JP2004027027A - ゴム発泡体及び自動車用シール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することで、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材を提供する。
【解決手段】少なくとも下記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる密度が0.65g/cm3以下、好ましくは0.50g/cm3以下であるゴム発泡体。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):粒径がメジアン径で10μm以下である発泡剤
好ましくは、(B)成分のメジアン径が5μm以下であるゴム発泡体。
上記のゴム発泡体を用いた自動車用シール材。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも下記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる密度が0.65g/cm3以下、好ましくは0.50g/cm3以下であるゴム発泡体。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):粒径がメジアン径で10μm以下である発泡剤
好ましくは、(B)成分のメジアン径が5μm以下であるゴム発泡体。
上記のゴム発泡体を用いた自動車用シール材。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム発泡体及び自動車用シール材に関するものである。更に詳しくは、本発明は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することにより、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムに代表されるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性などに優れるという特徴を有しており、自動車部品用途に広く用いられている。該自動車部品用途として、該共重合体ゴムを発泡・架橋してゴム発泡体とし、自動車用シール材(ウェザーストリップ)として用いる用途がある。該用途に用いられるゴム発泡体には、低コスト化や軽量化などの観点から、高い発泡倍率のもとで発泡が可能であることが要求される。
【0003】
そして、かかる要求は、近年、一層高度化しつつある。しかしながら、高い発泡倍率のもとで発泡させるには、従来の発泡剤では使用発泡剤量を増やす必要がありコストアップとなり、また使用発泡剤量を増やしても発泡効果が十分であるとは言い難かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することにより、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材を提供する点に存する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち、第一の発明は、少なくとも下記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる密度が0.65g/cm3以下であるゴム発泡体に係るものである。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):粒径がメジアン径で10μm以下である発泡剤
本発明のうち、第二の発明は、上記第一の発明のゴム発泡体を用いた自動車用シール材に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとは、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを意味する。
【0007】
α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0008】
非共役ジエンとしては、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエン;又は5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又は5−エチリデン−2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンが好ましい。
【0009】
本発明の成分(A)であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒又はメタロセン系触媒など、種々の触媒を用いて製造することができる。
【0010】
(A)におけるエチレン/α−オレフィンの比率(モル比)は、通常1/(0.1〜1)である。また、非共役ジエンに関してはエチレン/非共役ジエンの比率(モル比)は、通常1/(0.005〜0.2)である。
【0011】
(A)の121℃におけるムーニー粘度は、通常5〜200であり、好ましくは20〜180である。ムーニー粘度がこれより低いとコンパウンドのコールドフローや成形機へ連続リボンフィードするためのリボンを作り難くなるといった困難や、押出し成形物の形状が崩れるといった不良現象を生じる場合があり、これよりムーニー粘度が高い場合には、製造において生産性が悪化する場合がある。
【0012】
本発明の成分(B)である発泡剤は、粒径がメジアン径で10μm以下であるが、さらにゴム発泡体の発泡倍率を大きくする上で、5μm以下であることが好ましい。発泡剤としては、たとえば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロン−テレフタルアミド、N,N’−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド誘導体、P−トルエン−スルホニル−セミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3’−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4’−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、ヒドラゾジカルボンアミドなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、バリウム−アゾジカルボキシレートが好ましい。また、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)を使用する場合は、ゴム発泡体の発泡倍率を大きくする上で、成分(A)100重量部あたりの成分(B)の含有量が4重量部以上であることが好ましく、更に好ましくは5重量部以上である。
【0013】
本発明においては、上記の(A)(B)成分に加え、更に発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。
【0014】
本発明で使用される発泡助剤としては、尿素化合物及び亜鉛華、三塩基性硫酸鉛等の無機塩及び、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石けん及び、サリチル酸などをあげることができる。
【0015】
