JP2004043785A - 増粘剤及びこれを配合した化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤及び該増粘剤を配合した化粧料である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はミクロゲルからなる増粘剤、該増粘剤の製造方法及び該増粘剤を配合した化粧料に関する。さらに詳しくは、化粧料に配合すると優れた増粘効果と優れた使用感を発揮するミクロゲルからなる増粘剤、該増粘剤の製造方法及び該増粘剤を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品および化粧品などの広汎な分野で使用できる水溶性増粘剤としては、種々の多糖類、ゼラチンなどの天然高分子、ポリオキシエチレン、架橋ポリ(メタ)アクリル酸などの合成高分子、モンモリナイト、シリカなどの無機鉱物などが挙げられる。
【0003】
これらの中で、特に架橋ポリ(メタ)アクリル酸は、安価で増粘効果が高く、少量でゲル化するため、医薬品および化粧品業界、特に化粧料において、水溶性増粘剤あるいは安定化剤として多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、架橋ポリ(メタ)アクリル酸は、pH5以下の酸性下や塩の存在する水溶液中では、カルボキシル基の解離が抑えられ、粘度が極端に低下しゲル化しなくなる。このため、酸性条件や塩共存系が要求される処方では使用することが出来ない。
【0005】
特に、使用性が重要なポイントを占める化粧料用の増粘剤としてはこの特徴が致命的な欠点となることもある。例えば、pH5以下の酸性条件下あるいは塩類の存在下では増粘効果を保持するためにその配合量を大幅に増量する必要があり、その結果、使用性を著しく損なうことになる。すなわち、肌に塗布したときに、べたつき感を生じ、このべたつき感は化粧料の使用性上、極めて深刻な問題となる。
【0006】
この問題を解決するために、アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリル酸との共重合体(特開平9−157130号公報)、アクリルアミドアルキルスルホン酸とアルキル基含有不飽和単量体との共重合体(特開平10−279636号公報)、或いは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマー(特開平10−67640号公報)などが、化粧料に応用されている。
【0007】
しかしながら、上記のアクリルアミドアルキルスルホン酸を骨格に有するポリマーは耐酸性が向上し酸性条件が要求される処方において使用できるものの、アクリル酸に由来すると考えられる乾き際のべたつき感が生じ、増粘化粧料として十分に満足できる使用性に至っているとは言うことはできない。
【0008】
本発明者らは上述の事情に鑑み、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩とジアルキルアクリルアミドと架橋性単量体とを共重合して得られる共重合体を、化粧料に水溶性増粘剤として配合すると満足できる使用性を発揮できることを見出している(特開平2001−114641号公報)。
【0009】
上記共重合体は均一重合系においてラジカル重合して得られるポリマーゲル(重合体のゲル)であり、ポリマーゲルを製造した後にこれを機械的に粉砕して、増粘剤粉末として化粧料に配合する技術である。ポリマーゲル粒子が大きく化粧料の外観上問題を生じる場合があった。さらに増粘効果においてもさらなる改良の余地があった。
【0010】
一方、現在もっとも汎用されている化粧料用増粘剤はカルボキシビニルポリマーと総称されるアクリル酸の重合体であり、商品名としてはハイビスワコー(和光純薬)、シンタレン(3V SIGMA社)、カーボポール(グッドリッチ社)等として市販されているものである。これらの増粘剤は化学的に架橋している重合体である(The B.F. Goodrich Company, Specialty Polymers and Chemical Div., Carbopol Data Sheets and Applications Literature)。このような架橋重合体の水分散液は非常に増粘効果が高く化粧品あるいは生活用品の増粘剤として汎用されている(例えばBarry, BW and Meyer MC Int. J. Pharm 2: 1 (1979) など)。
【0011】
しかしながら、これらのカルボキシビニルポリマーの欠点として、その増粘可能なpH範囲が限られるという問題がある。カルボキシビニルポリマーは該ポリマーに含まれるカルボキシル基が解離状態になることで水中にてポリマーが膨潤し増粘する。従ってカルボキシル基が充分に解離しない弱酸性以下のpH領域ではカルボキシビニルポリマーは増粘剤として機能しないという極めて重大な欠点があり、これに代わる広いpH範囲で増粘可能な増粘剤の開発が強く望まれているのが現状である。
さらに、化粧料処方の中にはエタノール濃度が高いものもあるが、現状ではこのような処方をカルボキシビニルポリマーなどの従来の増粘剤により高率よく増粘することは極めて困難な課題である。
【0012】
本発明者等は上述の事情に鑑み鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定の逆相乳化重合により製造した合成高分子電解質からなるミクロゲルが、上記の課題を解決し、極めて優れた増粘効果と使用感を発揮することを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、特定の逆相乳化重合(逆相マイクロエマルション重合)により製造した合成高分子電解質からなるミクロゲルを化粧料増粘剤の用途に使用するものであり、均一重合法あるいは逆相懸濁重合法で製造される合成高分子電解質からなるポリマーゲルや、カルボキシビニルポリマーの欠点を解決した新しいタイプの増粘剤および該増粘剤を配合した化粧料を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、前記組成物が界面活性剤を含有し一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤を提供するものである。
