JP2018063405A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、皮膜を形成し、この皮膜を露光してから熱硬化することで電気絶縁層を作製することができる感光性樹脂組成物であって、電気絶縁層のシワを抑制することができる感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)と、着色剤(B)と、光重合開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、エポキシ化合物(E)とを含有する。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方と、ウレタン結合とを含有するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関する。より詳細には、プリント配線板にソルダーレジスト層等の電気絶縁層を形成する際に好適に用いることができる感光性樹脂組成物に関する。
従来、プリント配線板を製造する際、ソルダーレジスト層、メッキレジスト層、エッチングレジスト層、層間絶縁層等の電気絶縁層を形成するために種々の電気絶縁性の樹脂組成物が使用されている。この樹脂組成物は、例えば感光性樹脂組成物である。
感光性樹脂組成物を用いて電気絶縁層に難燃性、低反り、及び優れた折り曲げ性を付与するために、例えば特許文献1には、カルボキシル基含有ウレタン樹脂を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。このカルボキシル基含有ウレタン樹脂は、ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂ともいう)に一塩基酸を反応させて得られるジオール化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。
この感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光してから熱硬化することで、電気絶縁層を作製できる。
しかし、特許文献1の感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光させて硬化させる際、皮膜の深部は硬化しにくいため、露光後の皮膜には表層と深部との間で硬化の程度に差が生じやすい。そのため、皮膜を熱硬化させると、表層と深部との硬化収縮に差が生じることで、電気絶縁層の表面にシワが生じやすくなる。
特許第5415923号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、皮膜を形成し、この皮膜を露光してから熱硬化することで電気絶縁層を作製することができる感光性樹脂組成物であって、電気絶縁層のシワを抑制することができる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明に係る一態様の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)と、着色剤(B)と、光重合開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、エポキシ化合物(E)とを含有し、前記カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方と、ウレタン結合とを含有するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)を含む。
本発明によれば、感光性樹脂組成物から皮膜を形成し、この皮膜を露光してから熱硬化することで電気絶縁層を作製する際に、電気絶縁層のシワを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る感光性樹脂組成物を説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」と「メタクリル」のうち少なくとも一方を意味する。例えば、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとのうち少なくとも一方を意味する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)と、着色剤(B)と、光重合開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、エポキシ化合物(E)とを含有する。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)を含む。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方と、ウレタン結合とを含有する。
感光性樹脂組成物がカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)を含有することで、感光性樹脂組成物の感光性を向上させることができる。このため、感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光する際の光量を低くしても、皮膜の硬化の程度をその表層から深部にわたって均一化できる。このため、露光後の皮膜を更に熱硬化させることで電気絶縁層を作製する際に、電気絶縁層の表面にシワを生じさせにくくできる。
また、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)がウレタン結合を含有することで、電気絶縁層に柔軟性を付与することができ、これにより、電気絶縁層にシワを更に生じさせにくくできる。さらに、皮膜のタック性を抑制することもできる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、樹脂(A2)を含むことができる。樹脂(A2)は、エポキシ化合物(F1)と、不飽和基含有カルボン酸(a11)との反応物である中間体と、多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)との反応物である。すなわち、エポキシ化合物(F1)を不飽和基含有カルボン酸(a11)と反応させることで中間体を合成し、この中間体を、多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)と反応させることで、樹脂(A2)を合成できる。エポキシ化合物(F1)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方を含有できる。
不飽和基含有カルボン酸(a11)の例は、一分子中にエチレン性不飽和基を1個のみ有するカルボン酸、及び一分子中にエチレン性不飽和基を複数有するカルボン酸を含む。一分子中にエチレン性不飽和基を1個のみ有するカルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートを含む。一分子中にエチレン性不飽和基を複数有するカルボン酸の例は、ヒドロキシル基を有する多官能のアクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物、及びヒドロキシル基を有する多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物を含む。より具体的には、エチレン性不飽和基を複数有する化合物の例は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタメタクリレートを含む。不飽和基含有カルボン酸(a11)は、これらの成分のうち1種又は2種以上を含有できる。特に不飽和基含有カルボン酸(a11)は、アクリル酸、及びメタクリル酸からなる群から選択される一種以上の成分を含むことが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される湿潤塗膜のベタ付きが充分に抑制されると共に、電気絶縁層(例えば、ソルダーレジスト層)の耐メッキ性、はんだ耐熱性が向上する。
多塩基酸無水物(a21)の例は、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族四塩基酸二無水物、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族四塩基酸二無水物を含む。多塩基酸無水物(a21)は、これらの成分のうち1種又は2種以上を含有できる。
エポキシ化合物(F1)は、例えば下記式(1)に示す構造を有する。式(1)中のXはメチレン基であり、Rは水素又はアルキル基である。エポキシ化合物(F1)は、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂の少なくとも一方の成分を含有する。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、例えば式(1)中のRがメチル基である構造を有する。フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、例えば式(1)中のRが水素である構造を有する。なお、式(1)中のnは、0又は正の数である。
Figure 2018063405
エポキシ化合物(F1)がフェノールノボラック型エポキシ樹脂である場合、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の例は、DIC株式会社製の品番EPICLON N−775、EPICLON N−770、EPICLON N−740、及びEPICLON N−730−S;新日鉄住金化学株式会社製の品番YDPN−638;並びに三菱化学株式会社製の品番jER 152、及びjER 154を含む。エポキシ化合物(F1)がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である場合、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の例は、DIC株式会社製の品番EPICLON N−695、EPICLON N−690、EPICLON N−680、EPICLON N−673、EPICLON N−670、EPICLON N−665、EPICLON N−665−LE、EPICLON N−660、EPICLON N−660−LE、EPICLON N−665−EXP−S,EPICLON N−662−EXP−S、EPICLON N−665−EXP,EPICLON N−665−EXP−S、EPICLON N−670−EXP−S、EPICLON N−672−EXP、EPICLON N−680−EXP−S、EPICLON N−673−70M、EPICLON N−673−80M、EPICLON N−680−75M、EPICLON N−690−70M、及びEPICLON N−690−75M;並びに新日鉄住金化学株式会社製の品番YDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5、YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704、及びYDCN−704Aを含む。
