JP2004009914A - 自動ブレーキ装置 - Google Patents

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相澤 博昭
Shinsuke Sakane
坂根  伸介
Yuzo Imoto
井本  雄三
Masashi Kishimoto
岸本  正志
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Abstract

【課題】車両の各種安全装置から出される制動要求に対して、制動特性の異なる複数の自動ブレーキ装置を適宜作動させる。
【解決手段】車両VLは、各車輪4FR〜RLに油圧ブレーキ装置2と、後輪を制動する電動パーキングブレーキ3とを備えている。ブレーキ制御ECU1は、各種センサ8からの検出値および渋滞追従制御ECU71、車間制御ECU72、居眠り防止ECU73、・・・などの安全装置からなる制動要求出力手段からの制動要求を車内LANバス6を介して入力し、車速その他の車両状態に応じて制動要求の大きさを判定し、その判定結果に基づいて油圧ブレーキ装置2および電動パーキングブレーキ3を同時または切換えて作動する作動信号を出力する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、運転者自身による制動意志に基づく操作、すなわちブレーキペダルの踏込み操作やパーキングブレーキレバー(またはペダル)の操作によらず、車両側が自動的にブレーキ操作を行う自動ブレーキ装置がある。たとえば、特開昭52−124628号公報には、車両の前方にある障害物との相対速度、自車速度および減速度等から障害物との衝突の危険性を判断し、その判断結果に基づいて車両を停止させる自動ブレーキ装置が開示されている。
【0003】
また、特開平4−218458号公報には、ペダル操作量に応じた車両減速度を得るための液圧をホイールシリンダに供給する制御装置が開示されている。
【0004】
一方、実開昭54−105429号公報や特開昭59−143749号公報には、ブレーキスイッチがONのときに押しボタンスイッチの操作によりモータを作動させてパーキングブレーキのワイヤを巻き取り、アクセルペダルまたはクラッチペダル操作により、ブレーキ解除を行う電動パーキングブレーキが開示されている。
【0005】
しかし、上記いずれの従来技術においても、ホイールシリンダへの圧力付与によるブレーキ装置および電動パーキングブレーキ装置のように、複数の制動装置を備える場合には、各制動装置は各々独立して動作することになり、単一の制動要求あるいは複数の制動装置からの制動要求に対して、それら複数の制動装置を互いに関連付けて適切に併用する構成は考えられていなかった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、車両の各種安全装置から出される制動要求に対して、制動特性の異なる複数の自動ブレーキ装置を、適宜作動あるいは解除させて適切に併用することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1作動信号に基づき車両の各車輪に第1の制動力を発生させると共に、該第1作動信号の発生が解除されたとき前記第1の制動力が0に変化する第1ブレーキ手段と、第2作動信号に基づき前記車両の少なくとも一部の車輪に第2の制動力を発生させると共に、該第2作動信号の発生が解除されたとき前記第2の制動力を前記第2作動信号の発生の解除前の前記第2作動信号に基づく作動状態における値に保つ第2ブレーキ手段と、前記車両の走行状態に応じて制動要求信号を出力する制動要求出力手段と、前記制動要求信号に応じて前記第1作動信号および第2作動信号の発生を切換えてまたは同時に行い出力するブレーキ制御ECUと、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、動作状態から非動作状態への変化に伴い制動力が0になる第1ブレーキ手段と制動力が変化前の値に保持される第2ブレーキ手段とが、車両の走行状態に応じて制動要求出力手段が出力する制動要求信号により、切り換わってまたは同時に動作するので、車両を走行から停止へ、停止から走行へと状態変化させようとする場合に制動特性の異なる複数の自動ブレーキ装置を適宜作動または解除させることができる。
【0009】
上記第1ブレーキ手段は、請求項2に記載のように、前記第1作動信号に基づき制御される油圧により摩擦材を加圧して前記第1の制動力を発生するものや、請求項3に記載のように前記第1作動信号に基づき制御される電動機のトルクを直進運動に変換される直動力により摩擦材を加圧して前記第1の制動力を発生するものとすることができる。
【0010】
また、上記第2ブレーキ手段は、請求項4に記載のように、前記第2作動信号に基づき制御される電動機のトルクにより摩擦材を加圧して前記第2の制動力を発生するとともに、前記第2作動信号が非作動状態に変化したときに前記第2の制動力を保持する電動パーキングブレーキとすることができる。
【0011】
上記制動要求信号は、請求項5に記載のように、少なくとも前記車両の減速度、制動距離および制動時間または前記各車輪の制動圧のいずれか一つに相当するものとして与えることができる。
【0012】
また、上記制動要求信号は、請求項6に記載のように、少なくとも前記車両の減速度、制動距離および制動時間または前記各車輪の制動圧のいずれか一つの値の時間変化が予め定められたパターンとして与えることができる。
【0013】
上記ブレーキ制御ECUは、請求項7に記載のように、前記制動要求信号に基づき、高応答制動が必要と判定した場合には前記第1ブレーキ手段を動作させ、制動の長時間保持が必要と判定した場合には前記第2ブレーキ手段を動作させることができる。
【0014】
また、請求項8に記載のように、前記制動要求出力手段は、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなり、上記ブレーキ制御ECUは、前記複数の制動要求出力手段よりそれぞれ前記制動要求信号が出力されているときには、該制動要求信号の大きさを表わす要求値の最も大きい値を出力している制動要求出力手段の制動要求信号を選択し、該選択した制動要求信号に基づき前記第1または/および第2作動信号を出力することができる。
【0015】
また、この制動要求出力手段が、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなる場合、請求項9に記載のように、前記制動要求信号の大きさを表わす要求値に予め設定された前記制動要求出力手段の各重要度をそれぞれ掛けた値が最も大きい値を出力している制動要求出力手段の制動要求信号を選択することができる。
【0016】
また、前記ブレーキ制御ECUは、請求項10に記載のように、前記車両の走行状態として走行中か停止または停止間際かを判定し、走行中には主に前記第1作動信号を、停止または停止間際には前記第2作動信号を切り換えて出力することができる。
【0017】
請求項11に記載の発明は、前記制動要求出力手段は、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなり、前記ブレーキ制御ECUは、前記複数の制動要求手段よりそれぞれ前記制動要求信号が出力されているとき、一つの制動要求出力手段からの制動要求信号に基づき生成した前記作動信号より他の制動要求出力手段からの制動要求信号に基づき生成した作動信号へ、所定の時間勾配で変化させて出力する繋ぎ制御を行うことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ブレーキ制御ECUが、一つの制動要求出力手段の制動要求信号に基づく作動信号から他の制動要求出力手段の制動要求信号に基づく作動信号へ切換えて出力する場合、所定の時間勾配で変化させる繋ぎ制御を行うので、作動信号の切換わりを徐々に変化させることができ、第1または第2ブレーキ手段が発生する制動力変化を小さくして車両や乗員への衝撃を小さくすることができる。
