JP2004112603A - 画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】図1に示す画像処理装置は、スキャナ部101から入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段(像域分離部103、第1のエッジ量算出部104)と、第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段(フィルタ処理部105等)と、第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段(第2のエッジ量算出部111)と、第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段(プリンタγ補正部112,中間調処理部113)と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】図1に示す画像処理装置は、スキャナ部101から入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段(像域分離部103、第1のエッジ量算出部104)と、第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段(フィルタ処理部105等)と、第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段(第2のエッジ量算出部111)と、第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段(プリンタγ補正部112,中間調処理部113)と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関し、詳細には、入力された画像信号を圧縮してメモリに記憶し、該記憶された画像信号を所定のタイミングで読み出した後に伸張して記録部に出力する画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像処理装置においては、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4色の版を重ねて印刷することで、カラー画像を得ている。その際、それぞれの色版を印刷するタイミングを制御するために、画像をメモリに一旦格納する必要があるが、必要なメモリの容量が膨大になるのを防ぐために、画像データを圧縮してメモリに格納する方法がとられている。また、取り込んだ画像を出力するだけではなく、デジタルデータとして保存し、PC上等で利用したいという要求があり、その際にも画像データを圧縮し、適当なデータ量にする必要がある。いずれにしても、デジタルカラー複写機においては、画像処理のある段階で圧縮処理を行うことが一般的になってきている。
【0003】
また、画質を向上させるために、取り込んだ画像データの各画素領域を像域分離して、文字領域または写真画像等の中間調領域であるかを判定し、画素毎に文字領域であるか中間調領域であるかを示す領域データを生成し、領域データに応じて画像処理を施すことが行われている。具体的には、画素領域に応じて、空間フィルタ処理や中間調処理でその処理の切り換えが行われている。
【0004】
従来の画像処理装置(例えば、特許文献1参照)として、入力された画像信号に対して文字やラインから構成される2値画像領域と写真や網点印刷等の中間調画像領域とを第1の像域分離手段で分離し、分離データに基づき第1の画像処理を施し、処理後の画像信号を圧縮蓄積し、蓄積した画像データを伸張し、伸張した画像信号に対してエッジの有無を識別する第2の像域分離手段によりエッジあり領域とエッジなし領域を判定し、その判定結果に基づき第2の画像処理を施す画像処理装置が公知である。
【0005】
すなわち、上記画像処理装置は、圧縮伸張後の画像信号から第2の像域分離手段によってエッジの有無を識別し、エッジあり領域とエッジなし領域の2つの画像領域に対して異なる処理(200線スクリーンと400線スクリーンの2つの線数の中間調処理の切り替え)を行うことにより、文字部の先鋭性と写真や印刷写真等の中間調画像部の階調性や粒状性を両立できるとしている。また、圧縮伸張前の画像データは第1の像域分離手段および第1の画像処理によって、文字と写真領域の両者に最適な空間周波数所が施されており、第2の像域分離手段では判別のラチチュードが広くなっているため、高い分離性能が得られるとしている。
【0006】
しかしながら、実際の網点画像(写真印刷画像)の中には、エッジ量の大きい領域が多くみられる。上記画像処理装置のように、第1の画像処理において、文字部に強調フィルタ、網点画像に平滑化フィルタを施したとしても、スクリーン線数の低い網点画像では十分な平滑化が行われないことが多く、第2の像域分離手段によってエッジありと判定される場合がある。また、上記画像処理装置では、エッジの有無をエッジ判定閾値によって2値的に判定しているため、ある網点線数画像においては、エッジあり領域とエッジなし領域が混在することは避けられないという問題がある。
【0007】
このため、強い平滑化フィルタを網点画像に施すようにすれば、どのような線数の網点画像でもエッジなしと判定できるように設定することが可能であるかも知れないが、このような強い平滑化フィルタでは網点上の文字に対しても強い平滑化が施されるため、文字の鮮鋭性のないぼやけた文字画像となってしまい実用的ではない。通常、ある程度文字の鮮鋭性を残したような平滑化フィルタあるいはバンドパスフィルタを用いるか、エッジ量に基づきフィルタの強度を制御する適応エッジフィルタを用いるのが一般的である。このようなフィルタ特性では、前述したように、網点画像中にエッジあり領域とエッジなし領域が混在した結果となり、200線スクリーンと400線スクリーンの混在した違和感のある再生画像となってしまう。
【0008】
とりわけ、第2の像域分離によるエッジの有無の判定は、非可逆の圧縮伸張処理が施された後の画像データに対して行われるのものであるので、圧縮伸張処理による画像歪みの影響を受けてその判定結果は非常に不安定なものとなり、網点画像における判定結果の混在はより顕著に現れる。そのため、非可逆な圧縮伸張処理が施された後の画像データに対して、エッジの有無を判定して画像処理を切り換えた場合、判定結果が混在した部分でデフェクト(混在による画質の悪さ、見苦しさ)が発生するという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−186866号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能な画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段と、前記第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段と、前記第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、第1の特徴量算出手段は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出し、第1の画像処理手段は、1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、カラー画像信号に対して画像処理を施し、圧縮手段は、第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮し、蓄積手段は、圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積し、伸張手段は、蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張し、第2の特徴量算出手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出し、第2の画像処理手段は、第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第2の画像特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として、前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段を含むことを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、エッジ量算出手段は、多値的な特徴量として、カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出する。
【0015】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする。
【0016】
上記発明によれば、中間調処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す。
【0017】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする。
【0018】
上記発明によれば、中間調処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す。
【0019】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用することを特徴とする。
【0020】
上記発明によれば、中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用する。
【0021】
また、請求項6にかかる発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施すフィルタ処理手段を含むことを特徴とする。
【0022】
上記発明によれば、フィルタ処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施す。
【0023】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第2の特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出する色判定手段と、を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする。
【0024】
上記発明によれば、第2の特徴量算出手段では、エッジ量算出手段は、多値的な特徴量としてカラー画像信号の多値的なエッジ量を算出し、色判定手段は、多値的な特徴量としてカラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出し、第2の画像処理手段は、エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行う。
【0025】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする。
【0026】
上記発明によれば、色判定手段は、特徴量として、カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出し、第1の色成分抑圧手段は、カラー画像信号に対して、色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う。
【0027】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段と、前記特徴量として、前記カラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出する文字判定手段と、を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号および前記文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする。
【0028】
上記発明によれば、第1の特徴量算出手段では、色判定手段は特徴量として、カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出し、文字判定手段は、特徴量としてカラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出し、第1の色成分抑圧手段は、カラー画像信号に対して、色判定手段の色判定信号および文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う。
【0029】
また、請求項10にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出する黒文字判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行う色消し処理手段を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、前記色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする。
【0030】
上記発明によれば、黒文字判定手段は、特徴量として、カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出し、色消し処理手段は、カラー画像信号に対して、黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行い、第2の画像処理手段は、エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行う。
【0031】
また、請求項11にかかる発明は、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明において、前記圧縮手段は、前記カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行うことを特徴とする。
【0032】
上記発明によれば、圧縮手段は、カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行う。
【0033】
また、請求項12にかかる発明は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0034】
上記発明によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいてカラー画像信号に対して画像処理を施し、画像処理されたカラー画像信号を圧縮し、圧縮されたカラー画像信号を蓄積し、蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張処理し、伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出し、当該算出された多値的な特徴量に基づいて伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す。
【0035】
また、請求項13にかかる発明は、コンピュータが実行するためのプログラムにおいて、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0036】
上記発明によれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を実現する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムの好適な実施の形態を、(実施の形態1)、(実施の形態2)、(実施の形態3)、(実施の形態4)、(実施の形態5)の順に詳細に説明する。
【0038】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる画像処理装置を図1〜図9を参照して説明する。図1は、実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図を示している。画像処理装置は、図1に示す如く、画像入力部101と、スキャナγ補正部102と、像域分離部103と、第1のエッジ量算出部104と、フィルタ処理部105と、色補正部106と、下色除去・墨生成部107と、圧縮部108と、蓄積部109と、第2のエッジ量算出部111と、プリンタγ補正部112と、中間調処理部113と、画像出力部114とを備えている。像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は、第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111は第2の特徴量算出手段を構成する。
【0039】
