JP2004048036A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】 リーク電流の少ない薄膜トランジスタを有する表示装置を提供する。
【構成】 半導体膜の活性層(504)には、TFTの外形が略相似とされた電極が同心円状に配置されている。円形の電極(501)の外側を囲むように、ゲイト電極(502)、円環の一部が欠けた形状の電極(503)が配置されている。電極(501)はゲイト電極を構成する配線金属とは異なる層に配置され、電極(501)と電極(503)は同一層の配線金属で構成される。電極(501)と電極(503)は、いずれか一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とする。これにより、活性層(504)のエッジがソース電極とドレイン電極とを結ぶ線上に存在しないため、ドレイン電極とソース電極とが、ゲート電極によって短絡されない構成となる。この結果、リーク電流を減少させることができる。
【選択図】 図5

Description

 本明細書で開示する発明は、液晶表示装置に関するものである。特に、アクティブマトリクス回路を薄膜トランジスタで構成する液晶表示装置に関するものである。
 現在、表示装置としてブラウン管が主流となっている。ブラウン管の長所として、コントラストが高い、解像度が高い等が挙げられる。反面、真空を保持するための容器が重くなる、一つの光源を用いているため奥行きを占める等の欠点がある。これらの問題を解決する新しい表示装置の一つとして、液晶ディスプレイが開発された。
 液晶ディスプレイは、ブラウン管と比較して軽量・薄型という特徴がある。しかし、開発初期に用いられた単純マトリクス駆動方式では、高いコントラストが得られなかった。そこで、液晶ディスプレイを駆動するのために、アクティブマトリクス回路を用いる方式が注目されている。
 アクティブマトリックス回路は、画素電極と対向電極の間に液晶を挟みこんでコンデンサを形成して、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略す)によって、このコンデンサに出入りする電荷を制御するものである。画像を安定に表示するためには、このコンデンサの両電極間の電圧が一定に保たれることが要求されている。
 しかしながら、いくつかの理由によって、画像を安定に表示することに困難があった。 最大の問題は、TFTがオフ状態でも電荷がリークすることである。その他にも、コンデンサ内部で電荷がリークすることもあるが、一般には前者のTFTからのリークの方が1桁程度大きい。このリークがはなはだしい場合には、フレーム周波数と同じ周期で画像の明暗が変化するフリッカーと呼ばれる現象が生じてしまう。
 リークしてしまう電荷が無視できる量となるように、液晶をはさみこむコンデンサと並列に、配線金属でコンデンサを形成する方法が考えられている。この方法では、画素の開口率が低下する、コンデンサを充電する時間が増加する、動作速度が遅くなる等の欠点が生ずる。
 また、アクティブマトリックス回路に用いられるTFTの特性を向上するために、半導体膜の活性層を結晶化させる技術が採用されている。主な方法に、加熱による固相成長法や、何らかの触媒作用によって結晶化の障壁エネルギーを低下させる方法がある。後者の方法は、触媒作用によって、半導体膜の活性層は結晶成長が連続的に進行するので、略単結晶と見なせうる構造となるので、TFT、ダイオード、抵抗に利用するのに好適である。
 この結晶化方法において、触媒元素は結晶成長の進行方向に移動するため、触媒元素は最初に添加された領域と、結晶成長の終点に高濃度に存在することになる。結晶化に要する時間を考えると、チャネル領域の近辺に触媒元素が存在することになる。しかしながら、触媒元素が真性半導体とすべきチャネル部分に存在するとTFTの特性を劣化させる。従って、選択的に触媒を添加することにより、結晶成長の進行方向を制御する必要がある。
 上記のアクティブマトリクス回路製造技術をもちいて、液晶駆動回路を、画素を構成するTFTと同一の基板上に製造する流れにある。この場合、画素マトリクスのほかに、信号線駆動回路、走査線駆動回路が、TFTで構成される。図1に示す線順次走査型信号線駆動回路は、シフトレジスタ回路、サンプリング回路、トランスファ回路、アナログバッファ回路で構成される。シフトレジスタには、ビデオ信号(101)に同期したスタートパルスが入力端子(102)に入力され、クロックパルス(103)によって、順次にシフトされる。シフトレジスタの出力は、インバータ形式のバッファ回路(104)を介してサンプリング回路に入力される。
