JP5058183B2 - 画像処理装置、ならびにそれを備える画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、ならびにそれを備える画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、圧縮された画像データを高画質に復号するための画像処理装置、ならびにそれを備える画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体に関する。
近年のデジタル複合機(Multifunction Peripheral:略称MFP)には、画像データをハードディスクへファイリングする機能や、Scan-to-Emailといったイメージ送信機能などが搭載されている。このような機器では、画像データを保存、送信する際に画像データに対する圧縮処理が実施されており、その方式としてはおもにJPEG(Joint
Photographic Experts Group)圧縮方式が広く用いられている。
標準的なJPEG圧縮方式においては、量子化テーブル、サンプリング比など、いくつかのパラメータを設定することが可能である。これらのパラメータは圧縮画像の画質と圧縮率とのトレードオフを担うものであり、たとえば画質重視、圧縮率重視、もしくは両者を平均的に保つことを重視した設定という風に目的・嗜好に応じて調整することが可能であり、文字モードや写真モードなどの画像モードが選べる複写機やスキャナにおいては、画質と圧縮率とを考慮して様々な原稿に対応できる圧縮パラメータ(量子化テーブル)を選択できるように構成されている。
このように画像データに圧縮処理を施した場合、たとえば、ブロックノイズやリンギングノイズに代表されるノイズが、復号化された画像データに発生する場合がある。ブロックノイズは、画像がブロック状に分割されて見えるようなノイズであり、リンギングノイズは、モスキートノイズとも呼ばれ、画像内の輪郭の周囲等に顕れる霧状のノイズである。そこで、復号された画像データからノイズを低減するために、復号化された画像データに対して、平滑化処理を切り替える処理や中間調処理を切り替える処理がされている。
従来の技術では、復号された画像データにおいて、ブロックノイズ、リンギングノイズが生じているか否かの判定を行い、判定結果に基づいてフィルタ処理、中間調処理(誤差拡散処理)の切り替えを行う(たとえば特許文献1参照)。具体的には、復号された画像データを複数のブロックに分割し、注目ブロックと注目ブロック周辺の周辺ブロック(たとえば、8ブロック)について、ブロック毎の分散値の平均値を算出してブロックノイズが生じているか否か判定を行い、ブロックノイズが生じていると判定された場合、全ブロックの分散と閾値との比較を行ってノイズレベルを判定し、ノイズレベルに応じて平滑化の度合いを変更してフィルタ処理を行う。また、ブロックノイズが生じていないと判定された場合、(1)周辺ブロックの分散値と注目ブロックの分散値、(2)全ブロックの分散値と全ブロックの分散値の分散を用いて、リンギングノイズが生じているか否かの判定を行い、リンギングノイズが生じている場合、ブロックノイズに対する平滑化とは異なる特性の平滑化処理を行う。
特開2004−343334号公報
しかしながら従来の技術では、リンギングノイズがあると判定されると一様に平滑化されてしまうために、文字の画質が劣化するおそれがある。
また従来の技術では、分散では網点とブロックノイズとの区別ができず網点が一様に平滑されてしまうために、たとえば印刷物をスキャンした画像データなどの網点原稿に対応できないという問題がある。
また従来の技術では、(a)局所領域の分散ではノイズを正しく判定できず不必要に平滑化されてしまう、(b)分散のみではノイズと画像自体の特性とを区別できない、(c)たとえば文字、網点、印画紙写真およびベタおよび下地などの画像の領域に応じてフィルタ係数を適切に切り替えることができない、といった問題から、ノイズを判定する精度が不十分なため不本意な画質劣化を引き起こすおそれがある。
したがって本発明の目的は、圧縮された画像データに発生した画質劣化を改善し、良好な出力画像を得ることができる画像処理装置ならびにそれを備える画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体を提供することである。
本発明は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え
領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、
係数設定手段は、文字領域の高濃度領域に対して、
画質に関するレベルに係わらず同じ強調処理を施すフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、
係数設定手段は、文字領域の低濃度領域に対して、
画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなり、
画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、前記画質レベル判断手段は、
圧縮された画像データから量子化テーブルの値を抜き出す情報解析部と、
情報解析部が抜き出した量子化テーブルの値と、予め定める複数の閾値とを比較することによって画質レベルを判断するレベル判断部とを有することを特徴とする。
また本発明は、前記画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置である
また本発明は、前記画像処理装置を実現するための画像処理プログラムであって、コンピュータを前記の各手段として機能させるための画像処理プログラムである。
また本発明は、前記画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、画像処理装置において圧縮された画像データを復号して出力する際、画質レベル判断手段は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを自動的に判断する。そして、係数設定手段は、領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づいてフィルタ処理を行うフィルタ係数を設定する。そして、フィルタ手段は、復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を施す。このように、画像処理装置は、画質レベル判断手段で自動的に判断された画質レベルに基づいて、フィルタ処理を行うフィルタ係数を自動的に切り替えるので、画質レベルに応じた適切なフィルタ処理を施すことができる。
従来技術の画像処理装置は、圧縮された画像データを復号した後、その画素値の局所特性からノイズレベルを判断してフィルタ係数を切り替えている。そのため、従来技術の画像処理装置では、ノイズを判定する精度が不十分であり、それに伴い不本意なフィルタ処理が施されて画質劣化を引き起こすおそれがある。これに対して本発明の画像処理装置は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベル(すなわちノイズレベル)を判断してフィルタ係数を切り替えている。つまり、本発明の画像処理装置は、画像データを圧縮する際に設定された画質を担うパラメータである量子化テーブルの値を復号する際にも利用するので、画質レベルを精度よく判断することが可能となる。そして、本発明の画像処理装置は、前述のようにして判断した画質レベルに基づきフィルタ係数を切り替えるので、復号された画像データにおけるブロックノイズやリンギングノイズを適切に除去する最適なフィルタ処理を施すことが可能となる。そのため、本発明の画像処理装置は、従来技術の画像処理装置と比較して、画質劣化を大幅に改善することができる。したがって、本発明の画像処理装置では、高圧縮された画像データであっても低圧縮された画像データであっても常に良好な出力画像を得ることが可能となる。
