JP2004108850A - 蛋白質の安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物に、アミノ酸エステル及び/又はポリアミンを10mM〜2Mの範囲で共存させることを特徴とする蛋白質の安定化方法と蛋白質含有溶液、そして前記溶液からなる生体成分測定用試薬と生体成分測定のために用いる標準液。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液に含まれる蛋白質の安定化に関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】
現在、臨床診断、食品衛生、環境衛生等の多岐にわたる方面で、目的とする特定物質の分析が広く行われている。例えば、臨床診断分野においては、生体内に存在する酵素、脂質、電解質、蛋白質、ホルモン等の内在性物質や、病原菌、ウイルス等の外来性物質の検査が挙げられ、食品衛生分野では、食中毒の原因となる細菌検査や特定微生物を探索するための遺伝子検査、そして、環境衛生分野では、水質検査、特に近年、ビスフェノールAで代表される内分泌攪乱物質(環境ホルモン)の検査が注目されつつある。
【0003】
検査に利用される測定法には、化学反応を利用した測定系が広く用いられているが、測定系の種類としては、1)酵素とその酵素の基質となる物質との反応により酵素活性を測定する系、2)生体内に存在する蛋白質や病原菌を検出するための抗原抗体反応(免疫学的反応)を利用した系、3)1)と2)の原理を組み合わせた系で、抗原(抗体)に対して酵素標識した抗体(抗原)を用いて抗原抗体反応を行い、その標識酵素活性を測定する酵素免疫学的測定(EIA)系、4)DNA等の核酸とこれに相補的な塩基配列を有す核酸を結合させて目的とする遺伝子を増幅させ、電気泳動等で検出する系等が挙げられる。
【0004】
このような測定系を利用して、臨床的意義が高い多くの種類の生体由来の蛋白質が、特異的かつ精度良く測定されるようになってきた。蛋白質を測定するためには、使用される試薬の成分として、酵素、抗原、抗体等の蛋白質を用いることが必要となるが、近年、蛋白質、特に酵素や生理活性を持つ有用な蛋白質等は遺伝子組換え技術等により量産できるようになっていることから、特に医薬、臨床検査の分野で広く用いられるようになってきている。
【0005】
ここで、臨床診断の分野では、測定の正確性、精度を高めるために、使用される蛋白質を含む試薬を安定化させておくことが求められ、特に標準物質として用いる場合には、繰り返し測定しても、日差・日内変動なく、常に一定の検量線が得られることが要求される。EIAやラテックス凝集法等に用いられる免疫学的測定試薬においては、不溶性担体等に固相化された抗体または抗原を安定化させることが望まれ、酵素法を利用する生化学的測定試薬では、用いられる酵素の活性を維持させることが望まれる。また、最近では、測定技術の進歩に伴い、微量蛋白質の高感度測定が可能になってきており、微量な活性を有する蛋白質を失活させないようにすることが重要な要素となる。このように、様々な測定法において用いられる蛋白質の安定性を高めることは、測定精度や、試薬あるいは標準物質の長期安定性の向上に欠かすことができない。
【0006】
ところが、この蛋白質の中には、きわめて保存安定性の悪い物質が存在する。例えば、アスコルビン酸オキシダーゼ、パーオキシダーゼ等の酸化還元酵素が挙げられる。一般的に、蛋白質は、温度、光、pH、酸化等の外的因子により、容易にその高次構造が崩され、機能(生理活性)を失ってしまうため、保存に際しては、それら外的因子から蛋白質を保護し生理活性を維持させることが求められる。したがって、試薬に蛋白質を含有させる場合は、使用する蛋白質の精製工程や試薬調合には十分注意を払い、また、試薬を安定化させるためには、蛋白質分子の規則的な構造を保持できるよう、常にpH、塩濃度、温度といった因子を十分に考慮に入れておくことが重要である。
【0007】
外的因子から蛋白質を守る条件として、蛋白質を含む試薬を低温でかつできるだけ生理的条件下で保存しておくことが望ましいが、長期間にわたりその蛋白質の安定性を保持し続けることは至難の技である。蛋白質の変性は、凝集物、不溶性微粒子や沈殿物の発生、あるいは生理活性の低下等、多くの負の要因に繋がる。
【0008】