図1の画像処理装置の動作の概略を説明する。画像入力部101は、例えば、スキャナ等で構成されており、カラー原稿を光学的に読み取ってrgb各8bitのデジタル画像信号に変換して、rgb信号をスキャナγ補正部102および像域分離部103に出力するとともに、g信号を第1のエッジ量算出部104に出力する。
【0040】
スキャナγ補正部102は、画像入力部101から入力される反射率リニアなrgb信号を、LUT(ルックアップテーブル)等により、濃度リニアなRGB信号に変換して、RGB信号をフィルタ処理部105に出力する。
【0041】
像域分離部103は、画像入力部101から入力されるrgb信号を、画素画素単位(またはブロック単位)で、文字領域とそれ以外の画像領域に識別して、領域信号s1をフィルタ処理部105に出力する。ここで、それ以外の画像領域とは、網点画像領域(網点上の文字に関しては網点画像領域と識別される)や連続調画像領域や地肌領域のことである。
【0042】
第1のエッジ量算出部104は、画像入力部101から入力されるb信号に対して、画素単位(またはブロック単位)でエッジの度合いをエッジ量e1として算出し、エッジ量e1をフィルタ処理部105に出力する。
【0043】
フィルタ処理部105は、像域分離部103から入力される領域信号s1と第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量e1とに基づいて、スキャナγ補正部102から入力されるRGB信号に対して、適応的にエッジ強調処理または平滑化処理を施して、色補正部106に出力する。
【0044】
色補正部106は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号に対して、マスキング演算等によりプリンタ系の色材に適したCMY信号に変換して、CMY信号を下色除去・墨生成部107に出力する。
【0045】
下色除去・墨生成部107は、色補正部106から入力されるCMY信号に対して、下色除去・墨生成処理を施してCMYK信号に変換し、圧縮部108に出力する。
【0046】
圧縮部108は、下色除去・墨生成部107から入力されるCMYK信号の各信号に対して、所定の非可逆圧縮方式による圧縮処理を施し、圧縮処理したCMYK信号を蓄積部109に蓄積する。
【0047】
蓄積部109は、例えば、DRAMやハードディスク等からなり、圧縮部108で圧縮処理されたCMYK信号を格納する。
【0048】
伸張部110は、蓄積部109に格納された圧縮処理されたCMYK信号を読み出して伸張処理し、プリンタγ補正部112および第2のエッジ量算出部111に出力する。
【0049】
第2のエッジ量算出部111は、伸張部110から入力されるCMYK信号に対して、CMYK毎に所定のエッジ量算出フィルタを用いて、画素単位(またはブロック単位)で、エッジ量e2〜e5を算出し、プリンタγ補正部112および中間調処理部113に出力する。
【0050】
プリンタγ補正部112は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に基づいて、伸張部110から入力されるYMCK信号を、画像出力部114の出力特性にリニアな信号に変換して中間調処理部113に出力する。このプリンタγ補正部112は、中間調処理部113の処理内容に応じて連動して制御されるものであり、中間調処理の内容に起因する階調特性差を補正し、同一な濃度再現が得られるようにするものである。
【0051】
中間調処理部113は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に基づいて、プリンタγ補正部112から入力されるYMCK信号に対して、文字画像の鮮鋭性と、網点画像や連続調画像の粒状性や階調性を両立させるように、適応的にディザ処理を行って画像出力部114に出力する。
【0052】
画像出力部114は、例えば、レーザプリンタ等からなり、中間調処理部113から入力されるCMYK信号に応じた画像を記録紙等の記憶媒体に印写する。
【0053】
つぎに、像域分離部103、第1のエッジ量算出部104、フィルタ処理部105、色補正部106、および下色除去・墨生成部110等を詳細に説明する。
【0054】
[像域分離部103]
像域分離部103は、公知の像域分離処理を行う。像域分離処理に関しては、様々な方法が開示されており、例えば電子情報通信学会論文誌 ’92/1 Vol75−D−II No.1 pp.39−47「文字/絵柄(網点,写真)混在画像の像域分離方式」を使用することができる。かかる像域分離方式では、エッジ領域検出と網点領域検出の二つの検出結果に基づいて総合的に判定するものであるが、具体的には、白地上の文字は文字領域と判定し、網点上の文字を含む網点画像や連続調画像は絵柄領域(文字以外の領域)と判定している。像域分離部103の詳細な動作については上記論文に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0055】
[第1のエッジ量算出部104]
第1のエッジ量算出部104は、画像入力部101から入力されるg信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で、連続的な(多値的な)エッジ量を算出してフィルタ処理部105に出力する。図2は、第1のエッジ量算出部104の詳細な構成を示すブロック図である。第1のエッジ量算出部104は、図2に示す如く、エッジ量検出フィルタ181〜184と、絶対値化部185〜188と、最大値選択部189とから構成されている。
【0056】
エッジ量検出フィルタ181〜184は、それぞれ図3の(a)〜(d)に示す7×7マトリクスサイズの1次微分フィルタからなり、縦方向エッジ、横方向エッジ、左斜め方向エッジ、右斜め方向エッジをそれぞれ検出する。エッジ量検出フィルタ181〜184は、画像入力部101からそれぞれ入力されるg信号に対して、1次微分フィルタ処理を施して、その算出結果を絶対値化部185〜188にそれぞれ出力する。
【0057】
絶対値化部185〜188は、エッジ量検出フィルタ181〜184からそれぞれ入力される算出結果を絶対値化して最大値選択部189に出力する。
【0058】
最大値選択部189は、絶対値化部185〜188から入力される4つの絶対値のうち、最大のものを選択してエッジ量e1としてフィルタ処理部105に出力する。
【0059】
ここでは、1次微分フィルタによる例を示したが、2次微分フィルタを使用することにしても良い。2次微分フィルタは線の中央部分に高いエッジ量が算出されるため、エッジ強調処理にとって有利な場合がある。また、目的に応じて1次微分と2次微分を組み合わせたり、マトリクスサイズを変更することにしても良い。
【0060】
[フィルタ処理部105]
フィルタ処理部105は、スキャナγ補正処理部102から入力されるRGB信号に対して、RGB毎に、像域分離部103から入力される領域信号s1(文字/絵柄)と第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量信号e1とに基づいて、空間周波数特性の変換を行って色補正部106に出力する。ここでは、RGB信号のうちR信号を処理するブロックについて説明する。図4は、図1のフィルタ処理部105の詳細な構成を示すブロック図である。同図は、RGB信号のうちR信号を処理するブロックを示しており、G信号とB信号を処理するブロックも同様な構成であるのでその説明は省略する。
【0061】
フィルタ処理部105は、図4に示す如く、スルーバッファ1041と、エッジ強調処理部1042と、平滑化処理部1043と、適応エッジ強調処理部1044と、セレクタ1045とを備えている。
【0062】
図4において、上側のパス(スルーバッファ1041と、エッジ強調処理部1042)は文字領域の処理系、下側のパス(平滑化処理部1043と、適応エッジ強調処理部1044)は絵柄領域の処理系である。スキャナγ補正処理部102から出力されるR信号は、スルーバッファ1041および平滑処理部1043に入力される。
【0063】
スルーバッファ1041は、スキャナγ補正処理部102から入力されるR信号を一時的に格納して、エッジ強調処理部1041に出力する。エッジ強調処理部1042は、入力されるR信号に対してエッジ強調フィルタにより均一なエッジ強調処理を行ってセレクタ1045に出力する。図5は、エッジ強調フィルタのフィルタ係数の一例を示すものであり、文字の鮮鋭性を重視した設計となっている。
【0064】
平滑化処理部1043は、スキャナγ補正処理部102から入力されるR信号に対して、平滑化フィルタによって平滑化を施し、適応エッジ強調処理部1044に出力する。図6は、平滑化フィルタのフィルタ係数の一例を示す図である。
【0065】
適応エッジ強調処理部1044は、第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量e1に基づいて、平滑化処理部1043から入力されるR信号に対して、適応的なエッジ強調処理を行って、セレクタ1045に出力する。
【0066】
図7は、図4の適用エッジ強調処理部1044の詳細な構成を示す図である。適用エッジ強調処理部1044は、図7に示す如く、ラプラシアンフィルタ1046と、加算器1047と、エッジ量変換テーブル1048と、乗算器1049とを備えている。
【0067】
エッジ量変換テーブル1048は、第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量信号e1を、変換テーブルによってエッジ量el’に変換して乗算器1049に出力する。図8は、エッジ量変換テーブル1048の出力特性を示す図である。エッジ量変換テーブル1048は、同図に示すように、入力されるエッジ量e1が小さい領域では、補正後のエッジ量e1’がさらに小さい値となる特性となっており、網点写真領域や文字の背景の網点部分などのエッジ量e1が比較的小さい領域は、補正によってさらにe1’を小さくなるように修正して弱いエッジ強調が適用されるようにしている。他方、入力されるエッジ量e1が比較的大きい領域では、補正後のエッジ量e1’は大きな値となる特性となっており、網点画像中の文字など比較的エッジ量の大きい領域は、補正によりさらにe1’を大きくなるように修正して強いエッジ強調が適用されるようにしている。
【0068】
ラプラシアンフィルタ1046および加算器1047には、平滑処理部1043から平滑処理後のR信号が入力される。ラプラシアンフィルタ1046は、平滑処理部1043から入力される平滑処理後のR信号に対して、図9に示すラプラシアンフィルタのフィルタ処理によりラプラシアン成分を抽出した後、乗算器1049に出力する。乗算器1049は、ラプラシアンフィルタ1046から出力されるラプラシアン成分と、エッジ量変換テーブル1048から入力される補正後のエッジ量e1’とを乗算して、加算器1047に出力する。加算器1047は、平滑処理部1043から入力される平滑処理後のR信号と加算器1047の出力を加算してセレクタ1045に出力する。
【0069】
セレクタ1045は、像域分離部103から入力される領域信号S1に基づいて、エッジ強調処理部1042から入力されるR信号と、適応エッジ強調処理部1044から入力されるR信号のいずれかを選択して色補正部105に出力する。これにより、網点部を強調せず、網点上の文字に対してエッジ強調を行うことができ、絵柄部の粒状性と文字鮮鋭性を両立した処理が可能となる。
【0070】
[色補正部106]
色補正部106は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号に対して、マスキング演算等によりプリンタ系の色材に適したCMY信号に変換して、CMY信号を下色除去・墨生成部107に出力する。下式(1)は、マスキング演算の一例を示している。
【0071】
C=α11×R+α12×G+α13×B+β1
M=α21×R+α22×G+α23×B+β2
Y=α31×R+α32×G+α33×B+β3 ・・・(1)
但し、α11〜α33およびβ1〜β3は予め定められた色補正係数
出力されるCMYは8bit(0〜255)の信号とする。
【0072】
[下色除去・墨生成部107]
下色除去・墨生成部107は、色補正部106から入力されるCMY信号に基づいて墨成分であるK信号を生成するとと共に、当該CMY信号から下色除去(UCR)を行って、CMYK信号を圧縮部108に出力する。K信号の生成およびCMY信号からの下色除去は、下式(2)の演算により行われる。
【0073】
K =Min(C,M,Y)×β4
C’=C−K×β5
M’=M−K×β5
Y’=Y−K×β5 ・・・(2)
但し、Min(C,M,Y)は、CMY信号のうち最小のものを表す。
β4,β5は予め定められた係数で8bitの信号とする。
【0074】
圧縮部108は、下色除去・墨生成部107から入力されるCMYK信号に対して圧縮処理を施して、蓄積部109に蓄積する。蓄積部109に一旦蓄積されたCMYK信号は、再び、伸張部110によって伸張処理され、プリンタγ補正部および第2のエッジ量算出部111に出力される。
【0075】
図示しない操作部などによって、ユーザから複数枚のコピー要求があった場合は、蓄積部109に蓄積された圧縮したCMYK信号をコピー枚数分複数回読み出し、後段の画像処理を施して出力するものである。圧縮部108で行われる圧縮方式は、非可逆な圧縮方式を使用する。なぜなら、多数枚にわたる原稿を複数部コピーする場合、電子ソートを備えた装置では蓄積部に何枚もの画像データを記憶する必要があるため、高い圧縮率で圧縮する必要がある。また、通常、蓄積部109をRAM等で実現するとコスト高になってしまうため、ハードディスク等の比較的安価な記憶手段が用いられるが、画像転送スピードが問題となるためできるだけ高い圧縮率にすることが要求されるためである。
【0076】
このように、非可逆な圧縮方式を用いると、伸張後の画像信号は画質的に歪んだものとなり、続いて処理される第2のエッジ量算出部111でのエッジ量算出に影響を及ぼしてしまう。これについては後で詳しく説明する。
【0077】
第2のエッジ量算出部111は、伸張部109から入力されるCMYK信号に対して、再度、各色毎に画素単位(またはブロック単位)で、連続的な(多値的な)エッジ量e2〜e5を算出して、プリンタγ補正部112および中間調処理部113に出力する。ここで、エッジ量e2〜e5の算出方法は、前述した第1のエッジ量算出部104と同様の方法を使用する。第1のエッジ量算出部104では、g信号に対してエッジ量算出を行っていたが、第2のエッジ量算出部111では、C,M,Y,K信号のそれぞれに対して連続的なエッジ量の算出を行う。
【0078】
プリンタγ補正部112と中間調処理部113は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に応じて、特性および処理を連続的に制御し、高品位な画像再生を実現する。ここで、エッジ量に基づく適応的なディザ処理は、例えば特開平6−326859号公報の「画像処理装置」に開示されて方法を使用することができる。同公報では、予め基本ディザテーブルを複数保持しており、入力されたエッジ量に基づき所定のディザテーブルを参照し、参照したディザテーブルとエッジ量に基づいて補間演算によってディザ閾値を算出する構成である。かかる構成とすれば、連続量として求められたエッジ量に対して連続的にディザ閾値を決定することができる。
【0079】
また、中間調処理部114の他の構成例としては、特開2001−128004号公報の「画像処理方法、画像処理装置及び記憶媒体」に開示されている技術を使用することができる。同公報では、誤差拡散処理の量子化閾値をディザ形状とするとともに、エッジ量によってそのディザ振幅の大きさを制御するよう構成している。具体的には、エッジ量の小さな絵柄部分には振幅の大きなディザ閾値を適用し、エッジ量の大きな文字の輪郭部分には振幅の小さなディザ閾値あるいは振幅をゼロにした閾値を適用することにより、文字の鮮鋭性と絵柄部の粒状性を両立するものである。また、同公報では、エッジ量に基づき求められた倍率を基本となるディザ振幅に乗算して振幅レベルを制御する方法が開示されている。
【0080】
第2のエッジ量算出部111で算出したエッジ量e2〜e5を、前述したようなエッジ量に基づき連続的に制御される中間調処理部113に入力し、中間調処理を施こすことによってデフェクトのない高品質な画像再生を行うことができる。
【0081】
プリンタγ補正部112は、中間調処理部113に対する制御と連動して制御されるものであり、中間調処理方式の違いによる階調特性(プリンタのrawγ特性)を補正し、同一な出力濃度特性が得られるようにするものである。プリンタγ補正部112の補正特性は、特開平6−326859号公報で開示されているディザ閾値を決定する方法と同様に、予め基本となるプリンタγテーブルを複数保持しており、入力されたエッジ量に基づき所定のプリンタγテーブルを参照し、参照したプリンタγテーブルとエッジ量に基づいて補間演算を行い、補正特性を決定するよう構成すれば良い。このように構成すれば、連続量として求められたエッジ量に対して連続的にプリンタγ補正特性を決定することができる。
【0082】
