JP2004012810A - 硬化性難燃組成物、その硬化物及びその製造方法 - Google Patents

硬化性難燃組成物、その硬化物及びその製造方法 Download PDF

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宮島 芳生
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Abstract

【課題】高水準の難燃性と柔軟性を共に備え、且つはんだ耐熱性、耐湿性、高温信頼性にも優れ、さらに良好な透明性をも有するレジスト用硬化性難燃組成物、その硬化物、レジストインク、レジスト材料及びその製造方法、ドライフィルム及びその製造方法、絶縁保護被膜ならびに該絶縁保護被膜を有するプリント配線基板を提供すること。
【解決手段】(A)レジスト用硬化性樹脂材料に、難燃性付与成分として(B)水和金属化合物及び(C)窒素化合物並びに必要に応じて微粒子無機化合物(D)、さらにリン酸エステル化合物(E)等を配合してなる硬化性難燃組成物、その硬化物、該組成物と着色剤を含有してなるレジストインク、該組成物を用いるレジスト材料及びその製造方法、該組成物からなるドライフィルム及びその製造方法、該組成物からなる絶縁保護被膜ならびに該絶縁保護被膜を有するプリント配線基板。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性難燃組成物、該組成物を硬化して得られる硬化物、該組成物と着色剤を含有してなるレジストインク、該組成物を用いるレジスト材料及びその製造方法、該組成物からなるドライフィルム及びその製造方法、該組成物からなる絶縁保護被膜ならびに該絶縁保護被膜を有するプリント配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造においては、従来より、エッチング時に使用されるレジスト、はんだ付け工程で使用されるソルダレジストなど、種々の基板保護手段が必要とされる。小型機器等に使用されるフィルム状のプリント配線板(フレキシブルプリント配線板;略称FPC)の製造過程においても、部品搭載のためのはんだ付け工程において無関係な配線を保護するためのソルダレジストが必要とされる。
【0003】
このような基板の保護手段として、従来はポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたものを積層するカバーレイ、または耐熱性材料で構成されたインクを印刷するカバーコートが用いられてきた。このカバーレイ、カバーコートは、はんだ付け後の配線の保護膜も兼ねており、はんだ付け時の耐熱性、絶縁性、基板の組み込み時の折り曲げでクラックが入らない可撓性が必要とされる。さらに、電池駆動の機器以外に用いられるFPCとして用いる場合には、難燃性も必要とされる。
【0004】
ポリイミドフィルムを打ち抜いて形成されるカバーレイは上記の要求特性を満足しており、現在最も多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要なうえに、打ち抜いたフィルムを人手によって位置合わせ、張り合せするためさらに高コストになり、また、微細パターンの形成が困難であるという問題がある。また、カバーコートは、スクリーン印刷のため乾燥工程が必要とされことから製造コストが高くなり、作業性が悪いという問題がある。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、基板上に感光性樹脂組成物を液状で塗布しまたはフィルム状として貼付する方法が提案された。この方法によれば、基板上に被膜を形成した後、写真技術によって露光、現像、加熱すれば微細パターンのカバーコートやカバーレイを容易に形成することができることから、従来種々の感光性樹脂組成物が開発されてきている。
【0006】
しかし、従来の感光性樹脂組成物には、FPC用として要求されるこれら全ての特性を満足するものはなかった。例えば、ノボラック型エポキシビニルエステル樹脂に多塩基酸無水物を付加反応させたプレポリマー、光重合開始剤、希釈剤、エポキシ化合物からなる感光性樹脂組成物が提案された(特公平1−54390号公報)が、このものは耐熱性、絶縁性は良好であるものの、柔軟性がなくFPCには不適当であった。
【0007】
また、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物及びエチレン性不飽和コモノマーとから形成されるコポリマーとアミンとの反応生成物である低分子量コポリマーと、カルボン酸含有高分子量コポリマーとからなるバインダー系に、アクリル化ウレタンモノマー成分、光開始剤及びブロックポリイソシアネート架橋剤を配合した感光性樹脂組成物が提案された(特開平7−278492号公報)が、このものは難燃性がなく、用途が限定されてしまうという問題があった。
【0008】
感光性樹脂組成物に難燃性を付与する方法としては、従来より臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化物系難燃剤や、これに三酸化アンチモンなどの難燃助剤を組み合わせてなる難燃剤系を用いる方法があった(特開平9−325490号公報、特開平11−242331号公報等)。しかし、これらの難燃剤系は、高温環境における信頼性に劣る場合があり、またアンチモン化合物を使用する際には樹脂の廃棄物処理について環境問題を考慮する必要がある。さらに、臭素化エポキシ樹脂は、充分な難燃効果が得られる量を配合しようとすると可撓性を損なうという問題があった。
【0009】
一方、難燃剤としてリン酸エステルを使用する方法も提案されている(特開平9−235449号公報、特開平10−306201号公報、特開平11−271967号公報等)が、リン酸エステルのみでは難燃効果が弱く、UL規格による難燃性の基準を十分に満たすことができない。
【0010】
このように、UL規格による基準を満たすほどの高い難燃性と柔軟性を共に備え、はんだ耐熱性、耐湿性、高温信頼性等にも優れたレジストフィルムを得るのは容易ではなく、さらなる改良が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高水準の難燃性と可撓性とを共に備え、且つはんだ耐熱性、耐湿性、高温信頼性にも優れ、さらに良好な透明性をも有するレジスト用硬化性難燃組成物、特にFPC用のカバーレイ、ソルダーレジスト等として好適に用いることのできる硬化性難燃組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記硬化性難燃組成物を用いて耐熱保護皮膜を形成するための好適な方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定組成の難燃性付与剤を使用することにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
[1]レジスト用硬化性樹脂材料(A)、水和金属化合物(B)及び窒素化合物(C)を含有することを特徴とする硬化性難燃組成物。
[2]レジスト用硬化性樹脂材料(A)が、光硬化性樹脂材料である上記[1]に記載の硬化性難燃組成物。
[3]光硬化性樹脂材料が、アクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマー(a)、前記感光性プレポリマー(a)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(b)、及び光重合開始剤(c)を含むことを特徴とする上記[2]に記載の硬化性難燃組成物。
【0014】
[4]感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする上記[3]に記載の硬化性難燃組成物。
[5]感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする上記[4]に記載の硬化性難燃組成物。
[6]カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgKOH/g〜150mgKOH/g以上であることを特徴とする上記[5]に記載の硬化性難燃組成物。
【0015】
[7]感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする上記[4]に記載の硬化性難燃組成物。
[8]カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が5mgKOH/g〜150mgKOH/gであることを特徴とする上記[7]に記載の硬化性難燃組成物。
[9]感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物及びカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことを特徴とする上記[3]に記載の硬化性難燃組成物。
【0016】
[10]カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物とカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の質量比が9:1〜1:9であることを特徴とする上記[9]に記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
[11]カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物が、酸価が5mgKOH/g〜60mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、酸価が60mgKOH/g〜150mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の混合物であることを特徴とする上記[7]ないし[10]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[12]レジスト用硬化性樹脂材料(A)が、熱硬化性樹脂材料である上記[1]に記載の硬化性難燃組成物。
【0017】
[13]熱硬化性樹脂材料が、エポキシ樹脂であることを特徴とする上記[12]に記載の硬化性難燃組成物。
[14]エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、N−グリシル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記[13]に記載の硬化性難燃組成物。
【0018】
[15]熱硬化性樹脂及び必要に応じて用いられる熱重合触媒を含有することを特徴とする上記[12]ないし[14]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。[16]有機溶媒を含むことを特徴とする上記[1]〜[15]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[17]水和金属化合物(B)の熱分解時の吸熱量が400J/g以上であることを特徴とする上記[1]〜[16]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[18]水和金属化合物(B)が、水酸化アルミニウム及び/または水酸化マグネシウムである上記[1]〜[17]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
【0019】
[19]水和金属化合物(B)が、ハイドロタルサイトまたはハイドロタルサイト類化合物である上記[1]〜[17]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[20]水和金属化合物(B)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し10〜100質量部配合することを特徴とする上記[1]〜[19]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[21]窒素化合物(C)が、リン酸アミド、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物である上記[1]〜[20]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
【0020】
[22]窒素化合物(C)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し10〜80質量部配合することを特徴とする上記[1]〜[21]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[23]微粒子状無機化合物(D)を含有することを特徴とする上記[1]〜[22]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[24]微粒子状無機化合物(D)がゼオライトであることを特徴とする上記[23]に記載の硬化性難燃組成物。
[25]微粒子状無機化合物(D)が粘土鉱物であることを特徴とする上記[23]に記載の硬化性難燃組成物。
【0021】
[26]微粒子状無機化合物(D)がアルミ架橋粘土であることを特徴とする上記[23]に記載の硬化性難燃組成物。
[27]リン酸エステル化合物(E)を含有することを特徴とする上記[1]〜[26]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[28]リン酸エステル化合物(E)のリン原子が5価である上記[27]に記載の硬化性難燃組成物。
[29]リン酸エステル化合物(E)が、芳香族基を有する化合物である上記[27]または[28]に記載の硬化性難燃組成物。
【0022】
[30]リン酸エステル化合物(E)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し1〜20質量部配合することを特徴とする上記[27]〜[29]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[31]粘度が500〜500,000mPa・s(25℃)であることを特徴とする上記[1]〜[30]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
[32]上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
【0023】
[33]上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物及び着色剤を含有することを特徴とするレジストインク。
[34]上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物を用いることを特徴とするレジスト材料。
[35]支持体上に上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物から形成された感光層または感熱層を有することを特徴とするドライフィルム。
[36]支持体が、ポリエステルフィルムであることを特徴とする上記[35]に記載のドライフィルム。
【0024】
[37]上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物からなることを特徴とする絶縁保護被膜。
[38]上記[37]に記載の絶縁保護被膜を有することを特徴とするプリント配線基板。
[39]上記[1]〜[31]のいずれかに記載の硬化性難燃組成物または上記[33]に記載のレジストインクを支持体上に塗布することにより、塗工層を得る工程を含むドライフィルムの製造方法。
[40]支持体上に塗布した塗工層を乾燥する工程を含む上記[39]に記載のドライフィルムの製造方法。
【0025】
[41]塗工層の乾燥を、熱風及び/または遠赤外線により行う上記[40]に記載のドライフィルムの製造方法。
