JP4011494B2 - 画像処理装置および画像処理方法およびプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法およびプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,デジタル複写機,ファクシミリ,複合機能画像処理装置,MFP(マルチファンクションプリンタ)などの画像処理装置および画像処理方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー複写機においては、像域分離処理により画像の属性を判定し、最適な画像処理を施すことにより高画質な複写画質を達成している。特に、画像中の黒文字領域を判定し、黒文字に対して黒トナー単色で印字するような黒文字処理は、作像プロセスで発生する色ズレの影響をなくすことができ、高品位な黒文字再生に欠くことのできない処理である。
【0003】
ところで、カラー複写機では、複数枚のコピー出力を行いたいという要求があるが、これに対応するため画像データをハードディスクなどのデータ蓄積装置に一旦蓄積し、これを複数回読み出し、処理・出力する方法が一般的である。このときに問題となるのが像域分離データの取り扱いである。黒文字分離結果などの分離情報は、フィルタ処理,墨生成処理(黒文字では100%UCRにより黒トナーによる再生を行うもの),色消し処理(黒文字部では色補正後のc,m,yトナー量をゼロとし、余分な色成分を除去する処理),γ変換処理(黒文字の再現性を高めたいときに濃くして出力するもの),中間調処理(鮮鋭性の高い文字品質のために、画素単位での単純な閾値処理や誤差拡散など、解像性に優れた中間調処理を施すもの)などのほとんどの処理部で使用されるため、画像データとともに像域分離データも蓄積する必要がある。
【0004】
しかしながら、像域分離データを蓄積するということは、そのための回路が必要であったり、ハードディスクの容量を消費するため、できるならば像域分離データを保存しないことが好適である。また、処理途中の画像信号を外部の画像処理装置に転送し、残りの処理を行った後に出力するようなネットワーク型の画像処理システムなどにおいても、像域分離データを転送することはデータ転送量が増加するなどの問題があった。
【0005】
このような問題を解決する方法が特許文献1に示されている。この特許文献1では、黒文字分離結果を画像データ中に融合させて、蓄積あるいは転送し、読み出し後あるいは受信後に画像データから像域分離情報を抽出し、残りの画像処理を行う際に利用するようにしている。黒文字情報の融合は、黒文字画素を無彩色を表す信号(R=G=BやC=M=YやLabにおけるa=b=0など)に設定することで実現している。また、通常のカラー画像では一般的には用いられないような特殊な値(R=255,G=B=0など)とすることにより、黒文字情報を融合する方法も提案されている。このようにすることによって、像域分離信号を別途蓄積することなく、高画質な複写処理を実現している。
【0006】
しかしながら、近年、黒文字に対する分離結果はさらに細分化が行われており、黒文字という情報だけではさらなる高画質化が行えなくなってきた。
【0007】
例えば特許文献2では、文字のエッジ領域と文字内部領域とを別々に識別し、これらの処理を切り換えることによって、文字の画質をさらに高品位なものにしている。具体的には、文字エッジ部に対してはエッジ強調フィルタを施した後に最も解像性に優れた中間調処理(例えば固定値における2値化処理)を施し、文字内部領域に対してはフィルタスルーののち比較的解像性に優れた中間調処理(2×1のディザ)を施し、上記以外の絵柄部分には平滑化フィルタを施した後に最も階調性,粒状性に優れた中間調処理(2×2のディザ処理)を施すものである。このようにすることで、文字エッジと文字内部領域の境界部分での違和感(デフェクト)が低減された高品位な画像再生を行なうことができる。
【0008】
また、例えば特許文献3には、文字・線画の太さを判定し、太さに応じてUCR処理,フィルタ処理を制御することにより、文字線画等の黒色処理を円滑に行ない、黒文字処理の切り替わりがくっきりと目立つことを防止する技術が示されている。この特許文献3では、多段階に太さを検出し、太さに応じて処理を徐々に切り換えることで違和感の低減を図っている。また、文字・線画が白地中にある場合と網点中あるいは中間調中にある場合とで、異なる処理を行うことで、網点画像中の網点成分を強調してしまうことがなく、写真の縁等で余計な黒文字処理をすることがないようにしている。
【0009】
また、例えば特許文献4には、解像度変換を行う際に文字の太さに応じて補間法を切り換えることで、文字を高解像度で、写真を高階調で出力する技術が示されている。
【0010】
また、例えば特許文献5には、画像データ中の細線エッジ部と細線以外のエッジ部とを検出し、細線エッジ部には最近接画素置換法による解像度変換を行い、細線以外のエッジ部には線形補間法による解像度変換を行うことで、太文字や太線に対してはジャギーのない解像度変換を行い、細線に対しては線の掠れや消失のない解像度変換を行う技術が示されている。
【0011】
また、例えば特許文献6には、所定幅(例えば3画素)以内の細線部と、細線部以外の画像エッジ部とを検出し、細線部には強い強調処理を施し、細線部以外の画像エッジ部には穏やかな強調処理を施すことにより、細線は黒色が強く強調されて、くっきりと再現することができ、細線部以外のエッジ部では明瞭な縁取りが形成されてしまうという不具合を防止する技術が示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−98016号公報
【0013】
【特許文献2】
特開2000−133471号公報
【0014】
【特許文献3】
特開平7−203198号公報
【0015】
【特許文献4】
特開2002−57886
【0016】
【特許文献5】
特開平7−184043号公報
【0017】
【特許文献6】
特開平6−38055号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、ひとことに黒文字と言っても、細線・太線など線の太さの情報、文字のエッジ部・文字の内部などの場所的な情報、白地上文字や網点上文字,写真などの連続調画像中の文字などの背景領域についての情報など、様々な黒文字があり、それぞれ最適な処理(黒文字処理)がある。
【0019】
しかしながら、上述した特許文献1では、黒文字という情報のみしか保持していなかったので、このような細分化された黒文字処理を行うことができなかった。
【0020】