た、画像処理装置において圧縮された画像データを復号して出力する際、画質レベル判断手段は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを自動的に判断する。そして、係数設定手段は、領域分離手段で得られた領域分離結果と、画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づいてフィルタ処理を行うフィルタ係数を設定する。そして、フィルタ手段は、復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を施す。このように、画像処理装置は、領域分離手段で分離された領域の種類と、画質レベル判断手段で自動的に判断された画質レベルとに基づいて、フィルタ処理を行うフィルタ係数を自動的に切り替えるので、圧縮された画像データに発生した画質劣化のレベルと、文字領域および網点領域を含む複数の領域に応じた適切なフィルタ処理が可能であり、さまざまな構成要素(領域)からなる画像データに対して、高画質な出力画像を得ることができる。したがって、圧縮された画像データに発生した文字周辺のモスキートノイズや、網点などの写真中のブロックノイズを適切に除去することができ、高圧縮された画像データであっても低圧縮された画像データであっても常に良好な出力画像を得ることが可能となる。
また、領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、係数設定手段は、文字領域の高濃度領域に対して、画質に関するレベルに係わらず同じ強調処理を施すフィルタ係数を設定する。これによって、文字がくっきり鮮明に再現される。
また本発明によれば、画像処理装置において圧縮された画像データを復号して出力する際、画質レベル判断手段は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを自動的に判断する。そして、係数設定手段は、領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づいてフィルタ処理を行うフィルタ係数を設定する。そして、フィルタ手段は、復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を施す。領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、係数設定手段は、文字領域の低濃度領域に対して、画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなり、画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定する。画質に関するレベルがある程度低くなるとモスキートノイズの度合いが大きくなるため、平滑処理を施しノイズをぼかして除去することにより出力画像の高画質化を図ることができる。一方、画質に関するレベルがある程度高くなるとモスキートノイズの度合いが小さくなるため、強調処理を施して文字をくっきり鮮明にすることにより出力画像の高画質化を図ることができる。
また本発明によれば、画像処理装置において圧縮された画像データを復号して出力する際、画質レベル判断手段は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを自動的に判断する。そして、係数設定手段は、領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づいてフィルタ処理を行うフィルタ係数を設定する。そして、フィルタ手段は、復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を施す。領域分離手段は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離し、領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定する。これによって、たとえば、圧縮処理のパラメータが全体的に高画質寄りになっている場合には、圧縮によるブロックノイズやモスキートノイズの度合いが全体的に小さく、過度にノイズを除去する必要がないため、強調処理で画像を尖鋭化することを重視することができる。
また本発明によれば、画像処理装置において圧縮された画像データを復号して出力する際、画質レベル判断手段は、圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを自動的に判断する。そして、係数設定手段は、領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づいてフィルタ処理を行うフィルタ係数を設定する。そして、フィルタ手段は、復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を施す。領域分離手段は、画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離し、領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなるフィルタ係数を設定する。これによって、たとえば、圧縮処理のパラメータが全体的に低画質寄りになっている場合には、圧縮によるブロックノイズやモスキートノイズの度合いが全体的に大きく、積極的にノイズを除去する必要があるため、平滑処理でぼかすことを重視することができる。
また本発明によれば、画質レベル判断手段において情報解析部が、圧縮された画像データから量子化テーブルの値を抜き出す。そして、レベル判断部が、情報解析部が抜き出した量子化テーブルの値と、予め定める複数の閾値とを比較することによって画質レベルを判断する。このように、画質レベル判断手段では、レベル判断部が量子化テーブルの値に基づいて画質レベルを判断するので、圧縮された画像データに発生した画質劣化の度合いを容易にかつ精度よく判断することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、前記画像処理装置を備える。画像処理装置が有する係数設定手段は、画質レベル判断手段で判断された画質レベルに応じて最適なフィルタ処理を行うことができるため、高圧縮された画像データであっても低圧縮された画像データであっても常に良好な出力画像を得ることが可能な画像形成装置を提供することができる。
また本発明によれば、画像処理プログラムは、コンピュータによって前記画像処理装置を実現することができる。
また本発明によれば、記録媒体は、前記画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体である。パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータに、記録媒体に記録される前記画像処理プログラムを読み込ませることによって、入力された圧縮画像データの画質レベルに応じて最適なフィルタ処理を施すことができ、良好な画像を出力することができる。
