JP2005146075A - 香料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色料で着色された香料組成物であって、紫外線や経時によって褪色されることなく美しい外観を保ち、なおかつ香料の持続性にも優れる香料組成物を提供する。
【解決手段】 (a)香料0.1〜30質量%、(b)水0.5〜25質量%、(c)エタノール0.1〜79質量%、(d)着色料0.00001〜0.5質量%、(e)下記一般式(1)で表されるピリダジン誘導体及びその塩の一種または二種以上とを配合する。
【化1】
Figure 2005146075

【選択図】 図1

Description

本発明は、香料組成物に関する。さらに詳しくは、着色料、例えば染料によって着色された香料組成物に関する。
一般的に、香りを楽しむフレグランス製品は、香料を多量のアルコールに溶解して調製される。このような香料組成物は、着色料によって基剤を着色しても、アルコールが高配合されているために、着色料が分解しやすく、紫外線によって、また経時によって褪色してしまうという問題があった。そこで、着色した香料組成物を、紫外線吸収剤および光安定剤と共に配合してゲル化させ、容器に充填するといった方法が用いられていた(特許文献1参照)。しかしながら、この香料組成物は空間内に設置して芳香を漂わせる着色芳香剤ゲルであり、皮膚への適用を意図したものではなかった。また紫外線吸収剤を配合した容器に充填する方法もあるが、この方法では、用いることのできる容器が制限されるため多様な製品を展開することができず、また容器のコストが高くなるといった問題があった。
一方、本願出願人は香りの持続性に優れ、べたつきが少なくて使用感の良好なジェル状の香料組成物を開発している(特許文献2参照)。しかし、着色料を用いた場合に、この着色料が分解しやすく経時で褪色してしまうという問題は残されたままであった。
特開平6−178800号公報 特開平9−67239号公報
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、着色料で着色された香料組成物が、紫外線や経時によって褪色されることなく美しい外観を保ち、なおかつ香料の持続性にも優れる香料組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、(a)香料と(b)水と(c)エタノールと(d)着色料と(e)特定構造のピリダジン誘導体及びその塩の一種または二種以上とを特定割合にて含有してなる香料組成物が前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)香料0.1〜30質量%、(b)水0.5〜25質量%、(c)エタノール0.1〜79質量%、(d)着色料0.00001〜0.5質量%、(e)下記一般式(1)で表されるピリダジン誘導体及びその塩の一種または二種以上とを含有することを特徴とする香料組成物である。
Figure 2005146075
本発明によれば、着色料で着色された香料組成物が、紫外線や経時によって褪色されることなく美しい外観を保ち、なおかつ香料の持続性にも優れる香料組成物が提供できる。
以下、本発明の構成について詳述する。
(a)香料
本発明に用いられる成分(a)香料は、通常、化粧料や医薬品の分野で配合されている香料のいずれも使用することができる。香料としては例えば、動物系、植物系、鉱物系の天然香料及び合成香料が挙げられる。
前記(a)香料の含有量は、組成物全量に対して0.1〜30質量%であり、好ましくは、5〜20質量%である。0.1質量%未満では充分な芳香が得られず、30質量%を越えて配合すると匂いが強くなりすぎたり、肌に塗布した際にべたつくため好ましくない。
(b)水
本発明に用いられる成分(b)水の含有量は、組成物全量に対して0.5〜25質量%であり、好ましくは、1〜20質量%である。0.5質量%未満では、着色料などの溶解が困難であり、25質量%を越えて配合すると分離が起こるなど安定性の面で好ましくない。
(c)エタノール
本発明に用いられる成分(c)エタノールの含有量は組成物全量に対して0.1〜79質量%であり、好ましくは、50〜70質量%である。0.1質量%未満では香料の溶解性が低下し、79質量%を越えて配合するとアルコール臭が強く出て香料とのバランスが崩れるため好ましくない。
(d)着色料
本発明に用いられる成分(d)着色料は、通常、化粧料や医薬品の分野で配合されている着色料のいずれも使用することができる。着色料としては例えば、赤色504号(例えば商品名:ポンソーSX)、黄色203号(例えば商品名:精製キノリンエローWS)、黄色5号(例えば商品名:サンセットエローFCF)、緑色202号(例えば商品名:精製キニザリングリーンss)、青色1号(例えば商品名:ブリリアントブルーFCF(コンスタム)、緑色201号(例えば商品名:アリザリンシアニングリーンF)、赤色227号(例えば商品名:アシッドフクシンD(コンスタム))、赤色106号(例えば商品名:アシッドレッド)、緑色3号(例えば商品名:ファストグリーン)が挙げられるが、これに限定されるものでない。
(e)ピリダジン誘導体類
本発明に用いられる成分(e)は下記一般式(1)で表されるピリダジン誘導体またはその塩である(特開2001−233862号公報参照)。
Figure 2005146075
前記(e)ピリダジン誘導の含有量は、好ましくは、0.01〜0.5質量%である。0.01質量%未満では、十分な褪色防止効果が得られず、0.5質量%を越えて配合すると析出が起こる等のため好ましくない。
(f)増粘剤
本発明の香料組成物は、さらに成分(f)として下記のカチオン性増粘剤あるいはミクロゲル増粘剤を含有させることにより、塗布時に液流れやたれ落ちることのない適度な粘度を有する香料組成物が得られる。
(1)カチオン性増粘剤
カチオン性増粘剤は、下記の(A)〜(D)を含有する増粘剤用モノマー組成物を非水溶媒中で重合してなるものである。
(A)一般式(I):
Figure 2005146075
(式中、Rは水素原子またはメチル基、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基またはt−ブチル基、Aは酸素原子または−NH−基、Bは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜4のアルキレン基を示す)で表わされるアミン含有(メタ)アクリル系モノマー15〜85質量%、
(B)一般式(II):
Figure 2005146075