また、黒文字情報が埋め込まれた画像データは、情報を埋め込むために特異な画像信号値を設定するものであるので、外部に出力しこれをRGBスキャンデータとして表示する場合は異常画像となってしまう。
【0021】
本発明は、様々な黒文字情報を画像データ中に埋め込み、これを再抽出し、それぞれに対して適応的な処理を行うことによって高画質な画像再生を行うことの可能な画像処理装置および画像処理方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【0022】
また、本発明は、黒文字情報の埋め込みを理解できないような外部機器に転送する場合には、視覚的に違和感のない画像信号に変換して出力する画像処理装置および画像処理方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるか否かを判定する黒文字画素判定手段と、黒文字画素判定手段によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込手段と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理手段とを備え、
前記黒文字情報埋込手段は、前記黒文字画素判定手段で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工するようになっていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことを特徴としている。
【0025】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも白地上黒文字画素を含むことを特徴としている。
【0026】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも連続調画像中の黒文字画素を含むことを特徴としている。
【0027】
また、請求項5記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも網点上黒文字画素を含むことを特徴としている。
【0028】
また、請求項6記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも細線黒文字画素を含むことを特徴としている。
【0029】
また、請求項7記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも太線黒文字画素を含むことを特徴としている。
【0030】
また、請求項8記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも黒文字部の線の太さ情報を含むことを特徴としている。
【0031】
また、請求項9記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも黒文字部の文字内部画素を含むことを特徴としている。
【0032】
また、請求項10記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正手段をさらに有していることを特徴としている。
【0033】
また、請求項11記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記処理手段によって施される画像処理は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理であることを特徴としている。
【0034】
また、請求項12記載の発明は、請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、前記黒文字コード埋込手段によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記該画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていることを特徴としている。
【0035】
また、請求項13記載の発明は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工することを特徴としている。
【0036】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像処理方法において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことを特徴としている。
【0037】
また、請求項15記載の発明は、請求項13記載の画像処理方法において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正工程をさらに有していることを特徴としている。
【0038】
また、請求項16記載の発明は、請求項13記載の画像処理方法において、抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理であることを特徴としている。
【0039】
また、請求項17記載の発明は、請求項13または請求項14記載の画像処理方法において、前記黒文字コード埋込工程によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていることを特徴としている。
【0040】
また、請求項18記載の発明は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工する処理をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0041】
また、請求項19記載の発明は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の画像処理装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、この第1の実施形態の画像処理装置は、画像入力手段101と、スキャナγ補正手段102と、像域分離手段103と、第1のフィルタ処理手段105と、黒文字コード埋め込み手段106と、圧縮手段107と、蓄積手段108と、伸張手段109と、黒文字コード抽出手段117と、色補正手段110と、第2のフィルタ処理手段111と、変倍処理手段112と、下色除去・墨生成手段113と、プリンタγ補正手段114と、中間調処理手段115と、画像出力手段116と、分離用変倍処理手段118とを有している。
【0044】
