JP2004132070A - 無人駐車場の車止め装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駐車場の床面に設置されて水平方向の軸回りに揺動して起伏する止め板2と、この止め板を起伏する駆動源6とを備えた無人駐車場の車止め装置において、止め板2の揺動中心となる中空の従動軸10と、この従動軸の中心孔に挿通されて当該従動軸の一端側で駆動源に連結され他端側で従動軸10に連結されたトーションバー11と、このトーションバーに止め板2を起立方向に付勢する捩り弾力を残した状態で当該トーションバーの駆動側端部に対する止め板2の起立方向の回動を停止する当接対13、14とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無人駐車場の車止め装置に関するもので、駐車スペースへの車両の進入時には倒伏して車両の通過を可能にし、駐車中は起立して車両の退出を阻止し、料金が支払われたときに倒伏して駐車車両の退出を可能にする止め板を備えた車止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車止め装置は、簡易な無人駐車場の各車両の駐車スペースに設置されて、車両検出センサと駐車料の受け払い装置からの信号に基づいて、止め板を起伏させることにより、無人駐車場の管理と駐車料の徴収を行うシステムの構成要素として利用されている。
【0003】
図5は、この種の車止め装置の典型的な外観形状を示した図で、一般的には平面略矩形の偏平な形状で、車両が乗り越える部分は偏平な山形断面となっており、その一方の斜面(駐車スペーから出る車が乗り上げる側の斜面)を機械室1内に配置した電動機や油圧シリンダなどの駆動源で起伏させる構造となっている。
【0004】
この種車止め装置の一般的な動作を説明すると、待機時には止め板2は倒伏状態となっており、車両がこの車止め装置を乗り越えて駐車スペースに進入して車両検出センサが当該車両を検出してからタイマで設定された時間が経過したときに、止め板2を起立させて駐車スペースからの車両の退出を阻止する。駐車場に設置されている料金受け払い装置(図示せず)に所定の駐車料金を払うと、当該料金受け払い装置からの信号を受けて駆動源が止め板2を倒伏させて、車両の退出を可能にする。
【0005】
この種の車止め装置は、料金を支払わないで車両が退出するのを防止するために、止め板2の起立位置が相当の力で保持される必要があるが、例えば車重や駆動力の大きな車両が起立状態にある止め板2を強引に乗り越えようとしたときに、その衝撃的な外力が駆動源やその回転伝達系に損傷を与えると、それを発見して修理するまでの間、当該駐車スペースの正常な利用が不可能になる。装置の損傷及びその修繕までの間駐車スペースの使用が不可能になることによる損害は、1台の車が料金を支払わないで退出したことによる損害よりも遥かに大きい。
【0006】
また、車両には大小様々なものがあり、車高が高く、車輪の大きな車両の退出を有効に阻止しようとすると、起立したときの止め板の先端が車高の低い車両の底部に衝突するおそれが生ずる。このような場合に止め板の起立動作が継続すると、当接箇所によっては車両の底部を損傷するおそれが生ずる。
【0007】
このような予期しない外力によって車両や装置が損傷するのを避けるために、駆動源と止め板2との間の回転伝達系に摩擦クラッチやばねを設けて、過大な外力が装置や車両に加わらないようにした構造が提案されている。例えば、下記特許文献1には、止め板の回転伝達系に巻ばねとコイルスプリングとを介在させた構造が示されており、特許文献2には、圧縮コイルばねを利用する構造が示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−19875号公報
【特許文献2】
特開平9−302980号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、過負荷による装置の損傷を防止するようにした従来構造は、止め板2を起伏させるための歯車列やリンクによる回転力の伝達系を複雑かつ高価にし、機械室1を大型化する欠点がある。
【0010】
