JPH06278584A - 車両用衝突防止自動制動制御方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】車両の前方及び後方をレーダ監視し、状況によ
り自動制動装置を働かせるシステムを提供する。 【構成】前方の車両や障害物との距離を検知する前方レ
ーザレーダ装置１を具備して、前方車両等との距離が設
定値以下となると自動制動を行う車両用衝突防止自動制
動制御装置５を備えた自車両の後方にも前方と同じくレ
ーザレーダ装置を搭載して、自車両の後方に於ける車両
の有無や、追従車両との車間距離の検知、あるいは追従
車両の接近状態を監視すると共に、前方車両への玉突き
衝突を未然に防ぐための自動制動装置の作動時期や制動
の強さをプログラム制御する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車、電車等の車
両の衝突防止のために前方と後方の車間距離を安全な距
離に保ちながら、車両の制動装置を自動的に操作制御す
る車両の衝突防止自動制動方法及び装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来先行例である車両用衝突防止自動制
動制御方法としては、例えば図１に示すような装置によ
って行うものがある。つまり先行例の装置にあっては、
先行車両と自車両の車間距離を検知するための車間距離
監視装置と、自動制動装置の組み合わせによって、安全
な車間距離に保持せしめるための自動制動制御を行う方
式である。

【０００３】すなわち、先行車両との車間距離監視装置
は、レーザレーダ装置１、車間距離表示装置２、自車両
の車速センサー３及び車間距離表示装置内に組込まれて
いる車間距離演算装置４、で構成し、それらの車間距離
情報に基づいて自動的にアクセル装置や制動機器を制御
する自動制動制御装置５を具備している。そして上記制
動機器は、ブレーキペダル装置６を制御する自動制動装
置７や、アクセルペダル装置８を制御する自動アクセル
解除装置９がある。そして上記のそれぞれの装置は、接
続配線１０によって、接続されているものである。１１
は排気制動装置（リターダ）、１２は自動制動の電源ス
イッチ、１３はイグニッションスイッチ、１４はリター
ダスイッチ、１５はステアリングシャフトの回動に伴な
って回動される舵角センサ、１６は車間距離が設定値以
内になると警報を発するブザー、１７はスロットルコン
トロールドラム、１８はインテークマニホールドを示
す。

【０００４】そして上記各機器（装置）を搭載する自車
両の走行時において、各機器を起動させれば、レーザレ
ーダ装置１により、前方の先行車両との車間距離が検知
され、この車間距離検知信号を基にしてその車間距離が
設定値以下に縮められれば、自車両の自動制動制御装置
５及び自動制動装置を駆動して自車両に自動的に制動を
かけて低速走行あるいは停止となして、前方車両との衝
突を防止することができるものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の車両用衝突防止自動制動制御装置にあっては、自
車両の前方に位置されている先行車両や、障害物に対し
ては衝突防止ができても、後続車による追突防止策がな
されていない。

【０００６】すなわち、自車両に急ブレーキをかけたと
き、後続車両の制動停止が間に合わないと、自車両に追
突される場合があり、自車両が被害を受けるだけではな
く、例えば追突された弾みで前方へ押し出されてしま
い、自動制動作用によって自車両が安全に止まれたにも
拘わらず前方車両に衝突してしまう場合があって、従来
の前方監視だけによる自車両の自動制動制御では、後方
車両の追突による玉突き事故を防止することはできない
という問題点があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題点に着目してなされたもので、前方の車両や障
害物との距離を検知する前方レーザレーダ装置を具備し
て、前方車両等との距離が設定値以下となると自動制動
を行う車両用衝突防止自動制動制御装置を備えた自車両
の後方にも前方と同じくレーザレーダ装置を搭載して、
自車両の後方に於ける車両の有無や、追従車両との車間
距離の検知、あるいは後方車両の接近状態を監視すると
共に、前方車両への玉突き衝突を未然に防ぐための自動
制動装置の作動時期や制動の強さをプログラム制御し
て、後方車からの追突も有効に防止することができる車
両用衝突防止自動制動制御方法及び装置を提供すること
にある。