【0019】
上記時間勾配は、請求項12に記載のように、少なくとも前記制動要求信号の緊急度、切り換わり前後の制動要求信号の値の差、制動要求出力手段の重要度および車両の状態のいずれか一つに基づき決めることができる。
【0020】
また、上記時間勾配は、請求項13に記載のように、前記車両の走行状態に応じて変化させることができる。
【0021】
なお、上記車両の走行状態は、請求項14に記載のように、車両の速度、路面摩擦係数および車両の積載荷重の少なくとも1つとすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の自動ブレーキ装置の全体構成図である。なお、車両VLの右前輪、左前輪、右後輪、左後輪をそれぞれ、FR、FL、RR、RLで表わす。
【0023】
本実施形態は、車両VLに搭載されている、ブレーキ制御ECU1と、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2と、油圧ブレーキ装置2と第1配管系統11および第2配管系統21でそれぞれダイアゴナル接続されている各車輪4FR、4RL、4FL、4RR毎のホイールシリンダ(以下、W/Cという)41FR、41RL、41FL、41RRと、第2ブレーキ手段としての電動パーキングブレーキ(以下、PKBという)3と、PKB3と後輪4RL、4RRのブレーキキャリパー4RL、4RRとを接続するブレーキワイヤ38a、38bと、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5と、各種電子機器の入出力信号を伝送する車内LANバス6と、制動要求出力手段7としての渋滞追従制御ECU71、車間制御ECU72、自動ブレーキECU73、緊急車両停止ECU74、エアバッグ制御ECU75、駐車アシストECU76、・・・と、操舵角センサやシフト位置センサ、運転操作状態を検出するセンサあるいは前方車両の相対速度および距離を検出するセンサなどの各種センサ群8およびハザードランプなどの各種ランプやブザーなどの警報装置からなるランプ・警報装置9とを備える。
【0024】
図2は、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2の構成を示す図である。マスターシリンダ(以下、M/Cという)10は、運転者により図示しないブレーキペダルが踏み込まれるとその踏力に応じたM/C圧を発生し、それぞれ第1配管系統11および第2配管系統21を介して各車輪に備えられたW/C41FR、41RL及び41FL、41RRに伝達され、第1の制動力を発生するようになっている。以下では、第1配管系統11、特に、右前輪4FRに関わる配管系統を中心に説明するが、他の車輪および第2配管系統についても同様である。
【0025】
第1配管系統11には、右前輪4FRおよび左後輪4RLのそれぞれに対して、アンチスキッド制御(以下、ABS制御という)において各W/C41FR、41RLの増圧および保持を調整する増圧制御弁14a、14bが設けられている。また、増圧制御弁14a、14bにそれぞれ並列に逆止弁141a、141bが設けられ、増圧制御弁14a、14bの遮断時にW/C圧が過剰となった場合に液流をM/C10側へ逃がすようになっている。この増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間から伸びる減圧管路12にはABS制御におけるW/C41FR、41RLの減圧、保持を調整する減圧制御弁15a、15bが設けられている。
【0026】
この減圧管路12はリザーバ16と接続されている。このリザーバ16に貯溜されるブレーキ液はモータ20により駆動されるポンプ17によって汲み上げられ第1配管系統11に吐出される。この吐出先は、増圧制御弁14a、14bと後述するマスタカット弁18との間となっている。モータ20は第2配管系統21におけるポンプ27も駆動している。なお、ポンプ17の吐出口には逆止弁171が設けられている。
【0027】
M/C10と増圧制御弁14a、14bとの間には、マスタカット弁(以下、SM弁という)18が配置されている。SM弁18は、非通電時は連通状態、通電時には図示方向の逆止弁による遮断状態となる2位置弁である。この遮断状態では、W/C41FR、41RL側の圧が逆止弁のばねによるクラッキング圧分M/C10側の圧よりも高くなったときにリリースされ、圧を逃がす構造となっている。このSM弁18には並列に逆止弁181が設けられており、M/C10側からW/C41FR、41RL側への流動のみが許容される。
【0028】
M/C10とSM弁18との間と、リザーバ16とは吸引管路13で接続されている。
【0029】
第1配管系統11のM/C10とSM弁18との間には油圧センサ30が設けられ、M/C10の発生圧を検出する。この圧力はM/C10の図示しないセカンダリ室の発生圧力であるが、第2配管系統が接続されるプライマリ室にも同圧が発生しているので、この油圧センサ30は実質的にM/C圧を検出する。また、増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間にも油圧センサ19a、19bが設けられ、それぞれW/C圧を検出する。これらの油圧センサの出力信号は、後述するように、ブレーキ制御ECU1において、要求制動力と比較され、この結果に基づき自動ブレーキ制御が行われる。
【0030】
上記増圧制御弁14a、14b、減圧制御弁15a、15bは2位置弁であり、ブレーキペダルの非操作時および通常ブレーキ時などの非通電(OFF)時には図示の弁体位置、すなわち、増圧制御弁は連通状態、減圧制御弁は遮断(カット)状態にある。また、SM弁18も通常の非通電時には図示の弁体位置、すなわち連通状態にある。これら各制御弁は、ブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。また、ポンプ17、27を駆動するモータ20もブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。
【0031】
なお、これらの油圧ブレーキ装置2に対する各作動信号は、総じて第1作動信号に相当する。また、油圧ブレーキ装置2を制御停止(または、制御禁止)にするとは、第1作動信号を0(非作動状態)、具体的には、増圧制御弁、減圧制御弁およびSM弁を全て非通電とし、かつ、モータ20の駆動電流を0とすることである。
【0032】
上記油圧ブレーキ装置2の基本的な制御方法について説明する。
【0033】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれるときの通常のブレーキ操作においては、全ての制御弁(SM弁18、増圧制御弁14a、減圧制御弁15a)は非通電(OFF)状態とされ、M/C圧がそのままW/Cに作用し、W/C圧=M/C圧となる。
【0034】
ABS制御中は、タイヤロックを回避するためにW/C圧を減圧する過程と制動力を回復するためにW/C圧を増圧する過程とでそれぞれ動作が異なる。なお、SM弁18はABS制御中は、通常OFF(連通状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引する。
【0035】
ABS制御の減圧過程では、増圧制御弁14aを通電状態(ON)すなわち遮断(カット)状態とし、かつ、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、W/C41FRよりブレーキ液が所定の変化勾配でリザーバ16へ流れ出しW/C圧が減圧する。