 サンプリング回路は、トランスミッションゲイトと呼ばれるスイッチ(105)と保持容量(106)で構成される。トランスミッションゲイトは、前記のバッファ回路(104)によってオン、オフが制御され、オン状態では、ビデオ信号線(101)と保持容量(106)がショートされ、保持容量(106)に電荷が蓄電される。スタートパルスがシフトレジスタを通過すると、バッファ回路(104)の出力は反転し、スイッチ(105)はオフとなる。保持容量(106)の電荷はそのまま保持され、次にスイッチ(105)がオンになるまで、電位は保たれる。
 1ライン分のサンプリングが終了し、次のサンプリングが開始されるまでの間に、トランスファ信号入力端子(107)からトランスファ信号が入力される。これによって、スイッチ(108)がオンになり、保持容量(106)とアナログバッファの入力電位を保持する保持容量(109)がショートされ、電位が伝達される。このとき保持容量(106)の値が保持容量(109)より十分大きければ、ショートしたことによる電位の変化は小さい。保持容量(109)には、アナログバッファが接続され、アナログバッファを介して、信号線(110)〜(112)は駆動される。アナログバッファは、入力側の電位に影響を与えずに信号線(110)〜(112)を駆動するために必要である。
 ここで、TFTのリーク電流が大きいということは、保持容量(109)の電位を保てないことになり、画質の低下につながる。更に、TFTのリーク電流はアナログバッファにおけるノイズ発生源となる。
 上述したようにTFTのリーク電流を低減すれば、画像を安定に表示することが、液晶にコンデンサを並列に接続しないで可能になる。さらに、TFTのリーク電流を低減することにより、液晶の駆動回路を、画素を構成するTFTと同一の基板上に製造する場合にも、画質の向上という点で有効となる。
 以下に、リーク電流の発生源について述べる。例えば、アクティブマトリクス回路における画素は図2の構造となる。(201)はゲイト電極と配線を構成する金属配線であり、(202)はソース電極に接続される金属配線である。(203)は半導体膜の活性層であり、(204)は液晶を挟みこむコンデンサの電極の片側をなす透明電極である。また、(205)はコンタクトホールである。
 TFT部分を拡大すると、図3のようになる。(301)はゲイト電極、(302)は半導体膜の活性層である。ここで、リーク電流はエッジ部(303)で発生するとされている。この原因として、このエッジ部(303)において、ゲイト電極(301)の絶縁不良のために、ゲイト電極(301)によりソース電極とドレイン電極とが短絡されてしまう。或いは、エッチングやイオンドーピングによるダメージで半導体膜の活性層(302)の周囲が結晶構造になっていないことがあげられる。以下に、ゲイト電極による短絡について説明する。
 図4(a)に示すように、ゲイト絶縁膜(402)が半導体膜の活性層(401)を完全に覆っている場合を考える。チャネルが形成されていない状態で、ゲイト電極(403)にしきい値以下の電圧を印加した場合には、半導体膜の活性層(401)は高抵抗なため、電流はほとんど流れない。従って、ドレイン電極(例えば手前の領域)とソース電極(例えば奥の領域)間に電流は流れない。
 他方、図4(b)のようにゲイト絶縁膜(405)が半導体膜の活性層(404)を完全に覆っていない場合を考える。ゲイト電極(406)と半導体膜の活性層(404)を絶縁するために、活性層(404)の表面に絶縁膜(405)を形成する際に、段差のために、側面(407)には絶縁膜(405)が形成されにくく、側面(407)が露出してしまうことがある。この状態では、側面(407)において、ゲイト電極(406)と半導体膜の活性層(404)とが短絡してしまう。このため、ゲイト電極(406)にしきい値以下の電圧を印加した場合には、チャネルが形成されていない状態でも、ドレイン電極とソース電極はゲイト電極によって常に短絡されて、リーク電流が発生してしまう。
 一般的に、製造プロセス上、活性層の段差部の側面には、薄膜が形成されにくいため、図4(b)のように活性層(404)の側面が絶縁膜(405)で完全に覆われないことが発生しやすい。このため、図3におけるエッジ部(303)を通してリーク電流は流れてしまう。逆にいえば、図3のエッジ部(303)のような部分を構造的に持たなければリーク電流は削減できる。
