JP2009101756A - 衝突被害軽減装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車間距離レーダなどにより測定された障害物までの距離L[m]及び障害物との相対速度V[m/s]に基づいて、障害物に衝突するまでの衝突時間t[s]を演算する(S1及びS2)。そして、衝突時間tが所定値α以下になると、車両運転者に注意を喚起すべく、所定時間の間、衝突警報装置を作動させると共にブレーキを弱く作動させる(S3〜S5,S11)。何らかの要因により車両運転者が警報に気付かず、衝突時間tが所定値αより小さい所定値β以下になると、ブレーキを最大能力で強く作動させる(S6及びS7)。その後、エアバッグが作動していればブレーキ作動状態を所定時間又は停車するまで保持する一方、エアバッグが作動していなければ衝突警報及び制動を解除する(S8〜S10)。
【選択図】図2
Description
奥山宏和、外2名,「大型トラックのプリクラッシュセーフティの開発」,自動車技術,社団法人自動車技術会,2006年12月1日,第60巻,第12号,p.34−38
請求項3記載の発明では、前記ブレーキ解除条件は、ブレーキ作動状態の保持開始から所定時間経過したとき、車両が停止したとき、及び、ブレーキ解除スイッチが操作されたとき、のうち少なくとも1つの条件であることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記注意喚起手段は、警報装置を作動させ又はブレーキを弱く作動させることで、車両運転者に対して注意を喚起することを特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記距離測定手段及び変位状態測定手段は、ミリ波レーダからなることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、障害物への衝突後、ブレーキ作動状態の保持開始から所定時間経過したとき、車両が停止したとき、及び、ブレーキ解除スイッチが操作されたとき、のうち少なくとも1つの条件が成立したことを契機としてブレーキ作動状態が解除されるため、事故車両を迅速に移動させることができ、後続車が追突するなどの2次被害の発生を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、車両運転者は、警報装置の作動又はブレーキが弱く作動することを介して、障害物に衝突する危険性があることを認識することができる。
請求項7記載の発明によれば、障害物までの距離及び障害物との相対速度若しくはその変化率を測定するためにミリ波レーダを使用することで、悪天候や汚れなどの環境要因の影響を受け難くすることができる。
図1は、本発明に係る衝突被害軽減装置を備えた車両の全体構成を示す。
衝突被害軽減装置は、車両進行方向に位置する障害物を検知する車間距離レーダ10と、ブザー,警告灯などの衝突警報装置20と、コンピュータを内蔵したコントロールユニット30と、を含んで構成される。車間距離レーダ10は、距離測定手段及び変位状態測定手段として機能すべく、悪天候や汚れなどの環境要因の影響を受け難いミリ波レーダからなり、少なくとも、障害物までの距離L及び障害物との相対速度Vを夫々測定する。また、コントロールユニット30には、衝突時に作動するSRS(Supplemental Restraint System)エアバッグ40から作動信号が入力される。そして、コントロールユニット30は、ROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムを実行することで、車間距離レーダ10及びSRSエアバッグ40からの各種信号に基づいて、衝突警報装置20を電子制御すると共に、サービスブレーキなどを電子制御するブレーキコントロールユニット50に対してブレーキ作動指令を適宜出力する。なお、コントロールユニット30は、ブレーキコントロールユニット50に対してブレーキ作動指令を出力する代わりに、サービスブレーキなどを直接電子制御するようにしてもよい。
図2は、車両走行中であることを契機として、コントロールユニット30において繰り返し実行される制御プログラムの処理内容を示す。
ステップ2では、例えば、t=L/Vという演算式を用いて、距離L及び相対速度Vから、障害物に衝突するまでの衝突時間t[s]を演算する。