【0036】
ABS制御の増圧過程では、減圧制御弁15aを非通電状態(OFF)すなわちカット状態とし、かつ、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、M/C10よりブレーキ液がW/C41FRに供給されてW/C圧は増圧する。
【0037】
次に、本発明の自動ブレーキ制御、すなわち、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無に拘わらず制動要求出力手段7より出力される制動要求信号に基づいてブレーキ制御ECU1が油圧ブレーキ装置2に対して指示するブレーキ動作中の、増圧過程および減圧過程について説明する。
【0038】
自動ブレーキ制御の増圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、減圧制御弁15aをOFF(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御により所定の変化勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C圧を増圧する。このとき、必要に応じてM/C10から吸引管路13、リザーバ16を介してブレーキ液がポンプ17の吸引口に補充される。
【0039】
自動ブレーキ制御の減圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、増圧制御弁14aをON(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御により所定の勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C41FRよりブレーキ液を吸引してW/C圧を減圧する。この時、増圧制御弁14aおよびSM弁18がともにカット状態であるため,ポンプ17の吐出圧は増大するが、その圧がSM弁18の逆止弁のばねのクラッキング力より大きくなるとリリースされて圧力が低下する。
【0040】
次に、第2ブレーキ手段であるPKB3について説明する。図3はPKBの構成を表わす図である。PKB3は、モータ31と、ウォームギア32と、ウォームホイール33と、平歯車34、35と、ワイヤ巻取り部36とブレーキワイヤ38とを備えている。
【0041】
モータ31の回転軸およびその回転軸に一体的に形成されているウォームギア32は、ブレーキ制御ECU1からの作動信号(第2作動信号に相当)により正転または逆転する。ウォームホイール33の外周部にはウォームギア32と噛合うようにギアが形成されるとともに、同軸上に一体的に回転する平歯車34が形成されている。さらに、ウォームホイール33および平歯車34の回転軸と平行且つ異なる位置に形成されている巻取り回転軸37に、平歯車34と噛合する平歯車35および平歯車35と一体的に回転するワイヤ巻取り部36が形成されている。
【0042】
ワイヤ巻取り部36にはブレーキワイヤ38の一端が固着されている。ブレーキワイヤ38は、分岐部39で2つのブレーキワイヤ38a、38bが結合され、それぞれ右後輪のブレーキキャリパ42RRおよび左後輪のブレーキキャリパ42RLに結合されている。
【0043】
このように構成されているPKB3は、ブレーキ制御ECU1からの第2作動信号によるデューティー制御でモータ31が正転すると、ウォームギア32を介してウォームホイール33が、たとえば図3上で矢印で示す反時計廻りに回転し、平歯車34および平歯車35の回転により、ブレーキワイヤ38が図3上、右方向に引かれる。このブレーキワイヤ38の動きにより、ブレーキキャリパ42RR、42RL内の図示しない摩擦材がブレーキディスクに押し付けられることにより車輪に作用する第2の制動力が上昇する。
【0044】
このとき、デューティー比に応じた制動力が発生し、目標の制動力となったらモータ31がロックし、モータロックが検出されるとモータの駆動電流が遮断、すなわち、第2作動信号が非作動状態となって、PKB3は制御停止(制御禁止)の状態となる。このPKB3の制御停止状態ではウォームギア32などのギア機構は動かない、すなわち摩擦材がブレーキディスクに押し付けられたままであるので第2の制動力は保持され、ロック状態となる。
【0045】
すなわち、PKB3の発生制動力は、予め決まるデューティー比と制動力との関係に基づき、必要な制動力に対応する駆動デューティーをモータ31の正転側に与えることで得ることができる。モータ31またはギア機構の回転が停止、あるいはモータ電流の増加が停止して所定値となったとき、その時点でPKB3には必要な制動力が生じるのでモータ31の駆動を終了する。
【0046】
リリース作動時は、上記とは逆に、モータ31を第2作動信号により所定のデューティー比で逆転駆動させて、そのデューティー比に応じた勾配で制動力を減少させる。モータ31の回転量が制動力が0となる所定量に達したら、モータ駆動を終了する。
【0047】
なお、制動力はブレーキワイヤ38の引っ張り量、すなわちワイヤ巻取り部7の回転角に比例するので、第2作動信号によってモータ31の回転量を制御することによりPKB3の発生制動力を変更することもできる。
【0048】
このPKB3の動作は、自動ブレーキ制御中にブレーキ制御ECU1からの第2作動信号によって行われる以外に、運転者により図示しないパーキングブレーキスイッチをON/OFF操作した場合にも、その操作信号に基づきブレーキ制御ECU1がPKB3の作動信号を出力することにより動作可能である。
【0049】
車輪速度センサ5は図2に示すように、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5FR、5FL、5RR、5RLからなり、それぞれの出力信号は直接ブレーキ制御ECU1に入力される。
【0050】
制動要求出力手段7を構成する各ECUの機能について説明する。なお、各ECUにおいて、制動要求信号としてのECU要求値を決定するための前処理およびそのために必要なセンサは従来知られたものを用いており、詳細な説明を省略する。
【0051】
渋滞追従制御ECU71は、交通渋滞時に前方車両の制動および停車状態を検出し、自車VLの車速より前方車両に追突することなく所定車間距離の位置に停止または車間距離維持するための目標減速度(たとえば、「0.23G(G:重力加速度)の減速」)を算出しECU要求値として、車内LANバス6を介してブレーキ制御ECU1へ出力する。ブレーキ制御ECU1では、例えば、減速度1G=10MPa(Pa:圧力単位、パスカル)により、制動圧(制動油圧)に変換して、その大きさを評価する。
【0052】
車間制御ECU72は、所定速度以上で走行中に前方車両と自車VLとの相対速度を検出し、前方車両との車間距離を予め設定された、あるいは運転者により設定変更された所定値に保つよう、エンジン出力制御による駆動制御やブレーキ制御および変速機制御による制動制御を行うものであるが、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ目標制動距離(たとえば、「28mで停止」)を出力する。ブレーキ制御ECU1では、現在車速と目標制動距離とから、目標減速度を求め、これを、上述と同様制動圧に変換して、大きさを評価する。
【0053】
居眠り防止ECU73は、運転操作状態あるいは運転者の生理状態を検出して運転者の居眠り状態を判定し、運転者に覚醒を促すためにブザーなどの警報や断続的な瞬間制動を行うものであるが、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ上記覚醒のための目標制動油圧の時間変化値(例えば、後述の図10におけるPN(3,t))を出力する。