[42]乾燥した塗工層上に保護フィルムを貼合する工程を含む上記[39]〜[41]に記載のドライフィルムの製造方法。
[43]乾燥した塗工層上に画像状にエネルギー線を照射する工程、未露光部のレジスト層を現像により除去する工程及び熱硬化する工程を含むことを特徴とするレジストの製造方法。
[44]エネルギー線が可視光或は紫外線であり、厚み5〜70のレジスト層を50〜2000mJ/cmのエネルギー線の照射量で硬化することを特徴とする上記[43]に記載のレジストの製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性難燃組成物は、レジスト用硬化性樹脂材料(A)と難燃性付与成分とからなり、難燃性付与成分として、少なくとも水和金属化合物(B)及び窒素化合物(C)を含有するものである。
【0027】
I.レジスト用硬化性樹脂材料(A)
本発明において、(A)成分として用いられるレジスト用硬化性樹脂材料(以下「硬化性樹脂材料」とも言う。)は、硬化性プレポリマーを主体とするものである。具体的には、光硬化性樹脂材料、電子線硬化性樹脂材料、X線硬化性樹脂材料等のエネルギー線硬化性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料等、レジスト用樹脂材料として使用されているものであればいずれの硬化性材料を使用することもできる。
【0028】
(i)光硬化性樹脂材料
光硬化性樹脂材料としては、可視光、紫外線等により硬化しうるものであれば特に制限はないが、好ましくは、少なくともアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマー(a)、前記感光性プレポリマー(a)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(b)、及び光重合開始剤(c)からなるものである。
【0029】
(a)感光性プレポリマー
本発明において用いる感光性プレポリマー(a)としては、例えばアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する化合物を用いる。
ここでいうアクリル系モノマーは、アクリル酸若しくはメタクリル酸(以下アクリル酸とメタクリル酸をあわせて「(メタ)アクリル酸」という。)またはこれらのアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル等の誘導体である。
【0030】
かかる感光性プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート等が挙げられ、それらの中でも、エポキシアクリレート及びウレタンアクリレートが好ましい。
【0031】
本発明において用いる感光性プレポリマーとしては、上記条件を満たすものであれば特に限定されないが、特に、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を併せ持つものがより好ましい。具体的には、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物(以下「EA」ともいう。)、またはカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(以下「UA」ともいう。)が特に好ましいものとして挙げられる。
【0032】
1)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物(EA)
本発明におけるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
【0033】
上記エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、または脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物等が挙げられる。これらは単独または二種以上併用することもできる。
【0034】
上記不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。また、水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物等も挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独または二種以上併用することもできる。
【0035】
エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物と反応させる酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独または二種以上併用することもできる。
【0036】
上記反応により得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは数平均分子量が1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値で表す。
【0037】
また、前記エポキシ(メタ)アクリレート化合物の酸価(固形分酸価を意味する。以下同様)は10mgKOH/g以上であることが好ましい。より好ましくは、45mgKOH/g〜160mgKOH/gの範囲であるが、さらに50mgKOH/g〜140mgKOH/gの範囲がアルカリ溶解性と硬化膜の耐アルカリ性のバランスがよく、とりわけ好ましい。エポキシ(メタ)アクリレート化合物の酸価が10mgKOH/gより小さい場合にはアルカリ溶解性が悪くなり、逆に大きすぎると、硬化性難燃組成物の構成成分の組み合わせによっては硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等のレジストとしての特性を下げる要因となる場合がありうる。
【0038】
前記カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、単独で感光性プレポリマー(a)を構成していてもよいが、後述するカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と併用してもよい。その場合は、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、100質量部以下の範囲で使用することが好ましく、10〜90質量部がより好ましい。
【0039】
2)カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)
本発明において、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位、ポリオール由来の単位及びポリイソシアナート由来の単位を構成単位として含む化合物である。
【0040】
より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間はウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位とポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基が存在する構造となっている。
【0041】
すなわち、前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(1)
【0042】
【化1】
Figure 2004012810
【0043】
(式中、Raはヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位、ORbOはポリオールの脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシアナート残基、nは任意の整数を表す。)
で表される化合物である。
【0044】
これらカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、例えば、少なくともヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートとを反応させることにより製造することができる。ここで、ポリオールまたはポリイソシアナートの少なくともどちらか一方には、カルボキシル基を有する化合物を使用することが必要であり、好ましくは、カルボキシル基を有するポリオールを使用する。
【0045】
このようにポリオール及び/またはポリイソシアナートとして、カルボキシル基を有する化合物を使用することにより、RbまたはRc中にカルボキシル基が存在するウレタン(メタ)アクリレート化合物を製造することができる。
【0046】
なお、硬化性難燃組成物からなる硬化膜の可撓性向上等の観点から、上記式(1)中、nとしては1〜200が好ましく、2〜30がより好ましい。
また、ポリオール及びポリイソシアナートの少なくとも一方が2種類以上用いられている場合には、繰り返し単位は複数の種類を表すが、その複数の単位の規則性は完全ランダム、ブロック、局在等、目的に応じて適宜選択することができる。
【0047】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の製造に用いられるドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】
これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらのうちでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用することにより、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の合成がより容易になる。
【0049】
さらに、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の製造に用いられるポリオールとしては、例えばポリマーポリオール及び/またはジヒドロキシル化合物を使用することができる。
【0050】
ポリマーポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール;多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール;ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール;ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオール等が挙げられる。
【0051】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを使用する場合には、例えば、上記ポリマーポリオール合成時に(無水)トリメリット酸等の3価以上の多塩基酸を共存させ、カルボキシル基が残存するように合成した化合物などを使用することができる。
【0052】
本発明において、ポリマーポリオールは、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明において用いるポリマーポリオールとしては、数平均分子量が200〜2000であるものを使用すると、硬化性難燃組成物からなる硬化膜の可撓性がより優れるため好ましい。
【0053】
上記ポリマーポリオールのうち、ポリカーボネートジオールを使用すると、硬化性難燃組成物からなる硬化膜の耐熱性が高く、プレッシャークッカー耐性に優れるため好ましい。さらに、ポリマーポリオールの構成単位が、単一の構成単位からのみではなく、複数の構成単位からなるものであると、硬化性難燃組成物からなる硬化膜の可撓性がさらに優れるためより好ましい。
【0054】
このような複数の構成単位からなるポリマーポリオールとしては、エチレングリコール及びプロピレングリコールに由来の単位を構成単位として含むポリエーテル系ジオール;ヘキサメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートに由来の単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0055】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の製造に用いられるジヒドロキシル化合物としては、2つのアルコール性ヒドロキシル基を有する分岐または直鎖状の化合物等を使用することができるが、耐水性と現像性の観点から特にカルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することが好ましい。このようなジヒドロキシル化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。
【0056】
カルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することによって、ウレタン(メタ)アクリレート化合物中に容易にカルボキシル基を存在させることができる。
これらジヒドロキシル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、ポリマーポリオールとともに使用してもかまわない。
【0057】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを併用する場合や、後述するポリイソシアナートとしてカルボキシル基を有するものを使用する場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノンなどのカルボキシル基を持たないジヒドロキシル化合物を使用してもよい。
【0058】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の製造に用いられるポリイソシアナートとしては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナート及び1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナート等が挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カルボキシル基を有するポリイソシアナートを使用することもできる。
【0059】
本発明において用いるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量が1000〜40000、より好ましくは8000〜30000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの酸価は、5mgKOH/g〜150mgKOH/gが好ましく、30mgKOH/g〜120mgKOH/gがより好ましい。
【0060】
酸価が5mgKOH/g未満では硬化性難燃組成物のアルカリ溶解性が悪くする場合があるため好ましくなく、150mgKOH/gを超えると硬化膜の耐アルカリ性・電気特性等を悪くする場合があるため好ましくない。
【0061】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の数平均分子量が1000未満では、硬化性難燃組成物からなる硬化膜の伸度と強度を損なうことがあり、40000を超えると硬くなり可撓性を低下させるおそれがある。
【0062】
上記のようにカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の酸価が5mgKOH/g〜150mgKOH/gであれば好ましいが、上記範囲においても、酸価を高くすれば現像性は改善されるものの可撓性が低下する傾向があり、酸価を低くすれば可撓性は高くなるものの、現像性が低下し現像残りが生じやすくなる傾向がある。
【0063】
そのような場合には、少なくとも2種類の酸価が異なるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)を組み合わせて使用することにより、優れた可撓性を有しかつ良好な現像性を有する硬化性難燃組成物を容易に得ることができる。