中間体は、例えば下記式(2)に示される反応によって、合成され得る。具体的には、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基に、不飽和基含有カルボン酸(a11)のカルボキシル基を反応させることにより、中間体が合成される。中間体は、下記式(3)に示す構造を含有する。中間体は、エポキシ化合物(F1)に由来する未反応のエポキシ基を含有し得る。なお、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基はすべて反応させてもよく、すなわち、中間体は、未反応のエポキシ基を含有しなくてもよい。中間体は、下記式(3)に示す構造中の側鎖に二級の水酸基を含有する。式(2)で示される付加反応は、溶媒中で、重合禁止剤及び触媒(a51)の存在下で行われることが好ましい。
Figure 2018063405
Figure 2018063405
式(2)、(3)中、Aは不飽和基含有カルボン酸残基を示す。
樹脂(A2)は、中間体の二級の水酸基のうち、一部の水酸基と多塩基酸無水物(a21)とを反応させ、別の一部の水酸基とポリイソシアネート化合物(a31)とを反応させた構造を含有できる。すなわち、中間体の二級の水酸基のうち、一部の水酸基と多塩基酸無水物(a21)とを反応させ、別の一部の水酸基とポリイソシアネート化合物(a31)とを反応させることで、樹脂(A2)を合成できる。この場合、水酸基とポリイソシアネート化合物(a31)との反応で、ウレタン結合が形成される。このため、樹脂(A2)は、ウレタン結合を含有する。
中間体と多塩基酸無水物(a21)との反応は、例えば下記式(4)のように示される。具体的には、中間体の二級の水酸基と、多塩基酸無水物(a21)とでエステル化反応が生じて下記式(5)に示す構造(S5)が生成される。この構造(S5)は、側鎖にカルボキシル基を含有する。この場合、中間体の側鎖は、カルボキシル基を含有する。
なお、中間体が未反応のエポキシ基を含有しても、中間体と多塩基酸無水物(a21)との反応時には、多塩基酸無水物(a21)は、エポキシ基ではなく二級の水酸基と優先的に反応する。すなわち、二級の水酸基とエポキシ基とが共存する場合、多塩基酸無水物(a21)は、エポキシ基とは非常に反応し難く、二級の水酸基とは非常に反応しやすい。中間体と多塩基酸無水物(a21)とのエステル化反応は、溶媒中で、重合禁止剤及び触媒(a52)の存在下で行われることが好ましい。
Figure 2018063405
Figure 2018063405
式(4)及び(5)中、Aは不飽和基含有カルボン酸残基を示し、Bは多塩基酸無水物残基を示す。なお、多塩基酸無水物(a21)が酸二無水物である場合には、多塩基酸無水物が2つの水酸基と反応することで架橋構造が形成されるとともに、2つのカルボキシル基が生成する。
樹脂(A2)は、構造(S5)の側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基とを含有する。構造(S5)中のRは水素又はメチル基であるため、置換基Rによる立体障害は生じにくい。このため、樹脂(A2)は感光性樹脂組成物のUV感度を高くすることができる。さらに、樹脂(A2)は、光重合することで3次元立体構造をとりやすい。このため、樹脂(A2)は感光性樹脂組成物のUV硬化により生成する硬化物の架橋密度を高くすることができ、硬化物に高い白化耐性を付与しうる。
中間体と多塩基酸無水物(a21)とのエステル化反応時に使用される溶媒は、中間体の合成時に使用される溶媒と同じであってもよい。溶剤の例は、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;及び酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類を含む。これらの溶剤のうち一種のみが使用されても、二種類以上が併用されてもよい。
中間体と多塩基酸無水物(a21)とのエステル化反応時に使用される重合禁止剤は、中間体の合成時に使用される重合禁止剤と同じであってもよい。重合禁止剤の例は、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール、及びフェノチアジンを含む。これらの重合禁止剤のうち一種のみが使用されても、二種以上が併用されてもよい。
触媒(a52)は、触媒(a51)と同じであってもよい。触媒(a51)及び触媒(a52)として使用できる触媒の例は、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、及びトリフェニルホスフィン等のリン化合物を含む。これらの触媒のうち一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
エポキシ化合物(F1)と不飽和基含有カルボン酸(a11)とを反応させる際の、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基1molに対する不飽和基含有カルボン酸(a11)の量は、0.8〜1.2molの範囲内であることが好ましく、0.9〜1.1molの範囲内であることがより好ましい。また、中間体と多塩基酸無水物(a21)を反応させる際の、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基1molに対する多塩基酸無水物(a21)の量は、0.2〜0.8molの範囲内であることが好ましく、0.3〜0.7molの範囲内であることが好ましい。すなわち、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基1molに対して、不飽和基含有カルボン酸(a11)の量が0.8〜1.2molの範囲内であり、多塩基酸無水物(a21)の量が0.2〜0.8molの範囲内であることが好ましい。また、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基1molに対して、不飽和基含有カルボン酸(a11)の量が0.9〜1.1molの範囲内であり、多塩基酸無水物(a21)が0.3〜0.7molの範囲内であることがより好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の露光感度の向上と現像性の確保とを両立させることができる。
ポリイソシアネート化合物(a31)は、一分子中に−N=C=Oで表されるイソシアネート基を少なくとも2つ含有する化合物である。具体的には、ポリイソシアネート化合物(a31)は下記式(6)に示す構造を含有する。
Figure 2018063405
式(6)中、Rはイソシアネート残基を示す。
ポリイソシアネート化合物(a31)の例は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添化物、キシリレンジイソシアネートの水添化物、及びリジンジイソシアネートを含む。ポリイソシアネート化合物(a31)は、イソホロンジイソシアネートを含むことが好ましい。
中間体とポリイソシアネート化合物(a31)とが反応する場合、ポリイソシアネート化合物(a31)は、中間体の二級の水酸基と反応する。この場合、下記式(7)に示す構造(S7)が生成される。構造(S7)は、ウレタン結合を含有する。また、ポリイソシアネート化合物(a31)は、一分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を含有する。このため、ポリイソシアネート化合物(a31)と、中間体中の少なくとも2つの水酸基との反応で生じたウレタン結合により、架橋構造が形成される。中間体とポリイソシアネート化合物(a31)との反応は、溶媒中で、重合禁止剤及び触媒(a53)の存在下で行われることが好ましい。この場合、中間体の合成時に使用した溶剤、及び重合禁止剤をそのまま使用できる。触媒(a53)の例は、トリエチルアミン;ジブチルスズラウレート;ジブチルスズジアセテート;及びトリフェニルホスフィン等のリン化合物を含む。
Figure 2018063405
式(7)中、Rはイソシアネート残基を示す。
中間体とポリイソシアネート化合物(a31)とを反応させる際、ポリイソシアネート化合物(a31)の量は、エポキシ化合物(F1)のエポキシ基1molに対して、0.001〜0.4molの範囲内であることが好ましく、0.005〜0.2molの範囲内であることがより好ましく、0.01〜0.1molの範囲内であることがさらに好ましい。この場合、ウレタン結合に起因する柔軟性を電気絶縁層に付与することができ、これにより、電気絶縁層の表面にシワを生じさせにくくすることができる。また、過剰な架橋による分子量増大を防ぐことができ、良好な現像性が得られる。
樹脂(A2)の合成時に、多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)の各々を添加する順を変更することができる。例えば、中間体を、まず多塩基酸無水物(a21)と反応させてから、ポリイソシアネート化合物(a31)とを反応させる。他の例では、中間体をまずポリイソシアネート化合物(a31)と反応させてから、多塩基酸無水物(a21)と反応させる。更に他の例では、中間体を、同時に多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)と反応させる。なお、いずれの場合でも、樹脂(A2)は、中間体を由来とする未反応の二級の水酸基を含有してもよい。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)が樹脂(A2)含有する場合、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、不飽和基含有カルボン酸(a11)に由来するエチレン性不飽和基を有することで光反応性を有する。このため、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は感光性樹脂組成物に感光性、具体的には紫外線硬化性、を付与できる。また、樹脂(A2)がカルボキシル基を有することで、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は感光性樹脂組成物に、アルカリ性水溶液による現像性を付与できる。さらに、樹脂(A2)がウレタン結合を含有することで、樹脂(A2)の分子量が調整される。具体的には、樹脂(A2)は、中間体中の二級の水酸基同士をポリイソシアネート化合物(a31)で架橋することで形成されたウレタン結合を有し、このウレタン結合により、樹脂(A2)の分子量が調整される。そして、樹脂(A2)の分子量に伴って、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の分子量は調整される。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、樹脂(A3)を含むことができる。樹脂(A3)は、エポキシ化合物(F2)と、不飽和基含有カルボン酸(a12)との反応物である第一の中間体と、多塩基酸無水物(a22)及びポリイソシアネート化合物(a32)との反応物である第二の中間体と、エポキシ基を有する不飽和基含有単量体(a42)との反応物である。すなわち、エポキシ化合物(F2)を不飽和基含有カルボン酸(a12)と反応させて第一の中間体を合成し、この第一の中間体を多塩基酸無水物(a22)及びポリイソシアネート化合物(a32)と反応させて第二の中間体を合成し、この第二の中間体をエポキシ基を有する不飽和基含有単量体(a42)と反応させて、樹脂(A3)を合成できる。
