JP2006306273A - 自動制動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転者の制動指示によらずに車輪に作用する制動力を制御する自動減速停止制御部10Bと、上記自動減速停止制御部10Bが制動制御する車輪のうちの一部の車輪に作用する制動力を制御する駐車ブレーキ制御部10Dと、を備える。自動減速停止制御部10Bによる制動で車両が停止すると上記駐車ブレーキ制御部10Dによる制動により車両の停止を維持する。そして、上記自動減速停止制御部10Bによる制動の解除を、運転者の意思によって、シフト位置が前進レンジから非駆動レンジ若しくは後進レンジに変化するタイミングに合わせる。
【選択図】 図1
Description
ここで、上記自動ブレーキの解除は、運転者の意図とは関係なくブレーキECU(電子制御ユニット)等が行うものであることから、運転者の意図によらないタイミングで上記のような車両姿勢の変化が発生してしまうため、運転者は違和感を感じる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車両停止時における運転者の意図によらないタイミングでの車両姿勢の変化を抑えることを課題とする。
上記他の車輪への制動の解除を、運転者の操作により駆動力が変化するときに合わせることを特徴とするものである。
図1は、自動制動に係る概要構成図である。
まず、本実施形態の構成について説明すると、図1のように、前後四輪1FR〜1RLにそれぞれサービスブレーキユニット2FR〜2RLが設けられている。各サービスブレーキユニット2FR〜2RLは油圧配管3を介して油圧アクチュエータ4に接続され、当該油圧アクチュエータ4からの制動圧に応じて各輪に制動を作用する。その油圧アクチュエータ4は、運転者が操作するブレーキペダルに応じたマスターシリンダ5からの圧によって作動する共に、所定条件下、制動コントローラ10からの指令によっても作動する。
上記駐車ブレーキアクチュエータ8は、運転者によって駐車レバーが操作されることで作動すると共に、自動スイッチがオンの場合には、制動コントローラ10からの指令に基づき作動する。
自動減速判定部10Aは、操作スイッチに基づき自動制動の信号を入力すると作動し、現在の車両環境が自動停車すべき状態と判定すると、自動減速停止制御部10Bに作動指令を出力する。現在の車両環境が自動停車すべき状態とは、例えば、自車両の前方にある物体との相対速度、自車速度及び減速度等から上記物体と衝突する危険性が高いと判断した場合などである。
すなわち、ステップS10〜40にて、車速、路面の勾配、エンジン回転数、シフト位置などの制動制御に必要な情報を検出及び演算した後に、ステップS50に移行する。
ステップS50では、車速がゼロつまり車両停止状態か否かを判定する。車両が停止していない場合には、ステップS60に移行し、車両が停止している場合にはステップS70に移行する。
ステップS70では、駐車ブレーキ制御部10Dに作動指令を出力し、ステップS80に移行する。なお、ステップS70は省略しても良い(単に、駐車ブレーキ制御部10Dが独立して車両停止に応じて自動的に作動しても良い)。
ステップS90では、現在のシフト位置が前進レンジか否かを判定し、前進レンジの場合には、ステップS100にて前進レンジフラグf_Drangeに「1」を代入して復帰する。なお、前進レンジフラグf_Drangeの初期値は「0」である。一方、現在のシフト位置が前進レンジでない場合には、ステップS110に移行する。
ここで、以下のステップS120〜S160は、自動制動による制動力の解除処理である。
ステップS130では、低下速度α分小さくした自動制動力Fautoを演算し、ステップS140に移行する。
ステップS150では、自動制動力Fauto及び前進レンジフラグf_Drangeに「0」を代入して初期化してステップS160に移行する。なお、次回作動開始時に自動制動力Fauto=0となっていれば、自動減速停止制御部10Bの作動を停止する。
ステップS160では、自動制動力Fautoとなる指令を油圧アクチュエータ4に出力して復帰する。
ここで、勾配が0つまり平坦路で、エンジン回転数が通常状態(例えば800rpm程度)、減速度が1m/s2(例えば一般の運転者が市街地の赤信号で車両停止を行う際の平均的な減速度)で車両停止を行い、シフト位置を前進レンジからニュートラルレンジ(非駆動レンジ)に変更した場合における、自動ブレーキ解除時の制動力低下速度の最適値を車両実験によって求め、基準低下速度α1として、予め設定しておく。
この制動力低下速度駆動トルク分係数KTは、図3のステップS210中に示すように、車両の作用する駆動トルクが大きいほど1よりも大きな値に設定される。本実施形態における制動力低下速度駆動トルク分係数KTでは、駆動トルクの算出をエンジン回転数REVeから求めており、種々の関係は実車実験により求める。REV1は通常時のエンジンアイドリング回転数(例えば800rpm)であり、この時の係数KTを基準として「1」とする。またREV2は例えば暖気時やエアコンがONにされたことでアイドリング回転数が上昇した時の回転数(例えば1300rpm)であり、この回転数における駆動トルクとなった場合に、上記α1に対して最適な制動力低下速度となる比率として設定する。
この制動力低下速度減速度分係数KGは、車両停止直前の減速度が大きいほど大きくなるように設定する。例えば、減速度XG1として減速度1m/s2の時を最適値として「1」に設定して、それよりも減速度が大きなほど大きな値とする。XG2は自動ブレーキにより発生する最大減速度(設計者が任意設定する)である。
ステップS240では、制動力低下速度変更レンジ分係数KRを演算してステップS260に移行する。この係数KRは、トランスミッションの前進レンジ時の減速比と、後進レンジ時の減速比から求める。すなわち、前後進の減速比が同じ場合はKR=2と予め設定しておき、後進レンジの方が減速比が大きい(同じエンジン駆動トルクでも、車輪に働く駆動トルクは大きくなる)場合は、その比に応じてKRを設定しておく。この場合には、KR>1である。