以上説明したように、図1に示す画像処理装置では、像域分離部103で生成した領域信号s1および第1のエッジ量算出部104で生成したエッジ量e1、すなわち、画像の特徴量を蓄積部109に蓄積していない。これは、領域信号S1やエッジ量e1等の画像の特徴量を蓄積部109に蓄積する必要性をなくして、その蓄積容量を削減するためであり、システムを簡素化する上で有効である。
【0083】
このような、画像の特徴量の蓄積部を持たない画像処理装置においては、圧縮後段での処理のために画像の特徴量を新たに生成する必要がある。図1に示す画像処理装置の場合は、プリンタγ補正部112と中間調処理部113を制御するための画像の特徴量が必要となる。これは、文字の鮮鋭性と絵柄部の粒状性を両立するためである。
【0084】
ところが、従来の画像処理装置(特許文献1)においては、後段の特徴量を求める手段がエッジの有無を2値的に判定するものであったため、判定結果が混在する領域では画像劣化を引き起こしていた。具体的には、100線程度の比較的低線数の網点部分にその混在がみられることが多かった。網点画像部に対して非常に強い平滑化をかければ混在領域をより低線数領域に追い込むことができるが、実際は網点上の文字画像に対してもある程度の鮮鋭性が必要とされるため、むやみに平滑化を強くすることはできない。網点上の文字の鮮鋭性を向上しつつ背景の網点画像に対して平滑化を行うために、前述したようにフィルタ処理部104では、非文字領域(絵柄領域)に対して平滑化処理後に適応エッジ強調処理を施す構成となっているが、それでも100線程度の網点部で検出されるエッジ量と、網点上文字部で検出されるエッジ量は近い値となるため、十分な平滑化処理が行えないのが一般的である。このため、低線数の網点領域にエッジあり領域とエッジなし領域が混在し画質が劣化してしまうことになる。
【0085】
特に、非可逆な圧縮伸張手段を介した画像信号から特徴量を抽出する場合は均一な特徴量の抽出が行えなくなるため、それによる画質劣化は著しいものであった。そこで、実施の形態1で示したように、圧縮後段で抽出するエッジ量を連続的な値とし、さらにエッジ量に基づいて制御される画像処理手段(プリンタγ補正部112と、中間調処理部113)を連続的なものにすることにより、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制するようにしている。
【0086】
以上説明したように、実施の形態1では、連続的なエッジ量に基づき連続的にディザの閾値を制御し、また、それと同時に連続的にプリンタγ補正の特性を制御することにより、中間調処理の切り換えに起因するデフェクトを抑制している。
【0087】
また、中間調処理として、ディザ振幅閾値を用いた誤差拡散処理を使用しているので、文字に適用される閾値での階調特性と、絵柄に適用される閾値での階調特性が比較的似ており、処理の切り換えによる濃度差の少ない画像を得ることが可能となる。また、ディザ振幅を制御してディザの線数を制御していないので、切り換えによる悪さが目立たない処理として有効である。
【0088】
以上のように構成することにより、前段の画像の特徴量を使用しないで、圧縮伸張後の画像信号から画像の特徴量を抽出して処理を施す画像処理装置において、高画質な画像を再生することが可能となる。
【0089】
なお、実施の形態1では、圧縮後段の特徴量算出手段として、エッジ量を算出する手段(第1のエッジ量算出部111)を示したが、画像の特徴量を算出する手段は、これに限られるものではなく、例えば、網点画像の網点度合いを抽出する手段や、有彩画素か無彩画素かの度合いを抽出する手段でも良く、圧縮伸張後の信号から特徴量を抽出する場合は多値的な連続量を使用すれば良いということである。
【0090】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる画像処理装置を図10〜図12を参照して説明する。図10は、実施の形態2にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図10において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。図10に示す実施の形態2の画像処理装置は、実施の形態1(図1)の構成において、伸張部110とプリンタγ補正部112との間に、第2のフィルタ処理部115を配置して、当該第2のフィルタ処理部115を第2のエッジ量算出部11で生成したエッジ量e2〜e5を用いて制御するものである。この実施の形態2の構成によれば、コピーを行っている最中に、ユーザが文字部の鮮鋭性のみを若干強くしたい場合や、鮮鋭性を若干弱くしたい場合などに対応でき、かつ高画質な画像を再生することが可能となる。第2のフィルタ処理部115より前段は、図1と同一の処理を行うため、その説明は省略する。
【0091】
第2のエッジ量算出部111は、実施の形態1と同様な方法で、CMYK信号の各色毎に画素単位(またはブロック単位)で、エッジ量e2〜e5を算出して、第2のフィルタ処理部115,プリンタγ補正部112、および中間調処理部113に出力する。
【0092】
第2のフィルタ処理部115は、図7に示した適応エッジ強調処理部1044と同様の構成である。第2のフィルタ処理部115は、要求された画質調整に応じて、伸張部110から入力されるCMYK信号を、第2のエッジ量算出部111で生成したエッジ量e2〜e5をエッジ変換テーブルで補正して出力する。
【0093】
具体的には、文字部の調整は、図11に示すようなエッジ変換テーブルを使用して調整を行い、標準に対して文字をシャープにする場合はエッジ量の大きな領域を標準より大きなデータに変換して出力し、逆にソフトにする場合はエッジ量の大きな領域を標準より小さなデータに変換し出力する。他方、絵柄部の調整は、図12に示すようなエッジ変換テーブルを使用して、絵柄部をシャープにする場合はエッジ量の小さな領域を標準より大きなデータに変換して出力する。このように制御することにより、シャープネスを微調整することが可能となる。
【0094】
本発明にかかる画像処理装置では、圧縮蓄積されたデータを繰り返し読み出して複数部のコピーを実現するものであるので、圧縮部の後段にフィルタ処理手段が必要となる。さらに、文字部、絵柄部など個別に鮮鋭性を制御するためには、実施の形態で示したようなエッジ量算出手段が必要である。ここで、実施の形態1と同様に圧縮伸張後の画像信号からエッジ量を求める場合、エッジの有無という2値的な判定では適応エッジ強調処理は滑らかに行うことができないため、フィルタ強度差が2値的に混在した違和感のある画像となってしまう。
【0095】
これに対して、実施の形態2では、第2のエッジ量算出部111で生成するエッジ量を連続量とし、連続的にフィルタリングを行うことによって高品質な画像再生を行うことが可能となる。
【0096】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる画像処理装置を図13を参照して説明する。図13は、実施の形態3にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図13において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図13に示す画像処理装置は、実施の形態1(図1)の構成において、フィルタ処理後の画像データに対して圧縮蓄積処理を行い、さらに、色判定部116を設けた構成となっている。図13において、像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111および色判定部116は第2の特徴量算出手段を構成する。
【0097】
圧縮部107は、フィルタ処理部107から入力されるフィルタ処理後のRGB信号に対して、非可逆的な圧縮処理を施して蓄積部108に格納する。
【0098】
伸張部109は、蓄積部108に蓄積されている圧縮処理されたRGB信号を伸張して、伸張したRGB信号を色補正部106および色判定部116に出力するとともに、G信号を第2のエッジ量算出部111に出力する。
【0099】
色判定部116は、伸張部109から入力されるRGB信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で、無彩色の度合いを示す連続的(多値的)な色判定信号c1を生成して下色除去・墨生成部110に出力する。第2のエッジ量算出部111は、前述(実施の形態1)の第1のエッジ量算出部104と同様な構成であり、伸張部109から入力されるG信号に対して微分フィルタによるフィルタ処理を施して多値的なエッジ量e2を生成し、下色除去・墨生成部110、プリンタγ補正部112,および中間調処理部113に出力する。
【0100】
下色除去・墨生成部110は、色判定部116から入力される連続的(多値的)な色判定信号c1と、第2のエッジ量算出部111から入力される連続的(多値的な)エッジ量e2とに基づき、色補正部110から入力されるCMY信号に対して、適応的に色成分の抑制を行って、CMYK信号をプリンタγ補正部112に出力する。
【0101】
ここで、エッジ検出結果と無彩色成分の判定結果に応じて墨生成を制御する方法としては、例えば、特許第2677283号などの方法がある。本実施の形態のような非可逆の圧縮伸張が施された画像信号に対しては、上記の色成分を抑制する処理を行う場合は、エッジ検出結果が多段階であることが望ましい。圧縮伸張によって劣化された画像信号からエッジ領域を検出する場合、画像信号の歪みのために本来、エッジ量が少ない箇所に比較的大きなエッジ量が検出される場合があるからである。このように、非可逆の圧縮伸張が施された後の信号に対してエッジ検出結果と無彩色成分の判定結果に応じて墨生成を制御する場合は、連続的(多値的)な特徴量を用いる必要がある。
【0102】
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる画像処理装置を図14〜図17を参照して説明する。図14は、実施の形態4にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図14において、図13と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図14に示す実施の形態4にかかる画像処理装置は、実施の形態3(図13)の構成において、フィルタ処理部105と圧縮部107の間に第1の色成分抑制部117を配置し、当該第1の色成分抑制部117が像域分離部103から入力される色判定信号c2に基づいて色成分の抑圧を行うように構成したものである。図14において、像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111および色判定部116が第2の特徴量算出手段を構成する。
【0103】
像域分離部103は、さらに、不図示の色判定手段を有しており、画像入力部101から入力されるRGB信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で無彩色であるか否かを示す色判定信号c2を生成して第1の色成分抑圧部117に出力する。
【0104】
図15は、第1の色成分抑制部117の詳細な構成を示すブロック図である。第1の色成分抑圧部117は、図15に示す如く、R成分抑圧部1171と、B成分抑圧部1172と、セレクタ1174とを備えている。
【0105】
R成分抑圧部1171は、R信号に対して、R=R+(G−R)・kの演算を行い、B成分抑圧部1172は、B信号に対して、B=B+(G−B)・kの演算を行って、G信号に近づけるような補正(無彩色への加工)を行ったR信号、B信号をそれぞれセレクタ1174に出力する。ここで、kは所定の比率を示しており、k=0〜1であり、「1」に近い方がG信号に近くなる。
【0106】
セレクタ1174には、ファイル処理部105から入力されるRGB信号と、G信号に近づけるような補正を行ったR信号、B信号とが入力され、像域判定部103から入力される色判定信号c2に基づいて、ファイル処理部105から入力されるRGB信号または補正(無彩色への加工)を行ったRGB信号(但し、G信号は補正されていない)のいずれかを選択して圧縮部107に出力する。具体的には、色判定信号c2が無彩色を示す場合には、補正(無彩色への加工)を行ったRGB信号を出力し、色判定信号c2が無彩色を示さない場合には、ファイル処理部105から入力されるRGB信号を出力する。
【0107】
このように、圧縮伸張前の劣化のない画像信号から得られた精度の高い色判定信号c2に基づき、色成分の抑圧を行うこととしたので、後段の色判定部116での色判定が比較的簡単な構成で高精度に行なうことが可能となる。
【0108】
また、画像データをより無彩色に加工することによって、圧縮部107における圧縮率の向上、または固定長圧縮方式であれば画質の向上が可能となる。特にRGB信号を一旦YUVやYIQのような輝度色差系の信号に変換して圧縮を施すような方式では、無彩色に加工することでより色差信号の値が小さくなり圧縮率を向上させることが可能となる。
【0109】
図16は、図14の第1の色成分抑制部117の他の構成例を示す図である。第1の色成分抑圧部117は、図17に示す如く、R成分抑圧部1175と、B成分抑圧部1176と、変換テーブル1177とを備えている。
【0110】
像域分離部103は、無彩色度合いを示す連続的(多値的)な色判定信号c2を第1の色成分抑圧部117に出力する。変換テーブル1177は、像域分離部103から無彩色度合いを示す色判定信号c2が入力され、当該色判定信号c2に応じて補正係数αを算出して、R成分抑圧部1175およびB成分抑圧部1176に出力する。図17は、変換テーブル1177の出力特性を示す図である。同図に示すように、変換テーブル1177は、補正係数α(0〜1)が無彩度合いを示す色判定信号c2が大きいほど1に近い大きな値となるように構成されている。
【0111】
R成分抑圧部1175は、R信号に対して、R=R+(G−R)・αの演算を行い、B成分抑圧部1176は、B信号に対して、B=B+(G−B)・αの演算を行って、それぞれ圧縮部117に出力する。これにより、無彩色に近い信号をより無彩色に加工して出力することが可能となる。
【0112】
図16の第1の色成分抑制部117によれば、多段階的に色成分の抑制が行え、2値的な制御よりも違和感のない画質を得ることができる。
【0113】
なお、実施の形態4では、第1の色成分抑圧部117は、色判定信号c2のみに基づいて色成分の抑制を行っていたが、写真原稿などの絵柄中の無彩色に近い信号に対してこのような処理を行うと色再現性、階調性が損なわれる場合があるため、文字と判定された画素に対してのみ前述のような色成分の抑制を行うように構成することにしても良い。
【0114】
(実施の形態5)
実施の形態5にかかる画像処理装置を図18〜図19を参照して説明する。図18は、実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図18において、図14と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図18に示す画像処理装置は、図14に示す画像処理装置において、第1の色成分抑制部117の替わりに色消し処理部120を設け、色判定部116の替わりに無彩画素抽出部118と黒文字再抽出部119を設けた構成である。図18において、像域分離部103、および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111、無彩画素抽出部118、および黒文字再抽出部119は、第2の特徴量算出手段を構成する。
【0115】
像域分離部103は、さらに、不図示の黒文字画素判定手段を備えており、画像入力部101から入力されるRGB信号に対して、画素単位で無彩色画素かつ文字画素であるか否かを判定して、無彩色画素かつ文字画素である場合に黒文字画素と判断し、黒文字画素であるか否かを示す黒文字信号c3を色消し処理部120に出力する。
【0116】
色消し処理部120は、フィルタ処理部120から入力されるRGB信号に対して、像域判定部103から入力される黒文字信号c3に基づいて、無彩色変換を行って圧縮部107に出力する。図19は、色消し処理部120の詳細な構成を示す図である。色消し処理部120は、図19に示す如く、R用平均化部1201と、G用平均化部1202と、B用平均化部1203と、セレクタ1204とを備えている。
【0117】
R用平均化部1201、G用平均化部1202、およびB用平均化部1203は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号を全信号で平均値化(R=G=B)して無彩色を表すRGB信号に変換し、セレクタに1204に出力する。セレクタ1204には、フィルタ処理部105からRGB信号が入力されるとともに、R用平均化部1201、G用平均化部1202、およびB用平均化部1203で各信号が全信号で平均化された無彩色を示すRGB信号が入力される。セレクタ1204は、像域分離部103から入力される黒文字信号c3が、黒文字画素を示す場合には、無彩色を示すRGB信号を、黒文字画素を示さない場合は、フィルタ処理部120から入力されるRGB信号をそのまま出力する。