本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示すブロック図である。 画質レベル判断部11の構成を示すブロック図である。 JPEGコードのヘッダー情報に含まれる量子化テーブルQの座標を示す図である。 文字領域の高濃度側および低濃度側の分離の様子を示す図である。 フィルタ係数の一例を示す図である。 空間フィルタ部16の構成を示すブロック図である。 図5に示される各フィルタ係数の周波数特性を示すグラフである。 図5に示される各フィルタ係数の周波数特性を示すグラフである。 画像形成装置1における画像処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の他の形態の画像形成装置30の構成を示すブロック図である。 本発明の実施のさらに他の形態の画像形成装置40の構成を示すブロック図である。 画像形成装置40における画像処理の動作を示すフローチャートである。 コンピュータシステム50の一例を示す構成図である。
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、たとえば、デジタル複写機、あるいはコピア機能、プリンタ機能、ファクシミリ送信機能およびScan to E-mail機能などを備えた複合機として実現される。画像形成装置1は、インターフェイス2と、画像処理装置3と、画像出力装置4とを備えて構成されている。
画像処理装置3は、画質レベル判断部11と、JPEG伸張部12と、領域分離部13と、色補正部14と、黒生成および下色除去部(以下、「黒生成/下色除去部」という)15と、空間フィルタ部16と、中間調生成部17とを備えている。
インターフェイス2を介して画像処理装置3に入力される圧縮された画像データ(以下、「圧縮画像データ」という)は、画質レベル判断部11およびJPEG伸張部12へ引き渡される。なお、画質レベル判断部11をJPEG伸張部12の前段に設けるようにしてもよい。
ここで、インターフェイス2を介して画像処理装置3に入力される圧縮画像データは、RGB(R:赤、G:緑、B:青)のデジタルカラー画像信号(以下、「RGBデジタル信号」という)からなる画像データが、標準的に定められたJPEG(Joint
Photographic Experts Group)圧縮アルゴリズムを用いて符号化処理されて生成される、ヘッダー情報が付加されたJPEGコードである。JPEGコードに付加されるヘッダー情報は、標準的に定められたデータ形式のものであり、画像の幅・高さ、量子化テーブル、ハフマン符号化テーブルおよびサンプリング比などが規定のマーカー記号で区分けされて順に記述されているものである。
図2は、画質レベル判断部11の構成を示すブロック図である。また図3は、JPEGコードのヘッダー情報に含まれる量子化テーブル(Q−テーブル)の座標を示す図である。画質レベル判断部11は、画質レベル判断手段であり、ヘッダー解析部111と量子化テーブル判定部112とを含んで構成されている。
ヘッダー解析部111は、情報解析部であり、インターフェイス2から受け渡されたJPEGコードに対して、まずヘッダー情報を抜き出し、次にそのヘッダー情報の所定の区画から量子化テーブルの値を抜き出し、量子化テーブル判定部112へ引き渡す。なお、標準のJPEG規格によりヘッダー情報やその中の量子化テーブルの書き込み区画が定められているため、JPEG規格に準拠しているJPEGコードであれば、ヘッダー解析部111は、量子化テーブルの値を容易に抜き出すことができる。
量子化テーブル判定部112は、レベル判断部であり、受け渡された量子化テーブルの値に基づき、圧縮画像の画質レベルを判断する。ここで、量子化テーブルは、輝度信号用と色差信号用の2つのテーブルに分かれており、それぞれ8×8個の値からなる。本実施の形態では、量子化テーブル判定部112は、文字や網点などの画質に影響しやすい輝度信号用のテーブルを用いて画質レベルの判断を行う。
次に、画質レベル判断部11における画質レベルの判断方法の一例について説明する。本実施の形態では、ヘッダー解析部111は、ヘッダー情報に含まれる量子化テーブルにおける座標(4,4)の値を抜き出す。そして、量子化テーブル判定部112は、閾値処理を行うことで画質レベルを、高画質(画質レベル「4」)、比較的高画質(画質レベル「3」)、比較的低画質(画質レベル「2」)および低画質(画質レベル「1」)の4つのレベルに分ける。すなわち、量子化テーブル判定部112は、表1に示される判断式に基づいて、量子化テーブルの座標(4,4)の値が10以下である場合には、画質レベルが「4」(高画質)であると判断し、10より大きくかつ30以下である場合には、画質レベルが「3」(比較的高画質)であると判断し、30より大きくかつ50以下である場合には、画質レベルが「2」(比較的低画質)であると判断し、50より大きい場合には、画質レベルが「1」(低画質)であると判断する。
Figure 0005058183
このように、画質レベル判断部11が、量子化テーブルにおける複数の座標のうち、座標(4,4)の値を用いて画質レベルを判断するように構成されることによって、文字の周波数帯域に発生しやすいモスキートノイズのレベルを精度よく、かつ容易に判断することができる。
なお、量子化テーブルの値は、圧縮時に施される量子化の粗さを表しており、量子化テーブルの値が大きいほど粗く量子化され、小さいほど細かく量子化されていることを表すものである。したがって、量子化テーブルの値が大きいほど画質劣化が激しい(つまりモスキートノイズやブロックノイズが強く発生している)画像であると判断でき、量子化テーブルの値が小さいほど画質劣化が少ない(つまりモスキートノイズやブロックノイズがあまり発生していない)画像であると判断できる。なお、座標(0,0)の値は画像の直流成分、それ以外の座標は画像の交流成分に対する量子化の粗さを表している。
以上のようにして画質レベル判断部11で自動的に判断された画質レベルの情報は、空間フィルタ部16に引き渡されて、フィルタ処理のときに用いられるフィルタ係数を設定するときの考慮条件の1つとなる。
また、本実施の形態では、画質レベル判断部11は、輝度信号用の量子化テーブルのみを用いて画質レベルを判断するように構成されているが、色差信号用のテーブルを用いて判断するように構成されていてもよい。また、画質レベル判断部11は、量子化テーブルにおける座標(4,4)の値のみを用いて画質レベルを判断するように構成されているが、その他の座標の値を複数組み合わせて画質レベルを判断するように構成されていてもよい。たとえば、画質レベル判断部11は、小さな文字の画質を重視したい場合には、比較的高い周波数帯域に相当する座標(5,5)の値を用いて画質レベルを判断し、小さな文字から大きな文字までいずれの画質も平均的に重視したい場合には、比較的低い周波数帯域から高い周波数帯域に相当する座標(3,3)および座標(5,5)の値を組み合わせて画質レベルを判断するように構成される。さらに、本実施の形態では、画質レベルの段数を4段階で示しているが、段数はこれに限ったものではない。
JPEG伸張部12は、復号手段であり、JPEGコードのヘッダー情報を解読して符号コードを復号化する処理などを施し、RGBデジタル信号の画像データに伸張する。なお、ここで施される処理はすべて標準的に定められたJPEG伸張アルゴリズムに基づくものである。JPEG伸張部12からのRGBデジタル信号は、領域分離部13および色補正部14に与えられる。