そこで、これらの現象を解消するために様々な手段が講じられている。最も汎用されている方法としては、凍結乾燥を行って蛋白質の安定化を図ることである。蛋白質の多くは熱によって失活しやすい性質を有するが、凍結乾燥法では、熱をかけずに蛋白質を安定化することができる。また、絶乾状態までに乾燥されるためバクテリア等の活性が抑制でき、防腐効果という利点も有しており、医薬品や臨床診断薬では凍結乾燥製剤が数多く利用されている。
【0009】
しかしながら、凍結乾燥法にも、脱水により変性する蛋白質には使えないこと、吸湿や酸化による変質があること、あるいは水溶液に復元すると不溶性微粒子が生成する場合があること等の難点がある。このような蛋白質凝集体の形成を防止するための方法として、その蛋白質の水溶性緩衝剤としてリン酸カリウム緩衝液を含み、溶液中でのカリウムおよびナトリウムのイオンの比を10:1とする技術もある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、製造面からは、凍乾設備の投資、凍乾工程の煩雑さ、あるいは包装方法や形態に注意を払う必要がある等コスト・デメリットの面も否めない。また、凍結乾燥製剤は、使用時に溶解して用いられるため、溶解液と組み合わせとして供給される場合、試薬調製の煩雑さに加えて、調製時のミスにより誤った測定結果が得られるといった問題が存在する。そこで、蛋白質を溶液中で安定させる技術が公開されている。
【0010】
イオンは分子間の静電相互作用の抑制により、蛋白質同士の会合を阻止すると言われているが(例えば、非特許文献1参照。)、濃厚な塩濃度では蛋白質の変性が起こる。また、塩酸グアニジンや尿素は蛋白質を可溶化させることが知られており、これは、蛋白質を変性させない程度の低濃度では、構造のゆらぎに伴って露出する疎水相互作用を妨げるためである。しかし、高濃度では蛋白質をランダムコイルの状態まで変性させる。
【0011】
一方、遺伝子工学的に蛋白質を発現させる場合に、しばしば封入体の生成に出くわすことがある。この場合、巻き戻し(リフォールディング)過程での蛋白質凝集を防ぐために低分子化合物を添加することがある。最も良く使われる添加剤としてはL−アルギニン(L−Arg)がある(例えば、非特許文献2及び3参照。)。L−Argがなぜ蛋白質凝集の抑制に効果的に働くかはいまだに明らかになっていないが、グアニジウム基が分子間の疎水的相互作用を防いでいるものと推定されている。
【0012】
L−Argをはじめとした1分子内にアミノ基を2個以上有するアミノ酸を9〜40%添加して、ラテックス凝集反応における自己凝集を抑制する方法等、アミノ酸が、蛋白質を結合した高分子担体同士の凝集を防ぐことにも効果があることが示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら高濃度のL−Argを添加すると、抗原抗体反応が阻害されることが多く、測定系が低感度になる場合がある。このように試薬保存安定性が確保できたとしても、正確な測定系が構築できない場合がある。
【0013】
同様に、CHAPSやTween等の界面活性剤やポリエチレングリコール等の水溶性高分子化合物を用いて巻き戻しの際の蛋白質凝集を抑制することが行われている(例えば、特許文献3及び非特許文献4参照。)。しかしながら、これらの界面活性剤や高分子が高濃度で存在した場合に抗原抗体反応を行うと、反応抑制または非特異反応を引き起こすことがあり、安定性を確保しようとすると反応阻害が起こり、反応性を向上させようとすると安定性が低下する等調整がきわめて難しかった。
【0014】
一方、目的とする特定物質の測定に用いる試薬中に含まれる酵素あるいは蛋白質の安定化方法として、(1)尿酸測定で使用するウレアーゼ−パーオキシダーゼの安定化剤として、試薬溶液中で多価非芳香族性アルコールを含有させる(例えば、特許文献4参照。)、(2)コレステロールオキシダーゼを含む溶液に、牛血清アルブミン及びグルコース等の糖類あるいはリジン等のアミノ酸を添加することによって、酵素活性の保持と変性等による酵素剤からの濁り生成の抑制させる(例えば、特許文献5参照。)(3)血液中の蛋白質と結合する性質を有する抗原含有溶液の安定化剤として、ポリビニルアルコール等の水溶性合成高分子化合物を共存させる(例えば、特許文献6参照。)、(4)酸化還元反応を利用した測定系において、血液、尿等の生体試料に含まれるビリルビン等の還元性物質の妨害を防ぐために使用されるアスコルビン酸オキシダーゼは精製すると安定性が著しく低下するため、スキムミルクを共存させて安定化させる(例えば、特許文献7参照。)等が挙げられる。しかし、これらはいずれも試薬中の特定の蛋白質を安定化するための方法であって、汎用性があるとは言いがたい。