 本発明の目的は、上述の問題点を解決して、TFTにおいて、リーク電流を削減して、コントラスト良く、安定に表示することが可能な液晶表示装置を提供することにある。特に、TFTの電極構造を工夫することにより、リーク電流の発生源を抑える方法を提案する。
 また、本発明の他の目的は、TFTの電極構造を工夫することにより、リーク電流の発生源を抑えると共に、触媒を選択的に添加して、TFTの活性層を結晶化させることにより、TFTの特性を向上させて、液晶表示装置の性能を向上させることにある。
 上記課題を解決するために、本発明は、半導体膜の活性層のエッジがソース電極とドレイン電極とを結ぶ線と合致しない構造とすることで、リーク電流を低減する。具体的には、図5(a)に示すようなTFTの電極構造とする。
 図5(a)において、結晶性を有する珪素薄膜等で構成される活性層(504)の中心を対称中心とするように、ゲイト電極(502)、電極(501)、(503)が配置されている。また、これらの電極(501)〜(503)の外形を互いに略相似形となるようにし、電極(501)、(503)のいずれか一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすることにより、活性層(504)のエッジがソース電極とドレイン電極とを結ぶ線上に存在しない構成とする。それにより、ドレイン電極とソース電極とがゲイト電極によって短絡されない構成とされ、リーク電流を減少させることができる。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された構造の薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された構造の薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された構造の薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された電極構造の薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された電極構造であり、前記ドレイン電極が透明導電体で構成された薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された電極構造であり、前記ドレイン電極が透明導電体で構成された薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された電極構造であり、前記ドレイン電極が透明導電体で構成された薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された電極構造であり、前記ドレイン電極が透明導電体で構成された薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むように、ソース電極が配置された電極構造の薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がドレイン電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにソース電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むように、ドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むように、ドレイン電極が配置された構造の薄膜トランジスタにより周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 本発明は、ゲイト電極がソース電極をほぼ囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極を囲むようにドレイン電極が配置された電極構造を有する薄膜トランジスタにより、周辺駆動回路を構成することを特徴とする。
 また、本発明は、前記画素薄膜トランジスタとして有する薄膜トランジスタまたは前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタにおいて、前記ゲイト電極と、前記ドレイン電極と、前記ソース電極とがほぼ同心円状に配置された電極構造を有することを特徴とする。