第二の中間体は、樹脂(A2)と同じ構造を有することができ、樹脂(A2)を合成する場合と同じ方法で合成できる。このため、エポキシ化合物(F2)、不飽和基含有カルボン酸(a12)、第一の中間体、多塩基酸無水物(a22)及びポリイソシアネート化合物(a32)も、それぞれ樹脂(A2)を合成するために用いられるエポキシ化合物(F1)、不飽和基含有カルボン酸(a11)、中間体、多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)と同じ構造を有することができる。
不飽和基含有単量体(a42)は、一分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基とを含有する化合物である。不飽和基含有単量体(a42)の例は、3,4−エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを含む。
樹脂(A3)を作製するにあたって、不飽和基含有単量体(a42)のエポキシ基と第二の中間体中のカルボキシル基とを反応させる。なお、樹脂(A3)に未反応のカルボキシル基が残存することで、樹脂(A3)が酸価を有することが好ましい。不飽和基含有単量体(a42)と第二の中間体との反応は、溶媒中で、重合禁止剤及び触媒の存在下で行われることが好ましい。このような溶媒、重合禁止剤、及び触媒は、第二の中間体の合成時に使用したものと同じであってもよい。
不飽和基含有単量体(a42)の量は、エポキシ化合物(F2)のエポキシ基1molに対して、0.01〜0.4molの範囲内であることが好ましく、0.02〜0.3molの範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.25molであることがさらに好ましい。この場合、樹脂(A3)は、不飽和基含有単量体(a42)に由来するエチレン性不飽和基を有することで光反応性を有する。このため、樹脂(A3)を含むカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は感光性樹脂組成物に感光性、具体的には紫外線硬化性、を付与できる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)が樹脂(A3)含有する場合、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、不飽和基含有カルボン酸(a12)及び不飽和基含有単量体(a42)に由来するエチレン性不飽和基を有することで光反応性を有する。このため、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は感光性樹脂組成物に感光性、具体的には紫外線硬化性、を付与できる。また、樹脂(A3)がカルボキシル基を有することで、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は感光性樹脂組成物にアルカリ性水溶液による現像性を付与できる。樹脂(A3)がウレタン結合を含有することで、樹脂(A3)の分子量が調整される。具体的には、樹脂(A3)は、第一の中間体中の二級の水酸基同士をポリイソシアネート化合物(a32)で架橋することで形成されたウレタン結合を有し、このウレタン結合により、樹脂(A3)の分子量が調整される。そして、樹脂(A3)の分子量に伴って、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の分子量は調整される。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の重量平均分子量は8000〜50000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲内である場合、感光性樹脂組成物を硬化させて電気絶縁層を作製する際に、良好なアルカリ現像性を得ることができる。そして、得られる電気絶縁層にシワを生じにくくすることができる。また、重量平均分子量が8000以上であると、感光性樹脂組成物の皮膜におけるタック性を更に抑制すると共に感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層の絶縁信頼性及び耐メッキ性を更に向上できる。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の重量平均分子量は、より好ましくは、9000〜40000の範囲内であり、更に好ましくは、10000〜30000の範囲内である。このようなカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の重量平均分子量は、ウレタン結合によってカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の分子量が調整されることで、達成できる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィによる分子量測定結果から算出される。ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィでの分子量測定は、例えば、次の条件の下で行うことができる。
GPC装置:昭和電工社製 SHODEX SYSTEM 11、
カラム:SHODEX KF−800P,KF−005,KF−003,KF−001の4本直列、
移動相:THF、
流量:1ml/分、
カラム温度:45℃、
検出器:RI、
換算:ポリスチレン。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)のみを含有してもよく、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)以外のカルボキシル基含有不飽和樹脂を含有してもよい。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)以外のカルボキシル基含有不飽和樹脂は、感光性のソルダーレジスト用組成物などに使用されている公知の化合物であってよい。
感光性樹脂組成物の固形分量に対するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A)の含有割合は、例えば15〜60質量%の範囲内であり、好ましくは20〜55質量%の範囲内である。なお、ここでいう固形分量とは、感光性樹脂組成物から皮膜を形成する過程で揮発する溶剤などの成分を除いた、全成分の合計量のことである。
カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)全体に対するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の含有割合は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上である。カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)全体に対するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の含有割合の上限値は、特に限定されないが、例えば、100質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層の表面にシワを生じさせにくくできると共に、電気絶縁層の耐熱性及び絶縁信頼性を特に向上させることができる。また、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を抑制することができる。更に、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性を確保することができる。
感光性樹脂組成物は、着色剤(B)を含有する。着色剤(B)は、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層に色を付与することができる。着色剤(B)は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を含むことができる。顔料は、無機粉末及び有機金属粉末のうち少なくとも一方を含むことができる。顔料は、樹脂組成物中に分散されるものであってもよい。染料は、有機化合物であってもよい。染料は、樹脂組成物中で溶解するものであってもよい。
着色剤(B)は黒色着色剤(B1)を含むことが好ましい。着色剤(B)が黒色着色剤(B1)を含む場合、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層が良好な隠蔽性を有することができる。さらに、感光性樹脂組成物は高い感光性を有するため、感光性樹脂組成物が黒色着色剤(B1)を含有しても、感光性樹脂組成物から形成される皮膜の露光時に、皮膜を表層から深部にわたって均一に硬化させることができる。黒色着色剤(B1)は、カーボンブラック、ナフタレンブラック、チタンブラック、及びペリレン系黒色着色剤の群から選択される少なくとも1種の成分を含むことができる。ぺリレン系黒色着色剤は、例えば、カラーインデックス(C.I.)ピグメントブラック31、及びカラーインデックス(C.I.)ピグメントブラック32の群から選択される少なくとも1種の成分を含むことができる。また、ペリレン系黒色着色剤は上記の成分以外に、カラーインデックスの番号はないが、ペリレン系の近赤外線透過黒色着色剤として知られているBASF社のLumogen Black FK 4280及びLumogen Black FK 4281のうち、少なくとも一方を含有することができる。黒色着色剤(B1)の含有量は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に対して、0.01〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.05〜6質量%の範囲内であることよりが好ましく、0.1〜3質量%の範囲内であることが更に好ましい。
着色剤(B)は、黒色着色剤(B1)とは異なる着色剤(B2)を含むことができる。この場合、着色剤(B2)は、青色着色剤、黄色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤、及び白色着色剤の群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
青色着色剤の例は、フタロシアニン系青色着色剤、及びアントラキノン系青色着色剤を含む。フタロシアニン系青色着色剤の例は、金属置換又は無置換のフタロシアニン化合物を含む。青色着色剤は、顔料であってもよい。青色着色剤の具体例は、Pigment Blue 15;Pigment Blue 15:1;Pigment Blue 15:2;Pigment Blue 15:3;Pigment Blue 15:4;Pigment Blue 15:6;Pigment Blue 16;及びPigment Blue 60を含む。