【0015】
【特許文献1】
特開平11−240895号公報(第3−4頁)
【特許文献2】
特公平6−17911号公報(第2頁)
【特許文献3】
米国特許5,650,494号公報
【特許文献4】
特許2854995号公報(第2−3頁)
【特許文献5】
特開平8−187095号公報(第3−4頁)
【特許文献6】
特開平9−236603号公報(第2−3頁)
【特許文献7】
特公平3−28192公報(第2頁)
【0016】
【非特許文献1】
Maeda Y、et.al.「 Protein Eng. 」1996年、19巻、p.461−465
【非特許文献2】
Tsumoto K、et al. 「J. Immunol. Methods」1998年、219巻、p.119−129
【非特許文献3】
Brinkmann U、et al.「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」1992年、89巻、p.3075−3079
【非特許文献4】
Cleland JL、et.al.「 J. Biol. Chem. 」1992年、267巻、p.13327−13334
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の第一の課題は、蛋白質もしくは高分子等の不溶性担体に結合させた蛋白質の凝集を抑制し、前記蛋白質を安定化させることを目的とする。また、本発明の第二の課題は、前記蛋白質を含有する溶液の安定性を向上させることにより、測定精度が高く、長期安定性に優れた測定試薬並びに標準液を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、蛋白質を含む測定試薬において、特定のアミノ酸エステル及び/又はポリアミンを蛋白質安定化剤として使用することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成させた。
【0019】
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物に、アミノ酸エステル及び/又はポリアミンを共存させることを特徴とする蛋白質の安定化方法。
(2)アミノ酸エステルがアルギニンメチルエステル、ニトロアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル、リジンエチルエステル、グリシンベンジルエステル、及びグリシンt−ブチルエステルから選ばれる少なくとも1種類のアミノ酸エステル、またはそれらの塩であることを特徴とする(1)記載の蛋白質の安定化方法。
(3)アミノ酸エステルの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする(2)記載の蛋白質の安定化方法。
(4)ポリアミンがスペルミン及び/又はスペルミジンであることを特徴とする(1)記載の蛋白質の安定化方法。
(5)ポリアミンの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする(4)記載の蛋白質の安定化方法。
(6)蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物に、蛋白質の安定化剤としてアミノ酸エステル及び/又はポリアミンを共存させることを特徴とする蛋白質含有溶液。
(7)アミノ酸エステルがアルギニンメチルエステル、ニトロアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル、リジンエチルエステル、グリシンベンジルエステル、及びグリシンt−ブチルエステルから選ばれる少なくとも1種類のアミノ酸エステル、またはそれらの塩であることを特徴とする(6)記載の蛋白質含有溶液。
(8)アミノ酸エステルの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする(7)記載の蛋白質含有溶液。
(9)ポリアミンがスペルミン及び/又はスペルミジンであることを特徴とする(6)記載の蛋白質含有溶液。
(10)ポリアミンの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする(9)記載の蛋白質含有溶液。
(11)(6)から(10)記載の蛋白質含有溶液からなる生体成分測定用試薬。