【0054】
緊急車両停止ECU74は、運転操作状態あるいは運転者の生理状態を検出して、運転者が運転できない状態にあると判定した場合に車両VLを安全に停止するために、ECU要求値として目標の減速度または制動油圧(たとえば、「制動圧=1.5MPa」)を、ブレーキ制御ECU1へ出力する。
【0055】
エアバッグ制御ECU75は、車両VLが他の車両を含む障害物との衝突時にエアバッグを作動させると共に、ブレーキ制御ECU1へはECU要求値として、車両の衝突エネルギーの軽減および車両の移動による2次衝突防止のための目標となる制動油圧を出力する。
【0056】
駐車アシストECU76は、前進及び後退を繰り返して駐車しようとする場合車両と周辺障害物との距離を測定し、その距離が所定値となるよう車両のブレーキ制御を行うものであり、本実施形態では、ECU要求値として目標制動距離を出力する。
【0057】
次に、ブレーキ制御ECU1が実行する、本実施形態における自動ブレーキ制御の処理手順について説明する。図4は、メインフローを示している。
【0058】
イグニッションオンとともに処理がはじまり、ステップS100でイニシャルチェックおよび各種入力処理が行われる。このイニシャルチェックでは、油圧ブレーキ装置2およびPKB3の各アクチュエータの動作チェックを行う。油圧ブレーキ装置2では、各電磁弁に実際に通電し、ブレーキ制御ECU1側でそれぞれの端子電圧のチェックを行うことで電磁弁の断線チェックを行ったり、油圧センサ30、19a、19b、29a、29bの検出値から油圧異常を判断して、故障個所の特定を行う。また、PKB3では、実際に通電したときの検出電流が正常か、モータ31が正常に回転しているか等を判定し、故障個所の特定を行う。なお、故障が発見された場合には、ブレーキ装置各部で異常動作の発生など致命的な状態にならないよう、故障診断の後、制御の禁止、代替制御への切換え、警告灯の点灯などの処置ができるようシステム構成されている。
【0059】
ステップS110では、各車輪速度センサ5の検出値より、各輪の車輪速度および従動輪(前輪駆動車では左右後輪)の車輪速度より車体速度を演算する。
【0060】
ステップS120で、ブレーキペダルの踏み込みが大きい場合にM/C圧を増加させるブレーキアシスト(BA)制御、アンチロックブレーキ(ABS)制御、車輪速度が車体速度より大きくなってスリップ量が所定値以上の場合にエンジン出力および制動力を制御してスリップ量を小さくするトラクション(TRC)制御、および車両の横加速度やヨーレートを検出してそれらが所定値以下となるよう、すなわち車体の安定性を確保できるよう各輪の制動力を制御する横滑り防止(VSC)制御が、それぞれ、走行状況に応じて行われる。
【0061】
ステップS130では、渋滞追従制御ECU71をはじめとする他の制動要求発生手段(ECU)からの制動要求の値を、車輪に発生させるべき制動圧に対応した油圧に変換する演算を行う。なお、以下では制動要求信号が表わす制動要求の値を、制動要求値あるいは制動要求発生手段7の各ECUが出力する値であることからECU要求値と称する。
【0062】
すなわち、制動要求値として減速度が出された場合、たとえば1G=10MPaという変換係数により油圧P〔MPa〕に変換する。また、制動要求値として制動距離(例えば、24.5m)が出された場合、そのときの車速(例えば、9.8m/s≒35km/h)と目標の制動距離(24.5m)とから必要減速度(0.2G)を算出し、上記の変換係数により油圧P(=2MPa)に変換する。なお、以下では、制動圧および制動力を同じ制動の大きさを表わす用語として、共に用いる。
【0063】
ステップS140では、演算された制動圧に基づき、自動ブレーキ制御を行う。
【0064】
ステップS150では、イグニッションオン中のフェールセーフチェックを行う。すなわち、ブレーキ制御ECU1、油圧ブレーキ装置2、PKB3、およびその他各センサの状態を常時診断する。故障が検出されると、車両VLが危険な状態にならないよう所定の処置を行う。
【0065】
次に、ステップS140における本実施形態の自動ブレーキの制御フローについて、図5ないし図7を参照して説明する。本フローチャートは、ブレーキ制御ECU1により、制御周期(例えば、1ms)毎に実行される。
【0066】
ステップS200で、ECU要求値を選択する。具体的には、他の制動要求発生手段7から出される油圧換算されたECU要求値およびブレーキ制御ECU1が自ら演算した要求値の中から、たとえば最大値を示すECU要求値を選択する。
【0067】
ステップS210で車両が停止あるいは停止間際の状態(停止状態という)か否かを、走行状態を表わす情報の1つである車輪速度により判定し、停止状態でないならばステップS220へ、停止状態ならばステップS300へ移行する。
【0068】
ステップS220では、イニシャルチェックおよびフェールセーフチェックの結果から油圧ブレーキ装置2が正常か否かを判定し、YESならばステップS290へ、NOならばステップS230へ移行する。
【0069】
ステップS230では、PKB3が正常か否かを判定し、NOならばステップS280へ、YESならばステップS240へ移行する。
【0070】
ステップS240では、油圧ブレーキ装置2が異常、かつPKB3が正常であるので、油圧ブレーキ装置2の制御を禁止、すなわち、第1作動信号を非作動状態(各部駆動電流=0)とし、次にステップS250で、ブレーキ制御ECU1がPKB3の目標となる制動力として、ステップS200で選択されたECU要求値である要求制動力となる駆動デューティーを設定する。
【0071】
ステップS260では、PKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定する。これはモータ31がロックした、すなわちモータ電流が増加しなくなった、あるいは、モータ31の回転が停止したことを検出することにより判定される。等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS270へ移行してPKB3の制御を終了する。このPKB3の制御終了により、モータ31の駆動力は0となるが、ウォームギア32とウォームホイール33との摩擦力によりケーブル38の張力すなわち制動力はそのまま保持される。
【0072】
なお、ステップS230でPKB3も異常と判断されたら、ステップS280で、ブレーキ制御ECU1は油圧ブレーキ装置2およびPKB3の制御を共に禁止する、すなわち、油圧ブレーキ装置2への第1作動信号をすべて非作動状態に、かつ、PKB3への第2作動信号を非作動状態にする。
【0073】
一方、ステップS220で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されたら、ステップS290で、油圧ブレーキ装置2が発生すべき目標制御圧をステップS200で選択されたECU要求値である要求制動力(制動油圧)に設定し、油圧ブレーキ装置2は、この設定された目標制動力となるよう、増圧または減圧過程により圧力制御される。
【0074】
次に、ステップS210で車両が停止状態と判定された場合について、図7を参照して説明する。ステップ300で、PKB3が正常か否かを判定し、正常でない場合にはステップS360へ移行し、正常である場合はステップS310で、上記ステップS250と同様、PKB3の目標制動力として選択されたECU要求値である要求制動力となる駆動デューティーを設定する。
【0075】
