装着されている。このシールドケース3によりICチップ部分にシールド効果を持たせ、ICチップから発生するノイズが除去される。
【0004】
また、図10は、ICチップの上に放熱板が装着される実装基板10Bの構成を示す図である。図10に示すように、実装基板10Bは、ICチップ1と、配線基板2と、放熱板3Aと、実装部品4とから構成されている。ICチップ1は、接着樹脂5により配線基板2に装着されている。配線基板2は、絶縁樹脂板6と、配線7と、各層の配線を接続するための金属突起物8とからなる。放熱板3Aは、金属材、例えばアルミニウムからなり、ICチップ1の裏面に接着することにより配置されている。この放熱板3AによりICチップ1から発生した熱が空気中に放出される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−335869号公報
【特許文献2】
特開平10−209345号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、シールドケース3、放熱板3Aを配置する実装基板10A、10Bの場合、例えば、図9に示すように、ICチップ1を覆うようにシールドケース3を配置する場合、配線基板2の実装面積が少なくなるため、基板の実装面積が有効に使用できないという問題がある。また例えば、図10に示すように、ICチップ1の上に放熱板3Aを配置する場合、配線基板2における実装後のトータル厚さが大きくなり、基板の薄型化が困難という欠点がある。
【0007】
また、現代電子機器の小型化に伴い、半導体産業において半導体装置の小型化、薄型化、高密度化が進みつつある。近年、携帯電話機や、携帯用のパーソナルコンピュータなどの携帯端末装置に、ベアチップ状態の半導体集積回路装置(以下単に「ICチップ」という)を実装したICチップ実装基板が使用されるようになってきた。この種の実装基板には個々のICチップがモールド成形されることなく、複数のICチップ、抵抗ならびにコンデンサなどの電子部品が混在して平面的に実装されている。この場合、ICチップの裏面にグランドを必要とするものに対して、ICチップの裏面にグランド配線を設置するため、上述したように放熱板などを配置することが困難である。
【0008】
そこで、この発明は、基板の薄型化、小型化ができると共に、ICチップ部分にシールド効果を持たせ、ICチップから発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することができるようにしたICチップ内蔵多層基板等を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るICチップ内蔵多層基板は、ICチップ内蔵多層基板において、ICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられ、第1の基板と積層する第2の基板と、第1の基板に実装されたICチップを覆うように第2の基板と積層する第3の基板と、ICチップの裏面と第1、第2または第3の基板のグランド配線とを接続する接地手段とを備えるものである。
【0010】
例えば、接地手段は、ペースト状またはシート状の導電性材料からなり、該ペースト状またはシート状の導電性材料は、第2の基板のグランド配線と接続される。また例えば、接地手段は、金属箔からなり、この金属箔は第1の基板と接続される。また例えば、接地手段は、第3の基板に設けられ、第3基板のグランド配線と接続された金属突起物である。
【0011】
この発明に係るICチップ内蔵多層基板の製造方法は、ICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられた第2の基板と、ICチップを覆うように配置する第3の基板とを備えるICチップ内蔵多層基板の製造方法であって、ICチップを第1の基板に実装する第1の工程と、第1の工程でICチップが実装された第1の基板の上に、ICチップが開孔中にくるように上記第2の基板を配置する第2の工程と、ICチップの裏面と第1または第2の基板のグランド配線とを接続する第3の工程と、ICチップを覆うように第2の基板の上に第3の基板を配置する第4の工程とを備えるものである。
【0012】