(12)(6)から(10)記載の蛋白質含有溶液からなる、生体成分測定のために用いる標準液。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される蛋白質とは、例えばパーオキシダーゼ等の酸化還元酵素、エステラーゼ等の加水分解酵素等の酵素、例えばアルブミン、血液凝固因子、免疫グロブリンや、C反応性蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)等の血漿蛋白質、例えば前記蛋白質に対する抗体、例えばHBV、HCV、HIV等のウイルスに対する抗体、さらには遺伝子組み換え等で作製された蛋白質が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、蛋白結合担体とは、前記蛋白質をラテックス、ビーズ、マイクロプレート及びチューブ等、あるいは磁性粒子等の担体に結合したものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0021】
本発明において使用される蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物とは、蛋白質の機能例えば酵素活性、抗原性等の生理活性を失わせるようなものでなければ特に限定されないが、通常は、例えば生化学的あるいは免疫学的測定法において緩衝液として用いられるようなものが好ましい。具体的には、例えばリン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、グッド緩衝剤、トリス緩衝剤等のpH緩衝剤、例えば塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム等の無機塩類、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤等、さらに例えばアジ化ナトリウム等の防腐剤等から目的とする測定物質あるいは測定法に応じて適宜選択して調製された、通常pH2〜12、好ましくはpH4〜10の緩衝液である。
【0022】
本発明において蛋白質の安定化剤として使用されるアミノ酸エステルは、アルギニンメチルエステル、ニトロアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル、リジンエチルエステル、グリシンベンジルエステル、及びグリシンt−ブチルエステルから選ばれる少なくとも1種類のアミノ酸エステル、またはそれらの塩単独もしくはその組み合わせでもよい。
【0023】
本発明で使用される蛋白質の安定化剤として使用されるポリアミンは、スペルミン、スペルミジン単独もしくはその組み合わせでもよい。
【0024】
本発明において使用されるアミノ酸エステル及びポリアミンの濃度は、いずれも10mM〜2Mが好ましい。より好ましくは20mM〜600mM、さらに好ましくは40mM〜200mMである。濃度が10mM未満では、蛋白質の安定化が不十分となる。逆に2Mを超える濃度では、溶解性が悪くなる、抗原抗体反応を阻害する等の理由で好ましくない。
【0025】
本発明による安定化された蛋白質を含む溶液の使用法は、特に限定されるものではないが、例えば生体成分を測定するための生化学的あるいは免疫学的測定試薬、例えば前記測定法で使用される標準液としても有用である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0027】
実施例1.蛋白質の経時的凝集変化
50mMリン酸緩衝液( pH6.5 )にニワトリリゾチーム( Sigma社 )を溶解し、0.2 mg/mlの溶液を作製した。この溶液を98℃で加熱した後、15,000rpmで20分間遠心分離( Tomy社MRX−150 使用)後、経時的な蛋白質の凝集変化を、分光光度計( Jasco spectrophotometer、model V−550:日本分光製 )を用いて、波長280nmによる吸光度にて測定した。図1に、加熱開始前の吸光度を100とした場合の、蛋白質の熱による経時的凝集変化を示す。その結果、リゾチームは時間と共に凝集が増加し、40分経過後は約80%の凝集変性率(以下変性率)であった。
【0028】
実施例2.各種添加物による蛋白質の凝集抑制効果
実施例1.で調製した 0.2mg/ml のニワトリリゾチーム溶液( 50mM リン酸緩衝液、pH6.5 )にNaClを0〜150mM添加した溶液を作製した。同様に PEG2000( 和光純薬製 )、塩酸グアニジン( 和光純薬製 )をそれぞれ0〜150mM加えた蛋白質溶液を作製した。各々の溶液を98℃で30分間加熱し、15,000rpmで20分間遠心分離後、上清画分を分光光度計(波長280nm)で測定した。図2に、無添加の加熱開始前の吸光度を100とした場合の、各種添加物による蛋白質の変性率を示す。NaCl、PEG2000ならびに塩酸グアニジンいずれを添加した場合でも、蛋白質の凝集抑制効果はほとんど認められなかった。