【0016】
さらに、本発明は、前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s−1において10000mPa・s以上であるミクロゲルからなる増粘剤を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s−1において5000mPa・s以上であるミクロゲルからなる増粘剤を提供するものである。
【0018】
さらに、本発明は、前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃の水分散液若しくはエタノール分散液での動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG’(貯蔵弾性率)>G”(損失弾性率)であるミクロゲルからなる増粘剤を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体とである上記の増粘剤を提供するものである。
【化6】
一般式(1)
(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
【0020】
さらに、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体とである上記の増粘剤を提供するものである。
【化7】
一般式(1)
(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
一般式(2)
(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)
【0021】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体とである上記の増粘剤を提供するものである。
【化8】
一般式(1)
(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
一般式(3)
(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
【0022】
さらに、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである上記の増粘剤を提供するものである。
【化9】
一般式(1)
(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
一般式(2)
(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)
一般式(4)
【0023】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである上記の増粘剤を提供するものである。
【化10】
一般式(1)
(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
一般式(3)
(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10R1 1、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
一般式(4)
【0024】
さらに、本発明は、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造することを特徴とする上記の増粘剤の製造方法を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、上記の増粘剤を配合した化粧料を提供するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0027】
ミクロゲルからなる増粘剤とは、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られる合成高分子のミクロゲルからなる増粘剤である。
すなわち、一般に逆相乳化重合法と称される重合法により製造される高分子ミクロゲルを増粘剤の用途に使用するものであり、特開平2001−114641号公報に開示されているような均一重合系により得られる合成高分子からなる増粘剤とは、その重合方法及び力学物性が異なる。
【0028】
ミクロゲルとは逆相マイクロエマルション重合法で製造された合成高分子電解質の微粒子である。本発明のミクロゲルからなる増粘剤は、水、エタノールあるいは水―エタノール混合溶液中で膨潤し、外観上肉眼的に均一な高粘度溶液を提供できる。
【0029】
本発明の増粘剤を製造する方法、すなわち増粘剤として使用されるミクロゲルの重合系は、従来の増粘剤である合成高分子を製造する均一重合系とは異なるものである。
特開平2001−114641号公報に開示されている均一重合系による合成高分子は本発明に用いるミクロゲルではなく、合成高分子を重合後、化粧料に配合するためには粉末状態に粉砕しなければならない。また、合成高分子のゲルが目立ち、外観上問題を生じる場合がある。
一方、本発明に用いるミクロゲルは不均一重合系で重合される。得られる合成高分子は微細な高分子ゲル、すなわちミクロゲルとなり、化粧料に配合する際に新たに粉砕して粉末状態にする必要がなく、優れた増粘効果と優れた使用感を発揮し、さらに化粧料の外観上も好ましい。
【0030】
また、高分子の逆相乳化重合法に関しては、特許第1911623号公報にアクリル酸を用いた水膨潤性ポリマーを逆相重合により製造し、これを増粘剤として応用する技術の記載があるが、これは現在汎用されているカルボキシビニルポリマーの欠点を改良する本発明に用いるミクロゲルとは異なるものである。
また、特開平9−12613号公報には、水吸収性樹脂のミクロゲル粒子をおむつあるいは生理用品に適するように一定以上の大きさに製造することが開示されているが、これは化粧料増粘剤に応用できる技術ではなく、本発明に用いるミクロゲルとは全く異なるものである。
【0031】