【0118】
また、図18においては、無彩画素抽出部118および黒文字再抽出部119は、圧縮伸張後のRGB信号から色軽視情報部120で設定された黒文字情報を再抽出する。
【0119】
無彩画素抽出部118は、伸張部109から入力されるRGB信号に対して、R=G=Bである画素を黒文字画素候補n1として全て抽出して、黒文字再抽出部119に出力する。ここで、絵柄部においてもR=G=Bとなる画素は存在するため、これらの画素を排除することが必要となる。そこで、黒文字再抽出部119は、第2のエッジ量算出部111から入力される連続的なエッジ量e2からエッジ量が大きい領域を判定し、エッジ量が大きくかつ黒文字画素候補n1である画素を黒文字画素n2として、下色除去・黒生成部106に出力する。また、黒文字再抽出部119は、中程度のエッジ量e2が検出された場合は、周囲の画素に黒文字と判定された画素があるか否かにより判定を行い、周囲の画素に黒文字と判定された画素がある場合は、黒文字画素n2と判定する。
うようにしている。
【0120】
このように、連続的な(多値的な)エッジ量に基づき最終的な黒文字判定結果を決定するようにしたので、圧縮などの画像劣化の影響を受けにくい黒文字再抽出を行なうことが可能となる。
【0121】
下色除去・墨生成部110は、黒文字再抽出部119から入力される黒文字情報n2に応じて、完全なる色消し処理、いわゆる黒文字処理を行い、また黒文字以外の領域についてはエッジ量e2に応じた適応的な色成分の抑制を行うことで高精細な画像の再生を行うことが可能となる。
【0122】
ところで、上記した実施の形態では、圧縮処理をRGB信号に対して行うこととしたが、実施の形態4および実施の形態5における圧縮伸張方式は輝度色差系信号によるものが望ましい。RGB信号を一旦YUVやYIQのような輝度色差系の信号に変換し圧縮を施す方式では、より無彩色に加工することで色差信号の値が小さくなり圧縮率を向上させることができ、最終的な画質は高いものが得られる。また、黒文字情報の保存性という点についても、RGB系の圧縮ではR=G=Bなる関係が壊れやすいため不利である。輝度色差系信号の場合は、白地上の黒文字などは色差ゼロの信号が続くこととなるため、圧縮伸張によりR=G=Bなる関係が壊れることがないからである。
【0123】
以上のように、前段の分離により色成分を抑圧あるいは黒文字情報をR=G=Bなる形で画像データに埋め込んだ信号を、非可逆圧縮して蓄積し、伸張後の画像から再び特徴量を抽出し後段の処理を行うような画像処理装置では輝度色差系圧縮方式との組み合わせが大きな画質向上につながる。
【0124】
なお、本発明は複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また画像入力手段としてスキャナによる入力を例に挙げたが、デジタルカメラなどの撮像手段による入力でも構わないし、ネットワークを介して供給されるものでも構わない。
【0125】
また、本発明の画像処理装置は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェイス機器、スキャナ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器から構成される装置(例えば、複写機、デジタル複合機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0126】
また、本発明の目的は、上述した画像処理装置の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(または、CPU、MPU、DSP)が記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することによっても達成することが可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した画像処理装置の機能を実現することになり、そのプログラムコードまたはそのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記録媒体としては、FD、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ、ROMなどの光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体を使用することができる。
【0127】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した画像処理装置の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれること言うまでもない。
【0128】
また、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0129】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実行可能である。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる画像処理装置によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段と、前記第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段と、前記第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段と、を備えたこととしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【0131】
また、請求項2にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第2の画像特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として、前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段を含むこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、連続したエッジ量に基づき連続的に画像処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0132】
また、請求項3にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す中間調処理手段を含むこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的にディザ処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0133】
また、請求項4にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す中間調処理手段を含むこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的に誤差拡散処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0134】
また、請求項5にかかる画像処理装置によれば、請求項4にかかる発明において、前記中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用することとしたので、請求項4にかかる発明の効果に加えて、エッジ量に応じてより適切な閾値マトリクスを選択することが可能となるという効果を奏する。
【0135】
また、請求項6にかかる画像処理装置によれば、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施すフィルタ処理手段を含むこととしたので、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的にフィルタ処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0136】
また、請求項7にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第2の特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出する色判定手段と、を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、エッジ量に応じた色消しを行うことにより、圧縮による劣化があってもデフェクトの少ない色消し処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0137】
また、請求項8にかかる画像処理装置によれば、請求項7にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むこととしたので、請求項7にかかる発明の効果に加えて、前段の色判定結果による色成分の抑制によって、後段の色判定検出が簡単な構成で高精度に行うことができ、また、非可逆圧縮における画質劣化を小さいものにすることが可能となるという効果を奏する。
【0138】
また、請求項9にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段と、前記特徴量として、前記カラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出する文字判定手段と、を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号および前記文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、黒文字のみに色成分の抑制を行うことで写真原稿などの絵柄中画素の抑制を行わず、階調性、色再現性が損なわれないようにすることが可能となるという効果を奏する。
【0139】
また、請求項10にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出する黒文字判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行う色消し処理手段を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、前記色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、黒文字情報をカラー画像信号に埋め込むことで、圧縮後のカラー画像信号からの黒文字検出を簡単な構成で実現することが可能となるという効果を奏する。
【0140】
また、請求項11にかかる画像処理装置によれば、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明において、前記圧縮手段は、前記カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行うこととしたので、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、輝度色差系の信号に変換して圧縮することにより、より無彩色に加工された信号に対して圧縮率を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0141】
また、請求項12にかかる画像処理方法によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を含むこととしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【0142】
また、請求項13にかかるコンピュータが実行するためのプログラムによれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を実現することとしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のエッジ量算出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のエッジ量検出フィルタの一次微分フィルタを示す図である。
【図4】図1のフィルタ処理部の詳細な構成を示す図である。
【図5】ラプラシアンフィルタを示す図である。
【図6】平滑化フィルタを示す図である。
【図7】図4の適応エッジ強調処理部の詳細な構成を示す図である。
【図8】図7のエッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図9】ラプラシアンフィルタを示す図である。
【図10】実施の形態2にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図11】エッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図12】エッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図13】実施の形態3にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態4にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図15】図14の第1の色成分抑圧部の詳細な構成を示す図である。
【図16】図14の第1の色成分抑圧部の詳細な構成を示す図である。
【図17】図16の変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図18】実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図19】図18の色消し処理部の詳細な構成を示す図である。
【符号の説明】
101 画像入力部
102 スキャナγ補正部
103 像域分離部
104 第1のエッジ量算出部
105 フィルタ処理部
106 色補正部
107 下色除去・墨生成部
108 圧縮部
109 蓄積部
111 第2のエッジ量算出部
112 プリンタγ補正部
113 中間調処理部
114 画像出力部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関し、詳細には、入力された画像信号を圧縮してメモリに記憶し、該記憶された画像信号を所定のタイミングで読み出した後に伸張して記録部に出力する画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像処理装置においては、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4色の版を重ねて印刷することで、カラー画像を得ている。その際、それぞれの色版を印刷するタイミングを制御するために、画像をメモリに一旦格納する必要があるが、必要なメモリの容量が膨大になるのを防ぐために、画像データを圧縮してメモリに格納する方法がとられている。また、取り込んだ画像を出力するだけではなく、デジタルデータとして保存し、PC上等で利用したいという要求があり、その際にも画像データを圧縮し、適当なデータ量にする必要がある。いずれにしても、デジタルカラー複写機においては、画像処理のある段階で圧縮処理を行うことが一般的になってきている。
【0003】
また、画質を向上させるために、取り込んだ画像データの各画素領域を像域分離して、文字領域または写真画像等の中間調領域であるかを判定し、画素毎に文字領域であるか中間調領域であるかを示す領域データを生成し、領域データに応じて画像処理を施すことが行われている。具体的には、画素領域に応じて、空間フィルタ処理や中間調処理でその処理の切り換えが行われている。
【0004】
従来の画像処理装置(例えば、特許文献1参照)として、入力された画像信号に対して文字やラインから構成される2値画像領域と写真や網点印刷等の中間調画像領域とを第1の像域分離手段で分離し、分離データに基づき第1の画像処理を施し、処理後の画像信号を圧縮蓄積し、蓄積した画像データを伸張し、伸張した画像信号に対してエッジの有無を識別する第2の像域分離手段によりエッジあり領域とエッジなし領域を判定し、その判定結果に基づき第2の画像処理を施す画像処理装置が公知である。
【0005】
すなわち、上記画像処理装置は、圧縮伸張後の画像信号から第2の像域分離手段によってエッジの有無を識別し、エッジあり領域とエッジなし領域の2つの画像領域に対して異なる処理(200線スクリーンと400線スクリーンの2つの線数の中間調処理の切り替え)を行うことにより、文字部の先鋭性と写真や印刷写真等の中間調画像部の階調性や粒状性を両立できるとしている。また、圧縮伸張前の画像データは第1の像域分離手段および第1の画像処理によって、文字と写真領域の両者に最適な空間周波数所が施されており、第2の像域分離手段では判別のラチチュードが広くなっているため、高い分離性能が得られるとしている。