次にステップS320で、上記ステップS260と同様にPKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定し、等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS330へ移行してPKB3の制御を終了する。なお、ステップS310で設定された目標制動力がPKB3の最大発生制動力よりも大きい場合は、PKB3の発生制動力が最大値となった時点でこの処理を終了してステップS330へ移行する。
【0076】
その後、ステップS340で、油圧センサ19の検出値より油圧ブレーキ装置2の制動圧が0となったかを判定し、YESの場合はステップS400で油圧ブレーキ装置2の制御を終了し、NOの場合は油圧ブレーキ装置2による制動圧が残っているのでこれを0に下げるため、ステップS350へ移行する。
【0077】
ステップS350では、油圧ブレーキ装置2の目標制動圧を所定値α下げて再設定し、上記ループを繰り返すことにより発生制動圧を0まで徐々に下げる。
【0078】
上記ステップS360で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されると、PKB3が異常であったため、ステップS370でPKB3の制御を禁止する。
【0079】
次に、ステップS380で、油圧ブレーキ装置2の制御時間、たとえば、油圧ブレーキ装置2の各制御弁のソレノイドへの連続通電時間が閾値Tを越えたか否かを判定する。なお、この閾値Tは、発熱を考慮して設計的に決まるソレノイドの連続通電可能時間より小さい値として、予め与えている。判定の結果、NOであればステップS390へ移行し、前記ステップS290と同じ処理を行い、YESであれば、ステップS400で油圧ブレーキ制御を終了する。
【0080】
なお、ステップS360で判定の結果NOであるときは、PKB3も油圧ブレーキ装置2も共に正常でないため、ステップS410で両者の制御を禁止する。
【0081】
以上の制御フローによる本実施形態の自動ブレーキの制御例について、図8を参照して説明する。
【0082】
例として、渋滞追従制御ECU71からのみ制動要求、すなわちECU要求値が出力されている場合を示す。
【0083】
ステップS200で渋滞追従制御ECU71からのECU要求値を選択したのち、走行中であるのでステップS210からステップS220へ移行し、油圧ブレーキ装置2が正常であればステップS290で油圧ブレーキ装置2に目標の制御圧が設定される。これに応じて、油圧ブレーキ装置2により上述した自動ブレーキ制御における増圧過程と減圧過程が実行され、各W/C41に制動圧を発生させる。以下、所定時間毎にこの処理が繰り返され、ECU要求値どおりに、目標の時間勾配で目標の制動圧が発生する。この制御は、図8において、A:減速制動の区間で行われる。
【0084】
次に、車両の停止間際のショックを低減するために、一瞬制動力を下げるショックレス制御の例について説明する。油圧ブレーキ装置2により停止のための制動制御が行われているとき、渋滞追従制御ECU71が目標制動圧を一瞬下げたあと増加させるようなECU要求値を出力する。これにより、ブレーキ制御ECU1が、停止直前に目標制動力を一瞬下げるよう油圧ブレーキ装置2を制御する。これは、上述の減速制動の場合と同様、図5、図6のステップS200→ステップS220→ステップS290の手順で制御が行われ、図8ではB:ショックレス制御の区間で表わされている。
【0085】
停止した後は、前方車両が発進するまでの間、車両を停止保持する停車保持制動が行われる(図8中、C区間)。これは、長時間の停車保持が必要となるため油圧ブレーキ装置2からPKB3へ切換えるものであり、次のような手順で制御される。
【0086】
ステップS200で渋滞追従制御ECU71のECU要求値である要求制動力(変換値)が選択され、車両停止状態にあるためステップS210からステップS300へ進み、PKB3が正常であることを判定された後、ステップS310でPKB3への目標制動力を選択された値に設定する。その後ステップS320→ステップS330でPKB3の制御を終了して、制動力を保持したままにする一方、ステップS340で油圧ブレーキ装置2の制動圧が残っているかを判定し、残っていればステップS350で油圧ブレーキ装置2の目標制動圧を徐々に下げるよう設定し、最終的にステップS340→ステップS400で、油圧ブレーキ装置2の発生制動圧が0となった時点で油圧ブレーキ装置2の制御を終了する。これにより、各車輪の制動力は、油圧ブレーキ装置2からPKB3に完全に切り換わって発生される。
【0087】
なお、C:停車保持制御中に、ステップS300でPKB3が異常と判定された場合は、ステップS360で油圧ブレーキ装置2で代替制御可能か判定され、可能であればステップS370でPKB3の制御が禁止される。油圧ブレーキ装置2は長時間にわたる制動力維持が苦手であるので、ステップS380で油圧ブレーキ装置2の作動時間が評価され、作動時間に余裕があればステップS390で油圧ブレーキ装置2の目標制動力が新たに設定され、停止後の制動力の維持が行われる。ただし、所定時間Tが経過するとステップS400で油圧ブレーキ装置2の制御が終了される。
【0088】
更に時間が経過し、前方車両の発進に伴って自車の発進が行われる場合の制動力低下制御、すなわち発進のための抜きを行う。このために、次のような手順でPKB3による制動力を解除する。ステップS200で追従制御ECU71のECU要求値を選択する。発進時の抜きであるので、このECU要求値は目標制動力として所定勾配で制動圧を0に減少させるものとして与えられる。車両停止状態であるのでステップS210→ステップS300→ステップS310と推移し、PKB3の目標制動力をECU要求値に設定し、ステップS320で目標制動力になるまでPKB3が制御される。検出されたモータ31またはギア機構の回転量より算出される発生制動力が、上述のように発進時の目標制動力である0となったら、ステップS330でPKB3の制御は終了し、PKB3による制動力は0となり解除される。この場合、油圧ブレーキ装置2の制動力はないため、ステップS340→ステップS400と進む。以上により、図8の区間Dのように制御が行われる。
【0089】
ところで、ステップS200におけるECU要求値の選択は、図9に示すような手順で行うことが可能である。
【0090】
各ECU71、72、・・・から車内LANバス6へ出されるECU要求値には、たとえばその最上位ビットが0ならばその下位ビットは制動パターン番号jを表わし、最上位ビットが1ならばその下位ビットは制動要求値(制動圧)そのものというように、通信データフォーマットを定めておく。制動パターンPNは、図10に示すように時間関数として数種類のパターンを予め用意しておく。なお、図10において、縦軸はそれぞれ制動力を表わし、PN(j,t)はパターン番号j=1、2、3が時間tの関数となっていることを表わしている。PN(1,t)は、所定の制動力を保持した後、短い時間、制動力を低下させ(抜き)、再び制動力を増加させて保持した後、所定勾配で制動力を0に減少する制動パターンである。PN(2,t)は、所定の勾配で制動力を0から増加させ、所定時間制動力を保持した後、所定勾配で制動力を0まで減少する制動パターンである。また、PN(3,t)は、制動力を、所定勾配で立ち上げ、短時間保持し、所定勾配で0に減少するというパターンを、時間をおいて、たとえば3回繰り返す制動パターンである。この制動パターンは、例えば、居眠り防止ECU73からの制動要求に応じて運転者を覚醒させようとする場合などに用いられる。
【0091】
図9において、ステップS500で、各ECUを識別するシステム番号iをインクリメントし、ステップS510でシステム番号iの要求値について、その最上位ビットが0かどうかを判定する。0でなければ、ステップS520で自動ブレーキの制御時間tを0にリセットすると共に、ステップS530でECU要求値としての変換された制動圧そのものを入力してd(i)とする。
