JP2005036053A - ゴム発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも下記の(A)〜(D)成分を含有し、かつ(A)/(B)の重量比が70/30〜30/70であるゴム組成物を、15mm以下の厚みに成形した後、該ゴム組成物を発泡させ架橋させる工程からなる、密度が0.20g/cm3以下、連続気泡率が50%以上、圧縮強さが0.2MPa以下であるゴム発泡体の製造方法。
(A):非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(C):発泡剤
(D):硫黄的機能を有する架橋剤
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム発泡体の製造方法及び該製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材に関するものである。更に詳しくは、本発明は、特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを特定の割合で混合したものをゴム成分とし、発泡・架橋に供するゴム組成物の厚みが薄くても、耐候性、耐熱性に優れ、かつ発泡倍率が大きく(低密度)、かつゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊しなくても連続気泡率が高いという特徴を有するため、極めて柔軟性に富み、たとえば建築土木、電気機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器等の構造物の目地部、間隙部などに装着した場合、比較的少ない圧縮応力を与えるだけで相手の表面の凹凸に追従して密着し、よって優れた防水性、防風性、防音性及び防塵性を発現するゴム発泡体の製造方法、並びに該ゴム発泡体の製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材に関するものである。
【0002】
ここで、本発明で用いる連続気泡率について、説明する。ゴム発泡体は内部に多数の気泡を含有するものであるが、気泡の状態について、連続気泡と独立気泡がある。連続気泡とは各気泡が完全に区切られておらず、一部分他の気泡と連続しているもの、又は気泡壁が破壊されて他の気泡へ気体又は液体が容易に移動できる気泡であり、独立気泡とは、気泡が各々独立しているもので、完全に気泡壁で区切られていて、他の気泡へ気体又は液体が容易に移動できない気泡である。そして、建築土木、電気機器、自動車、車輌、住宅設備機器等の分野で目地部、間隙部などに比較的少ない圧縮応力を与えるだけで装着して用いられるゴム発泡体は、連続気泡に富むことが要求される。つまり、独立気泡が多いと圧縮時の応力が高くなり、狭い目地部等へのゴム発泡体の装着が難しくなるのである。連続気泡の量については連続気泡率で評価される。ここで、連続気泡率とは、ゴム発泡体の連続気泡の容積と独立気泡の容積を合わせた合計容積に対する、連続気泡の容積の割合で定義される。
【0003】
【従来の技術】
建築土木、電気機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器等の構造物の目地部、間隙部などに装着して用いるいわゆるゴム発泡体のシール材は、比較的少ない圧縮応力を与えるだけで装着できるようにするために、低密度(高発泡倍率)で、かつ連続気泡率が大きいことが要求される。しかし、低密度のゴム発泡体において、安定的に低密度で高連続気泡率のゴム発泡体を発泡・架橋工程で得ることは難しく、通常は低密度の場合は連続気泡率が低く、連続気泡率を高くすると高密度(低発泡倍率)になることが多い。そのため、発泡・架橋工程で得られた、低密度で連続気泡率が低いゴム発泡体を、ロール等の狭い間隙を通過させることにより、ゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊して、連続気泡率を高くする等の措置をとることが多い。また特許文献1では、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを特定の割合で混合したものをゴム成分とし、耐候性、耐熱性に優れ、かつ発泡倍率が大きく(低密度)、かつゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊しなくても連続気泡率が高いゴム発泡体の製造方法について開示されているが、該製造方法では、発泡・架橋に供するゴム組成物の厚みによって発泡倍率が異なり、特に発泡・架橋に供するゴム組成物の厚みが薄い場合は、安定的に密度の低いゴム発泡体を得ることは困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−192488号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを特定の割合で混合したものをゴム成分とし、発泡・架橋に供するゴム組成物の厚みが薄くても、耐候性、耐熱性に優れ、かつ発泡倍率が大きく(低密度)、かつゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊しなくても連続気泡率が高いという特徴を有するため、極めて柔軟性に富み、たとえば建築土木、電気機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器等の構造物の目地部、間隙部などに装着した場合、比較的少ない圧縮応力を与えるだけで相手の表面の凹凸に追従して密着し、よって優れた防水性、防風性、防音性及び防塵性を発現するゴム発泡体の製造方法、並びに該ゴム発泡体の製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材を提供する点に存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、少なくとも下記の(A)〜(D)成分を含有し、かつ(A)/(B)の重量比が70/30〜30/70であるゴム組成物を、15mm以下の厚みに成形した後、該ゴム組成物を発泡させ架橋させる工程からなる、密度が0.20g/cm3以下、連続気泡率が50%以上、圧縮強さが0.2MPa以下であるゴム発泡体の製造方法に係るものである。