領域分離部13は、領域分離手段であり、JPEG伸張部12で生成されたRGBデジタル信号の画像データに対して、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する。ここで、画像データを複数の領域に分離する処理とは、具体的には、画像データの各画素が、どのような種類の領域に属するか、判定を下す処理である。領域分離部13による領域分離方法の一例は後述するが、領域分離部13は、画像データの各画素を、文字領域、網点領域、およびそれ以外の領域(たとえば下地領域や印画紙写真領域などの領域)に分離し、分離結果を表す信号(以下、「領域分離信号」という)を、黒生成/下色除去部15、空間フィルタ部16、中間調生成部17にそれぞれ引き渡す。これによって、黒生成/下色除去部15、空間フィルタ部16および中間調生成部17において、各種領域に応じた適切な処理の切替えが行われる。
色補正部14は、JPEG伸張部12で生成されたRGBデジタル信号の画像データに対して、RGBデジタル信号の補色であるCMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)のデジタルカラー画像信号(以下、「CMYデジタル信号」という)を生成するとともに、色再現性を高める処理を施す。色補正部14は、色を忠実に再現するために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。処理方法としては、入力されるRGBデジタル信号と出力されるCMYデジタル信号の対応関係をLUT(ルックアップテーブル)としてもつ方法や、下記式(1)に示すような変換行列を用いるカラーマスキング法などがある。
Figure 0005058183
たとえば、カラーマスキング法を用いる場合には、あるCMYの画像データを画像出力装置4に与えた場合に出力される色のL* * * 値(CIE1976L* * * 信号(CIE:Commission International de l’Eclairage;国際照明委員会、また、L* :明度、a* ,b* :色度))と同じL* * * をもつカラーパッチが読み込まれたRGBの画像データと、画像出力装置4に与えたCMYの画像データの組を多数用意し、それらの組合せより式(1)のa11からa33までの変換行列の係数を算出し、算出した係数を用いて色補正処理を行う。より精度を高めたい場合は、二次以上の高次の項を加えればよい。色補正部14からのCMYデジタル信号は、黒生成/下色除去部15に与えられる。
黒生成/下色除去部15は、色補正後のCMYの3色のCMYデジタル信号から黒(K)信号を生成し、元のCMYデジタル信号から生成した黒信号が重なる部分を差し引いて、新たなCMYデジタル信号を生成する処理を行う。これによって、黒生成/下色除去部15は、CMYの3色のCMYデジタル信号をCMYKの4色のCMYKデジタル信号に変換する。
また、黒生成/下色除去部15では、黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う。このスケルトンブラックによる黒生成では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるC,M,Yのそれぞれに対応する濃度をそれぞれC,M,Yとし、出力されるC,M,Y,Kのそれぞれに対応する濃度をそれぞれC',M',Y',K'とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成/下色除去処理では、以下の式(2)〜式(5)によって、CMYの3色の濃度信号がCMYKの4色の濃度信号に変換される。
K’=f{min(C,M,Y)} …(2)
C’=C−αK’ …(3)
M’=M−αK’ …(4)
Y’=Y−αK’ …(5)
黒生成/下色除去部15は、文字領域のUCR率を1とする。これによって、文字領域に黒色を表す色情報が付加されているとき、記録媒体に形成される画像のうち、文字領域に対応する部分は、Kの記録剤のみによって形成される。
空間フィルタ部16は、係数設定手段として機能し、画質レベル判断部11から引き渡された画質レベルの情報と、領域分離部13から引き渡された領域分離信号とに基づき、画素毎に最適なフィルタ係数を選択して設定する。そして空間フィルタ部16は、フィルタ手段としてとして機能し、設定されたフィルタ係数を用いて、CMYKデジタル信号の画像データに対して強調処理、および平滑処理などのフィルタ処理を施す。空間フィルタ部16が、画像データの空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐことができる。空間フィルタ部16におけるフィルタ係数の選択については、後述する。空間フィルタ部16からのCMYKデジタル信号は、中間調生成部17に与えられる。
中間調生成部17は、濃度信号などの信号を画像出力装置4の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。中間調生成部17は、CMYKデジタル信号の画像データに対し、領域識別信号に基づいて、最終的に画像が擬似的に階調を再現できるように擬似階調再現処理を施す。本実施の形態では、擬似階調再現処理に利用する方法として組織的ディザ法や誤差拡散法などを用いる。
前述した各処理が施された画像データは、画像出力装置4に出力される。画像出力装置4は、たとえば紙などのシート体上にカラーの画像を出力可能なものであり、たとえば電子写真方式プリンタやインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する装置である。画像出力装置4は、2色以上の記録剤を用いて記録媒体に画像を形成可能であり、本実施の形態では、C,M,Y,Kのそれぞれの色の記録剤を用いて、紙などシート体に画像を形成することができる。画像出力装置4は、Cのデジタル信号に対応する画像データについては、Cの記録剤を用いて画像を形成し、Mのデジタル信号に対応する画像データについては、Mの記録剤を用いて画像を形成し、Yのデジタル信号に対応する画像データについては、Yの記録剤を用いて画像を形成し、Kのデジタル信号に対応する画像データについては、Kの記録剤を用いて画像を形成する。
次に、前記領域分離部13による領域分離方法の一例について説明する。領域分離部13において領域分離処理を行う方法としては、たとえば、特開2002−232708号公報に記載の方法を用いることができる。以下、この方法について簡単に説明する。この方法は、注目画素を含むn×mのブロック(たとえば、7×7画素)における最小濃度値と最大濃度値の差分である最大濃度差と、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度を算出し、予め定められる複数の閾値と比較することにより文字(文字エッジ)領域・網点領域とその他領域(下地領域・印画紙写真領域)とに分離するものである。領域分離を行うにあたっては、下記の特徴量を用いる。
(1)下地領域の濃度分布は、通常、濃度変化が少ないので最大濃度差及び総和濃度繁雑度ともに非常に小さくなる。印画紙写真領域(たとえば、印画紙写真のような連続階調領域を、ここでは、印画紙写真領域と表現する。)の濃度分布は、滑らかな濃度変化をしており、最大濃度差及び総和濃度繁雑度はともに小さく、かつ、下地領域よりは多少大きくなる。すなわち、下地領域や印画紙写真領域(その他領域)においては、最大濃度差及び総和濃度繁雑度とも小さい値となる。
(2)網点領域の濃度分布は、最大濃度差は網点によりさまざまであるが、総和濃度繁雑度が網点の数だけ濃度変化が存在するので、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が大きくなる。したがって、最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が大きい場合には、網点画素であると判別することが可能である。