(式中、Rは前記と同じ、Rは一般式:
Figure 2005146075

(式中、pは3または4を示す)で表わされる基または式:
Figure 2005146075

で表わされる基を示す)で表わされるビニルモノマー0〜80質量%、
(C)一般式(III) :
Figure 2005146075

(式中、RおよびAは前記と同じ、Rは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜17のアルキレン基または一般式(IV):
Figure 2005146075

(式中、nは1〜4の整数、qは1〜25の整数を示す)で表わされる基、Rは水素原子またはメチル基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基含有モノマー1〜60質量%
(D)架橋性ビニルモノマー0.1〜20質量%
このカチオン性増粘剤は、特開平6−219921号公報等に記載されたものである。具体的には、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(分子量は100万以上)を使用することができる。
本発明に用いられる成分(f)カチオン性増粘剤の含有量は組成物全量に対して0.01〜5質量%であり、好ましくは、0.1〜1.0質量%である。0.01質量%未満では、増粘効果が得られず、5質量%を越えて配合すると増粘し過ぎて使用が困難になる。
(2)ミクロゲル増粘剤
本発明に用いる増粘剤のうち、ミクロゲル増粘剤とは、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相として構成され、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られる合成高分子のミクロゲルからなる増粘剤である。
すなわち、一般に逆相乳化重合法と称される重合法により製造される高分子ミクロゲルを増粘剤の用途に使用するものであり、例えば特開2001−114641号公報に開示されているような均一重合系により得られる合成高分子からなる増粘剤とは、その重合方法及び力学物性が異なる。
ミクロゲルとは逆相マイクロエマルション重合法で製造された合成高分子電解質の微粒子である。本発明のミクロゲルからなる増粘剤は、水、エタノールあるいは水−エタノール混合溶液中で膨潤し、外観上肉眼的に均一な高粘度溶液を提供できる。
ミクロゲルからなる増粘剤を製造する方法、すなわち増粘剤として使用されるミクロゲルの重合系は、従来の増粘剤である合成高分子を製造する均一重合系とは異なるものである。
前記した特開2001−114641号公報に開示されている均一重合系による合成高分子は本発明に用いるミクロゲルではなく、合成高分子を重合後、化粧料に配合するためには粉末状態に粉砕しなければならない。また、合成高分子のゲルが目立ち、外観上問題を生じる場合がある。
一方、本発明に用いるミクロゲルは不均一重合系で重合される。得られる合成高分子は微細な高分子ゲル、すなわちミクロゲルとなり、化粧料に配合する際に新たに粉砕して粉末状態にする必要がなく、優れた増粘効果と優れた使用感を発揮し、さらに化粧料の外観上も好ましい。
ミクロゲルからなる増粘剤は逆相乳化重合法において製造される。すなわち、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造される。重合されたミクロゲルは洗浄、乾燥されるが、粉砕する必要はない。
特に適宜選択された親水疎水バランス(HLB)に調節された界面活性剤を使用することにより、逆相乳化重合における重合系が一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、ミクロゲルからなる増粘剤が製造されることが好ましい。