また、この発明に係るICチップ内蔵多層基板の製造方法は、ICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられた第2の基板と、ICチップを覆うように配置する第3の基板とを備えるICチップ内蔵多層基板の製造方法であって、ICチップを第1の基板に実装する第1の工程と、第1の工程でICチップが実装された第1の基板の上に、ICチップが開孔中にくるように第2の基板を配置する第2の工程と、ICチップの裏面と、第3の基板に設けられ、第3基板のグランド配線と接続された金属突起物とを接触するように第3の基板を配置する第3の工程とを備えるものである。
【0013】
この発明においては、LSIチップ等のICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられた第2の基板と、ICチップを覆うように配置する第3の基板とを備えるICチップ内蔵多層基板において、ICチップを多層基板に内蔵させると共に、該ICチップの裏面と所定の基板のグランド配線との間に導電性の接続手段を設けることにより、基板の薄型化、小型化ができると共に、ICチップ部分にシールド効果を持たせ、ICチップから発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することが可能になる。
【0014】
また、ベアチップ(ベア半導体チップ)のようなICチップがICチップの裏面にグランドを必要とする場合、グランド接続ができると共に、シールド効果と放熱効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照しながら、この発明の第1の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、この発明の第1の実施の形態としてのICチップ内蔵多層基板100の構成を示している。この図1はICチップ内蔵多層基板100の断面構造を示している。
図1に示すように、ICチップ内蔵多層基板100は、ICチップ11と、第1の基板12と、第2の基板13と、第3の基板14と、接地手段としてのペースト15とから構成されている。
【0017】
ICチップ11は、例えば、ベアチップ(ベア半導体チップ)である。このICチップ11は接着樹脂16により第1の基板12に装着されている。接着樹脂16には、例えばエポキシ樹脂が用いられる。
【0018】
第1、第2、第3の基板12,13,14は、それぞれ絶縁樹脂板17と、配線18と、各層の配線を接続するための金属突起物19とからなる。即ち、第1、第2、第3の基板12,13,14は、パターンが形成された基板である。図2は、第1、第2、第3の基板の構成を示す図である。
【0019】
図2(a)は第3の基板14の構成例を示す図である。図2(a)に示すように、第3の基板14は2層の配線基板からなる。2層の配線基板の間および上表面に配線パターンが形成されている。図2(b)は第2の基板13の構成例を示す図である。図2(b)に示すように、第2の基板13は、ICチップ11を挿入する開孔(窓枠)Wが設けられている。また、第2の基板13の上表面に配線パターンが形成されている。図2(c)は第1の基板12の構成例を示す図である。この第1の基板12は上下の表面に配線パターンが形成されている。また、上表面にICチップ11を配置するための電極端子である導体バンプPが設けられている。
【0020】
ペースト15は、ICチップ11の裏面と第2の基板のグランド配線とを接続するものである。このペースト15は、銀ペーストなどを印刷、もしくはディスペンスして硬化させたものである。また、ペースト15の代わりにシート状の導電材料を貼り付けて硬化させたものを用いてもよい。
【0021】
また、ペースト15の材料として、放熱効果を必要とするときは、熱伝導性の良いものを選び、シールド効果やグランドとしての効果を必要とするときは、導電性の高いものを選ぶことが可能とされる。
【0022】
次に、図1に示すICチップ内蔵多層基板100の製造工程について、図3の工程図を参照して説明する。
まず、予め第1、第2及び第3の基板12〜14を形成して置く。そして、図3の工程図を示すように、ICチップ11を第1の基板12に配置し、次に、ICチップ11を挿入する開孔Wを有する第2の基板13を積層し、次に、ICチップ11の裏面と第2の基板13の開孔W周辺にペースト15を印刷、もしくはディスペンスして硬化させ、最後に、第2の基板13の上に、第3の基板14を積層する。
【0023】
図3(a)は、ICチップ内蔵多層基板100製造プロセス中のICチップ実装工程で、ICチップ11が実装された状態を示している。この工程では、予め形成された第1の基板12にICチップ11を実装する。この場合、接着樹脂16を用いて、ICチップ11を第1の基板12の導体バンプP上に固着させる。