(3)文字領域の濃度分布は、最大濃度差が大きく、それに伴い総和濃度繁雑度も大きくなるが、網点領域よりも濃度変化が少ないため、網点領域よりも総和濃度繁雑度は小さくなる。したがって、最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が小さい場合には、文字領域画素であると判別することが可能である。
次に処理方法について説明する。
(a)算出された最大濃度差と最大濃度差閾値、および、算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値の比較を行う。そして、最大濃度差が最大濃度差閾値よりも小さく、かつ、総和濃度繁雑度が総和濃度繁雑度閾値よりも小さいと判断されたときは、注目画素はその他領域(下地・印画紙写真領域)であると判定し、そうでない場合は、文字・網点領域であると判定する。
(b)上記文字・網点領域であると判断された場合、算出された総和濃度繁雑度と最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値との比較を行い、総和濃度繁雑度の方が小さければ文字領域であると判定し、総和濃度繁雑度の方が大きければ、網点領域であると判定する。
(c)文字領域であると判定された画素については、ブロック内の画素値の平均値を求め、注目画素の画素値が平均値以下の場合は高濃度側であると判定し、平均値より大きい場合は低濃度側であると判定する。(本実施の形態ではRGBデジタル信号を用いているため、画素値が小さいほど暗く、画素値が大きいほど明るい画素である。)
以上の処理は、RGBデジタル信号のうちいずれかひとつの信号(たとえばG信号)を用いて処理を行い、画素毎に得られた判定結果を領域分離信号として出力するものとする。なお、RGBデジタル信号のうち、2つ、または3つの信号を用いて処理を行うようにしてもよい。その場合は、それぞれの信号に対応した領域分離信号を出力するようにしてもよいし、もしくは、画素毎に優先順位をつけて判定することによりひとつの領域分離信号として出力するようにしてもよい。その際の優先順位については、どの領域の判定結果を優先するかという基準で順位を付けてもよいし、または、どの信号に対する判定結果を優先するかという基準で順位を付けてもよい。
以上の処理により、画像データを文字領域、網点領域、その他領域に分離することができ、さらに、文字領域を、高濃度側となる高濃度側文字領域と、低濃度側となる低濃度側文字領域とに分離することができる。
図4は、文字領域の高濃度側および低濃度側の分離の様子を示す図である。図4(1)は文字の端部の画像21を表す模式図であり、図4(2)は領域分離部13が領域分離処理を施した結果を表す模式図である。図4(2)では各画素を碁盤目状に示している。文字22のエッジ(下地23と文字22との境界)24付近にあって、文字22の内側にあたる画素は高濃度側と判定され、文字22の外側(下地23)にあたる画素は低濃度側と判定される。モスキートノイズは文字22の外側に目立ちやすく、エッジ24から少し離れた位置に発生しやすい。前記領域分離方法によれば、文字領域はエッジ24に対してある程度の画素幅を持たせて検出することができ、さらに低濃度側はエッジ24から数画素離れた位置まで検出することが可能である。モスキートノイズが文字の周りに発生した場合は、低濃度側文字領域25に対して平滑処理を施すことでノイズを除去することができ、かつ、そのとき、高濃度側文字領域26に対して強調処理を施すことにより、文字を鮮明に再現することができる。
次に、空間フィルタ部16において、画質レベル判断部11で判断された画質レベルと領域分離部13で生成された領域分離信号とに基づいて設定されるフィルタ係数について説明する。表2は、フィルタ係数の設定例を示す。また図5は、フィルタ係数の一例を示す図である。図5では、フィルタ名と、フィルタ係数と、除算係数とを対応付けして示している。
Figure 0005058183
表2では、画質レベルの各レベルと、領域分離信号が表す各領域とに対応するフィルタ係数のフィルタ名を示している。画質レベルは、1〜4の4段階を選択可能であり、画質レベル「1」は低画質、画質レベル「2」は比較的低画質、画質レベル「3」は比較的高画質、画質レベル「4」は高画質に、それぞれ対応する。フィルタ係数としては、図5に示すような、強調フィルタ1,2,3と、平滑フィルタ1,2,3,4,5とが設けられている。表2において、領域分離信号の「その他の領域」は、文字領域および網点領域のいずれにも含まれない領域である。その他の領域については、例1,2,3の、3つの例を示している。また「スルー」と記載されている場合、フィルタ処理を行わないことを表している。
図6は、空間フィルタ部16の構成を示すブロック図である。空間フィルタ部16は、フィルタ係数選択部161と、演算部162とを備える。フィルタ係数選択部161は、ROMなどのメモリを備え、予め複数組の係数を表2に示すテーブルとして記憶している。またフィルタ係数選択部161に記憶されているフィルタ係数は、さまざまな条件の入力画像と画質レベルのサンプル画像を多数用いて、好ましい出力画像が得られるよう事前に調整されたものとする。
フィルタ係数選択部161は、画質レベルと領域分離信号とに基づいて表2に示されるテーブルを参照してフィルタ係数を選択する。演算部162は、フィルタ係数選択部161によって選択されたフィルタ係数を用いて画像データに畳み込み演算を行う。具体的には、画像データの各画素の値と対応する位置にあるフィルタ係数との積和をとり、除算係数で割った値を中央の画素の出力値とする。
図7および図8は、図5に示される各フィルタ係数の周波数特性を示すグラフである。図7は、強調フィルタ1,2,3のそれぞれの周波数特性を示し、横軸に周波数を示し、縦軸にゲインを示す。また図7において「強調フィルタ」を、単に「強調」と省略して示している。図8は、平滑フィルタ1,2,3,4,5のそれぞれの周波数特性を示し、横軸に周波数を示し、縦軸にゲインを示す。また図8において「平滑フィルタ」を、単に「平滑」と省略して示している。
空間フィルタ部16は、高濃度側文字領域については、画質レベルによらず同じ強調処理を施す。これは高濃度側文字領域である文字の内側はモスキートノイズが目立ちにくいので、文字の先鋭化を重視し、強調処理を施すことが好ましいからである。このような処理によって、文字がくっきり鮮明に再現される。ただし高濃度側文字領域について、画質レベルを問わず同じ強調フィルタに限定するものではない。画質レベルが極端に低くなると文字の内側にもモスキートノイズが目立つ場合があるので、画質レベルが低くなるほど強調の度合いを弱めるよう設定してもよい。
空間フィルタ部16は、低濃度側文字領域については、画質レベルが低いとき(2以下の場合)は平滑処理を施し、また画質レベルが低くなればなるほど平滑の度合いを強め、画質レベルが高いとき(3以上の場合)は強調処理を施し、また画質レベルが高くなればなるほど強調の度合いを強める。これは文字の周りはモスキートノイズが目立ちやすいので、文字の先鋭化を図ると共にモスキートノイズの抑制を図る必要があるためである。画質レベルがある程度低くなるとモスキートノイズの度合いが大きくなるため、平滑処理を施しノイズをぼかして除去することにより出力画像の高画質化を図ることができる。一方、画質レベルがある程度高くなるとモスキートノイズの度合いが小さくなるため、強調処理を施して文字をくっきり鮮明にすることにより出力画像の高画質化を図ることができる。