ステップ3では、衝突時間tが所定値α(第2の所定値)以下であるか否かを判定する。ここで、所定値αは、車両運転者に対して注意を喚起すべきか否かを判定するための閾値であって、ブレーキ操作などで衝突が回避可能な時間(例えば、1.6〜2.3秒)に設定される。そして、衝突時間tが所定値α以下であればステップ4へと進む一方(Yes)、衝突時間tが所定値αより大きければ処理を終了する(No)。
ステップ5では、車両運転者に対して注意を喚起すべく、ブレーキコントロールユニット50に対してブレーキを弱く作動させる弱制動(警報ブレーキ)指令を出力する。なお、ブレーキコントロールユニット50は、後続車に注意を喚起すべく、ブレーキを弱制動させるときに、ブレーキランプを同時に点灯させることが望ましい。
ステップ8では、SRSエアバッグ40の作動信号を読み込み、エアバッグが作動しているか否かを判定する。そして、エアバッグが作動していれば、障害物に衝突したと判断してステップ9へと進み(Yes)、ブレーキ作動状態を所定時間(例えば、3.0〜10.0秒)又は車両が停止するまで保持する。一方、エアバッグが作動していなければ、何らかの要因で衝突が回避できたと判断してステップ10へと進み(No)、衝突警報装置20を停止すると共に、ブレーキコントロールユニット50に対してブレーキ解除指令を出力する。
なお、車両が加減速中であるときには障害物との相対速度Vが一定でないため、相対速度Vからその変化率[m/s2]を間接的に求め、例えば、t=SQRT(2L/α)という演算式を用いて、障害物に衝突するまでの衝突時間tを演算してもよい。このようにすれば、衝突時間tの演算精度が向上し、適切な時期に警報及びブレーキ作動を開始することができる。また、障害物までの距離L及び障害物との相対速度Vを測定可能な車間距離レーダ10に代えて、距離Lのみを測定可能な公知の車間距離センサを使用し、距離Lの時間的変化から、障害物との相対速度V又はその変化率を間接的に測定するようにしてもよい。このようにすれば、安価な車間距離センサを使用でき、コストダウンなどを図ることができる。
20 衝突警報装置
30 コントロールユニット
40 SRSエアバッグ
50 ブレーキコントロールユニット
Claims (7)
- 車両進行方向に位置する障害物までの距離を測定する距離測定手段と、
前記障害物との相対速度又はその変化率を測定する変位状態測定手段と、
前記距離測定手段及び変位状態測定手段により夫々測定された距離及び相対速度若しくはその変化率に基づいて、前記障害物に衝突するまでの衝突時間を演算する衝突時間演算手段と、
前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が第1の所定値以下となったときに、該衝突時間だけブレーキを強く作動させるブレーキ作動手段と、
前記ブレーキ作動手段によるブレーキ作動後エアバッグが作動していれば、そのブレーキ作動状態を保持するブレーキ保持手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする衝突被害軽減装置。 - 前記ブレーキ保持手段は、所定のブレーキ解除条件が成立するまで、ブレーキ作動状態を保持することを特徴とする請求項1記載の衝突被害軽減装置。
- 前記ブレーキ解除条件は、ブレーキ作動状態の保持開始から所定時間経過したとき、車両が停止したとき、及び、ブレーキ解除スイッチが操作されたとき、のうち少なくとも1つの条件であることを特徴とする請求項2記載の衝突被害軽減装置。
- 前記衝突時間演算手段により演算された衝突時間が前記第1の所定値より大きい第2の所定値以下となったときに、車両運転者に対して注意を喚起する注意喚起手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
- 前記注意喚起手段は、警報装置を作動させ又はブレーキを弱く作動させることで、車両運転者に対して注意を喚起することを特徴とする請求項4記載の衝突被害軽減装置。
- 前記変位状態測定手段は、前記距離測定手段により測定された距離の時間的変化から、前記障害物との相対速度又はその変化率を間接的に測定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
- 前記距離測定手段及び変位状態測定手段は、ミリ波レーダからなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の衝突被害軽減装置。
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