ステップS260では、下記式に基づき、基準低下速度α1を係数KΘ、KT、KG、及びKRで補正することで制動力の低下速度αを演算して処理を終了する。
α=KΘ×KT×KG×α1
なお、自動制動がオンの状態とする。
例えば車両が前進走行中に、車両前方に先行車の停止や障害物が存在するなど、所定の車両の自動停止条件を満足すると、自動減速停止制御部10Bが作動し、4輪全輪のサービスブレーキユニット2FR〜2RLを作動して4輪全輪に制動力を作用させて車両を自動的に停止させる。このとき車両停止時における車両の姿勢は前下がりの姿勢となる。
その後、運転者の操作によってシフト位置が前進レンジから非駆動レンジや後進レンジなどの変更されると、その変更に合わせて上記サービスブレーキによる制動を解除する。
このように、運転者の意思によって車両にピッチングが発生する可能性のある操作に合わせてサービスブレーキの作動を解除することで、運転者の意図によらないタイミングで車両姿勢が変化してしまうことを防止できる。
このとき、シフト位置が前進レンジから非駆動レンジまたは後進レンジに変更された時に合わせて、上記サービスブレーキの解除を行うことで、次のような効果もある。すなわち、自動ブレーキの解除による車両姿勢変化と、前進レンジ→非駆動レンジまたは後進レンジに変更された時の車両姿勢変化とは、それぞれ逆の方向のピッチングを発生することから、両者の車両姿勢の変化が相殺され、車両として姿勢変化量を抑えることができる(図6における車両姿勢の変化のタイムチャートを参照)。
すなわち、車両に作用する駆動トルクが大きいほど、駆動トルクが消失または後進レンジに変更された時のトルク変化量が大きいことから、車両姿勢の変化する速度が速くなる。この場合に、自動ブレーキ解除時の制動力の低下速度αが遅いと、駆動トルク変化による姿勢変化の影響が自動ブレーキ解除による姿勢変化よりも速く発生してしまい、図7に示すタイムチャートのように、姿勢変化する方向が変動してしまう。これに鑑みて、本実施形態では、駆動トルクの大きさに合わせ制動力低下速度を速くすることで同期をとって、姿勢変化する方向を一方向だけとなるように調整可能となり、不要な車両姿勢変化を抑制できるという効果を得る。
ここで、運転者による、ピッチング方向の変動が発生する可能性のある指示操作としてシフト位置の変更を例示しているが、この他に、アクセルペダルの踏み込みなどの操作がある。
1RR、1RL 後輪
2FR〜2RL サービスブレーキユニット
4 油圧アクチュエータ
6R、6L 駐車ブレーキユニット
7 ケーブル
8 駐車ブレーキアクチュエータ
10 制動コントローラ
10A 自動減速判定部
10B 自動減速停止制御部
10C 低下速度演算部
10D 駐車ブレーキ制御部
Claims (8)
- 運転者の制動指示によらずに車輪に作用した自動制動によって、走行していた車両が停止すると、制動の掛かった車輪の一部の車輪にのみ制動を掛けて車両停止状態を維持すると共に他の車輪への制動を解除する自動制動装置において、
上記他の車輪への制動の解除を、運転者の意思によって、車両にピッチング方向の変動が発生する可能性のある指示操作が行われたときに合わせることを特徴とする自動制動装置。 - 上記指示操作は、駆動トルクの伝達開始若しくは伝達方向の切換、又は駆動トルクの消失を指示する操作であることを特徴とする請求項1に記載した自動制動装置。
- 運転者の制動指示によらずに車輪に作用する制動力を制御する自動ブレーキ制御部と、上記自動ブレーキ制御部が制動制御する車輪のうちの一部の車輪に作用する制動力を制御する駐車ブレーキ制御部と、を備え、
上記自動ブレーキ制御部による制動で走行していた車両が停止すると上記駐車ブレーキ制御部による制動により車両の停止を維持すると共に、上記自動ブレーキ制御部による制動を解除する自動制動装置において、
上記自動ブレーキ制御部による制動の解除は、車両の停止前に車両に作用していた駆動トルク方向に車両の駆動トルクが作用している状態から、その方向の駆動トルクが消失または逆方向へ作用する状態に切り替わったことを検出すると実施されることを特徴とする自動制動装置。 - 上記切り替わりの検出はシフト位置を検出するものであり、かつシフト位置が、前進レンジから、非駆動レンジまたは後進レンジに変更されたときであることを特徴とする請求項3に記載した自動制動装置。
- 上記自動ブレーキ制御部による制動を解除する際の制動力の低下速度を、当該自動ブレーキ制御部による制動を解除する際に車両に作用する駆動力の大きさに応じて変化させ、当該駆動力が大きいほど上記低下速度を早くすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した自動制動装置。
- 上記自動ブレーキ制御部による制動の解除は、シフト位置が変更されたときであり、上記自動ブレーキ制御部による制動を解除する際の制動力の低下速度は、シフト位置が非駆動レンジに変更されたときよりも駆動レンジに変更されたときの方が大きいことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載した自動制動装置。
- 上記自動ブレーキ制御部による制動を解除する際の制動力の低下速度を、車両停止直前の減速度に応じて変化させ、当該減速度が大きいほど遅くする方向に補正することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載した自動制動装置。
- 上記自動ブレーキ制御部による制動を解除する際の制動力の低下速度を、車両停止時の路面勾配に応じて変化させ、前下がりの勾配が大きくなるほど遅くなる方向に補正することを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載した自動制動装置。
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