この発明は、合理的な構造で過負荷による車両や装置の損傷を有効に防止することができる止め板2の起伏機構を得ることにより、装置全体が小型で、構造が単純であるために故障が少なくかつ安価に提供することが可能な、この種の車止め装置を得ることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明に係る無人駐車場の車止め装置は、駐車場の床面に固定されるフレーム3と、このフレームに装着されて水平方向の軸回りに揺動して起伏する止め板2と、この止め板を起伏する駆動源6とを備えた無人駐車場の車止め装置において、止め板2の揺動中心側となる基辺側の辺に固定された中空の従動軸10と、この従動軸の中心孔に挿通されて当該従動軸の一端側で駆動源に連結され他端側で当該従動軸に連結されたトーションバー11と、このトーションバーに止め板2を起立方向に付勢する捩り弾力を残した状態で当該トーションバー11の駆動側端部に対する止め板2の起立方向の回動を停止する当接対13、14とを備えることにより、上記課題を解決している。
【0012】
本願請求項2の車止め装置は、上記手段に加えて、当接対13、14の所定の離隔距離を検出するセンサ15を備えることにより、止め板2の起立動作途中での停止や、止め板2に加わった所定値以上の外力を検出可能にして、起立動作の停止などの制御を行うことを可能にしている。
【0013】
また本願請求項3のは、上記手段におけるトーションバー11が正多角断面のバー材であり、当該バー材が従動軸10の一端側と他端側とでフレーム3に軸支された駆動側と従動側の軸端部材8、9にそれらの軸心に設けた対応する正多角形孔22、17に軸方向に嵌挿して装架されていることを特徴とするものである。このような手段を備えることにより、トーションバーの交換、トルクの設定や変更などを容易に行うことができるようになる。
【0014】
【作用】
当接対13、14の一方は、従動軸10又は止め板2の駆動側端に固着され、他方はトーションバー11の基端又は駆動側の軸端部材8に固着される。正常動作時には、この当接対13、14はトーションバー11に残存する起立方向の捩り弾力によって当接状態となっており、その状態を保持して止め板2は駆動源6の正逆回転により、図5に想像線で示す起立位置Sと実線で示す倒伏位置Hとの間で揺動する。一般的には、止め板2の起立位置Sと倒伏位置Hとを規定する機械的なストッパをフレーム3に設けておくことが、外力による装置の損傷を防止する上でより好ましい。
【0015】
当接対13、14が当接しているときにトーションバー11に残存させる捩り弾力は、起立途中で止め板2の先端が車両の底部に衝突したときに、車両や車止め装置を損傷させる力よりも小さい力で、かつ人が体重をかけて起立している止め板2を踏み倒そうとしたときに倒れない程度に強い力に設定する。この残存捩り弾力は、トーションバー11の両端を支持している軸端部材8、9のいずれかに正多角形ないしスプライン形の嵌合部20、21を設けることで、設置後に変更可能にすることができる。この嵌合部は、一般的に従動側の軸端部材9に設けるのが製造及び操作性に優れている。また、トーションバーとして正多角形のバー材を用いたときは、このバー材と軸端部材8、9との嵌合部を捩り弾力調整用の嵌合部として利用することができる。
【0016】
上記構造の車止め装置において、起立動作途中の止め板2の先端が車高の低い車両の底部に衝突したとき、あるいは起立している止め板2を車両で強引に乗り越えようとしたときは、その外力によってトーションバー11が止め板倒伏方向に更に捩られて、止め板2の起立を停止させ、あるいは止め板2を倒伏させて、大きな外力が車両底部に作用すること、あるいは大きくかつ衝撃的な外力によって車止め装置の止め板2や駆動部が損傷するのを防止する。また、起立している止め板2を乗り越えるために、人が体重をかけて止め板を無理に倒伏させようとしても、トーションバー11に捩り弾力が残っており、更に止め板2を倒伏させるに従って起立方向への付勢力が増大するので、そのような方法で料金を支払わないで駐車することを防止できる。
【0017】
止め板2が起立動作の途中で車両の底部などに当接して停止したとき、駆動源がそのまま回転し続けると、トーションバー11の捩り量が大きくなって、止め板2の先端に作用する力が増大してくる。この作用力の過度な増大は、当接対13、14の所定距離の離隔を検出するセンサ15を設けて、駆動源6を停止させることによって回避できる。また、トーションバー11の駆動側端部と駆動源6との間の回転伝達系の途中にウォーム減速機7を設けることにより、ウォーム減速機の軸保持作用により、ストッパやブレーキを設けなくても止め板2の停止位置を保持できると共に、止め板2が外力により余分に捩られたときのトルクを駆動源6側に伝達させないようにすることができ、止め板2の正確な作動を実現できると共に、外力による装置の損傷をより確実に防止でき、装置構造も簡単かつ小型にできる。
【0018】
トーションバーとして正多角断面のバー材を用いた構造は、大きなトルクが作用するトーションバーの軸端の固定構造を単純化できると共に、設置後のトーションバーの交換が容易に可能な構造にできるという長所がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明の車止め装置の実施形態を説明する。図1から図4は、止め板2の駆動系を示す図で、図5は外観を示す斜視図である。