なお、文字の周りは強調フィルタをかけることでエッジが急峻になり文字を鮮明に再現することができるが、モスキートノイズが激しい場合はノイズ自体が強調されて不本意な画質劣化を引き起こすことになる。このトレードオフを解消するために、画質レベル(すなわちここではモスキートノイズの度合い)に応じて強調の度合いや平滑の度合いを切り替えている。ここで平滑フィルタ2よりも平滑フィルタ3のほうが画像データはより平滑化される。また強調フィルタ2よりも強調フィルタ1のほうが画像データはより先鋭化される。以上のような処理によって、モスキートノイズの除去と鮮明な文字の再現が可能となる。
空間フィルタ部16は、網点領域については平滑処理を施し、また画質レベルが低くなればなるほど平滑の度合いを強める。これは網点画像の中はブロックノイズが目立ちやすいので、ブロックノイズの除去を図る必要があるためである。そのため平滑処理を施しノイズをぼかして除去することにより出力画像の高画質化が図れる。なお、網点画像は平滑フィルタをかけることで網点成分がぼかされてモアレ(干渉縞)を抑制することができ、さらにブロックノイズも除去することができるが、ぼかし過ぎると画像中のエッジが極端になまってしまい不本意な画質劣化を引き起こすことになる。このトレードオフを解消するために、画質レベル(すなわちここではブロックノイズの度合い)に応じて平滑の度合いを切り替えている。ここで平滑フィルタ2よりも平滑フィルタ3のほうが画像データはより平滑化される。さらに平滑フィルタ4、平滑フィルタ5、と平滑の度合いは強くなる。このような処理によって、ブロックノイズの除去と鮮明な画像の再現が可能となる。
空間フィルタ部16は、文字領域および網点領域に含まれないその他の領域については、表2の例1、例2、例3のようなフィルタ係数を用いて、フィルタ処理を行う。たとえば、圧縮処理のパラメータが全体的に高画質寄りになっている場合は例1を適用する。圧縮によるブロックノイズやモスキートノイズの度合いが全体的に小さく、過度にノイズを除去する必要がないため、強調処理で画像を尖鋭化することを重視する。また前述したトレードオフの解消のため、画質レベルが高くなればなるほど強調の度合いを強める。
逆に圧縮処理のパラメータが全体的に低画質寄りになっている場合は例2を適用する。圧縮によるブロックノイズやモスキートノイズの度合いが全体的に大きく、積極的にノイズを除去する必要があるため、平滑処理でぼかすことを重視する。また前述したトレードオフの解消のため、画質レベルが低くなればなるほど平滑の度合いを強める。
さらに圧縮処理のパラメータが高画質から低画質まで画質差が広くなるよう設定されている場合は例3を適用する。画質レベルが高いとき(3以上の場合)は画像の尖鋭化を重視し、画質レベルが高くなればなるほど強調の度合いを強める。ここで強調フィルタ3よりも強調フィルタ2のほうが画像データはより先鋭化される。画質レベルが低いとき(2以下の場合)はノイズの除去を重視し、画質レベルが低くなればなるほど平滑の度合いを強める。ここで平滑フィルタ1よりも平滑フィルタ2のほうが画像データはより平滑化される。
その他の領域には、文字と網点以外の領域、たとえば、印画紙写真のような連続階調を持つ領域や、広い範囲で一様な画素値を持つベタの領域、何も構成要素が存在しない下地の領域、といった領域が含まれる。これらの領域では主にブロックノイズが目立ちやすい。そのため鮮明な画像再現を図ると共にブロックノイズの抑制を図る必要がある。画質レベルがある程度低くなるとブロックノイズの度合いが大きくなるため、平滑処理を施しノイズをぼかして除去することにより出力画像の高画質化が図れる。一方、画質レベルがある程度高くなるとブロックノイズの度合いが小さくなるため、強調処理を施して写真画像をくっきり鮮明にすることにより出力画像の高画質化が図れる。なお、印画紙写真は強調フィルタをかけることでエッジが急峻になり画像を鮮明に再現することができるが、ブロックノイズが激しい場合はノイズ自体が強調されて不本意な画質劣化を引き起こすことになる。このトレードオフを解消するために、画質レベル(すなわちここではブロックノイズの度合い)に応じて強調の度合いや平滑の度合いを切り替えている。以上のような処理によってブロックノイズやモスキートノイズの除去と鮮明な写真や文字の再現が可能となる。
図9は、画像形成装置1における画像処理の動作を示すフローチャートである。画像形成装置1における画像処理の動作は、画像処理装置3を起動して処理を開始させると、ステップa1に移る。ステップa1では、画像処理装置3は、インターフェイス2を介して圧縮画像データであるヘッダー情報が付加されたJPEGコードを取得する。取得されたJPEGコードは、画質レベル判断部11およびJPEG伸張部12へ引き渡されて、ステップa2に移る。
画質レベル判断工程であるステップa2では、画質レベル判断部11のヘッダー解析部111は、JPEGコードに対して、まずヘッダー情報を抜き出し、次にそのヘッダー情報の所定の区画から量子化テーブルの値を抜き出し、量子化テーブル判定部112へ引き渡す。そして、量子化テーブル判定部112は、受け渡された量子化テーブルの値に基づいて、圧縮画像の画質レベルを判断する。画質レベル判断部11で判断された画質レベルの情報は、空間フィルタ部16へ引き渡される。
復号工程であるステップa3では、JPEG伸張部12は、JPEGコードのヘッダー情報を解読して符号コードを複合化する処理などを施し、RGBデジタル信号の画像データに伸張する。JPEG伸張部12で伸張された画像データは、領域分離部13および色補正部14へ引き渡される。
領域分離工程であるステップa4では、領域分離部13は、JPEG伸張部12で伸張された画像データに対して、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離し、領域分離信号を生成する。領域分離部13で生成された領域分離信号は、黒生成/下色除去部15、空間フィルタ部16、中間調生成部17にそれぞれ引き渡される。
ステップa5では、色補正部14は、JPEG伸張部12で伸張された画像データであるRGBデジタル信号からCMYデジタル信号を生成する。色補正部14で生成されたCMYデジタル信号は、黒生成/下色除去部15へ引き渡される。
ステップa6では、黒生成/下色除去部15は、色補正部14で生成されたCMYデジタル信号からK信号を生成し、元のCMYデジタル信号から生成したK信号が重なる部分を差し引いて、新たなCMYデジタル信号を生成する。これによって、黒生成/下色除去部15は、CMYデジタル信号をCMYKデジタル信号に変換する。
係数設定工程であるステップa7では、空間フィルタ部16は、画質レベル判断部11から引き渡された画質レベルの情報と、領域分離部13から引き渡された領域分離信号とに基づいて、画素毎に最適なフィルタ係数を選択して設定する。次に、フィルタ工程であるステップa8において空間フィルタ部16は、設定したフィルタ係数を用いて、CMYKデジタル信号の画像データに対してフィルタ処理を施す。
そして、ステップa9では、中間調生成部17は、CMYKデジタル信号の画像データに対し、領域識別信号に基づいて、最終的に画像が擬似的に階調を再現できるように擬似階調再現処理を施して、画像出力装置4に出力して、動作処理を終了する。
