JP4007849B2 - 画像データ処理装置、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データ処理装置、プログラム、及び記録媒体、より詳細には、デジタルコピー機、特にカラーコピー機における画像データの裏写り補正処理を行うための画像処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、両面に印刷がなされた原稿をコピー機で複写する場合、その入力画像には表面の画情報だけでなく、紙を透けてきた裏面の画情報も混在している。このような裏写りの存在する画像データに対して標準の画像処理を施して紙に出力した場合、裏写り部分が混在して再現され、所望する表面画だけの出力を得ることができない。特に、薄い絵柄部の再現が要求されるカラーコピー機においてその傾向が顕著である。
【0003】
ここで、本出願人による裏写り補正技術として、例えば、特開2001−169080号公報に記載の発明は、エッジ強度から裏写り成分を推定し、背景色(紙の色または表面背景画の色)の推定を行い、該裏写り部分を該背景色で置換することによって裏写り成分の除去を行っている。裏写り成分の検出においては、上記エッジ強度以外に、色成分の2値化結果を利用したものや、また、背景色置き換え処理の前後での差分を利用して過剰補正を防止するものがある。このような裏写り補正技術を適切に施すことにより、裏写りのある入力画像でも品質のよい出力画像を得ることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原稿の種類、紙の種類などによって、裏写りの特徴・程度も変化する。そのため、上述の裏写り補正技術を適用する場合にパラメータを最適に設定する必要がある。
【0005】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、裏写りのあるような入力画像でも裏写り補正を最適に行うことにより、品質のよい出力画像を得られるようにすること、を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿から画像データを読み取り、該画像データに対して裏写り補正を施す画像データ処理装置において、前記原稿の特徴を判定する原稿特徴判定部と、前記原稿特徴判定部の判定結果に応じて、前記画像データに対してフィルタ処理を行う前処理部と、前記前処理部の結果得られた画像データに対して裏写り補正を行う裏写り補正部とを備え、前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が網点原稿であると判定された場合には、網点形状を緩和するためのフィルタ処理を行うことを特徴としたものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が万線階調処理原稿であると判定された場合には、万線によるエッジを緩和するフィルタ処理を施すことを特徴としたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が誤差拡散原稿であると判定された場合には、誤差拡散用のフィルタ処理を行うことを特徴としたものである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の画像データ処理装置としての機能をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用される画像データ処理装置の全体構成例を示すブロック図で、図中、11は原稿を読み取ってR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の3色の画像信号を生成するCCD素子を用いたカラー入力装置、12は原稿特徴判定処理部、13は裏写り補正処理部、14は入力画像データを出力画像データに変換する画像処理部、15は前記各処理部における一連の処理を経た画像データをプリントアウトするカラー出力装置である。
【0018】
原稿特徴判定処理部12は、プレスキャン時に画像全体の情報から入力画像全体の特徴量を判別する。具体的にはプレスキャン時に、例えば特許第3095767号に示された方法によって網点を含む原稿か否か判定する。この時の原稿特徴判定処理部12の構成は後述の図2に示す構成を含むことになる。
【0019】
図2は、プレスキャン時における原稿特徴判定処理部12の構成例を示すブロック図で、原稿特徴判定処理部12は、網点分離部12a,カウンタ12b,原稿認識部12cを含むものとする。網点分離部12aは、原稿における網点を分離する。カウンタ12bは、網点として判定された画素をカウントし、原稿認識部12cは、カウントした画素数がしきい値を越えたかどうかで網点原稿かどうか判定し、判定結果に応じて網点原稿として認識する。
【0020】
図3は、裏写り補正処理部13の構成例を示すブロック図で、裏写り補正処理部13は、前処理部13a,エッジ検出部13b,カラー成分2値化部13c,裏写り補正部13d,補正量算出部13e,補正画像合成部13fを有する。裏写り補正処理部13は、例えば、特開2001−169080号公報に記載された裏写り補正処理を行う。