黄色着色剤の例は、モノアゾ系黄色着色剤、ジスアゾ系黄色着色剤、縮合アゾ系黄色着色剤、ベンズイミダゾロン系黄色着色剤、イソインドリノン系黄色着色剤、及びアントラキノン系黄色着色剤を含む。黄色着色剤は、染料であってよい。黄色着色剤の具体例は、Pigment Yellow 24;Pigment Yellow 108;Pigment Yellow 193;Pigment Yellow 147;Pigment Yellow 150;Pigment Yellow 199;Pigment Yellow 202;Pigment Yellow 110;Pigment Yellow 109;Pigment Yellow 139;Pigment Yellow 179;Pigment Yellow 185;Pigment Yellow 93;Pigment Yellow 94;Pigment Yellow 95;Pigment Yellow 128;Pigment Yellow 155;Pigment Yellow 166;Pigment Yellow 180; Pigment Yellow 120;Pigment Yellow 151;Pigment Yellow 154;Pigment Yellow 156;Pigment Yellow 175;及びPigment Yellow 181を含む。また、黄色着色剤の具体例は、PigmentYellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104,105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 及び183;並びにPigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127,152, 170, 172, 174, 176, 188, 及び198を更に含むことができる。
緑色着色剤の例は、フタロシアニン系緑色着色剤、アントラキノン系緑色着色剤、ペリレン系緑色着色剤、及び金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物を含む。緑色着色剤の具体例は、ピグメントグリーン7で表される着色剤;及びピグメントグリーン36で表される着色剤を含む。
赤色着色剤の例は、モノアゾ系赤色着色剤、ジスアゾ系赤色着色剤、アゾレーキ系赤色着色剤、ベンズイミダゾロン系赤色着色剤、ペリレン系赤色着色剤、ジケトピロロピロール系赤色着色剤、縮合アゾ系赤色着色剤、アントラキノン系赤色着色剤、及びキナクリドン系を含む。赤色着色剤の具体例は、Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23,31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258,266, 267, 268,及び269;Pigment Red37, 38, 及び41;Pigment Red 48:1,48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1,63:2, 64:1,及び68;Pigment Red 171;Pigment Red 175;Pigment Red 176;Pigment Red 185;Pigment Red 208; Pigment Red 123;Pigment Red 149;Pigment Red 166;Pigment Red 178;Pigment Red 179;Pigment Red 190;Pigment Red 194;Pigment Red 224;Pigment Red 254;Pigment Red 255;Pigment Red 264;Pigment Red 270;Pigment Red 272;Pigment Red 220;Pigment Red 144;Pigment Red 166;Pigment Red 214;Pigment Red 220;Pigment Red 221;Pigment Red 242;Pigment Red 168;Pigment Red 177;Pigment Red 216;Pigment Red 122;Pigment Red 202;Pigment Red 206;Pigment Red 207;並びにPigment Red 209を含む。アントラキノン系赤色着色剤の例は、カラーインデックス(C.I.)ピグメントレッド83、カラーインデックス(C.I.)ピグメントレッド168、カラーインデックス(C.I.)ピグメントレッド177、及びカラーインデックス(C.I.)ピグメントレッド216を含む。アントラキノン系赤色着色剤は、分散性と耐候性に優れている。
白色着色剤は、例えば、酸化チタンである。白色着色剤が酸化チタンである場合、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層は良好な隠蔽性を有することができる。なお、酸化チタン以外の白色の無機材料は、白色着色剤及び着色剤(B2)とはみなされない。
着色剤(B2)は、電気絶縁層に隠蔽性を付与できる着色剤であることが好ましい。着色剤(B2)は、例えば、青色着色剤、黄色着色剤、及び赤色着色剤の群から選択される少なくとも2種の成分を含むことができる。着色剤(B)が着色剤(B2)を更に含む場合、感光性樹脂組成物における黒色着色剤(B1)の含有量、特に黒色着色剤(B1)であるカーボンブラックの含有量を減らしても、電気絶縁層に良好な隠蔽性を付与できる。また、黒色着色剤(B1)の含有量を減らすことにより、皮膜の露光時における黒色着色剤(B1)による光の吸収を抑制できるため、光を皮膜の深部まで届きやすくできる。このため、皮膜の深部をより硬化させやすくなる。これにより、皮膜を表層から深部にわたってより均一に硬化させることができる。なお、着色剤(B2)は、緑色着色剤、紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤、及び白色着色剤の群から選択される少なくとも1種を更に含んでもよい。
感光性樹脂組成物は、光重合開始剤(C)を含有する。光重合開始剤(C)は、ラジカル系光重合開始剤を含むことができる。ラジカル系光重合開始剤は、例えば紫外線の照射により、ラジカルを生成する化合物である。
ラジカル系光重合開始剤の例は、ベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニル−ホスフィネート等のモノアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド等のビスアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;並びに、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤を含む。これらのうち、ラジカル系光重合開始剤は、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類、モノアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、及びオキシムエステル系光重合開始剤の群から選択される少なくとも2種の成分を含むことが好ましい。すなわち、光重合開始剤(C)は、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類、モノアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビスアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、及びオキシムエステル系光重合開始剤の群から選択される少なくとも2種の成分を含むことが好ましい。
光重合開始剤(C)の含有割合は、カルボキシル基含有樹脂(A)に対して、0.01〜50質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜25質量%の範囲内であり、更に好ましくは1〜20質量%の範囲内である。
感光性樹脂組成物は、光重合性化合物(D)を含有する。光重合性化合物(D)は、一分子中に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を含有する化合物である。光重合性化合物(D)の例は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;並びにジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートを含む。
光重合性化合物(D)は、三官能の化合物、すなわち一分子中に不飽和結合を3つ有する化合物を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光・現像する場合の解像性が向上すると共に、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性が特に向上する。三官能の化合物は、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート及びε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
光重合性化合物(D)は、リン含有化合物(リン含有不飽和化合物)を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層の難燃性が向上する。リン含有不飽和化合物は、例えば2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトエステルP−1M、及びライトエステルP−2M)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトアクリレートP−1A)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(具体例として大八工業株式会社製の品番MR−260)、並びに昭和高分子株式会社製のHFAシリーズ(具体例としてジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCA(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)との付加反応物である品番HFAー6003、及びHFA−6007、カプロラクトン変性ジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー3003、及びHFA−6127等)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
光重合性化合物(D)は、プレポリマーを含有してもよい。プレポリマーは、例えばエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させた後にエチレン性不飽和基を付加することで得られるプレポリマー、並びにオリゴ(メタ)アクリレートプレポリマー類からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。オリゴ(メタ)アクリレートプレポリマー類は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、及びスピラン樹脂(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。
光重合性化合物(D)の含有割合は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に対して5〜50質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは7〜40質量%の範囲内であり、更に好ましくは9〜35質量%の範囲内である。