 また、本発明は、前記画素薄膜トランジスタとして有する薄膜トランジスタまたは前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタにおいて、前記ゲイト電極と、前記ドレイン電極と、前記ソース電極とがほぼ同一の点を対称中心とする矩形、あるいは多角形の電極構造を有することを特徴とする。
 また、本発明は、前記画素薄膜トランジスタとして有する薄膜トランジスタまたは前記周辺駆動回路を構成する薄膜トランジスタにおいて、前記ドレイン電極又は前記ソース電極と相似形又はそれに近い形状の触媒添加領域によって、結晶化されていることを特徴とする。
 本発明に係る液晶表示装置において、TFTの電極構造を半導体膜の活性層のエッジ部分をゲイト電極が横切るようにしても、ゲイト電極が横切る半導体膜のエッジ部分の電位を等しくし、かつ、このエッジ部分がソース電極とドレイン電極を結ぶ線上にないようにして、ゲイト電極により、ソース電極とドレイン電極が短絡されないようにしたため、半導体膜のエッジ部分で生ずるリーク電流を低減することができる。TFTにおいて、リーク電流を低減することによって、画素部のコンデンサが電位を確実に保持することができる。電位が保持できれば、次の電位更新まで映像信号の入力状態を恒常的に維持することができる。従って、液晶表示装置において、コントラストの低下やフリッカーの発生を回避することができる。
 図5(a)、図5(b)は実施例1のTFTの平面構成図である。
 図5(a)において、TFTの電極が同心円状に配置され、ドレイン電極又はソース電極とすべき電極をゲイト電極で周囲をすべて囲むことを特徴とする。矩形状の半導体膜の活性層(504)には、円形の電極(501)の外側を囲むように、ゲイト電極(502)、円環状の電極(503)が配置されている。なお、電極(501)と電極(503)は、いずれか一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすればよい。これらの電極(501)〜(503)は活性層(504)の中心に中心を有する同心円状に配置されている。
 電極(501)はゲイト電極を構成する配線金属とは異なる層に配置されている。このため、電極(501)とゲイト電極(502)とが重なってもよい。他方、電極(501)と電極(503)は同一層の配線金属で構成される。従って、短絡を避けるために、電極(503)は円環の一部が欠けた形状とされている。
 上記の電極構造において、ゲイト電極(502)を構成する配線金属が半導体膜の活性層(504)のエッジを横切る部分がある。しかしながら、短絡する半導体膜の活性層(504)のエッジの両側は電気的に同電位であるので、問題はない。
 例えば、本実施例の電極構造を有するTFTを画素TFTとして用いる場合には、TFTと配線とを形成した後に、保護膜を形成し、さらに画素電極を透明導電体で形成すればよい。図5(a)において、電極(501)、ゲイト電極(502)、電極(503)をそれぞれ異なる層に配線し、かつ電極(501)をドレイン電極として透明導電体で電極(501)を作成し、電極(503)をソース電極として配線金属を形成することにより、画素TFTを作成することができる。このような構造を採用することにより、リーク電流を減少できると共に、ドレイン電極として用いられる電極(501)とゲイト電極(502)との配線容量を減少することができる。
 リーク電流の低減は、TFTを電荷制御スイッチとし、コンデンサに電荷を蓄積する構造において、電荷を確実に保持することに効果がある。電荷の損失が少なくなれば、許容電位変位まで、容量を減らすことが可能であり、面積縮小や微細加工につながる。また、電極(501)をソース電極とし、電極(503)をドレイン電極とした場合には、ソース領域とチャネル形成領域との間における接触面積(ソース領域とチャネル形成領域との接触面積)と比較して、ドレイン領域とチャネル形成領域との接触面積を大きくすることができるので、実質的にドレイン−チャネル間における電界強度を小さくすることができる。従って、LDD構造を採用した場合と同様に、リーク電流を減少させるという効果を得ることができる。
 上記のようにゲイト電極、配線金属及び透明導電体とが相異なる層に形成されるような3層金属配線ができ、かつ配線容量を無視することができる場合には、ソース電極とドレイン電極とが短絡することがないので、電極(503)に切り欠きを形成しないで、図5(b)に示すようなTFTを構成することもできる。