【0064】
とりわけ、酸価が5mgKOH/g〜60mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、酸価が60mgKOH/g〜150mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物をそれぞれ少なくとも1種以上選んで組み合わせることが好ましい。
【0065】
また、酸価の異なるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)を組み合わせて使用する場合の使用割合は、酸価が5mgKOH/g〜60mgKOH/g未満のものが過剰であることが好ましく、より具体的には、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)100質量部中、酸価が5mgKOH/g〜60mgKOH/gのUA:酸価が60mgKOH/g〜150mgKOH/gのUA=60〜90:40〜10の質量比(あわせて100とする)であることがより好ましい。
【0066】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)は、
(1)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートを一括混合して反応させる方法、
(2)ポリオールとポリイソシアナートを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアナート基を含有するウレタンイソシアナートプレポリマーを製造した後、このウレタンイソシアナートプレポリマーとヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させる方法、
(3)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとポリイソシアナートを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアナート基を含有するウレタンイソシアナートプレポリマーを製造した後、このプレポリマーとポリオールとを反応させる方法
などの方法で製造することができる。
【0067】
(b)エチレン性不飽和基を有する化合物
硬化性難燃組成物中の光硬化成分として含有されるエチレン性不飽和基を有する化合物(b)は、感光性プレポリマー(a)以外のものであり、硬化性難燃組成物の粘度を調整したり、硬化性難燃組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調整する目的で使用されるものであり、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを使用するのがよい。
【0068】
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
【0069】
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニールアシッドホスフェート(フェニールP)等のリン原子を有するメタクリレート;
【0070】
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;
【0071】
ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポリアクリレート;ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
【0072】
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物;ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等もエチレン性不飽和基を有する化合物として好適に用いることができる。
【0073】
これらエチレン性不飽和基を有する化合物のうち、好ましいものとしては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート及びウレタンアクリレートであり、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0074】
硬化性難燃組成物の硬化物の耐熱性を高くするという観点から、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和基を3個以上有するウレタンアクリレート、エポキシアクリレート化合物等が好ましい。
【0075】
本発明において、感光性プレポリマー(a)とエチレン性不飽和基を有する化合物(b)との配合比は、質量比で(a):(b)=95:5〜50:50、好ましくは90:10〜60:40、さらに好ましくは85:15〜70:30である。(a)成分の配合量が95質量%を超えると、硬化性難燃組成物からなる硬化膜のはんだ耐熱性が低下することがあり、(a)成分の配合量が50質量%未満になると硬化性難燃組成物のアルカリ可溶性が低下する傾向にある。
【0076】
(c)光重合開始剤
本発明において用いる光重合開始剤(c)としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;4―フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類;
【0077】
チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類;エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類などを挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
【0078】
これらの光重合開始剤のうち、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類が好ましい。具体的には、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0079】
これらの光重合開始剤(c)の配合量は、感光性プレポリマー(a)とエチレン性不飽和基を有する化合物(b)とからなる光硬化成分の合計100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.2質量部〜10質量部がより好ましい。光重合開始剤の配合量が0.1質量部未満であると硬化が不十分な場合がある。
本発明においてはさらに必要に応じて光増感剤を併用することができる。
【0080】
(ii)電子線硬化性樹脂材料
電子線硬化性樹脂材料としては、ポジ型、ネガ型があるが、本発明において用いる電子線硬化性樹脂材料は、レジスト用材料として使用できるものであればいずれでもかまわない。
【0081】
具体的には、ポリビニルシンナマート、ポリビニル−p−アジドベンゾエート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート−イソブチレン共重合体、メチルメタクリレート−メチル−α−クロルアクリレート共重合体、エポキシ化1,4−ポリブタジエン(EPB)、エポキシ化ポリイソプレン、ポリグリシジルメタクリレート(PGMA)、グリシジルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルビニルシロキサン、ポリメチルシクロシロキサン(PMCA)、ポリビニルシロキサン(PVS)、
【0082】
側鎖にアクリル基を持つ共重合体、ポリブタジエン(PB)、ポリジアリール−o−フタレート(PDOP)、側鎖にメタクリル酸基とグリシジル基を持つ共重合体、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のアリルエステル、ポリ(ブテン−1−スルホン)(PBS)、ポリ(スチレンスルホン)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ−α−メチルスチレン、ポリメタクリロニトリル、酢酸セルロース、ポリイソブチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルフェロセン、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリメタクリルアミド(PMAA)、ポリ−α−シアノエチルアクリレート(PCEA)等が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0083】
(iii)X線硬化性樹脂材料
本発明において用いるX線硬化性樹脂材料としては、X線により硬化する特性を有する樹脂材料であれば特に限定はない。
【0084】
具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ(ブテン−1−スルホン)(PBS)、ポリビニルフェロセン(PVFc)、ポリブタジエン(PB)、ポリジアリール−o−フタレート(PDOP)、クロスリキングエレクトロンレジスト(CER)、エポキシ化ポリブタジエン(EPB)、グリシジルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0085】
(iv)熱硬化性樹脂材料
本発明において用いる熱硬化性樹脂材料としては、熱により硬化する特性を有する樹脂材料であれば特に限定はない。
【0086】
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン誘導体(例えば、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメラミン等。)、尿素化合物(例えば、ジメチロール尿素等。)、ビスフェノールA系化合物(例えば、テトラメチロール・ビスフェノールA等。)、オキサゾリン化合物及びオキセタン化合物等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0087】
上記熱硬化性樹脂材料のうち、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。本発明において用いるエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド型エポキシ樹脂、
【0088】
アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、N−グリシル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂などの、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
II.難燃性付与成分
本発明において、難燃性付与成分は、少なくとも水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)とを含む。好ましくはさらに(D)微粒子状無機化合物を含有することを特徴とする。
また、必要に応じてリン酸エステル化合物(E)を含めることもできる。
【0090】
(B)水和金属化合物
本発明において用いる水和金属化合物(B)としては、結晶水をもつ金属化合物であり、例えば熱分析によるモル当たりの結合水量が12〜60質量%の範囲のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0091】
難燃効果等を考慮すると、好ましくは、熱分解時の吸熱量が400J/g〜2500J/g、好ましくは600〜2000J/gの水和金属化合物が用いられる。吸熱量が400J/g未満では燃焼時の冷却効果が不十分で難燃性が十分に発揮されない恐れがあり、2500J/g以上では成形加工等の熱履歴によって構造中の水分子が脱水して成形加工性や製品外観を損なう恐れがあるため好ましくない。
【0092】
かかる水和金属化合物の具体例としては、天然物質或は合成物質の何れでもよく、ダイアスポア(Diaspore, a−AlOOH)、ベーマイト(Boehmite, g−AlOOH)、バイアライト(Bayerite a−Al(OH))、ギブサイト(Gibbsite, g−Al(OH))、ノルストランダイト(Nordstrandite, Al(OH))に代表される水酸化アルミニウム;ゲータイト(Goethite, a−FeOOH)、レピドクロサイト(Lepidocrocite, g−FeOOH)、アカガネアイト(Akaganeite, b−FeOOH)、フェリハイドライト(Ferrihydraite, FeHO・4HO)等に代表される水酸化鉄;
【0093】
水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、水酸化カルシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏,ホウ酸亜鉛、メタホウ素酸バリウム、亜鉛ヒドロキシスズ酸塩、カオリン、ハロイサイト及びバーミキュライト等が挙げられる。特に好ましいものは水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムである。
【0094】
また、前記水和金属化合物として、層状結晶構造をなし該結晶層間に水和アニオンを有するハイドロタルサイト系化合物も好ましく用いられる。ここで、「ハイドロタルサイト系化合物」とは、以下に述べるハイドロタルサイト及びハイドロタルサイト類を含む総称である。
ハイドロタルサイト(Hydrotalcite)は、元々天然鉱物
【0095】
【化2】
Figure 2004012810
【0096】
に与えられた名称であるが、その後これと同じ結晶構造をもつ鉱物が多数発見され、合成も行われた。それは下記一般式(a)
【0097】
【化3】
Figure 2004012810
【0098】
及び(b)
【0099】
【化4】
Figure 2004012810
【0100】
により表わされる。
ここで、0.1≦x≦0.4、0<m、nは1〜4の自然数、Ml+はLi、Na、K、Rb、Cs等に代表される1価の金属の少なくとも1種以上、M2+はMg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等に代表される2価の金属の少なくとも1種以上、M3+は、Al,Fe,Cr,In等に代表される3価の金属の少なくとも1種以上、An−は、Cl、Br、CO 2−、NO 2−、SO 2−、Fe(CN) 4−、酒石酸イオンで表わされるn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種以上である。
【0101】
上記一般式(a)でM2+がMg2+、M3+がAl3+である化合物がハイドロタルサイトと言われ、それ以外の一般式(a)及び一般式(b)の化合物は通称ハイドロタルサイト類と呼ばれている。
【0102】
これらのハイドロタルサイト及びハイドロタルサイト類はプラスに電荷した基本層と、そのプラスを電気的に中和するアニオンと結晶水を持つ中間層からなる構造単位を有し、構造破壊温度に違いがある他は殆ど似た性質を示すことが知られている。なお、これらの化合物については「スメタイト研究会会報」”スメクタイト”(第6巻第1号P.12−26、1996,5月)に詳しく説明されている。
【0103】
上記のハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、スティヒタイト(Stichtite)、パイロオーライト(Pyroaurite)、リーベサイト(Reevesite)、タコヴァィト(Takovite)、オネサイト(Honessite)、アイオワイト(Iowaite)、グリーンラスト(Green rust)、コンブライナイト(Comblainite)、デソテルサイト(Desautelsite)、マナサイト(Manasseite)、バルベルトナイト(Barbertonite)等が挙げられる。
【0104】