【0029】
実施例3.アミノ酸添加による蛋白質の凝集抑制効果
実施例2.同様、0.2mg/mlのニワトリリゾチーム溶液に、それぞれグリシン、L(+)−アルギニン、L−アラニン、L(+)−リジン( いずれも和光純薬製 )を0〜150mM添加した溶液を作製し、蛋白質の凝集抑制効果を調べた。その結果、図3に示す通り、グリシン、L−アラニン、L(+)−リジンを添加した溶液は、150mMで変性率50%以上で抑制効果は弱かった。一方、L(+)−アルギニンを150mM添加したものは、変性率が20%程度の凝集抑制効果を認めたが、蛋白質の変性を完全に抑制することはできなかった。
【0030】
実施例4.アミノ酸エステル添加による蛋白質の凝集抑制効果
実施例2.同様、0.2mg/mlのニワトリリゾチーム溶液に、それぞれアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル( いずれもSigma社製 )を0〜80mM添加した溶液を作製し、蛋白質の凝集抑制効果を調べた。その結果、図4に示す通り、どのアミノ酸エステル添加においても、約50mMの濃度で変性率0となり、これは蛋白質の凝集を完全に抑制していると判断された。
【0031】
実施例5.各種アミノ酸添加による蛋白質の経時的凝集変化
実施例2.同様、0.2mg/mlのニワトリリゾチーム溶液に、それぞれアルギニン、アルギニンメチルエステル及びスペルミン( いずれもSigma製 )100mM添加した溶液を、98℃で0〜40分間加熱し、経時的凝集変化を分光光度計( 波長280nm )にて測定した。その結果、図5に示す通り、アルギニン添加溶液は経時的に蛋白質凝集が起こり、40分後では変性率約40%の凝集を認めた。一方、アルギニンメチルエステル、スペルミンでは、ほとんど蛋白質の凝集を認めなかった。
【0032】
実施例6.蛋白質の等電点付近のpHでの、各種アミノ酸添加による蛋白質の凝集抑制効果の比較
50mMホウ酸緩衝液( pH10.0 )にニワトリリゾチームを溶解し、0.2mg/mlの溶液を作製した。この溶液に、それぞれグリシン、L(+)−アルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステルを0〜150mM添加し、各々の蛋白質溶液を98℃で30分間加熱後、分光光度計( 波長280nm )にて蛋白質の変性率を測定した。その結果、図6に示す通り、蛋白質が最も凝集しやすい等電点付近( ニワトリリゾチーム:pI=11.0 )においてもアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステルでは顕著な蛋白質の凝集抑制効果を認め、特にエチルエステルの方が効果的であった。しかし、グリシン及びL(+)−アルギニンでは抑制効果が弱く、変性率は60%以上であった。
【0033】
実施例7.各種アミノ酸添加による蛋白質Tm値の比較
実施例2.同様、0.2mg/mlのニワトリリゾチーム溶液に、それぞれアルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、L(+)−アルギニン、グリシンを0〜600mMまで添加し、各々の蛋白質溶液を98℃で30分間加熱後、示差走査型熱量分析装置( nano−DSC II differential Scanning Calorimeter 6100;Calorimetry Sciences Corporation社製 )にてニワトリリゾチームのTm値を測定した。その結果、図7に示す通り、グリシンやアルギニンでは全くTm値に変動を認めなかったが、アルギニンエチルエステルやグリシンエチルエステルでは60mM添加までは、アミノ酸エステルを加えていない50mMリン酸緩衝液( pH6.5 )中でのリゾチームTm値77.5℃から80℃までの上昇を認め、それ以上の濃度ではTm値が減少した。これは、アミノ酸誘導体を至適な濃度で蛋白質溶液に添加することにより蛋白質のTm値を上昇させ、すなわち熱による凝集変性を抑制することができることを示唆している。
【0034】
実施例8.ポリアミン添加による蛋白質の凝集抑制効果