この第1の実施形態の画像処理装置では、次のような処理がなされる。すなわち、スキャナ等の画像入力手段101によって光学的に読み取られた原稿は、rgbの各8bitのデジタル画像信号に変換されて出力される。画像入力手段101から出力された画像信号はスキャナγ補正手段102に入力され、反射率リニアなrgb信号は、スキャナγ補正手段102においてLUT(ルックアップテーブル)等により濃度リニアなRGB信号へと変換される。また、このとき、グレーバランスがとられ、R,G,Bの画素値が等しいときはグレーとなるように調整される。
【0045】
また、画像入力手段101から出力された画像信号rgbは同時に像域分離手段103にも入力され、像域分離手段103に入力した画像は、像域分離手段103によって黒文字画像領域と色文字画像領域及びそれ以外の絵柄領域に識別される。特に黒文字画像領域はより細分化された属性判定が行われる。
【0046】
図2は本発明の第1の実施形態の像域分離手段103の構成例を示す図である。図2の例では、像域分離手段103は、網点検出手段1030、白背景検出手段1031、無彩色判定手段1032、エッジ検出手段1033、細線検出手段1034、文字なか検出手段1035を有し、これらの検出結果を総合判定手段1036にて領域判定して像域分離信号c1として出力するように構成されている。
【0047】
なお、ここで、網点検出手段1030,白背景検出手段1031,無彩色判定手段1032,エッジ検出手段1033,文字なか検出手段1035は、特開平2001−268383に開示されている分離方式となっている。また、細線検出手段1034には、特開平6−38055に開示されている方法を用いることができる。
【0048】
本発明の第1の実施形態では、細線検出手段1034によって黒文字画像領域を細線領域およびそれ以外の領域に識別するとともに、文字なか検出手段1035によって文字なか(文字の内部領域)および文字なか以外の領域に識別するようにしている。
【0049】
以上のように、像域分離手段103によって得られた像域分離信号c1は、図3に示すような画像属性に分類される。すなわち、網点検出手段1030による網点分離結果と白背景検出手段1031による白背景分離結果とにより、対象画像領域が網点画像領域であるか、白地領域であるか、連続調画像領域であるかの識別が行なわれる。エッジ検出手段1033では、これらの領域の中でエッジがあるか否かの判定を行い、エッジ領域である場合には、細線検出手段1034および文字なか検出手段1035によって、細線領域であるか否か、および文字なか領域であるか否かを判定する。
【0050】
なお、この例では、無彩文字に対してのみ、細線,文字なか等の詳細属性の判定を行っているが、もちろん有彩文字に対しても同様の詳細属性判定を行っても良い。
【0051】
ところで、エッジ検出手段1033にてエッジと判定する際の閾値は、網点画像領域,白地領域,連続調画像領域の各々で異なるように構成しておくと良い。例えば、白地画像領域では、閾値を低めに設定し、微小なエッジも文字として判定するようにし、また、網点画像領域では、比較的大きなエッジのみを文字エッジと判定するようにし、また、連続調画像では、この中間的な値に設定することができる。このようにすることで、網点地の網点ドットで検出されるエッジを文字と判定せず、白地上の文字に関しては低コン文字や鉛筆原稿などの比較的小さなエッジを文字と判定することが可能となる。
【0052】
以上のように、図2の例では、総合判定手段1036によって像域分離信号c1は12通りの画像属性に分類される。
【0053】
また、図1において、第1のフィルタ処理手段105では、像域分離手段103からの判定結果(像域分離信号c1)に基づいて、エッジ強調処理、あるいは、平滑化処理、あるいは、その中間的な特性を有するフィルタ処理を施す。具体的には、文字領域(黒文字及び色文字の両領域)に対しては均一なエッジ強調フィルタ処理を施し、網点領域に対しては平滑化フィルタ処理を施し、中間調画像領域に対してはフィルタスルー処理を施す。図4には、第1のフィルタ処理手段105におけるこのような処理形態が示されている。すなわち、第1のフィルタ処理手段105(第1のフィルタ)では、画像領域によって1(平滑)〜3(強調)の3つのフィルタを切り換えて適用している。
【0054】
このように制御することによって、文字部では鮮鋭性を満足し、絵柄部では網点部などでのモアレの抑制を満足する。
【0055】
第1のフィルタ処理手段105によるフィルタ処理後の画像信号は、図1において、次いで、黒文字コード埋込手段106に入力され、黒文字コード埋込手段106では、像域分離データを画像中に埋め込む処理を行なう。
【0056】
図5には、黒文字コード埋込手段106の構成例が示されている。図5の黒文字コード埋込手段106では、第1のフィルタ処理手段105によるフィルタ処理後のR,G,B信号を直接セレクタ1062に入力させるとともに、R,B信号を代表濃度値であるG信号値に書き換えるブロック1060,1061に分岐させている。ブロック1060,1061でG信号に書き換えられたR,B信号は、セレクタ1062に入力し、セレクタ1062では、分離信号c1によってどちらかを選択する。すなわち、セレクタ1062は、黒文字画像領域、つまり図3のSEG(1)〜(9)の領域では代表濃度値に書き換えられたパスを選択し、それ以外の非黒文字領域ではスルーパスを選択する。これにより、黒文字領域ではR''=G''=B''=Gとなり、全て同じ値が設定される。
【0057】
さらに、コード埋込ブロック1063では、像域分離信号c1に応じて、黒文字の詳細な画像属性を埋め込む。具体的なデータの設定値は図3に示されている。すなわち、図3の右のコード欄には、RGBの各値をどのように設定するかが示されている。例えば、画像属性が連続調画像中の黒太文字の文字縁(1)であれば、Rの値を強制的に255にセットし、GおよびBに代表濃度値であるGの値をセットする。また、画像属性が白地上の細線文字(6)であれば、Rの値を0にセットし、Bの値を255にセットし、Gに代表濃度値をセットするようになっている。同様な方法で、SEG(1)〜(9)の全ての黒文字に対応するコード情報を埋め込む。通常の画像中には図3に示したようなデータの組合せをとることはほとんどなく、後段の黒文字コード再抽出ブロック(黒文字コード抽出手段117)で誤って非黒文字領域を黒文字と判定してしまうことはほとんどない。また、画像の性質上、黒文字画素が孤立して存在することはなく、周辺に同じ属性の画素が存在するので、再抽出の際に孤立状態の黒文字属性画素を排除することで、正確な再抽出が可能である。また、この例では示していないが、非黒文字画素領域SEG(10)〜(12)の画像中に黒文字コードに対応するRGB画素値の組合せが存在した場合には、あらかじめ画素値を加工し、コード以外の値となるよう微調整することも効果的である。例えば、非黒文字部分でR=255,G=170,B=170なる画素が存在した場合、このままでは連続調中の太文字(SEG(1))に対応するコードと同じであるので、意図的にR=255,G=172,B=168に加工する。厳密には色変わりが発生するが、スキャナデータではこのような値をもつ画素が連続して存在することはほとんどなく、上記の変更程度の加工であれば実際には画質上ほとんど影響がない。このようにして黒文字コードの抽出精度を向上させることができる。