本発明の増粘剤は逆相乳化重合法において製造される。すなわち、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造される。重合されたミクロゲルは洗浄、乾燥されるが、粉砕する必要はない。
特に適宜選択された親水疎水バランス(HLB)に調節された界面活性剤を使用することにより、逆相乳化重合における重合系が一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、ミクロゲルからなる増粘剤が製造されることが好ましい。
【0032】
一相マイクロエマルションとは熱力学的に安定に油相と水相が共存している状態で油・水間の界面張力は極小になっている状態である。また、微細W/Oエマルションは熱力学的には不安定であるが速度論的に安定に油と水が微細なW/Oエマルションとして存在している状態である。一般的に微細W/Oエマルションの内水相の粒子径は数10〜100nm程度である。これらの状態は系の組成と温度のみで決定され、機械的な攪拌条件などには左右されない。
【0033】
重合系を構成する組成物は、水とは混合しない有機溶媒若しくは油分からなる分散媒(外相を構成する)、水からなる分散相(内相を構成する)とからなる。好ましい有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ナフタレンなどの芳香族および環状炭化水素が挙げられる。
好ましい油分としてはパラフィン油などの非極性油分が挙げられる。
【0034】
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、分散相である水に溶解し次いで分散媒である有機溶媒あるいは油分と混合され、所望の温度に加熱した後、重合開始剤を水相に添加し重合を行う。
一般的に不均一重合法では重合中の攪拌条件により製造される高分子の物性が異なることが知られている。その理由は乳化系が熱力学的に安定な状態ではない為に攪拌条件による乳化粒子の形状、サイズに変化が生じる為である。本発明においては、熱力学的に安定な一相マイクロエマルション領域あるいは準安定的である一相領域の近傍に存在する微細W/Oエマルション領域で重合を行うことでこれらの問題を回避できることを見出した。具体的には、通常の熱重合あるいはレドックス重合用の重合開始剤の最適重合温度近傍に上記一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルション領域が出現するように重合系の組成(有機溶媒の種類、界面活性剤のHLB)を調節することで微細な水相(水滴)内で高分子を重合することで増粘効果が高いミクロゲルを得ることが可能になった。
相図による例を図1に示す。図1は、有機溶媒にヘキサンを使用した場合の、ヘキサン(Wで示す)/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液(Oで示す)の3成分系の相図である。図中に示したA領域が一相マイクロエマルション領域〜微細W/Oエマルション領域であり、この領域で重合を行うことにより、好ましいミクロゲルの重合が可能である。
これに対して、従来の懸濁重合による高分子の増粘剤(例えば、特開平2001−1146641公報記載の方法)では重合時の水滴の粒子径コントロールが困難であり、良質なミクロゲルを得ることは困難である。
【0035】
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、非イオン性モノマーとイオン性モノマー(アニオン性モノマー若しくはカチオン性モノマー)とを併用することが好ましい。
非イオン性モノマーは上記一般式(1)に示すジアルキルアクリルアミドが好ましい。
イオン性モノマーは、一般式(2)に示すアニオン性アクリルアミド誘導体または一般式(3)に示すカチオン性アクリルアミド誘導体が好ましい。
特に好ましいジアルキルアクリルアミドは、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドである。
特に好ましいイオン性アクリルアミド誘導体は、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
特に好ましいカチオン性アクリルアミド誘導体はN,N,−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライドである。
非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系におけるモノマー組成比(重合系の仕込み比)は、目的とするミクロゲルのモノマー構成比に応じて適宜任意に決定される。ミクロゲルのモノマー構成比と重合系への仕込み比はほぼ同一となる。非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系の仕込み比(モル比)は、通常、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1、さらに好ましくは7:3〜9:1の範囲で共重合に供される。最適比率は、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=8:2である。
上記の水溶性エチレン性不飽和モノマーを任意に選択して本発明の増粘剤が重合される。特に好ましい増粘剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーにジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用い、これらのモノマーから共重合される2元共重合体のミクロゲルである。この場合に、架橋モノマーは必要がなく、自己架橋により優れた増粘効果と使用感が発揮される増粘剤が得られる。なお、架橋モノマーを用いることもでき、その場合には一般式(4)で示される架橋モノマーが好ましく、特にメチレンビスアクリルアミドが好ましい。
【0036】