(A):非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(C):発泡剤
D):硫黄的機能を有する架橋剤
本発明のうち第二の発明は、上記第一の発明のゴム発泡体の製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)である非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム及び成分(B)であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムの、α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。本発明の成分(A)の「非共役ジエン」は、本発明においては、ジエンの他にトリエン以上のポリエンをも含む。非共役ジエンとして、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、および7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、および6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、および1,4,9−デカトリエンのようなトリエン;5−ビニル−2−ノルボルネン;5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン;5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン;5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン;5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン;5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン;5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン;5−メチレン−2−ノルボルネン;6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン;5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン;4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン;13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン;5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン;8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン;4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン;ならびに、これら化合物の2種以上の組合せ、を例示することができる。中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、またはこれらの組合せが好ましい。
【0008】
成分(A)及び成分(B)におけるエチレン/α−オレフィンの比率(モル比)は、1/(0.1〜1)が好ましい。該比率が過小であると、カーボンブラック、無機フィラー等の補強剤を配合する場合、その補強剤の分散が不十分になり、十分な強度を持ったゴム発泡体が得られない場合があり、一方該比率が過大であると、ゴム発泡体の低温における、圧縮回復性が著しく劣り、シール材として不適当なものとなる場合がある。
【0009】
成分(A)は非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムであり、さらに好ましくは非共役ジエンの含有量が8.0重量%以上である。該非共役ジエンの含有量が過小であると、発泡・架橋工程後のゴム発泡体の発泡倍率が充分に大きくならない場合がある。成分(A)は2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの組合せでも良く、その場合の非共役ジエンの含有量とは、組み合わせた2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを均一に混ぜ合わせた場合の、混ぜ合わせたポリマー中の平均非共役ジエン含有量である。
【0010】
成分(A)及び成分(B)の100℃のムーニー粘度(JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(100℃))は通常5〜300である。
【0011】
また成分(B)は、成分(D)によって、まったく架橋されないか又はほとんど架橋されない範囲であれば、変性又は他の成分が共重合されていてもかまわない。
