JP2001223915A - 画像処理方法、画像処理装置、および画像形成装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、および画像形成装置

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JP2001223915A
JP2001223915A JP2000365572A JP2000365572A JP2001223915A JP 2001223915 A JP2001223915 A JP 2001223915A JP 2000365572 A JP2000365572 A JP 2000365572A JP 2000365572 A JP2000365572 A JP 2000365572A JP 2001223915 A JP2001223915 A JP 2001223915A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色にじみ領域を黒文字領域やその他領域と区
別することなく、RGBの入力画像データをCMYKの
出力画像データに変換すると、小さな黒文字が読み取り
難くなったり、黒線に色が付くなどして、黒文字、黒線
等を良好に再現することができない。 【解決手段】 RGBの入力画像データを文字領域・網
点領域・写真領域に分離する領域分離処理部14に、文
字領域に対して、黒文字領域・色にじみ領域・その他領
域に分類する色にじみ判定部がさらに備えられている。
黒生成/下色除去部15は、領域分離処理部14の色に
じみ判定部にて分類された黒文字領域・色にじみ領域・
その他領域毎に、CMYKの出力画像データの黒生成量
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキャナ等のカラ
ー画像入力装置より読み取られた入力画像データを、黒
を含む出力画像データに変換する色変換処理を行う画像
処理方法及び画像処理装置、並びに、該画像処理装置を
備える画像形成装置に関するものである。さらに詳細に
は、本発明は、上記方法および装置における黒生成処理
や下色除去処理(および下色追加処理)の制御に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】スキャナ等の画像入力装置を用いて読み
取ったRGB(R:赤,G:緑,B:青)画像データを
CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,
K:ブラック)の4色に変換して出力するデジタルカラ
ー複写機等の画像形成装置において、文字や網点画像が
混ざった原稿を複写する場合、黒文字部分の画質を改善
するために、黒文字のエッジ部分を抽出してエッジ強調
フィルタをかけたり、CMYの量を減らして黒の量を増
加させて出力する処理が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記スキャ
ナ等の画像入力装置で画像を読み込んだ場合、機械的な
振動等によりCCDセンサの読み取り位置がずれて、黒
文字等のエッジ部分に色がついてしまうこと(以下、こ
れを色にじみと称する)が起こり得る。このような色に
じみが生じている領域では、CMYのバランスがくずれ
る。そのため、このような領域では、一般的な手法であ
るCMYの最小値(C濃度信号のレベル、M濃度信号の
レベル、およびY濃度信号のレベルのうち、最も小さい
レベルの値)に基づくUCR(Under Color Removal :
下色除去)等を行うと、黒の生成量(濃度)が十分でな
く小さな黒文字が読みとりにくくなったり、黒線に色が
付く等の問題が生じる。現在のところ、このような色に
じみが生じている領域に対する有効な対応策は提案され
ていない。すなわち、黒文字に色が付く問題(色にじ
み)に対する有効な解決策は、提案されていない。
【0004】本願発明は、上記従来の問題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、RGB信号等のような、黒
信号を含まない複数の色成分信号からなる入力画像デー
タを、CMYK信号等のような、黒信号を含む複数の色
成分信号からなる出力画像データに変換する画像処理方
法、画像処理装置、および画像形成装置において、入力
画像データの黒文字のエッジに色にじみが発生していて
も、色にじみを除去することができる画像処理方法、画
像処理装置、および画像形成装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理方法
は、上記課題を解決するために、第1色成分を含む複数
の色成分からなる入力画像データを第1色成分と異なる
第2色成分を含む複数の色成分からなる色補正画像デー
タに色変換した後、上記色補正画像データを基に黒と第
2色成分とを含む複数の色成分からなる出力画像データ
を生成する黒生成処理を行う画像処理方法において、上
記入力画像データあるいは上記色補正画像データを文字
領域・網点領域・写真領域に分離し、さらに上記文字領
域およびその近傍領域を、黒文字領域・色にじみ領域・
これらのどちらにも属さないその他領域に分類し、黒文
字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒の生成量を制
御することを特徴としている。
【0006】これによれば、文字領域を、さらに黒文字
領域、色にじみ領域、及びその他領域に分類し、各領域
毎に黒生成量を個別に制御するので、色にじみ領域を黒
文字領域やその他領域と区別して、色にじみ領域にあっ
た黒生成量を決定することができる。その結果、色にじ
み領域が生じている故に、小さな黒文字が読み取り難く
なったり、黒線に色が付く等の上述した問題をなくし
て、黒文字、黒線等を良好に再現することが可能とな
る。
【0007】本発明の画像処理方法は、さらに、出力画
像データにおける黒以外の色成分を減少させる下色除去
処理を行い、黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎
に黒以外の色成分の減少量を制御することが好ましい。
【0008】これによれば、黒文字領域・色にじみ領域
・その他領域毎に黒以外の色成分の減少量を制御するこ
とで、各領域毎の黒生成に応じて適切な下色除去処理を
行うことができる。すなわち、黒文字領域および色にじ
み領域においては黒以外の色成分(例えばCMY成分)
を減少させることで、色にじみをさらに低減でき、良好
な画像が再現可能となる。しかも、その他領域である絵
柄や色文字等の着色部分においては、黒以外の色成分を
黒生成量に応じた量だけ減少することで、着色部分の彩
度の低下を回避することができる。
【0009】また、本発明の画像処理方法は、さらに、
出力画像データにおける黒以外の色成分を増加させる下
色追加処理を行い、黒文字領域・色にじみ領域・その他
領域毎に黒以外の色成分の増加量を制御する方法であっ
てもよい。
【0010】これによれば、その他領域に対して黒以外
の色成分の増加量を制御することで、彩度の低下を抑制
することができる。すなわち、下色除去処理によってそ
の他領域である絵柄や色文字等の着色部分に彩度の低下
が生じた場合においても、下色追加処理によりその他領
域の黒以外の色成分を増加させることでその彩度の低下
を補うことができ、画像を良好に再現できる。また、下
色追加処理による色にじみ領域の黒以外の色成分の増加
量を低く抑えることで、下色追加処理による色にじみ領
域の彩度の増加(色にじみの増加)を回避することがで
きる。
【0011】なお、黒文字領域については、下色追加処
理を行わなくても良い。
【0012】また、本発明の画像処理装置は、上記課題
を解決するために、画像入力手段より読み込まれた第1
色成分を含む複数の色成分からなる入力画像データを第
1色成分と異なる第2色成分を含む複数の色成分からな
る色補正画像データに色変換する色補正手段と、上記入
力画像データあるいは上記色補正画像データを文字領域
・網点領域・写真領域に分離する領域分離手段と、上記
領域分離手段の結果に基づいて黒生成量を決定し、上記
第2色成分を含む複数の色成分からなる色補正画像デー
タを基に、黒と第2色成分とを含む複数の色成分からな
る出力画像データを生成する黒生成手段とを備えた画像
処理装置において、上記領域分離手段は、上記文字領域
およびその近傍領域を、黒文字領域・色にじみ領域・こ
れらのどちらにも属さないその他領域に分類する色にじ