一相マイクロエマルションとは熱力学的に安定に油相と水相が共存している状態で油・水間の界面張力は極小になっている状態である。また、微細W/Oエマルションは熱力学的には不安定であるが速度論的に安定に油と水が微細なW/Oエマルションとして存在している状態である。一般的に微細W/Oエマルションの内水相の粒子径は数10〜100nm程度である。これらの状態は系の組成と温度のみで決定され、機械的な攪拌条件などには左右されない。
重合系を構成する組成物は、水とは混合しない有機溶媒若しくは油分からなる分散媒(外相を構成する)、水からなる分散相(内相を構成する)とからなる。
好ましい有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ナフタレンなどの芳香族および環状炭化水素が挙げられる。
好ましい油分としてはパラフィン油などの非極性油分が挙げられる。
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、分散相である水に溶解し次いで分散媒である有機溶媒あるいは油分と混合され、所望の温度に加熱した後、重合開始剤を水相に添加し重合を行う。
一般的に不均一重合法では重合中の攪拌条件により製造される高分子の物性が異なることが知られている。その理由は乳化系が熱力学的に安定な状態ではない為に攪拌条件による乳化粒子の形状、サイズに変化が生じる為である。本発明においては、熱力学的に安定な一相マイクロエマルション領域あるいは準安定的である一相領域の近傍に存在する微細W/Oエマルション領域で重合を行うことでこれらの問題を回避できることを見出した。具体的には、通常の熱重合あるいはレドックス重合用の重合開始剤の最適重合温度近傍に上記一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルション領域が出現するように重合系の組成(有機溶媒の種類、界面活性剤のHLB)を調節することで微細な水相(水滴)内で高分子を重合することで増粘効果が高いミクロゲルを得ることが可能になった。
相図による例を図1に示す。図1は、有機溶媒にヘキサンを使用した場合の、ヘキサン(Wで示す)/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液(Oで示す)の3成分系の相図である。図中に示したA領域が一相マイクロエマルション領域〜微細W/Oエマルション領域であり、この領域で重合を行うことにより、好ましいミクロゲルの重合が可能である。
これに対して、従来の懸濁重合による高分子の増粘剤(例えば、特開2001−114641号公報記載の方法)では重合時の水滴の粒子径コントロールが困難であり、良質なミクロゲルを得ることは困難である。
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、非イオン性モノマーとイオン性モノマー(アニオン性モノマー若しくはカチオン性モノマー)とを併用することが好ましい。
非イオン性モノマーは一般式(A)に示すジアルキルアクリルアミドが好ましい。
一般式(A)
Figure 2005146075

(RはHまたはメチル基、R及びRはそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
イオン性モノマーは、一般式(B)に示すアニオン性アクリルアミド誘導体または一般式(C)に示すカチオン性アクリルアミド誘導体が好ましい。
一般式(B)
Figure 2005146075

(R及びRはそれぞれ独立にH又はメチル基、Rは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNHを表わす。)
一般式(C)
Figure 2005146075