本発明において用いる水和金属化合物の粒子サイズは特に限定されないが、平均粒子径で40μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。平均粒子径が40μmを超えると、レジスト硬化膜の透明性が悪化し光透過性が低下したり、塗工膜表面の外観、平滑性が損なわれる場合がある。
【0105】
ハイドロタルサイト系化合物を用いる場合には、その結晶粒子のサイズは、平均粒子径10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。ハイドロタルサイト系化合物の平均粒子径が、10μmを超えると硬化膜の光透過性を低下させると共に硬化過程において塗工膜の収縮異方性によりソリが発生しやすくなる場合がある。
【0106】
本発明において用いる水和金属化合物(B)は、透明性向上等の観点から極性を有する表面処理剤により表面処理がなされているものが、特に好ましい。かかる極性を有する表面処理剤の例としては、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、メルカプトシラン等のシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等が挙げられる。
【0107】
(C)窒素化合物
本発明において用いる窒素化合物(C)としては、耐熱性、低揮発性、耐加水分解性に優れているものを使用することが望ましく、具体的には、リン酸アミド、ポリフォスファゼン、ポリリン酸アンモニウム、メラミン、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、メラミンシアヌレート等が挙げられる。
【0108】
好ましくは、リン原子を含有するリン酸アミド、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を用いるのがよい。
【0109】
これらは、市販されているものを用いることができ、例えば、リン酸アミド(商品名「SP−703」四国化成工業社製)、ポリリン酸アンモニウム(商品名「テラージュC60」チッソ社製等)、ポリリン酸メラミン(商品名「MPP−A」三和ケミカル社製等)、硫酸メラミン(商品名「アピノン−901」三和ケミカル社製)、メラミンシアヌレート(商品名「MC−600」日産化学工業社製)等がある。
【0110】
(D)微粒子状無機化合物
本発明においては、上記水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)とを含む難燃性付与成分に、さらに必要に応じて微粒子状無機化合物(D)を用いることができる。無機微粒子を用いることにより、チャ―生成の促進や生成速度に影響を与え、難燃効果の向上による難燃剤の減量化の利点が得られるため好ましい。
【0111】
微粒子状無機化合物(D)としては、例えばシリカアルミナ、シリカマグネシア、アルミナボリア、ゼオライト、粘土鉱物、アルミ架橋粘土等、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。これらのうち、特に好ましくはゼオライト、粘土鉱物、または酸化物架橋粘度である。
【0112】
ゼオライトとしては、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、ベータ型、ZSM−5等が挙げられる。
【0113】
粘土鉱物としては、具体的にはカオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、サーペンティン、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ステブンサイト、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライト、フロゴパイト、バイオタイト、レピドライト、マスコバイト、パラゴナイト、クロライト、マーガライト、テニオライト、テトラシリシックマイカ等が挙げられる。
【0114】
粘土鉱物のなかでもイオン交換性を有する粘土鉱物は、層間の金属イオンと有機カチオンとのイオン交換が可能であり、層間に有機イオンを挿入(インターカレート)した層間化合物(いわゆる有機粘土)も使用することができる。代表的な有機カチオンとしては特にその種類に限定されないが、好ましい例として、メラミン化合物,シアヌル酸化合物,シアヌル酸メラミン化合物等のトリアジン系化合物、第一アミン,第二アミン,第三アミン及びそれらの塩化物、第四級アンモニウム塩、アミン化合物、アミノ酸誘導体、窒素含有複素環化合物或いは、ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0115】
具体的には、メラミン塩酸塩、N−メラミン塩酸塩等のメラミン化合物;オクチルアミン、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アクリルアミン、ベンジルアミン、アニリン等に代表される第一アミン;ジラウリルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジステアリルアミン、N−メチルアニリン等に代表される第二アミン:ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等に代表される第三アミン;
【0116】
テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、アルキルアミノプロピルアミン四級化物等の第四級アンモニウムが挙げられる。
【0117】
さらに、ロイシン、システィン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、6−アミノヘキシルカルボン酸、12−アミノラウリルカルボン酸、N,N−ジメチル−6−アミノヘキシルカルボン酸、N−n−ドデシル−N,N−ジメチル10−アミノデシルカルボン酸、ジメチル−N−12アミノラウリルカルボン酸等のアミノ酸誘導体;ピリジン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、プロリン、γ−ラクタム、ヒスチジン、トリプトファン、アニリン、キヌクリジン等の窒素含有複素環化合物等が挙げられる。
【0118】
酸化物架橋粘土とは、上記粘土鉱物の層間に金属酸化物の支柱を設けたものであり、具体的には酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化珪素、酸化バナジウム等を支柱酸化物とした酸化物架橋粘土を用いることができる。これらのうち、本発明においては酸化アルミニウムを支柱酸化物としたアルミ架橋粘土が好ましく用いられる。
【0119】
微粒子状無機化合物(D)の粒子径は、平均粒子径が0.01〜20μmのものが好適であり、さらに好ましくは0.05〜10μmの範囲である。平均粒子径が0.01μm以下のものは微粒子の製造が困難であり、20μmを超えると樹脂中に分散する微粒子状無機化合物の頻度が低下するため、十分なチャー生成促進効果が得られなくなる。
【0120】
(E)リン酸エステル化合物
本発明においては、難燃性付与成分として、上記水和金属化合物(B)、窒素化合物(C)及び必要に応じて用いられる微粒子状無機化合物(D)に加えて、さらに必要に応じてリン酸エステル化合物(E)を含有することができる。特に、得られる硬化性難燃組成物の硬化物の可撓性が不十分の場合には、リン酸エステル化合物(E)を併用することにより、難燃性を損なうことなく可撓性を高めることができるため好ましい。すなわち、上記各成分からなる難燃複合系にすることで、難燃性と可撓性の両立を高水準で実現させてもよい。
【0121】
本発明において用いるリン酸エステル化合物(E)としては、化学構造で「P−O−R」(Rは有機基)の結合を有する化合物を言い、通常はリン原子が3価のものまたは5価のものを使用することができる。3価のものとしては、ホスファイト(Phosphite)化合物、ホスホナイト(Phosphonite)化合物、ホスフィナイト(Phosphinite)化合物がある。
【0122】
一方、5価のリン原子を有するものとしては、ホスフェート(Phosphate)化合物、ホスホネート(Phosphonate)化合物、ホスフィネート(Phosphinate)化合物がある。そのうちで5価のリン原子を有するリン酸エステル化合物が保存安定性の観点から好ましく使用される。
【0123】
これらのリン酸エステル化合物(E)のエステルを形成する有機基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基等のいずれであってもよいが、そのうち芳香族炭化水素基を有するものであることが、難燃性及びはんだ耐熱性の観点から好ましい。
【0124】
本発明において好ましく用いられるリン酸エステル化合物(E)としては、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェノル)ホスフェート、2ーエチルヘキシルジフェニルホスフェート、及び下式(III)
【0125】
【化5】
Figure 2004012810
【0126】
(式中、Xは同一でも異なっていてもよく、1価以上の芳香族基を示す。)
で表される骨格を含有するもの等が挙げられる。
【0127】
上記リン酸化合物(E)のうち好ましくは上記一般式(III)で表される骨格を含有するものであり、さらに具体的には下記一般式(IV)
【0128】
【化6】
Figure 2004012810
【0129】
(式中、Xは、下記一般式
【0130】
【化7】
Figure 2004012810
【0131】
(式中、Rは同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
で表され、Yは直接結合、アルキレン基、フェニレン基、−S−、−SO−、または−CO−を表す。Arは同一または相異なる芳香族基または有機基で置換された芳香族基を表し、k、mはそれぞれ0〜2の整数、k+mは0〜2の整数であり、nは0以上の整数である。)
及び下記一般式(V)
【0132】
【化8】
Figure 2004012810
【0133】
(式中、Arは同一または相異なる芳香族基または有機基で置換された芳香族基を表す。)
で示される化合物が挙げられる。
【0134】
リン酸エステル化合物(E)は、耐湿性、はんだ耐熱性の観点から、分子量が300以上、好ましくは350以上、より好ましくは500以上のものを、リン酸エステル中に50質量%以上有するものが好ましい。
また、本発明の硬化性難燃組成物は、組成物中に3価のリン原子を有するリン酸エステルを配合して、組成物中での酸化によって5価のリン原子を有するリン酸エステルとしたものでも同様の効果が得られる。
【0135】
次いで、難燃性付与成分の配合割合について説明する。
本発明において用いる難燃性付与成分における上記(B)、(C)成分、及び必要に応じて用いられる(D)成分の割合は特に制限はないが、硬化性樹脂材料(光硬化性樹脂材料の場合は上記(a)、(b)、及び(c)成分の合計)100質量部に対し、好ましくは(B)1〜50質量部、(C)1〜50質量部、(D)使用する場合は0.1〜10質量部である。さらに好ましくは、(B)3〜40質量部、(C)3〜40質量部、(D)使用する場合は0.5〜5質量部である。特に好ましくは(B)5〜30質量部、(C)5〜30質量部、(D)使用する場合は0.5〜3質量部である。
【0136】
リン酸エステル化合物(E)を用いる場合は、硬化性樹脂材料100質量部に対し、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜10質量部、特に好ましくは2〜6質量部である。
また、上記使用割合に基づいて難燃性付与成分及び硬化性難燃組成物全量に対する使用割合の目安を示すと、次の通りである。
【0137】
水和金属化合物(B)の割合は特に制限されないが、該難燃性付与成分が水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)とからなるときは、難燃性付与成分全量に対し2〜98質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは7〜93質量%、特に好ましくは14〜86質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対する水和金属化合物(B)の割合についても特に制限はないが、0.6〜33質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜28質量%、特に好ましくは3.6〜22質量%である。
【0138】
なお、前記難燃性付与成分が水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)と微粒子状無機化合物(D)とからなるときは、水和金属化合物(B)の割合は、難燃性付与成分全量に対し1.6〜98質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは6.2〜92質量%、特に好ましくは13〜84.5質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対しては、0.7〜33質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜28質量%、特に好ましくは3.6〜22質量%である。
【0139】
水和金属化合物の配合割合が少なすぎると、難燃性が不足し、結果として窒素化合物及びその他の難燃性付与成分の割合を増やさねばならず、酸価の低下、現像性の低下を招く。一方、多すぎると硬化膜が不透明になりやすく、また柔軟性が低下して可撓性が劣り、またソリの発生する場合がある。
【0140】
窒素化合物(C)の割合は特に制限されないが、該難燃性付与成分が水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)とからなるときは、難燃性付与成分全量に対し2〜98質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは7〜93質量%、特に好ましくは14〜86質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対する窒素化合物(C)の割合についても特に制限はないが、0.6〜33質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜28質量%、特に好ましくは3.6〜22質量%である。
【0141】
なお、前記難燃性付与成分が水和金属化合物(B)と窒素化合物(C)と微粒子状無機化合物(D)とからなるときは、窒素化合物(C)の割合は、難燃性付与成分全量に対し1.6〜98質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは6.2〜92質量%、特に好ましくは13〜84.5質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対しては、0.7〜33質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは2〜28質量%、特に好ましくは3.6〜22質量%である。窒素化合物の配合割合が少なすぎると、難燃効果が不十分な場合があり、多すぎると可撓性、現像性が低下する場合がある。
【0142】
微粒子状無機化合物(D)を使用する場合、その割合は特に制限されないが、難燃性付与成分全量に対し0.1〜83質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.6〜45質量%、特に好ましくは0.8〜23質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対する微粒子状無機化合物(D)の割合についても特に制限はないが、0.05〜9質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.2〜4.5質量%、特に好ましくは0.3〜2.8質量%である。微粒子状無機化合物の配合割合が少なすぎると、チャー形成促進効果が低減するというデメリットがあり、多すぎると難燃性を損なう場合がある。