【0021】
図3において、前段よりの画像データIinを入力とし、これに前処理部13aで縮小処理および平滑化処理を行う。この縮小処理は、例えば600dpiで入力されたRGBデータを、それぞれ300dpi相当に縮小する。2×2画素の平均値を取ることで実現する。また、平滑化処理は、縮小された画像データをさらに図4に示すような平滑化フィルタによりフィルタリングすることで行う。図4は、平滑化フィルタの一例を示す図である。
【0022】
次に、前処理部13aの出力画像データI2は、エッジ検出部13b、カラー成分2値化部13c、裏写り補正部13dおよび補正量算出部13eに入力する。エッジ検出部13bは、例えば、特開2001−169080号公報に記載のエッジ検出処理を行い、検出結果Etを出力する。カラー成分2値化部13cは、カラー成分2値化処理を行い、その処理結果Btを出力する。裏写り補正部13dは、上記Et,Bt,I2を入力し、例えば、特開2001−169080号公報に記載の方法で表面を保護しつつ、背景色推定を行い、裏面画像が混入している部分を推定背景色で置換える。この結果をI3とする。補正量算出部13eでは裏写り特徴量を検出する。すなわち、補正済画像データI3と、前処理部13aの出力である画像データI2の差分を取る。これが裏写り特徴量Tとなる。
【0023】
次に、補正画像合成部13fでは、上記特徴量Tが所定のしきい値より大きい場合、裏写り補正処理の誤りとみなし、入力画像データIinを出力画像データIoutとする。そうでない場合は補正済画像データI3を出力画像データIoutとする。裏写り補正処理部13は、原稿特徴判定処理部12に含まれる原稿判定部の判定結果によって内部動作が制御される構成になっている。例えば、原稿特徴判定処理部12が網点原稿判定を備える場合、入力画像に網点が含まれるか否かによって前処理部13aの平滑化処理のフィルタが変更される。網点が存在する場合、強い平滑化フィルタが選択され、網点が存在しない場合には、弱い平滑化フィルタが選択される構成となる。また、エッジ検出部13bにおいても、網点が含まれるか否かで処理を切り替える構成としてもよい。
【0024】
次に、画像処理部14は、裏写り補正された画像データを、後段のカラー出力装置15で品質良くプリントアウトできるように、図5及び図6に示す各種画像処理を行うものである。図5は、画像処理部14の構成例を示すブロック図で、画像処理部14は、入力画像の文字部と絵柄部を分離する像域分離部14a、文字部に適した処理を行う文字部用画像処理部14b、絵柄部に適した処理を行う絵柄部用画像処理部14c、像域分離の結果に従って文字部用画像処理部14bと絵柄部用画像処理部14cの処理データを選択する選択部14dを有する。図6は、文字部用画像処理部14bと絵柄部用画像処理部14cの内部構成例を示すブロック図で、これら文字部用画像処理部14bと絵柄部用画像処理部14cは、平滑化処理部141,適応エッジ強調部142,色補正/墨生成部143,適応下色除去部144,プリンタγ変換部145,中間調処理部146を有する。但し、前記各処理部の詳細構成は文字部用画像処理部14bと絵柄部用画像処理部14cでは異なる場合がある。
【0025】
適応下色除去部144は、画像の特徴量に基づいて下色除去量を調整する。プリンタγ変換部145は、プリンタの特性に応じて画像データに基づく信号を変換する。さらに中間調処理部146は、γ変換後のデータに対してディザ処理などを行う。上述の構成では、面順次でカラー画像を形成していて、画像データは、色補正/墨生成部143までR,G,Bの3信号として入力している。その後、適応下色除去部144まではK(黒)の画像データと、R,G,Bのいずれか一色との2信号がプリンタγ変換部145に入力し、以降は1回にプリントアウトされる画像データが1信号ずつ流れていくようになっている。
【0026】
(実施例)
図7は、本発明が適用される画像データ処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。まず、カラー入力装置11はプレスキャンを行う(ステップS1)。カラー入力装置11は原稿を読み取ってA/D変換した後、読み取った画素ごとに8bitの画像データを出力する。この画像データはR,G,Bの3信号として原稿特徴判定処理部12に入力する。ここで図1には示していないが、カラー入力装置11においては各CCDから得られた画像信号についてシェーディング補正やγ補正などの必要な前処理を適宜行うものとする。
【0027】
次に、原稿特徴判定処理部12では、例えば、網点分離を行い、網点として判定された画素をカウントし、その数がしきい値を越えたかどうかで網点原稿か否か判定を行う。判定結果は保持される(ステップS2)。
【0028】
次に、カラー入力装置11は本スキャンを行う(ステップS3)。カラー入力装置11は原稿を読み取ってA/D変換した後、読み取った画素ごとに8bitの画像データを出力する。この画像データはR,G,Bの3信号として裏写り補正処理部13に入力する。ここで図1には示していないが、カラー入力装置11においては各CCDから得られた画像信号についてシェーディング補正やγ補正などの必要な前処理を適宜行うものとする。