(RはH又はメチル基、RはHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Rは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
特に好ましいジアルキルアクリルアミドは、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドである。
特に好ましいアニオン性アクリルアミド誘導体は、2−アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
特に好ましいカチオン性アクリルアミド誘導体は、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライドである。
非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系におけるモノマー組成比(重合系の仕込み比)は、目的とするミクロゲルのモノマー構成比に応じて適宜任意に決定される。ミクロゲルのモノマー構成比と重合系への仕込み比はほぼ同一となる。非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系の仕込み比(モル比)は、通常、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1、さらに好ましくは7:3〜9:1の範囲で共重合に供される。最適比率は、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=8:2である。
上記の水溶性エチレン性不飽和モノマーを任意に選択してミクロゲルからなる増粘剤が重合される。特に好ましい増粘剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーにジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用い、これらのモノマーから共重合される2元共重合体のミクロゲルである。この場合に、架橋モノマーは必要がなく、自己架橋により優れた増粘効果と使用感が発揮される増粘剤が得られる。なお、架橋モノマーを用いることもでき、その場合には下記一般式(D)で示される架橋モノマーが好ましく、特にメチレンビスアクリルアミドが好ましい。
水溶性エチレン性不飽和モノマーを、分散相に溶解して本発明に好ましいミクロゲルを重合するためには、最適な外相油分あるいは有機溶媒と、界面活性剤とをそれぞれを選択することが必要である。本発明者は、非イオン界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)を重合系の組成において相図を作成することにより、熱ラジカル重合に適する温度において曇点を示すように調製することで、通常の熱ラジカル重合温度において一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する状態を作り、増粘剤として好ましいレオロジー特性を持つミクロゲルが得られることを見出した。
好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ソルビタン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸グリセリン、トリ脂肪酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。これらの界面活性剤を適宜組み合わせて所望のHLBに調整して重合系に添加することが出来る。
また驚くべきことに、ジアルキルアクリルアミドとアクリルアミド系イオン性モノマーを共重合したミクロゲルにおいては、自発的な架橋反応が進行し、特に第三成分として多官能性架橋モノマーを共重合しなくても、化学的に自己架橋されたミクロゲルが得られ、本発明に特に好ましい増粘剤となる。
第三成分の多官能性架橋モノマーは必要ではないが、これを添加し共重合しても本発明に使用されるミクロゲルは合成可能である。多官能性架橋モノマーは、一般式(D)に示されるモノマーが好ましく、一般式(D)で示される架橋モノマーの一種類あるいは二種類以上を使用して架橋することが出来る。これらの架橋性モノマーはジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体との重合系において効率よく架橋構造を取り得ることが必須である。
一般式(D)
Figure 2005146075
好ましい架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート等が挙げられ、この中から選ばれた一種または二種以上を用いることが出来る。本発明においては、特に、N,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましく使用される。
ミクロゲルからなる増粘剤である共重合体中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位とジアルキルアクリルアミド単位の含有量のモル比は、通常、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1であり、さらに好ましくは=3:7〜1:9である。最適比は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=2:8である。ミクロゲルからなる増粘剤の粘性は強解離基であるスルホニル基に基づく静電反発による分子鎖の伸展およびジアルキルアクリルアミドの自発架橋反応あるいは架橋性単量体による架橋構造に起因しているが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位またはその塩の含有量が、ジアルキルアクリルアミド単位に対して5モル%未満では十分に分子鎖の伸展が起こらないため十分な粘度が得られないことがある。
架橋性モノマーの使用量は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩とジアルキルアクリルアミドの全モル数に対し0.0001〜2.0モル%の範囲で添加されることが好ましい。0.0001モル%未満で調製された増粘剤は架橋の効果が見られない場合がある。また、2モル%を超えて調製された場合、架橋密度が高すぎてミクロゲルが充分に膨潤出来ないために充分な増粘効果を発揮しない場合がある。
本発明に増粘剤として用いるミクロゲルの分子量は重量平均分子量10万〜500万(PEG換算:GPCによる測定)程度であり、増粘剤として求められる粘度により調節される。
上記の重合法によって得られるミクロゲルは、下記(1)〜(3)のすべてのレオロジー的性質を有する。このミクロゲルからなる増粘剤は上記の重合法による製造方法により得られ、増粘剤として好ましく使用される。