み判定手段を備えており、上記黒生成手段は、上記色に
じみ判定手段にて分類された黒文字領域・色にじみ領域
・その他領域毎に黒生成量を制御することを特徴として
いる。
【0013】これによれば、領域分離手段に備えられる
色にじみ判定手段が、文字領域を、さらに黒文字領域、
色にじみ領域、及びその他領域に分類し、黒生成手段に
て各領域毎に黒生成量を個別に制御するので、色にじみ
領域を黒文字領域やその他領域と区別して、色にじみ領
域にあった黒生成量を決定することができる。その結
果、色にじみ領域が生じている故に、小さな黒文字が読
み取り難くなったり、黒線に色が付く等の上述した問題
をなくして、黒文字、黒線等を良好に再現することが可
能となる。
【0014】本発明の画像処理装置において、黒生成処
理と下色除去処理とは共に行うのが良い。すなわち、上
記黒生成手段は、黒を含む複数の色成分の出力画像デー
タを生成するとともに下色除去処理を行う黒生成/下色
除去手段で構成されることがより好ましい。特に、入力
画像データがC、M、およびYの3つの色成分からなる
場合、黒生成処理は、C、M、およびYの最小値(等量
の部分)を黒成分(グレー)とみなして、黒(K信号)
に置き換えることで行う。そのため、黒に置き換えられ
た量に見合ったC、M、およびYの量の減少を行う下色
除去処理が必要となる。
【0015】また、本発明の画像処理装置は、出力画像
データにおける黒以外の色成分を減少させる下色除去処
理を行う下色除去手段をさらに備え、上記下色除去手段
は、上記色にじみ判定手段にて分類された黒文字領域・
色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分の減少量
を制御する構成であることが好ましい。
【0016】これによれば、下色除去手段によって黒文
字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分
の減少量が制御されるので、各領域毎の黒生成に応じて
適切な下色除去処理を行うことができる。すなわち、黒
文字領域および色にじみ領域においては黒以外の色成分
(例えばCMY成分)を減少させることで、色にじみを
さらに低減でき、良好な画像が再現可能となる。しか
も、その他領域である絵柄や色文字等の着色部分におい
ては、黒以外の色成分を黒生成量に応じた量だけ減少す
ることで、着色部分の彩度の低下を回避することができ
る。
【0017】また、本発明の画像処理装置においては、
上記黒生成手段は、黒文字領域の黒生成量をK1 、色に
じみ領域の黒生成量をK2 、その他領域の黒生成量をK
3 とすると、K1 >K2 >K3 の関係を満たすように黒
生成量を制御する構成とすることも可能である。
【0018】色にじみ領域での黒生成量を黒文字領域と
同じにすると黒文字が太くなる。また、文字領域であっ
て、黒文字領域でも色にじみ領域でもないその他領域
は、カラーの絵柄の部分に当たるため、コントラストの
大きい黒の生成量を少なくし、CMYの三色で画像形成
を行った方が、濁りのない良好な画像になる。
【0019】これによれば、色にじみ領域の黒生成量
が、黒文字領域での黒生成量より少なく設定され、か
つ、その他領域については、黒生成量を色にじみ領域よ
り少なく設定しているので、黒文字が太くなるのを防ぐ
と共に、色濁りのない良好な画像を形成することができ
る。
【0020】さらに、本発明の画像処理装置において
は、黒生成手段は、色にじみ領域の黒生成量を、色補正
画像データに含まれる複数の色成分の最大値と最小値と
の平均値に基づいて決定する構成とすることもできる。
【0021】これによれば、CMY信号のずれ量が平均
化されることで、ずれの影響が小さい黒生成量の決定が
可能となり、より一層、黒文字、黒線等を良好に再現す
ることが可能となる。
【0022】また、本発明の画像処理装置は、出力画像
データにおける黒以外の色成分を増加させる下色追加処
理を行う下色追加手段をさらに備え、上記下色追加手段
は、上記色にじみ判定手段にて分類された黒文字領域・
色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分の増加量
を制御する構成であってもよい。
【0023】これによれば、下色追加手段によって黒文
字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分
の増加量が制御されるので、各領域に応じた彩度を得る
ことができる。すなわち、下色除去処理によって、その
他領域である絵柄や色文字等の着色部分に彩度の低下が
生じた場合においても、下色追加手段によりその他領域
の黒以外の色成分を増加させることでその彩度の低下を
補うことができ、画像を良好に再現できる。また、下色
追加処理による色にじみ領域の黒以外の色成分の増加量
を低く抑えることで、下色追加処理による色にじみ領域
の彩度の増加(色にじみの増加)を回避することができ
る。
【0024】本発明の画像形成装置は、上記の課題を解
決するために、前記の画像処理装置と、上記画像処理装
置で生成された出力画像データに基づいて記録媒体上に
画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とし
ている。
【0025】これによれば、入力画像データの黒文字の
エッジに色にじみが発生していても、色にじみを除去す
ることができる画像形成装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明に係る実
施の一形態を、図1〜図8に基づいて説明すれば、以下
の通りである。
【0027】図1に、本発明の画像処理方法及び画像処
理装置の構成が適用された画像処理装置1の構成を示
す。図1に示すように、画像処理装置1は、A/D変換
部10、シェーディング補正部11、入力階調補正部1
2、色補正部(色補正手段)13、領域分離処理部(領
域分離手段)14、黒生成/下色除去部(黒生成/下色
除去手段)15、空間フィルタ処理部16、出力階調補
正部17、及び階調再現処理部18とから構成されてい
る。画像処理装置1に、カラー画像入力装置(画像入力
手段)2とカラー画像形成装置(画像形成手段)3とが
接続されている。これら画像処理装置1、カラー画像入
力装置2、およびカラー画像形成装置3によって、画像
形成装置としてのデジタルカラー複写機が構成されてい
る。
【0028】カラー画像入力装置2は、RGB(第1色
成分)のアナログ信号を生成し、画像処理装置1に入力
するものである。カラー画像入力装置2は、例えばスキ
ャナ部より構成されており、原稿からの反射光像を、R
GBのアナログ信号としてCCD(Charge Coupled Dev
ice )にて読み取って、画像処理装置1に入力する。
【0029】読み取られたアナログ信号は、画像処理装
置1内を、A/D変換部10、シェーディング補正部1
1、入力階調補正部12、色補正部13、領域分離処理
部14、黒生成/下色除去部15、空間フィルタ処理部
16、出力階調補正部17、及び階調再現処理部18の
順で送られ、CMYK(第2色成分)のデジタルカラー
信号として、カラー画像形成装置3へ出力される。
【0030】A/D(アナログ/デジタル)変換部10
は、読み取られたアナログ信号をデジタル信号に変換し
て、シェーディング補正部11に送り、シェーディング
補正部11では、送られてきたRGB信号に対して、カ
ラー画像入力装置2の照明系、結像系、撮像系で生じる
各種の歪みを取り除く処理を施し、入力階調補正部12
に送る。入力階調補正部12では、RGBの反射率信号
を、カラーバランスを整えるのと同時に、濃度信号など
画像処理システムの扱いやすい信号に変換する処理を施
した後、色補正部13に送る。
【0031】色補正部13では、色再現の忠実化のため
に、RGB信号をCMY信号(色補正画像データ)に変
換する色補正処理を施し、その後、領域分離処理部14
と、黒生成/下色除去部15とに送る。
【0032】色補正処理としては、変換行列を作成する
方法や、ニューラルネットワークを用いてRGBとCM
Yの関係を記述するモデルを作成し、各RGB値に対す
るCMY値をルックアップテーブル(LUT)として持
つ方法などがある。
【0033】変換行列を作成する方法は、(1)式のよ
うにRGBからCMYへの変換を行列演算を用いて実現
される。
【0034】
【数1】
【0035】主要なCMYの値の組み合わせを、カラー
画像形成装置3に与えてカラーパッチを紙等の記録媒体
上に出力し、カラーパッチが出力された記録媒体を前述