以上のような画像形成装置1によれば、領域分離部13で生成された領域分離信号と、画質レベル判断部11で自動的に判断された画質レベルとに基づいて、フィルタ処理を行うフィルタ係数が適切に切り替えられるため、画像出力装置4から最終的に出力される画像についても圧縮処理による画質劣化の少ない良好な画像再現を実現できる。本実施の形態では画質レベルの段数を、4:高画質、3:比較的高画質、2:比較的低画質、1:低画質、の4段階で示しているが、段数はこれに限ったものではない。また本実施の形態ではフィルタ係数として8組の係数を示しているが、この組数についても限定されるものではない。
図10は、本発明の実施の他の形態の画像形成装置30の構成を示すブロック図である。画像形成装置30は、前述した図1に示す実施の形態において画像出力装置4を、たとえば液晶ディスプレイなどの画像表示装置32とした場合の構成である。画像形成装置30と図1に示す画像形成装置1とは、画像表示装置32と画像処理装置31とが異なり、また画像処理装置31は、画像処理装置3の構成から黒生成/下色除去部15、および中間調生成部17を取り除いた構成であるので、同様の構成には同様の参照符号を付して、その説明を省略する。
画像処理装置31は、画質レベル判断部11と、JPEG伸張部12と、領域分離部13と、色補正部14と、空間フィルタ部16とを備えている。各部の処理内容は前述した実施の形態と同様である。ただし、色補正部14は、RGBデジタル信号からCMYデジタル信号への変換は行わず、画像表示装置32で色を忠実に再現するためにRGBデジタル信号に対して色を補正する処理のみを行う。また、空間フィルタ部16には、RGBデジタル信号の画像データが与えられ、空間フィルタ部16は、この画像データにフィルタ処理を行ってから画像表示装置32に出力する。
以上の構成によれば、入力された画像データを表示する際にも、画質レベルと領域分離信号に応じて最適なフィルタ処理を施すことが可能であり、圧縮処理によって生じたノイズが目立たない良好な表示画像が得られる。また本構成は、ハードディスクに保存された画像データのプレビューにも適用できる。
図11は、本発明の実施のさらに他の形態の画像形成装置40の構成を示すブロック図である。画像形成装置40と図1に示す画像形成装置1とは、画像処理装置41が異なり、また画像処理装置41は、画像処理装置3の構成から領域分離部13を取り除いた構成であるので、同様の構成には同様の参照符号を付して、その説明を省略する。
画像処理装置41は、画質レベル判断部11と、JPEG伸張部12と、色補正部14と、黒生成/下色除去部15と、空間フィルタ部16と、中間調生成部17とを備えている。各部の処理内容は前述した実施の形態と同様である。画像形成装置40の特徴は、画像形成装置1とは異なり、空間フィルタ部16においてフィルタ係数選択部161は、画質レベル判断部11で判断された画質レベルのみに基づいて表2に示されるテーブルを参照してフィルタ係数を選択する構成となっている点である。この場合、画像処理装置41では、たとえば表2における「その他の領域」のテーブルのみを予め記憶しておき、それを参照するものとする。演算部162は、フィルタ係数選択部161によって選択されたフィルタ係数を用いて画像データに畳み込み演算を行う。具体的には、画像データの各画素の値と対応する位置にあるフィルタ係数との積和をとり、除算係数で割った値を中央の画素の出力値とする。
図12は、画像形成装置40における画像処理の動作を示すフローチャートである。画像形成装置40における画像処理の動作は、画像処理装置41を起動して処理を開始させると、ステップb1に移る。ステップb1では、画像処理装置41は、インターフェイス2を介して圧縮画像データであるヘッダー情報が付加されたJPEGコードを取得する。取得されたJPEGコードは、画質レベル判断部11およびJPEG伸張部12へ引き渡されて、ステップb2に移る。
画質レベル判断工程であるステップb2では、画質レベル判断部11のヘッダー解析部111は、JPEGコードに対して、まずヘッダー情報を抜き出し、次にそのヘッダー情報の所定の区画から量子化テーブルの値を抜き出し、量子化テーブル判定部112へ引き渡す。そして、量子化テーブル判定部112は、受け渡された量子化テーブルの値に基づいて、圧縮画像の画質レベルを判断する。画質レベル判断部11で判断された画質レベルの情報は、空間フィルタ部16へ引き渡される。
復号工程であるステップb3では、JPEG伸張部12は、JPEGコードのヘッダー情報を解読して符号コードを複合化する処理などを施し、RGBデジタル信号の画像データに伸張する。JPEG伸張部12で伸張された画像データは、色補正部14へ引き渡される。
ステップb4では、色補正部14は、JPEG伸張部12で伸張された画像データであるRGBデジタル信号からCMYデジタル信号を生成する。色補正部14で生成されたCMYデジタル信号は、黒生成/下色除去部15へ引き渡される。
ステップb5では、黒生成/下色除去部15は、色補正部14で生成されたCMYデジタル信号からK信号を生成し、元のCMYデジタル信号から生成したK信号が重なる部分を差し引いて、新たなCMYデジタル信号を生成する。これによって、黒生成/下色除去部15は、CMYデジタル信号をCMYKデジタル信号に変換する。
係数設定工程であるステップb6では、空間フィルタ部16は、画質レベル判断部11から引き渡された画質レベルの情報に基づいて、画素毎に最適なフィルタ係数を選択して設定する。次に、フィルタ工程であるステップb7において空間フィルタ部16は、設定したフィルタ係数を用いて、CMYKデジタル信号の画像データに対してフィルタ処理を施す。
そして、ステップb8では、中間調生成部17は、CMYKデジタル信号の画像データに対し、最終的に画像が擬似的に階調を再現できるように擬似階調再現処理を施して、画像出力装置4に出力して、動作処理を終了する。
以上のような画像形成装置40によれば、画質レベル判断部11で自動的に判断された画質レベルに基づいて、フィルタ処理を行うフィルタ係数が適切に切り替えられるため、画像出力装置4から最終的に出力される画像についても圧縮処理による画質劣化の少ない良好な画像再現を実現できる。
また本発明のさらに他の実施の形態として、コンピュータを前述した各実施の形態の画像処理装置のいずれかとして機能させるために、コンピュータに実行させるためのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラムおよびソースプログラムの少なくともいずれか1つ)、およびこのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。本実施の形態によれば、前述した画像処理方法を行うプログラムコードを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。またパーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータにCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの記録媒体を介して、あるいはネットワークからのダウンロードによりプログラムを読み込ませて、入力画像に適切なフィルタ処理を施すことにより、良好な画像を出力することができる。また、DSP(Digital Signal Processor)などでソフト処理を行うデジタル複写機や複合機に対しても同様に、フラッシュメモリや書き換え可能な記録媒体にプログラムを読み込ませて、入力画像に適切なフィルタ処理を施すことにより、良好な画像を出力することができる。
なお、プログラムコードを記録する記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、たとえばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO(Magneto Optical disc)/MD(Mini Disc)/D