【0143】
さらに、リン酸エステル化合物(E)を使用する場合、その割合は特に制限されないが、上記(B)、(C)、(D)及び(E)の全量に対し0.2〜67質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.7〜43質量%、特に好ましくは4〜25質量%である。また、本発明の硬化性難燃組成物全量に対するリン酸エステル化合物(E)の割合についても特に制限はないが、0.1〜25質量%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.4〜18質量%、特に好ましくは2〜12質量%である。リン酸エステル化合物(E)の配合割合が少なすぎると、可撓性が不十分な場合があり、多すぎるとブリードアウトにより塗工膜外観を損なう場合がある。
【0144】
本発明の硬化性難燃組成物における上記難燃性付与成分全体としての配合割合は、17〜69質量%が好ましく、さらに好ましくは29〜63質量%、特に好ましくは39〜57質量%である。難燃性付与成分の配合割合が少なすぎると難燃性が劣り、多すぎると透明性、可撓性、強度(耐折り曲げ性)、現像性の低下等を招く場合がある。
【0145】
III.その他の成分
(i)熱硬化性樹脂
本発明においては、硬化性樹脂材料が光硬化性樹脂材料、電子線硬化性樹脂材料、またはX線硬化性硬化性樹脂材料等のエネルギー線硬化材料の場合には、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化成分として硬化性難燃組成物に含有させることができる。かかる熱硬化性樹脂としてはそれ自身が熱によって硬化するものや、例えば感光性プレポリマーのカルボキシル基等と熱により反応するものでもよい。
【0146】
かかる熱硬化性樹脂としては、それ自身が熱によって硬化するものや、熱により硬化性樹脂材料(A)のカルボキシル基と反応するものでもよい。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン誘導体(例えば、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメラミン等。)、尿素化合物(例えば、ジメチロール尿素等。)、ビスフェノールA系化合物(例えば、テトラメチロール・ビスフェノールA等。)、オキサゾリン化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
【0147】
これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら熱硬化性樹脂のうちエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド型エポキシ樹脂、
【0148】
アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、N−グリシル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂などの一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子が熱や水によって分解されにくい結合状態でその構造中に導入されたものを使用してもよい。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0149】
さらに本発明の硬化性難燃組成物は、エポキシ樹脂からなる相を含む不均一系となっていることが好ましい。
【0150】
具体的には、硬化前の硬化性難燃組成物中に、固型状または半固型状のエポキシ樹脂が認められる状態などであり、エポキシ樹脂が硬化性難燃組成物中に、不均一に混合している状態をいう。また、その粒径はスクリーン印刷に支障をきたさない程度、例えば0.1〜20μmが好ましい。
【0151】
例えば、硬化前の硬化性難燃組成物の全体が均一に透明ではなく、少なくとも一部が不透明である状態なども含まれる。このように、硬化前の硬化性難燃組成物が、エポキシ樹脂からなる相を含む不均一系であると、硬化性難燃組成物のシェルフライフが長くなる特性を有する。
【0152】
このような目的で使用されるエポキシ樹脂の好ましいものとしては、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂等であり、さらにはこれらのエポキシ樹脂からなる相が硬化性難燃組成物に含まれていて、硬化前の硬化性難燃組成物が不均一系となっていることが好ましい。このように、硬化前の硬化性難燃組成物が不均一系となるエポキシ樹脂として、明確な融点を持った結晶であり不均一系を形成しやすく、さらに、硬化物の耐熱性が高いものが得られるという点で、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0153】
本発明の硬化性難燃組成物において熱硬化性樹脂を併用する場合には、その配合量は、光硬化性樹脂材料を使用する場合は、光硬化成分(上記(a)と(b))の合計100質量部に対して10〜150質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。
【0154】
熱硬化性樹脂の配合量が10質量部未満では、硬化性難燃組成物からなる硬化膜のはんだ耐熱性が不十分となる場合がある。一方、150質量部を超えると、硬化膜の収縮量が多くなり、硬化膜をFPC基板の絶縁保護被膜に用いると、そり変形(カール)が増大する傾向がある。
【0155】
(ii)熱重合触媒
本発明において、エネルギー線硬化性樹脂材料(光硬化性樹脂材料、電子線硬化性樹脂材料及びX線硬化性樹脂材料等)を用いる場合に熱硬化性樹脂を併用するときは、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化させる作用を示す熱重合触媒を用いることができる。具体的には、アミン類;該アミン類の塩化物等のアミン塩類;第四級アンモニウム塩類;環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等の酸無水物類;ポリアミド類、イミダゾール類、トリアジン化合物等の窒素含有複素環化合物類;有機金属化合物等を使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0156】
上記アミン類としては、脂肪族及び芳香族の第一、第二、第三アミン等が挙げられる。脂肪族アミンの例としてはポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−エン等が挙げられる。芳香族アミンの例としてはメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフォニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
【0157】
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族酸無水物;無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
【0158】
ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一及び第二アミノ基を有するポリアミノアミド等が挙げられる。
【0159】
イミダゾール類としては、例えばイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアムレート等が挙げられる。
【0160】
トリアジン化合物は、窒素原子3個を含む6員環を有する化合物であって、例えばメラミン化合物、シアヌル酸化合物及びシアヌル酸メラミン化合物等が挙げられる。具体的には、メラミン化合物としてメラミン、N−エチレンメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン等が挙げられる。
【0161】
シアヌル酸化合物としては、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N’−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等が挙げられる。シアヌル酸メラミン化合物としては、メラミン化合物とシアヌル酸化合物との等モル反応物が挙げられる。
【0162】
有機金属化合物としては、有機酸金属塩、1,3−ジケトン金属錯塩、金属アルコキシド等が挙げられる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の有機酸金属塩;ニッケルアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等の1,3−ジケトン金属錯塩;チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、アルミニウムブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
【0163】
熱重合触媒の使用量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。熱重合触媒の使用量が0.5質量部より少ないと硬化反応が十分に進まず、耐熱性が低下する場合がある。また、長時間、高温での硬化が必要となるため、作業効率低下の原因となることがある。一方熱重合触媒の使用量が20質量部以上になると、硬化性難燃組成物中のカルボキシル基と反応し、ゲル化が起こりやすくなり、保存安定性の低下などの問題を生じることがある。
【0164】
(iii)その他成分
また、本発明の硬化性難燃組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒等を添加して使用してもよい。このようにして粘度を調節することによって、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコートなどで対象物上に塗布したり、印刷したりすることが容易になる。
【0165】
用いる有機溶媒としては、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カルビトール系及びそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族系及び脂環族系等の溶媒等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0166】
有機溶媒の使用量は、硬化性難燃組成物の粘度が500mPa・s〜500,000mPa・s[B型粘度計(Brookfield Viscometer)を用い、25℃にて測定]になるよう調節するのが好ましい。さらに好ましくは1,000mPa・s〜500,000mPa・sである。上記粘度であると対象物への塗布や印刷により適し、使用しやすくなる。粘度が500mPa・s未満だと塗工、乾燥工程で流動により塗工厚みが不均一になったり、はじきによる外観不良の原因となり好ましくなく、500,000mPa・sを超えると塗工面の外観不良や生産性低下のため好ましくない。
【0167】
また、このような粘度とするために好ましい有機溶媒の使用量は、有機溶媒以外の固形分1.5質量倍以下である。有機溶媒の使用量が1.5質量倍を超えると固形分濃度が低くなり、この硬化性難燃組成物を基板などに印刷する場合、一回の印刷で十分な膜厚が得られず、多数回の印刷が必要になる場合がある。
【0168】
また、本発明の硬化性難燃組成物にさらに着色剤を加えて、インクとして使用することもできる。
【0169】
次に本発明に使用される着色剤について説明する。本発明でいう着色剤とは、典型的には顔料、染料、または色素の如き着色に用いられる化合物を意味するが、着色できるものであれば種類を問わない。本発明において用いられる顔料としては、無機鉱石、無機顔料、有機顔料等が挙げられ、具体的には、「改訂新版顔料便覧」(1989年、日本顔料技術協会編)P7〜50に記載の顔料等を使用することができる。また、染料としては直接染料、酸性染料、食品用染料、アゾ系染料、反応性染料およびそれらの類似化合物等が挙げられる。
【0170】
例えばカラーインデックス(Colour Index)に記載されている染料で、直接染料として、C.I.DirectYellow(ダイレクトイエロー)1、4、7、8、9、11、12、24、26、27、28、33、39、44、50、58、59、62、85、86、87、88、89、98、100、110等;C.I.DirectOrange(ダイレクトオレンジ)1、6、8、10、26、29、31、39、41、49、51、57、102、107等;C.I.DirectRed(ダイレクトレッド)1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、62、63、75、79、80、81、83、84、89、95、99、113、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230、231等;C.I.DirectViolet(ダイレクトバイオレット)1、7、9、12、22、35、47、48、51、63、90、
【0171】
94、98等;C.I.DirectBlue(ダイレクトブルー)1、2、6、8、14、15、22、25、41、53、71、76、77、78、80、86、90、98、106、108、120、123、158、160、163、165、168、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、225、226、236、237、246、248、249等;C.I.DirectGreen(ダイレクトグリーン)1、6、8、28、30、31、33、37、59、63、64、74等;C.I.DirectBrown(ダイレクトブラウン)1A、2、6、25、27、44、58、59、95、100、101、106、112、170、173、194、195、209、210、211等;C.I.DirectBlack(ダイレクトブラック)17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、94、105、106、107、108、112、113、117、118、132、133、146等が挙げられる。
【0172】
酸性染料としては、例えば、C.I.AcidYellow(アシッドイエロー)1、3、7、9、11、17、19、23、25、29、34、36、38、40、42、44、49、54、59、61、65、70、72、73、75、76、78、79、98、99、110、111、112、114、116、118、119、127、128、131、135、141、142、161、162、163、164、165、186等;C.I.AcidOrange(アシッドオレンジ)1、5、6、7、8、10、12、19、20、24、28、33、41、43、45、51、52、56、63、64、65、67、74、80、82、85、86、87、88、95、122、123、124
【0173】
等;C.I.AcidRed(アシッドレッド)1、2、4、6、8、9、13、14、17、18、26、27、29、32、35、37、42、44、50、51、52、57、60、66、73、75、77、80、82、83、85、87、88、89、91、92、94、97、103、106、111、112、114、115、117、118、119、129、130、131、133、134、138、143、145、150、151、154、155、158、168、176、180、183、184、186、194、198、199、209、211、215、216、217、219、249、252、254、256、257、262、265、266、274、276、282、283、289、303、317、318、320、321、322等;C.I.