【0029】
次に、裏写り補正を行う(ステップS4)。前段よりの画像データIinを入力とし、これに前処理部13aで縮小処理および平滑化処理を行う。縮小処理は、例えば600dpiで入力されたRGBデータを、それぞれ300dpi相当に縮小する。2×2画素の平均値を取ることで実現する。平滑化処理は、縮小された画像データをさらに平滑化フィルタによりフィルタリングすることで行う。ここで、このフィルタは前述のステップS2における原稿特徴判定結果によって切り替わる。網点原稿と判定された場合は、網点形状を緩和するために強いフィルタを選択する(裏写り補正時のエッジ検出処理に悪影響があるため。)。非網点原稿と判定された場合は、弱いフィルタを選択する(網点は存在せず強い補正は不要であり、かつ、本来のエッジまで弱めないようにするため。)。また、エッジ検出部13bなど、裏写り補正処理部13の他の処理においても、網点原稿か否かで処理を適宜切り替えてもよい。
【0030】
前処理部13aからの出力画像データI2は、エッジ検出部13b、カラー成分2値化部13c、裏写り補正部13d及び補正量算出部13eに入力する。エッジ検出部13bは、例えば特開2001−169080号公報に記載のエッジ検出処理を行い、検出結果Etを出力する。カラー成分2値化部13cは、カラー成分2値化処理を行い、結果Btを出力する。
【0031】
裏写り補正部13dは、上記Et,Bt,I2を入力し、例えば特開2001−169080号公報に記載の方法で表面を保護しつつ、背景色推定を行い、裏面画像が混入している部分を推定背景色で置換える。この結果をI3とする。補正量算出部13eでは、裏写り特徴量を検出する。すなわち、補正済画像データI3と、前処理部13aの出力である画像データI2の差分を取る。これが裏写り特徴量Tとなる。
【0032】
補正画像合成部13fでは、上記特徴量Tが所定のしきい値より大きい場合、裏写り補正処理の誤りとみなし、入力画像データIinを出力画像データIoutとする。そうでない場合は補正済画像データI3を出力画像データIoutとする。
【0033】
上記裏写り補正出力画像を、像域分離部14aで文字・絵柄部の分離を行う(ステップS5)。さらに裏写り補正出力画像について、文字部用画像処理部14bおよび絵柄部用画像処理部14cで、ステップS6〜ステップS11の画像処理をそれぞれ行う。まず、像域分離には様々な構成があるが、例えば特許第2724177号に示す方法で網点分離を行い、また、例えば特許第3118469号に示す方法でエッジ分離を行い、また、例えば特許第3177508号に示す方法により網点分離信号とエッジ分離信号から文字・絵柄判定信号を生成する。
【0034】
以下、文字・絵柄判定信号に従った文字部用画像処理および絵柄部用画像処理について説明する。
まず、平滑化処理部141でフィルタリングされる(ステップS6)。このフィルタリングにより、プリントアウトされる画像にモアレやテクスチャが発生することを防ぐことができる。文字部用画像処理の場合、平滑化は行わないか、非常に弱いフィルタを選択する。次に、適応エッジ強調部142でエッジ強調を行う(ステップS7)。この場合、文字部用画像処理では強いエッジ強調を行い、絵柄部用画像処理では比較的弱いエッジ強調を行う。
【0035】
次に、色補正/墨生成部143で処理を行う(ステップS8)。この色補正は、カラー入力装置11(スキャナ)での色分解フィルタやインクの濁り成分を除去する処理であり、一般的な方法に、マスキング方式がある。このマスキング方式によれば、R,G,Bの画像データは以下に示す式によってC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(黒)の色データに置換えられる。すなわち、
C=K11×R+K12×G+K13×B+K14 ・・・式(1)
M=K21×R+K22×G+K23×B+K24 ・・・式(2)
Y=K31×R+K32×G+K33×B+K34 ・・・式(3)
ここで、K11〜K34は実験によって決定された係数である。
【0036】
また、色補正/墨生成部143では、上記式に従って決定されたC,M,Yの色データから、さらに以下の式に従ってKの色データを作成する。
K=min(C、M、Y) ・・・式(4)
このようにして得られたC,M,Y,Kの色データは、さらに適応下色除去部144に入力して変更される(ステップS9)。この変更は以下の式に従う。
K1=β×K ・・・式(5)
C1=C−K1 ・・・式(6)
M1=M−K1 ・・・式(7)
Y1=Y−K1 ・・・式(8)
なお、βは画像の特徴量を反映する係数であり、適応エッジ強調部142で求めたエッジ量に基づく値でもよいし、適応下色除去部144内で独自にエッジ量を求めてもよい。
【0037】
以上のようにして下色除去の処理が施された画像データは、プリンタγ変換部145でプリンタの特性に合わせてテーブル変換される(ステップS10)。この時、地肌を除去する処理やコントラストを強くする処理をこのテーブルで施すようにしてもよい。