【0024】
図3(b)は、第2の基板13を配置する工程で、第2の基板が積層された後の状態を示している。この工程では、予め形成された第2の基板13を、ICチップ11が実装された第1の基板12に積層する。この場合、ICチップ11が第2の基板13の開孔Wに挿入するように、第2の基板13を上から第1の基板12上に積層する。
【0025】
図3(c)は、ペースト15を配置する工程で、ペースト15が配置された状態を示している。この工程では、第1と第2の基板12,13が積層された後、例えば、ICチップ11の裏面と第2の基板13の開孔W周辺にペースト15を印刷して硬化させる。この場合、ICチップ11の裏面と第2の基板13の上表面のグランド配線G2とを電気的に接続するように、ペースト15がグランド配線G2まで印刷される。
【0026】
図3(d)は、第3の基板14を配置する工程で、第3の基板14が配置された状態(完成状態)を示している。この工程では、ペースト15が配置された第1と第2の基板からなるユニットの上に第3の基板14を積層し、ICチップ11覆うように配置する。第3の基板14が配置された後、図1に示すICチップ内蔵多層基板100が得られる。
【0027】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、ICチップ11を実装する第1の基板12と、ICチップ11を挿入する開孔Wが設けられた第2の基板13と、ICチップ11を覆うように配置する第3の基板14とを備えるICチップ内蔵多層基板において、ICチップ11を多層基板に内蔵させると共に、このICチップ11の裏面と第2の基板13のグランド配線との間に導電性のペースト15が設けられる。
【0028】
これにより、従来のようにシールドケースを用いることがなく、基板の実装面積を有効に利用し、製品の小型化ができると共に、ICチップ11の部分にシールド効果を持たせ、ICチップ11から発生するノイズを除去できる。
【0029】
また、従来のように放熱板を用いた自然放熱(空気による)ではなく、製品の薄型化ができると共に、配線パターンを通じて効率良く放熱することができる。また、ICチップ(ベアチップ)11の裏面にグランド配線が必要な場合でもフリップチップ実装することが可能になる。
【0030】
次に、図4および図5を参照しながら、この発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、この発明の第2の実施の形態としてのICチップ内蔵多層基板200の構成を示している。この図4はICチップ内蔵多層基板200の断面構造を示している。また、この図4において、図1と対応する部分には、同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0031】
図4に示すように、ICチップ内蔵多層基板200は、ICチップ11と、第1の基板12と、第2の基板13と、第3の基板14と、接地手段としての金属箔25とから構成されている。
【0032】
ICチップ内蔵多層基板200の第1,第2及び第3の基板12,13,14はICチップ内蔵多層基板100の各層基板とそれぞれ同様の構成を有する(図2参照)。
【0033】
金属箔25は、ICチップ11の裏面と第1の基板12のグランド配線とを接続するものである。この金属箔25は、熱伝導性、導電性の良いもの、例えば銅箔とされる。銅箔とICチップ11の裏面とは銀ペーストなど導電性ペースト使用し固着させる。また、金属箔25は、第1の基板12の表面まで貼り付けられ、第1の基板12のグランド配線G1と接続するように配置されている。
【0034】
また、金属箔25の材料として、放熱効果を必要とするときは、熱伝導性の良いものを選び、シールド効果やグランドとしての効果を必要とするときは、導電性の高いものを選ぶことが可能とされる。
【0035】
次に、図4に示すICチップ内蔵多層基板200の製造工程について、図5の工程図を参照して説明する。
まず、予め第1、第2及び第3の基板を形成して置く。そして、図5の工程図を示すように、ICチップ11を第1の基板12に配置し、次に、ICチップ11を覆うように金属箔25を配置し、次に、ICチップ11を挿入する開孔Wを有する第2の基板13を積層し、最後に、第2の基板13の上に、第3の基板14を積層する。
【0036】