 円形の電極(505)の外側を囲むように、略同心円状に円環状のゲイト電極(506)、円環状の電極(507)が配置される。電極(505)と(507)は相異なる層に形成されるため、電極(507)には切り欠きが形成されていない。なお、電極(505)又は(507)のいずれか一方をソース電極として用いて、他方をゲイト電極として用いればよい。特に、電極(507)をソース電極として金属配線で形成して、電極(505)をドレイン電極として透明導電体で形成した構造のTFTを画素TFTとして用いるとリーク電流に対して有効となる。
 図6(a)、図6(b)は、実施例2のTFTの平面構造図である。本実施例は電極を同心円状に配置したことを特徴とする。
 図6(a)において、半導体膜の活性層(604)上には、円形の電極(601)の外側を囲むように、略同心円状に、円環状のゲイト電極(602)、円環状の電極(603)が配置されている。電極(601)は、ゲイト電極(602)を構成する配線金属とは異なる金属配線層で構成され、電極(601)と電極(603)は同一層の配線金属で構成される。
 ここで、電極(601)とゲイト電極(602)とが重なることで、コンデンサが形成されてしまうため、このコンデンサの形成を回避するために、ゲイト電極(602)の形状を円環の一部が欠けた形状としている。従って、[実施例1]はこのコンデンサを無視できる場合に利用すればよく、本実施例は、コンデンサを無視できない場合に利用すればよい。
 また、電極(601)と電極(603)とが短絡することを回避するために、電極(603)も円環の一部が欠けた形状とされる。なお、電極(601)と電極(603)はいずれか一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすればよい。
 図6(a)に示すように、ゲイト電極(602)を構成する配線金属が、半導体膜の活性層(604)のエッジを横切る部分がある。しかしながら、短絡する半導体膜の活性層(604)のエッジの両側は、電気的に同電位であるので問題はない。
 例えば、本実施例のTFTを画素TFTとして用いる場合には、TFTと配線とを形成した後に、保護膜を形成し、さらに電極を透明導電体で形成すればよい。図6(a)において、ドレイン電極として透明導電体で電極(601)を作成し、ソース電極として配線金属で電極(603)を形成して、かつ電極(601)、ゲイト電極(602)、電極(603)をそれぞれ異なる層に配線することにより、画素TFTを作成することができる。このような電極構造を採用することにより、リーク電流を減少できると共に、ドレイン電極として用いられる電極(601)とゲイト電極(602)との配線容量も減少できる。
 上記のように3層金属配線ができ、配線容量を無視することができる場合には、図6(b)に示すような電極構造を有するTFTを構成することもできる。円形の電極(605)の外側を囲むように、略同心円状にゲイト電極(606)、円環状の電極(607)が配置される。電極(605)と(607)は相異なる層に形成されるため、電極(607)には切り欠きが形成されていない。なお、電極(605)、(607)のいずれか一方をソース電極として用いて、他方をゲイト電極として用いればよい。特に、電極(607)をソース電極として金属配線で形成して、電極(605)をドレイン電極として透明導電体で形成することにより、画素TFTとして使用することができ、このような電極構造を有する画素TFTはリーク電流に対して有効である。
 なお、TFTの活性層に不純物をドーピングする場合に、ゲイト電極(602)をマスクに用いて、不純物をドーピングすると、不純物がドーピングされた半導体膜の活性層(604)を介して、ドレイン電極とソース電極が短絡してしまう。このため、半導体膜の活性層(604)をドレイン領域とソース領域に分離するパターンをマスクに加える等の工夫が必要になる。
 図5、図6に示すように[実施例1]、[実施例2]の電極は外形が略相似形とされて、略同心円状に配置されているため、半導体の活性層に円環状のチャネル領域を電極と同心円状に形成することが要求される。更に、TFTの特性を向上するために、半導体材料の結晶性を高めることも要求されている。ここでは、結晶性の良好な半導体材料を形成する方法として、結晶化を助長する触媒元素を選択的に活性層に添加する方法を採用する。図7(a)、図7(b)に基づいて、結晶化を助長する触媒元素を選択的に活性層に添加して、結晶成長させ、かつ電極と同心円状のチャネル領域を形成する方法について説明する。
 図7(a)は半導体の活性層の結晶化を説明する模式図であり、半導体膜をエッチングして島状の活性層(704)を形成する。活性層(704)の中心部の円状の領域(701)内に結晶化を助長する触媒元素を添加する。加熱処理等により、矢印(702)で示すように同心円の半径が拡大する方向に活性層(702)の結晶成長が進行するようにする。