【0006】
しかしながら、実際の網点画像(写真印刷画像)の中には、エッジ量の大きい領域が多くみられる。上記画像処理装置のように、第1の画像処理において、文字部に強調フィルタ、網点画像に平滑化フィルタを施したとしても、スクリーン線数の低い網点画像では十分な平滑化が行われないことが多く、第2の像域分離手段によってエッジありと判定される場合がある。また、上記画像処理装置では、エッジの有無をエッジ判定閾値によって2値的に判定しているため、ある網点線数画像においては、エッジあり領域とエッジなし領域が混在することは避けられないという問題がある。
【0007】
このため、強い平滑化フィルタを網点画像に施すようにすれば、どのような線数の網点画像でもエッジなしと判定できるように設定することが可能であるかも知れないが、このような強い平滑化フィルタでは網点上の文字に対しても強い平滑化が施されるため、文字の鮮鋭性のないぼやけた文字画像となってしまい実用的ではない。通常、ある程度文字の鮮鋭性を残したような平滑化フィルタあるいはバンドパスフィルタを用いるか、エッジ量に基づきフィルタの強度を制御する適応エッジフィルタを用いるのが一般的である。このようなフィルタ特性では、前述したように、網点画像中にエッジあり領域とエッジなし領域が混在した結果となり、200線スクリーンと400線スクリーンの混在した違和感のある再生画像となってしまう。
【0008】
とりわけ、第2の像域分離によるエッジの有無の判定は、非可逆の圧縮伸張処理が施された後の画像データに対して行われるのものであるので、圧縮伸張処理による画像歪みの影響を受けてその判定結果は非常に不安定なものとなり、網点画像における判定結果の混在はより顕著に現れる。そのため、非可逆な圧縮伸張処理が施された後の画像データに対して、エッジの有無を判定して画像処理を切り換えた場合、判定結果が混在した部分でデフェクト(混在による画質の悪さ、見苦しさ)が発生するという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−186866号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能な画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段と、前記第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段と、前記第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、第1の特徴量算出手段は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出し、第1の画像処理手段は、1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、カラー画像信号に対して画像処理を施し、圧縮手段は、第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮し、蓄積手段は、圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積し、伸張手段は、蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張し、第2の特徴量算出手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出し、第2の画像処理手段は、第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第2の画像特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として、前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段を含むことを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、エッジ量算出手段は、多値的な特徴量として、カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出する。
【0015】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする。
【0016】
上記発明によれば、中間調処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す。
【0017】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする。
【0018】
上記発明によれば、中間調処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す。
【0019】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用することを特徴とする。
【0020】
上記発明によれば、中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用する。
【0021】
また、請求項6にかかる発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施すフィルタ処理手段を含むことを特徴とする。
【0022】
上記発明によれば、フィルタ処理手段は、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施す。
【0023】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第2の特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出する色判定手段と、を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする。
【0024】
上記発明によれば、第2の特徴量算出手段では、エッジ量算出手段は、多値的な特徴量としてカラー画像信号の多値的なエッジ量を算出し、色判定手段は、多値的な特徴量としてカラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出し、第2の画像処理手段は、エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行う。
【0025】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする。
【0026】
上記発明によれば、色判定手段は、特徴量として、カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出し、第1の色成分抑圧手段は、カラー画像信号に対して、色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う。
【0027】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段と、前記特徴量として、前記カラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出する文字判定手段と、を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号および前記文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする。
【0028】
上記発明によれば、第1の特徴量算出手段では、色判定手段は特徴量として、カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出し、文字判定手段は、特徴量としてカラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出し、第1の色成分抑圧手段は、カラー画像信号に対して、色判定手段の色判定信号および文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う。
【0029】
また、請求項10にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出する黒文字判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行う色消し処理手段を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、前記色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする。
【0030】
上記発明によれば、黒文字判定手段は、特徴量として、カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出し、色消し処理手段は、カラー画像信号に対して、黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行い、第2の画像処理手段は、エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行う。
【0031】
また、請求項11にかかる発明は、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明において、前記圧縮手段は、前記カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行うことを特徴とする。
【0032】
上記発明によれば、圧縮手段は、カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行う。
【0033】
また、請求項12にかかる発明は、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0034】
上記発明によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいてカラー画像信号に対して画像処理を施し、画像処理されたカラー画像信号を圧縮し、圧縮されたカラー画像信号を蓄積し、蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張処理し、伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出し、当該算出された多値的な特徴量に基づいて伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す。
【0035】
また、請求項13にかかる発明は、コンピュータが実行するためのプログラムにおいて、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0036】
上記発明によれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を実現する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムの好適な実施の形態を、(実施の形態1)、(実施の形態2)、(実施の形態3)、(実施の形態4)、(実施の形態5)の順に詳細に説明する。
【0038】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる画像処理装置を図1〜図9を参照して説明する。図1は、実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図を示している。画像処理装置は、図1に示す如く、画像入力部101と、スキャナγ補正部102と、像域分離部103と、第1のエッジ量算出部104と、フィルタ処理部105と、色補正部106と、下色除去・墨生成部107と、圧縮部108と、蓄積部109と、第2のエッジ量算出部111と、プリンタγ補正部112と、中間調処理部113と、画像出力部114とを備えている。像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は、第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111は第2の特徴量算出手段を構成する。
【0039】
図1の画像処理装置の動作の概略を説明する。画像入力部101は、例えば、スキャナ等で構成されており、カラー原稿を光学的に読み取ってrgb各8bitのデジタル画像信号に変換して、rgb信号をスキャナγ補正部102および像域分離部103に出力するとともに、g信号を第1のエッジ量算出部104に出力する。
【0040】
スキャナγ補正部102は、画像入力部101から入力される反射率リニアなrgb信号を、LUT(ルックアップテーブル)等により、濃度リニアなRGB信号に変換して、RGB信号をフィルタ処理部105に出力する。
【0041】
像域分離部103は、画像入力部101から入力されるrgb信号を、画素画素単位(またはブロック単位)で、文字領域とそれ以外の画像領域に識別して、領域信号s1をフィルタ処理部105に出力する。ここで、それ以外の画像領域とは、網点画像領域(網点上の文字に関しては網点画像領域と識別される)や連続調画像領域や地肌領域のことである。
【0042】
第1のエッジ量算出部104は、画像入力部101から入力されるb信号に対して、画素単位(またはブロック単位)でエッジの度合いをエッジ量e1として算出し、エッジ量e1をフィルタ処理部105に出力する。
【0043】
フィルタ処理部105は、像域分離部103から入力される領域信号s1と第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量e1とに基づいて、スキャナγ補正部102から入力されるRGB信号に対して、適応的にエッジ強調処理または平滑化処理を施して、色補正部106に出力する。
【0044】
色補正部106は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号に対して、マスキング演算等によりプリンタ系の色材に適したCMY信号に変換して、CMY信号を下色除去・墨生成部107に出力する。
【0045】
下色除去・墨生成部107は、色補正部106から入力されるCMY信号に対して、下色除去・墨生成処理を施してCMYK信号に変換し、圧縮部108に出力する。
【0046】
圧縮部108は、下色除去・墨生成部107から入力されるCMYK信号の各信号に対して、所定の非可逆圧縮方式による圧縮処理を施し、圧縮処理したCMYK信号を蓄積部109に蓄積する。
【0047】
蓄積部109は、例えば、DRAMやハードディスク等からなり、圧縮部108で圧縮処理されたCMYK信号を格納する。
【0048】
伸張部110は、蓄積部109に格納された圧縮処理されたCMYK信号を読み出して伸張処理し、プリンタγ補正部112および第2のエッジ量算出部111に出力する。
【0049】
第2のエッジ量算出部111は、伸張部110から入力されるCMYK信号に対して、CMYK毎に所定のエッジ量算出フィルタを用いて、画素単位(またはブロック単位)で、エッジ量e2〜e5を算出し、プリンタγ補正部112および中間調処理部113に出力する。
【0050】
プリンタγ補正部112は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に基づいて、伸張部110から入力されるYMCK信号を、画像出力部114の出力特性にリニアな信号に変換して中間調処理部113に出力する。このプリンタγ補正部112は、中間調処理部113の処理内容に応じて連動して制御されるものであり、中間調処理の内容に起因する階調特性差を補正し、同一な濃度再現が得られるようにするものである。
【0051】
中間調処理部113は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に基づいて、プリンタγ補正部112から入力されるYMCK信号に対して、文字画像の鮮鋭性と、網点画像や連続調画像の粒状性や階調性を両立させるように、適応的にディザ処理を行って画像出力部114に出力する。
【0052】
画像出力部114は、例えば、レーザプリンタ等からなり、中間調処理部113から入力されるCMYK信号に応じた画像を記録紙等の記憶媒体に印写する。
【0053】
つぎに、像域分離部103、第1のエッジ量算出部104、フィルタ処理部105、色補正部106、および下色除去・墨生成部110等を詳細に説明する。
【0054】
[像域分離部103]