図5(a)は、ICチップ内蔵多層基板200製造プロセス中のICチップ実装工程で、ICチップ11が実装された状態を示している。この工程では、予め形成された第1の基板12にICチップ11を実装する。この場合、接着樹脂16を用いて、ICチップ11を第1の基板12の導体バンプP上に固着させる。
【0037】
図5(b)は、金属箔25を配置する工程で、金属箔25が配置された状態を示している。この工程では、ICチップ11が実装された後、ICチップ11を覆うように金属箔25を配置する。この場合、ICチップ11の裏面と金属箔25との間に導電性ペースト、例えば銀ペーストを塗布し密着させ、また、第1の基板12の上表面のグランド配線G1とを電気的に接続するように、金属箔25をグランド配線G1まで配置する。
【0038】
図5(c)は、第2の基板13を配置する工程で、第2の基板が積層された後の状態を示している。この工程では、予め形成された第2の基板13を、ICチップ11が配置された第1の基板12に積層する。この場合、ICチップ11が第2の基板13の開孔Wに挿入するように、第2の基板13を上から第1の基板12上に積層する。
【0039】
図5(d)は、第3の基板14を配置する工程で、第3の基板14が配置された状態(完成状態)を示している。この工程では、金属箔25が配置された後の第1と第2の基板12,13からなるユニットの上に第3の基板14を積層し、ICチップ11覆うように配置する。第3の基板14が配置された後、図4に示すICチップ内蔵多層基板200が得られる。
【0040】
以上説明したように、第2の実施の形態においては、ICチップ11を実装する第1の基板12と、ICチップ11を挿入する開孔Wが設けられた第2の基板13と、ICチップ11を覆うように配置する第3の基板14とを備えるICチップ内蔵多層基板において、ICチップ11を多層基板に内蔵させると共に、このICチップ11の裏面と第1の基板12のグランド配線G1との間に金属箔25が設けられる。
【0041】
これにより、従来のようにシールドケースを用いることがなく、基板の実装面積を有効に利用し、製品の小型化ができると共に、ICチップ11の部分にシールド効果を持たせ、ICチップ11から発生するノイズを除去できる。
【0042】
また、従来のように放熱板を用いた自然放熱(空気による)ではなく、製品の薄型化ができると共に、配線パターンを通じて効率良く放熱することができる。また、ICチップ(ベアチップ)11の裏面にグランド配線が必要な場合でもフリップチップ実装することが可能になる。
また、上述した第2の実施の形態のICチップ内蔵多層基板200は、金属箔25が第1の基板12の表面まで配置されるため、より良いシールド効果が得られる。
【0043】
以下、図6〜図8を参照しながら、この発明の第3の実施の形態について説明する。
図6は、この発明の第3の実施の形態としてのICチップ内蔵多層基板300の構成を示している。この図6はICチップ内蔵多層基板300の断面構造を示している。また、この図6において、図1と対応する部分には、同一符号を付している。
【0044】
図6に示すように、ICチップ内蔵多層基板300は、ICチップ11と、第1の基板12と、第2の基板13と、第3の基板14とから構成されている。
ICチップ11は、例えば、ベアチップ(ベア半導体チップ)である。このICチップ11は接着樹脂16により第1の基板12に装着されている。接着樹脂16には、例えばエポキシ樹脂が用いられる。
【0045】
第1、第2、第3の基板12,13,14は、それぞれ絶縁樹脂板17と、配線18と、各層の配線18を接続するための金属突起物19とからなる。即ち、第1、第2、第3の基板12,13,14は、パターンが形成された基板である。図2は、第1、第2、第3の基板の構成を示す図である。
【0046】
図7(a)は第3の基板14の構成例を示す図である。図7(a)に示すように、第3の基板14は2層の配線基板からなる。2層の配線基板の間と、上表面に配線パターンが形成されている。また、接地手段としての金属突起物35が2本設けられている。この金属突起物35は、第3の基板14のグランド配線G3とが接続され、基板積層されたときICチップ11の裏面と接触できるように設計されている。
【0047】
図7(b)は第2の基板13の構成例を示す図である。図7(b)に示すように、第2の基板13は、ICチップ11を挿入する開孔(窓枠)Wが設けられている。また、上表面に配線パターンが形成されている。
【0048】