のカラー画像入力装置2で読み込み、それぞれの組み合
わせのCMYの値に対応するRGBの値を求める。得ら
れたRGBの値とCMYの値との関係を満たす定数a1
1からa33および定数b1からb3を最小二乗法で求
める。より忠実な色再現を求める場合には、RGBの2
次以上のより高次の項を含めればよい。
【0036】LUTを用いるには、上記の変換行列を求
めて入力RGBに対して出力されるCMYの値を予め求
めておき、LUTとして記憶しておく方法や、対応する
CMYとRGBの関係を変換行列で記述するのではなく
ニューラルネットワークを用いて学習させ、このニュー
ラルネットワークを用いてLUTを作成する方法等があ
る。
【0037】領域分離処理部14では、文字領域、網点
領域、および写真領域が混在する原稿に対して、各々の
領域に分離する処理を行い、さらに、文字領域と判別さ
れた領域に対しては、近傍画素の領域も含めて黒文字領
域、色にじみ領域、その他の領域に分類する。領域分離
処理部14は、分離結果に基づき、注目画素がどの領域
に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成/下色除
去部15、空間フィルタ処理部16、及び階調再現処理
部18へと送る。
【0038】黒生成/下色除去部15は、黒生成部(黒
生成手段)15aおよび下色除去部15bによって構成
されている。黒生成部15aでは、色補正されたCMY
信号と、領域分離処理部14からの領域識別信号とに基
づいて、黒(K)信号を生成する黒生成処理を行う。そ
して、さらに、下色除去部15bでは、黒信号から計算
される下色の量をCMY信号から減算し、CMYK4色
のデータに変換し、空間フィルタ処理部16に送る。な
お、この黒生成/下色除去部15及び上記領域分離処理
部14の処理内容の詳細については後述する。
【0039】空間フィルタ処理部16では、画像データ
に対して、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を
行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像
のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理した後、出力階
調補正部17へ送る。
【0040】出力階調補正部17では、濃度信号などの
信号をカラー画像形成装置3の特性値である網点面積率
に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理
部18に送り、階調再現処理部18で、最終的に画像を
画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理
する階調再現処理(中間調生成)を行う。
【0041】また、前述の色補正部13による色補正処
理後、領域分離処理部14にて、黒文字(場合によって
は色文字も含む)として抽出された画像領域は、文字及
び写真混在原稿における特に黒文字あるいは色文字の再
現性を高めるために、空間フィルタ処理部16による空
間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で、高周波数の強
調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部18にお
いては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリー
ンでの二値化または多値化処理が選択されるように構成
されている。
【0042】また、領域分離処理部14にて網点と判別
された領域に関しては、空間フィルタ処理部16におい
て、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ
処理が施され、同時に、階調再現処理部18では、階調
再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処
理が行われる。
【0043】また、領域分離処理部14にて文字領域と
して分類された領域については、近傍画素の領域も含
め、黒文字領域、色にじみ領域、それ以外の領域(その
他の領域)に分類される。
【0044】上述した各処理が施された画像データは、
一旦記憶手段(不図示)に記憶され、所定のタイミング
で読み出されてカラー画像形成装置3に入力される。こ
のカラー画像形成装置3は、画像データに基づいて記録
媒体(例えば紙等)上に画像を出力するもので、例え
ば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー
画像形成装置等をあげることができるが、特に限定され
るものではない。
【0045】以下、領域分離処理部14及び黒生成/下
色除去部15における処理の内容を詳細に説明する。
【0046】図2に領域分離処理部14の構成を示す。
領域分離処理部14は、文字・網点・写真領域判定部2
0と色にじみ判定部(色にじみ判定手段)21より構成
されている。
【0047】本実施の形態に係る画像処理装置1では、
文字領域及び近傍画素を含む領域に対して、黒文字領域
・色にじみ領域・その他領域に分離し、各々の領域で黒
生成量を制御するものである。そこで、まず、この文字
・網点・写真領域判定部20で、カラー画像入力装置2
により読み込まれた画像データを、文字領域・網点領域
・写真領域に分離し、次に、色にじみ判定部21にて、
文字領域及び近傍画素を含む領域より、黒文字領域・色
にじみ領域・その他領域に分類する処理を行う。
【0048】文字・網点・写真領域判定部20による、
入力画像データを文字領域・網点領域・写真領域に分離
する方法としては、例えば「画像電子学会研究会予稿9
0−06−04,p19〜p24」に記載されている方
法を用いることができる。以下に詳細を説明する。
【0049】注目画素を中心としたM×N(M、Nは自
然数)画素のブロック内で以下のような判定を行い、そ
れを注目画素の領域識別信号とする。
【0050】まず、ブロック内の中央の9画素(注目画
素を中心とした3×3画素)に対してそれらの信号レベ
ルの平均値(Dave )を求め、その平均値を用いてブロ
ック内の各画素を2値化する。また、最大画素信号レベ
ル(Dmax )、最小画素信号レベル(Dmin )を求め
る。
【0051】次に、網点領域には、小領域における画像
信号の変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高いと
いった特徴があることを利用し、網点領域を識別する。
具体的には、2値化されたデータに対して、主走査方向
及び副走査方向のそれぞれで、0から1への変化点数K
H 、および1から0への変化点数KV を求める。次い
で、変化点数KH およびKV をそれぞれ閾値TH および
V と比較する。そして、変化点数KH およびKV が共
に閾値(TH 、TV )を上回る場合、網点領域と判定
し、そうでない場合、非網点領域と判定する。さらに、
網点領域と判定した場合、背景との誤判定を防ぐため
に、信号レベルの平均値(Dave )と最大信号レベル
(Dmax )との差、および信号レベルの平均値
(Dave )と最小信号レベル(Dmin )との差をそれぞ
れ閾値B1 およびB2 と比較する。そして、これらの差
が共に閾値(B1 、B2 )を上回る場合には網点領域と
判定する一方、他の場合には非網点領域に判定を変え
る。即ち、以下の条件で、網点領域と網点領域以外の領
域(非網点領域)とを分ける。
【0052】
【数2】
【0053】次に、文字領域には、最大信号レベルと最
小信号レベルの差が大きく、濃度も高いといった特徴が
あると考えられる。そこで、ここでは、この特徴を利用
して、文字領域を識別する。具体的には、網点領域か否
かの判断で、網点領域以外とされた非網点領域におい
て、先に求めておいた最大信号レベル(Dmax )、先に
求めておいた最小信号レベル(Dmin )、およびこれら
の差分(Dsub )をそれぞれ、閾値PA 、PB 、および
C と比較し、どれか一つが閾値を上回ったならば文字
領域、すべてが閾値以下ならば写真領域とする。即ち、
以下の条件で、非網点領域を、文字領域と写真領域とに
分ける。
【0054】
【数3】
【0055】次に、上記の方法により抽出された文字領
域とその近傍画素(例えば数画素程度)を含めた領域に
対して、色にじみ領域が生じているかどうかの判定を、
色にじみ判定部21で行う。色にじみ判定部21は、有