水溶性エチレン性不飽和モノマーを、分散相に溶解して本発明に好ましいミクロゲルを重合するためには、最適な外相油分あるいは有機溶媒と、界面活性剤とをそれぞれを選択することが必要である。本発明者は、非イオン界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)を重合系の組成において相図を作成することにより、熱ラジカル重合に適する温度において曇点を示すように調製することで、通常の熱ラジカル重合温度において一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する状態を作り、増粘剤として好ましいレオロジー特性を持つミクロゲルが得られることを見出した。
【0037】
好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ソルビタン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸グリセリン、トリ脂肪酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
これらの界面活性剤を適宜組み合わせて所望のHLBに調整して重合系に添加することが出来る。
【0038】
また驚くべきことに、ジアルキルアクリルアミドとアクリルアミド系イオン性モノマーを共重合したミクロゲルにおいては、自発的な架橋反応が進行し、特に第三成分として多官能性架橋モノマーを共重合しなくても、化学的に自己架橋されたミクロゲルが得られ、本発明に特に好ましい増粘剤となる。
【0039】
第三成分の多官能性架橋モノマーは必要ではないが、これを添加し共重合しても本発明に使用されるミクロゲルは合成可能である。多官能性架橋モノマーは、一般式(4)に示されるモノマーが好ましく、一般式(4)で示される架橋モノマーの一種類あるいは二種類以上を使用して架橋することが出来る。これらの架橋性モノマーはジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体との重合系において効率よく架橋構造を取り得ることが必須である。
【0040】
好ましい架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート等が挙げられ、この中から選ばれた一種または二種以上を用いることが出来る。本発明においては、特に、N,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましく使用される。
【0041】
本発明の増粘剤である共重合体中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位とジアルキルアクリルアミド単位の含有量のモル比は、通常、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1であり、さらに好ましくは=3:7〜1:9である。最適比は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=2:8である。本発明の増粘剤の粘性は強解離基であるスルホニル基に基づく静電反発による分子鎖の伸展およびジアルキルアクリルアミドの自発架橋反応あるいは架橋性単量体による架橋構造に起因しているが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位またはその塩の含有量が、ジアルキルアクリルアミド単位に対して5モル%未満では十分に分子鎖の伸展が起こらないため十分な粘度が得られないことがある。
【0042】
架橋性モノマーの使用量は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩とジアルキルアクリルアミドの全モル数に対し0.0001〜2.0モル%の範囲で添加されることが好ましい。0.0001モル%未満で調製された増粘剤は架橋の効果が見られない場合がある。また、2モル%を超えて調製された場合、架橋密度が高すぎてミクロゲルが充分に膨潤出来ないために充分な増粘効果を発揮しない場合がある。
【0043】
本発明に用いるミクロゲルの分子量は重量平均分子量10万〜500万(PEG換算:GPCによる測定)程度であり、増粘剤として求められる粘度により調節される。
【0044】
上記の重合法によって得られるミクロゲルは、下記(1)〜(3)のすべてのレオロジー的性質を有する。このミクロゲルからなる増粘剤は上記の重合法による製造方法により得られ、増粘剤として好ましく使用される。
(1)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s−1において10000mPa・s以上である。
(2)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0 s−1において5000mPa・s以上である。
(3)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液若しくはエタノール分散液のおける動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG’>G”である。
なお、ミクロゲルの水若しくはエタノール分散液の見かけ粘度とは、コーンプレート型レオメータ(Paar Rhysica製 MCR−300)を用い、測定温度25℃、ずり速度1s−1における粘度である。
また、動的弾性率は、同上の測定装置を用いて測定温度25℃、歪み1%以下で周波数範囲0.1〜10Hzで測定した貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)の値を意味する。
【0045】
本発明に用いるミクロゲルは重合後簡単な沈殿精製工程を経て粉末状態で分離することが可能である。粉末状に分離されたミクロゲルは、水あるいはエタノールまたは水/エタノールの混合溶剤に容易に分散して速やかに膨潤し増粘剤として機能する。
また、ミクロゲルに共重合されるイオン性モノマーを、強酸性のモノマー(例えばスルホン酸残基を含むモノマー)を選択することで、従来のカルボキシビニルポリマーでは増粘が不可能であった酸性製剤の増粘も可能である。