VD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated
Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(
Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成を持つことで、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステム50に備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで前述した画像処理方法が実行される。図13は、コンピュータシステム50の一例を示す構成図である。コンピュータシステム50は、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナまたはデジタルカメラなどの画像入力装置51、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ52、コンピュータ52の処理結果を表示するCRT(
Cathode Ray Tube)ディスプレイまたは液晶ディスプレイなどの画像表示装置53およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタ54および、キーボードおよびマウスなどの入力機器55を備えて構成される。さらには、コンピュータ52には、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのモデムなどが備えられる。
特に、図13に示すコンピュータシステム50によって、前述した画像処理方法を実行する場合には、本画像処理方法をユーザーの好みに応じて用いることが可能となる。たとえば、圧縮処理で用いる量子化テーブル、フィルタ処理で用いるフィルタ係数、領域分離で用いる複数の閾値、などをユーザーが調整する(プログラムを書き換える)ことで、ユーザーの嗜好に沿った出力画像を得ることができる。
1,30,40 画像形成装置
2 インターフェイス
3,31,41 画像処理装置
4 画像出力装置
11 画質レベル判断部
12 JPEG伸張部
13 領域分離部
16 空間フィルタ部
32 画像表示装置
50 コンピュータシステム
111 ヘッダー解析部
112 量子化テーブル判定部
161 フィルタ係数選択部
162 演算部

Claims (8)

  1. 画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
    圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
    圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
    領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
    復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え
    領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、
    係数設定手段は、文字領域の高濃度領域に対して、
    画質に関するレベルに係わらず同じ強調処理を施すフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
    圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
    圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
    領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
    復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
    領域分離手段は、文字領域を、高濃度側となる高濃度領域と、低濃度側となる低濃度領域とに分離し、
    係数設定手段は、文字領域の低濃度領域に対して、
    画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなり、
    画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  3. 画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
    圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
    圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
    領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
    復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
    領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより高いときは、この画質に関するレベルが低レベルから高レベルになるにつれて強調の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  4. 画像データを、文字領域および網点領域の少なくとも一方を含む複数の領域に分離する領域分離手段と、
    圧縮された画像データの量子化テーブルの値をもとに画質レベルを判断する画質レベル判断手段と、
    圧縮された画像データに復号処理を施す復号手段と、
    領域分離手段で得られた領域分離結果と画質レベル判断手段で判断された画質レベルに基づきフィルタ処理の係数を設定する係数設定手段と、
    復号手段で復号された画像データに対して、係数設定手段で設定された係数を用いてフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備え、
    領域分離手段によって分離され、文字領域および網点領域の何れの領域にも含まれない領域に対して、係数設定手段は、画質に関するレベルが所定のレベルより低いときは、この画質に関するレベルが高レベルから低レベルになるにつれて平滑の度合いが強くなるフィルタ係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記画質レベル判断手段は、
    圧縮された画像データから量子化テーブルの値を抜き出す情報解析部と、
    情報解析部が抜き出した量子化テーブルの値と、予め定める複数の閾値とを比較することによって画質レベルを判断するレベル判断部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載の画像処理装置を実現するための画像処理プログラムであって、コンピュータを前記の各手段として機能させるための画像処理プログラム。
  8. 請求項7に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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