本発明で使用される可塑剤としては、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチなどのヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。なかでも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの可塑剤は成分(A)100重量部に対して、通常10〜150重量部、好ましくは30〜150重量部、更に好ましくは50〜150重量部用いられる。
【0016】
本発明で使用される加硫剤としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、4,4’−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドなどをあげることができる。特にイオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0017】
イオウは成分(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。また有機過酸化物は成分(A)100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0018】
また、加硫剤としてイオウ又はイオウ系化合物を使用するときは必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤が併用される。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら加硫促進剤は成分(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0019】
加硫助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常これらの加硫助剤は成分(A)100重量部に対して、3〜20重量部使用される。
【0020】
また、過酸化物による架橋に際しては、硫黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの架橋助剤を使用してもよい。
【0021】
本発明で使用される充填剤としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの通常ゴムに用いられるカーボンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填剤が好ましく使用される。成分(A)100重量部あたりの充填剤の含有量は30〜300重量部であることが好ましく、更に好ましくは70〜200重量部である。
【0022】
本発明のゴム発泡体は、前記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られるものであり、好ましくは成分(A)及び成分(B)に加えて、前記の発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られるものである。各成分の量比については前記のとおりである。
【0023】
そしてここで得られたゴム発泡体は、密度が0.65g/cm3以下であり、好ましくは0.50g/cm3以下である。ゴム発泡体の密度が過大であると、本発明の成分(B)がゴム発泡体を高発泡倍率とする効果が弱くなり、またゴム発泡体としての軽量化及び低コスト化の要求をも満たさない。
【0024】
発泡・架橋することにより発泡体を得る具体的な方法をあげると、次のとおりである。成分(A)及び成分(B)、必要に応じて発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、更に必要に応じて、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、難燃剤、酸化カルシウム、老化防止剤、ポリブテンやロジン等の粘着性物質、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂などを、バンバリー又はニーダー及びロールを用いて混練し、ゴム組成物を得る。次に、該ゴム組成物を、熱等により発泡・架橋することにより発泡体を得る。この際の装置としては、オーブン、連続熱空気架橋装置、マイクロ波加熱装置、ガラスビーズ流動床、溶融塩槽、熱金型などを用いることができる。
【0025】
本発明のゴム発泡体は、自動車用シール材として最適に適用され得る。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって説明する。
実施例1〜3及び比較例1〜5
バンバリーミキサー(内容積1.5リットル)を用い、表3に示す配合剤のうち、酸化カルシウム、架橋(加硫)促進剤、いおう、発泡剤以外を混練した後、8インチオープンロールで表3に示す酸化カルシウム、架橋(加硫)促進剤、いおう、発泡剤を添加してコンパウンドを作製した。次に、45mm押出機にチューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1.2mm)を装着し、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件でコンパウンドを押出し、チューブ状に成型した。この成型物を220℃の熱空気加硫槽に導入し、10分間加熱してチューブ状のゴム発泡体を得た。 ゴム発泡体の密度は長さ50mmに切断したものを試験片とし、空気中の重量と水中に浸漬した場合の浮力からその容積を求め、重量/容積の値から求めた。その結果を表1及び表2に示す。
【0027】
本発明の成分(B)である発泡剤Zを使用した実施例1〜3は、メジアン径が、本発明の規定範囲より大きい発泡剤Yを使用した比較例2〜4に比べて、ゴム発泡体の密度が小さくなっている。また、発泡剤Zを使用しているが、ゴム発泡体の密度が、本発明の規定範囲より大きい比較例1は、発泡剤Yを使用した比較例5とゴム発泡体の密度が同等であり、発泡剤Zのゴム発泡体を高発泡倍率とする効果が出ていない。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
(表の説明)
*1:エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(非共役ジエンは5−エチリデン−2−ノルボルネン及びジシクロペンタジエン、エチレン/非共役ジエンのモル比=1.0/0.051、エチレン/プロピレンのモル比=1.0/0.44、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃)=80、シクロヘキサン不溶分が3.5重量%、キシレン不溶分が0.5重量%、シクロヘキサン不溶分及びキシレン不溶分の測定方法は最後に示す)
*2:カーボンブラック: 旭カーボン社製「旭50HG」
*3:プロセスオイル:出光興産社製「PS430」
*4:架橋(加硫)促進剤:M、BZ、TE、PZ、バルノックR(大内新興化学社製)の混合物
*5:発泡剤Y:粒径がメジアン径で13μmである4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
発泡剤Z:粒径がメジアン径で4μmである4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