感光性樹脂組成物は、エポキシ化合物(E)を含有する。エポキシ化合物(E)は、加熱環境下でカルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に含まれるカルボキシル基と反応する化合物である。このため、エポキシ化合物(E)は、感光性樹脂組成物に熱硬化性を付与できる。
エポキシ化合物(E)に含まれるエポキシ基の当量は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に含まれるカルボキシル基1当量に対して、0.5〜4.0の範囲内であり得る。エポキシ化合物(E)に含まれるエポキシ基の当量が0.5以上である場合、感光性樹脂組成物の硬化物である電気絶縁層の絶縁信頼性を向上させることができる。エポキシ基の当量が4.0以下である場合、現像性を向上させることができる。エポキシ基の当量は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に含まれるカルボキシル基1当量に対して、0.6〜3.5の範囲内であればより好ましく、0.7〜3.0の範囲内であれば更に好ましく、0.8〜2.5の範囲内であれば特に好ましい。
エポキシ化合物(E)は、結晶性エポキシ化合物(E1)を含むことができる。この場合、感光性樹脂組成物の現像性を向上させることができる。結晶性エポキシ化合物(E1)は、融点を有するエポキシ化合物である。
結晶性エポキシ化合物(E1)は、90〜300g/eqのエポキシ当量を有することができる。このエポキシ当量は、1グラム当量のエポキシ基を含有する結晶性エポキシ化合物のグラム重量である。結晶性エポキシ化合物(E1)の融点は、例えば70〜180℃の範囲内であってもよい。
結晶性エポキシ化合物(E1)の例は、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312)、ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番YX−4000)、ジフェニルエーテル型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品番YSLV−80DE)、ビスフェノール型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品番YSLV−80XY)、テトラキスフェノールエタン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として日本化薬株式会社製の品番GTR−1800)、ビスフェノールフルオレン型結晶性エポキシ樹脂を含む。
結晶性エポキシ化合物(E1)は、融点130℃以上の結晶性エポキシ化合物(E2)を含んでもよい。すなわち、エポキシ化合物(E)は結晶性エポキシ化合物(E2)を含んでもよい。この場合、感光性樹脂組成物の現像性を向上させることができる。さらに、露光後の皮膜を熱硬化させて電気絶縁層を作製する際に、電気絶縁層内に微小な空洞を生じさせることができる。すなわち、電気絶縁層は、微小な空洞を含有することができる。このような微小な空洞は、電気絶縁層の透明性を低減することができ、これにより、電気絶縁層は、より高い隠蔽性を有することができる。結晶性エポキシ化合物(E1)の融点は、130〜180℃の範囲内であることが更に好ましい。結晶性エポキシ化合物(E1)は、結晶性エポキシ化合物(E2)のみを含んでもよい。
微小な空洞は、次の理由により形成されると考えられる。露光後の皮膜は、光重合性化合物(D)の光重合物を含む。この状態で皮膜を加熱すると、皮膜に含まれる結晶性エポキシ樹脂(E2)が融解して皮膜は変形しようとする。しかし、皮膜は、上記の通り、光重合物を含有するため、結晶性エポキシ樹脂(E2)の融解による皮膜の変形は生じにくくなる。このようなことから、皮膜を熱硬化して得られる電気絶縁層内に微小な空洞が生じると考えられる。
結晶性エポキシ化合物(E2)の例は、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト(高融点タイプ)、ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312)、及びテトラキスフェノールエタン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として日本化薬株式会社製の品名GTR−1800)を含む。
エポキシ化合物(E)は、非晶性エポキシ化合物を含むことができる。非晶性エポキシ化合物は、融点を有さない化合物である。
エポキシ化合物(E)全体に対する結晶性エポキシ化合物(E2)の含有割合は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。エポキシ化合物(E)全体に対する結晶性エポキシ化合物(E2)の含有割合の上限値は、特に限定されないが、例えば、100質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましい。
感光性樹脂組成物は、メラミン(G)を含有できる。この場合、感光性樹脂組成物から作製される電気絶縁層と銅などの金属との間の密着性が高くなる。このため、感光性樹脂組成物が、プリント配線板用の絶縁材料として特に適する。また、電気絶縁層における耐メッキ性を向上させることができる。メラミン(G)は、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンである。
感光性樹脂組成物がメラミン(G)を含有する場合、メラミン(G)の量は、カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)に対して、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲内であれば更に好ましい。
感光性樹脂組成物は、メラミン(G)以外の密着性付与剤を含有してもよい。密着性付与剤の例は、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン;並びに2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を含む。
感光性樹脂組成物は、エポキシ化合物(E)を硬化させるための硬化剤を含有してもよい。硬化剤の例は、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルフォスフィン等のリン化合物;酸無水物;フェノール;メルカプタン;ルイス酸アミン錯体;及びオニウム塩を含む。硬化剤の具体例は、四国化成株式会社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、及び2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名);サンアプロ株式会社製のU−CAT3503N、及びU−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名);並びにDBU、DBN、U−CATSA102、及びU−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)を含む。
感光性樹脂組成物は、無機充填材を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される皮膜の硬化収縮を低減できる。無機充填材の例は、硫酸バリウム、結晶性シリカ、微粉シリカ、ナノシリカ、カーボンナノチューブ、タルク、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、クレー、珪酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チッ化アルミニウム、チッ化硼素、硼酸亜鉛、酸化亜鉛、硼酸アルミニウム、モンモリロナイト、セピオライトを含む。
感光性樹脂組成物は、硬化促進剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;並びに高分子分散剤からなる群から選択される一種以上の成分を含有してもよい。
上記のような感光性樹脂組成物の原料が配合され、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練されることにより、感光性樹脂組成物が調製され得る。感光性樹脂組成物の原料に液状の成分、粘度の低い成分等が含まれる場合には、原料のうち液状の成分、粘度の低い成分等を除く部分をまず混練し、得られた混合物に、液状の成分、粘度の低い成分等を加えて混合することで、感光性樹脂組成物を調製してもよい。
保存安定性等を考慮して、感光性樹脂組成物の成分の一部を混合することで第一剤を調製し、成分の残部を混合することで第二剤を調製してもよい。すなわち、感光性樹脂組成物は、第一剤と第二剤とを備えてもよい。この場合、例えば、感光性樹脂組成物の成分のうちエポキシ化合物(E)と、光重合性化合物(D)と、有機溶剤の一部と、を予め混合して分散させることで第一剤を調製し、感光性樹脂組成物の成分のうち残部を混合して分散させることで第二剤を調製してもよい。この場合、適時必要量の第一剤と第二剤とを混合して混合液を調製し、この混合液を硬化させて硬化物を得ることができる。
感光性樹脂組成物は、プリント配線板用の電気絶縁性材料として適している。すなわち、感光性樹脂組成物は、プリント配線板の電気絶縁層を作製するための材料に適している。電気絶縁層の例は、ソルダーレジスト層、メッキレジスト層、エッチングレジスト層、及び層間絶縁層を含む。電気絶縁層はソルダーレジスト層であることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト層は、感光性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。すなわち、感光性樹脂組成物は、ソルダーレジスト層に適した組成物であることが好ましい。
電気絶縁層は、感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光してから熱硬化させることで得られる。皮膜は、プリント配線板上に直接形成されてもよい。皮膜は、例えば、塗布法、又はドライフィルム法で形成され得る。塗布法の例は、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、及びスクリーン印刷法を含む。
塗布法で形成された皮膜は有機溶剤等の揮発成分を含む場合がある。そのため、必要に応じて、皮膜を加熱乾燥して有機溶剤を揮発させる。これにより皮膜を乾燥させることができる。皮膜を乾燥させる際の加熱温度は、例えば60〜120℃の範囲内に設定され得る。
ドライフィルム法では、まず、ポリエステル製などの適宜の支持体上に感光性樹脂組成物を塗布してから乾燥すること、支持体上に感光性樹脂組成物のドライフィルムが形成される。ドライフィルムは、感光性樹脂組成物の乾燥物である。ドライフィルムは、未硬化の状態で形成され得る。乾燥条件として、加熱温度を、例えば60〜120℃の範囲内に設定することができる。
支持体に形成されたドライフィルムを対象物であるプリント配線板の一表面に重ねてから、ドライフィルムとプリント配線板に圧力をかけ、続いて支持体をドライフィルムから剥離する。これにより、ドライフィルムは支持体上からプリント配線板上へ転写される。このようにして、プリント配線板の一表面に、ドライフィルムからなる皮膜が設けられる。