【0092】
一方、ステップS510で、0と判定された場合は、ステップS540でECU要求値の下位ビットが表わす制動パターン番号jを入力し、ステップS550で制御時間tを制御周期に相当する値によりインクリメント(図9中では、t=t+1と表わす)し、ステップS560でECU要求値d(i)をPN(j,t)とする。
【0093】
ステップS570では、システム番号iが制動要求発生手段を構成するECUの総数Nに達したかを判定し、NOならばステップS500に戻り、YESならばステップS580でiをリセットすると共に、ステップS590で制動要求としてのECU要求値d(1)、d(2)、・・・、d(i)のうち最大値を選択してこのルーチンを終了する。
【0094】
次に、複数の制動要求がある場合の本実施形態の自動ブレーキの制御例について説明する。
【0095】
図11は、例として、a点で運転者が通常のブレーキペダル踏み込みを行い、b点で障害物との衝突回避のため緊急ブレーキ(ペダル踏力増大)に切換え、さらにc点で車間制御ECUが障害物との車間距離に応じた制動要求を出す状況を示している。その後、e点で障害物との衝突が発生し、f点で運転者によるブレーキペダル操作の解除、g点でPKB3による制動力発生と続いている。
【0096】
この例では、通常のブレーキペダル操作に基づくブレーキ制御ECU1による油圧ブレーキ装置2の目標制動力設定は、本発明の制動要求発生手段による制動要求信号の一形態である。
【0097】
a点からb点までは、ステップS200でECU要求値としてブレーキペダル踏力に基づきブレーキ制御ECU1が演算した目標制動力が選択され、ステップS210→ステップS220→ステップS290と進み、油圧ブレーキ装置2に選択された目標制動力が発生するよう制御される。b点で障害物回避のために行われた運転者のブレーキペダル操作が十分に速いと判定されると、ブレーキ制御ECU1はBA制御モードに入り、高応答の制動力発生が必要なため、油圧ブレーキ装置2の目標制動力を嵩上げ(図中、破線から実線へ)する。この間、制動要求はブレーキ制御ECU1からのみであり、上述の流れで制御が進む。
【0098】
c点では、障害物との衝突が生じないように高応答、高制動力による制御が必要なため、車間制御ECU72が障害物との距離および相対速度に応じて油圧ブレーキ装置2に対する制動要求信号(要求制動力)を出力すると、ステップS200で複数のECU要求値の調停、選択が行われる。c点からd点まではブレーキ制御ECU1のECU要求値(要求制動力)が大きいため、これが選択される。d点以降は、車間制御ECU72のECU要求値(要求制動力)が大きくなるため、ステップS200でこの車間制御ECU72のECU要求値(要求制動力)が選択される。
【0099】
e点で障害物との衝突が発生して、直後にf点で運転者の足がブレーキペダルから離れたためにブレーキ制御ECU1自身の要求制動力が0となっても、車間制御ECU72は制御を続行するために油圧ブレーキ装置2に対する要求制動力をそのまま出力する。この間、ステップS200でECU要求値として、車間制御ECU72の出力が選択され、これに基づき(車両が未だ停止していない場合は)ステップS210→ステップS290の処理により油圧ブレーキ装置2に制動力が発生している。
【0100】
f点を経過した後、g点で車両が停止するとステップS210→ステップS300の処理により、PKB3が正常か否か判定され、正常であるならばステップS310で選択値である車間制御ECU72の要求制動力によってPKB3の目標制動力が設定され、ステップS320でPKB3の発生制動力と要求されている目標制動力とを比較し、等しくなければこの処理が繰り返され、等しいかあるいはPKB3の最大発生制動力に達した場合に、ステップS330でPKB3の制御は終了し(h点)、PKB3の発生制動力は維持される。なお、h点以降は、車両は既に停止しているので、車間制御ECU72は要求制動力を少なくともPKB3の最大発生制動力付近の値に変更する。
【0101】
h点でPKB3の制御が終了すると、ステップS340で油圧ブレーキ装置2の発生制動力が残っているか(W/C圧が0になっていないか)判定し、残っていればステップS350で所定時間(制御周期)毎に所定圧力αだけ油圧ブレーキ装置2の目標制動力を下げるように設定し、ステップS340→ステップS400の処理によって油圧ブレーキ装置2の制御を終了する(j点)。j点以降は、制御の終了したPKB3の発生制動力で車両が停止保持される。
【0102】
以上のように、本実施形態の自動ブレーキ装置によれば、高応答・高制動力の油圧ブレーキ装置2と長時間の制動力保持可能なPKB3とを、走行状態に応じて自動的に切換え、または、同時に作動させて、各車輪に制動力を発生、または解除させることができる。
【0103】
各制動要求発生手段が車両の走行状態に応じて制動要求信号を出力し、その制動要求信号に基づいてブレーキ制御ECU1が第1ブレーキ手段である油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段であるPKB3を駆動する第1および第2作動信号を出力するので、車両が停止する直前に制動力の抜きを行って停止間際のショックを無くすことができるとともに、停止後の停止保持のために油圧ブレーキ装置2による第1制動力から、PKB3による第2制動力へと徐々に変化させることができる。また、この場合、停止保持時間が長時間にわたっても、PKB3により非作動状態でも制動力を発生でき、ブレーキ装置における通電による発熱等の問題がない。
【0104】
また、本実施形態の自動ブレーキ装置によれば、複数の制動要求発生手段7よりそれぞれ制動要求信号が出力されている場合、ブレーキ制御ECU1が制動要求の大きさが大きい制動要求信号を選択し、その制動要求信号に基づいて油圧ブレーキ装置2またはPKB3を作動させるので、走行状態に応じた適切な制動方法を実現できる。
【0105】
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、ステップS200において、各ECU71、72、・・・から出力されたECU要求値として、油圧に変換された制動圧の最大となるものを選択した。これは、換言すれば各ECUの重要度(あるいは優先度)はすべて等しく、それらが出す要求値そのものの大きさのみによりECU要求値を選択するものである。これに限らず、たとえば、各ECUに重要度を持たせ、この重要度をECU要求値に反映させるようにしてもよい。
【0106】
たとえば、ECU−A、ECU−B、ECU−Cのそれぞれの重要度を、1.0、1.2、1.1としたとき、各ECU要求値(油圧変換値)が、5MPa、3MPa、4.8MPaである場合は、各ECU要求値にそれぞれの重要度を乗じると、数式1のようになる。
【0107】
【数1】
ECU−A:1.0×5=5MPa
ECU−B:1.2×3=3.6MPa
ECU−C:1.1×4.8=5.28MPa
したがって、三者の中ではECU−Cが最大となるため、ステップS200ではECU−Cの4.8MPaをECU要求値として選択することができる。
【0108】
このように、制動要求発生手段の各ECUにそれぞれ重要度(優先度)を設定しておけば、ECU要求値が小さくても重要度が高ければ優先して選択することができる。
【0109】
(2)制動要求発生手段の異なるECUより出された制動要求の選択を変更したとき、要求制動力の変化が大きい場合は、それをそのまま目標制動力として油圧ブレーキ装置2へ与えると、制動要求の変化時の制動力変化のショックが車体および乗員に伝わり、乗員に不快感を与えることになる。そこで、ブレーキ制御ECU1が次のような繋ぎ制御処理を行うことにより、上記問題点を解決できる。
【0110】