図7(c)は第1の基板12の構成例を示す図である。この第1の基板12は上下の表面に配線パターンが形成されている。また、上表面にICチップ11を配置するための電極端子である導体バンプPが設けられている。
【0049】
次に、図6に示すICチップ内蔵多層基板300の製造工程について、図8の工程図を参照して説明する。
まず、予め第1、第2及び第3の基板を形成して置く。そして、図8の工程図を示すように、ICチップ11を第1の基板12に配置し、次に、ICチップ11を挿入する開孔Wを有する第2の基板13を積層し、最後に、第2の基板13の上に、第3の基板13を積層する。
【0050】
図8(a)は、ICチップ内蔵多層基板300製造プロセス中のICチップ実装工程で、ICチップ11が実装された状態を示している。この工程では、予め形成された第1の基板12にICチップ11を実装する。この場合、接着樹脂16を用いて、ICチップ11を第1の基板12の導体バンプP上に固着させる。
【0051】
図8(b)は、第2の基板13を配置する工程で、第2の基板が積層された後の状態を示している。この工程では、予め形成された第2の基板13を、ICチップ11が実装された第1の基板12に積層する。この場合、ICチップ11が第2の基板13の開孔Wに挿入するように、第2の基板13を上から第1の基板12上に積層する。
【0052】
図8(c)は、第3の基板14を配置する工程で、第3の基板14が配置される状態を示している。この工程では、ICチップ11が配置された第1と、第2の基板とからなるユニットの上に第3の基板14を積層する。この場合、金属突起物35がICチップ11の裏面と接触されるように第3の基板14を配置する。第3の基板14が配置された後、図7に示すICチップ内蔵多層基板300が得られる。
【0053】
なお、第3の基板14のグランド配線G3は、所定の広さを有するもの、例えばICチップ11の裏面より大きい面積を有するものとされても良い。この場合、グランド配線G3によるシールド効果が得られる。
【0054】
以上説明したように、第3の実施の形態においては、ICチップ11を実装する第1の基板12と、ICチップ11を挿入する開孔Wが設けられた第2の基板13と、ICチップ11を覆うように配置する第3の基板14とを備えるICチップ内蔵多層基板において、ICチップ11を多層基板に内蔵させると共に、このICチップ11の裏面と第3の基板14のグランド配線との間に金属突起物35が設けられる。
【0055】
これにより、従来のようにシールドケースを用いることがなく、基板の実装面積を有効に利用し、製品の小型化ができると共に、ICチップ11の部分にシールド効果を持たせ、ICチップ11から発生するノイズを除去できる。
【0056】
また、従来のように放熱板を用いた自然放熱(空気による)ではなく、製品の薄型化ができると共に、配線パターンを通じて効率良く放熱することができる。また、ICチップ(ベアチップ)11の裏面にグランド配線が必要な場合でもフリップチップ実装することが可能になる。
【0057】
また、接地手段としての金属突起物35が第3の基板14に設けられている、即ち、第3の基板14の作成時に金属突起物35が形成されるため、ICチップの接地が簡単に実現でき、ICチップ内蔵多層基板300の製造工数を削減することができる。
【0058】
なお、上述実施の形態においては、ICチップ11はベアチップである場合について説明したが、これに限定されるものではない。他のタイプの半導体チップにもこの発明を適用できる。
【0059】
また、上述実施の形態においては、ICチップ11がフリップチップ接続である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ビームリード接続の場合にもこの発明を適用できる。
【0060】
【発明の効果】
この発明によれば、LSIチップ等のICチップを多層基板に内蔵させると共に、該ICチップの裏面と所定の基板のグランド配線との間に導電性の接続手段を設けるものであり、基板の薄型化、小型化ができると共に、ICチップの部分にシールド効果を持たせ、ICチップから発生するノイズを除去でき、かつ配線パターンを通じて効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のICチップ内蔵多層基板100の構成を示す図である。
【図2】ICチップ内蔵多層基板100の各層基板の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態のICチップ内蔵多層基板100の製造工程を示す図である。