さらに、本発明に用いるミクロゲルは、従来、増粘若しくはゲル化が困難とされたアルコールの増粘若しくはゲル化も可能である。本発明の増粘剤は増粘若しくはゲル化の用途に使用され、化粧料に増粘剤として配合すると、優れた増粘効果を発揮し、さらに従来の増粘剤の問題とされていた、化粧料使用時のぬるつき及び乾き際のべたつきが大幅に改善され、極めて優れた使用感を持つ化粧料の製造が可能になる。
【0046】
本発明の化粧料は、上記ミクロゲルを増粘剤として化粧料基剤に配合して製造される。増粘剤の配合量は目的とする化粧料に応じて適宜決定され限定されない。使用性の点から、好ましい配合量は0.01〜10%(質量百分率)、さらに好ましくは0.1〜5%(質量百分率)である。
さらに、化粧料の剤形に応じて、油性基剤、界面活性剤、粉体、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、薬剤、染料、顔料、香料、水等を発明の効果を損なわない範囲で適宜配合し常法により製造することが出来る。
【0047】
本発明の化粧料の種類及び調整法は特に制限されない。基礎化粧料、メークアップ化粧料、パック化粧料、毛髪化粧料などに応用できる。本発明の増粘剤を水若しくはエタノールに膨潤させ、水性若しくはエタノール性基剤を製造し、好ましくは、化粧水、美溶液、染毛料などを調整できる。また、油性基剤と混合攪拌することにより、乳化化粧料を調整可能である。
本発明の化粧料は、安定した増粘効果が発揮され、また、従来の高分子ゲルからなる増粘剤により生じる外観上の問題がない。
【0048】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における配合量は特に断りのない限り%(質量百分率)である。
【0049】
まず、本発明に用いるミクロゲルの合成例を説明する。合成例で得られるミクロゲルは本発明の増粘剤である。従来の均一系重合法にて製造される比較合成例1及び2のポリマーゲルは、本発明の請求項1及び2に記載された要件を満たさず、本発明の増粘剤ではない。
【0050】
合成例1
ジメチルアクリルアミド(興人製)を40gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)9gを250gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン250gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.2gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)16.4gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0051】
合成例2
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0052】
合成例3
ジメチルアクリルアミド(興人製)を30gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)26.7gを280gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン280gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)9.4gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)19gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0053】
合成例4
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびエポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0054】
合成例5
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド70mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0055】
合成例6
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gとN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド(興人製)17.5gを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0056】
合成例7
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gとN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド(興人製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0057】
比較合成例1
アクリルアミド(和光純薬製)を30gとメタクリロキシエチルスルホン酸(日本乳化剤製)21.6gを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)26gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65〜70℃に加熱し、所望の温度に達したところで過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでポリマーが生成する。重合終了後ポリマー懸濁液にアセトンを加えポリマーを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、塊状のポリマー乾燥物を得る。これをビーズミルにより機械的に粉砕して白色粉末を得る。
【0058】
比較合成例2