【0174】
AcidViolet(アシッドバイオレット)5、7、9、11、15、17、19、31、34、35、41、43、47、48、49、51、54、66、68、75、78、97、106等;C.I.AcidBlue(アシッドブルー)1、3、7、9、15、20、22、23、25、27、29、40、41、43、45、54、59、60、62、72、74、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、110、112、113、117、120、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、229、234、236等;
【0175】
C.I.AcidGreen(アシッドグリーン)1、3、5、7、9、12、16、19、20、25、27、28、35、36、40、41、43、44、48、50、56、57、60、61、65、73、75、76、78、79等;C.I.AcidBrown(アシッドブラウン)2、4、13、14、19、20、27、28、30、31、39、44、45、46、48、53、92、100、101、103、104、106、160、161、165、188、224、225、226、231、232、236、247、256、257、266、268、276、277、282、289、294、295、296、297、299、300、301、302等;C.I.AcidBlack(アシッドブラック)1、2、7、24、26、29、31、44、48、50、51、52、58、60、62、63、64、67、72、76、77、94、107、108、109、110、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155、156、157、158、159、191等が挙げられる。
【0176】
反応性染料としては、C.I.ReactiveYellow(リアクティブイエロー)1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.ReactiveRed(リアクティブレッド)1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.ReactiveBlue(リアクティブブルー)1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95;C.I.ReactiveBlack(リアクティブブラック)3,4,7,11,12,17等が挙げられる。
【0177】
また、本発明においては、上記カラーインデックス(Colour Index)に記載されていないものでも、アニオン性基を有し水に可溶の染料であれば、直接染料、酸性染料等の類似化合物として用いることが出来る。例えば、C.I.(カラーインデックス)に掲載されていないアゾ系染料としては、CAS(ケミカルアブストラクツサービス)番号で、103571−38−6,103977−11−3,103977−13−5,104008−60−8,106414−14−6,111953−70−9,111953−71−0,111953−72−1,111953−73−2,112363−27−6,121538−22−5,122302−90−3,123458−20−8,123458−21−9,123458−26−4,123458−27−5,124953−15−7,124998−48−7,124998−49−8,124998−51−2,125604−93−5,126488−46−8,126488−48−0,126514−13−4,126560−69−8,126817−18−3,135322−33−7,136821−11−9,136821−12−0,136987−84−3,136987−85−4,143784−31−0,145081−06−7,145268−49−1,149598−26−5,149598−27−6,149598−30−1,149598−31−2,149598−34−5,149632−22−4,14987−86−1,151407−65−7,
【0178】
151407−82−8,168075−44−3,169762−48−5,170344−61−3,173062−58−3,173062−61−8,173062−64−1,173062−65−2,173062−66−3,173398−80−6,173584−00−4,173659−42−2,174366−15−5,174366−16−6,174366−19−9,183130−96−3,186795−55−1,190852−00−7,190852−01−8,190852−04−1,201987−02−2,201987−06−6,205580−23−0,205580−24−1,211935−63−6,219806−58−3,27601−28−1,37790−31−1,37790−35−5,37790−37−7,37790−40−2,37790−41−3,37790−52−6,52238−67−2,62331−58−2,62331−60−6,76544−02−0,83045−89−0,83738−91−4,90375−37−4
【0179】
,90375−42−1,90375−47−6,96384−79−1,96384−85−9,96841−16−6,105985−32−8,105985−33−9,105985−35−1,105985−48−6,106206−11−5,106610−72−4,106643−99−6,121538−27−0,141028−15−1,141028−16−2,149598−24−3,149598−25−4,149598−28−7,149598−29−8,149598−35−6,151407−79−3,151407−83−9,151408−13−8,159637−52−2,159637−54−4,159637−55−5,159637−59−9,163966−02−7,173062−59−4,173062−60−7,173062−62−9,173062−63−0,179868−96−3,179868−98−5,179869−00−2,179869−01−3,184889−97−2,190852−03−0,193486−82−7
【0180】
,195325−89−4,200138−09−6,200138−10−9,202394−62−5,202394−63−6,211935−64−7,211935−66−9,211935−68−1,211935−70−5,213399−53−2,213399−54−3,213399−55−4,213399−56−5,213399−57−6,213399−58−7,213399−59−8,213399−60−1,215462−79−6,218281−61−9,220611−17−6,220611−19−8,220611−22−3,220622−03−7等が挙げられる。
【0181】
さらに、色素の具体例として、例えば、アクリジンオレンジなどのアクリジン色素;ジャヌスグリーンBなどのアジン色素;ファストブルーBB塩などのアゾイックジアゾ色素;ディスパースブルー3、アリザリンブルーブラックBなどのアントラキノン色素;インジゴブルーなどのインジゴ色素;ルミクロームなどのオキサジン色素;カルミン酸のアルミニウムまたはカルシウム−アルミニウムレーキなどのカルミン酸色素;フードオレンジ5などのカロテノイド色素;2,7−ジクロロ−フルレセインなどのキサンテン色素;7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン(4−メチルウンベリフェロン)などのクマリン色素;インドシアニングリーンなどのシアニン色素;ディスパースオレンジ13などのジアゾ色素;
【0182】
ジアゾレッドRCなどのジアゾニウム塩色素;クレゾールレッドなどのスルホナフタレイン色素;メチレングリーンなどのチアジン色素;マラカイトグリーンなどのトリアリールメチル色素;ダイレクトブルー71などのトリスアゾ色素;ルシファーイエローCHなどのナフタルイミド色素;ヘマトキシリンなどのパラキノイダル色素;ピグメントブルー15などのフタロシアニン色素;ソルベントオレンジ53またはディスパースイエロー9などのフェニレンジアミン色素;3,6−ジアミノアクリジンヘミスルフェートなどのプロフラビン色素;フルオレセインアミンなどのフルオレッセント色素;ビスベンゾイミドなどのベンゾイミダゾール色素;シアニンブラック、β−ナフトール及びビクトリアピュアーブルーBなどのモノアゾ色素;藍Aなどの藍色素等が挙げられる。
【0183】
レジストインクとして使用する場合も、その粘度は500〜500,000mPa・s[B型粘度計(Brookfield Viscometer)にて25℃で測定]であることが好ましい。
【0184】
本発明の硬化性難燃組成物には、流動性の調整のため、さらに流動調整剤を添加することもできる。用いる流動性調整剤としては、例えば、硬化性難燃組成物をナイフコート、ブレードコート、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコート、スロットオリフィスコート、スプレーコート、ブラッシュコートなどで対象物に塗布する場合などに、硬化性難燃組成物の流動性を適宜調節できるものが好ましく、例えば、無機及び有機充填剤、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。
【0185】
無機充填剤としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩化合物等が挙げられる。有機充填剤としては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。
【0186】
ワックスとしては、ポリアミドワックス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。界面活性剤としては、シリコンオイル、高級脂肪酸エステル、アミド等が挙げられる。これらの流動性調整剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0187】
上記流動性調整剤のうち、無機充填剤を使用すると、硬化性難燃組成物の流動性だけではなく、密着性、硬度などの特性も改良できるため好ましい。
【0188】
また、本発明の硬化性難燃組成物には必要に応じて、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等の添加剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。増粘剤としては、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等が挙げられる。
【0189】
消泡剤は、印刷、塗工時及び硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤等が挙げられる。
【0190】
レベリング剤は、印刷、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤等が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
【0191】
また、他の添加剤として、本発明の主旨を損ねない範囲において、例えば保存安定性のための紫外線防止剤、可塑剤等も添加することができる。
【0192】
以下、硬化性難燃組成物の製造方法について説明する。
本発明の硬化性難燃組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造することができる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもかまわない。
【0193】
具体的には、上記した各成分を混合した後、溶融混練することが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機及びコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造することができる。
【0194】
溶融温度としては60℃〜130℃の範囲が好ましい。なお、溶媒等で希釈され、室温での粘度がインク状にまで下げられたレジスト用硬化性難燃組成物の場合には三本ロールやビーズミル等の公知の混練方法により製造することもできる。
【0195】
本発明の硬化性難燃組成物は、基板上などに適当な厚みで塗布し、熱処理、乾燥し、その後、露光、現像、熱硬化して硬化させることにより、レジスト等の硬化物とすることができる。
【0196】
本発明の硬化性難燃組成物は、様々な用途に使用することができるが、特に、光感度、現像性に優れ、かつ、硬化させて薄膜とした場合の基板との密着性、絶縁性、耐熱性、そり変形性、可撓性及び外観に優れるため、プリント配線基板等の絶縁保護被膜としての使用に適している。
【0197】
絶縁保護被膜を形成する場合には、例えば硬化性難燃組成物やインクを導電体によって回路が形成された基板上に10μm〜100μmの厚みで塗布した後、60℃〜100℃の温度範囲で、5〜30分間程度で熱処理して乾燥し、5μm〜70μmの厚みとした後、所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光し、未露光部分を現像液で除去して現像し、100℃〜180℃の温度範囲で、10分〜40分間程度熱硬化して硬化させる方法が挙げられる。
【0198】
この硬化性難燃組成物は、難燃性のみならず、硬化物とした場合の可撓性にとりわけ優れ、柔軟性に優れるため、FPC基板の絶縁保護被膜に用いるのに特に適していて、カールが少なく、取扱い性にも優れたFPC基板とすることができる。
また、多層プリント配線基板の層間の絶縁樹脂層等として使用してもよい。
【0199】
本発明において、露光に用いられる活性光は、公知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク等から発生する活性光が用いられる。感光層に含まれる光重合開始剤(c)の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合、活性光源は紫外線を有効に放射するものが好ましい。もちろん、光重合開始剤(c)が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナンスレンキノン等である場合には、活性光としては可視光が用いられ、その光源としては前記活性光源以外に写真用フラッド電球、太陽ランプなども用いられる。
【0200】
現像に用いる現像液には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア及びアミン類などのアルカリ水溶液を使用することができる。
【0201】
本発明の硬化性難燃組成物は、感光性ドライフィルムの感光層または感熱性ドライフィルムの感熱層に使用することもできる。これらドライフィルムは、重合体フィルムなどからなる支持体上に、硬化性難燃組成物からなる塗工層を有するものである。塗工層の厚みは10〜70μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
【0202】
支持体に使用される重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリプロピレン、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィルム等を使用することができ、これらのうち、ポリエステル及び低密度ポリエチレンからなるフィルムが好ましい。また、これらの重合体フィルムは、後に塗工層から除去する必要があるため、容易に除去可能であることが好ましい。これらの重合体フィルムの厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜30μmである。