*6:発泡剤使用量(PHR) :共重合体ゴム100重量部に対して使用する重量部
【0032】
シクロヘキサン不溶分の測定方法
シクロヘキサン不溶分は以下の方法で測定する。
[手順1]共重合体ゴムを約1mm角に裁断して約0.5gを秤量し(0.1mgまで精秤する)、その重量をAgとする。
[手順2]手順1で秤量した共重合体ゴムとシクロヘキサン(酸化防止剤である2,6−Di−tert−butyl−4−methyl phenolが0.1重量%入ったもの)250mlを500ml共栓付三角フラスコに入れる。
[手順3]手順2の三角フラスコを25℃で24時間放置する。
[手順4]手順3の三角フラスコを振とう機に取り付け、室温で1時間振とう(120rpm)する。
[手順5]120メッシュの金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をBgとする。
[手順6]手順5の金網を用い、手順4で振とうが終了した三角フラスコ内の液を濾過する。
[手順7]手順6で三角フラスコ内に残った残留物を新しいシクロヘキサン約40mlで金網内へ洗い流す。
[手順8]手順7の金網を、60〜90℃雰囲気で3時間乾燥する。
[手順9]手順8の金網を、デシケータの中に約30分間放置し、室温まで冷却する。
[手順10]手順9の金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をCgとする。
[手順11]下記式にてシクロヘキサン不溶分を算出する。
シクロヘキサン不溶分(%)=((C−B)/A)×100
【0033】
キシレン不溶分の測定方法
キシレン不溶分は以下の方法で測定する。
[手順1]共重合体ゴムを約1mm角に裁断して約0.5gを秤量し(0.1mgまで精秤する)、その重量をAgとする。
[手順2]手順1で秤量した共重合体ゴムとキシレン(酸化防止剤である2,6−Di−tert−butyl−4−methyl phenolが0.1重量%入ったもの)150mlを300ml共栓付三角フラスコに入れる。
[手順3]手順2の三角フラスコに還流冷却器を取り付け、100℃のウオーターバスに6時間浸して還流を行う。
[手順4]手順3の三角フラスコをウオーターバスから取り出し、還流冷却器を取り付けたまま30分間常温放冷する。
[手順5]手順4の三角フラスコを振とう機に取り付け、1時間振とう(120rpm)する。
[手順6]120メッシュの金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をBgとする。
[手順7]手順6の金網を用い、手順5で振とうが終了した三角フラスコ内の液を濾過する。
[手順8]手順7で三角フラスコ内に残った残留物を新しいキシレン約20mlで金網内へ洗い流す。
[手順9]手順8の金網を、60〜90℃雰囲気で3時間乾燥する。
[手順10]手順9の金網を、デシケータの中に約30分間放置し、室温まで冷却する。
[手順11]手順10の金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をCgとする。
[手順12]下記式にてキシレン不溶分を算出する。
キシレン不溶分(%)=((C−B)/A)×100
【0034】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によりエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することで、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム発泡体及び自動車用シール材に関するものである。更に詳しくは、本発明は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することにより、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムに代表されるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性などに優れるという特徴を有しており、自動車部品用途に広く用いられている。該自動車部品用途として、該共重合体ゴムを発泡・架橋してゴム発泡体とし、自動車用シール材(ウェザーストリップ)として用いる用途がある。該用途に用いられるゴム発泡体には、低コスト化や軽量化などの観点から、高い発泡倍率のもとで発泡が可能であることが要求される。
【0003】
そして、かかる要求は、近年、一層高度化しつつある。しかしながら、高い発泡倍率のもとで発泡させるには、従来の発泡剤では使用発泡剤量を増やす必要がありコストアップとなり、また使用発泡剤量を増やしても発泡効果が十分であるとは言い難かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することにより、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより得られる、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材を提供する点に存する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち、第一の発明は、少なくとも下記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる密度が0.65g/cm3以下であるゴム発泡体に係るものである。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):粒径がメジアン径で10μm以下である発泡剤
本発明のうち、第二の発明は、上記第一の発明のゴム発泡体を用いた自動車用シール材に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとは、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを意味する。
【0007】
α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0008】
非共役ジエンとしては、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエン;又は5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又は5−エチリデン−2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンが好ましい。
【0009】
本発明の成分(A)であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒又はメタロセン系触媒など、種々の触媒を用いて製造することができる。
【0010】
(A)におけるエチレン/α−オレフィンの比率(モル比)は、通常1/(0.1〜1)である。また、非共役ジエンに関してはエチレン/非共役ジエンの比率(モル比)は、通常1/(0.005〜0.2)である。
【0011】