彩色判定部21a、エッジ抽出処理部21b、及び近傍
画素判定部21cから構成されている。
【0056】色にじみは、黒文字のエッジの外側に生じ
る。そこで、色にじみ領域の判定方法としては、文字領
域とその近傍画素(例えば数画素程度)を含めた領域に
対して、注目画素が、『有彩色である』,『エッジであ
る』,『周囲の画素のどれかに黒文字領域の画素(無彩
色の画素)がある』の3つの条件を用い、これら、3つ
の条件全てを満たす場合に、色にじみ領域と判定する。
それぞれの条件の判定は、有彩色判定部21a、エッジ
抽出処理部21b、及び近傍画素判定部21cで行われ
る。
【0057】有彩色判定部21aでは、図4に示すよう
に、CMY信号の最大値max(C,M,Y)と最小値
min(C,M,Y)の差が所定の閾値Δをこえた場合
に有彩色と判定し、閾値Δより小さい場合には無彩色と
判定する。
【0058】エッジ抽出処理部21bでのエッジの判定
方法としては、注目画素を中心とした例えば3×3の領
域で、図5に示すようなゾーベルフィルタを適用して行
う。図において左側のフィルタAは横方向、右側のフィ
ルタBは縦方向のエッジを検出するためのもので、これ
らのゾーベルフィルタを注目画素に対して適用して求め
られた値の和が、予め定められた閾値を超えた場合にエ
ッジと判定する。
【0059】近傍画素判定部21cでは、図6に示すよ
うな注目画素の近傍8画素に黒文字領域の画素があるか
否かを判定するために、前述の有彩色か無彩色かの判定
を近傍8画素に対して行い、どれか一つの画素でも無彩
色の画素ならば注目画素は色にじみであると判定する。
【0060】図3のフローチャートに、色にじみ判定部
21の色にじみ判定処理の手順を示す。
【0061】まず、ステップ1(以下ステップをSと記
す。)で、フラグFとフラグNを0に初期化する。フラ
グFは無彩色の判定を行っているのが注目画素なのか近
傍の画素なのかを区別するためのフラグであり、0の場
合は注目画素、aでは近傍画素の判定を行っていること
を表す。フラグNは、近傍画素判定を行う際のパラメー
タ(近傍画素の数:K)であり、何個目の近傍画素の判
定を行っているかを表す。
【0062】次に、注目画素が有彩色であるのか否かの
判定を行うために、S2にて注目画素のC,M,Y信号
について、最大値max(C,M,Y)及び最小値mi
n(C,M,Y)が求められる。なお、最大値max
(C,M,Y)とは、C濃度信号のレベルC、M濃度信
号のレベルM、およびY濃度信号のレベルYのうち、最
も大きいレベルの値である。同様に、最小値min
(C,M,Y)とは、C濃度信号のレベルC、M濃度信
号のレベルM、およびY濃度信号のレベルYのうち、最
も小さいレベルの値である。
【0063】S3では、上記最大値max(C,M,
Y)と最小値min(C,M,Y)との差と、予め定め
られた閾値Δとの比較が行われる。最大値max(C,
M,Y)と最小値min(C,M,Y)との差が予め定
められた閾値Δより大きいとき、すなわち、 max(C,M,Y)−min(C,M,Y)>Δ の条件が満たされる場合、注目画素は有彩色であると判
定する。S3で、注目画素が有彩色であると判定される
と、S4で、フラグFがaか否かの判定がなされる。今
の場合、フラグFは0であるので、フラグFがaでない
と判定される。フラグFがaの場合については後述す
る。
【0064】一方、S3で、注目画素の判定処理にて、
有彩色でないと判定されると、S10でCMYの最大値
max(C,M,Y)と予め定められた閾値MAX0
の比較がなされる。これは、最大値max(C,M,
Y)がある程度低い場合には、最大値と最小値の差も小
さくなり認識が困難になるため、最大値に対する条件を
設けているものである。
【0065】S10で、上記条件が満たされる(無彩
色)と判定されると、S11でフラグFの内容が確認さ
れる。この場合、すなわちフラグFがaでない場合は、
注目画素が無彩色、すなわち、黒文字領域に属するとS
12にて判定される。Sl0で上記条件が満たされない
場合、注目画素の判定処理中、すなわちS14でフラグ
Fがaでない時は、その他領域の画素と判断される。
【0066】S4でフラグFがaでないと判定される
と、S5で前述した図5のゾーベルフィルタによるエッ
ジ抽出処理が施され、S6で注目画素がエッジか否かが
判定される。S6でエッジではない(有彩色であるがエ
ッジではない)場合は、S15にて色文字と判断される
のでその他領域に分類される。S6で、エッジであると
判断されると、注目画素は色にじみが生じている可能性
があるので、次に近傍画素が無彩色か否か(近傍画素に
黒文字領域があるかどうか)を判定する必要がある。
【0067】そこで、S7で、先ずフラグNがK(近傍
画素の数)か否か(近傍画素全てについて無彩色か否か
の判定処理がなされたか否か)が判定される。今、フラ
グNは0であるので、フラグFをaに設定し(S8)、
Nの数を1増加させてから(S9)、S3に戻り近傍画
素の判定が行われる。
【0068】近傍画素の判定を行う場合には、S5・S
6のエッジ抽出処理及びエッジの判定処理は不要である
ので、S4でフラグFの判定を行っている。すなわち、
近傍画素の判定を行っているF=aの場合は、S3での
処理の後、S7にてNがKであるかどうかの判定処理が
なされる。
【0069】S3で、近傍画素の判定処理中、有彩色で
ないと判定されると、S10でCMYの最大値max
(C,M,Y)と予め定められた閾値MAX0 との比較
がなされる。
【0070】S10で、上記条件が満たされる(無彩
色)と判定されると、S11でフラグFの内容が確認さ
れる。この場合、すなわちフラグFがaの場合は、注目
画素の近傍に無彩色の画素が存在するので、注目画素は
色にじみであるとS13にて判定される。
【0071】Sl0で、上記条件が満たされない場合、
近傍画素の判定処理中、すなわちS14でフラグFがa
の時は、さらに別の近傍画素の判定を行う必要があるの
で、S7に戻る。
【0072】S7で近傍画素全てについて判定を行った
結果、無彩色の画素が見いだされなかった場合(フラグ
N=Kと判断された場合)もその他領域の画素として分
類される。
【0073】図2の色にじみ判定部21について、図3
のフローチャートに対応付けて説明すると、以下の通り
である。
【0074】まず、図2には示していないが、有彩色判
定部21a、エッジ抽出処理部21b、および近傍画素
判定部21cには、全領域のC信号、M信号、およびY
信号が入力されている。
【0075】有彩色判定部21aは、文字領域にあるこ
とを示す文字領域識別信号に基づき、文字領域の各画素
とその近傍画素(例えば数画素程度)を注目画素とし
て、図3のS2、S3、およびS10に相当する有彩色
判定処理を注目画素に対して行う。具体的には、まず、
注目画素の最大値max(C,M,Y)および最小値m
in(C,M,Y)を求め、最大値max(C,M,
Y)と最小値min(C,M,Y)との差が閾値Δより
大きいかを判定する。そして、最大値max(C,M,
Y)と最小値min(C,M,Y)との差が閾値Δより
大きい場合には、注目画素が有彩色であると判定し、そ
の注目画素に関するエッジ抽出処理を行うようエッジ抽
出処理部21bに指示する。一方、最大値max(C,
M,Y)と最小値min(C,M,Y)との差が閾値Δ
以下である場合には、注目画素の最大値max(C,
M,Y)が閾値MAX0 以上であるかを判定する。そし
て、最大値max(C,M,Y)が閾値MAX0 以上で
ある場合には、注目画素が黒文字領域にあると判定し、
黒文字領域を表す領域識別信号を黒生成/下色除去部1
5に出力する。一方、最大値max(C,M,Y)が閾
値MAX0 未満である場合には、注目画素がその他領域
にあると判定し、その他領域を表す領域識別信号を黒生
成/下色除去部15に出力する。
【0076】エッジ抽出処理部21bは、有彩色判定部
21aから指示を受けたときに、図3のS5およびS6
に相当するエッジ判定処理を行う。具体的には、C・M
・Yの各信号毎に、注目画素を中心としたM×N(M、
Nは自然数)のブロック内の画素(例えば、3×3画
素)の濃度値に対して、エッジ検出フィルタ(例えば、
図5に示すようなゾーベル(Sobel) フィルタ)を掛け
る。そして、得られた値の和が予め定められた閾値を越
えている場合には、注目画素が文字のエッジであると判
定し、その注目画素の近傍画素に関する判定処理(近傍
画素判定処理)を行うよう近傍画素判定部21cに指示
する。一方、得られた値の和が予め定められた閾値以下