像域分離部103は、公知の像域分離処理を行う。像域分離処理に関しては、様々な方法が開示されており、例えば電子情報通信学会論文誌 ’92/1 Vol75−D−II No.1 pp.39−47「文字/絵柄(網点,写真)混在画像の像域分離方式」を使用することができる。かかる像域分離方式では、エッジ領域検出と網点領域検出の二つの検出結果に基づいて総合的に判定するものであるが、具体的には、白地上の文字は文字領域と判定し、網点上の文字を含む網点画像や連続調画像は絵柄領域(文字以外の領域)と判定している。像域分離部103の詳細な動作については上記論文に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0055】
[第1のエッジ量算出部104]
第1のエッジ量算出部104は、画像入力部101から入力されるg信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で、連続的な(多値的な)エッジ量を算出してフィルタ処理部105に出力する。図2は、第1のエッジ量算出部104の詳細な構成を示すブロック図である。第1のエッジ量算出部104は、図2に示す如く、エッジ量検出フィルタ181〜184と、絶対値化部185〜188と、最大値選択部189とから構成されている。
【0056】
エッジ量検出フィルタ181〜184は、それぞれ図3の(a)〜(d)に示す7×7マトリクスサイズの1次微分フィルタからなり、縦方向エッジ、横方向エッジ、左斜め方向エッジ、右斜め方向エッジをそれぞれ検出する。エッジ量検出フィルタ181〜184は、画像入力部101からそれぞれ入力されるg信号に対して、1次微分フィルタ処理を施して、その算出結果を絶対値化部185〜188にそれぞれ出力する。
【0057】
絶対値化部185〜188は、エッジ量検出フィルタ181〜184からそれぞれ入力される算出結果を絶対値化して最大値選択部189に出力する。
【0058】
最大値選択部189は、絶対値化部185〜188から入力される4つの絶対値のうち、最大のものを選択してエッジ量e1としてフィルタ処理部105に出力する。
【0059】
ここでは、1次微分フィルタによる例を示したが、2次微分フィルタを使用することにしても良い。2次微分フィルタは線の中央部分に高いエッジ量が算出されるため、エッジ強調処理にとって有利な場合がある。また、目的に応じて1次微分と2次微分を組み合わせたり、マトリクスサイズを変更することにしても良い。
【0060】
[フィルタ処理部105]
フィルタ処理部105は、スキャナγ補正処理部102から入力されるRGB信号に対して、RGB毎に、像域分離部103から入力される領域信号s1(文字/絵柄)と第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量信号e1とに基づいて、空間周波数特性の変換を行って色補正部106に出力する。ここでは、RGB信号のうちR信号を処理するブロックについて説明する。図4は、図1のフィルタ処理部105の詳細な構成を示すブロック図である。同図は、RGB信号のうちR信号を処理するブロックを示しており、G信号とB信号を処理するブロックも同様な構成であるのでその説明は省略する。
【0061】
フィルタ処理部105は、図4に示す如く、スルーバッファ1041と、エッジ強調処理部1042と、平滑化処理部1043と、適応エッジ強調処理部1044と、セレクタ1045とを備えている。
【0062】
図4において、上側のパス(スルーバッファ1041と、エッジ強調処理部1042)は文字領域の処理系、下側のパス(平滑化処理部1043と、適応エッジ強調処理部1044)は絵柄領域の処理系である。スキャナγ補正処理部102から出力されるR信号は、スルーバッファ1041および平滑処理部1043に入力される。
【0063】
スルーバッファ1041は、スキャナγ補正処理部102から入力されるR信号を一時的に格納して、エッジ強調処理部1041に出力する。エッジ強調処理部1042は、入力されるR信号に対してエッジ強調フィルタにより均一なエッジ強調処理を行ってセレクタ1045に出力する。図5は、エッジ強調フィルタのフィルタ係数の一例を示すものであり、文字の鮮鋭性を重視した設計となっている。
【0064】
平滑化処理部1043は、スキャナγ補正処理部102から入力されるR信号に対して、平滑化フィルタによって平滑化を施し、適応エッジ強調処理部1044に出力する。図6は、平滑化フィルタのフィルタ係数の一例を示す図である。
【0065】
適応エッジ強調処理部1044は、第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量e1に基づいて、平滑化処理部1043から入力されるR信号に対して、適応的なエッジ強調処理を行って、セレクタ1045に出力する。
【0066】
図7は、図4の適用エッジ強調処理部1044の詳細な構成を示す図である。適用エッジ強調処理部1044は、図7に示す如く、ラプラシアンフィルタ1046と、加算器1047と、エッジ量変換テーブル1048と、乗算器1049とを備えている。
【0067】
エッジ量変換テーブル1048は、第1のエッジ量算出部104から入力されるエッジ量信号e1を、変換テーブルによってエッジ量el’に変換して乗算器1049に出力する。図8は、エッジ量変換テーブル1048の出力特性を示す図である。エッジ量変換テーブル1048は、同図に示すように、入力されるエッジ量e1が小さい領域では、補正後のエッジ量e1’がさらに小さい値となる特性となっており、網点写真領域や文字の背景の網点部分などのエッジ量e1が比較的小さい領域は、補正によってさらにe1’を小さくなるように修正して弱いエッジ強調が適用されるようにしている。他方、入力されるエッジ量e1が比較的大きい領域では、補正後のエッジ量e1’は大きな値となる特性となっており、網点画像中の文字など比較的エッジ量の大きい領域は、補正によりさらにe1’を大きくなるように修正して強いエッジ強調が適用されるようにしている。
【0068】
ラプラシアンフィルタ1046および加算器1047には、平滑処理部1043から平滑処理後のR信号が入力される。ラプラシアンフィルタ1046は、平滑処理部1043から入力される平滑処理後のR信号に対して、図9に示すラプラシアンフィルタのフィルタ処理によりラプラシアン成分を抽出した後、乗算器1049に出力する。乗算器1049は、ラプラシアンフィルタ1046から出力されるラプラシアン成分と、エッジ量変換テーブル1048から入力される補正後のエッジ量e1’とを乗算して、加算器1047に出力する。加算器1047は、平滑処理部1043から入力される平滑処理後のR信号と加算器1047の出力を加算してセレクタ1045に出力する。
【0069】
セレクタ1045は、像域分離部103から入力される領域信号S1に基づいて、エッジ強調処理部1042から入力されるR信号と、適応エッジ強調処理部1044から入力されるR信号のいずれかを選択して色補正部105に出力する。これにより、網点部を強調せず、網点上の文字に対してエッジ強調を行うことができ、絵柄部の粒状性と文字鮮鋭性を両立した処理が可能となる。
【0070】
[色補正部106]
色補正部106は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号に対して、マスキング演算等によりプリンタ系の色材に適したCMY信号に変換して、CMY信号を下色除去・墨生成部107に出力する。下式(1)は、マスキング演算の一例を示している。
【0071】
C=α11×R+α12×G+α13×B+β1
M=α21×R+α22×G+α23×B+β2
Y=α31×R+α32×G+α33×B+β3 ・・・(1)
但し、α11〜α33およびβ1〜β3は予め定められた色補正係数
出力されるCMYは8bit(0〜255)の信号とする。
【0072】
[下色除去・墨生成部107]
下色除去・墨生成部107は、色補正部106から入力されるCMY信号に基づいて墨成分であるK信号を生成するとと共に、当該CMY信号から下色除去(UCR)を行って、CMYK信号を圧縮部108に出力する。K信号の生成およびCMY信号からの下色除去は、下式(2)の演算により行われる。
【0073】
K =Min(C,M,Y)×β4
C’=C−K×β5
M’=M−K×β5
Y’=Y−K×β5 ・・・(2)
但し、Min(C,M,Y)は、CMY信号のうち最小のものを表す。
β4,β5は予め定められた係数で8bitの信号とする。
【0074】
圧縮部108は、下色除去・墨生成部107から入力されるCMYK信号に対して圧縮処理を施して、蓄積部109に蓄積する。蓄積部109に一旦蓄積されたCMYK信号は、再び、伸張部110によって伸張処理され、プリンタγ補正部および第2のエッジ量算出部111に出力される。
【0075】
図示しない操作部などによって、ユーザから複数枚のコピー要求があった場合は、蓄積部109に蓄積された圧縮したCMYK信号をコピー枚数分複数回読み出し、後段の画像処理を施して出力するものである。圧縮部108で行われる圧縮方式は、非可逆な圧縮方式を使用する。なぜなら、多数枚にわたる原稿を複数部コピーする場合、電子ソートを備えた装置では蓄積部に何枚もの画像データを記憶する必要があるため、高い圧縮率で圧縮する必要がある。また、通常、蓄積部109をRAM等で実現するとコスト高になってしまうため、ハードディスク等の比較的安価な記憶手段が用いられるが、画像転送スピードが問題となるためできるだけ高い圧縮率にすることが要求されるためである。
【0076】
このように、非可逆な圧縮方式を用いると、伸張後の画像信号は画質的に歪んだものとなり、続いて処理される第2のエッジ量算出部111でのエッジ量算出に影響を及ぼしてしまう。これについては後で詳しく説明する。
【0077】
第2のエッジ量算出部111は、伸張部109から入力されるCMYK信号に対して、再度、各色毎に画素単位(またはブロック単位)で、連続的な(多値的な)エッジ量e2〜e5を算出して、プリンタγ補正部112および中間調処理部113に出力する。ここで、エッジ量e2〜e5の算出方法は、前述した第1のエッジ量算出部104と同様の方法を使用する。第1のエッジ量算出部104では、g信号に対してエッジ量算出を行っていたが、第2のエッジ量算出部111では、C,M,Y,K信号のそれぞれに対して連続的なエッジ量の算出を行う。
【0078】
プリンタγ補正部112と中間調処理部113は、第2のエッジ量算出部111から入力されるエッジ量e2〜e5に応じて、特性および処理を連続的に制御し、高品位な画像再生を実現する。ここで、エッジ量に基づく適応的なディザ処理は、例えば特開平6−326859号公報の「画像処理装置」に開示されて方法を使用することができる。同公報では、予め基本ディザテーブルを複数保持しており、入力されたエッジ量に基づき所定のディザテーブルを参照し、参照したディザテーブルとエッジ量に基づいて補間演算によってディザ閾値を算出する構成である。かかる構成とすれば、連続量として求められたエッジ量に対して連続的にディザ閾値を決定することができる。
【0079】
また、中間調処理部114の他の構成例としては、特開2001−128004号公報の「画像処理方法、画像処理装置及び記憶媒体」に開示されている技術を使用することができる。同公報では、誤差拡散処理の量子化閾値をディザ形状とするとともに、エッジ量によってそのディザ振幅の大きさを制御するよう構成している。具体的には、エッジ量の小さな絵柄部分には振幅の大きなディザ閾値を適用し、エッジ量の大きな文字の輪郭部分には振幅の小さなディザ閾値あるいは振幅をゼロにした閾値を適用することにより、文字の鮮鋭性と絵柄部の粒状性を両立するものである。また、同公報では、エッジ量に基づき求められた倍率を基本となるディザ振幅に乗算して振幅レベルを制御する方法が開示されている。
【0080】
第2のエッジ量算出部111で算出したエッジ量e2〜e5を、前述したようなエッジ量に基づき連続的に制御される中間調処理部113に入力し、中間調処理を施こすことによってデフェクトのない高品質な画像再生を行うことができる。
【0081】
プリンタγ補正部112は、中間調処理部113に対する制御と連動して制御されるものであり、中間調処理方式の違いによる階調特性(プリンタのrawγ特性)を補正し、同一な出力濃度特性が得られるようにするものである。プリンタγ補正部112の補正特性は、特開平6−326859号公報で開示されているディザ閾値を決定する方法と同様に、予め基本となるプリンタγテーブルを複数保持しており、入力されたエッジ量に基づき所定のプリンタγテーブルを参照し、参照したプリンタγテーブルとエッジ量に基づいて補間演算を行い、補正特性を決定するよう構成すれば良い。このように構成すれば、連続量として求められたエッジ量に対して連続的にプリンタγ補正特性を決定することができる。
【0082】
以上説明したように、図1に示す画像処理装置では、像域分離部103で生成した領域信号s1および第1のエッジ量算出部104で生成したエッジ量e1、すなわち、画像の特徴量を蓄積部109に蓄積していない。これは、領域信号S1やエッジ量e1等の画像の特徴量を蓄積部109に蓄積する必要性をなくして、その蓄積容量を削減するためであり、システムを簡素化する上で有効である。
【0083】
このような、画像の特徴量の蓄積部を持たない画像処理装置においては、圧縮後段での処理のために画像の特徴量を新たに生成する必要がある。図1に示す画像処理装置の場合は、プリンタγ補正部112と中間調処理部113を制御するための画像の特徴量が必要となる。これは、文字の鮮鋭性と絵柄部の粒状性を両立するためである。
【0084】
ところが、従来の画像処理装置(特許文献1)においては、後段の特徴量を求める手段がエッジの有無を2値的に判定するものであったため、判定結果が混在する領域では画像劣化を引き起こしていた。具体的には、100線程度の比較的低線数の網点部分にその混在がみられることが多かった。網点画像部に対して非常に強い平滑化をかければ混在領域をより低線数領域に追い込むことができるが、実際は網点上の文字画像に対してもある程度の鮮鋭性が必要とされるため、むやみに平滑化を強くすることはできない。網点上の文字の鮮鋭性を向上しつつ背景の網点画像に対して平滑化を行うために、前述したようにフィルタ処理部104では、非文字領域(絵柄領域)に対して平滑化処理後に適応エッジ強調処理を施す構成となっているが、それでも100線程度の網点部で検出されるエッジ量と、網点上文字部で検出されるエッジ量は近い値となるため、十分な平滑化処理が行えないのが一般的である。このため、低線数の網点領域にエッジあり領域とエッジなし領域が混在し画質が劣化してしまうことになる。
【0085】
特に、非可逆な圧縮伸張手段を介した画像信号から特徴量を抽出する場合は均一な特徴量の抽出が行えなくなるため、それによる画質劣化は著しいものであった。そこで、実施の形態1で示したように、圧縮後段で抽出するエッジ量を連続的な値とし、さらにエッジ量に基づいて制御される画像処理手段(プリンタγ補正部112と、中間調処理部113)を連続的なものにすることにより、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制するようにしている。
【0086】
以上説明したように、実施の形態1では、連続的なエッジ量に基づき連続的にディザの閾値を制御し、また、それと同時に連続的にプリンタγ補正の特性を制御することにより、中間調処理の切り換えに起因するデフェクトを抑制している。
【0087】
また、中間調処理として、ディザ振幅閾値を用いた誤差拡散処理を使用しているので、文字に適用される閾値での階調特性と、絵柄に適用される閾値での階調特性が比較的似ており、処理の切り換えによる濃度差の少ない画像を得ることが可能となる。また、ディザ振幅を制御してディザの線数を制御していないので、切り換えによる悪さが目立たない処理として有効である。
【0088】
以上のように構成することにより、前段の画像の特徴量を使用しないで、圧縮伸張後の画像信号から画像の特徴量を抽出して処理を施す画像処理装置において、高画質な画像を再生することが可能となる。
【0089】
なお、実施の形態1では、圧縮後段の特徴量算出手段として、エッジ量を算出する手段(第1のエッジ量算出部111)を示したが、画像の特徴量を算出する手段は、これに限られるものではなく、例えば、網点画像の網点度合いを抽出する手段や、有彩画素か無彩画素かの度合いを抽出する手段でも良く、圧縮伸張後の信号から特徴量を抽出する場合は多値的な連続量を使用すれば良いということである。
【0090】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる画像処理装置を図10〜図12を参照して説明する。図10は、実施の形態2にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図10において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。図10に示す実施の形態2の画像処理装置は、実施の形態1(図1)の構成において、伸張部110とプリンタγ補正部112との間に、第2のフィルタ処理部115を配置して、当該第2のフィルタ処理部115を第2のエッジ量算出部11で生成したエッジ量e2〜e5を用いて制御するものである。この実施の形態2の構成によれば、コピーを行っている最中に、ユーザが文字部の鮮鋭性のみを若干強くしたい場合や、鮮鋭性を若干弱くしたい場合などに対応でき、かつ高画質な画像を再生することが可能となる。第2のフィルタ処理部115より前段は、図1と同一の処理を行うため、その説明は省略する。