【０００８】

【実施例】以下に本発明を図２及び図３に示す実施例に
基づいて詳細に説明するが、本実施例の構造と従来例で
説明した構造との同一部分は、従来例で使用した符号を
付して、その同一構造部分の詳細説明を省略する。

【０００９】図２において１は前方用レーザレーダ装
置、２は前方車間距離表示装置、３は自車両の車速セン
サー、４は前方車間距離表示装置２内に組込まれている
車間距離演算装置、５は自動制動制御装置、６はブレー
キペダル装置、７は自動制動装置、８はアクセルペダル
装置、９はアクセル解除装置、１１は排気制動装置、１
２は自動制動電源スイッチ、１３はイグニッションスイ
ッチ、１４はリターダスイッチ、１５は舵角センサ、１
６は警報ブザー、１７はスロットルコントロールドラ
ム、１８はインテークマニホールドを示すものであっ
て、これまでの構造は、基本的に従来例で示した自動制
動制御装置と同じである。

【００１０】本実施例における特長は、自車両の後方追
従車両との車間距離を検知するための後方用レーザレー
ダ装置２０と、自車両と後方車両との車間距離を表示す
る後方用車間距離表示装置２１と、自車両が自動ブレー
キ作動中であることを後続車に知らせる表示器２２と、
前記後方用車間距離表示装置２１内に組込まれる後方用
車間距離演算装置２３が増設されていることである。

【００１１】以上が本実施例の構成であるが、次にその
作用について述べる。

【００１２】先行車両と自車両との車間距離を前方用レ
ーザレーダ装置１により検知すると共に、車速センサー
３によって自車両の速度を検知し、また前方車間距離演
算装置４では、先行車両の速度の算出や安全車間距離の
演算を行って、実際の車間距離と比較し、その車間距離
が危険な車間距離である場合は、自車両の後方に追従車
両の有無、あるいは車間距離の検知を後方用レーザレー
ダ装置２０と後方車間距離演算装置２３により行ない、
後方に車両がいない場合や、追従車両との車間距離が、
自車両の制動に対して十分広いと判断された場合は、自
動制動制御演算装置５からの信号で例えば第一段階とし
て、アクセル解除装置９を作動させる。また、後方に追
従走行車両がいる場合は、後方車両へ自車両が減速する
ことを、表示器２２の点灯によって後方の追従車両運転
者に知らせる。

【００１３】第二段階としては、上記第一段階の作動で
も、先行車両との車間距離が広がらず、先行車両と自車
両との安全車間距離を維持できない場合は、排気制動装
置（リターダブレーキ）１１を作動させて制動をかける
信号がだされる。この時も第一段階のアクセル解除のま
まで、追従車両には、表示器２２を点灯してブレーキが
作動中であることを警報している。

【００１４】第三段階では、前方車間距離演算装置４が
先行車両が低速走行車両と判断した場合であり、第一段
階、第二段階の制御に加え、自動制動装置７を作動する
信号が出る。この出力信号により例えば減速度が０．３
Ｇとなるようにブレーキペダル装置６を作動し、制動を
行ない前方車両への追突防止を図ると同時に表示器２２
は点灯し後方の運転者に警報する。第四段階では例えば
０．５〜０．６Ｇで制動する。

【００１５】また、後方の追従車両が極端に狭い車間距
離で接近している場合は、自車両の運転者に対して後方
車両の車間距離表示装置２１に、車間距離を表示すると
共に警報を発生させ、急制動操作を行なわない様、運転
者に注意を促すことができる。この場合は、前方車両と
の車間距離を通常の安全車間距離より長く取る必要があ
る。自動制動制御演算装置５は後方用車間距離演算装置
２３からの後方車両との車間距離によって、先行車両と
の車間距離を広く取って、各段階の制動操作を行なう。
特に、第三段階の信号や、停止車両を検知した時の第四
段階の信号では後方車両との車間距離の影響を受けて、
自車両が急制動を行なわずに停車できる安全車間距離で
作動を開始する。表示器２２が早めに点灯するので、後
方車両が自車両へ追突して来ることを自車両側で抑止で
きるように、自動制動制御装置の演算アルゴリズムを作
成してある。