【図4】第2の実施の形態のICチップ内蔵多層基板200の構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態のICチップ内蔵多層基板200の製造工程を示す図である。
【図6】第3の実施の形態のICチップ内蔵多層基板300の構成を示す図である。
【図7】ICチップ内蔵多層基板300の各層基板の構成を示す図である。
【図8】第3の実施の形態のICチップ内蔵多層基板300の製造工程を示す図である。
【図9】シールドケースが装着される実装基板の構成例を示す図である。
【図10】放熱板が装着される実装基板の構成例を示す図である。
【符号の説明】
11・・・ICチップ、12・・・第1の基板、13・・・第2の基板、14・・・第3の基板、15・・・ペースト、16・・・接着樹脂、17・・・絶縁樹脂板、18・・・配線、19,35・・・金属突起物、25・・・金属箔、100,200,300・・・ICチップ内蔵多層基板、G1,G2,G3・・・グランド配線、W・・・開孔、P・・・バンプ

Claims (8)

  1. ICチップ内蔵多層基板において、
    上記ICチップを実装する第1の基板と、
    上記ICチップを挿入する開孔が設けられ、上記第1の基板と積層する第2の基板と、
    上記第1の基板に実装された上記ICチップを覆うように上記第2の基板と積層する第3の基板と、
    上記ICチップの裏面と上記第1、第2または第3の基板のグランド配線とを接続する接地手段と
    を備えることを特徴とするICチップ内蔵多層基板。
  2. 上記接地手段は、ペースト状またはシート状の導電性材料からなり、
    上記ペースト状またはシート状の導電性材料は、上記第2の基板のグランド配線と接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のICチップ内蔵多層基板。
  3. 上記接地手段は、金属箔からなり、
    上記金属箔は上記第1の基板のグランド配線と接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のICチップ内蔵多層基板。
  4. 上記接地手段は、上記第3の基板に設けられ、上記第3基板のグランド配線と接続された金属突起物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のICチップ内蔵多層基板。
  5. ICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられた第2の基板と、ICチップを覆うように配置する第3の基板とを備えるICチップ内蔵多層基板の製造方法であって、
    上記ICチップを第1の基板に実装する第1の工程と、
    上記第1の工程で上記ICチップが実装された第1の基板の上に、上記ICチップが開孔中にくるように上記第2の基板を配置する第2の工程と、
    上記ICチップの裏面と上記第1または第2の基板のグランド配線とを接続する第3の工程と、
    上記ICチップを覆うように上記第2の基板の上に第3の基板を配置する第4の工程と
    を備えることを特徴とするICチップ内蔵多層基板の製造方法。
  6. 上記第3の工程では、ペースト状またはシート状の導電性材料を用いて上記ICチップの裏面と上記第2の基板のグランド配線とを接続する
    ことを特徴とする請求項5に記載のICチップ内蔵多層基板の製造方法。
  7. 上記第3の工程では、金属箔を用いて上記ICチップの裏面と上記第1の基板のグランド配線とを接続する
    ことを特徴とする請求項5に記載のICチップ内蔵多層基板の製造方法。
  8. ICチップを実装する第1の基板と、ICチップを挿入する開孔が設けられた第2の基板と、ICチップを覆うように配置する第3の基板とを備えるICチップ内蔵多層基板の製造方法であって、
    上記ICチップを第1の基板に実装する第1の工程と、
    上記第1の工程で上記ICチップが実装された第1の基板の上に、上記ICチップが開孔中にくるように上記第2の基板を配置する第2の工程と、
    上記ICチップの裏面と、上記第3の基板に設けられ、上記第3基板のグランド配線と接続された金属突起物とを接触するように上記第3の基板を配置する第3の工程と
    を備えることを特徴とするICチップ内蔵多層基板の製造方法。
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