(1)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s-1において10000mPa・s以上である。
(2)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0 s-1において5000mPa・s以上である。
(3)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液若しくはエタノール分散液における動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG'>G"である。
なお、ミクロゲルの水若しくはエタノール分散液の見かけ粘度とは、コーンプレート型レオメータ(Paar Rhysica製 MCR-300)を用い、測定温度25℃、ずり速度1s-1における粘度である。
また、動的弾性率は、同上の測定装置を用いて測定温度25℃、歪み1%以下で周波数範囲0.1〜10Hzで測定した貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G")の値を意味する。
本発明に増粘剤として用いるミクロゲルは重合後簡単な沈殿精製工程を経て粉末状態で分離することが可能である。粉末状に分離されたミクロゲルは、水あるいはエタノールまたは水/エタノールの混合溶剤に容易に分散して速やかに膨潤し増粘剤として機能する。
また、ミクロゲルに共重合されるイオン性モノマーを、強酸性のモノマー(例えばスルホン酸残基を含むモノマー)を選択することで、従来のカルボキシビニルポリマーでは増粘が不可能であった酸性製剤の増粘も可能である。
さらに、このミクロゲルは、従来、増粘若しくはゲル化が困難とされたアルコールの増粘若しくはゲル化も可能である。特に高濃度のアルコールを含有する組成物の増粘剤として優れた効果を発揮する。
上記ミクロゲルからなる増粘剤の詳細は、特願2003−131508号に記載されている。
本発明の香料組成物における上記ミクロゲルからなる増粘剤の配合量は、0.1〜5質量%が好ましく、特に0.5〜2.5質量%が好適である。
本発明の香料組成物には、さらに成分(g)オクチルメトキシシンナメート又はジベンゾイルメタン系化合物を含有することにより、紫外線や経時による染料の褪色を防止する効果が、相乗的に上昇する。ジベンゾイルメタン系化合物としては、例えば4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン(パルソール1789)が挙げられる。
本発明に用いられる成分(g)オクチルメトキシシンナメート又はジベンゾイルメタン系化合物の含有量は組成物全量に対して0.01〜5質量%であり、好ましくは、0.1〜0.5質量%である。0.1質量%未満では、紫外線吸収効果が得られず、0.5質量%を越えて配合すると匂いが悪くなったり分離することがあるため好ましくない。
次に本発明の実施例について説明する。なお、配合量の単位は質量%である。
実施例に先立ち、本発明で用いた増粘剤の合成方法を述べる。
合成例1
まず、本発明に増粘剤として用いるミクロゲルの合成方法を説明する。
ジメチルアクリルアミド(興人製)を40gと2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)9gを250gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n−ヘキサン250gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.2gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)16.4gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例2
次に、本発明に増粘剤として用いるカチオン性増粘剤の合成方法を説明する。
温度計、還流管およびチッ素導入管を備えた三つ口フラスコに、モノマーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート50g、N−ビニルピロリドン47.5g、ステアリルアクリレート2.5gおよびトリプロピレングリコールジアクリレート1.9gと、エタノール23.1gおよびシクロヘキサン554.3gの混合溶媒(混合比(重量比)4:96)とを添加し、80℃にて還流を行いながらチッ素気流下で2時間撹拌して脱気した。
つぎに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.41gを三つ口フラスコに添加し、80℃で重合を開始した。重合開始45分間経過後にトリプロピレングリコールジアクリレート1.9gを添加し、さらに45分間経過後にトリプロピレングリコールジアクリレート1.9gを添加した。チッ素気流下で撹拌しながら約10時間重合反応を行ったのち、得られたポリマースラリー溶液を減圧下で濾過し、固型分を減圧下で乾燥した。得られた乾燥ポリマーを粉砕機で粉砕し、白色粉末状のカチオン性増粘剤を得た。
実施例1〜16、比較例1〜3
次の表1〜表4に記載した処方で、各成分を室温にて均一に混合溶解し、得られた香料組成物について、後出の各試験方法により、退色、変色及び変臭の程度を評価した。その結果を併せて表1〜表4に示す。
A.日光暴露試験
試料を屋外で日光にさらし、50MJまで照射した時点で退色・変色・変臭の程度を観察し、下記評価基準により判定した。
B.Xe照射試験
試料をXe照射試験機で30時間照射した時点で退色・変色・変臭の程度を観察し、下記評価基準により判定した。
C.蛍光灯照射試験
試料を蛍光灯で照射し続け、30日間経過した時点で退色・変色・変臭の程度を観察し、下記評価基準により判定した。
(退色の評価基準)
3:全く退色(色抜け)が認められない。
2:若干ではあるが退色(色抜け)が認められる。
1:多少の退色(色抜け)が認められる。
0:退色(色抜け)が認められる。
(変色の評価基準)
3:全く変色が認められない。
2:若干ではあるが変色が認められる。
1:多少の変色が認められる。
0:変色が認められる。
(変臭の評価基準)
3:全く変臭が認められない。
2:若干ではあるが変臭が認められる。
1:多少の変臭が認められる。
0:変臭が認められる。
Figure 2005146075
Figure 2005146075
Figure 2005146075
Figure 2005146075
表中、*1は合成例2で得たビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(分子量100万以上)を表し、*2は合成例1で得たミクロゲル増粘剤を表す。
表1〜表4の結果から、本発明である実施例1〜16の香料組成物は、退色・変色・変臭が少なく、安定であることがわかる。
ヘキサン(Wで示す)/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液(Oで示す)の3成分系相図である。