 他方、図7(b)は半導体の活性層の結晶化を説明する他の模式図であり、半導体膜をエッチングして島状の活性層(708)を形成する。活性層(708)の外縁の島状の活性層(708)の中心に中心を有する円環状の領域(705)に、結晶化を助長する触媒元素を添加する。加熱処理等により、矢印(706)で示すように領域(705)の半径が縮小する方向に結晶成長が進行するようにする。
 これら矢印(702)、(706)で示す結晶成長により、触媒元素は結晶成長の起点と終点とに高濃度に存在していることが明らかになっている。チャネル領域は触媒元素が高濃度に存在する領域を避けて形成する必要があるため、チャネルとなる領域(703)、(707)は結晶成長の起点と終点の略中間に形成して、その形状を活性層(704)、(708)の中心に対称中心を有し、図5、図6に示す電極と略相似形になるように、円環状に形成する。
 図7(a)、図7(b)に示すように触媒元素を用いて半導体材料を結晶化をした場合でも、触媒元素が高濃度に存在する領域を避けて円環状のチャネル領域(703)、(707)を形成できる。従って、[実施例1]、[実施例2]の電極構造を有するTFTの製造工程に、結晶化を助長する触媒元素を用いて、半導体材料を選択的に結晶化する工程を採用することが可能である。
 また、[実施例1]あるいは[実施例2]の電極構造を有するTFTを、画素TFTのみでなく、周辺駆動回路を構成するTFTとして使用することができる。例えば、図8に示すように、信号線駆動回路に使用されるアナログバッファ回路図において、作動増幅回路入力段のTFT(801)、(802)に用いることができる。作動増幅回路入力段のTFT(801)、(802)がリーク電流が大きいと、ノイズの発生源となる。従って、TFT(801)、(802)を[実施例1]或るいは[実施例2]の電極構造を有するTFTを用いることにより、アナログバッファの性能を向上することができる。
 図9は作動増幅回路入力段の配線を示す平面図であり、TFT(801)、(802)を図5(a)に示す電極構造を有するTFT(901)、(902)で構成して、ノイズ対策を図るようにしている。
 また、画素部のように、TFTを電荷制御スイッチとし、コンデンサに電荷を蓄積させる構造において、リーク電流を低減することにより、コンデンサに電荷を確実に保持させることが可能になる。電荷の損失が減少すれば、許容電位変位まで、容量を削減することが可能になり、面積縮小や微細加工につながる。
 図10(a)、図10(b)は実施例3のTFTの平面構成図である。
 図10(a)はソース電極またはドレイン電極の周囲を全て取り囲むように、ゲイト電極が配置されることを特徴とする。半導体膜の活性層(1004)において、矩形の電極(1001)の外側を囲むように、電極(1001)の中心を対称中心となるように、ゲイト電極(1002)、電極(1003)が配置され、且つ、電極(1001)、ゲイト電極(1002)、電極(1003)はそれぞれ外形を略相似な矩形とされて、活性層(1004)の中心に対称中心を有するように形成されている。本実施例では、電極の外形を矩形とした例を示したが、電極の外形は多角形でもよい。
 電極(1001)はゲイト電極(1002)を構成する配線金属とは異なる層に形成されているため、ゲイト電極(1002)と重なってもよい。電極(1001)と電極(1003)は、同一層の配線金属で構成されているので、短絡をさけるために、電極(1003)を矩形の一部が欠けた形状にする。なお、電極(1001)、(1003)はいずれか一方をソース電極とし、他方をドレイン電極として使用すればよい。
 上記の構成において、ゲイト電極(1002)を構成する配線金属が、半導体膜の活性層(1004)のエッジを横切る部分がある。しかしながら、短絡する半導体膜の活性層のエッジの両側は、電気的に同電位であるので問題はない。
 例えば、本実施例のTFTを画素TFTとして用いる場合には、TFTと配線とを形成した後に、保護膜を形成し、さらに電極を透明導電体で形成すればよい。図10(a)において、電極(1001)、ゲイト電極(1002)、電極(1003)をそれぞれ異なる層に配線し、かつ電極(1001)をドレイン電極として透明導電体で形成し、電極(1003)をソース電極として配線金属で形成することにより、画素TFTを作成することができる。このような電極構造を採用することにより、リーク電流を減少できると共に、ドレイン電極として用いられる電極(1001)とゲイト電極(1002)との配線容量を減少することができる。