【0058】
黒文字コード埋込手段106からの画像信号R'G'B'は、次いで、圧縮手段107において画像圧縮が施された後、ハードディスク装置等の蓄積手段108に蓄積される。伸張手段109では、蓄積された信号を再び読み出して伸張し、黒文字コード抽出手段117へと出力する。ここで、圧縮伸張手段107,109は、可逆圧縮でも良いし非可逆圧縮でも良いが、蓄積手段108への蓄積枚数やデータ転送レートを考慮して、通常は非可逆圧縮方式を用いるのが一般的である。
【0059】
黒文字コード抽出手段117では、先の黒文字コード埋込手段106で埋め込んだコード情報に基づき、黒文字画素および黒文字画素の詳細な属性情報の再抽出が行われる。図6には、黒文字コード抽出手段117の構成例が示されている。図6の構成例では、伸張手段109によって伸張された後のR'G'B'信号はコンパレータ1170a〜1170iに入力される。
【0060】
ここで、コンパレータ1170a〜1170fは、R',G',B'の信号が0であるか、あるいは、255であるかを判定するブロックである。例えばコンパレータ1170aでは、R'信号とth1(ここではth1は2とする)とを比較し、R'信号がth1よりも小さい値であればR'信号は0と判定し、0であることがアクティブな信号を出力する。また、コンパレータ1170bでは、R'信号をth2(ここではth2は253とする)と比較し、R'信号がth2よりも大きければ255であると判定し、255であることがアクティブな信号を出力する。同様に、コンパレータ1170c〜1170fでは、G',B'信号について、0であるか、あるいは、255であるかの判定を行う。ここで、th1が2、th2が253というように若干のマージンを持たせているのは、先の圧縮伸張手段107,109が非可逆な方式の場合に必要であり、黒文字コード埋め込み手段106で0にセットした値が伸張後には0ではない値に劣化してしまう影響を吸収するためである。
【0061】
また、コンパレータ1170g〜1170iは、それぞれ、R'とG'が同じ値であるかを判定する回路(1170g)、G'とB'が同じ値であるかを判定する回路(1170h)、B'とR'が同じ値であるかを判定する回路(1170i)である。コンパレータ1170g〜1170iは、それぞれ、同じ値と判定された場合にはアクティブな信号を出力する。なお、コンパレータ1170g〜1170iでも、非可逆圧縮の影響を考慮して、若干のマージンを持たせて判定することが望ましい。
【0062】
コンパレータ1170a〜1170iの判定信号は、デコーダ1171に入力され、デコーダ1171では、判定信号の組合せに応じて、先述のSEG(1)〜(9)属性のいずれか、およびそれ以外の属性にデコードして、属性信号c2を出力する。属性信号c2はデータ再構成回路1172へ入力され、R'G'B'信号は、データ再構成回路1172において、コードを取り外した信号R''',G''',B'''に変換されて出力される。具体的には、SEG(1)〜(9)のいずれかの属性であった場合には、その属性に応じて保存された濃度信号の値Gを、残りの0,255の値に書き写して出力し、SEG(1)〜(9)以外の属性、つまり非黒文字の場合にはR'G'B'のまま出力するようにしている。このようにすることよって、埋め込まれたコードを取り外すことができる。なお、前述のように、周辺画素の属性再抽出結果などに応じて属性結果を補正したりすることで、より精度の高い再抽出が行える。
【0063】
次に、色補正手段110では、マスキング演算等によりRGB系の信号をプリンタ系の色材に適したCMY系の信号に変換する。色補正処理は、さまざまな手法が考えられるが、ここでは次式(数1)のようなマスキング演算が行われるものとする。
【0064】
【数1】
C = α11×R + α12×G + α13×B + β1
M = α21×R + α22×G + α23×B + β2
Y = α31×R + α32×G + α33×B + β3
【0065】
但し、α11〜α33およびβ1〜β3は予め定められた色補正係数で、出力されるCMYも8bit(0〜255)の信号とする。
【0066】
色補正手段110からの画像信号は、第2のフィルタ処理手段111に入力される。第2のフィルタ処理手段111では、黒文字コード抽出手段117で再抽出された黒文字属性信号c2に基づいて、適応的なフィルタ処理を施す。適用するフィルタ強度の一例は、図4に示されている。すなわち、図4に示すように、白地上の細線・細い文字に関しては最も強いフィルタレベル5を施す。これによりくっきりとした再現が難しかった細線を高精細に再生することができる。また、連続調画像中の細線には少し弱いフィルタレベル4を施す。網点中の細線に対してはさらに弱いフィルタレベル3を施すのが良い。これはイメージ画像中に非常に強い強調を行うと違和感が発生したりするためである。太文字の文字縁についても、網点では白地、連続調中の太文字縁に比べて弱めのフィルタが好ましい。かつ、網点成分を強調しないような高周波帯域での強調を抑えたバンドパス型のフィルタが好適である。文字中については、いずれもフィルタレベル1とし、スルーで出力するものである。また、絵柄領域についてもスルーで出力する。
【0067】
図1の例においては、圧縮前段と後段で2つのフィルタ(第1のフィルタ処理手段105,第2のフィルタ処理手段111)を持つような構成を示した。第1のフィルタ(第1のフィルタ処理手段105)がある理由は、蓄積した画像信号をハードディスク装置から読み出し、外部I/Fを通じて外部機器に転送する場合に(いわゆるスキャナアプリとして動作させる場合に)、ある程度のフィルタ処理を施した方が好適であるためである。例えば取り込んだスキャナデータをプリンタで出力する場合などは、文字の鮮鋭性を向上させておいた方がくっきり再現するし、網点画像では平滑化処理を施し、網点構造を除去しておいた方がプリンタで施されるディザ処理との干渉モアレも発生せず、高画質な再生が行えるためである。しかし、あまり強い強調を施すと、非可逆圧縮によって発生する画質劣化が大きくなるため、ある程度の強調に留めておいた方が良い。ここで不足した強調分を補うため、第2のフィルタ処理(第2のフィルタ処理手段111)を施すようにしている。特に、鮮鋭性が不足すると人間が感じる色は黒であるので、本発明のように黒文字に対する属性のみを埋め込むことは有効である。中でも、細線、特に白地上の細線にのみ強い強調を施すことができるので、絵柄部でのデフェクトを起こすことなくフィルタ処理が行える。