50mMリン酸緩衝液( pH6.5 )にニワトリリゾチームを溶解し、0.4 mg/mlの溶液を作製した。この溶液に、それぞれ0〜200mMのスペルミン、スペルミジン( いずれもSigma社製 )を添加し、98℃で30分間加熱後、15,000rpmで20分間遠心分離し、分光光度計(波長280nm)にて蛋白質の変性率を測定した。その結果、図8に示す通り、スペルミン、スペルミジンともに、約100mMの濃度で変性率0となり、これは蛋白質の凝集を完全に抑制していると判断された。
【0035】
実施例9.アミノ酸エステル添加による蛋白質の残存活性
50mMリン酸緩衝液( pH6.5 )にニワトリリゾチームを溶解し、0.3 mg/mlの溶液を作製した。この溶液に、濃度が60mMになるように、それぞれグリシン、リジン、アルギニン、グリシンエチルエステル、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、リジンメチルエステル溶液を調整し、98℃で30分間加熱した。なお、アミノ酸を添加しない蛋白質溶液も同様に加熱した。次に0.5 mg/mlの Micrococcus lysodeikticus( Sigma社製 )溶液( 100mMリン酸緩衝液、pH6.5 )200μLに、加熱終了後の蛋白質溶液4μLをそれぞれ添加し、分光光度計( 波長 600nm )にてリゾチームの活性測定を行った。コントロールとして加熱前の蛋白質溶液の活性を100%とした。その結果、表1に示すように、無添加溶液ならびにグリシン、リジン、アルギニンを添加した場合の蛋白質の活性がほとんど消失していたのに対し、グリシンエチルエステル、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステルならびにリジンメチルエステル添加溶液では70%以上の残存活性を認めた。以上のように、蛋白質溶液にアミノ酸エステルを添加すると、熱変性による蛋白質凝集を抑制するだけでなく、蛋白質の活性も維持できることが可能であると示唆された。
【表1】
【0036】
実施例10.高分子担体に保持された蛋白質の保存安定性
0.5%自家製抗ヘモグロビン・モノクローナル抗体( nas3−18 )の50mMリン酸緩衝液溶液( pH7.0 )をポリスチレンラテックス( 平均粒径0.109μm )に37℃で1時間物理吸着させ、最終的にラテックス濃度が0.1%になるように分散媒( 1%BSAを含む50mMのHEPES緩衝液、pH7.4 )に懸濁させた。また、分散媒にアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステルの濃度が各々100mMになるよう添加した溶液を作製し、モノクローナル抗体結合ラテックス液と混合した。調整された抗体結合ラテックス試薬の、調整当日と4℃保存10日目について、分光光度計を用いて、波長650nmによる吸光度を測定した。その結果、表2に示すように、無添加のラテックス試薬は4℃保存10日目において、ラテックス粒子の沈殿が目視的にも認められ、測定不可能であった。一方、アルギニンメチルエステルとアルギニンエチルエステル添加のラテックス試薬は調整当日と4℃保存10日目の吸光度に差がなく、すなわち均一なラテックス懸濁液として保存可能であった。これは、アミノ酸エステルの添加により安定なラテックス試薬として保持できるため、試薬の長期安定性に寄与できることが示唆される。
【表2】
【0037】
実施例11.高分子担体に保持された蛋白質の熱安定性
0.5%自家製抗ヘモグロビン・モノクローナル抗体( nas3−18 )の50mMリン酸緩衝液溶液( pH7.0 )をポリスチレンラテックス( 粒径1.00μm、比重1.5 )に37℃で1時間物理吸着させ、最終的に0.4%になるように分散媒( 0.4%BSAを含む50mMのHEPES緩衝液、pH7.4 )に懸濁させた。また、アルギニンメチルエステル添加ラテックス試薬及びアルギニンエチルエステル添加ラテックス試薬も実施例10.同様に調整し、それぞれのラテックス試薬を60℃で24時間加熱した。加熱後のそれぞれのラテックス試薬0.35mlに、1%BSAを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0 )で8000倍希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体( DAKO社製 )を0.05ml加えた。この溶液を室温で1時間放置した後、10mMリン酸緩衝液( pH7.0 )で1ml×3回洗浄した。その後、オルト−フェニレンジアミン( OPD )と過酸化水素を含む基質液0.5ml加え、室温で10分間反応させた。反応後0.5M硫酸を0.1ml加え、発色した上清液の吸光度を分光光度計( 波長490nm )にて測定した。同様に加熱していないラテックス試薬についても測定を行った。図3に、加熱していないラテックス試薬の吸光度を100%とした時の、加熱後のラテックス試薬の吸光度の割合を示す。その結果、アミノ酸エステルを添加したラテックス試薬では、ラテックス担体上に吸着した抗体の活性は加熱後も90%以上の残存を有しているのに対し、無添加ラテックス試薬では60%以上の失活を認めた。