【００１６】図３は本発明の他の実施例を示すものであ
って、この実施例の構造は、前記実施例の構成に対し
て、指向性アンテナ２４を有する電波発信装置２５を付
加せしめたものである。

【００１７】つまりこの実施例にあっては、自動制動制
御演算処理装置５が、自動制動の信号を発信した場合、
車両後方に設けた指向性アンテナ２４により後方の追従
車両に対して、制動を開始したことを知らせる電波発信
装置２２を装着したものである。

【００１８】後方の車両に電波を受信する装置がない場
合もあるが、大型の運送トラックには簡易無線装置等を
搭載していることが多いので、それらの簡易無線装置等
を利用することで先行車両が自動制動作動中であること
を受信させることができる。これによって、後方車両の
運転者に対して無線手段で安全運転の注意を喚起させる
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように本発明は、先行車両へ
の追突や衝突を防止するための自動制動制御装置が搭載
される車両において、後方用レーザレーダ装置及び後方
用車間距離演算装置を具備せしめて、後方の追従車両の
有無や、追従車両との車間距離を検知し、前方車両の車
間距離と後方の追従車両の車間距離と自車速の状態を検
知して、自動制動の開始車間距離や条件を制動の強さに
より数段階に分けて制御すると共に、後方の追従車両に
先行車の制動の状態を信号灯火等により知らせるように
した車両用衝突防止自動制御方法及び装置であるから、
これによれば自車両が先行車両に追突すること及び後続
の追従車両が自車両に追突することが有効に防止できる
と共に、急制動を避けた自動制動が行なえる。

【００２０】また、各種の制動装置が作動すると同時に
後方車両に対して、信号灯火等の報知器を用いて、自車
両が先行車両に近づき過ぎて制動を開始したことを知ら
せ、後続車の運転者が早めに制動装置を操作して、車間
距離を広くして追突防止がなされ、安全運転に役立つと
いう効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の車両衝突防止自動制動制御装置の説明
図。

【図２】本発明実施例の車両衝突防止自動制動制御装置
の説明図。

【図３】本発明実施例の他の実施例を示した車両衝突防
止自動制動制御装置の説明図。

【符号の説明】

１…レーザレーダ装置 ２…車間距離表
示装置 ３…車速センサー ４…車間距離演
算装置 ５…自動制動制御装置 ６…ブレーキペ
ダル装置 ７…自動制動装置 ８…アクセルペ
ダル装置 ９…自動アクセル解除装置 １０…接続配線 １１…排気制動装置 １２…自動制動
の電源スイッチ １３…イグニッションスイッチ １４…リターダ
スイッチ １５…舵角センサ １６…警報ブザ
ー １７…スロットルコントロールドラム １８…インテー
クマニホールド ２０…後方用レーザレーダ装置 ２１…後方用車
間距離表示装置 ２２…表示器 ２３…後方用車
間距離演算装置 ２４…指向性アンテナ ２５…電波発信
装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車や鉄道車両の衝突を防止する自動
   制動作動装置に於いて、前方先行車両と後方追従走行車
   両それぞれの車間距離を検知し、先行車両との車間距離
   が狭まり先行車両への衝突の危険が迫った時に自車両が
   自動制動を行う場合、後方車両が自車両に追突しない様
   に、後方車両との車間距離も関連させて、自車両の自動
   制動作動条件や制動時期を制御する様にしたことを特徴
   とする車両用衝突防止自動制動制御方法。
2. 【請求項２】 先行車両への追突や衝突を防止するため
   の自動制動制御装置を搭載してなる車両において、追従
   する車両の車間を検知するための後方用レーザレーダ装
   置及び後方用車間距離演算装置を具備せしめたことを特
   徴とする車両用衝突防止自動制動制御装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の自動制動制御装置におい
   て、自動制動を開始したことを追従車両に知らせるため
   の点灯表示器を具備せしめたことを特徴とする車両用衝
   突防止自動制動制御装置。
4. 【請求項４】 請求項２及び３記載の自動制動制御装置
   において、自動制動を開始したことを、電波信号により
   追従車両に知らせる発信装置を具備せしめたことを特徴
   とする車両用衝突防止自動制動制御装置。