アクリルアミド(和光純薬製)を30gとメタクリロキシエチルスルホン酸(日本乳化剤製)21.6gを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン260gとポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)26gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65〜70℃に加熱し、所望の温度に達したところで過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することで凝集物(ゲル)が生成する。重合終了後凝集物(ゲル)をアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。ゲルは濾過後減圧乾燥し、塊状のゲル乾燥物を得る。これをビーズミルにより機械的に粉砕して白色粉末を得る。
【0059】
「増粘剤としての効果」
(1)ミクロゲル水分散液の粘度挙動
合成例および比較合成例で得られたミクロゲルの増粘効果を示す一つの指標として、ミクロゲル水分散液の粘度挙動を調べた。合成例1〜7のミクロゲル、比較例として比較合成例1〜2のポリマー及びカルボキシビニルポリマー(シンタレンL:3V sigma 製)を、イオン交換水に0.5重量%になるように分散させて水分散液を調製した。コーンプレート型レオメーター(Paar Physica製 MCR−300)を用いてこれらミクロゲル水分散液のずり速度1s−1での見掛けの粘度を測定した。なお、測定冶具は直径50mm角度2°のコーンタイプのものを用い測定温度は25℃で測定した。結果を表1に示す。
【表1】
合成例1〜7のサンプルはいずれも10000mPas以上の粘度を示し良好な増粘効果を示した。驚くべきことに架橋性モノマーを共重合しなくとも、充分な増粘効果を発揮することが分かる(実施例1〜3)。また、現在汎用されているカルボキシビニルポリマー(シンタレンL:比較例3)に比べても2〜3倍の増粘効果があることが分かった。なお、ジメチルアクリルアミド以外のモノマーと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸の組み合わせでは架橋モノマーが共重合されなければ増粘効果は低い。
一方、比較合成例1及び2のポリマー粉末を配合した比較例1及び2の結果から以下のことが明らかになった。
a:界面活性剤のHLB値が低い場合、重合系の曇点温度が低下し、重合時のW/Oエマルションの粒子径が大きくなり、この状態で重合されたポリマーは最早本発明で言うミクロゲルの範疇から外れ、増粘効果は低い(比較例1)。
b:界面活性剤のHLB値が高い場合、重合系の曇点温度が上昇し、重合時に系がO/Wエマルションになってしまい、モノマーが溶解している水相が連続相となる。このような状態で重合が進行すると均一なゲルとなってしまう。このゲルは本発明に用いるミクロゲルの範疇から外れ、増粘剤としての応用は不可能である(比較例2)。
以上から、本発明に用いる合成例のミクロゲルは、従来の化粧料用増粘剤に比較して著しく高い増粘効果を示すことが明らかになった。
【0060】
(2)ミクロゲルのアルコール分散液の粘度挙動
本発明に用いるミクロゲルの大きな特徴の一つであるアルコールの増粘効果について調べた。被検サンプルをエチルアルコールに0.5%(質量百分率)になるように分散させミクロゲルアルコール分散液を調製した。コーンプレート型レオメーター(Paar Physica製 MCR−300)を用いて、ミクロゲルアルコール分散液のずり速度1s−1での見掛けの粘度を測定した。なお、測定冶具は直径50mm角度2°のコーンタイプのものを用い測定温度は25℃で測定した。結果を表2に示す。
【表2】
カルボキシビニルポリマー(シンタレンL)は、アルコールをほとんど増粘することは出来ない。また、比較例4および5に示すように、比較合成例1及び2のポリマー粉末は、アルコール中では完全に沈殿し膨潤することが出来ない。これに対して、本発明に用いるミクロゲルはアルコールを十分に増粘若しくはゲル化できることが明らかになった。アルコールの増粘効果は、ミクロゲルが架橋性モノマーによる共重合の有無に関わらず発揮されることが明らかになった。
【0061】
(3)ミクロゲル分散液の動的弾性率
ゲルの特徴として、そのほとんどの構成成分が液体であるにも関わらずその力学物性が「固体的」に振る舞うことが挙げられる。一方、このようなゲルを微細に粉砕してもマクロに見た力学物性は保持される。例えば、本発明者らは寒天ゲルについてバルクのゲルとこれを粉砕したゲルの双方の力学物性測定を比較し、粉砕したミクロゲルも定性的にはバルクゲルを同様の性質を示すことを報告している(金田、梁木 日本レオロジー学会誌 vol.30 No.2 , 89−94 2002)。
すなわち、動的弾性率の測定によりその流体がミクロゲルの形状をとっていることを確認することが可能である。本発明のこのような物性を明らかにするため、水及びアルコール分散液の動的弾性率を測定した。動的弾性率の測定はコーンプレート型レオメータ(Paar Physica製 MCR−300)を用いて歪み1%周波数範囲0.03〜3Hzの範囲で25℃で測定した。水、エタノール、水−エタノール混合溶液(水:エタノール=20:80)に、合成例2で得られたミクロゲルを、0.5%(質量百分率)で分散し、それぞれの動的弾性率の結果を、図3(水)、図4(エタノール)及び図5(水―エタノール混合液)に示した。
グラフの縦軸は貯蔵弾性率G’ (Pa)および損失弾性率G” (Pa)であり、横軸は角周波数である。G’の値は被験物質の「固体的性質」をG”は「液体的性質」を示す。すなわち、G’>G”であれば「固体的(ゲル)」でありG’<G”であれば「液体的(ゾル)」であることがこのグラフから半定量的に判定できる。
いずれの結果も、測定周波数範囲でG’(貯蔵弾性率)>G”(損失弾性率)という典型的なゲル的性質を示すことが分かる。この結果から、粘度測定の結果から示された高い増粘効果はゲル的即ち固体的性質を示す微細なミクロゲルの摩擦に起因するものであることが分かる。
なお、1 s−1での見掛け粘度の値が低値であるサンプルはこのようなゲル的な動的弾性率の挙動は見られなかった。
【0062】
(4)耐酸性増粘剤としての機能
共重合モノマーとしてスルホン酸を含むミクロゲルは広いpH領域で安定した増粘効果をしめすことが期待できる。合成例2と、比較例としてシンタレンLの0.5%(質量百分率)水分散液の各pH領域での粘度挙動を調べた。測定は、前記(1)と同様の方法にて、ずり速度1s−1での見かけ粘度を25℃で測定した。結果を図5に示す。合成例2のミクロゲルはpH=2〜11の範囲で安定した増粘効果を示した。