【0012】
成分(A)及び成分(B)は、共にゴム(エラストマー)である必用がある。ここでいうゴム(エラストマー)とは、架橋前の硬度(JIS K 6253−タイプAデュロメータ)が90以下のものをさす。ゴムではなく、たとえばポリエチレン等の樹脂を用いた場合には、本発明が目的とする極めて柔軟性に富む発泡体を得ることができない。
【0013】
本発明の成分(A)である非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム及び成分(B)であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒又はメタロセン系触媒など、種々の触媒を用いて製造することができる。
【0014】
本発明の成分(A)/成分(B)の重量比は70/30〜30/70の範囲である。成分(B)の重量がこの範囲より少ないと、発泡・架橋後のゴム発泡体の連続気泡率が低くなり、また成分(B)の重量がこの範囲より多いと、発泡・架橋後のゴム発泡体の密度(比重)が高くなる。
【0015】
本発明の成分(C)は、発泡剤である。発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N′−ジメチルN,N′−ジニトロン−テレフタルアミド、N,N′−ジニトロン−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド誘導体、P−トルエン−スルホニル−セミカルバジド、P,P′−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3′−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4′−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、ヒドラゾジカルボンアミドなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。発泡剤は成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して3〜35重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で配合される。(C)が過少であるとゴム発泡体の発泡倍率が小さくなる場合があり、一方(C)が過多であると発泡・架橋時に発泡体の形状がくずれたり、発泡体が破裂したりする場合がある。
【0016】
また、必要に応じて発泡剤と併用して、発泡助剤を使用しても差支えない。発泡助剤としては、尿素化合物及び亜鉛華、三塩基性硫酸鉛等の無機塩及び、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石けん及び、サリチル酸などをあげることができる。
【0017】
本発明の成分(D)は、硫黄的機能を有する架橋剤である。硫黄的機能を有する架橋剤とは、成分(A)に対して架橋効果があり、かつ成分(B)に対しては架橋効果がまったくないか又はほとんどない架橋剤を意味する。このような架橋剤としては、硫黄又は、塩化硫黄、二塩化硫黄、4,4′−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドのような含硫黄化合物が好ましい。硫黄は成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。
【0018】
また、架橋剤として硫黄又は含硫黄化合物を使用するときは必要に応じて架橋(加硫)促進剤、架橋(加硫)助剤が併用される。架橋(加硫)促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら架橋(加硫)促進剤は成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0019】
架橋(加硫)助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常これらの架橋(加硫)助剤は成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して3〜20重量部の割合で使用される。
【0020】
本発明においては、上記の(A)〜(D)を含有するゴム組成物に、更に補強剤、充填剤、プロセスオイルを含有させることができる。補強剤としては、カーボンブラック、シリカ等をあげることができ、充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク等をあげることができ、プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマテック系オイル等をあげることができる。成分(A)と成分(B)の合計100重量部あたりの補強剤及び/又は充填剤の含有量は30〜300重量部であることが好ましく、更に好ましくは70〜200重量部である。補強剤及び/又は充填剤が過少であるとゴム組成物の加工性が悪くなる場合があり、一方補強剤及び/又は充填剤が過多であるとゴム発泡体の機械的物性が悪くなる場合がある。成分(A)と成分(B)の合計100重量部あたりのプロセスオイルの含有量は30〜250重量部であることが好ましく、更に好ましくは50〜150重量部である。プロセスオイルが過少であるとゴム組成物の加工性が悪くなる場合があり、一方プロセスオイルが過多であるとゴム組成物成形時の形くずれがおこる場合がある。
【0021】