 上記のように3層金属配線ができ、配線容量を無視することができる場合には、ソース電極とドレイン電極とが短絡することがないので、電極(1003)に切り欠きを形成しないで、図10(b)に示すような電極構造を有するTFTを構成することもできる。半導体の活性層(1008)において、矩形の電極(1005)の外側を囲むように、ゲイト電極(1006)、矩形環状の電極(1007)が配置され、かつ電極(1005)、ゲイト電極(1006)、電極(1007)はそれぞれ外形を略相似な矩形とされ、活性層(1008)の中心に対称中心を有するように形成されている。
 また、電極(1005)と(1007)は相異なる層に形成されるため、電極(1007)には切り欠きが形成されていない。なお、電極(1005)、(1007)のいずれか一方をソース電極として用いて、他方をゲイト電極として用いればよい。特に、(1007)をソース電極として金属配線で形成して、(1005)をドレイン電極として透明導電体で形成した構造のTFTを画素TFTとして使用すれば、リーク電流に対して有効である。
 TFTを電荷制御スイッチとして、コンデンサに電荷を蓄積させる場合に、リーク電流を低減することは、コンデンサに電荷を確実に保持させることに効果がある。電荷の損失が減少すれば、許容電位変位まで容量を減らすことが可能になり、面積縮小や微細加工につながる。
 図11(a)、図11(b)に本実施例のTFTの平面構成図であり、半導体の活性層(1104)において、電極(1101)の周囲には、ゲイト電極(1102)、電極(1103)が配置されている。電極(1101)、ゲイト電極(1102)、電極(1103)はそれぞれ外形を略相似な矩形とされ、活性層(1104)の中心に対称中心を有するように形成されている。本実施例では、電極の外形を矩形とした例を示したが、電極の外形は多角形でもよい。
 電極(1101)は、ゲイト電極(1102)を構成する配線金属とは異なる層に配置されているので、ゲイト電極(1102)と重なることで、コンデンサが形成される。このコンデンサの形成を回避するために、電極(1102)を矩形環の一部が欠けた形状とし、電極(1101)との重なりを回避するようにしている。[実施例3]のTFTはこのコンデンサを無視できる場合に使用して、[実施例4]のTFTはコンデンサを無視できない場合に使用すればよい。
 電極(1101)と電極(1103)とは同一層の配線金属で構成される。従って、短絡をさけるために、電極(1103)は、矩形の一部が欠けた形状となる。また、電極(1101)、(1103)のいずれか一方をソース電極として用いて、他方をドレイン電極として用いればよい。
 上記の電極構造において、ゲイト電極(1102)を構成する配線金属が、半導体膜の活性層(1104)のエッジを横切る部分がある。しかし短絡する半導体膜の活性層(1104)のエッジの両側は電気的に同電位であるので、問題はない。
 なお、活性層(1004)に不純物をドーピングする場合には、ゲイト電極(1102)をマスクに用いて、不純物をドーピングすると、不純物がドーピングされた半導体膜の活性層(1104)を介して、ドレイン電極とソース電極が短絡してしまう。このため、半導体膜の活性層(1104)をドレイン領域とソース領域に分離するパターンをマスクに加える等の工夫が必要になる。
 本実施例のTFTを画素TFTとして用いる場合には、TFTと配線とを形成した後に、保護膜を形成し、さらに電極を透明導電体で形成すればよい。図11(a)において、電極(1101)、ゲイト電極(1102)、電極(1103)をそれぞれ異なる層に配線し、かつ電極(1101)をドレイン電極として透明導電体で作成して、電極(1103)をソース電極として配線金属で形成することにより、画素TFTを作成することができる。このような電極構造を採用することにより、リーク電流を減少できると共に、ドレイン電極として用いられる電極(1101)とゲイト電極(1102)との配線容量を減少することができる。
 上記のように3層金属配線ができ、配線容量を無視することができる場合には、ソース電極とドレイン電極とが短絡することがないので、電極に切り欠きを形成しないで、図11(b)に示すような電極構造を有するTFTを構成することもできる。半導体の活性層(1108)において、矩形の電極(1105)の外側を囲むように、ゲイト電極(1006)が配置され、矩形環状の電極(1107)が配置されている。電極(1105)と(1107)は相異なる層に形成されるため、電極(1107)には切り欠きが形成されていない。