【0063】
(5)化粧料に配合した場合の使用感
本発明の増粘剤であるミクロゲルの化粧料処方へ配合した場合の使用感を調べた。典型的なクリーム処方に、被検サンプルを配合し、これを専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価は「塗布時の使用感触」「乾き際のべたつきのなさ」「総合評価」の3項目に対して、以下の基準で行った。
4点:非常に優れている
3点:すぐれている
2点:どちらともいえない
1点:劣る
◎:平均点が3.5以上4以下
○:平均点が3以上3.5未満
△:2以上3未満
×:2未満
【0064】
「表3」の示す処方で常法によりW/O乳化クリームを製造した。
結果を表3に示す。本発明によるミクロゲルを増粘剤として配合した化粧料は従来の増粘剤を配合した化粧料に比べ、使用感について極めて高い評価を得た。
【表3】
【0065】
以下に本発明の増粘剤を配合する化粧料を例示する。いずれも常法により製造され、優れた増粘効果を有し、使用感を有し、外観上も問題がない化粧料である。
【0066】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合する美白乳液の実施例を「表4」に示す。O/W型乳化組成物においても安定して増粘できる。使用感及び外観上も全く問題がない。
【表4】
【0067】
「表5」は、ジプロピレングリコール(DPG)、ポリエチレングリコール(PEG1500)を保湿剤として配合し、アルコール(エタノール)を高配合する透明水系のボディージェルの実施例である。合成例1〜7の増粘剤を配合すると、安定に増粘される。また、外観が均一透明な美しいボディージェルが得られる。しかしながら、比較合成例の増粘剤を配合すると、アルコールが高配合のため増粘できない。また、外観上も増粘剤粒子が観察されてしまう。
【表5】
【0068】
「表6」は酸性染毛料の実施例である。カチオン系ポリマーは配合できないため、合成例1〜5で得られる増粘剤を配合した実施例である。本発明の増粘剤は酸性染毛料のような酸性組成物においても優れた増粘効果を発揮し、染毛料に必要な増粘効果が得られ、使用性及び外観上も優れた染毛料を提供できる。従来の増粘剤であるカルボキシビニルポリマーでは酸性組成物において安定な増粘効果を発揮できない。
【表6】
【0069】
「表7」は2剤型の酸化染毛料の実施例である。カチオン系ポリマーは配合できないため、合成例1〜5で得られる増粘剤を配合した実施例である。染毛料に必要な増粘効果が得られ、使用性及び外観上も優れた染毛料である。
【表7】
【0070】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合するヘアジェルの実施例を「表8」に示す。いずれの実施例も、安定に増粘され、使用感及び外観も優れている。
【表8】
【0071】
アルコール(エタノール)を高配合するアフターシェーブローションの実施例を「表9」に示す。アフターシェーブローションのように、アルコールの高配合が必要な化粧料の増粘においては、本発明の増粘剤が極めて優れた増粘効果を発揮する。なお、比較合成例1及び2で得られる増粘剤では、アルコール高配合の化粧料を増粘することは出来ない。
【表9】
【0072】
アルコール(エタノール)を高配合するヘアトニックの実施例を「表10」に示す。ヘアトニックのように、アルコールの高配合が必要な化粧料の増粘においては、本発明の増粘剤が極めて優れた増粘効果を発揮する。なお、比較合成例1及び2で得られる増粘剤では、アルコール高配合の化粧料を増粘することは出来ない。
【表10】
【0073】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合する透明ジェル型のセルフタンニングの実施例を表11に示す。合成例1〜7の増粘剤を配合するセルフタンニング基剤は、外観が透明均一な美しいジェルが得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、粘度の安定性も良く、染色度合いにも優れており、総合評価が優れている。
【表11】
【0074】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合する透明ジェル型のセルフタンニングの実施例を表12に示す。合成例1〜7の増粘剤を配合するセルフタンニング基剤は、外観が美しい乳化組成物が得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、粘度の安定性も良く、染色度合いにも優れており、総合評価が優れている。
【表12】
【0075】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合するO/W型のセルフタンニングの実施例を表13に示す。合成例1〜7の増粘剤を配合するセルフタンニング基剤は、粉末が配合された安定な乳化組成物が得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、粘度の安定性も良く、染色度合いにも優れており、総合評価が優れている。
【表13】
【0076】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合するO/W型の液状ファンデーションの実施例を表14に示す。合成例1〜7の増粘剤を配合するO/W型液状ファンデーションは、安定な乳化組成物が得られた。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、系時の粘度の安定性も良く、総合評価が優れている。
【表14】
【0077】
合成例1〜5で製造された増粘剤を配合する3剤式のブリーチ剤の実施例を表15、16、17に示す。
合成例1〜5の増粘剤を配合するブリーチ剤は、安定に増粘でき、使用感、及び外観も優れている。
【表15】
【表16】
【表17】
【0078】