皮膜から電気絶縁層を作製するにあたって、まず皮膜を部分的に露光させて皮膜の一部を光硬化させる。このような手順では、例えばネガマスクを皮膜に当てがってから、ネガマスクを介して皮膜に紫外線が照射される。ネガマスクは、紫外線を透過させる露光部と紫外線を遮蔽する非露光部とを備える。紫外線の光源は、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LED、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、並びにg線、h線及びi線のうちの二種以上の組み合わせからなる群から選択される。
なお、露光方法として、ネガマスクを用いるものの、このネガマスクを皮膜に当てがわない投影露光法が採用されてもよい。また、露光方法として、ネガマスクを用いる方法以外の方法が採用されてもよい。例えば光源から発せられる紫外線を皮膜の露光すべき部分のみに照射する直接描画法で皮膜を露光してもよい。
また、ドライフィルム法では、支持体に形成されたドライフィルムを対象物であるプリント配線板の一表面に重ねてから、支持体を剥離することなく、支持体を介して紫外線を皮膜の露光すべき部分のみに照射してもよい。この場合、皮膜を露光させてから、現像前の皮膜から支持体を剥離する。
続いて、皮膜の現像処理が行われる。この現像処理では、皮膜のうち、露光された部分はプリント配線板上に残存し、露光されていない部分はプリント配線板上から除去される。また、現像処理では、感光性樹脂組成物の組成に応じた適宜の現像液を使用できる。現像液は、例えばアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液、又は有機アミンである。アルカリ性水溶液は、より具体的には例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水酸化リチウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する水溶液である。アルカリ性水溶液中の溶媒は、水のみであっても、水と低級アルコール類等の親水性有機溶媒との混合物であってもよい。有機アミンは、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
現像液は、アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液であることが好ましく、炭酸ナトリウム水溶液であることが特に好ましい。この場合、作業環境の向上及び廃棄物処理の負担軽減を達成できる。
続いて、皮膜を加熱して熱硬化させる。加熱の条件は、例えば加熱温度120〜200℃の範囲内、加熱時間30〜180分間の範囲内である。このようにして皮膜を熱硬化させることで、電気絶縁層の、例えば強度、硬度、耐薬品性を向上させることができる。好ましい加熱温度は130〜200℃の範囲内である。
必要により、現像処理後の皮膜は、加熱前と加熱後のうちの一方又は両方で、更に紫外線の下で露光されてもよい。この場合、皮膜の光硬化を更に進行させることができる。このため、電気絶縁層の強度、硬度、耐薬品性等を更に向上させることができる。
以上のようにして、プリント配線板上に電気絶縁層を作製できる。本実施形態では、上述の通り、感光性樹脂組成物は高い感光性を有することで、皮膜の露光時に皮膜をその表層から深部にわたって均一に硬化させることができる。そのため、露光後の皮膜を硬化させる際に、表層と深部との間の硬化収縮に差が生じにくくなり、その結果、電気絶縁層のシワを抑制できる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、低露光量での感光性を有することもでき、この場合、皮膜を露光する際の露光量が低くても、皮膜の硬化の程度を均一に維持しやすくなる。皮膜が低露光量での感光性を有することは、次の方法で確認できる。例えばプリント配線板上に感光性樹脂組成物を塗布することで湿潤塗膜を形成し、この湿潤塗膜を80℃で20分加熱することで、厚み20μmの皮膜を形成する。この皮膜に、紫外線を透過する露光部と紫外線を遮蔽する非露光部とを有するネガマスクを直接当てがった状態で、ネガマスクを介して皮膜に130mJ/cmの条件で紫外線を照射する。露光後の皮膜に30℃の1%NaCO水溶液を0.2MPaの噴射圧で60秒間噴射してから、純水を0.2MPaの噴射圧で60秒間噴射する。この処理後の皮膜を観察した結果、皮膜の露光された部分(硬化膜)が残存し、露光されてない部分が除去されて残渣が認められず、さらに150℃で60分間加熱して硬化膜を熱硬化した後、室温の電気絶縁層にシワの発生が認められない場合に、感光性樹脂組成物が、低露光量での感光性を有すると判断できる。
また、感光性樹脂組成物が黒色着色剤(B1)を含有する場合、電気絶縁層は高い隠蔽性を有することができ、特に電気絶縁層がプリント配線板上に形成される場合は、電気絶縁層がプリント配線板の配線を隠蔽することもできる。電気絶縁層がプリント配線板の配線を隠蔽することは、次の方法で確認できる。
ガラスエポキシ基材上に、銅製の配線を有するプリント配線板を用意する。以下、プリント配線板における、配線が形成されている領域を第1領域(R1)といい、配線が形成されていない領域を第2領域(R2)という。また、以下のL値、a値及びb値は、L表色系による値である。プリント配線板の第1領域(R1)のa値は、第2領域(R2)のa値よりも大きい。このプリント配線板上に、電気絶縁層を形成する。この電気絶縁層の、第1領域(R1)上にある部分のL値(以下、L1という)と、第2領域(R2)上にある部分のL値(以下、L2という)とを、測定する。L1−L2の式で算出される値ΔLが0に近い程、電気絶縁層は高い隠蔽性を有し、電気絶縁層が配線を外部から視認しにくくできると、評価できる。プリント配線板上の電気絶縁層におけるΔLは−0.4〜+0.4の範囲内であることが好ましい。また、電気絶縁層の、第1領域(R1)上にある部分のa値(以下、a1という)と、第2領域(R2)上にある部分のa値(以下、a2という)とを、測定する。a1−a2の式で算出される値Δaが0に近い程、電気絶縁層は高い隠蔽性を有し、電気絶縁層が配線を外部から視認しにくくできると、評価できる。プリント配線板上の電気絶縁層におけるΔaは−0.4以上+0.2未満の範囲内であることが好ましく、−0.2以上+0.2未満の範囲内であると特に好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(1)カルボキシル基含有不飽和樹脂の合成
(1−1)合成例A−1
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート76.2質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更にイソホロンジイソシアネート4.5質量部、ジブチルスズラウレート0.06質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度85℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1とした。カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1の赤外吸収スペクトルでは、2260cm−1で示されるイソシアネート基による吸収が確認できない程度に消失していたため、イソホロンジイソシアネートが反応に消費されたことを確認した。また、溶液A−1におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は13680であり、含有量は65質量%であった。
(1−2)合成例A−2
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−2の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番EPICLON N−775、エポキシ当量189)189質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート68.7質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更にイソホロンジイソシアネート4.5質量部、ジブチルスズラウレート0.06質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度85℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−2とした。カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−2の赤外吸収スペクトルでは、2260cm−1で示されるイソシアネート基による吸収が確認できない程度に消失していたため、イソホロンジイソシアネートが反応に消費されたことを確認した。また、溶液A−2におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は12841であり、含有量は65質量%であった。
(1−3)合成例A−3
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−3の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート76.2質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更にイソホロンジイソシアネート4.5質量部、ジブチルスズラウレート0.06質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度85℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた溶液の赤外吸収スペクトルでは、2260cm−1で示されるイソシアネート基による吸収が確認できない程度に消失していたため、イソホロンジイソシアネートが反応に消費されたことを確認した。その後、四つ口フラスコ内に更にグリシジルメタクリレート14.2質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート7.6質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度110℃、加熱時間8時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−3とした。溶液A−3におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は21818であり、含有量は65質量%であった。
(1−4)合成例A−4