【0091】
第2のエッジ量算出部111は、実施の形態1と同様な方法で、CMYK信号の各色毎に画素単位(またはブロック単位)で、エッジ量e2〜e5を算出して、第2のフィルタ処理部115,プリンタγ補正部112、および中間調処理部113に出力する。
【0092】
第2のフィルタ処理部115は、図7に示した適応エッジ強調処理部1044と同様の構成である。第2のフィルタ処理部115は、要求された画質調整に応じて、伸張部110から入力されるCMYK信号を、第2のエッジ量算出部111で生成したエッジ量e2〜e5をエッジ変換テーブルで補正して出力する。
【0093】
具体的には、文字部の調整は、図11に示すようなエッジ変換テーブルを使用して調整を行い、標準に対して文字をシャープにする場合はエッジ量の大きな領域を標準より大きなデータに変換して出力し、逆にソフトにする場合はエッジ量の大きな領域を標準より小さなデータに変換し出力する。他方、絵柄部の調整は、図12に示すようなエッジ変換テーブルを使用して、絵柄部をシャープにする場合はエッジ量の小さな領域を標準より大きなデータに変換して出力する。このように制御することにより、シャープネスを微調整することが可能となる。
【0094】
本発明にかかる画像処理装置では、圧縮蓄積されたデータを繰り返し読み出して複数部のコピーを実現するものであるので、圧縮部の後段にフィルタ処理手段が必要となる。さらに、文字部、絵柄部など個別に鮮鋭性を制御するためには、実施の形態で示したようなエッジ量算出手段が必要である。ここで、実施の形態1と同様に圧縮伸張後の画像信号からエッジ量を求める場合、エッジの有無という2値的な判定では適応エッジ強調処理は滑らかに行うことができないため、フィルタ強度差が2値的に混在した違和感のある画像となってしまう。
【0095】
これに対して、実施の形態2では、第2のエッジ量算出部111で生成するエッジ量を連続量とし、連続的にフィルタリングを行うことによって高品質な画像再生を行うことが可能となる。
【0096】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる画像処理装置を図13を参照して説明する。図13は、実施の形態3にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図13において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図13に示す画像処理装置は、実施の形態1(図1)の構成において、フィルタ処理後の画像データに対して圧縮蓄積処理を行い、さらに、色判定部116を設けた構成となっている。図13において、像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111および色判定部116は第2の特徴量算出手段を構成する。
【0097】
圧縮部107は、フィルタ処理部107から入力されるフィルタ処理後のRGB信号に対して、非可逆的な圧縮処理を施して蓄積部108に格納する。
【0098】
伸張部109は、蓄積部108に蓄積されている圧縮処理されたRGB信号を伸張して、伸張したRGB信号を色補正部106および色判定部116に出力するとともに、G信号を第2のエッジ量算出部111に出力する。
【0099】
色判定部116は、伸張部109から入力されるRGB信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で、無彩色の度合いを示す連続的(多値的)な色判定信号c1を生成して下色除去・墨生成部110に出力する。第2のエッジ量算出部111は、前述(実施の形態1)の第1のエッジ量算出部104と同様な構成であり、伸張部109から入力されるG信号に対して微分フィルタによるフィルタ処理を施して多値的なエッジ量e2を生成し、下色除去・墨生成部110、プリンタγ補正部112,および中間調処理部113に出力する。
【0100】
下色除去・墨生成部110は、色判定部116から入力される連続的(多値的)な色判定信号c1と、第2のエッジ量算出部111から入力される連続的(多値的な)エッジ量e2とに基づき、色補正部110から入力されるCMY信号に対して、適応的に色成分の抑制を行って、CMYK信号をプリンタγ補正部112に出力する。
【0101】
ここで、エッジ検出結果と無彩色成分の判定結果に応じて墨生成を制御する方法としては、例えば、特許第2677283号などの方法がある。本実施の形態のような非可逆の圧縮伸張が施された画像信号に対しては、上記の色成分を抑制する処理を行う場合は、エッジ検出結果が多段階であることが望ましい。圧縮伸張によって劣化された画像信号からエッジ領域を検出する場合、画像信号の歪みのために本来、エッジ量が少ない箇所に比較的大きなエッジ量が検出される場合があるからである。このように、非可逆の圧縮伸張が施された後の信号に対してエッジ検出結果と無彩色成分の判定結果に応じて墨生成を制御する場合は、連続的(多値的)な特徴量を用いる必要がある。
【0102】
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる画像処理装置を図14〜図17を参照して説明する。図14は、実施の形態4にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図14において、図13と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図14に示す実施の形態4にかかる画像処理装置は、実施の形態3(図13)の構成において、フィルタ処理部105と圧縮部107の間に第1の色成分抑制部117を配置し、当該第1の色成分抑制部117が像域分離部103から入力される色判定信号c2に基づいて色成分の抑圧を行うように構成したものである。図14において、像域分離部103および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111および色判定部116が第2の特徴量算出手段を構成する。
【0103】
像域分離部103は、さらに、不図示の色判定手段を有しており、画像入力部101から入力されるRGB信号に対して、画素単位(またはブロック単位)で無彩色であるか否かを示す色判定信号c2を生成して第1の色成分抑圧部117に出力する。
【0104】
図15は、第1の色成分抑制部117の詳細な構成を示すブロック図である。第1の色成分抑圧部117は、図15に示す如く、R成分抑圧部1171と、B成分抑圧部1172と、セレクタ1174とを備えている。
【0105】
R成分抑圧部1171は、R信号に対して、R=R+(G−R)・kの演算を行い、B成分抑圧部1172は、B信号に対して、B=B+(G−B)・kの演算を行って、G信号に近づけるような補正(無彩色への加工)を行ったR信号、B信号をそれぞれセレクタ1174に出力する。ここで、kは所定の比率を示しており、k=0〜1であり、「1」に近い方がG信号に近くなる。
【0106】
セレクタ1174には、ファイル処理部105から入力されるRGB信号と、G信号に近づけるような補正を行ったR信号、B信号とが入力され、像域判定部103から入力される色判定信号c2に基づいて、ファイル処理部105から入力されるRGB信号または補正(無彩色への加工)を行ったRGB信号(但し、G信号は補正されていない)のいずれかを選択して圧縮部107に出力する。具体的には、色判定信号c2が無彩色を示す場合には、補正(無彩色への加工)を行ったRGB信号を出力し、色判定信号c2が無彩色を示さない場合には、ファイル処理部105から入力されるRGB信号を出力する。
【0107】
このように、圧縮伸張前の劣化のない画像信号から得られた精度の高い色判定信号c2に基づき、色成分の抑圧を行うこととしたので、後段の色判定部116での色判定が比較的簡単な構成で高精度に行なうことが可能となる。
【0108】
また、画像データをより無彩色に加工することによって、圧縮部107における圧縮率の向上、または固定長圧縮方式であれば画質の向上が可能となる。特にRGB信号を一旦YUVやYIQのような輝度色差系の信号に変換して圧縮を施すような方式では、無彩色に加工することでより色差信号の値が小さくなり圧縮率を向上させることが可能となる。
【0109】
図16は、図14の第1の色成分抑制部117の他の構成例を示す図である。第1の色成分抑圧部117は、図17に示す如く、R成分抑圧部1175と、B成分抑圧部1176と、変換テーブル1177とを備えている。
【0110】
像域分離部103は、無彩色度合いを示す連続的(多値的)な色判定信号c2を第1の色成分抑圧部117に出力する。変換テーブル1177は、像域分離部103から無彩色度合いを示す色判定信号c2が入力され、当該色判定信号c2に応じて補正係数αを算出して、R成分抑圧部1175およびB成分抑圧部1176に出力する。図17は、変換テーブル1177の出力特性を示す図である。同図に示すように、変換テーブル1177は、補正係数α(0〜1)が無彩度合いを示す色判定信号c2が大きいほど1に近い大きな値となるように構成されている。
【0111】
R成分抑圧部1175は、R信号に対して、R=R+(G−R)・αの演算を行い、B成分抑圧部1176は、B信号に対して、B=B+(G−B)・αの演算を行って、それぞれ圧縮部117に出力する。これにより、無彩色に近い信号をより無彩色に加工して出力することが可能となる。
【0112】
図16の第1の色成分抑制部117によれば、多段階的に色成分の抑制が行え、2値的な制御よりも違和感のない画質を得ることができる。
【0113】
なお、実施の形態4では、第1の色成分抑圧部117は、色判定信号c2のみに基づいて色成分の抑制を行っていたが、写真原稿などの絵柄中の無彩色に近い信号に対してこのような処理を行うと色再現性、階調性が損なわれる場合があるため、文字と判定された画素に対してのみ前述のような色成分の抑制を行うように構成することにしても良い。
【0114】
(実施の形態5)
実施の形態5にかかる画像処理装置を図18〜図19を参照して説明する。図18は、実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図18において、図14と同等機能を有する部位には同一符号を付してあり、その説明を省略する。図18に示す画像処理装置は、図14に示す画像処理装置において、第1の色成分抑制部117の替わりに色消し処理部120を設け、色判定部116の替わりに無彩画素抽出部118と黒文字再抽出部119を設けた構成である。図18において、像域分離部103、および第1のエッジ量算出部104は第1の特徴量算出手段を構成し、第2のエッジ量算出部111、無彩画素抽出部118、および黒文字再抽出部119は、第2の特徴量算出手段を構成する。
【0115】
像域分離部103は、さらに、不図示の黒文字画素判定手段を備えており、画像入力部101から入力されるRGB信号に対して、画素単位で無彩色画素かつ文字画素であるか否かを判定して、無彩色画素かつ文字画素である場合に黒文字画素と判断し、黒文字画素であるか否かを示す黒文字信号c3を色消し処理部120に出力する。
【0116】
色消し処理部120は、フィルタ処理部120から入力されるRGB信号に対して、像域判定部103から入力される黒文字信号c3に基づいて、無彩色変換を行って圧縮部107に出力する。図19は、色消し処理部120の詳細な構成を示す図である。色消し処理部120は、図19に示す如く、R用平均化部1201と、G用平均化部1202と、B用平均化部1203と、セレクタ1204とを備えている。
【0117】
R用平均化部1201、G用平均化部1202、およびB用平均化部1203は、フィルタ処理部105から入力されるRGB信号を全信号で平均値化(R=G=B)して無彩色を表すRGB信号に変換し、セレクタに1204に出力する。セレクタ1204には、フィルタ処理部105からRGB信号が入力されるとともに、R用平均化部1201、G用平均化部1202、およびB用平均化部1203で各信号が全信号で平均化された無彩色を示すRGB信号が入力される。セレクタ1204は、像域分離部103から入力される黒文字信号c3が、黒文字画素を示す場合には、無彩色を示すRGB信号を、黒文字画素を示さない場合は、フィルタ処理部120から入力されるRGB信号をそのまま出力する。
【0118】
また、図18においては、無彩画素抽出部118および黒文字再抽出部119は、圧縮伸張後のRGB信号から色軽視情報部120で設定された黒文字情報を再抽出する。
【0119】
無彩画素抽出部118は、伸張部109から入力されるRGB信号に対して、R=G=Bである画素を黒文字画素候補n1として全て抽出して、黒文字再抽出部119に出力する。ここで、絵柄部においてもR=G=Bとなる画素は存在するため、これらの画素を排除することが必要となる。そこで、黒文字再抽出部119は、第2のエッジ量算出部111から入力される連続的なエッジ量e2からエッジ量が大きい領域を判定し、エッジ量が大きくかつ黒文字画素候補n1である画素を黒文字画素n2として、下色除去・黒生成部106に出力する。また、黒文字再抽出部119は、中程度のエッジ量e2が検出された場合は、周囲の画素に黒文字と判定された画素があるか否かにより判定を行い、周囲の画素に黒文字と判定された画素がある場合は、黒文字画素n2と判定する。
うようにしている。
【0120】
このように、連続的な(多値的な)エッジ量に基づき最終的な黒文字判定結果を決定するようにしたので、圧縮などの画像劣化の影響を受けにくい黒文字再抽出を行なうことが可能となる。
【0121】
下色除去・墨生成部110は、黒文字再抽出部119から入力される黒文字情報n2に応じて、完全なる色消し処理、いわゆる黒文字処理を行い、また黒文字以外の領域についてはエッジ量e2に応じた適応的な色成分の抑制を行うことで高精細な画像の再生を行うことが可能となる。
【0122】
ところで、上記した実施の形態では、圧縮処理をRGB信号に対して行うこととしたが、実施の形態4および実施の形態5における圧縮伸張方式は輝度色差系信号によるものが望ましい。RGB信号を一旦YUVやYIQのような輝度色差系の信号に変換し圧縮を施す方式では、より無彩色に加工することで色差信号の値が小さくなり圧縮率を向上させることができ、最終的な画質は高いものが得られる。また、黒文字情報の保存性という点についても、RGB系の圧縮ではR=G=Bなる関係が壊れやすいため不利である。輝度色差系信号の場合は、白地上の黒文字などは色差ゼロの信号が続くこととなるため、圧縮伸張によりR=G=Bなる関係が壊れることがないからである。
【0123】
以上のように、前段の分離により色成分を抑圧あるいは黒文字情報をR=G=Bなる形で画像データに埋め込んだ信号を、非可逆圧縮して蓄積し、伸張後の画像から再び特徴量を抽出し後段の処理を行うような画像処理装置では輝度色差系圧縮方式との組み合わせが大きな画質向上につながる。
【0124】
なお、本発明は複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また画像入力手段としてスキャナによる入力を例に挙げたが、デジタルカメラなどの撮像手段による入力でも構わないし、ネットワークを介して供給されるものでも構わない。
【0125】
また、本発明の画像処理装置は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェイス機器、スキャナ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器から構成される装置(例えば、複写機、デジタル複合機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0126】
また、本発明の目的は、上述した画像処理装置の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(または、CPU、MPU、DSP)が記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することによっても達成することが可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した画像処理装置の機能を実現することになり、そのプログラムコードまたはそのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記録媒体としては、FD、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ、ROMなどの光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体を使用することができる。