【0038】
中間調処理部146では、ディザ処理や誤差拡散法によって画像の中間調を再現するよう画像データを処理する(ステップS11)。文字部の場合は解像性が高くなるように、絵柄部の場合は階調性が高くなるように処理を選択する。中間調処理部146からは、以上の処理がなされた画像データを再現するようにカラー出力装置15を制御する信号が出力する。カラー出力装置15では、この制御信号にしたがって駆動し、画像を面順次にプリントアウトする(ステップS12)。
【0039】
以上、説明したように本発明によると、原稿特徴判定処理部12の判定結果に基づいて平滑化処理のフィルタを適応的に選択し、選択したフィルタを入力画像データに施すことにより、最適な裏写り補正を行うことができる。
【0040】
図8は、画像処理部14の他の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、像域分離には裏写り補正前の信号を入力し、文字部用画像処理および絵柄部用画像処理には裏写り補正後の信号を入力する構成もある。像域分離の動作が裏写り補正によって影響を受けやすい場合はこの構成を採用する。
【0041】
また、原稿特徴判別処理における別の実施例として、万線階調処理原稿か否か判定する構成もある。この際、万線と判定された場合には、裏写り補正処理の前処理部13aにおいて万線によるエッジを緩和するフィルタを選択する。また、エッジ検出部13b〜補正画像合成部13fにおける処理も万線に適した処理に変更してもよい。これにより、網点印刷原稿だけでなく、万線階調処理されることの多い複写機の出力原稿などでも精度のよい裏写り補正が可能となる。
【0042】
また、原稿特徴判別処理における別の実施例として、誤差拡散原稿であるか否か判定する構成もある。誤差拡散判定には、例えば特開平9−261461号公報に記載の方法などを使用すればよい。誤差拡散と判定された場合には、裏写り補正処理の前処理部13aにおいて誤差拡散用のフィルタを選択する。また、エッジ検出部13b〜補正画像合成部13fにおける処理も誤差拡散に適した処理に変更してもよい。これにより、誤差拡散表現された原稿でも精度のよい裏写り補正が可能となる。
【0043】
また、原稿特徴判別処理における別の実施例として、網点の線数を検知する構成もある。線数検知には、例えば特開平9−275489号公報に記載の方式などを使用すればよい。検出した線数に従って、裏写り補正処理の前処理部13aにおいて網点線数に応じた平滑化フィルタを選択する。また、エッジ検出部13b〜補正画像合成部13fにおける処理も網点線数に適した処理に変更してもよい。これにより、裏写り補正の精度が向上する。
【0044】
また、原稿特徴判別処理における別の実施例として、地図原稿判定を行う構成もある。地図原稿判定は、例えば特開平9−65143号公報に記載の方式などを使用すればよい。地図原稿は一般に厚手の紙に印刷されることが多いため、裏写りは弱い。したがって、補正画像合成部13fにおいて、裏写り補正特徴量Tのしきい値を高めに設定し、補正強度を弱くする。また、エッジ検出部13b〜補正画像合成部13fにおける処理も地図原稿に適した処理に変更してもよい。これにより、裏写り処理による悪影響を抑えることが可能となる。
【0045】
図9は、本発明が適用される画像データ処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、プレスキャンを行わない構成もある。プレスキャンを行わない場合、原稿特徴判定処理部12は局所的な第一の範囲の画像データのみで判別処理を行う(ステップS22)。その第一の範囲は原稿全体ではなく、裏写り補正処理部13及び画像処理部14が対象とする第二の範囲の近傍となる。ここで、第一の範囲と第二の範囲は全く同一でもよいし、どちらかがどちらかを包含してもよい。また一部が重なっていてもよい。図9におけるステップS23からステップS31までの処理は、図7に示したステップS4からステップS12までの処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0046】
図10は、本発明が適用される画像データ処理装置のシステム構成例を示す図で、図中、21は画像入力装置、22はPC、23はプリンタである。上述した画像データ処理方法は、ソフトウェア(プログラム)としてPC22にインストールされて実行される。本実施例ではPC22上のソフトウェアとして画像処理がなされる。スキャナ等の画像入力機器21、またはネットワーク経由で画像データがPC22に取り込まれ、前述の図7又は図9に示したフローにより画像処理がなされ、最後にプリンタ23によってプリントアウトされる。本実施例の場合、原稿特徴判定の結果はメモリに一次保存され、適宜参照される。裏写り補正結果は入力画像データとは別にメモリに蓄えてもよいし、上書きしてもよい。像域分離の判定結果はメモリに一次保存され、適宜参照される。図7に示したステップS6からステップS11、または図9に示したステップS25からステップS30までの各画像処理は、上記保存された像域分離結果を逐次参照しながら処理を行う。