図12は、繋ぎ制御のフローチャートである。これは、図6、7における、ステップS290あるいはステップS390で実行される。なお、このフローの処理は制御周期毎に繰り返される。
【0111】
ステップS700で繋ぎ制御中か否かを、繋ぎ制御フラグの有無で判定する。繋ぎ制御中であればステップS730へ移行し、繋ぎ制御中でなければステップS710で制動要求を出している制動要求発生手段のECUが切り換わったかを判定し、切り換わりがなければステップS780へ移行し目標制動力を今回のECU要求値とする。切り換わりがあれば、ステップS720で繋ぎ制御フラグ=1とし、ステップS730へ移行する。
【0112】
ステップS730では、目標制動力を時間的に変化させる変化勾配Kを、数式2により設定する。
【0113】
【数2】
K=K1×K2×K3×K4×K5×K6×Korg
ただし、Korgは単位時間に対する変化率として予め設定されている基準勾配である。また、K1〜K6は図13で例示されている勾配係数であり、それぞれ次のように設定される。
【0114】
K1は、変換された制動要求力としての油圧の大きさを緊急度の大きさに相当するとみなして、緊急度に応じて1より増加する勾配係数である。
【0115】
K2は、前回の制御周期における制動要求値と今回の制動要求値との差の絶対値に応じて、1より減少する勾配係数である。
【0116】
K3は、制動要求を出している他のECUのシステム重要度に応じて1未満の値から1より大きい値へと増加するよう設定されている勾配係数を表わしている。
【0117】
K4は、車速に応じて1未満の値から1より大きい値へと増加する勾配係数である。
【0118】
K5は、例えば、車速と車輪速度との差に基づき得られるスリップ率より算出される路面の摩擦係数(路面μ)に応じて、1未満の値から1へと増加する勾配係数である。
【0119】
K6は、積載荷重(車両重量)に応じて1より増加する勾配係数である。
【0120】
数式2により決定される変化勾配は、基準勾配Korgを上記のような種々のファクターK1〜K6を考慮した係数(1付近の値)で修正したものである。
【0121】
ステップS740で、前回のECU要求値と今回の要求値との差(絶対値)が変化勾配Kより大きいか否かを判定し、大きくなければ、変化が小さいものとしてステップS780へ移行し、大きければステップS750へ移行する。
【0122】
ステップS750では前回のECU要求値(制動圧)から今回のECU要求値(制動圧)を引いた値が正か否かを判定し、YESすなわち今回の値が前回より低下している場合はステップS760へ移行し、NOすなわち増加している場合はステップS770へ移行する。
【0123】
ステップS760では、前回のECU要求値である目標制動圧より変化勾配Kを引いた修正値を新たな目標制動圧とし、一方、ステップS770では前回の値に変化勾配Kを加えた修正値を新たな目標制動圧とする。
【0124】
以上により、ECU要求値の変化の大きさに応じて、変化が小さければECU要求値を修正せず、変化が(変化勾配Kより)大きい場合に、ECU要求値を変化勾配Kにより修正して、新しいECU要求値へ徐々に収束させることができる。
【0125】
(3)上記実施形態では、第1ブレーキ手段として図2に示されるような油圧ブレーキ装置2を用いたが、これに限らず、例えば、特開2000−264186号公報や特開2002−104152号公報等に開示されている電動ブレーキ装置200によっても、上記実施形態と同様の自動ブレーキ制御を行うことができる。以下、その構造を簡単に説明する。
【0126】
この電動ブレーキ装置200は、各車輪4FR、4FL、4RR、4RLにそれぞれ設けられており、図14は、一輪についての電動ブレーキ装置200の断面構造を示している。
【0127】
電動ブレーキ装置200は、ブレーキディスク201をブレーキキャリパ42で制動するように形成されている。ブレーキキャリパ42は浮動型であって、可動側の内側摩擦材202aと固定側の外側摩擦材202bとを備えている。内側摩擦材202aの背後には、加圧部材203が軸方向に移動可能に配設されている。加圧部材203は所定量だけ内側摩擦材202a方向に移動したとき、その前面で内側摩擦材202aの背面に当接するようになっている。また、加圧部材203の背後には電動モータ204が配置されている。加圧部材203と電動モータ204は、摩擦材の移動方向に平行に同軸に配置されていると共に、回転・直進運動変換機構としてのボールネジ205により互いに連結されている。
【0128】
電動モータ204のハウジング206はブレーキキャリパ42に一体的に設けられている。電動モータ204のステータ207はハウジング206の内側に固定され、金属性のコア208と、コア208に巻回されたコイル209とを備えている。また、ステータ207に微小間隔へだてて永久磁石210が対向して配置されている。永久磁石210は、ボールネジ205のナット211に固定され、ナット211と共に電動モータ204のロータを構成している。
【0129】
ナット211は、貫通孔を有する円筒形状をなし、ラジアル軸受212を介してハウジング206に支持される小径部とラジアルスラスト軸受213を介してブレーキキャリパ42に回転可能かつ、軸方向に移動不能に支持される大径部とを有している。ナット211の大径部と小径部との間の外周部にはN極およびS極が等間隔で交互に配置された永久磁石210が固定されている。ナット211の内周面には、ボールネジ205の複数のボール214を保持するためのボール溝215が形成されている。
【0130】
加圧部材203には、ナット211の内部を貫通するネジ軸216が一体に形成されており、ネジ軸216の外周にはボールネジ205のボール溝217が所定のリード角を有するように形成されている。また、加圧部材203の内側摩擦材202aに当接する面には、加圧部材203が内側摩擦材202aを押圧する実際の加圧力を検出する駆動力センサ218が埋設されている。
【0131】
このような構成により、ナット211が電動モータ204により正転されると、ボールネジの作用によりネジ軸216が図14上、左方向に移動し、加圧部材203が制動部材である内側摩擦材202aを被制動部材であるブレーキディスク201に向けて押圧する。すなわち、回転するブレーキディスク201への摩擦材の押圧を、電動モータ204の回転トルクを直動変換した力により行っている。このとき、摩擦材を押す力はブレーキペダル300の踏み込み力を検出する踏力センサ(図示せず)の出力に応じてブレーキ制御ECU1から出力される電動モータの作動信号(第1作動信号)により発生され、さらに、この第1作動信号は駆動力センサ218からの検出信号に基づき、加圧力が所定値となるよう制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の油圧ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の電動パーキングブレーキの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のブレーキ制御ECUの処理手順を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の自動ブレーキ制御の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図6】本発明の実施形態の自動ブレーキ制御の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図7】本発明の実施形態の自動ブレーキ制御の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図8】本発明の実施形態の自動ブレーキ制御の動作の一例を示す時間線図である。