である場合には、注目画素がその他領域にあると判定
し、その他領域を表す領域識別信号を黒生成/下色除去
部15に出力する。
【0077】近傍画素判定部21cは、エッジ抽出処理
部21bから指示を受けたときに、注目画素の近傍画素
(この場合、近傍8画素)に対する、図3のS2、S
3、およびS10に相当する処理(近傍画素判定処理)
を行う。具体的には、具体的には、まず、1つの近傍画
素の最大値max(C,M,Y)および最小値min
(C,M,Y)を求め、最大値max(C,M,Y)と
最小値min(C,M,Y)との差が閾値Δより大きい
かを判定する(S3)。そして、最大値max(C,
M,Y)と最小値min(C,M,Y)との差が閾値Δ
以下である場合には、さらに、その近傍画素の最大値m
ax(C,M,Y)が閾値MAX0 以上であるかを判定
する(S10)。そして、近傍画素の最大値max
(C,M,Y)が閾値MAX0 以上である場合、近傍画
素が黒文字領域にあると判定する。したがって、この場
合、注目画素が色にじみ領域にあると判定し、色にじみ
領域を表す領域識別信号を黒生成/下色除去部15に出
力する。一方、S3で最大値max(C,M,Y)と最
小値min(C,M,Y)との差が閾値Δより大きい
か、あるいはS10で近傍画素の最大値max(C,
M,Y)が閾値MAX0 未満である場合には、別の近傍
画素についてS2、S3、およびS10の処理を行う。
そして、全ての近傍画素についてS2、S3、およびS
10の処理を行っても、黒文字領域にある近傍画素が見
つからなかった場合には、注目画素がその他領域にある
と判定し、その他領域を表す領域識別信号を黒生成/下
色除去部15に出力する。
【0078】再び、図2に戻り、黒生成/下色除去部1
5の処理内容を説明する。黒生成/下色除去部15にお
ける黒生成部15aでは、CMY信号から、K信号Ki
(i=1〜3;K1 は黒文字領域での黒生成量を表すK
信号、K2 は色にじみ領域での黒生成量を表すK信号、
3 はその他の領域での黒生成量を表すK信号)を計算
する。黒生成量の計算方法としては、(2)式を用い
る。
【0079】
【数4】
【0080】ここで、図7に示すように、最小値min
(C,M,Y)はCMY信号の最小値であり、これに定
数を掛けたものをK信号とする。ただし、色にじみ領域
では、信号がずれていることを考慮して、最大値max
(C,M,Y)と最小値min(C,M,Y)の平均値
を用いる。このとき、領域分離処理部14の色にじみ判
定部21で判定された色にじみ判定信号(領域識別信
号)によって係数を切替える。
【0081】色にじみ領域での黒生成量を黒文字領域と
同じにすると黒文字が太くなるため、黒文字領域での係
数をF1 (F1 >0)、色にじみ領域での係数をF
2 (F2>0)、その他の領域での係数をF3 (F3
0)とすると、F1 >F2 >F3となるように値を設定
する。その他の領域は、カラーの絵柄の部分に当たるた
め、コントラストの大きい黒の生成量を少なくし、CM
Yの三色で画像形成を行った方が、濁りのない良好な画
像になることからF3 を小さくする。
【0082】なお、単にmin(C,M,Y)をKに置
き換えるのであれば、F3 =1となるが、等量のCMY
を混ぜたものとKが必ずしも等しいわけではないため、
単にmin(C,M,Y)をKに置き換えることはでき
ない。よって、色再現に望ましいF3 の値は1になると
は限らない。また、ある色を表すCMYKの組み合わせ
は複数あるため、Kが少ない組み合わせが良い場合もあ
る。この場合、F3 は、その他の有彩色の画像領域であ
るため、むしろ1未満であることが望ましい。
【0083】F1 ,F2 ,F3 は事前に多くの画像に対
して様々な値に設定して画像形成を行い、その結果を基
に最適な値を設定すればよい。
【0084】黒生成/下色除去部15における下色除去
部15bでは、図8に示すように、元のCMY信号か
ら、黒生成部で計算されたK信号Ki (i=1〜3)
に、定数α(0<α<1)をかけたものを差し引いて、
新たなCMY信号C’M’Y’を生成する。下色除去部
15bにおけるCMY信号C’M’Y’の計算式を、
(3)式に示す。
【0085】
【数5】
【0086】なお、(3)式によって計算されるC’
M’Y’は、負の値になることもある。例えば、色にじ
み領域での係数F2 を1、定数αを1とすれば、(3)
式で計算されるC’M’Y’のうちで最小のものは、
{min(C,M,Y)−max(C,M,Y)}/2
に等しくなり、必ず負の値になる。このように(3)式
の計算結果が負の値になる信号については、0の値を持
つ信号に変換するものとする。また、ここでは、0<α
<1としたが、係数αは1以上であっても問題はない。
【0087】以上のように、本実施の形態の画像処理装
置1では、RGBの入力画像データをYMCKの出力画
像データに変換する際に、領域分離処理部14が、入力
画像データを文字領域・網点領域・写真領域に分離する
と共に、文字領域をさらに、黒文字領域・色にじみ領域
・これらのどちらにも属さないその他領域に分類し、黒
生成/下色除去部15が、黒文字領域・色にじみ領域・
その他領域毎に黒の生成量を制御するので、色にじみ領
域を黒文字領域やその他領域と区別して、色にじみ領域
にあった黒生成量を決定することができ、色にじみ領域
が生じている故に、小さな黒文字が読み取り難くなった
り、黒線に色が付く等の問題をなくして、黒文字、黒線
等を良好に再現することが可能となる。
【0088】また、上記画像処理装置1では、黒生成/
下色除去部15は、黒文字領域の黒生成量をK1 、色に
じみ領域の黒生成量をK2 、その他領域の黒生成量をK
3 とすると、K1 >K2 >K3 の関係を満たすように黒
生成量を制御するので、黒文字が太くなるのを防ぐと共
に、色濁りのない良好な画像を形成することができる。
【0089】さらに、上記画像処理装置1では、黒生成
/下色除去部15は、色にじみ領域の黒生成量を、複数
の色成分の出力画像データの最大値と最小値との平均値
に基づいて決定するので、CMY信号のずれの影響が小
さい黒生成量の決定が可能となり、より一層、黒文字、
黒線等を良好に再現することが可能となる。
【0090】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図9ないし図11に基づいて説明すれば、以下
の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1
にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一
の符号を付記し、その説明を省略する。
【0091】実施の形態1では、入力画像データに領域
分離処理を施すことにより文字領域を抽出し、さらに文
字領域を、黒文字領域、色にじみ領域、およびこれらの
どちらにも属さないその他領域に分離し、各領域毎に黒
生成量を変化させる手法を説明した。
【0092】しかしながら、この手法では、黒生成処理
のみを各領域毎に制御しており、CMY信号を減少させ
る下色除去処理は各領域毎に制御していない。すなわ
ち、実施の形態1では、黒文字領域、色にじみ領域、お
よびその他領域の各領域毎に黒生成量を変化(増加ある
いは減少)させるだけであり、CMY信号を減少させる
下色除去処理については各領域毎に制御せず、黒生成量
に対してCMY信号を減少させる量を全領域で一定の割
合となるようにしていた。そのため、色にじみを充分に
除くことができなかったり、その他領域(例えば、絵柄
や色文字)の濃度や彩度が低下してしまうおそれがある
という問題がある。
【0093】本実施形態は、下色除去処理(および下色
追加(UCA:Under Color Additi
on)処理)を黒文字領域、色にじみ領域、およびその
他領域の各領域に応じて切り替えることで、色にじみを
さらに低減するとともに、その他領域(例えば、絵柄や
色文字)の濃度や彩度の低下を防止するものである。
【0094】また、本実施形態では、その他領域に適し
た黒生成処理および下色除去処理を行うが、その他領域
に適した処理とは多くの色に対して平均的に良い結果を
もたらす処理を意味している。従って、必ずしも全ての
色において最適化されているのではないため、色によっ
ては彩度低下を引き起こす可能性がある。例えば、濃い
緑のような暗くて鮮やかな色において彩度低下が生じや
すい傾向がある。それゆえ、このような色を下色除去処
理後、そのまま出力すると、画質が劣化することがあ
る。そこで、本実施形態では、このような画質の劣化を