【0203】
本発明において、感光性または感熱性ドライフィルムは、硬化性難燃組成物及び/またはインクを支持体上に塗布することにより塗工層を得る工程及び加熱装置等により加熱した熱風及び/または遠赤外線により塗工層を乾燥する工程を実施することにより製造することができる。
【0204】
また、形成された塗工層の上に、カバーフィルムを設けることにより、支持体、塗工層、カバーフィルムが順次積層され、塗工層の両面にフィルムを有するドライフィルムを製造することもできる。
【0205】
これらカバーフィルムはドライフィルムの使用時には剥がされるが、使用時までの間に塗工層上にカバーフィルムが設けられることにより、塗工層を保護することができる。
【0206】
本発明において用いるカバーフィルムとしては、上述した支持体に使用される重合体フィルムと同様のものを使用することができ、カバーフィルムと支持体と同じ材料であっても異なる材料であってもよく、また、厚みも同じであっても異なっていてもかまわない。
【0207】
上記ドライフィルムのうち、例えば感光性ドライフィルムを使用して、プリント配線基板に絶縁保護被膜を形成するためには、まず、感光性ドライフィルムの感光層と基板とを貼合する貼合工程を行う。ここで、カバーフィルムが設けられている感光性ドライフィルムを使用する場合には、カバーフィルムを剥がして感光層を露出させてから基板に接触させる。そして、感光層と基板とを加圧ローラなどを用いて、40℃〜120℃程度で熱圧着して、基板上に感光層を積層する。
【0208】
次いで、感光層を所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する露光工程と、感光層から支持体を剥離する工程と、現像液で未露光部分を除去し現像する現像工程と、感光層を熱硬化させる熱硬化工程を行うことによって、基板の表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線基板を製造することができる。
【0209】
また、このような感光性ドライフィルムを使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を形成してもよい。
【0210】
なお、露光に用いられる活性光及び現像液には、上述したものを同様に使用することができる。
【0211】
本発明の硬化性難燃組成物を使用することにより、難燃剤を含み優れた難燃性を有するにもかかわらず、外観が美しく高い可撓性が保たれ、また光感度や現像性に優れ、さらに耐熱性、電気絶縁性、配線基板に対する密着性などの性能をも満足する硬化膜を形成することができる。これら硬化膜は、特に、透明性、難燃性、可撓性、電気絶縁性、外観に優れるため、FPC基板のような薄い配線基板に使用した場合でも、カールが生じず、電気的性能や取扱い性にも優れた可撓性の良好な絶縁保護被膜を形成することができる。
【0212】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
【0213】
以下、製造例1〜3において、カルボキシル基を有する感光性プレポリマー(a)を合成した。
【0214】
[製造例1]
<EA−1>
ガス導入管、攪拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、旭チバ株式会社製のビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名「アラルダイト#2600」)291g、ビスフェノールA129g及び触媒としてのトリエチルアミン0.20gとを仕込み、150〜160℃で1時間反応させ、軟化点97℃、エポキシ当量1000g/equivのビスフェノールA型エポキシ化合物を得た。
【0215】
これにアクリル酸30g、禁止剤としてのモノメチルエーテルハイドロキノン0.45g及びエステル化触媒としてのトリフェニルホスフィン1.65gを仕込み、120℃で5時間反応させ、酸価1mgKOH/gの反応物を得た。さらにこれに、テトラハイドロ無水フタル酸168gを投入して120℃で酸価が100mgKOH/gになるまで反応させた。この反応には3時間を要した。これに溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート265gと三菱石油株式会社製の「スーパーゾール#1800」114gを投入し、エポキシアクリレート樹脂(EA−1)を得た。
【0216】
[製造例2]
<PUA−1>
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリマーポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社製「PLACCEL212」分子量1250)、3750g(=3mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸、402g(=3mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1554g(=7mol)及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、238g(=2.05mol)、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを、各々1.0gづつ投入した。
【0217】
攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了し、粘稠液体のウレタンアクリレート化合物を得た。得られたウレタンアクリレートの数平均分子量は25,000、酸価は40mgKOH/gであった。
【0218】
[製造例3]
<PUA−2>
ポリマーポリオールとして、ヘキサメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートに由来の単位を1:1で含むポリカーボネートジオール(分子量800)800g(=1mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸938g(=7mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1998g(=9mol)及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート238g(=2.05mol)を各々使用した以外は製造例1の<UA−1>と同様にして合成した。得られたウレタンアクリレート<UA−2>の数平均分子量は18,000、酸価は90mgKOH/gであった。
【0219】
[製造例4]
<硬化性難燃組成物の調製>
表1に示す配合割合(質量部)で上記製造例1〜3で製造した<EA−1>,<PUA−1>及び<PUA−2>を感光性プレポリマー(a)として用い、エチレン性不飽和基を有する化合物(b)、光重合開始剤(c)、熱硬化性樹脂、熱重合触媒からなるレジスト用硬化性樹脂材料(A)、水和金属化合物(B)、窒素化合物(C)、微粒子状無機化合物(D)、リン酸エステル化合物(E)及び溶媒とを混合して、実施例1〜10及び比較例1〜4に示す組成の硬化性難燃組成物を調製した。
【0220】
【表1】
Figure 2004012810
【0221】
なお、(A)成分の合成や組成物の調製には溶媒を使用しているが、表1の配合割合は全て乾燥後の固形分換算で表示しており、単位はグラムである。
【0222】
エチレン性不飽和基を有する化合物(b)としては、ウレタンアクリレート(商品名「EB1290K」ダイセル化学工業株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「M400」東亜合成株式会社製)を使用した。
【0223】
光重合開始剤(c)としては2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド(商品名「TPO」BASF社製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「イルガキュア651」チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(商品名「EAB−F」保土谷化学工業株式会社製)を使用した。
【0224】
水和金属化合物(B)としては、水酸化アルミニウム(商品名「ハイジライトH−43STE」昭和電工株式会社製)、水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5A」協和化学工業株式会社)、ハイドロタルサイト(商品名「DHT−4A」協和化学工業株式会社製)を使用した。
【0225】
窒素化合物(C)としては、ポリリン酸メラミン(商品名「MPP−A」三和ケミカル社製等)、リン酸アミド(商品名「SP−703」四国化成工業社製)を使用した。リン酸エステル化合物(E)としては、芳香族縮合リン酸エステル(商品名「PX−200」大八化学工業株式会社製)を使用した。
【0226】
微粒子状無機化合物(D)としては、SEM観察から求めた平均粒子径0.5μmのY型合成ゼオライト(商品名「JRC−Z−HY5.5」東ソー株式会社製)、酸性白土(商品名「ミズカエース#300」水澤化学工業株式会社製)、有機モンモリロナイト(商品名「I.28E」Nanocor社製)を使用した。酸性白土及び有機モンモリロナイトはジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)とミクロンセパレーター(ホソカワミクロン株式会社製)にて粉砕分級したものを使用した。マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)で求めた平均粒子径はそれぞれ3.8μm、2.3μmであった。
【0227】
熱硬化性樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名「YL6121H」ジャパンエポキシレジン株式会社製)とポリサルファイド型エポキシ樹脂(商品名「FLEP−60」東レチオコール株式会社製)を使用した。熱重合触媒としては、メラミン(日産化学工業株式会社製)を使用した。
【0228】
[製造例5]
<感光性ドライフィルムの作製>
上記実施例1〜10、比較例1〜4でメチルセロソルブアセテートを溶媒として調製した難燃組成物(粘度5,000mPa・s)を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレードを使用して塗工し、80℃で7分間乾燥して感光層を形成した後、その上に25μm厚のポリエチレンフィルムを貼合して、カバーフィルムを有する感光性ドライフィルムを作製した。乾燥後の感光層の膜厚は25±1μmであった。
【0229】
[製造例6]
<積層物試験片の作製>
上記感光性ドライフィルムのカバーフィルムを剥がし、感光層を70℃に加熱し、一方、評価用基板を60℃に加温し、感光層と評価用基板とを、加圧ロールを具備したラミネーターで貼合し、積層物試験片を得た。なお、評価用基板としては、下記の(1)及び(2)を使用した。
(1)銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(ユピセル(登録商標)N、宇部興産株式会社製)を1%硫酸水溶液で洗浄し、水洗後、空気流で乾燥したもの。
(2)25μm厚ポリイミドフィルム(カプトン(登録商標)100H、東レ・デュポン株式会社製)
【0230】
[製造例7]
<積層物試験片の露光、現像、熱硬化>
得られた各積層物試験片を、超高圧水銀ランプを有する露光機(ウシオ電機株式会社製)ML−251A/Bを用いて300mJ/cmで露光した。
【0231】
次に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間、続けて30℃の水で60秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去し現像後、150℃、30分の加熱処理を行い、銅張り積層板(評価用基板(1)を使用)とポリイミド積層板(評価用基板(2)を使用)を得た。
【0232】
なお、光感度、現像性の評価試料の作製時には、ネガパターンとして日立化成21段ステップタブレットを用いて露光した。
【0233】
はんだ耐熱性の評価試料の作製時には、ネガパターンとして4cm×6cmの範囲に1cm×1cmの正方形と2cm長さの1mm/1mm(ライン/スペース)のシャドー部を有するネガマスクを使用した。また、電気絶縁性については、IPC(Institute for Interconnecting and Packaging Electronic Circuit)規格のIPC−Cを使用した。その他の評価試料の作製時にはネガパターンを使用しなかった。
【0234】
[物性評価試験]
得られた評価試料の物性評価は以下のようにして実施した。結果を表2に示す。
評価項目としては、燃焼性、光感度、現像性、屈曲性、ヤング率、はんだ耐熱性、鉛筆硬度及び電気絶縁性(絶縁抵抗)であり、評価方法は各々下記に示すとおりである。
【0235】
なお、下記物性評価において、「燃焼性」、「屈曲性」については、ポリイミド積層板について評価し、「光感度」、「現像性」、「はんだ耐熱性」、「鉛筆硬度」については銅張り積層板について評価し、「電気絶縁性」については市販基板(IPC−C)に上記実施例1〜8、比較例1〜4の各硬化性難燃組成物からなる層(層の厚み25μm)を設けたものを使用した。その他の各評価は銅張り積層板について評価した。
【0236】
<燃焼性評価>
試験片は、以下の方法で作成した。厚み25μm、200mm×50mmのポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製,「カプトン100H」)の両面に、厚みが25μmの硬化性難燃組成物層を設け、その後、300mJ/cmでUV照射後、150℃、30分で熱硬化させた。この試料を70℃で168時間状態調整した後、260℃のサンドバスにて10秒のソルダーショック処理を行ない難燃試験用の試料とした。
【0237】
燃焼特性は米国のUnderwriters Laboratories Inc.(以下「UL」という。)の高分子材料の難燃性試験規格94UL−VTM試験に準拠した方法で難燃性を評価した。
【0238】
なお、表2中、「VTM」及び「NOT」は、以下の基準による。
「VTM−0」:下記の要求事項をすべて満足するもの
(1)全ての試験片は、各回接炎中止後10秒を越えて有炎燃焼しない。
(2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、有炎燃焼時間の合計が50秒を超えないこと。
(3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達しないこと。
(4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しないこと。
(5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼の合計は30秒を超えないこと。
(6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適しないとき、または有炎時間の合計が51秒から55秒の範囲にあるときは、さらに5個の試験片を試験し、すべてが上記(1)から(5)を満足すること。
【0239】