【表3】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、アミノ酸エステル及び/又はポリアミンを蛋白質の安定化剤として使用することにより、蛋白質もしくは不溶性担体に結合させた蛋白質の自己凝集、熱変性等を抑制できる。その結果、前記蛋白質を含有する溶液として、測定精度が高く、長期安定性に優れた測定試薬並びに標準液を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱による無添加の蛋白質(リゾチーム)溶液の凝集の経時的変化を示したグラフである。
【図2】各種添加物による蛋白質の凝集抑制効果を示したグラフである。
【図3】アミノ酸添加による蛋白質の凝集抑制効果を示したグラフである。
【図4】アミノ酸エステル添加による蛋白質の凝集抑制効果を示したグラフである。
【図5】熱による各種アミノ酸添加の蛋白質溶液の凝集の経時的変化を示したグラフである。
【図6】蛋白質の等電点付近のpHでの、各種アミノ酸添加による蛋白質の凝集抑制効果を比較したグラフである。
【図7】各種アミノ酸添加による蛋白質溶液のTm値を比較したグラフである。
【図8】ポリアミン添加による蛋白質の凝集抑制効果を示したグラフである。
Claims (12)
- 蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物に、アミノ酸エステル及び/又はポリアミンを共存させることを特徴とする蛋白質の安定化方法。
- アミノ酸エステルがアルギニンメチルエステル、ニトロアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル、リジンエチルエステル、グリシンベンジルエステル、及びグリシンt−ブチルエステルから選ばれる少なくとも1種類のアミノ酸エステル、またはそれらの塩であることを特徴とする請求項1記載の蛋白質の安定化方法。
- アミノ酸エステルの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする請求項2記載の蛋白質の安定化方法。
- ポリアミンがスペルミン及び/又はスペルミジンであることを特徴とする請求項1記載の蛋白質の安定化方法。
- ポリアミンの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする請求項4記載の蛋白質の安定化方法。
- 蛋白質及び/又は蛋白質結合担体を含む試薬組成物に、蛋白質の安定化剤としてアミノ酸エステル及び/又はポリアミンを共存させることを特徴とする蛋白質含有溶液。
- アミノ酸エステルがアルギニンメチルエステル、ニトロアルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、グリシンエチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンメチルエステル、リジンエチルエステルグリシンベンジルエステル、及びグリシンt−ブチルエステルから選ばれる少なくとも1種類のアミノ酸エステル、またはそれらの塩であることを特徴とする請求項6記載の蛋白質含有溶液。
- アミノ酸エステルの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする請求項7記載の蛋白質含有溶液。
- ポリアミンがスペルミン及び/又はスペルミジンであることを特徴とする請求項6記載の蛋白質含有溶液。
- ポリアミンの濃度が10mM〜2Mであることを特徴とする請求項9記載の蛋白質含有溶液。
- 請求項6から10記載の蛋白質含有溶液からなる生体成分測定用試薬。
- 請求項6から10記載の蛋白質含有溶液からなる、生体成分測定のために用いる標準液。
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