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−4の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番EPICLON N−775、エポキシ当量189)189質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート68.7質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更に2,4−トリレンジイソシアネート4.35質量部、ジブチルスズラウレート0.06質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度85℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた溶液の赤外吸収スペクトルでは、2260cm−1で示されるイソシアネート基による吸収が確認できない程度に消失していたため、2,4−トリレンジイソシアネートが反応に消費されたことを確認した。その後、四つ口フラスコ内に更に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート15.7質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート8.3質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度110℃、加熱時間8時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−4とした。溶液A−4におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は20739であり、含有量は65質量%であった。
(1−5)合成例B−1
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−1の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート78.9質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−1とした。溶液B−1におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は7524であり、含有量は65質量%であった。
(1−6)合成例B−2
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−2の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番EPICLON N−775、エポキシ当量189)189質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−2とした。溶液B−2におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は7184であり、含有量は65質量%であった。
(1−7)合成例B−3
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−3の調製]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1001、エポキシ当量472)472質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート202質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン3質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(三菱ガス化学株式会社製、品番H−TMAn−S)118.9質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート158質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度110℃、加熱時間5時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更にイソホロンジイソシアネート4.5質量部、ジブチルスズラウレート0.06質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート5質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度85℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。このようにして得られた溶液の赤外吸収スペクトルでは、2260cm−1で示されるイソシアネート基による吸収が確認できない程度に消失していたため、イソホロンジイソシアネートが反応に消費されたことを確認した。その後、四つ口フラスコ内に更にグリシジルメタクリレート14.2質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート3.8質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度110℃、加熱時間8時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−3とした。溶液B−3におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は18792であり、含有量は65質量%であった。
(1−8)合成例B−4
[カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−4の調製]
還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を投入して混合することで混合物を調製した。この混合物を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら、加熱温度115℃、加熱時間12時間の条件で加熱して付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ内に更にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート76.2質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度90℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。続いて、四つ口フラスコ内に更にグリシジルメタクリレート14.2質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10.2質量部を添加した。そして、四つ口フラスコ内に空気を吹き込みながら、その混合物を加熱温度110℃、加熱時間8時間の条件で加熱した。このようにして得られた樹脂溶液をカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液B−4とした。溶液B−4におけるカルボキシル基含有不飽和樹脂の、重量平均分子量は8732であり、含有量は65質量%であった。
表1では、合成例A−1〜A−4及び合成例B−1〜B−4の各々の成分の組成と、反応条件を示している。
Figure 2018063405
[実施例1〜16及び比較例1〜4]
表2及び3に示す成分を3本ロールで混練して感光性樹脂組成物を得た。なお、表2及び3に示される成分の詳細は次の通りである。
・結晶性エポキシ化合物A:トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト(高融点型)、融点150〜158℃;
・結晶性エポキシ化合物B:ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDC−1312)、融点138〜145℃;
・結晶性エポキシ化合物C:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂(三菱化学製、品番YX−4000)、融点105℃;
・結晶性エポキシ化合物D:トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト(低融点型)、融点98〜107℃;
・非晶性エポキシ化合物Aの溶液:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番EPICLON N−695)を固形分含有量で75質量%となるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解させた溶液;
・非晶性エポキシ化合物Bの溶液:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番EPICLON N−775)を固形分含有量で75質量%となるようにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解させた溶液;
・光重合開始剤A:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製、品番Irgacure 907);
・光重合開始剤B:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製、品番Irgacure TPO);
・光重合開始剤C:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、品番Irgacure 184);
・光重合開始剤D:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、品番カヤキュアDETX−S);
・光重合開始剤E:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土ヶ谷化学工業株式会社製、品番EAB);
・光重合開始剤F:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(BASF社製、品番Irgacure OXE02);
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、品番KAYARAD DPHA);
・微粉シリカ:株式会社トクヤマ製、品番レオロシールMT−10;
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製、品番バリエースB30;
・タルク:東新化成株式会社製、品番SG2000;
・メラミン:日産化学工業株式会社製、品番メラミンHM;
・熱硬化触媒:四国化成工業株式会社製、品番キュアゾール2PHZ−PW;
・消泡剤:シメチコン(ジメチコンとケイ酸の混合物)(信越シリコーン株式会社製、品番KS−66);
・黒色着色剤A:カーボンブラック(Pigment Black 7);
・黒色着色剤B:ペリレンブラック(Pigment Black 31);
・青色着色剤A:Pigment Blue 15:3;
・青色着色剤B:Pigment Blue 15:1;
・赤色着色剤A:Pigment Red 177;
・赤色着色剤B:Pigment Red 48:3;
・黄色着色剤:Pigment Yellow 147;
・有機溶剤A:芳香族系混合溶剤(石油ナフサ);
・有機溶剤B:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
(テストピースの作製)