【0068】
第2のフィルタ処理手段111からの信号は、変倍処理手段112に入力される。変倍処理手段112は、縮小変倍の時、白地上の細線に対しては近接最大画素置換法による変倍を行い、それ以外の画像領域に対してはキュービックコンボリューション法(以下、QC法という)による変倍を行うようになっている。高品位な変倍方式としてQC法があるが、細線画像に対してQC法で縮小すると線切れ,線掠れが発生する。近接最大画素置換法は、仮想サンプリング点の画素値を決定する際に、近接画素の最大値を求め、この値を仮想サンプリング点の画素値とするものである。このような変倍方式では、線画部分にジャギー(がたつき)が発生するが、線が消えたり掠れたりするよりはましである。ところで、線掠れ,線消えが目立つのは白地上の細線であるので、この例では白地上の細線のみに近接最大画素置換法を用いている。
【0069】
また、分離用変倍処理手段118は、変倍処理手段112で施された変倍率と同等の変倍率で分離信号の変倍を行うようになっている。ここで、変倍方法は最近接法である。
【0070】
変倍処理手段112からの画像信号は、下色除去・墨生成手段(BG・UCR)113において、CMYK信号に変換されて出力される。すなわち、下色除去・墨生成手段113では、墨成分であるK信号が生成されるとともに、CMY信号から下色除去(UCR)が行われる。ここで、下色除去・墨生成手段113は、変倍処理後の黒文字属性信号c2を入力し、属性に応じた異なる下色除去・墨生成を行う。基本的に、K信号の生成およびCMY信号からの下色除去は、次式(数2)のように行われる。
【0071】
【数2】
K = Min(C,M,Y) × β1
C’ = C − K × β2
M’ = M − K × β2
Y’ = Y − K × β2
【0072】
但し、Min(C,M,Y)は、CMY信号のうち最小のものであり、β1,β2は属性信号によって決定される係数(0〜1.0)である。
【0073】
各画像属性に対する下色除去・墨生成の制御を図4で説明する。くっきりとした黒文字再現を実現するため、白地上の細線と文字縁については墨率を最大の設定5(β1=1.0)とする。白地上文字の文字なかについては、どのような太さの文字に対しても正しく文字なか検出が行えれば、文字なかも最大墨率5に設定すればよいが、文字の太さが太い場合は正しく文字なかと検出できない場合があるので、デフェクトを小さくするためにやや墨率を下げた設定3(β1=0.8)とする。網点上や連続画像中の黒細線については墨率が高すぎると違和感が目立つので、白地上の黒細線よりもやや低めの設定4(β1=0.9)とする。その他の太さの黒文字に関しては、切り替わりのデフェクトを考慮して設定3とする。絵柄部の墨率は、粒状性を考慮して低めの設定1(β=0.6)とするのが望ましい。
【0074】
また、白地上の黒細線や文字縁では、C',M',Y'の値を0にし、色消しを実施して出力することが望ましい。前段の圧縮手段が可逆方式であれば色消しの必要はほとんどないが、非可逆圧縮方式の場合は劣化により黒文字画素に若干の色成分が発生するので、これを消すための色消しがあった方がよい。
【0075】
なお、上述の例では、黒文字の画像属性情報に基づき墨率を決定する例を示したが、別の方式では、エッジ量に基づき墨率を決定する適応的なBG・UCR方式などにおけるエッジ判定閾値を黒文字属性に応じて異なる値を設定するなどしても良い。
【0076】
下色除去・墨生成手段113で処理された信号は、プリンタγ補正手段114によってプリンタエンジン特性に合わせたγ補正が行われる。ここで、黒文字に対して個別のγ特性を適用することができる。図4のように、白地上の細線では、再現性が向上するようにγ特性を高めに設定したγテーブルを適用し、白地上文字の文字縁や文字なかでもややハイγ設定のテーブルを適用する。絵柄領域や、網点・連続画像中の黒文字の内部縁・文字なかでは、階調性を重視したリニアなγテーブルを適用する。また、網点・連続画像中の細線文字では、少しだけ再現性が向上するようなやや立たせたγ特性を用いる。このように、細分化された黒文字属性に応じてきめ細かなγ補正を実施できるので、再現性にすぐれ、かつ切り替わり部分でのデフェクトの少ない画像再生が実現できる。
【0077】
プリンタγ補正後の信号は中間調処理手段115に入力され、中間調処理手段115では、白地上の細線と、白地上の文字縁に対しては、最も解像力に優れた中間調処理設定3(1×1ディザ)を用いる。これはいわゆる画素単位での単純な多値化処理である。また、網点上の文字や連続調画像中の文字、および、文字なかに対しては、比較的解像力に優れ、階調性も得られるような中間設定2(2×1ディザ)を用いる。さらに、黒文字以外の画像属性に対しては、階調性重視の設定1(2×2ディザ)を施す。各中間調処理方式については特開2000−134471に示されている。
【0078】
このように処理することにより、文字の外側エッジと文字なかで切り替わりのデフェクトのない再現が行え、細線文字に対しても解像力に優れた再現が行え、絵柄に対しても粒状性,階調性に優れた再現が行える。
【0079】
以上のように、一口に黒文字といっても、背景の状態,文字の太さ,文字の内外によって適切な処理は異なり、細分化された黒文字属性情報を用いて処理を切り換えることは高画質化に貢献できる。しかも、画像を蓄積する前に属性情報を画像データ中に埋め込むことで属性情報を保持するよう構成しており、これにより、属性情報を別途に保存蓄積する必要がなくなり、蓄積すべきデータ量を低減することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、図1における像域分離手段103の構成が第1の実施形態とは異なり、図7に示すように文字太さ検出手段1037を備えている。すなわち、図7を参照すると、第2の実施形態の像域分離手段103では、網点検出手段1030,白背景検出手段1031,無彩色判定手段1032,エッジ検出手段1033,文字太さ検出手段1037によって、総合的に画像の属性判定を行っている。文字太さ検出手段1037には、例えば特開平7−203198に開示されている方法が用いられる。
【0081】
第2の実施形態における属性判定を図8を用いて説明する。図8に示すように、黒文字と判定された画像領域を、文字太さに応じて、さらに、太文字,普通文字,細線文字に細分化する。また、背景領域についても、連続調画像中,白地中,網点上の3種類に分類し、それらの組合せにより9種類の黒文字領域を判定している。そして、第1のフィルタ処理手段105では、判定結果に応じて図9のようにフィルタ強度の制御を行う。続いて、黒文字コード埋め込み手段106では、図8のSEG(1)〜(9)のように判別された黒文字情報を画像データ中に埋め込む。具体的なコードは図8の右欄の通りである。