防ぐために下色除去処理後に下色追加処理を行うように
なっている。
【0095】図9に、本発明の画像処理方法及び画像処
理装置の構成が適用された画像処理装置31の構成を示
す。図9に示すように、画像処理装置31は、黒生成/
下色除去部15の代わりに黒生成/下色除去部(黒生成
/下色除去手段)25を備え、黒生成/下色除去部25
の後段に下色追加部(下色追加手段)26をさらに備
え、操作パネル31に接続されている点以外は、実施の
形態1の画像処理装置1と同様の構成を備えている。本
実施形態では、画像処理装置31、カラー画像入力装置
2、カラー画像形成装置3、および操作パネル31によ
って、画像形成装置としてのデジタルカラー複写機が構
成されている。
【0096】領域分離処理部14は、注目画素が網点領
域および写真領域に属していることを示す領域識別信号
(網点・写真領域識別信号)を、空間フイルタ処理部1
6および階調再現処理部18へと送る。また、注目画素
が黒文字領域、色にじみ領域、およびその他の領域のど
の領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成/
下色除去部25および下色追加部26へと送る。
【0097】黒生成/下色除去部25は、黒生成部25
aと下色除去部(下色除去手段)25bとによって構成
されている。黒生成部25aは、実施の形態1で説明し
た黒生成部25aと同一の構成を備えており、色補正さ
れたCMY信号と領域識別信号とに基づいて黒(K)生
成処理を行う。下色除去部25bは、領域識別信号に応
じた計算式によって黒信号から計算される下色の量をC
MY信号から減算し、CMYK4色のデータに変換す
る。黒生成処理および下色除去処理の詳細については後
述する。
【0098】下色追加部26は、黒生成処理および下色
除去処理により得られたCMYK信号と領域識別信号と
に基づいて、黒生成による彩度低下を補うためにCMY
信号を増加する下色追加処理を行う。下色追加処理の詳
細についても後述する。
【0099】操作パネル30は、画像処理装置31、カ
ラー画像入力装置2、およびカラー画像形成装置3の動
作を制御すべくユーザが操作するためのボタン群と、ユ
ーザの操作に必要な情報等を表示するための液晶ディス
プレイ等からなる表示部とを備えるものである。
【0100】次に、黒生成/下色除去部25および下色
追加部26における処理の内容を詳細に説明する。
【0101】図10に、領域分離処理部14、黒生成/
下色除去部25、および下色追加部26の構成を示す。
【0102】前記の実施の形態1では、色にじみ判定部
21の判定結果に基づいて処理を切り替えるのは黒生成
部15aだけであったが、本実施形態では、黒生成部2
5aだけでなく下色除去部25bおよび下色追加部26
においても、色にじみ判定部21の判定結果に基づき処
理を切り替える。
【0103】下色除去部25bでは、図8に示すよう
に、元のCMY信号から、黒生成部25aで計算された
K信号Ki (i=1〜3)に、定数α(0<α<1)を
かけたものを差し引いて、新たなCMY信号C’M’
Y’を生成する。すなわち、下色除去部25bにおける
C信号C’、M信号M’、およびY信号Y’の計算式
は、実施の形態1の(3)式と同様である。
【0104】ただし、ここで、黒文字領域での係数αを
α1 、色にじみ領域での係数αをα 2 、その他の領域で
の係数αをα3 とすると、α1 、α2 、およびα3 は、
異なる値に設定される。言い換えると、下色除去部25
bは、C信号C’、M信号M’、およびY信号Y’を計
算するための式として、黒文字領域では次の(4)式
を、色にじみ領域では次の(5)式を、その他の領域で
は次の(6)式をそれぞれ使用する。
【0105】
【数6】
【0106】黒文字領域では、黒生成量を大きくしK単
色に近い状態で出力して文字を鮮明にするために、α1
を比較的大きくする(α2 およびα3 より大きくす
る)。色にじみ領域では、色にじみの原因となるCMY
量を減らすために係数α2 を比較的大きくする。ただ
し、色にじみ領域のCMYを完全に除くと、色にじみ領
域の濃度が低くなり、黒文字とその他領域との間にギャ
ップ(線状の白抜け)を生じたように見えてしまう。そ
こで、このような問題が生じないように、最適な係数α
2 の値を予め実験等により求めておくとよい。このよう
に、黒文字領域および色にじみ領域での係数α1 および
α2 を比較的大きくすることで、黒文字領域および色に
じみ領域のCMY量を減少させ、黒文字領域および色に
じみ領域を黒単色に近い色にすることができる。そのた
め、色にじみ領域に生じた色にじみをより効果的に除く
ことが可能となる。その他領域では、色の再現性を優先
するため、黒生成部25aで加えたK量と同様な効果を
与える分の下色を除去するように係数α3 を定める。そ
のため、この係数α3 は、基本的に係数α1 およびα2
より小さい。なお、実施の形態1で述べたように等量の
CMYを混ぜたものとKが必ずしも等しいわけではない
ため、α3 の値も1が望ましいとは限らない。
【0107】下色追加部26では、下色除去処理により
低下した彩度を補うために、CMY量を増加させる下色
追加処理を行う。図11を用いて下色追加処理を説明す
る。斜線で表した処理前のC’,M’,Y’信号のそれ
ぞれに対して、網かけで表した信号を加算し、得られた
信号を新しいCMY信号C”,M”,Y”とすること
で、彩度を高める。
【0108】下色追加部26における下色追加処理方法
としては、例えば、特開昭63−180270号公報
(特公平6−44801号公報)に記載の方法が使用で
きる。この方法では、下色除去処理後に残ったCMY信
号C’,M’,Y’をK信号の量に応じて強調する。K
信号に依存する係数をβとすると、CMY信号C”,
M”,Y”の計算式は、次の式(7)で表される。な
お、ここでは、C’,M’,Y’,K,C”,M”,お
よびY”が、0〜255の値をとる8ビットのデジタル
信号である場合を示している。
【0109】
【数7】
【0110】式(7)の係数γは、色にじみ判定部21
から出力された領域識別信号によって切り替えられる。
すなわち、領域識別信号が黒文字領域を表す信号であれ
ば係数γをγ1 とし、領域識別信号が色にじみ領域を表
す信号であれば係数γをγ2とし、領域識別信号がその
他領域を表す信号であれば係数γをγ3 とする。
【0111】これらの係数γ1 、γ2 、およびγ3 は、 γ1 ≦γ2 <γ3 という関係を満たすように設定すると良い。すなわち、
黒文字領域および色にじみ領域での係数γの値γ1 ・γ
2 を比較的小さい値(0または小さい値)にし、その他
領域での係数γの値γ3 を、黒文字領域および色にじみ
領域での係数γの値γ1 ・γ2 より大きい値に設定する
と良い。こうすることで、黒文字領域および色にじみ領
域での彩度を増加させることなく、黒生成処理および下
色除去処理によるその他領域での彩度の低下を補うこと
ができる。
【0112】また、下色追加処理は、黒生成処理および
下色除去処理により彩度が低下した場合に彩度の低下を
補うためのものである。従って、下色追加処理は、黒生
成処理および下色除去処理により彩度が低下した場合に
のみ、特に、その他領域で彩度低下が起きた場合にのみ
行えばよい。
【0113】そこで、本実施形態の下色追加部26で
は、通常は下色追加処理を行わず、操作パネル30から
ユーザの指示を受けたときのみ下色追加処理を行うよう
になっている。すなわち、下色追加部26は、通常時は
OFF状態(信号がそのまま通過する状態)である。そ
して、ユーザが、通常の状態で複写を行い、彩度低下が
起きているのでもう少し鮮やかな画像を出力したいと感
じて、操作パネル30に設けられた下色追加処理ボタン
を押すと、下色追加部26に下色追加制御信号が送ら
れ、下色追加部26がON状態に切り替わる。
【0114】なお、下色追加部26において下色追加処
理を行うかどうかは、黒生成/下色除去部25での各種
パラメータを設定する時(色補正データの作成時)に行
ってもよい。すなわち、この時点で、まず、下色追加処
理を行わずに黒生成/下色除去部25での黒生成処理お
よび下色除去処理を行った画像データをカラー画像形成
装置3に出力し、紙等の記録媒体上に画像を形成する。
そして、目視あるいは測色器で彩度を測定し、彩度低下
が起きているかどうかを調べることで行う。
【0115】また、黒色生成部25aにおける係数
1 、F2 、およびF3 の設定や、下色除去部25bに
おける係数α1 、α2 、およびα3 の設定が適切であ