(A)の121℃におけるムーニー粘度は、通常5〜200であり、好ましくは20〜180である。ムーニー粘度がこれより低いとコンパウンドのコールドフローや成形機へ連続リボンフィードするためのリボンを作り難くなるといった困難や、押出し成形物の形状が崩れるといった不良現象を生じる場合があり、これよりムーニー粘度が高い場合には、製造において生産性が悪化する場合がある。
【0012】
本発明の成分(B)である発泡剤は、粒径がメジアン径で10μm以下であるが、さらにゴム発泡体の発泡倍率を大きくする上で、5μm以下であることが好ましい。発泡剤としては、たとえば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロン−テレフタルアミド、N,N’−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド誘導体、P−トルエン−スルホニル−セミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3’−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4’−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、ヒドラゾジカルボンアミドなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、バリウム−アゾジカルボキシレートが好ましい。また、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)を使用する場合は、ゴム発泡体の発泡倍率を大きくする上で、成分(A)100重量部あたりの成分(B)の含有量が4重量部以上であることが好ましく、更に好ましくは5重量部以上である。
【0013】
本発明においては、上記の(A)(B)成分に加え、更に発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。
【0014】
本発明で使用される発泡助剤としては、尿素化合物及び亜鉛華、三塩基性硫酸鉛等の無機塩及び、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石けん及び、サリチル酸などをあげることができる。
【0015】
本発明で使用される可塑剤としては、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチなどのヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。なかでも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの可塑剤は成分(A)100重量部に対して、通常10〜150重量部、好ましくは30〜150重量部、更に好ましくは50〜150重量部用いられる。
【0016】
本発明で使用される加硫剤としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、4,4’−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドなどをあげることができる。特にイオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0017】
イオウは成分(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。また有機過酸化物は成分(A)100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0018】
また、加硫剤としてイオウ又はイオウ系化合物を使用するときは必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤が併用される。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら加硫促進剤は成分(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0019】
加硫助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常これらの加硫助剤は成分(A)100重量部に対して、3〜20重量部使用される。
【0020】
また、過酸化物による架橋に際しては、硫黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの架橋助剤を使用してもよい。
【0021】
本発明で使用される充填剤としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの通常ゴムに用いられるカーボンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填剤が好ましく使用される。成分(A)100重量部あたりの充填剤の含有量は30〜300重量部であることが好ましく、更に好ましくは70〜200重量部である。
【0022】
本発明のゴム発泡体は、前記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られるものであり、好ましくは成分(A)及び成分(B)に加えて、前記の発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られるものである。各成分の量比については前記のとおりである。
【0023】
そしてここで得られたゴム発泡体は、密度が0.65g/cm3以下であり、好ましくは0.50g/cm3以下である。ゴム発泡体の密度が過大であると、本発明の成分(B)がゴム発泡体を高発泡倍率とする効果が弱くなり、またゴム発泡体としての軽量化及び低コスト化の要求をも満たさない。
【0024】
発泡・架橋することにより発泡体を得る具体的な方法をあげると、次のとおりである。成分(A)及び成分(B)、必要に応じて発泡助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、更に必要に応じて、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、難燃剤、酸化カルシウム、老化防止剤、ポリブテンやロジン等の粘着性物質、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂などを、バンバリー又はニーダー及びロールを用いて混練し、ゴム組成物を得る。次に、該ゴム組成物を、熱等により発泡・架橋することにより発泡体を得る。この際の装置としては、オーブン、連続熱空気架橋装置、マイクロ波加熱装置、ガラスビーズ流動床、溶融塩槽、熱金型などを用いることができる。
【0025】
本発明のゴム発泡体は、自動車用シール材として最適に適用され得る。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって説明する。
実施例1〜3及び比較例1〜5