【0020】
図5に示すように、装置全体は偏平な平面略矩形形状で、駐車場の床面にアンカーボルトなどで固定されるフレーム3を備えている。フレーム3の長手両端には、機械室1と軸受室4とが設けられている。車両の片輪が乗り越える中央部は、車両が容易に乗り越えることができる偏平な山形断面となっており、その斜面の一方は、フレーム3に固定した固定踏板5で形成され、他方は固定踏板側の長手方向の辺(基辺)回りに揺動して起伏する止め板2で形成されている。図5の実線は、止め板2の倒伏状態を示しており、車の通過を阻止するときは、図5に想像線で示すように起立する。
【0021】
図1は、止め板2の駆動系の全体斜視図で、電動機6、ウォーム減速機7及び駆動側軸端部材8が機械室1の内部に収容されている。また、従動側軸端部材9は、軸受室4内に収容されている。図1には、止め板2及びその基辺に固着された中空の従動軸10を一部破壊して、従動軸10の中空孔10aに挿通されたトーションバー11を示してある。軸端部材8、9は、フレーム3の同一軸線上に回転自在に軸支されており、駆動側軸端部材8からは、ホイール軸12が同一軸線上に延びている。図のトーションバー11は正六角断面の引抜き鋼材で、軸端部材8、9の軸心に設けた六角孔22、17に両端を嵌挿して装架されている。止め板2を固定している中空の従動軸10は、一端を相対回転可能にフレーム3又は駆動側軸端部材8に軸支され、他端を従動側軸端部材9に相対回動不能に固定して装架されている。ホイール軸12は、電動機6に直結したウォーム減速機7の出力軸である。
【0022】
電動機6の回転は、ウォーム減速機7を経て駆動側軸端部材8に伝達される。駆動側軸端部材の回転は、その軸心に嵌挿されたトーションバー11の基端に伝達され、トーションバー11の先端の回転は、当該先端に嵌合された従動側軸端部材9を介して従動軸10に伝えられて、止め板2を起伏させる。駆動側軸端部材8と従動軸10とは連結されておらず、従ってトーションバー11に捩れ変形が生ずると、従動軸10と駆動側軸端部材8との間に、その捩れ角に対応する軸回りの角度差が生ずる。
【0023】
図2、3に示すように、駆動側軸端部材8には、従動軸10の駆動側端部外周に延びる腕13が固着されている。一方、従動軸の駆動側軸端には、従動軸10が止め板2を起立させる方向に回転したときに、腕13に当接する爪14が固着されている。更に駆動側軸端部材8には、爪14が腕13から所定距離離隔したとき、即ち腕13と爪14との当接位置から止め板2が所定角度倒伏方向に回動したときに、爪14の当該相対移動を検出する光電センサ15が設けられている。図3に示すように、駆動側端部を駆動側軸端部材8に嵌挿したトーションバー11は、従動軸10の中空孔10aと爪14の中心孔14aを貫通している。
【0024】
腕13と爪14とは、止め板2を起立させる方向のトーションバー11の初期捩り力(図3の矢印)により当接している。即ち、トーションバー11は、駆動側軸端部材8と従動側軸端部材9との間で予め捩り変形を与えた状態で装架されている。
【0025】
図に示した例では、図4に示す構造により、トーションバー11の初期捩り力を調整できるようになっている。図4の従動側軸端部材9は、従動軸10に固定された内側部材16とトーションバー11に嵌合する六角孔17を設けた外側部材18とに分割されている。六角孔17は外側部材18の軸心を貫通しており、外側部材18は、トーションバー11に対して相対回動不能かつ軸方向移動可能である。外側部材18には、トーションバー11に対する軸方向位置を固定するためのセットスクリュ19が設けられている。内側部材16の外側部材18に対向する面には、断面正六角形の嵌合突起20が設けられており、一方、外側部材18の内側部材16に向く面には、2つの六角孔を30度位相をずらして設けた12角の星型の嵌合孔21が設けられている。従って、内側部材16と外側部材18とは、30度ピッチで嵌合角度を変えることができ、内側部材に爪14を有する従動軸10が固定され、外側部材18にトーションバー11が嵌合されていることから、セットスクリュ19を緩めて外側部材18を外方にずらし、初期捩り力を増加又は減少する方向に30度回動させて内側部材16に嵌合してセットスクリュ19で固定することにより、トーションバー初期捩り力を変更できる。なお、トーションバー11は、内側部材16の軸心の円形の中心孔16aを貫通している。
【0026】