り、黒生成処理および下色除去処理によりその他領域の
彩度が低下しない場合には、色再現のために下色追加処
理を行う必要はない。
【0116】以上のように、本実施形態の画像処理装置
31では、黒生成/下色除去部25が、黒生成処理にお
ける黒の生成量と下色除去処理における黒以外の色成分
(C,M,Y)の減少量との双方を黒文字領域・色にじ
み領域・その他領域毎に制御するので、実施の形態1の
画像処理装置1に加えて、次の効果が得られる。すなわ
ち、色にじみ領域においては黒以外の色成分をより少な
くすることで色にじみをさらに低減でき、しかも、その
他領域、すなわち絵柄や色文字等の着色部分においては
黒以外の色成分を黒生成量に応じた量だけ減少すること
で、着色部分の彩度の低下を回避することができる。
【0117】なお、上述した各実施形態はあくまでも本
発明の一例であり、本発明は上述した各実施形態以外の
実施形態にも適用可能である。
【0118】例えば、上述した各実施形態の領域分離処
理部14では、RGB信号を色補正部13で色変換する
ことにより得られたCMY信号(色補正画像データ)に
対して領域分離処理を行って、領域識別信号を生成する
ようになっていたが、領域分離処理される画像データ
は、色変換される前の入力画像データ、例えば、入力階
調補正部12から出力されたRGB信号であってもよ
い。
【0119】RGB信号を領域分離処理するようにした
画像処理装置の例を図12に基づいて説明する。この例
のカラー画像処理装置(画像処理装置)41は、図12
に示すように、領域分離処理部14に代えて領域分離処
理部44を備える以外は実施の形態1の画像処理装置1
と同様の構成を備えている。領域分離処理部44は、C
MY信号ではなく入力階調補正部12から出力されたR
GB信号に基づいて領域分離処理を行う点、およびRG
B信号を色補正部13に出力する点以外は、領域分離処
理部14と同様である。すなわち、領域分離処理部14
は、入力画像データ(RGB信号)中の各画素を文字領
域・網点領域・写真領域に分離し、さらに上記文字領域
およびその近傍領域の各画素を黒文字領域・色にじみ領
域・これらのどちらにも属さないその他領域に分類する
ようになっている。また、領域分離処理部44は、領域
分離結果に基づき、各画素がどの領域に属しているかを
示す領域識別信号を黒生成/下色除去部15、空間フィ
ルタ処理部16、および階調再現処理部18へ出力する
とともに、入力階調補正部12より出力された入力信号
をそのまま後段の色補正部13に出力する。
【0120】上記構成によっても、実施の形態1と同様
に、色にじみ領域を黒文字領域やその他領域と区別し
て、色にじみ領域にあった黒生成量を決定することがで
き、色にじみ領域が生じている故に、小さな黒文字が読
み取り難くなったり、黒線に色が付く等の問題をなくし
て、黒文字、黒線等を良好に再現することが可能とな
る。
【0121】また、上述した各実施形態では、本発明を
デジタルカラー複写機の画像処理装置に適用した場合に
ついて説明したが、本発明は、RGBの画像データをC
MYKの画像データに変換する機能を備えたコンピュー
タにも適用することが可能である。この場合、RGBの
画像データをCMYKの画像データに変換する機能は、
例えば、RGBの画像データを印刷用のCMYKの画像
データに変換可能なプリンタドライバで実現することが
可能である。
【0122】また、上述した各実施形態では、CMYK
の画像データを出力する画像処理装置について説明した
が、本発明は、4色より多くの色成分(ただし、黒色を
含む)からなる画像データを出力する画像処理装置にも
適用可能である。
【0123】
【発明の効果】本発明の画像処理方法は、以上のよう
に、入力画像データあるいは色補正画像データを文字領
域・網点領域・写真領域に分離し、さらに文字領域およ
びその近傍領域を、黒文字領域・色にじみ領域・これら
のどちらにも属さないその他領域に分類し、黒文字領域
・色にじみ領域・その他領域毎に黒の生成量を制御する
ものである。
【0124】これにより、文字領域がさらに黒文字領
域、色にじみ領域、及びその他領域に分類され、各領域
毎に黒生成量が個別に制御されるので、色にじみ領域を
黒文字領域やその他領域と区別して、色にじみ領域にあ
った黒生成量とすることができる。その結果、色にじみ
領域が生じている故に、小さな黒文字が読み取り難くな
ったり、黒線に色が付く等の問題をなくして、黒文字、
黒線等を良好に再現することが可能となるという効果を
奏する。
【0125】また、本発明の画像処理方法は、さらに、
出力画像データにおける黒以外の色成分を減少させる下
色除去処理を行い、黒文字領域・色にじみ領域・その他
領域毎に黒以外の色成分の減少量を制御する方法である
ことが好ましい。
【0126】これにより、黒文字領域および色にじみ領
域においては黒以外の色成分(例えばCMY成分)を減
少させる一方、その他領域である絵柄や色文字等の着色
部分においては、黒以外の色成分を黒生成量に応じた量
だけ減少することできる。それゆえ、上記方法は、前述
の効果に加えて、着色部分の彩度の低下を回避しながら
色にじみをさらに低減することができるという効果を奏
する。
【0127】また、本発明の画像処理方法は、さらに、
出力画像データにおける黒以外の色成分を増加させる下
色追加処理を行い、黒文字領域・色にじみ領域・その他
領域毎に黒以外の色成分の増加量を制御する方法であっ
てもよい。
【0128】これにより、下色除去処理によってその他
領域である絵柄や色文字等の着色部分に彩度の低下が生
じた場合においても、下色追加処理によりその他領域の
黒以外の色成分を増加させることができ、また、下色追
加処理による色にじみ領域の黒以外の色成分の増加量を
低く抑えることができる。それゆえ、上記方法は、前述
の効果に加えて、色にじみの増加を回避しながら着色部
分の彩度をより忠実に再現することができるという効果
を奏する。
【0129】本発明の画像処理装置は、以上のように、
領域分離手段は、文字領域およびその近傍領域を、黒文
字領域・色にじみ領域・これらのどちらにも属さないそ
の他領域に分類する色にじみ判定手段を備えており、上
記黒生成手段は、上記色にじみ判定手段にて分類された
黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒生成量を
制御する構成である。
【0130】これにより、文字領域がさらに黒文字領
域、色にじみ領域、及びその他領域に分類され、各領域
毎に黒生成量が個別に制御されるので、色にじみ領域を
黒文字領域やその他領域と区別して、色にじみ領域にあ
った黒生成量とすることができる。その結果、色にじみ
領域が生じている故に、小さな黒文字が読み取り難くな
ったり、黒線に色が付く等の問題をなくして、黒文字、
黒線等を良好に再現することが可能となるという効果を
奏する。
【0131】また、本発明の画像処理装置は、出力画像
データにおける黒以外の色成分を減少させる下色除去処
理を行う下色除去手段をさらに備え、上記下色除去手段
は、上記色にじみ判定手段にて分類された黒文字領域・
色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分の減少量
を制御する構成であることが好ましい。
【0132】これにより、黒文字領域および色にじみ領
域においては黒以外の色成分(例えばCMY成分)を減
少させる一方、その他領域である絵柄や色文字等の着色
部分においては、黒以外の色成分を黒生成量に応じた量
だけ減少することできる。それゆえ、上記構成は、前述
の効果に加えて、着色部分の彩度の低下を回避しながら
色にじみをさらに低減することができるという効果を奏
する。
【0133】また、本発明の画像処理装置においては、
黒生成手段が、黒文字領域の黒生成量をK1 、色にじみ
領域の黒生成量をK2 、その他領域の黒生成量をK3
すると、K1 >K2 >K3 の関係を満たすように黒生成
量を制御する構成とすることで、さらに、黒文字が太く
なるのを防ぐと共に、色濁りのない良好な画像を形成す
ることが可能となる。
【0134】さらに、本発明の画像処理装置において
は、黒生成手段が、色にじみ領域の黒生成量を、色補正
画像データに含まれる複数の色成分の最大値と最小値と
の平均値に基づいて決定する構成とすることで、CMY
信号のずれの影響が小さい黒生成量の決定が可能とな
り、より一層、黒文字、黒線等を良好に再現することが
可能となる。
【0135】また、本発明の画像処理装置は、出力画像