【0047】
最後に、PC22からプリンタ23へ送る画像データは、入力画像と同じRGBでもよいし、プリンタ出力用のCMYKデータでもよい。プリンタ側がそれぞれに対応した処理を行う。RGBで送付する場合、色補正以降の処理(図7に示したステップS8からステップS11、図9に示したステップS27からステップS30)は省略される。
【0048】
以上、本発明の画像データ処理装置における各実施形態における各機能を中心に説明してきたが、本発明は、方法としても説明したように画像データ処理方法としての形態をとることも可能である。また、この各機能を有する画像データ処理装置と同様に、コンピュータに画像データ処理装置として機能させるためのプログラムとしての形態も、あるいは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
【0049】
本発明による画像データ処理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリカードや、メモリスティック及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態の装置の機能をコンピュータに実行させ、画像データ処理の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる画像データ処理機能を実行することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によると、裏写りを生じるような原稿でも、裏写りの抑制された所望の出力画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される画像データ処理装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】 プレスキャン時における原稿特徴判定処理部の構成例を示すブロック図である。
【図3】 裏写り補正処理部の構成例を示すブロック図である。
【図4】 平滑化フィルタの一例を示す図である。
【図5】 画像処理部の構成例を示すブロック図である。
【図6】 文字部用画像処理部と絵柄部用画像処理部の内部構成例を示すブロック図である。
【図7】 本発明が適用される画像データ処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】 画像処理部の他の構成例を示すブロック図である。
【図9】 本発明が適用される画像データ処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図10】 本発明が適用される画像データ処理装置のシステム構成例を示す図である。
【符号の説明】
11…カラー入力装置、12…原稿特徴判定処理部、12a…網点分離部、12b…カウンタ、12c…原稿認識部、13…裏写り補正処理部、13a…前処理部、13b…エッジ検出部、13c…カラー成分2値化部、13d…裏写り補正部、13e…補正量算出部、13f…補正画像合成部、14…画像処理部、14a…像域分離部、14b…文字部用画像処理部、14c…絵柄部用画像処理部、14d…選択部、15…カラー出力装置、141…平滑化処理部、142…適応エッジ強調部、143…色補正/墨生成部、144…適応下色除去部、145…プリンタγ変換部、146…中間調処理部。
Claims (5)
- 原稿から画像データを読み取り、該画像データに対して裏写り補正を施す画像データ処理装置において、
前記原稿の特徴を判定する原稿特徴判定部と、
前記原稿特徴判定部の判定結果に応じて、前記画像データに対してフィルタ処理を行う前処理部と、
前記前処理部の結果得られた画像データに対して裏写り補正を行う裏写り補正部とを備え、
前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が網点原稿であると判定された場合には、網点形状を緩和するためのフィルタ処理を行うことを特徴とする画像データ処理装置。 - 前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が万線階調処理原稿であると判定された場合には、万線によるエッジを緩和するフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の画像データ処理装置。
- 前記前処理部は、前記原稿特徴判定部により前記原稿が誤差拡散原稿であると判定された場合には、誤差拡散用のフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像データ処理装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1に記載の画像データ処理装置としての機能をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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