本発明のゴム発泡体の製造方法では、発泡・架橋させる前のゴム組成物の厚みは15mm以下である。該厚みが過大であると、ゴム組成物内部に熱が伝わるまでに時間を要し、結果的に発泡・架橋時間が長くなって不経済となったり、発泡・架橋後のゴム発泡体に亀裂が入ったりする場合がある。
【0022】
本発明の製造方法で得られるゴム発泡体は、密度が0.20g/cm3以下であり、好ましくは0.15g/cm3以下である。密度が過大であると、比較的少ない圧縮応力を与えるだけで相手の表面の凹凸に追従して密着し、よって優れた防水性、防風性、防音性及び防塵性を発現させる点において不満足になる。
【0023】
本発明の製造方法で得られるゴム発泡体は、ゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊しなくても、その連続気泡率が高いという特徴を有するが、その連続気泡率は50%以上であり、好ましくは70%以上である。連続気泡率が過小であると、ゴム発泡体の圧縮時の応力が高くなり、狭い目地部等への該ゴム発泡体の装着が難しくなるのである。
【0024】
本発明の製造方法で得られるゴム発泡体は、圧縮強さが0.2MPa以下であり、好ましくは0.1MPa以下であり、更に好ましくは0.05MPa以下である。圧縮強さの測定は、測定時の温度:20℃、測定時の相対湿度:65%、圧縮速度:50mm/min、サンプル形状:10mm×10mm×10mmの立方体、の条件でサンプルを50%まで圧縮するのに要する力を測定した。圧縮強さが過大であると、狭い目地部等への該ゴム発泡体の装着が難しくなるのである。
【0025】
ここでゴム発泡体の連続気泡率の具体的な測定方法を説明する。図1に示す装置を用いる。すなわち、重量測定手段▲7▼の重量測定部上に水▲2▼の入った容器▲1▼が載せられており、一方水が容易に出入りでき、かつスポンジサンプル▲3▼(図2参照)を中に入れることのできる金網の箱▲4▼が水▲2▼の中に完全に沈められており、この金網の箱▲4▼は支え▲5▼によって支えられており、この支え▲5▼は土台▲6▼の上に載っている。また、土台▲6▼及び重量測定手段▲7▼は、床▲9▼の上に載っている。ここで支え▲5▼はスポンジサンプル▲3▼を水中に入れた時に発生する浮力で浮き上がらない(土台▲6▼から支え▲5▼が浮かない)程度の重量が必要である。
【0026】
以下、下記に示す第一工程から第四工程により連続気泡率を算出する。
第一工程において、図1の様に容器▲1▼中に密度1.0g/cm3の水▲2▼を入れ、そのときの重量(W0)を重量の基準点(零点)とする。ここで金網の箱▲4▼及び支え▲5▼は容器▲1▼及び重量測定手段▲7▼の重量測定部に触れてはいけない。以下第二工程、第三工程においても同様である。すなわち第一工程においては、重量測定手段▲7▼の重量測定部に伝わる重量は、容器▲1▼と水▲2▼の重量及び水中に沈められている支え▲5▼の一部と金網の箱▲4▼の浮力だけである。
【0027】
第二工程において、図2の様に水中にスポンジサンプル▲3▼の全体を沈め、そのときの重量(W1)を測定する。ここで、スポンジサンプル▲3▼は、金網の箱▲4▼の中に入れられ、スポンジサンプル▲3▼は容器▲1▼には触れない。
【0028】
第三工程において、図3の様に水、スポンジ及び容器を含む系を脱気可能な密閉容器▲8▼に収納し、真空ポンプを用いて、135mm水銀柱(絶対圧力)で3分間脱気し、再び常圧に戻す。そしてこの脱気後の水、スポンジ及び容器を含む系を、図4の様に第二工程と同様の方法で重量測定し、その時の重量を(W2)とする。
【0029】
第四工程において、下記(式I)により連続気泡率(OR)を算出する。
OR=(Oc/(Oc+Cc))×100(%)・・・(式I)
W0:重量の基準。零点。W0=0とする。
W1/ρ:脱気前のスポンジの容積。W1は浮力(g)
W2/ρ:脱気後のスポンジの容積。W2は浮力(g)
ρ:液体の密度(g/cm3)
W3:脱気された空気の容積(W3=W1/ρ−W2/ρ)
Oc:連続気泡の容積率(Oc=(W3/(W1/ρ))×100(%))
Cw:ソリッド部の容積率(Cw=(Df/Ds)×100(%))
Df:スポンジの密度(g/cm3)
Ds:ソリッド部の密度(g/cm3)
Cc:独立気泡の容積率 %(Cc=100−Cw−Oc)
OR:連続気泡率
【0030】
発泡・架橋することにより発泡体を得る具体的な方法をあげると、次のとおりである。成分(A)〜(D)、必要に応じて補強剤、充填剤、プロセスオイル、更に必要に応じて酸化亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、難燃剤、酸化カルシウム、発泡助剤、架橋(加硫)助剤、老化防止剤、架橋(加硫)促進剤、ポリブテンやロジン等の粘着性物質、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂などを、バンバリー又はニーダー及びロールを用いて混練し、ゴム組成物を得る。次に、該ゴム組成物を、連続押出機等を用いて厚さ15mm以下のシート状に連続成形し、該シート状成形物を熱により発泡・架橋することにより発泡体を得る。この際の発泡・架橋させる装置としては、オーブン、連続熱空気架橋装置、熱金型などを用いることができる。熱による発泡・架橋の条件としては、温度90〜130℃で10〜60分間、そしてその後温度140〜200℃で10〜60分間の二段階加熱をあげることができる。ここで、熱による発泡・架橋に際し、加熱条件を少なくとも2段階に分け、そのうちの一の条件が温度90〜130℃で10分以上加熱することが、発泡体を高発泡(すなわち低密度)にする観点から好ましい。
【0031】