【図9】本発明の実施形態のECU要求値選択の他の例を示すフローチャートである。
【図10】図9における制動パターンのいくつかの例を示す時間線図である。
【図11】本発明の実施形態における複数の制動要求ECUから制動要求があるときの自動ブレーキ制御の動作の一例を示す時間線図である。
【図12】本発明の実施形態における繋ぎ制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図12における変化勾配Kを決める勾配係数の例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態の第1ブレーキ手段の他の例としての電動ブレーキ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ブレーキ制御ECU、2…油圧ブレーキ装置(第2ブレーキ手段)、
3…PKB(第2ブレーキ手段)、4FR、FL、RR、RL…車輪、
5…車輪速度センサ、6…車内LANバス、7…制動要求出力手段、
71…渋滞追従制御ECU、72…車間制御ECU、
73…居眠り防止ECU、74…緊急車両停止ECU、
75…エアバッグ制御ECU、76…駐車アシストECU、
8…各種センサ群、9…警報・ランプ手段、
10…M/C、11,21…配管系統、12,22…減圧配管、
13、23…吸引配管、14,24…増圧制御弁、15,25…減圧制御弁、
16,26…リザーバ、17,27…ポンプ、18,28…マスタカット弁、
19,29,30…圧力センサ、20…モータ、
41…W/C、42…ブレーキキャリパ、
31…モータ、32…ウォームギア、33…ウォームホイール、
34,35…平歯車、36…ワイヤ巻取り部、37…回転軸、
38…ブレーキワイヤ、39…分岐部、
200…電動ブレーキ装置、201…ブレーキディスク、202…摩擦材、
203…加圧部材、204…電動モータ、205…ボールネジ、
206…ハウジング、207…ステータ、208…コア、209…コイル、
210…永久磁石、211…ナット、212…ラジアル軸受、
213…ラジアルスラスト軸受、214…ボール、
215,217…ボール溝、216…ネジ軸、218…駆動力センサ、
300…ブレーキペダル。

Claims (14)

  1. 第1作動信号に基づき車両の各車輪に第1の制動力を発生させると共に、該第1作動信号の発生が解除されたとき前記第1の制動力が0に変化する第1ブレーキ手段と、
    第2作動信号に基づき前記車両の少なくとも一部の車輪に第2の制動力を発生させると共に、該第2作動信号の発生が解除されたとき前記第2の制動力を前記第2作動信号の発生の解除前の前記第2作動信号に基づく作動状態における値に保つ第2ブレーキ手段と、
    前記車両の走行状態に応じて制動要求信号を出力する制動要求出力手段と、
    前記制動要求信号に応じて前記第1作動信号および第2作動信号の発生を切換えてまたは同時に行い出力するブレーキ制御ECUと、
    を備えることを特徴とする自動ブレーキ装置。
  2. 前記第1ブレーキ手段は、前記第1作動信号に基づき制御される油圧により摩擦材を加圧して前記第1の制動力を発生することを特徴とする請求項1に記載の自動ブレーキ装置。
  3. 前記第1ブレーキ手段は、前記第1作動信号に基づき制御される電動機のトルクを直進運動に変換される直動力により摩擦材を加圧して前記第1の制動力を発生することを特徴とする請求項1に記載の自動ブレーキ装置。
  4. 前記第2ブレーキ手段は、前記第2作動信号に基づき制御される電動機のトルクにより摩擦材を加圧して前記第2の制動力を発生するとともに、前記第2作動信号が非作動状態に変化したときに前記第2の制動力を保持する電動パーキングブレーキであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  5. 前記制動要求信号は、少なくとも前記車両の減速度、制動距離および制動時間または前記各車輪の制動圧のいずれか一つに相当するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  6. 前記制動要求信号は、少なくとも前記車両の減速度、制動距離および制動時間または前記各車輪の制動圧のいずれか一つの値の時間変化が予め定められたパターンとして与えられることを特徴とする請求項5に記載の自動ブレーキ装置。
  7. 前記ブレーキ制御ECUは、前記制動要求信号に基づき、高応答制動が必要と判定した場合には前記第1ブレーキ手段を動作させ、制動の長時間保持が必要と判定した場合には前記第2ブレーキ手段を動作させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  8. 前記制動要求出力手段は、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなり、
    前記ブレーキ制御ECUは、前記複数の制動要求出力手段よりそれぞれ前記制動要求信号が出力されているときには、該制動要求信号の大きさを表わす要求値の最も大きい値を出力している制動要求出力手段の制動要求信号を選択し、該選択した制動要求信号に基づき前記第1または/および第2作動信号を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  9. 前記制動要求出力手段は、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなり、
    前記ブレーキ制御ECUは、前記複数の制動要求出力手段よりそれぞれ前記制動要求信号が出力されているときには、該制動要求信号の大きさを表わす要求値に予め設定された前記制動要求出力手段の各重要度をそれぞれ掛けた値が最も大きい値を出力している制動要求出力手段の制動要求信号を選択し、該選択した制動要求信号に基づき前記第1または/および第2作動信号を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  10. 前記ブレーキ制御ECUは、前記車両の走行状態として走行中か、停止または停止間際かを判定し、走行中には主に前記第1作動信号を、停止または停止間際には前記第2作動信号を切り換えて出力することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  11. 前記制動要求出力手段は、それぞれ制動要求信号を出力する複数の制動要求出力手段からなり、
    前記ブレーキ制御ECUは、前記複数の制動要求手段よりそれぞれ前記制動要求信号が出力されているとき、一つの制動要求出力手段からの制動要求信号に基づき生成した前記作動信号より他の制動要求出力手段からの制動要求信号に基づき生成した作動信号へ、所定の時間勾配で変化させて出力する繋ぎ制御を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の自動ブレーキ装置。
  12. 前記時間勾配は、少なくとも前記制動要求信号の緊急度、切り換わり前後の制動要求信号の値の差、制動要求出力手段の重要度および車両の状態のいずれか一つに基づき決められることを特徴とする請求項11に記載の自動ブレーキ装置。
  13. 前記ブレーキ制御ECUは、前記繋ぎ制御における時間勾配を前記車両の走行状態に応じて変化させることを特徴とする請求項11に記載の自動ブレーキ装置。
  14. 前記車両の走行状態は、車両の速度、路面摩擦係数および車両の積載荷重の少なくとも1つであることを特徴とする請求項13に記載の自動ブレーキ装置。
    自動ブレーキ装置。
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