Claims (4)

  1. (a)香料0.1〜30質量%、(b)水0.5〜25質量%、(c)エタノール0.1〜79質量%、(d)着色料0.00001〜0.5質量%、および(e)下記一般式(1)で表されるピリダジン誘導体及びその塩の一種または二種以上を含有することを特徴とする香料組成物。
    Figure 2005146075
  2. さらに、(f)次の(A)〜(D)を含有する増粘剤用モノマー組成物を非水溶媒中で重合してなるカチオン性増粘剤を含有することを特徴とする請求項1記載の香料組成物。
    (A)一般式(I):
    Figure 2005146075

    (式中、Rは水素原子またはメチル基、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基またはt−ブチル基、Aは酸素原子または−NH−基、Bは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜4のアルキレン基を示す)で表わされるアミン含有(メタ)アクリル系モノマー15〜85質量%、
    (B)一般式(II):
    Figure 2005146075

    (式中、Rは前記と同じ、Rは一般式:
    Figure 2005146075

    (式中、pは3または4を示す)で表わされる基または式:
    Figure 2005146075

    で表わされる基を示す)で表わされるビニルモノマー0〜80質量%、
    (C)一般式(III) :
    Figure 2005146075

    (式中、RおよびAは前記と同じ、Rは直鎖状または側鎖を有する炭素数1〜17のアルキレン基または一般式(IV):
    Figure 2005146075

    (式中、nは1〜4の整数、qは1〜25の整数を示す)で表わされる基、Rは水素原子またはメチル基を示す)で表わされる(メタ)アクリロイル基含有モノマー1〜60質量%
    (D)架橋性ビニルモノマー0.1〜20質量%
  3. さらに、(f)有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相として構成され、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤を含有することを特徴とする請求項1記載の香料組成物。
  4. さらに、(g)オクチルメトキシシンナメートおよび/またはジベンゾイルメタン系化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の香料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100491510C (zh) * 2005-12-23 2009-05-27 国家纳米技术产业化基地 一种纳米级香精香料的制备方法

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