「VTM−1」:下記の要求事項をすべて満足するもの
(1)全ての試験片は、各回接炎中止後30秒を越えて有炎燃焼しない。
(2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、有炎燃焼時間の合計が250秒を超えないこと。
(3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達しないこと。
(4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しないこと。
(5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼の合計は60秒を超えないこと。
(6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適しないとき、または有炎時間の合計が251秒から255秒の範囲にあるときは、さらに5個の試験片を試験し、すべてが上記(1)から(5)を満足すること。
【0240】
「VTM−2」:下記の要求事項をすべて満足するもの
(1)全ての試験片は、各回接炎中止後30秒を越えて有炎燃焼しない。
(2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、有炎燃焼時間の合計が250秒を超えないこと。
(3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達しないこと。
(4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しても良い。
(5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼の合計は60秒を超えないこと。
(6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適しないとき、または有炎時間の合計が251秒から255秒の範囲にあるときは、さらに5個の試験片を試験し、すべてが上記(1)から(5)を満足すること。
「NOT」:以上のクラスいずれにも合格しないこと。
【0241】
<光感度評価>
ネガパターンとして日立化成21段ステップタブレットを試料上に重ね、露光、現像処理後、得られた銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、硬化性難燃組成物の光感度を評価した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。
・現像性
光感度評価時において、現像時に1質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用いて温度30℃、スプレー圧2kg/cmの条件で1分間現像させた後の塗膜の状態を目視判定した。表2中、略号は以下の意味を表す。
【0242】
○:現像できたもの
△:現像残りが若干あり
×:現像残りがある
【0243】
<屈曲性評価>
ポリイミド積層板を、感光層からなる硬化膜を内側にして180度に折り曲げて硬化膜の白化の有無を調べた。
○:硬化膜の白化なし。
×:硬化膜の白化あり。
【0244】
<ヤング率評価>
露光、現像、熱硬化過程を経た硬化性難燃組成物を幅15mm、長さ150mmにカットした試料片を作成し、引張試験機テンシロン(株式会社エーアンド・ディ社製)にて引張試験を行なった(チャック間距離100mm、引張速度2mm/分、歪速度0.02/分、23℃)。
【0245】
<はんだ耐熱性評価>
JIS C−6481の試験法に準じて、銅張り積層板を260℃のはんだ浴に10秒間フロートさせることを1サイクルとして、それぞれ1サイクル及び3サイクル、ハンダフローさせたのちの硬化膜の「フクレ」と「密着性」とを総合的に判定評価した。
【0246】
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化しているもの
△:硬化膜の10%未満が剥れたもの
×:硬化膜が全面的に剥れたもの
【0247】
<鉛筆硬度評価>
JIS K−5400の試験法に準じて、実施した。
<電気絶縁性(絶縁抵抗)評価>
市販の基板(IPC規格)のIPC−C(櫛型パターン)上に、実施例1〜8及び比較例1〜4の各硬化性難燃組成物層を設け、その積層板を85℃、相対湿度100%の雰囲気下において192時間放置し、この処置前後で絶縁抵抗値を測定して電気絶縁性を評価した。絶縁抵抗値の測定は、処置前後の基板をJISC5012に準じて100V直流電圧を加え1分間保った後、その電圧印加状態で電気絶縁計にて行なった。
【0248】
[製造例8]
<積層物試験片の作製>
実施例1、2、8、9及び比較例1、2でカルビトールアセテートを溶媒として調製した各硬化性難燃組成物(粘度20,000mPa・s)を、評価用基板上に乾燥後の膜厚がおよそ25μmになるように、150メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布した。
【0249】
塗布した硬化性難燃組成物を70℃、30分で乾燥させ、積層物試験片を作製した。感光層の最終膜厚は25±2μmであった。なお、評価用基板としては、下記の(1)及び(2)を使用した。
(1)銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(「ユピセル(登録商標)N」、宇部興産株式会社製)を1%硫酸水溶液で洗浄し、水洗後、空気流で乾燥したもの。
(2)25μm厚ポリイミドフィルム(「カプトン(登録商標)100H」、東レ・デュポン株式会社製)これらについても試験例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0250】
【表2】
Figure 2004012810
【0251】
【発明の効果】
本発明の硬化性難燃組成物は、優れた難燃性と柔軟性、そしてはんだ耐熱性を有する絶縁保護膜を形成することができるため、特にFPC用カバーレイ、ソルダーレジスト等の形成材料として好適に用いることができるとともに、難燃性の要求される塗料、接着剤等に幅広く利用することができる。

Claims (44)

  1. レジスト用硬化性樹脂材料(A)、水和金属化合物(B)及び窒素化合物(C)を含有することを特徴とする硬化性難燃組成物。
  2. レジスト用硬化性樹脂材料(A)が、光硬化性樹脂材料である請求項1に記載の硬化性難燃組成物。
  3. 光硬化性樹脂材料が、アクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマー(a)、前記感光性プレポリマー(a)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(b)、及び光重合開始剤(c)を含むことを特徴とする請求項2に記載の硬化性難燃組成物。
  4. 感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の硬化性難燃組成物。
  5. 感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性難燃組成物。
  6. カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgKOH/g〜150mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性難燃組成物。
  7. 感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性難燃組成物。
  8. カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が5mgKOH/g〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項7に記載の硬化性難燃組成物。
  9. 感光性プレポリマー(a)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物及びカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の硬化性難燃組成物。
  10. カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物とカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の質量比が9:1〜1:9であることを特徴とする請求項9に記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  11. カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物が、酸価が5mgKOH/g〜60mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、酸価が60mgKOH/g〜150mgKOH/gのカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の混合物であることを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  12. レジスト用硬化性樹脂材料(A)が、熱硬化性樹脂材料である請求項1に記載の硬化性難燃組成物。
  13. 熱硬化性樹脂材料が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の硬化性難燃組成物。
  14. エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、N−グリシル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂及びテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項13に記載の硬化性難燃組成物。
  15. 熱硬化性樹脂及び必要に応じて用いられる熱重合触媒を含有することを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  16. 有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  17. 水和金属化合物(B)の熱分解時の吸熱量が400J/g以上であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  18. 水和金属化合物(B)が、水酸化アルミニウム及び/または水酸化マグネシウムである請求項1〜17のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  19. 水和金属化合物(B)が、ハイドロタルサイトまたはハイドロタルサイト類化合物である請求項1〜17のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  20. 水和金属化合物(B)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し10〜100質量部配合することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  21. 窒素化合物(C)が、リン酸アミド、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項1〜20のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  22. 窒素化合物(C)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し10〜80質量部配合することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  23. 微粒子状無機化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  24. 微粒子状無機化合物(D)がゼオライトであることを特徴とする請求項23に記載の硬化性難燃組成物。
  25. 微粒子状無機化合物(D)が粘土鉱物であることを特徴とする請求項23に記載の硬化性難燃組成物。
  26. 微粒子状無機化合物(D)がアルミ架橋粘土であることを特徴とする請求項23に記載の硬化性難燃組成物。
  27. リン酸エステル化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  28. リン酸エステル化合物(E)のリン原子が5価である請求項27に記載の硬化性難燃組成物。
  29. リン酸エステル化合物(E)が、芳香族基を有する化合物である請求項27または28に記載の硬化性難燃組成物。
  30. リン酸エステル化合物(E)を、レジスト用硬化性樹脂材料(A)100質量部に対し1〜20質量部配合することを特徴とする請求項27〜29のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  31. 粘度が500〜500,000mPa・s(25℃)であることを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の硬化性難燃組成物。
  32. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  33. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物及び着色剤を含有することを特徴とするレジストインク。
  34. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物を用いることを特徴とするレジスト材料。
  35. 支持体上に請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物から形成された感光層または感熱層を有することを特徴とするドライフィルム。
  36. 支持体が、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項35に記載のドライフィルム。
  37. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物からなることを特徴とする絶縁保護被膜。
  38. 請求項37に記載の絶縁保護被膜を有することを特徴とするプリント配線基板。
  39. 請求項1〜31のいずれかに記載の硬化性難燃組成物または請求項33に記載のレジストインクを支持体上に塗布することにより、塗工層を得る工程を含むドライフィルムの製造方法。
  40. 支持体上に塗布した塗工層を乾燥する工程を含む請求項39に記載のドライフィルムの製造方法。
  41. 塗工層の乾燥を、熱風及び/または遠赤外線により行う請求項40に記載のドライフィルムの製造方法。
  42. 乾燥した塗工層上に保護フィルムを貼合する工程を含む請求項39〜41に記載のドライフィルムの製造方法。
  43. 乾燥した塗工層上に画像状にエネルギー線を照射する工程、未露光部のレジスト層を現像により除去する工程及び熱硬化する工程を含むことを特徴とするレジストの製造方法。
  44. エネルギー線が可視光或は紫外線であり、厚み5〜70のレジスト層を50〜2000mJ/cmのエネルギー線の照射量で硬化することを特徴とする請求項43に記載のレジストの製造方法。
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