【0082】
そして、圧縮伸張手段107,109による圧縮伸張後の画像信号に対し、黒文字コード抽出手段117では、第1の実施形態で説明したと同様に、画像データ中から黒文字属性情報を抽出する。そして、抽出した黒文字属性情報に基づき、第2のフィルタ処理手段111では、白地上の細線文字には強い強調(設定5)を施し、太文字には比較的弱い強調(設定2)を施す。また、中程度の太さの普通文字には中間的な強度(設定3)を施す。そして、変倍処理手段112では、第1の実施形態で説明したと同様に、変倍処理を行なう。
【0083】
次いで、下色除去・墨生成手段(BG・UCR)113では、白地上の細線文字に対しては、最も高い墨率設定5(β1=1.0)を適用し、太くなるにつれて墨率設定を下げるように制御する。また、連続調中の文字や網点上の文字に関しては、デフェクトを考慮し白地上文字よりも低めの墨率設定とする。
【0084】
次いで、プリンタγ補正手段114,中間調処理115では、第1の実施形態で説明したと同様の処理を行なう。
【0085】
以上のように、第2の実施形態では、像域分離手段103において、文字太さを検出し、画像データ中に、黒文字情報と、黒文字の太さ,背景情報についての詳細属性を埋め込み、圧縮蓄積処理の後段でこれを抽出し画質処理に利用することで、高品質な画像再生を行なうことができる。
【0086】
ところで、上述した第1,第2の実施形態のような画像処理装置で処理したスキャン画像を外部機器に転送したいという要求がある。図1の構成例は、蓄積手段108に蓄積された信号を外部転送する構成となっている。すなわち、図1の例では、蓄積手段108に蓄積された画像信号を所定のフォーマットに変換して外部装置に転送する場合、蓄積手段108からの信号を読み出し、圧縮・伸張手段119にて伸張し、解像度変換手段121で所定の解像度に変換する。外部転送時のデータサイズを小さくするため、例えば600dpi解像度画像を300dpiや200dpiに変換する。さらに、ブロック122でsRGB変換などの標準信号に変換し、JPEG圧縮・伸張手段123でJPEGフォーマットに変換し、NIC124を介して外部装置に転送することができる。
【0087】
しかしながら、黒文字コードが埋め込まれた状態では、画像信号値が本来の画像とは大きく異なっているので、モニタなどに表示したときに異常画像となる。そこで、本発明では、補正手段120を設け、外部転送する前に画像データを補正手段120によって補正し、モニタなどに表示する際に異常とならないようにしている。
【0088】
すなわち、図1において、蓄積手段108から読み出された画像信号は、圧縮・伸張手段119にて伸張されて補正手段120に入力し、補正手段120では、埋め込まれた黒文字コードを図6の黒文字コード抽出手段で抽出し、コードが埋め込まれた画素とそうでない画素とを判別する。さらに、黒文字コードが埋め込まれた画素には、R,G,Bすべてのデータを代表値(ここではGデータ)とする。黒文字コードが埋め込まれていない画素は、そのままのRGB値を出力する。
【0089】
さらに解像度変換手段121では、指定手段(図示せず)によって指定された解像度に変換し、sRGB変換手段122でsRGB信号に変換し、ブロック123でJPEG圧縮を施した後、NIC(Network InterfaceCard)124を通して外部I/Fに出力する。このようにすることで、外部機器に転送したときに異常画像とならないような画像補正を行なうことができる。
【0090】
また、上述の例では、補正手段120は、黒文字コードが埋め込まれた画素にはR,G,Bすべてのデータを代表値(ここではGデータ)とするものであったが、別の例としては、補正手段120は、白地上の黒文字コード(SEG(4)〜(6))に対しては上述と同様にR=G=Bとなるように補正し、白地上の黒文字以外のコード(SEG(1)〜(3),SEG(7)〜(9))に対しては、R=G=Bの値から若干離れた値とするものであっても良い。例えば、処理対象画素がR=255,G=170,B=170であったとき、これは黒文字コードが埋め込まれた画素であり、連続調中の太文字文字縁(表1の場合)を示している。上述の例の方法では、R=170,G=170,B=170と補正するところであるが、このようには補正せず、例えばR=168,G=170,B=172などの値に補正するようになっていても良い。つまり完全に一致させたR=G=Bではなく、少し値をずらしたR≒G≒Bとなるように補正するようになっていても良い。このように補正しても、モニタなどに表示したときに異常画像となることはない。この状態では、白地上の黒文字のみがR=G=Bとなっており、その他の画素はR=G=Bという条件が成り立っていないこととなる。このようなルールを設けておけば、外部機器で黒文字処理を施して出力する場合や、再び本画像処理装置に外部I/Fから入力して処理する場合など、R=G=B信号を白地上黒文字画素として抽出し黒文字処理することで、白地上黒文字の品質を維持することができる。先述の白地上黒文字以外の黒文字画素もR=G=Bとして出力する補正処理では、網点上の黒文字や連続調画像中の黒文字に対しても黒文字処理を施してしまうので違和感のある画像となってしまう。本発明のように、白地上の黒文字のみに黒文字処理を施せるようR=G=Bとし、網点上および連続調中の黒文字に対してはあえてR=G=Bとならないように黒文字情報を放棄して補正出力し、受信側ではR=G=B画素のみを黒文字処理するように構成すれば、白地上の文字品質を維持し、絵柄中での極端な黒文字処理のない違和感の少ない画像再生が実現できる。
【0091】
上述したように、本発明の画像処理装置は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるか否かを判定する黒文字画素判定手段と、黒文字画素判定手段によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込手段と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0092】
この本発明の画像処理装置において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことができる。
【0093】
ここで、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも白地上黒文字画素を含むことができる。