本発明のゴム発泡体は、たとえば建築土木、電気機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器等の構造物の目地部、間隙部などに装着して用いられるシール材、又は吸音材、断熱材、発泡体ロールとして最適に適用され得る。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜6
表1及び表2に示す配合剤に加えて、炭酸カルシウムを150重量部、酸化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、ポリエチレングリコールを1重量部、酸化カルシウムを5重量部配合し、バンバリー及びロールを用いて混合することにより、発泡及び架橋可能なゴム組成物とした。次に、該ゴム組成物を押出し成形機を用いて連続押出し、実施例1〜6及び比較例1〜3については、厚さ13mm、幅50mm、長さ300mmのシート状に、また比較例4〜6については、厚さ25mm、幅50mm、長さ300mmのシート状に成形し、続いて熱空気加熱(熱空気温度120℃で15分間そしてその後熱空気温度160℃で35分間の二段階加熱)することにより発泡・架橋し、直方体形状のゴム発泡体を得た。次に該ゴム発泡体の密度、連続気泡率、及び圧縮強さを測定し、結果を表3及び表4に示した。尚、連続気泡率及び圧縮強さの測定方法は前述したとおりである。
【0033】
表1及び表2に示した、平均非共役ジエン含有量とは、表中の(A−1)と(A−2)を均一に混ぜ合わせた場合の、混ぜ合わせたポリマー中の平均非共役ジエン含有量を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
(表の説明)
・(A−1): エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン/プロピレンのモル比=1.0/0.52、5−エチリデン−2−ノルボルネンの含有量=4.0重量%、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(100℃)=44)
・(A−2): エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン/プロピレンのモル比=1.0/0.54、5−エチリデン−2−ノルボルネンの含有量=9.5重量%、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(100℃)=47)
・(B):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム :エチレン−プロピレン共重合体ゴム(エチレン/プロピレンのモル比=1.0/0.64、JIS−K−6300−ムーニー粘度試験におけるML1+4(100℃)=43)
・ カーボンブラック: 旭カーボン社製「旭50HG」
・(C): 三協化成社製発泡剤「セルマイクC−1」アゾジカルボンアミド
・発泡助剤: 三協化成社製尿素系発泡助剤「セルトンNP」
・ プロセスオイル:出光興産社製「PS430」
・(D):硫黄
・架橋(加硫)促進剤: 2−メルカプトベンゾチアゾール、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチル・チオ尿素、ジンクアミン−ジチオホスフェートの混合物
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを特定の割合で混合したものをゴム成分とし、発泡・架橋に供するゴム組成物の厚みが薄くても、耐候性、耐熱性に優れ、かつ発泡倍率が大きく(低密度)、かつゴム発泡体の気泡壁を機械的に破壊しなくても連続気泡率が高いという特徴を有するため、極めて柔軟性に富み、たとえば建築土木、電気機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器等の構造物の目地部、間隙部などに装着した場合、比較的少ない圧縮応力を与えるだけで相手の表面の凹凸に追従して密着し、よって優れた防水性、防風性、防音性及び防塵性を発現するゴム発泡体の製造方法、並びに該ゴム発泡体の製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続気泡率測定方法の第一工程を示す図である。
【図2】連続気泡率測定方法の第二工程を示す図である。
【図3】連続気泡率測定方法の第三工程を示す図である。
【図4】連続気泡率測定方法の第三工程を示す図である。
【符号の説明】
▲1▼容器
▲2▼液体(水)
▲3▼スポンジサンプル
▲4▼金網の箱
▲5▼支え
▲6▼土台
▲7▼重量測定手段
▲8▼密閉容器
▲9▼床
Claims (3)
- 少なくとも下記の(A)〜(D)成分を含有し、かつ(A)/(B)の重量比が70/30〜30/70であるゴム組成物を、15mm以下の厚みに成形した後、該ゴム組成物を発泡させ架橋させる工程からなる、密度が0.20g/cm3以下、連続気泡率が50%以上、圧縮強さが0.2MPa以下であるゴム発泡体の製造方法。
(A):非共役ジエンの含有量が6.5重量%以上であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(C):発泡剤
(D):硫黄的機能を有する架橋剤 - 発泡・架橋に際し、加熱条件を少なくとも二段階に分け、そのうちの一の条件が温度90〜130℃で10分以上加熱することである請求項1に記載のゴム発泡体の製造方法。
- 請求項1〜2のうちの一の請求項に記載のゴム発泡体の製造方法で得られるゴム発泡体を用いたシール材。
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