合成例6、7で製造された増粘剤を配合する透明液状のヘアトリートメントの実施例を表18に示す。なお、この実施例ではアニオン系ポリマーは配合できないため、合成例1〜5のポリマーは配合していない。合成例6、7の増粘剤を配合するヘアトリートメントは、外観が透明均一な美しいジェルが得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、べたつきがなく、総合評価が優れている。
【表18】
【0079】
合成例6、7で製造された増粘剤を配合するデオドラントローションの実施例を表19に示す。なお、この実施例ではアニオン系ポリマーは配合できないため、合成例1〜5のポリマーは配合していない。合成例6、7の増粘剤を配合するデオドラントローションは、外観が均一な美しいジェルが得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、べたつきがなく、総合評価が優れている。
【表19】
【0080】
合成例1〜5で製造された増粘剤を配合するパックの実施例を表20に示す。なお、この実施例ではカチオン系ポリマーは配合できないため、合成例6、7のポリマーは配合していない。
合成例1〜5の増粘剤を配合するパックは、比較例に比べ、べたつきがなくさっぱりした使用感のものが得られる。
【表20】
【0081】
合成例6、7で製造された増粘剤を配合する透明ジェル状の殺菌剤の実施例を表21に示す。なお、この実施例ではアニオン系ポリマーは配合できないため、合成例1〜5のポリマーは配合していない。合成例6、7の増粘剤を配合する殺菌剤は、外観が透明均一な美しいジェルが得られる。
使用感に関して、専門パネリスト3名で使用感触の官能評価を行った。評価に関して、以下の基準で判断を行った。
4点:非常に優れている、3点:優れている、2点:どちらともいえない、1点劣る
◎:平均点が3.5以上4以下、○平均点が3以上3.5未満、△:2以上3未満、×2未満
塗布時の使用感に優れ、べたつきがなく、総合評価が優れている。
【表21】
【0082】
合成例1〜5で製造された増粘剤を配合するボディソープの実施例を表22に示す。なお、この実施例ではカチオン系ポリマーは配合できないため、合成例6、7のポリマーは配合していない。合成例1〜5の増粘剤を配合するボディーソープは、泡立ちを阻害することなく、クリ−ミーな泡が得られる。
【表22】
【0083】
合成例1〜5で製造された増粘剤を配合する洗顔フォームの実施例を表23に示す。なお、この実施例ではカチオン系ポリマーは配合できないため、合成例6、7のポリマーは配合していない。合成例1〜5の増粘剤を配合するボディーソープは、泡立ちを阻害することなく、クリ−ミーな泡が得られる。
【表23】
【0084】
合成例1〜5で製造された増粘剤を配合するフレグランスの実施例を表24、25に示す。合成例1〜5の増粘剤を配合するフレグランスは、エタノール高配合系で、外観が均一透明で、安定した増粘が可能である。
【表24】
【表25】
【0085】
合成例1〜7で製造された増粘剤を配合する殺カビ剤の実施例を表26に示す。安定なジェル基剤が得られ、塗布しやすいものが得られる。
【表26】
【0086】
【発明の効果】
本発明の増粘剤は化粧料に配合すると優れた増粘効果を有する。また、従来の増粘剤の問題点となっていた化粧料使用時のぬるつき及び乾き際のべたつきが大幅に改善され、極めて優れた使用感を有する化粧料の製造が可能になる。
本発明の増粘剤の製造方法においては、重合されたミクロゲルを粉末状態で分離して増粘剤として使用することが可能である。したがって、従来の高分子ゲルのように粉砕する必要がない。粉末状に分離されたミクロゲルは、水、エタノール、水/エタノールの混合溶剤に容易に分散して速やかに膨潤し、優れた増粘剤として機能する。また、ミクロゲルに共重合される、水溶性エチレン製不飽和モノマーに、強酸性のイオン性モノマー(例えばスルホン酸残基を含むモノマー)を選択することにより、従来のカルボキシビニルポリマーでは増粘が不可能であった酸性製剤の増粘も可能となる。
さらに、本発明の増粘剤は、従来、増粘若しくはゲル化が困難であったアルコールの増粘若しくはゲル化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘキサン(Wで示す)/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液(Oで示す)の3成分系相図である。
【図2】水の動的弾性率を表わすグラフである。
【図3】エタノールの動的弾性率を表わすグラフである。
【図4】水―エタノール混合溶液の動的弾性率を表わすグラフである。
【図5】粘度とpHの関係を表わすグラフである。
Claims (12)
- 有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤。
- 有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、前記組成物が界面活性剤を含有し一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤。
- 前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s−1において10000mPa・s以上であるミクロゲルからなる増粘剤。
- 前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s−1において5000mPa・s以上であるミクロゲルからなる増粘剤。
- 前記ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の25℃の水分散液若しくはエタノール分散液での動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲で、G’(貯蔵弾性率)>G”(損失弾性率)であるミクロゲルからなる増粘剤。
- 有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造することを特徴とする請求項1〜10記載の増粘剤の製造方法。
- 請求項1〜10記載の増粘剤を配合した化粧料。
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