バンバリーミキサー(内容積1.5リットル)を用い、表3に示す配合剤のうち、酸化カルシウム、架橋(加硫)促進剤、いおう、発泡剤以外を混練した後、8インチオープンロールで表3に示す酸化カルシウム、架橋(加硫)促進剤、いおう、発泡剤を添加してコンパウンドを作製した。次に、45mm押出機にチューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1.2mm)を装着し、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件でコンパウンドを押出し、チューブ状に成型した。この成型物を220℃の熱空気加硫槽に導入し、10分間加熱してチューブ状のゴム発泡体を得た。 ゴム発泡体の密度は長さ50mmに切断したものを試験片とし、空気中の重量と水中に浸漬した場合の浮力からその容積を求め、重量/容積の値から求めた。その結果を表1及び表2に示す。
【0027】
本発明の成分(B)である発泡剤Zを使用した実施例1〜3は、メジアン径が、本発明の規定範囲より大きい発泡剤Yを使用した比較例2〜4に比べて、ゴム発泡体の密度が小さくなっている。また、発泡剤Zを使用しているが、ゴム発泡体の密度が、本発明の規定範囲より大きい比較例1は、発泡剤Yを使用した比較例5とゴム発泡体の密度が同等であり、発泡剤Zのゴム発泡体を高発泡倍率とする効果が出ていない。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
(表の説明)
*1:エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(非共役ジエンは5−エチリデン−2−ノルボルネン及びジシクロペンタジエン、エチレン/非共役ジエンのモル比=1.0/0.051、エチレン/プロピレンのモル比=1.0/0.44、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(121℃)=80、シクロヘキサン不溶分が3.5重量%、キシレン不溶分が0.5重量%、シクロヘキサン不溶分及びキシレン不溶分の測定方法は最後に示す)
*2:カーボンブラック: 旭カーボン社製「旭50HG」
*3:プロセスオイル:出光興産社製「PS430」
*4:架橋(加硫)促進剤:M、BZ、TE、PZ、バルノックR(大内新興化学社製)の混合物
*5:発泡剤Y:粒径がメジアン径で13μmである4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
発泡剤Z:粒径がメジアン径で4μmである4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
*6:発泡剤使用量(PHR) :共重合体ゴム100重量部に対して使用する重量部
【0032】
シクロヘキサン不溶分の測定方法
シクロヘキサン不溶分は以下の方法で測定する。
[手順1]共重合体ゴムを約1mm角に裁断して約0.5gを秤量し(0.1mgまで精秤する)、その重量をAgとする。
[手順2]手順1で秤量した共重合体ゴムとシクロヘキサン(酸化防止剤である2,6−Di−tert−butyl−4−methyl phenolが0.1重量%入ったもの)250mlを500ml共栓付三角フラスコに入れる。
[手順3]手順2の三角フラスコを25℃で24時間放置する。
[手順4]手順3の三角フラスコを振とう機に取り付け、室温で1時間振とう(120rpm)する。
[手順5]120メッシュの金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をBgとする。
[手順6]手順5の金網を用い、手順4で振とうが終了した三角フラスコ内の液を濾過する。
[手順7]手順6で三角フラスコ内に残った残留物を新しいシクロヘキサン約40mlで金網内へ洗い流す。
[手順8]手順7の金網を、60〜90℃雰囲気で3時間乾燥する。
[手順9]手順8の金網を、デシケータの中に約30分間放置し、室温まで冷却する。
[手順10]手順9の金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をCgとする。
[手順11]下記式にてシクロヘキサン不溶分を算出する。
シクロヘキサン不溶分(%)=((C−B)/A)×100
【0033】
キシレン不溶分の測定方法
キシレン不溶分は以下の方法で測定する。
[手順1]共重合体ゴムを約1mm角に裁断して約0.5gを秤量し(0.1mgまで精秤する)、その重量をAgとする。
[手順2]手順1で秤量した共重合体ゴムとキシレン(酸化防止剤である2,6−Di−tert−butyl−4−methyl phenolが0.1重量%入ったもの)150mlを300ml共栓付三角フラスコに入れる。
[手順3]手順2の三角フラスコに還流冷却器を取り付け、100℃のウオーターバスに6時間浸して還流を行う。
[手順4]手順3の三角フラスコをウオーターバスから取り出し、還流冷却器を取り付けたまま30分間常温放冷する。
[手順5]手順4の三角フラスコを振とう機に取り付け、1時間振とう(120rpm)する。
[手順6]120メッシュの金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をBgとする。
[手順7]手順6の金網を用い、手順5で振とうが終了した三角フラスコ内の液を濾過する。
[手順8]手順7で三角フラスコ内に残った残留物を新しいキシレン約20mlで金網内へ洗い流す。
[手順9]手順8の金網を、60〜90℃雰囲気で3時間乾燥する。
[手順10]手順9の金網を、デシケータの中に約30分間放置し、室温まで冷却する。
[手順11]手順10の金網を秤量(0.1mgまで精秤する)する。その重量をCgとする。
[手順12]下記式にてキシレン不溶分を算出する。
キシレン不溶分(%)=((C−B)/A)×100
【0034】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によりエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムをゴム成分として、特定の発泡剤を使用することで、少量の発泡剤量で高発泡倍率(低密度)が可能となったゴム組成物を、発泡・架橋することにより、軽量なゴム発泡体及び該ゴム発泡体を用いた自動車用シール材を提供することができた。
Claims (8)
- 少なくとも下記の成分(A)及び成分(B)を含有するゴム組成物を発泡・架橋することにより得られる密度が0.65g/cm3以下であるゴム発泡体。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):粒径がメジアン径で10μm以下である発泡剤 - 密度が0.50g/cm3以下である請求項1記載のゴム発泡体。
- (B)成分のメジアン径が5μm以下である請求項1又は請求項2記載のゴム発泡体。
- (B)成分が4,4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドであり、かつ(A)100重量部あたりの(B)の含有量が4重量部以上のゴム組成物である請求項1記載のゴム発泡体。
- (A)が、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムである請求項1記載のゴム発泡体。
- (A)のα−オレフィンがプロピレンである請求項1に記載のゴム発泡体。
- (A)の非共役ジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンである請求項5記載のゴム発泡体。
- 請求項1〜7のうちの一の請求項に記載のゴム発泡体を用いた自動車用シール材。
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