上記実施例の構造において、定常状態においては爪14、従って止め板2がトーションバー11の初期捩り力で腕13に押し付けられていることから、従動軸10はホイール軸12に固定された駆動側軸端部材8に弾性的に固定されていることになる。従って、電動機6でウォームを回転させることにより、ホイール軸12が回転し、止め板2が起伏する。
【0027】
止め板2の起立状態ないし起立動作途中の状態で、止め板2にトーションバー11の初期捩り力より大きな外力(モーメント)が加わると、トーションバー11が更に捩られて、ホイール軸12に対して止め板2が倒伏方向に相対回動する。即ち、起立している止め板を強引に乗り越えようとしたときには、このとき作用する外力により、止め板2が倒伏方向に回動し、また、起立動作の途中で止め板2が車両の底部に衝突したようなときは、電動機6が回転を続けても止め板2は停止状態を保つ。起立動作の途中で止め板2が停止したときは、電動機6の回転に従って腕13と爪14とが離隔して行くから、予め定めた離隔量となったときに、光電センサ15の検出信号により電動機6を停止させ、更に必要があれば所定量逆回転させることによって、止め板2が車両の底部等に大きな力で当接し続けることや当接したままになることを防止することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明により止め板に作用する過大な外力によって装置や車両に損傷を与えるのを有効に防止することができ、かつ人が体重をかけて押す程度の力では止め板を倒伏させることができず、かつ定常状態では、止め板2が駆動側に固定された状態となっているので、止め板の起伏位置を正確に制御できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】止め板の駆動機構を示す全体斜視図
【図2】図1のA方向から見た駆動側軸端部分の斜視図
【図3】図2のC方向から見た腕と爪とで形成された当接対を示す断面側面図
【図4】図1のB方向から見た従動側軸端部分の分解斜視図
【図5】図1と同方向から見た装置の外観図
【符号の説明】
2 止め板
3 フレーム
6 電動機
8 駆動側軸端部材
9 従動側軸端部材
10 中空の従動軸
11 トーションバー
13 腕
14 爪
15 光電センサ
17 六角孔
22 六角孔
Claims (3)
- 駐車場の床面に固定されるフレーム(3)と、このフレームに装着されて水平方向の軸回りに揺動して起伏する止め板(2)と、この止め板を起伏する駆動源(6)とを備えた無人駐車場の車止め装置において、止め板(2)の揺動中心となる中空の従動軸(10)と、この従動軸の中心孔に挿通されて当該従動軸の一端側で駆動源に連結され他端側で当該従動軸に連結されたトーションバー(11)と、このトーションバーに止め板(2)を起立方向に付勢する捩り弾力を残した状態で当該トーションバーの駆動側端部に対する止め板(2)の起立方向の回動を停止する当接対(13,14)とを備えている、無人駐車場の車止め装置。
- 前記当接対(13,14)の所定の離隔距離を検出するセンサ(15)を備えている、請求項1記載の車止め装置。
- トーションバー(11)が正多角断面のバー材であり、当該バー材が従動軸(10)の前記一端側と他端側とでフレーム(3)に軸支された駆動側と従動側の軸端部材(8,9)にそれらの軸心に設けた対応する正多角形孔(22,17)に軸方向に嵌挿して装架されている、請求項1又は2記載の車止め装置。
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Cited By (4)
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KR100830811B1 (ko) * | 2006-09-18 | 2008-05-20 | 충북대학교 산학협력단 | 종양표시인자 검출용 바이오센서 |
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CN105822119A (zh) * | 2016-05-24 | 2016-08-03 | 合肥皆达信息科技有限公司 | 一种挡车器装置 |
WO2018021744A1 (ko) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | (주)상경씨티 | 플랩형 노상주차 무인 차단장치 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298269A patent/JP2004132070A/ja not_active Revoked
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