 なお、電極(1105)、(1107)のいずれか一方をソース電極として用いて、他方をドレイン電極として用いればよい。特に、(1107)をソース電極として金属配線で形成して、(1105)をドレイン電極として透明導電体で形成した構造のTFTを画素TFTとして用いると、リーク電流に対して有効となる。
 図10、図11に示すように[実施例3]、[実施例4]の電極構造は、矩形環状の電極が同一点を対称中心とするように配置されているため、半導体の活性層に、チャネル領域を電極と略相似形に形成する必要がある。更に、TFTの特性を向上するために、半導体材料の結晶性を高めることも要求されている。ここでは、結晶性の良好な半導体材料を形成する方法として、結晶化を助長する触媒元素を選択的に活性層に添加する方法を採用する。図12(a)、図12(b)に基づいて、結晶化を助長する触媒元素を選択的に活性層に添加して、結晶成長させ、かつ電極と相似形のチャネル領域を形成する方法ついて説明する。
 図12(a)は半導体の活性層の結晶化を説明する模式図であり、半導体膜をエッチングして島状の活性層(1204)を形成する。活性層(1204)の中心部の矩形状の領域(1201)内に結晶化を助長する触媒元素を添加する。加熱処理等により、矢印(1202)で示すように、矩形状の領域(1201)が拡大する方向に活性層(1204)の結晶成長が進行するようにする。
 他方、図12(b)は半導体の活性層の結晶化を説明する他の模式図であり、半導体膜をエッチングして島状の活性層(1208)を形成する。活性層(1208)の外縁付近の、活性層(1208)の中心に中心を有する矩形環状の領域(1205)に、結晶化を助長する触媒元素を添加する。加熱処理等により、矢印(1206)で示すように、矩形環状の領域(1205)が縮小する方向に結晶成長が進行するようにする。
 この矢印(1202)、(1206)で示す結晶成長により、触媒元素は結晶成長の起点と終点とに高濃度に存在することが明らかになっている。従って、この領域を避けてチャネル領域を形成する必要があるため、チャネルとなる領域(1203)、(1207)を結晶成長の起点と終点の略中間に形成して、その形状が島状の活性層(1204)、(1208)の中心に対称中心を有し、図10、図10、図11に示す電極と略相似形になるように矩形環状に形成する。
 図12(a)、図12(b)に示すように触媒元素を用いて、半導体材料を結晶化をした場合でも、触媒元素が高濃度に存在する領域を避けて、電極と相似な矩形環状のチャネル領域(1203)、(1207)を形成できる。従って、[実施例3]、[実施例4]の電極配置を有するTFTの製造工程に、結晶化を助長する触媒元素を用いて、活性層を選択的に結晶化する工程を採用することが可能になる。
従来例の信号線走査回路のブロック回路図である。 従来のTFTの平面構成図である。 従来のTFTの平面構成図であり、リーク電流の発生場所を示す説明図である。 従来のリーク電流の発生機構の説明図である。 実施例1のTFTの構成図である。 実施例2のTFTの構成図である。 実施例1、実施例2において、半導体の活性層の結晶化を説明する模式図である。 アナログバッファ回路の構成図である。 アナログバッファ回路の素子配置図である。 実施例3のTFTの構成図である。 実施例4のTFTの構成図である。 実施例3、実施例4において、半導体の活性層の結晶化を説明する模式図である。
符号の説明
(501)、(503)、(505)、(507)・・・電極
(502)、(506)・・・ゲイト電極
(504)、(508)・・・半導体膜の活性層

(601)、(603)、(605)、(607)・・・電極
(602)、(606)・・・ゲイト電極
(604)、(608)・・・半導体膜の活性層

(701)、(705)・・・触媒添加領域
(702)、(706)・・・成長方向
(703)、(707)・・・ゲイト電極
(704)、(708)・・・半導体膜の活性層

Claims (1)

  1.  ゲイト電極がドレイン電極を囲むように配置され、前記ゲイト電極の外側に、前記ゲイト電極をほぼ囲むようにソース電極が配置された構造の薄膜トランジスタを画素薄膜トランジスタとして有することを特徴とする表示装置。
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