まず、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなる黄色基板の片面に厚み17.5μmの銅箔が張り付けられた銅箔張積層板を準備する。そして、エッチング処理により銅箔張積層板の銅箔から不要な部位を取り除いて配線回路を形成した。これにより、プリント配線板が形成された。このプリント配線板上に、実施例1〜16及び比較例1〜4の各々で得られた感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法で塗布することで、プリント配線板上に湿潤塗膜を形成した。これらの湿潤塗膜を、加熱温度80℃、加熱時間20分の条件で加熱することで予備乾燥した。このようにして、プリント配線板の銅箔上に厚み20μmの乾燥塗膜が形成された。乾燥塗膜上に紫外線を透過する露光部と紫外線を遮蔽する非露光部とを有するネガマスクを直接当てがい、このネガマスクを介して乾燥塗膜の一部に130mJ/cmの紫外線を照射し、別の一部に200mJ/cmの紫外線を照射した。乾燥塗膜に紫外線を照射する際、ネガマスクの露光部に合致する乾燥塗膜を選択的に露光させた。続いて、露光後の乾燥塗膜に30℃の1%NaCO水溶液を0.2MPaの噴射圧で60秒間噴射してから、純水を0.2MPaの噴射圧で60秒間噴射した。これにより、乾燥塗膜のうち、未露光の乾燥塗膜を除去しつつ、露光により硬化した部分(硬化膜)をプリント配線板上に残存させた。その後、150℃で60分間加熱して硬化膜を熱硬化させた。このようにして、プリント配線板上にソルダーレジスト層を形成した。そして、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板をテストピースとした。尚、比較例1の場合では、130mJ/cmの露光量で硬化させた硬化膜からなるソルダーレジスト層にシワが生じていた。このため、比較例1で露光量を130mJ/cmにした場合の評価については、現像性とタック性以外は行っていない。
(現像性)
実施例1〜16及び比較例1〜4の各々の現像性を評価するにあたって、上述のテストピースとは異なる現像性評価用テストピースを作製した。まず、プリント配線板上に上記と同様の方法で湿潤塗膜を形成した。そして、湿潤塗膜を加熱温度80℃、加熱時間20分で加熱された乾燥塗膜と、湿潤塗膜を加熱温度80℃、加熱時間80分で加熱された乾燥塗膜とを形成した。このようにして形成された乾燥塗膜のいずれも、その厚みは20μmであった。予備乾燥した後の乾燥塗膜に、炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施した。現像処理後の塗膜を観察し、次に示すように評価した。
A:加熱温度80℃の下で、加熱時間20分で乾燥させた塗膜と、加熱時間80分で乾燥させた塗膜とのうち、いずれも現像が可能であった。
B:加熱温度80℃、加熱時間20分で乾燥させた塗膜は現像が可能であったが、加熱温度80℃、加熱時間80分で乾燥させた塗膜では現像残渣が確認された。
C:加熱温度80℃の下で、加熱時間20分で乾燥させた塗膜と、加熱時間80分で乾燥させた塗膜とのうち、いずれも現像残渣が確認された。
(タック性)
各実施例及び比較例のテストピースの作製時に、露光後の皮膜からネガマスクを取り外す際の皮膜の粘着性の程度を、次に示すように評価した。
A:皮膜からネガマスクを取り外す際に抵抗が感じられず、ネガマスクを取り外した後の皮膜には貼付痕が認められない。
B:皮膜からネガマスクを取り外す際に抵抗が感じられ、ネガマスクを取り外した後の皮膜には貼付痕が認められた。
C:皮膜からネガマスクを取り外すことが困難であり、無理にネガマスクを取り外すと皮膜が破損した。
尚、タック性評価がCである比較例4については、以下の評価を行っていない。また、表2及び3における、実施例1〜16及び比較例1〜4の各々の評価結果のうち、左側の評価結果は露光量が200mJ/cmである場合を示し、右側の評価結果は露光量が130mJ/cmである場合を示す。
(鉛筆硬度)
JIS K5400の規定に準拠して、テストピースにおけるソルダーレジスト層の鉛筆硬度を測定した。鉛筆として三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)が用いられた。
(耐酸性)
室温下でテストピースを10%の硫酸水溶液に30分間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
A:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が認められない。
B:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が僅かに認められる。
C:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が顕著に認められる。
(はんだ耐熱性)
水溶性フラックス(ロンドンケミカル社製、品番LONCO 3355−11)を、テストピースのソルダーレジスト層に塗布し、続いてソルダーレジスト層を260℃の溶融はんだ浴に10秒間浸漬してから水洗した。この処理を3回繰り返してから、ソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次に示すように評価した。
A:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が認められない。
B:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が僅かに認められる。
C:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が顕著に認められる。
(耐メッキ性)
市販のメッキ液を用いて、テストピースに無電解ニッケルメッキと無電解金メッキを順次施した。その後、このソルダーレジスト層にセロハン粘着テープ剥離試験を行うことで、メッキ後のソルダーレジスト層と基板との密着状態、及びソルダーレジスト層の外観を確認した。その結果を、次のようにして評価した。
A:セロハン粘着テープ剥離試験でソルダーレジスト層の剥離は認められない。また、ソルダーレジスト層に変色は見られない。
B:セロハン粘着テープ剥離試験でソルダーレジスト層の一部剥離が認められる。または、ソルダーレジスト層に若干の変色が見られる。
C:セロハン粘着テープ剥離試験でソルダーレジスト層の大きな剥離が認められる。または、ソルダーレジスト層に強い変色が見られる。
(PCT耐性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に8時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
A:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常は認められない。
B:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が僅かに認められる。
C:ソルダーレジスト層にふくれ、剥離、変色等の異常が顕著に認められる。
(耐電蝕性)
IPC B−25のくし型電極Bクーポンに対してソルダーレジスト層が設けられるように、上記テストピースと同様の手順で、評価用プリント配線板を得た。この評価用プリント配線板のくし型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加しながら、40℃、90%R.H.の条件下に500時間曝露した。その後、評価用プリント配線板におけるマイグレーションの有無を確認して評価した。耐電蝕性の評価方法は次の通りである。
A:マイグレーションが確認されない。
B:若干のマイグレーションが確認される。
C:マイグレーションが発生している。
(回路隠蔽性)
テストピースの銅箔上のソルダーレジスト層と基板上のソルダーレジスト層との各々の外観色を分光測色計(コニカミノルタセンシング株式会社製、型番CM−600d)で数値化し、その数値はL表色系におけるL値及びa値で示された。そして、銅箔上のソルダーレジスト層のL値から基板上のソルダーレジスト層のL値を差し引いたΔL、及び銅箔上のソルダーレジスト層のa値から基板上のソルダーレジストのa値を差し引いたΔa値を求め、下記のように判定した。
A:ΔL値が−0.4〜+0.4の範囲内であり、Δa値が−0.2以上、+0.2未満の範囲内である。
B:ΔL値が−0.4〜+0.4の範囲内であり、Δa値が、−0.4以上、−0.2未満の範囲内、あるいは+0.2以上、+0.4未満の範囲内である。
C:ΔL値が−0.4〜+0.4の範囲外、あるいはΔa値が−0.4未満、あるいは+0.4以上である。
Figure 2018063405
Figure 2018063405

Claims (9)

  1. カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)と、着色剤(B)と、光重合開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、エポキシ化合物(E)とを含有し、
    前記カルボキシル基含有不飽和樹脂(A)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方と、ウレタン結合とを含有するカルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)を含む、
    感光性樹脂組成物。
  2. 前記カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)の重量平均分子量は8000〜50000の範囲内である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格の少なくとも一方を含有するエポキシ化合物(F1)と、不飽和基含有カルボン酸(a11)との反応物である中間体と、多塩基酸無水物(a21)及びポリイソシアネート化合物(a31)との反応物である樹脂(A2)を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記カルボキシル基含有不飽和樹脂(A1)は、クレゾールノボラック骨格及びフェノールノボラック骨格を含有するエポキシ化合物(F2)と、不飽和基含有カルボン酸(a12)との反応物である第一の中間体と、多塩基酸無水物(a22)及びポリイソシアネート化合物(a32)との反応物である第二の中間体と、エポキシ基を有する不飽和基含有単量体(a42)との反応物である樹脂(A3)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ化合物(E)は、結晶性エポキシ化合物(E1)を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記結晶性エポキシ化合物(E1)は、融点130℃以上の結晶性エポキシ化合物(E2)を含む、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記着色剤(B)は、黒色着色剤(B1)を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記着色剤(B)は、前記黒色着色剤(B1)とは異なる着色剤(B2)を含む、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. メラミン(G)を更に含有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
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