【0094】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも連続調画像中の黒文字画素を含むことができる。
【0095】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも網点上黒文字画素を含むことができる。
【0096】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも細線黒文字画素を含むことができる。
【0097】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも太線黒文字画素を含むことができる。
【0098】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも黒文字部の線の太さ情報を含むことができる。
【0099】
あるいは、黒文字画素の詳細な属性としては、少なくとも黒文字部の文字内部画素を含むことができる。
【0100】
また、上述した本発明の画像処理装置において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正手段をさらに有していても良い。
【0101】
また、上述した本発明の画像処理装置において、前記処理手段によって施される画像処理は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理である。
【0102】
また、上述した本発明の画像処理装置において、前記黒文字コード埋込手段によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記該画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていても良い。
【0103】
また、本発明の画像処理方法は、入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字コード埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備えていることを特徴としている。
【0104】
この本発明の画像処理方法において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことができる。
【0105】
また、この本発明の画像処理方法において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正工程をさらに有していても良い。
【0106】
また、この本発明の画像処理方法において、抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理である。
【0107】
また、この本発明の画像処理方法において、前記黒文字コード埋込工程によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていても良い。
【0108】
上述のように、本発明によれば、像域分離手段で黒文字に対する細分化された属性判定を行い、これを画像データ中に埋め込み、蓄積し、再び画像データを読み出し黒文字に関する細分化された属性情報(背景や黒文字の太さに関する情報)を抽出し、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理等を適応的に制御することにより、デフェクトの少ない高画質な黒文字再生を行うことができる。また、属性情報を画像データ中に埋め込んで蓄積するので、属性情報を別に保存蓄積する必要がなく、蓄積すべきデータ量の低減が図れる。
【0109】
また、黒文字コードを埋め込む際には、黒文字以外の画素に対して黒文字コード以外の値となるように意図的に画像信号を補正するようにしているので、後段で黒文字コードを抽出する際の精度を向上させ、高画質化に貢献することができる。
【0110】
また、黒文字情報が埋め込まれた画像データを外部機器に転送して使用する際には、補正手段によって黒文字コードを取り外し、視覚的に違和感のない画像信号に黒文字画素値を補正して出力するようにしているので、視覚的に違和感のない画像出力を行うことができる。
【0111】
本発明の上述した画像処理は、コンピュータに実現させるプログラムの形で提供することができる。
【0112】
また、本発明の上述した画像処理をコンピュータに実現させるためのプログラムは、例えばソフトウェアパッケージ(具体的には、CD−ROM等の記録媒体)の形で提供することができる。
【0113】
換言すれば、本発明の画像処理装置は、汎用の計算機システムにCD−ROM等の記録媒体に記録されたプログラムを読み込ませて、この汎用計算機システムのマイクロプロセッサに処理を実行させる装置構成においても実施することが可能である。この場合、本発明の処理を実行するためのプログラム(すなわち、ハードウェアシステムで用いられるプログラム)は、媒体に記録された状態で提供される。プログラムなどが記録される記録媒体としては、CD−ROMに限られるものではなく、ROM,RAM,フレキシブルディスク,メモリカード等が用いられても良い。媒体に記録されたプログラムは、ハードウェアシステムに組み込まれている記憶装置、例えばハードディスクにインストールされ起動されることにより、このプログラムを実行して、本発明の処理を実現することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項19記載の発明によれば、様々な黒文字情報を画像データ中に埋め込み、これを再抽出し、それぞれに対して適応的な処理を行うことによって高画質な画像再生を行うことができる。
【0115】
また、本発明は、黒文字情報の埋め込みを理解できないような外部機器に転送する場合には、視覚的に違和感のない画像信号に変換して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像処理装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の像域分離手段の構成例を示す図である。
【図3】像域分離信号の画像属性への分類を示す図である。
【図4】第1のフィルタ処理手段における処理形態を示す図である。
【図5】黒文字コード埋込手段の構成例を示す図である。
【図6】黒文字コード抽出手段の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の像域分離手段の構成例を示す図である。
【図8】第2の実施形態における属性判定を説明するための図である。