【0127】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した画像処理装置の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれること言うまでもない。
【0128】
また、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0129】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実行可能である。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる画像処理装置によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段と、前記第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段と、前記第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段と、を備えたこととしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【0131】
また、請求項2にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第2の画像特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として、前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段を含むこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、連続したエッジ量に基づき連続的に画像処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0132】
また、請求項3にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す中間調処理手段を含むこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的にディザ処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0133】
また、請求項4にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す中間調処理手段を含むこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的に誤差拡散処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0134】
また、請求項5にかかる画像処理装置によれば、請求項4にかかる発明において、前記中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用することとしたので、請求項4にかかる発明の効果に加えて、エッジ量に応じてより適切な閾値マトリクスを選択することが可能となるという効果を奏する。
【0135】
また、請求項6にかかる画像処理装置によれば、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施すフィルタ処理手段を含むこととしたので、請求項2〜請求項5のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、連続的なエッジ量に基づき連続的にフィルタ処理を制御することができ、よりデフェクトのない高品質な画像再生を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0136】
また、請求項7にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第2の特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出する色判定手段と、を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、エッジ量に応じた色消しを行うことにより、圧縮による劣化があってもデフェクトの少ない色消し処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0137】
また、請求項8にかかる画像処理装置によれば、請求項7にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むこととしたので、請求項7にかかる発明の効果に加えて、前段の色判定結果による色成分の抑制によって、後段の色判定検出が簡単な構成で高精度に行うことができ、また、非可逆圧縮における画質劣化を小さいものにすることが可能となるという効果を奏する。
【0138】
また、請求項9にかかる画像処理装置によれば、請求項1にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段と、前記特徴量として、前記カラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出する文字判定手段と、を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号および前記文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むこととしたので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、黒文字のみに色成分の抑制を行うことで写真原稿などの絵柄中画素の抑制を行わず、階調性、色再現性が損なわれないようにすることが可能となるという効果を奏する。
【0139】
また、請求項10にかかる画像処理装置によれば、請求項2にかかる発明において、前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出する黒文字判定手段を含み、前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行う色消し処理手段を含み、前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、前記色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うこととしたので、請求項2にかかる発明の効果に加えて、黒文字情報をカラー画像信号に埋め込むことで、圧縮後のカラー画像信号からの黒文字検出を簡単な構成で実現することが可能となるという効果を奏する。
【0140】
また、請求項11にかかる画像処理装置によれば、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明において、前記圧縮手段は、前記カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行うこととしたので、請求項8〜請求項10のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、輝度色差系の信号に変換して圧縮することにより、より無彩色に加工された信号に対して圧縮率を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0141】
また、請求項12にかかる画像処理方法によれば、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を含むこととしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【0142】
また、請求項13にかかるコンピュータが実行するためのプログラムによれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、を実現することとしたので、領域判定結果の混在によるデフェクト(画像の悪さ)を抑制して、ディフェクトのない高品位な画像を再生することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のエッジ量算出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のエッジ量検出フィルタの一次微分フィルタを示す図である。
【図4】図1のフィルタ処理部の詳細な構成を示す図である。
【図5】ラプラシアンフィルタを示す図である。
【図6】平滑化フィルタを示す図である。
【図7】図4の適応エッジ強調処理部の詳細な構成を示す図である。
【図8】図7のエッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図9】ラプラシアンフィルタを示す図である。
【図10】実施の形態2にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図11】エッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図12】エッジ量変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図13】実施の形態3にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態4にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図15】図14の第1の色成分抑圧部の詳細な構成を示す図である。
【図16】図14の第1の色成分抑圧部の詳細な構成を示す図である。
【図17】図16の変換テーブルの出力特性を示す図である。
【図18】実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図19】図18の色消し処理部の詳細な構成を示す図である。
【符号の説明】
101 画像入力部
102 スキャナγ補正部
103 像域分離部
104 第1のエッジ量算出部
105 フィルタ処理部
106 色補正部
107 下色除去・墨生成部
108 圧縮部
109 蓄積部
111 第2のエッジ量算出部
112 プリンタγ補正部
113 中間調処理部
114 画像出力部
Claims (13)
- 入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段と、
前記第1の特徴量算出手段で算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮手段と、
前記圧縮手段で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張手段と、
前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出手段と、
前記第2の特徴量算出手段で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記第2の画像特徴量算出手段は、前記多値的な特徴量として、前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいてディザ閾値を連続的に変化させたディザ処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、その量子化閾値をディザ形状の閾値マトリクスとし、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、前記ディザ形状の閾値マトリクスを決定する誤差拡散法に基づく処理を施す中間調処理手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記中間調処理手段は、エッジ量が大きい場合には平坦なディザ形状を有する閾値マトリクスを適用し、エッジ量が小さい場合には振幅の大きなディザ形状を有する閾値マトリクスを適用することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記第2の画像処理手段は、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対して、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量に基づいて、空間周波数特性の補正を連続的に変化させる適応フィルタ処理を施すフィルタ処理手段を含むことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 前記第2の特徴量算出手段は、
前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の多値的なエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、
前記多値的な特徴量として前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す多値的な色判定信号を算出する色判定手段と、
を含み、
前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段および色判定手段で算出された多値的なエッジ量および色判定信号に基づいて、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第1の特徴量算出手段は、
前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段を含み、
前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記第1の特徴量算出手段は、
前記特徴量として、前記カラー画像信号の無彩色の度合いを示す色判定信号を算出する色判定手段と、
前記特徴量として、前記カラー画像信号の文字の有無を示す文字判定信号を算出する文字判定手段と、を含み、
前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記色判定手段の色判定信号および前記文字判定手段の文字判定信号に基づいて、その色成分の抑圧を行う第1の色成分抑圧手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第1の特徴量算出手段は、前記特徴量として、前記カラー画像信号の黒文字の有無を示す黒文字判定信号を算出する黒文字判定手段を含み、
前記第1の画像処理手段は、前記カラー画像信号に対して、前記黒文字判定手段で算出された黒文字判定信号に基づいて、無彩色を表す信号値を設定する処理を行う色消し処理手段を含み、
前記第2の画像処理手段は、前記エッジ量算出手段で算出された多値的なエッジ量と、前記色消し処理手段で設定された信号値を有する画素情報とに基づき、前記伸張手段で伸張されたカラー画像信号に対してその色成分の抑圧を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記圧縮手段は、前記カラー画像信号を輝度色差系の信号に変換した後に圧縮を行うことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、
前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、
前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、
前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、
前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、
前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータが実行するためのプログラムにおいて、
入力されるカラー画像信号の特徴量を算出する第1の特徴量算出工程と、
前記算出された特徴量に基づいて、前記カラー画像信号に対して画像処理を施す第1の画像処理工程と、
前記第1の画像処理工程で画像処理されたカラー画像信号を圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程で圧縮されたカラー画像信号を蓄積する蓄積工程と、
前記蓄積手段に蓄積されている圧縮されたカラー画像信号を伸張する伸張工程と、
前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号の多値的な特徴量を算出する第2の特徴量算出工程と、
前記第2の特徴量算出工程で算出された多値的な特徴量に基づいて、前記伸張工程で伸張されたカラー画像信号に対して画像処理を施す第2の画像処理工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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