データにおける黒以外の色成分を増加させる下色追加処
理を行う下色追加手段をさらに備え、上記下色追加手段
は、上記色にじみ判定手段にて分類された黒文字領域・
色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色成分の増加量
を制御する構成であってもよい。
【0136】これにより、下色除去処理によってその他
領域である絵柄や色文字等の着色部分に彩度の低下が生
じた場合においても、下色追加処理によりその他領域の
黒以外の色成分を増加させることができ、また、下色追
加処理による色にじみ領域の黒以外の色成分の増加量を
低く抑えることができる。それゆえ、上記構成は、前述
の効果に加えて、色にじみの増加を回避しながら着色部
分の彩度をより忠実に再現することができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、画像処理
装置の構成を主に示すブロック図である。
【図2】上記画像処理装置における、領域分離処理部及
び黒生成/下色除去部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記領域分離処理部による、文字領域を、黒文
字領域・色にじみ領域・その他領域に分離する処理の流
れを示すフローチャートである。
【図4】上記領域分離処理部における有彩色判定部によ
る、有彩色か無彩色かを判定する判定方法を示す説明図
である。
【図5】上記領域分離処理部におけるエッジ抽出処理部
がエッジ抽出処理を行う際に使用するゾーベルフィルタ
の一例を示す説明図である。
【図6】注目画素とその近傍の近傍画素の範囲の一例を
示す説明図である。
【図7】上記画像処理装置における黒生成/下色除去部
における、黒生成処理の内容を示す説明図である。
【図8】上記画像処理装置における黒生成/下色除去部
における、下色除去処理の内容を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示すもので、画像処
理装置の構成を主に示すブロック図である。
【図10】図9に示す画像処理装置における、領域分離
処理部、黒生成/下色除去部、および下色追加部の構成
を示すブロック図である。
【図11】図9に示す画像処理装置における下色追加部
における、下色追加処理の内容を示す説明図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態を示すもの
で、画像処理装置の構成を主に示すブロック図である。
【符号の説明】 1 画像処理装置 2 カラー画像入力装置(画像入力手段) 3 カラー画像形成装置(画像形成手段) 13 色補正部(色補正手段) 14 領域分離処理部(領域分離手段) 15 黒生成/下色除去部(黒生成/下色除去手段) 15a 黒生成部(黒生成手段) 15b 下色除去部(下色除去手段) 21 色にじみ判定部(色にじみ判定手段) 21a 有彩色判定部 21b エッジ抽出処理部 21c 近傍画素判定部 25 黒生成/下色除去部(黒生成/下色除去手段) 25a 黒生成部(黒生成手段) 25b 下色除去部(下色除去手段) 26 下色追加部(下色追加手段) 30 操作パネル 31 画像処理装置 41 画像処理装置 44 領域分離処理部(領域分離手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/46 H04N 1/46 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1色成分を含む複数の色成分からなる入
    力画像データを第1色成分と異なる第2色成分を含む複
    数の色成分からなる色補正画像データに色変換した後、
    上記色補正画像データを基に黒と第2色成分とを含む複
    数の色成分からなる出力画像データを生成する黒生成処
    理を行う画像処理方法において、 上記入力画像データあるいは上記色補正画像データを文
    字領域・網点領域・写真領域に分離し、さらに上記文字
    領域およびその近傍領域を、黒文字領域・色にじみ領域
    ・これらのどちらにも属さないその他領域に分類し、黒
    文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒の生成量を
    制御することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】さらに、出力画像データにおける黒以外の
    色成分を減少させる下色除去処理を行い、 黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色
    成分の減少量を制御することを特徴とする請求項1記載
    の画像処理方法。
  3. 【請求項3】さらに、出力画像データにおける黒以外の
    色成分を増加させる下色追加処理を行い、 黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外の色
    成分の増加量を制御することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】画像入力手段より読み込まれた第1色成分
    を含む複数の色成分からなる入力画像データを第1色成
    分と異なる第2色成分を含む複数の色成分からなる色補
    正画像データに色変換する色補正手段と、上記入力画像
    データあるいは上記色補正画像データを文字領域・網点
    領域・写真領域に分離する領域分離手段と、上記領域分
    離手段の結果に基づいて黒生成量を決定し、上記第2色
    成分を含む複数の色成分からなる色補正画像データを基
    に、黒と第2色成分とを含む複数の色成分からなる出力
    画像データを生成する黒生成手段とを備えた画像処理装
    置において、 上記領域分離手段は、上記文字領域およびその近傍領域
    を、黒文字領域・色にじみ領域・これらのどちらにも属
    さないその他領域に分類する色にじみ判定手段を備えて
    おり、上記黒生成手段は、上記色にじみ判定手段にて分
    類された黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒
    生成量を制御することを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】出力画像データにおける黒以外の色成分を
    減少させる下色除去処理を行う下色除去手段をさらに備
    え、 上記下色除去手段は、上記色にじみ判定手段にて分類さ
    れた黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外
    の色成分の減少量を制御することを特徴とする請求項4
    記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】上記黒生成手段は、黒文字領域の黒生成量
    をK1 、色にじみ領域の黒生成量をK2 、その他領域の
    黒生成量をK3 とすると、K1 >K2 >K3 の関係を満
    たすように黒生成量を制御することを特徴とする請求項
    4または5に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】上記黒生成手段は、色にじみ領域の黒生成
    量を、色補正画像データに含まれる複数の色成分の最大
    値と最小値との平均値に基づいて決定することを特徴と
    する請求項4ないし6のいずれか1項に記載の画像処理
    装置。
  8. 【請求項8】出力画像データにおける黒以外の色成分を
    増加させる下色追加処理を行う下色追加手段をさらに備
    え、 上記下色追加手段は、上記色にじみ判定手段にて分類さ
    れた黒文字領域・色にじみ領域・その他領域毎に黒以外
    の色成分の増加量を制御することを特徴とする請求項4
    ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】請求項4ないし8のいずれか1項に記載の
    画像処理装置と、 上記画像処理装置で生成された出力画像データに基づい
    て記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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