【図9】第1のフィルタ処理手段におけるフィルタ強度の制御を説明するための図である。
【符号の説明】
101 画像入力手段
116 画像出力手段
102 スキャナγ補正手段
103 像域分離手段
105 第1のフィルタ処理手段
106 黒文字コード埋め込み手段
117 黒文字コード抽出手段
110 色補正手段
111 第2のフィルタ処理手段
112 変倍処理手段
118 分離用変倍処理手段
113 下色除去・墨生成手段
114 プリンタγ補正手段
115 中間調処理手段
108 蓄積手段
107 圧縮手段
109 伸張手段
119 圧縮・伸張手段
120 補正手段
121 解像度変換手段
122 ブロック
123 JPEG圧縮・伸張手段
124 NIC

Claims (19)

  1. 入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるか否かを判定する黒文字画素判定手段と、黒文字画素判定手段によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込手段と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理手段とを備え、
    前記黒文字情報埋込手段は、前記黒文字画素判定手段で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工するようになっていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも白地上黒文字画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも連続調画像中の黒文字画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも網点上黒文字画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも細線黒文字画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも太線黒文字画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも黒文字部の線の太さ情報を含むことを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項2記載の画像処理装置において、黒文字画素の詳細な属性とは、少なくとも黒文字部の文字内部画素を含むことを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項1記載の画像処理装置において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正手段をさらに有していることを特徴とする画像処理装置。
  11. 請求項1記載の画像処理装置において、前記処理手段によって施される画像処理は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理であることを特徴とする画像処理装置。
  12. 請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、前記黒文字コード埋込手段によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記該画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていることを特徴とする画像処理装置。
  13. 入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
    前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工することを特徴とする画像処理方法。
  14. 請求項13記載の画像処理方法において、前記属性を表す特定の値(コード情報)によって黒文字画素のさらに詳細な属性情報を埋め込むことを特徴とする画像処理方法。
  15. 請求項13記載の画像処理方法において、黒文字画素以外の画素に対しては、前記属性を表す特定の値(コード情報)以外の値となるように画素値を補正する補正工程をさらに有していることを特徴とする画像処理方法。
  16. 請求項13記載の画像処理方法において、抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程は、フィルタ処理,変倍処理,墨生成処理,色消し処理,γ変換処理,中間調処理の少なくともいずれかの処理であることを特徴とする画像処理方法。
  17. 請求項13または請求項14記載の画像処理方法において、前記黒文字コード埋込工程によって処理された画像信号をシステムまたはユーザによって指定された画像フォーマットに変換して外部機器に転送する処理機能をさらに有し、該処理機能は、前記画像信号に対しコード化された画素情報を視覚的に違和感のない画像データに補正し、補正した画像信号を外部機器に転送するようになっていることを特徴とする画像処理方法。
  18. 入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
    前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工する処理をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  19. 入力されたカラー画像信号に対し対象画素が黒文字画素であるかを判定する黒文字画素判定工程と、黒文字画素判定工程によって対象画素が黒文字画素であると判定されたときには、黒文字画素と判定された対象画素に対しては、複数のカラー信号成分のうち少なくとも1つの成分は信号レベルを表し、残りのカラー成分のうち少なくとも1つの成分は属性を表す特定の値(コード情報)とすることにより、画像信号中に黒文字情報を埋め込む黒文字情報埋込工程と、画像信号中に埋め込まれたコード情報を解析することにより前記黒文字画素を抽出する抽出工程と、抽出工程によって抽出された抽出結果を用いて画像処理を施す処理工程とを備え、
    前記黒文字情報埋込工程では、前記黒文字画素判定工程で黒文字画素でないと判定された対象画素の画素値が前記コード情報の値と同じである場合に、前記コード情報の値と異なるように前記対象画素の画素値を加工する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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